06/07/28 平成18年7月28日(東京都)米国産牛肉輸入問題(対日輸出認定施設の 現地調査結果)に関する説明会 米国産牛肉輸入問題(対日輸出認定施設の現地調査結果)に関する説明会 日 時:平成18年7月28日(金)14:00 〜16:39 場 所:三田共用会議所講堂 1.開 会 2.議 事  (1)米国における日本向け牛肉認定施設の現地調査結果について  (2)質疑応答 3.閉 会 1.開 会 ○司会 本日は、お忙しいところ、御出席いただきまして誠にありがとうございます。 ただいまから「米国産牛肉輸入問題(対日輸出認定施設の現地調査結果)に関する説明会」を開 催いたします。 私は、本日の司会役を務めさせていただきます、厚生労働省食品安全部企画情報課の吉田佳督と 申します。よろしくお願いいたします。 さて、地球温暖化防止と省エネルギーのために、本年度も6月1日から9月30日までの間、い わゆるクール・ビズに取り組むこととしております。本日の意見交換会もクール・ビズといたしま すので、よろしくお願いします。ネクタイや上着をお取りになって御参加いただければと思います。 御協力をよろしくお願いいたします。 それでは、本日の説明会でありますが、厚生労働省と農林水産省の主催で行っております。 まずは、主催者を代表いたしまして、厚生労働省の松本食品安全部長からごあいさつを申し上げ ます。 ○松本食品安全部長 皆様、こんにちは。厚生労働省食品安全部長の松本義幸です。本日は大変暑 い中「米国産牛肉輸入問題(対日輸出認定施設の現地調査結果)に関する説明会」に足をお運びい ただきまして、ありがとうございました。 米国産牛肉につきましては、本年1月20日の脊柱混入事案発生以来、輸入手続を停止し、米国 側に対し、原因究明と再発防止策等を求める一方、本事案が米国側の輸出プログラムの信頼を損っ たものであるということを重視いたしまして、4月、6月にはそれぞれ全国10か所で意見交換会 を実施して、国民の皆さんとの意見交換に努めてきたところであります。 このような手続を経る中で、政府といたしましては、米国側との協議等を通じまして、輸入手続 再開前の現地調査の実施、対日輸出製品リストの作成及びそのリストの日本側への提供、米国側に よる抜き打ち査察への同行、輸入時検査の強化等、国民の皆様からちょうだいした意見を反映して きたところであります。 現地時間では、6月24日から7月23日まで、日本向け認定施設35か所につきまして、輸入手 続再開前の現地調査を行いまして、対日輸出プログラムの遵守体制の検証と、昨年12月12日から、 本年1月20日までの間に米国から輸出され、まだ通関が済んでいない牛肉等についての処理、加 工等の記録を検証し、輸出基準を満たしているかを検証してきたわけでございます。 本日は、事前調査の結果と、この調査結果を踏まえました米国産牛肉の取扱いに関しまして、国 民の皆様方に情報を提供し、御理解いただくために説明会を開催したところであります。 ちょうど同じ時間に大阪でやっております。また、予定では今日中には、本日、皆さん方のお手 元に配っております説明会の資料が、厚生労働省、農林水産省のホームページで見ることができま すので、会場に足を運ぶことができなかった皆さんにつきましても、インターネットで資料等につ いては閲覧できるということにしております。 政府といたしましては、国民の皆様の健康確保と、不安解消を最優先といたしまして、必要な手 順を確実に積み上げ、本日に至ったものだと考えておりますが、今後とも米国産牛肉を含めた食品 の安全確保対策に全力を尽くしてまいりたいと考えております。 また、本日の説明会で、皆さん方いろいろ御意見があろうかと思います。忌憚のない御意見をお 寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○司会 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。 まず、説明会の議事次第でございます。 資料といたしまして「対日輸出認定施設の事前調査結果等について」でございます。 参考資料1、参考資料2、参考資料3を用意してございます。 また、今後の参考にさせていただくために、アンケートを用意しております。お帰りの際には御 協力をお願いいたします。 なお、資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。 続きまして、本日の進行について説明いたします。 まず、厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室の道野室長から対日輸出認定施設の 事前調査結果等につきまして、50分程度説明をいたします。その後、質疑応答に入りたいと思いま す。 なお、終了は午後4時を予定しております。 2.議 事 (1)米国における日本向け牛肉認定施設の現地調査結果について ○司会 それでは、厚生労働省の道野室長から説明いたします。 ○道野輸入食品安全対策室長 厚生労働省の医薬食品局食品安全部監視安全課の道野と申します。 よろしくお願いいたします。 今日は、スライドの調子がよくないということでして、調子がよくなったら多分使えるようにな るんだと思うんですけれども、それまでの間、申し訳ないんですけれども、資料をごらんになって いただきながら、私の方から説明をさせていただきたいと思います。 スライドが引き続き使えないようであれば、写真のところなんかは、どういう色かということを 少しずつ御紹介しながら説明をさせていただきたいと思います。恐縮ですけれども、よろしくお願 いいたします。 それでは「資料」と書いたパワーポイントのつづりをごらんいただければと思います。 「説明 の流れ」ということでございますけれども、最初はIから順番なんですが「米国産牛肉問題のこれ までの経緯」。 それから、6月にありました「II『日本政府及び米国政府による米国産牛肉の輸入手続の再開に 向けた措置についての共同記者発表』の概要」。 その後に、今回の「III 対日輸出認定施設に対する調査結果等」。 更に、昨日公表したところでございますけれども、輸入手続の再開と、それに関連した私どもの 考え方、施策の意図ということについて御説明を申し上げたいと思います。 資料の2ページをごらんください。 「これまでの経緯(1)」に関しましては、多くの皆様が御承知だと思いますけれども、簡単に申し 上げます。 平成15年12月に米国で、カナダ生まれということでありましたけれども、BSEの感染牛が見 つかりました。その後、日米間で協議を行いまして、昨年の12月12日に再開が決まったわけでご ざいますけれども、1月20日に至りまして、米国の方から脊柱を含む子牛肉というものが輸出さ れ成田空港に到着したということであります。 本事案につきましては、アメリカ政府、農務省の対日輸出向けのきちんとした証明書が付いてい たことや、対日輸出できない部位の名称を含む証明書なり関連書類、それから実際の貨物もそうい ったものであったということで、米国側での対日輸出基準というものについてきちんと理解がされ ていないのではないかといった観点がございまして、全面的に輸入をストップをしたということで ありました。 3ページの方をごらんいただきますと、その後、関連した当該2施設の原因究明であるとか、そ の他の対日輸出施設に関しての遵守状況の調査、そういったことが米国側で実施され、それぞれに つきまして3月に日米専門家会合、それから5月にも同じように東京で専門家会合を行いまして、 米国側に日本政府から出した宿題というものが返されてきました。 そういったプロセスを経まして、6月20日と21日に日米局長級のテレビ会合ということで、再 開に向けての措置について整理をしました。それに基づいて、今回の現地調査が実施されたという 経緯であります。 先ほど、松本部長からもごあいさつ申し上げたとおり、その間、4月と6月に意見交換会を開催 いたしまして、皆様の御意見もいただいてきたという経緯であります。 資料の4ページに移らせていただきます。 日米による米国産牛肉の輸入手続の再開に向けた措置についての共同記者発表ということで、6 月21日に公表した内容でございます。 まず、米国側措置ということですが、今回の事案の発生を踏まえて、その原因に対応した再発防 止措置を含めた米国側の輸出プログラムの強化策という内容になるわけです。施設の措置というの は、要は輸出認定施設側に強化された内容ということであります。 1つは、対日輸出ができる製品リストを作成するということでございます。 下に「部分肉処理施設については」云々と書いておりますけれども、多くの施設はと畜解体施設 と部分肉の処理施設、ブロック肉にするまでの工程等、両方持っているというのが通常の形態です けれども、別々のところで、要するに単独のと畜解体工程だけの施設を持っているところとか、そ れから枝肉から部分肉を加工する工程だけを持っている施設というのもあるわけです。 基本的に両方がセットになっている施設に関しては、部分肉なり、輸出できる内臓なり、そうい ったものの製品の名称をリストにするということになるわけですけれども、と畜解体施設の場合に はそういったものはないわけです。 更に「部分肉処理施設については」と、ここに書いてある内容については、輸出向け製品の原料 の仕入れ先リストと仕入れ先ごとの仕入れ可能な製品リストの作成ということになっておりまし て、勿論、と畜解体施設のみを持っている施設であっても対日輸出の認定が必要なわけです。認定 されたと畜解体をする施設をリストに書いて、そこから仕入れ可能なものについての製品のリスト をつくるということです。 要するに片方の業態であっても、こういったリストを置くことによって、同じように、と畜解体 と部分肉処理が両方行われ、施設を同等の仕組みにするということになっております。 それから、特定危険部位の除去等の対日輸出プログラム上必要とされている条件を施設のマニュ アルに記載ということでありまして、これは対日輸出プログラムということで、農務省の方で定め ている輸出するための特定の製品条件というのがあります。 日本向けの特定製品条件ということで、SRMが輸出できないことであるとか、そういった諸条 件についてマニュアルに明記するということがあります。 もう一つとしては、対日輸出条件、勿論プログラムも含めてですけれども、施設の役員だけでは なくて、関係の職員にも周知を徹底する。 周知を徹底するというのは、具体的にどうするかというと、通常は研修トレーニングをやるわけ です。 米国側の措置の2番目でありますけれども、今度は役所側といいますか、監督する農務省側の措 置ということになります。 施設認定に際して、マニュアルの適正性、役職員の理解を確認する。特にマニュアルについては、 先ほど申し上げたように、リストの追加だとか、条件をマニュアルに記載するとか、そういったこ とも追加されていることもあるので、マニュアルの適正性というのを再度確認する。 役職員の理解を確認ということで、従来の監査では、多く場合、役員といいますか、それぞれの 分野の責任者のみにインタビューをしていたのに加えて、職員の方にもインタビューをしていくと いうことであります。 それから、施設を担当する検査官の研修終了後に施設を認定するということでありまして、これ は下側のFSISの措置の1つでありますけれども、FSISの検査官の研修終了後に、それを確 認した上でAMSがその施設を認定するという意味であります。 それから、製品リストを管理し、輸出申請ごとにその製品が輸出可能かどうか確認をする。これ も施設がつくった製品リストについてAMSがきちんと審査をして輸出可能なものというリスト を完成させるわけですけれども、それに沿ったものが輸出されているかどうかということの手続を 設けるということであります。更に、抜き打ちによる査察を実施。 農務省のもう一つの食品安全 検査局というところに関しましては、通常はその施設に職員を派遣してと畜検査をやっている部局 であります。 要は、施設に駐在しているのはAMSの職員ではなくて、FSISの職員です。本業は国内の安 全規制を遵守させるということで、と畜検査や、ほかのと畜場の衛生管理についての国内規制を施 行する立場の人です。この人たちが最終的には日本への輸出証明についてサインをするという役割 を持っていますので、彼らが輸出の要件に合っていなければサインをしない、合っていればサイン をするという役割をしているわけです。 そういったことで、輸出プログラムの条件について、彼らが熟知していなければ意味がないとい うことがありますので、研修を受けて、更にその試験に合格するということを要件にしております。 先ほどのAMSの措置は、こういった検査官の研修、これは試験も一緒ですけれども、修了して いないと、その施設を認定しないということにしたわけです。 更に、輸出検査証明に際して製品リスト、対日輸出プログラム条件の適合性を確認、それから抜 き打ちによる査察を実施という内容でございます。 資料の5ページにまいりますけれども「日本側の措置」ということで、1つは対日輸出再開前の 現地調査。それから先ほど申し上げたような米国によるAMS、FSISの抜き打ち査察への同行。 それから日本の水際での検査の強化。更に輸入業者に対する対日輸出プログラム条件についての周 知徹底ということであります。 「輸入手続きの再開(1)」ということで、再開に向けての具体的な考え方ということでありますけ れども、今回、現地調査を行ったわけですけれども、これは現地調査を行う前に整理した内容であ ります。米国の検査体制、対日輸出プログラムの有効性を検証するということが1点。 それから、現地調査において、不適合がなかった施設について輸入手続を再開する。 更に、不適合がある施設が発見された場合には、日米両政府は、その不適合について緊密に協議 をする。 この緊密に協議をするという意味はどういう意味かといいますと、当然不適合があったら、それ をアメリカのシステムの中で当然改善がされるわけです。その改善内容について米国側が確認をす る。日本側も確認をする。そういった内容について緊密に協議と書いてあるわけです。 6ページの(2)の方ですけれども「国内にある輸入手続き停止中貨物の取扱い」ということであり ますけれども、これに関しましては、昨年の12月、今年の1月と2か月間にわたって米国におい て対日輸出向けの処理がされたものがあるわけです。 730 トンにつきましては、既に1月20日までに輸入時の検査を合格して、国内に流通したわけ ですけれども、正確な数字は、まだはっきりつかめていませんが、1,000 トン弱の未通関貨物とい うものがございます。そういったものについてどういう考え方を取るかということですが、今回の 現地調査で不適合がなければ、輸入手続の再開後に、全箱確認をし、問題がなかったものについて 輸入を認める。そういう考え方について、日米間で認識を共有したというのが6月の日米局長級の 協議の結論であったわけです。 スライドが復活しました。 (PP) 今回の調査結果ということで、ちょうどいいタイミングで間に合いました。 調査の期間と実施方法ということでございます。6月24日から7月23日まで、特に21日に米 側とオマハで協議をして、23日に戻ってきたわけですけれども、約一か月間で、対日輸出認定施設、 アメリカにある35施設について調査をいたしました。 厚生労働省と農林水産省の担当者がチームをつくってそれぞれ回ったわけですけれども、東部と 中西部中心と西海岸沿い、それぞれ3チームに分かれてやりました。 調査につきましては、1チーム3人から4人という人数構成で確認した内容といたしましては、 施設のマニュアルの整備状況、特にプログラムの要件への適合ということであります。それから、 マニュアルに沿った作業の実施といった内容であります。 ただ、今回の調査というのは、あくまで対日輸出処理が始まっているわけではないわけです。輸 入手続が再開されたわけではありませんので、そういった制約があるということで、実際に対日輸 出をする製品の処理は当然のことながら見られないということがあるわけです。 そういった制約がありますので、我々の調査の中心になったのは、マニュアルとか作業手順とい った文書化の内容が中心になっております。 ただし、すべての施設について、現場についても調査をしています。特にと畜解体工程について は、そんなに国内向けと日本向けで違うというわけではありませんので、と畜解体工程については、 再開をしたとしても、ほぼ同じような処理がされるだろうと見ております。 あと、カット施設、内臓の処理に関しても必要なものについて、要するに対日輸出に特有の処理 のようなもの、例えば回腸遠位部の除去だとか、国内規制でもやっていますけれども、通常は余り 国内向けの出荷というのはないようですので、そういったものの確認。それからA40の確認である とか、日本向けの特有の作業については、別途デモンストレーションをやってもらいたいというこ とで確認をしてきております。 (PP) 「書類等での調査」ということで、具体的な内容が書いてありますけれども、施設の概要という ことで、従業員数も重要なんですけれども、農務省の検査官の数ということです。 それから、輸 出プログラムに関しては、基本的には対日輸出プログラムということで、それぞれ施設でつくった 品質マニュアルであるとか、それからSOP、標準作業手順書といったようなもの。 更に、米国では、こういった牛肉、豚肉、鶏肉の処理施設に関してはHACCPの導入というの が義務づけられています。そういったことでHACCPプランについての内容の確認ということも してきております。 更に、そういったプログラムプラス関係記録ということで「過去の」というのは、先ほど申し上 げたような昨年の12月、今年の1月に対日輸出処理をした施設がございますので、そこでは実際 に対日輸出処理がそういった手順を守って処理されたかどうかということについて、これも検証可 能なように記録を備えるということがルールとして定められていますので、そういった記録につい て確認をいたしました。HACCPについても同じです。 あと、国内規制で違反があった場合に は、ノンコンプライアンスレコードというものが発行されていますので、国内規制の違反に対する 対応、改善というものがきちんとされているのか、アメリカの国内規制のシステムというのがきち んと動いているのかどうか、そういった観点で、こういったものも確認をしてきております。 更に、今年の1月に問題を起こした施設に関しては、従業員の方々に対してきちんと対日輸出の いろいろな手順というのが、きちんと周知されていたのかどうかということが疑問になっていたと いうこともありますので、従業員の方に対するトレーニングの記録というものについても確認した ということであります。 現場では先ほど申し上げたような通常の国内向けの処理も見ていますけれども、それに加えて、 通常やっていない場合には、デモンストレーション、対日輸出関係に関係した処理のデモンストレ ーションであるとか、従業員の方に対するインタビューということもやっております。 (PP) 処理の流れというのは、去年の12月の調査のときと基本的に流れは同じですので、変わってい るわけではありません。「生体の受け入れ」というところに関しては、施設の外というか、勿論敷 地内なんですけれども、向こうはペンと言っていますけれども、生体の係留所があるわけです。 これは、たまたま上にブリッジが付いていて、非常に検査がしやすいところなんですけれども、 トレーラーに積まれて入ってきた牛が、ずっと搬入されてフィードロットのロットごとにペンの中 に収められるということになります。 アメリカのと畜検査でも、やはり生体検査ということがやられています。要するに生きたまま搬 入された状態での検査ということです。 この検査は、農務省が1頭ずつ見ることを検査官に対して要求をしていますので、こういうよう なブリッジのあるような便利な施設は、上から見られますし、それ以外の施設でもこういう通路に 検査員が入ったり、もしくはペンの外側からペンからペンに移動させたりとか、そういったことで チェックをしています。 米国の場合には、歩行困難牛については食用にしないということで、生体検査で見つかった時点 で、食肉処理をされるグループから外されてしまうわけです。それで、BSEのサーベイランスの 対象になります。 (PP) 「生体受入時の書類確認」ということですけれども、今の施設の外側に設置されているペンの横 に、少し簡単な建物ですけれども、そこの中でどこのフィードロットから何頭、何時に搬入された とか、種類と性別はどうこうとか、そういった細かな情報を確認していくわけです。通常はフィー ドロットから購入するわけですから、購入したものが入ってきたということで、そういったものに ついての確認がされるわけです。 我々がここで見たポイントというのは、特に生産記録で月齢を確認するケースというのがあるわ けです。月齢の確認方法には2つあるわけですけれども、その1つとして、生産農場、フィードロ ットと記録のリレーがずっとされてきて、20か月齢以下ということが確認される牛のロットという ものがあるわけですけれども、そのロットが確実に確認されて、ほかのロットと区分されてペンに 収められる。その後、それが単一のロットとして食肉処理されるような仕組みになっているかどう か。そういう観点で生体の受け入れ時の確認手順というものについて見ております。 例えば、月齢確認牛をこのと畜場に出荷するフィードロットの名称とか、所在地とか、そういっ たものがきちんとリスト化されて、最新のものがここに備えられているかどうか。 それから、そ れが入ってきたときに、どこのペンに入れられるかについて管理されているかとか、それがと畜場 の中に搬入されるときに、このロットが月齢確認牛のロットですよということが、どういうふうに してと室の中に情報が伝達されるか、電話であったり、それから書面であったり、やり方はいろい ろありますけれども伝達がされていくことによって、対日輸出用のロットというものについて、正 しくと畜解体工程においても情報が管理されているということになるわけです。 (PP) 生体ロットの管理ということです。これもロットごとにペンに搬入ということで書いていますけ れども、ここから搬入されるときに、先ほど申し上げたような各ロットごとにチェックをする。電 話なり紙なり、いろんな手段はありますけれども、中のと畜解体工程には伝達がされるわけですが、 それが目で見てもわかるようにということで、これもと畜場によりますけれども、これはペイント みたいなものです。ペイントにロットの先頭と最後尾の個体に印を付けて区分をする。 それから、トロリーといいまして、牛を処理するときにレールからかけるようにしてやるわけで すけれども、その間のトロリーの間の間隔を空けるとか、それからそれぞれの牛にタグを付けるわ けですけれども、そういったもので区分をするとか、方法は施設によってもいろいろ変わります。 (PP) 「生理学的成熟度による月齢判別」ということで、今、申し上げたのは、月齢が確認されて、牛 の搬入段階から、そういったことでロットで管理をされて処理されていくということの確認事例だ ったわけですけれども、生理学的成熟度というのは、脊柱の棘突起という背骨の先のとがったとこ ろの軟骨が骨化する過程を見て、一定の成熟度以下であれば、間違っても20か月齢を超えないと いう基準を技術的に検討して導入しているわけです。これにつきまして、それぞれの枝肉になった 時点で、A40以下かどうかということを農務省の格づけ官が確認をしていくわけです。 その際に施設側がA40のかなり成熟度の低いものについては、A40以下ではないかということ で、区分するためにJスタンプというのをあらかじめ打っていくわけですけれども、それに対して 農務省の格付け官が、確かにA40以下だというものについては、USDAアクセプテッドという判 こが付いているということです。外れだったものについては、この部分について削ってしまう。そ ういう処理がされます。 JプラスUSDAアクセプテッドというスタンプを押されたものについては、これはと畜解体工 程が終わった後ですけれども、冷蔵庫のところで区分して管理される。通常は同じレールにずらっ と並べておくということをして管理をしています。 (PP) 今度はと畜解体工程についての概要です。生体の受入の後、スタンニング、これは動物の苦痛を 取るために気絶をさせるわけです。頭のところにショックを与えて穴が空くわけですけれども、そ れで気絶をさせる。その後、放血して剥皮をしていくという工程になります。 ここのスタンニング口といいますけれども、穴が空いたところにはコルク栓を詰めたりして、内 部のものが出てこないように措置をするわけです。(PP) 頭部の処理に関しましては、個体ごとに頭部を胴体から外してしまうわけです。ギャングタグ、 合札というんですけれども、それをこういったところに取り付けて、胴体と同じ個体由来のものと いうことが確認できるようにしておきます。 この中で、頭部検査というのは、FSISの農務省の検査でありますけれども、そこで病気の牛 だとか、異常のある牛については排除されるわけですが、それに合格したものについて舌とかほほ 肉については日本向け輸出が可能ということです。 実際にやる予定なのは、舌がほとんどでありますので、舌についてそれぞれの合札をセットで保 管をして、先ほどのA40の結果というのを持つということです。そうすると、A40で月齢鑑別を した牛由来の舌も使える。これはすべての施設がやっているわけではなくて、一部の施設です。施 設によっては、もともと生産記録で月齢が確認された牛の舌しか輸出しないというところもありま す。そこは施設それぞれのプログラムによって異なります。 それから、内臓に関してもFSISの検査を受けるわけですけれども、それで合格したものにつ いては輸出可能になるわけです。 その中で、小腸に関しては回腸遠位部というのがSRMですので、これを除去するというような プロセスになります。 ただ、過去にも実際に内臓を輸出した例というのはありません。今回も具体的に内臓を輸出する 計画があるというのはございませんでした。 (PP) 今度は胴体の方ですけれども、先ほどあったように、内臓を除去していますので、後は背割りと いうことで、脊柱の真ん中に沿ってずっとのこぎりで切っていくわけです。それで、でき上がった のが枝肉の状態になるものであります。 枝肉の状態になったもので、こういう機械で脊髄を除去します。先っぽに研いだ歯が付いていま して、これで硬膜も含めて吸引しながら削り取るように脊髄が取れるようになっています。 脊髄の除去器具についても、担当している人の横に洗浄槽があって洗浄していくことがあります。 それから、脊髄が十分除去できていない場合というのは、その後にまた保留レーンがあって、保 留してもう一度きちんと取るということもやります。 (PP) 枝肉に関しては、一とおり処理をされて、最後に重量をはかったり、個体の識別の番号を入れた り、それから雌雄を記録したりということで、個体管理というと言い過ぎですけれども、枝肉管理 用のホットスケールタグというタグが付きます。 例えばもともと月齢確認が生産記録でやられた牛のロットですという情報が、タグを発行してい るホットタグステーションというんですけれども、ここに来るわけです。ここでいろいろな情報が この中に組み入れられる。もしくはこのタグとは別に対日輸出用については、別の色の付いたタグ を付けるとか、そういった工夫がされております。 更に、枝肉については、そういった作業をやった後、洗浄については施設によって前後あります けれども、洗浄して、それから冷却・保管する。 米国の場合には、O157対策ということが一番大きいわけですけれども、ここは通常の水によ る高圧洗浄のほかに、摂氏で言うと83度以上のお湯で洗浄したり、それから有機酸なんかを使っ て洗浄したりというようなHACCPのクリティカル・コントロール・ポイントにしているという のが一般的な例です。 冷却・保管に関しては冷蔵庫になるわけですけれども、テレビのニュースでも出ていますけれど も、こういった冷蔵庫に保管されて、対日輸出向けの枝肉についてはレーンを区分して保管すると いうことになります。 A40で鑑別するものは、この段階でA40で鑑別しますので、A40以下と判断されたものについ て、また冷蔵庫の中でレールに沿って動かして、日本用の枝肉として管理がされます。 (PP) 部分肉の処理ということで、今度は枝肉をカットして、通常卸なんかで見るような大きな肉の塊 にしていくわけです。 脊柱に沿ったところに関しては、それぞれ各施設で横で詳しく見せてもらって、カットも見せて もらったんですけれども、背根神経節も含めてそういったものが肉側に残っていないか確認してき ています。 それから、包装・表示ということで、それぞれについて箱詰めした後にラベルを張っていくわけ でありますけれども、これが完成品ですが、基本的には製品コードによって区分をしています。施 設によっては、日本向けの箱の色を変えるというところもあります。それから輸出用のものだけ違 うというところもあります。 こういった一連のカットから箱詰めについての国内向けだとか、ほかの国向けの製品と区分をす ることが必要になります。これに関しては、グレードチェンジと言っていて、要は処理の時間帯を 分けるということです。 例えば、今日の朝の10時から30分間、国内向けのプライムの処理をしたとしたら、その後に一 定の時間を空けて、要はこういったラインに沿って処理をしていますが、このラインから前のロッ トの製品がなくなったとか、あとラベルの交換をして箱の交換をしたということを確認して、次の ロットのを流します。それで、例えば対日輸出向け処理を30分やるというようなことになるわけ です。 勿論、今回、対日向けの処理をやっていなかったので、国内向けのグレードチェンジというのを 見てきました。 (PP) 「調査結果の概要」ということですけれども、1つは、4月と5月に日本側から1月20日に問 題があった2施設以外の施設について、対日輸出基準というのは遵守されるのかということを米国 側に問いを投げていたわけですけれども、それに応えて米国側が35施設について再調査をやって います。 そのときに指摘された指摘事項について、改善が適切にやられていたかということで、それにつ いてはすべて改善が図られていました。 最終的に、現地調査35施設のうち、終了時までの結果としては、20施設については特段の指摘 事項がなかったということです。 15施設については、指摘する事項が確認された施設ということになります。 (PP) どのような指摘事項があったかといいますと、一番上からいきますと、6月1日に企業合併した ところがございまして、当然品質管理の手法とか考え方といったものは企業によって大きく異なり ますし、導入途中ということもあって、農務省にも変更手続を行うという段階のものでありました。 ここはそういった意味でいうと、いわゆる不合格というか、結果としては一番よくなかったという ことになるわけです。 それから、認定前にと畜された牛肉が含まれていたということであります。これは去年の12月 に認定されたわけですけれども、と畜場の営業日でいうと、1日前と2日前にと畜された牛の肉が、 認定後に処理されたものと一緒に日本向けに輸出がされていたということがわかりました。 それに関しては、更に調査をしたところ、要はA40でグレーディングされたものですので、20 か月齢以下ということは確認されております。それから、施設の処理記録から特に脊髄なんかが適 切に除去されていたということも確認されております。そういったことで、安全上の問題というよ りは、そういった手続的な問題ではないかと思います。 3番目ですけれども、適格品リストに対日輸出できない唇の肉を掲載していたということで、そ ういう書類上の不備がありました。実際に輸出はされていないわけですけれども、要は頭部につい ては、先ほど申し上げたとおり、舌とほほ肉しか日本向けには輸出できませんので、唇の肉という のは不適当ということになるわけです。 それから、適格品リストに処理設備が未整備または具体的な処理手順が定められていないものを 掲載しているというようなケースです。 これに関しては、例えば第4胃について適格品リストに載っているけれども、その施設には、そ ういった処理する設備はなかったというケースです。 これは、どうしてそういうことが発生するかというと、例えば1つの会社で幾つも施設を持って いると、共通のものを配って、今度はそれを自分のところの施設の事情に合わせた整理というのを しなければならないんですけれども、それは十分にされていなかったということではないかと思い ます。 (PP) 「マニュアルに対日輸出できない唇及び舌根部の筋肉の処理手順を記載」。適格品リストには入 っていないということがあって、実害はなさそうな話ではあるんではあるんですけれども、こうい ったものが将来的に適格品リストに載せられる可能性があるという意味では、書類上の不備だと考 えざるを得ないということでした。 もう一つは、一部の枝肉の仙骨部分に脊髄が少量残存していたということであります。これは、 ちょうどおしりの部分といいますか、脊柱でもずっと下の方の部分、処理過程で言えば、引っくり 返っているので上の方になるわけですけれども、カーブして非常に狭いところがあります。非常に 取りにくい部分ではあるんですけれども、これはワーカーのスキルの問題でして、勿論これは枝肉 からのカット工程の中で仙骨ごとに除去されるわけですけれども、と畜解体工程ですべての脊髄を 除去してもらうというのが対日輸出条件ですので、そこはきちんと遵守してくれということであり ます。 もう一つは、月齢の確認牛、生産記録で月齢を確認した牛のフィードロット、供給者というのは 当然フィードロットのわけですですけれども、そのリストが更新されていなかったと、対日輸出が 止まっていたということもあって、どうも更新がされていなかったようです。 (PP) 飼料と農場の調査ということであります。 7月6日から23日の間に、農場や飼料関係の施設、合計8施設について農林水産省の方でチー ムを1つ派遣して調査をいたしました。 この調査では、農場での牛の生年月日が正しく記録、保管され、出荷先に伝えられているのか、 また農場や飼料関係の施設で、飼料がどのように製造・出荷・給与され、またこの際、米国の飼料 規制に合致した方法が取られているのかということを確認しました。 (PP) 農場での月齢確認につきましては、USDAが認定する工程認証プログラム、または品質評価プ ログラム、どちらの任意の認定プログラムになります。先ほどのと畜場の認可と同じように、文章 化された手順だとか、品質管理に関する組織をつくって管理する。それで記録でもって検証する。 考え方は皆同じなわけですけれども、そういうような仕組みに沿ったプログラムというのがあるわ けです。 このプログラムに基づいて、個体または群管理での生年月日が適切に記録、伝達されているかと いうことでチェックをしたわけですけれども、問題はなかったということでありました。 (PP) これは、実際の事例ですけれども、具体的には農場で牛が子どもを産む時期に、何回も頻度を高 く巡回して、個体ごとに生年月日の確認をするというケースや、群の中で、最初に産まれた牛の生 年月日を確認して、群全体の生年月日として、要するにそれ以外の子牛は、少なくともその生年月 日よりも後に産まれた若い牛だという考え方になるわけですけれども、そうやって管理をしてロッ トごとに耳票を付けて、更に出荷先の文書で出荷先のフィードロットに情報を伝達していくという やり方をします。 (PP) 米国の飼料規制についてですけれども、我が国の規制とは異なって、豚や鶏に牛由来の肉骨粉を 与えたり、牛に豚や鶏由来の肉骨粉を与えるということが認められています。 (PP) このような規制が守られているかどうかということについて、農場、飼料工場、レンダリング施 設設備、勿論実際の現物であるとか、文書の確認、それから関係者の聞き取り調査などを行いまし た。いずれの施設においても、米国の飼料規制に違反するという事例は認められませんでした。 (PP) これは「繁殖経営・フィードロットでの飼料管理」ということですけれども、飼料の給与形態と いうことで御説明しますと、今回、一番上にあるアイダホ州の繁殖農家では、約13万ヘクタール といって、東京23区の合計面積の約2倍というような広大な放牧地で牛を移動しながら放牧をす るという手法を取っています。 鉱塩、鉱物の塩です。岩塩みたいなものではないかと思います。それから、冬場には飼料がなく なるので、冬場に乾牧草を与えるという以外は、原則的には放牧をしているという状況です。 その下のネブラスカ州のフィードロットでは、牧場内や周辺でトウモロコシなどの穀物や牧草が 実際に生産をされていて、これを中心に自家配合により生産した飼料を給与しているという例です。 写真では、アルファルファの牧草を計量器に投入している絵です。 このように、今回訪れた5か所の農場では、肉牛の繁殖及び肥育を通じて法令に違反するものを 給与していないということは勿論ですけれども、鶏や豚由来のものを含む、すべての動物性タンパ クを給与しているという例は全くありませんでした。 背景事情としては、肉牛は、タンパク質の含有量の非常に高い飼料をそもそも必要としていない ということです。 それから、植物性の原料でタンパク質の要求量を満たすことができるということがあって、そも そも動物性のタンパク質を給与するのは経済的でもないといったことが理由としてあります。 更に肉用牛、乳用牛を通じて、消費者サイドの懸念ということも配慮しているということで、動 物性タンパクをわざわざ給与するということについてメリットがないということでありました。 (PP) そのほか、業界における自主的な取組みということで、法令に定められた以外の自主的な対応と して、農家が家畜の出荷先に対して、法令に違反する飼料が給与されていないことを示す、そうい ったアフィデビットといいますか、宣誓書を提出するということがあります。 飼料業者が飼料に動物性タンパクの原料を使用していないことを示す宣誓書を提出するという こと。 それから、飼料業者が第三者機関による検査を受けて合格したものであるということで、こうい ったロゴ等を添付するといった自主的な取組みというのも実施されております。 (PP) 「IV.輸入手続きの再開の考え方」でありますけれども、結局、先ほどの35施設について、ど ういう結果だったかというと、さっき触れましたけれども、20施設については問題なかったという ことですので、輸入手続を再開するに当たって、米国側がこの20施設について認定しているもの としてリストに載せるということについては、受けることが可能だということになります。 それから、指摘のあった施設についてでありますけれども、これも日米間の確認事項として、指 摘事項があったものについては改善をする。それを日米で確認をするというプロセスを取って、指 摘事項が改善された施設については、対日輸出を可能とするということがあったわけですけれども、 そういった措置が取られたものについては、リストに載せてもよろしいでしょうということになり ます。 現在までに13施設について必要な是正措置が講じられたということがありますので、これにつ いても認定施設のリストに載せて差し支えないということになります。 更に、1施設でありますけれども、ここについては一応、条件付きということになります。要は 認定日の前にと畜された牛の肉を日本に輸出したような例がありましたけれども、その施設に関し ては、当面一定期間、通常は常駐しない、FSISではなくてAMSの方の職員が常駐して、ここ の施設については対日プログラムの遵守について監督、それから評価を行う。 更に、それに合格すれば、その後、また1か月間、今度は施設を自主的に運営させて、その後に また記録等々を含めて監査をやるということにしております。そういった厳重な監査付きですとい うことでリストに載せるというのが1施設。合計14施設で合わせると34施設については、対日輸 出施設のリストに輸出再開時点で載せるということについては、受け入れ可能であるという結論に なります。 例の合併のところですけれども、ここについては今後準備がされて、米国側が改めて対日輸出施 設として適当かどうかということについて、しっかり審査を行う。 勿論、これも今回の問題があった施設の1つのわけですので、改善内容については日本側で確認 していくという手続になるわけです。 (PP) ここに、今、申し上げたような細々な手続等が書いてありますけれども、1施設については落ち たということになります。条件付きに関しては長々と書いていますけれども、今、申し上げたよう なことで、当分の間、AMSが評価をします。 ただ、今回、条件付きの1施設については、ほかの問題点は実はなかったということがあって、 現時点での遵守体制については、特段の問題はないわけです。ただ、過去にそういったことをやっ ているということを考慮して、AMS職員を一定期間常駐させて監視・評価する。更にもう一度監 視を行うということになっています。 これらの結果については、日本側でも現地での確認とか、評価結果の報告を受けるという対応を 予定しています。 (PP) それから、是正措置が確認済みの施設ということで、例えばリストの問題、マニュアルの問題、 脊髄除去の問題、それからフィードロットの認定リスト。こういったものに関しましては、書面上 の改善ということで、これは農務省に提出されてその内容について米国側から日本側も報告を受け ております。 (PP) 今後の対応でありますけれども、実は昨日、輸入手続の再開ということで決定をいたしまして、 米国側に通知をしております。 もう農務省のホームページには、34施設について1施設は条件付きということも明示されたもの が掲載されております。 更に、もう一つ重要なことは、今後6か月間に関しては、米国側の対日輸出プログラムの実施状 況を検証する期間だと位置づけまして、米国側は、今回、調査対象になった35以外の新たな施設 の認定は行わないということにしております。その間、日米でよく実施状況を検証しましょうとい うことになります。 その後は、これは勿論問題がなければという前提付きですけれども、大きな問題がなければ、米 国側で従来どおり新規の施設について審査認定をしていくということになります。 それから、輸 入手続再開後、日本側としても通常の査察に加えて、米国側の抜き打ち査察に対する同行だとか、 勿論輸入時の検査だとか、そういったことも含めてプログラムの遵守状況を検証することとしてお ります。 (PP) 「日本国内で新たに講じる措置」ということでございますけれども、水際での検査強化というこ とで、先ほどあったように米国から適格品リストを入手しておりますので、それを参考にチェック するということです。 これはあくまで当面ですけれども、事業者の方の協力を得て全箱確認していくということを予定 しております。 それから、7月5日に一度説明会をしていますけれども、来週にもう一度説明会をやろうと考え ています。対象は輸入業者の方ということになります。 (PP) 「輸入手続停止中貨物の取扱い」です。これに関しましては、既に米国側調査、それから今回の 日本側調査で問題がないということが確認されているというような状況にあります。 新たに今回見てきたシステムで入ってくるものが、今回、確認してきた各施設での状況で今後処 理されるものの状況を見て、一定期間問題がないということが確認できれば、昨年のものについて も、それから12月、1月に処理されたものについても全箱開梱してSRMが含まれていないこと を事業者の方に確認をしていただいた上で、輸入を認めていこうという方針であります。 (PP) 「−その他の対応−」ということで、原産地表示ということですが、消費者の合理的な選択に資 するという観点で、加工食品の表示であるとか、外食の表示であるとか、原料原産地表示の制度、 それから事業者の方による主体的な情報提供ということでガイドラインというのがあるんですけ れども、それについての一層の活性化を促していく。牛肉の原産地表示等については、それに基づ く行政側としても監視指導を更に徹底していくということであります。 米国産牛肉の輸入問題については、今後とも査察の結果を始めとして国民に皆様に対する情報提 供を引き続き努めていくということにしております。 ちょっと長くなってしまいましたけれども、以上が調査結果です。それからそれに基づく行政側 の対応ということで説明をさせていただきました。どうも御清聴ありがとうございました。 ○司会 道野室長、説明ありがとうございました。また、フロアの皆様方、御清聴誠にありがとう ございました。 それでは、ここで10分間の休憩といたします。3時15分からの再開とさせていただきます。 (休 憩) (2)質疑応答 ○司会 それでは、これより質疑応答に移りたいと思います。 まず、本日の出席者を御紹介いたします。 皆様からごらんになって右から内閣府食品安全委員会事務局の西郷リスクコミュニケーショ ン官です。 中央右側になりますが、農林水産省の中川消費・安全局長です。 農林水産省消費・安全局、釘田動物衛生課長です。 中央左側になりますが、最初にごあいさつ申し上げました、厚生労働省の松本食品安全部長で す。 先ほど御説明申し上げました、厚生労働省食品安全部の道野輸入食品安全対策室長です。  最後に厚生労働省大臣官房の藤井参事官です。 質疑応答の議事進行につきましては、藤井参事官にお願いいたします。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、議事の意見交換会というか、説明会以降の質疑につきまして は、私の方で進行をさせていただきたいと思います。 本日の説明会は募集のときにも御案内しましたように、米国産牛肉の輸入再開手続の再開に先 立ちまして、厚生労働省と農林水産省で実施をいたしました米国内での現地調査結果と、それを 踏まえた対応について御説明をして、皆様からの御質問に答えるという趣旨でございますので、 その趣旨を十分御理解をいただきまして、進行に御協力いただきたいと思います。 質疑応答の進め方ですけれども、発言を希望される方は、挙手をお願いしたいと思います。係 の者がマイクをお持ちしますので、発言に先立ちまして、お名前と、差し支えがなければ所属を お願いいたします。 多くの方に御発言をいただきたいと思いますので、1回の御発言は2分以内にお願いしたいと 思います。1分30秒が経過しましたら、事務局で1回ベルを鳴らします。そうしましたらとり まとめに入っていただきたいと思います。2分経ちましたら2回ベルを鳴らさせていただきます。 そうしましたら、他の方にお譲りいただきたいと思います。 行政からの発言につきましては、誤解があってはいけませんので、時間を区切るということは いたしませんが、簡潔に行っていただくようにお願いいたします。 質疑応答を効率的に進めるために、皆様のお手元には、先ほど説明がありました右肩に「資料」 とあるもので、スライドと同じものをコピーして配付されておりますが、それの章ごとに分けて 御質問等をお受けしたいと思います。 当初は午後4時を終了予定と考えておりましたけれども、スライドの不調等で時間が伸びまし たので、今から正味1時間取らせていただきたいと思います。御都合がある方につきましでは、 随時席をお立ちいただいて結構かと思います。 それでは、資料というものを、ちょっとお手元にお出しをいただきますと、一番最初の説明の 流れのところで、I、II、III 、IVと4つの項目に分かれております。 「I 米国産牛肉問題のこれまでの経緯」「II『日本政府及び米国政府による米国産牛肉の輸 入手続の再開に向けた措置についての共同記者発表』の概要」。ここまでは、過去のことを改め て今回と関係があるということで御説明をいたしました。 そういうことなんですが、是非この2つの項目について御質問をされたいという方がいました ら、まずはお受けしたいと思います。挙手をお願いしたいと思います。 それでは、一人だけ挙手されておりますので、その方の御質問を受けて、次にIII 以降に入り たいと思います。 もしよろしければ、スライドの右下に何番というページが振っておりますので、どこのページ について御質問をされるかということをおっしゃっていただければありがたいと思います。 どうぞお願いいたします。 ○参加者1 何番というか、そういう番号よりも、今までもずっと同じような問題があっても、 全然そういった問題に対して答えが出てきていないんです。自分なんかも今までも何度も質問し たような話なんですけれども、こういったものを何番ということではなく、全部言いたいと思っ て、今、先に手を挙げました。 大きく分けて4つ質問します。 1つが、まず、なぜ20か月以下が安全なのか。これは今までも何度も説明はしているんでし ょうけれども、いろんな専門家の方に聞いたって、結局は20か月以下が安全だということはな いとはっきり言っているわけですね。プリオンが20か月以下でもいるわけで、それがただ単に 発症していないだけの話ですね。その辺の説明をしてもらいたいということです。 2点目は、なぜ日本の安全基準と同じものをしっかりとアメリカに求めないのか。結局、肉骨 粉でも製造中止にしていないわけですね。それと全頭検査は当然やっていないし、こんないいか げんなことをやっていて何で安全だと言えるのか、結局、いまだにヤコブ病というものが発症し て、死者も出ているわけじゃないですか。こんな危険な肉を何で輸入しなければいけないのかと いうことです。なぜ日本の安全基準と同じものを、しっかりアメリカに要求していかないのか。 3点目は、ハム、ソーセージ、調味料やルーなどといった加工食品、それと合挽肉なんかでも、 結局半分なのか45%なのかわからないけれども、豚肉と混ぜた場合、表示義務がないというこ とも聞きましたけれども、やはりこれは義務にするか輸入しないかどちらかにしてもらいたいん です。輸入するんだったら、これは絶対に義務にしてもらいたいということです。 ○藤井大臣官房参事官 手短にお願いします。 ○参加者1 4点目は、この間輸入を再開してもまた止めたというのは、やはりアメリカの検査 官がしっかりしていないということが証明されたわけですね。このアメリカの検査官をしっかり 検査したのかということを聞きたいんです。 実際に20か月以下を脊髄で診断すると言っていますけれども、本当にそれで診断ができるか どうか、そんなの疑問というよりも茶番じゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。 ○参加者1 ありがとうございましたじゃないですよ。 ○藤井大臣官房参事官 もう時間が来ております。 ○参加者1 最後にまた質問をさせてくれますか。 ○藤井大臣官房参事官 失礼ですが、お名前を最初に言っていただかなかったようですが、お名 前をお願いします。 ○参加者1 ササキです。 ○藤井大臣官房参事官 一人だけで長時間とっていただくのは困ります。 ○参加者1 だから、今、終わりますよ。 もし、検査官を検査したというのなら、検査官にはどういう検査をしたのか確認したいです。 この4つを明解に答えてください。もし時間がなくて、明解な説明がなかったら、もう一回最後 に質問しますから、皆さんが終わった後でもいいですから、1対1でもいいですから、ちゃんと 説明してください。 ○藤井大臣官房参事官 今までの経緯等について御質問をというふうにお願いしたんですが、そ れ以外についても御質問ということで4点ありました。 まず、その4点について回答をさせていただきたいと思いますが、安全性の問題については食 品安全委員会の評価というものがベースになっておりますので、まず食品安全委員会の西郷リス クコミュニケーション官からお願いいたします。 ○西郷リスクコミュニケーション官 食品安全委員会の西郷でございます。なぜ20か月齢以下 かという御質問だったかと存じます。よく20か月のことについて聞かれるんですけれども、20 か月齢以下と以上で牛に根本的な差が出てくるわけではないのは、考えてみれば当たり前の話で ございます。けれども、なぜ我が国で今、20か月というところで基本的な線引きがされている かといったことにつきましては、思い出していただければと思いますが、どこの国の牛でも20 か月齢以下ということでは全然なくて、我が国でBSEが最初に出て、その後いろんな対策が執 られて、いろいろと検査をしていくとだんだん蔓延度が下がってきているということでございま す。今からもう2年近く前になりますけれども、一番最初に中間とりまとめというのをやったと きには、当時の蔓延度と今の検査技術からすると感染してから我が国の場合20か月齢以下ぐら いまでだと、今の検査で見つかる可能性はほぼないという結果になっております。 ○参加者1 そういうことを言っているわけじゃないんですよ。 ○西郷リスクコミュニケーション官 ですから、検査の意義について20か月ということだった わけでございます。 もう一つは、21か月齢、23か月齢でもってBSEが見つかっているということもございまし た。逆に言えば、検査だけでは安全性は担保できないわけです。ですから、今の飼料規制もきち んとして蔓延度を減らす。 もう一つは、もし感染していたとすると異常プリオンがたまりやすいと言われているところを すべて取り去るという施策でもって安全性を確保しているということでございます。ですから、 今回のことにつきましても20か月齢だけではなくて、ちゃんとSRMの除去と。 ○参加者1 全頭検査をしたらいいじゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 指名をされてから発言をしてください。そうでないならば、出てくださ い。 ○参加者1 お前が出て行けよ。 ○藤井大臣官房参事官 ここは、あなただけの説明会ではありませんから、理解をいただけない なら出てください。 それでは、続けて回答をさせていただきます。 ○西郷リスクコミュニケーション官 ですから、そういった検査、飼料規制、SRMの除去とい うのがBSE対策になっているわけです。ですので、逆に言うと全頭検査のみでは安全性は確保 できない。感染していても見つからないとおっしゃったとおりに、そういうことでございますの で、ほかの対策も必要だということでやっているわけです。 今回の条件も20か月齢以下、それからSRM除去はきちんとすることになっているわけでご ざいます。 ○参加者1 それで問題になるわけじゃないですか。何でやめるんですか。 ○藤井大臣官房参事官 指名をされるまでは発言を控えていただけますか。 ○参加者1 だって答えてないじゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 続けて回答したいと思います。 ○松本食品安全部長 USDAの検査官の研修はどのようにやっているか。今回の事前検査でど のような研修をやっているかを見させていただきました。広い国土でありますので、基本的な問 題集をつくって、それをインターネットを活用して研修をしています。それぞれの検査官の固有 のID番号がありますので、研修を受けた記録が残ります。研修後の理解度確認試験で、一定以 上の点数を取らないと合格にならないということになっております。記録は、USDAの試験を 統括する部署に全て残ります。実際どのようにやるか、1施設ですけれども、私も見てきました。 インターネットを活用し、日本への輸出プログラムの条件を十分理解しているかどうかについ て研修をして、修了後の試験に合格しなければだめだということでやられておりますし、修了し たことの証明が出されることも確認してきたわけであります。 ○藤井大臣官房参事官 原産地表示の件をお願いします。 ○中川消費・安全局長 原産地表示と御質問の2番目の点と絡めてお答えをしたいと思います。 まず、原産地表示についてですけれども、日本に入ってくるいろいろな食品について、日本で現 に流通しているものとリスクの点で差があってはいけないというのが大原則でございます。その 上で、どこでつくられたか、この製品はどこの原材料を使っているかということについても、消 費者の方々が食品、商品を選択される際に参考にすることは、大変重要な視点ですので、私たち はできるだけ加工食品の原料の原産地についても表示をしていこうということで取り組んでき たわけでございます。 御承知のように、生鮮食品についてはもう原産地表示が義務づけされております。 加工品についても、加工品そのものが外国でつくられて輸入されるものについては、原産地表 示が全て義務となっております。 原材料を外国から輸入し、日本で加工する場合に、原材料の原産地表示が、今、100 %にはな ってないということです。 この点については、一昨年の平成16年の9月に既に告示を改正いたしましたが、比較的加工 度の低いものについて、どこの原料を使っているかによって最終加工品の品質に影響を及ぼすか 否かという観点から一定の有識者の方々に集まっていただき、表示に関する共同会議というとこ ろで線引きをしていただいて、そして20品目群の加工品に原産地表示を義務づけしていきまし ょうということになりました。告示はほぼ1年9か月前に、つまり一昨年の9月にしております。 実施は今年の10月からになります。牛肉で言えば、例えば調味をしたようなもの、味付けカル ビだとか、牛肉の挽肉であれば生鮮と同じ扱いですから、100 %既に義務づけになっております けれども、合挽きのような場合は、おっしゃるように50%以上が牛肉であれば、それが今年の 10月から義務づけになります。ただし、昨年夏に我々が実施した実態調査の結果、8割ぐらい のところでは既に表示が実施されております。 今回、再度アメリカからの牛肉の輸入を再開するということで、大変ご関心の高いことですか ら、昨日付でもう一度関係者の方々に通知を出しまして、表示については特に牛肉について正し いかどうか、真正性のチェックをするようにということを農林水産省の各地方の事務所に指示し てございます。また、そのための特別の調査もするようにという指示もしております。消費者の 方を始め、関心の高い点でありますので、こういった形で、できるだけ確認をしていきたいと思 います。 元に戻りますけれども、アメリカ、あるいはその他の外国から牛肉の輸入を再開する際に、そ のことによって今、日本で現に流通している牛肉と比べてリスクが高まるようなことがあっては ならないというのが大原則です。日本の安全基準をなぜ米国に求めないのかという御質問でした けれども、これにつきましてはもう去年の5月に食品安全委員会にリスク評価をしていただいて、 そして去年の12月8日にその点については20か月齢以下、特定危険部位の除去、この2つの 条件を確保して輸入をすれば、リスクの差が小さいという答申をいただいております。それに基 づいて、こういう決定を去年の12月12日にしたわけです。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、資料で言いますと3のところの対日輸出認定施設に対する調 査結果と。 ○参加者1 4番目の質問については、まだ言ってないじゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 もう既にそれは松本部長の方からさせていただきました。 右下のスライドのページでいきますと、10〜36の調査結果について御質問がある方は挙手を お願いしたいと思います。 それでは、今ここにお三人の方の手が挙がっておりますので、一番前の方と3列目の右端と2 番目の方と続けて御発言をいただきたいと思います。 ○参加者2 ありがとうございます。日本消費者連盟の山浦と申します。調査結果を今日伺いま したけれども、今日の意見交換会の位置づけが非常に不満に思います。と言いますのは、昨日 27日の段階でもうアメリカからの牛肉の輸入を再開するという決定をされたわけです。その決 定後に、このような会合を開いて関係者の意見を聞いても、これは全く無駄ではないかというこ とで、今日の位置づけについて非常に問題だと思います。 私としましては、昨日の輸入再開決定を撤回していただきたいと思っております。その理由で すけれども、今日の調査のお話を伺いまして、まずアメリカのEVプログラム、遵守状況につい てきちんとチェックできたか。これはできてないと思います。と言いますのは、アメリカのマニ ュアルをなぞっただけというのが今日伺った印象でして、実際皆様方が自分の頭でしっかりとチ ェックをしたというふうな形跡はないと思うんです。したがって、これで国民に納得してほしい ということはできないと思います。 輸入の検疫について全箱検査するとか、さまざまな御提案もありましたけれども、その実効性 の確保について月齢の確認が日本側でしっかりできるのか。あるいはSRMの除去をしっかりと やっているということを自ら検査できるのか。この点についても非常に不安を覚えます。 したがいまして、今日のような御説明だけでは、昨日の輸入再開決定ということは全く私たち 消費者としては納得いかないということで主張したいと思います。 以上です。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、続けてお願いいたします。 ○参加者3 東京マイコープの原と申します。私の方からは3点ほど意見と質問を申し上げたい と思います。 1つは、事前に通告をした形での立入調査というのが今回行われた調査ですけれども、そうい った調査によって日ごろの管理状態等がきちんと確認できるわけがないということは、前々から 申し上げていることではあるんですけれども、そういった調査にもかかわらず、今回35施設中 14施設に書類上の不備などがあったということで、この結果については重大なものとして受け 止めるべきではないかというお話です。事前にアメリカの農務省がそれぞれの工場の確認もして いるはずで、指導しているわけですから、それでこういう問題が指摘されたということに関して は、システム的な問題があるのではないかということで、改めて日米協議をして、そういった問 題が起きないように協議すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 2番目、飼料規制など食品安全委員会から指摘されている事項について、アメリカ側がなかな か受け入れてもらえないということで、引き続き要請していきますということで、この間御回答 いただいているんですが、その後交渉されていてどうなっているのでしょうかということをお聞 きしたいと思います。 報道されている限りでは、サーベイランスを大幅に縮小するという日本の要求に逆行するよう な決定がされているわけですけれども、こういったアメリカの姿勢について、皆さん、我々の健 康を預かる行政としてどのようにお考えなのかについて伺いたいと思います。 3番目、なぜそ こまで輸入再開を急がれるのかということを伺いたいと思います。山浦さんもおっしゃっていま したけれども、意見交換会を開いて曲がりなりにも消費者、あるいは事業者の意見を聞いた上で 最終決定されたというのはわかるんですけれども、今回は決定をしてから説明だけするというの は、せっかくBSEの経験を基にリスクアナリシスというシステム、リスクコミュニケーション が重要だということで位置づけられているわれですけれども、このリスクコミュニケーションが 形骸化されるものではないかと思いますので、是非この点を大いに反省していただきたいと思い ます。 ○藤井大臣官房参事官 続けてお願いします。 ○参加者4 主婦連合会の和田です。今までお二人から指摘のあったことと1点目は同じです。 今日の説明会の性格がよく理解できないということです。今日の説明会を前にして、昨日もう輸 入再開を決定して通告しているということになりますと、今日発言している意見というのは、一 体どこにどう反映されるのかということをお尋ねしたいと思います。 今日の調査結果についてということになっておりますが、昨年の12月に行われました結果の 報告は、査察結果の報告ということになっております。この査察と調査がどう違うのか。意味が あって言葉を変えておられるのだと思いますので、その点を伺いたいと思います。 今、発言にもありましたように、一度輸入を再開してストップして更にということで、米国で は相当農務省が再再開に向けて本気で取り組んでいるのかという疑問を、どうしてもぬぐい去る ことができません。そうでなければ、例えば書類上の不備ということが何点か出ておりまして、 その書類上の不備が、なぜそういうことが出てくるのか、本気で取りかかればそのようなことは ないはずだと思いますので、その点納得ができません。そういう意味で、今、輸入再再開に踏み 切ったことについては、非常に不満であり疑問を持っております。 以上です。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。いろいろな意見が出ましたけれども、まずは この説明会の性格に関することについてお三方共通でございましたので、お答えをさせていただ きたいと思います。 ○松本食品安全部長 本日の説明会の位置づけであります。先ほど私があいさつのときに申し上 げましたけれども、1月20日の脊柱混入の事案以来、輸入手続を停止しておりまして、その間 米国に対して徹底的な原因究明と再発防止策を求めておりました。 その結果が2月27日に来まして、それでもまだ不十分だということで、米国側にいろいろ疑 問をぶつけ、その回答を待って3月28・29日で日米協議をやったわけです。 その経過につきまして、4月にリスクコミュニケーションを開催しました。その中で、国民皆 様からいろいろいただきました。その中では、やはり日本側もきちっと事前に施設を見るべきで はないかという御意見ですとか、水際での強化という御意見をいただいたわけでございます。 その後、米国が調べたのは2施設だけでございましたので、残りの施設についても調査するよ うに要請をして、その調査結果が出たところで5月に米国からの調査結果を聞き、その結果も含 めながら6月に、それでは輸入手続再開のためにどのような措置を取るかということについてリ スクコミュニケーションを開きました。我が国として再々開に当たってどのような手続を取るか を御説明して、国民の皆さん方の意見を聞いたわけでございます。 それに基づいて事前調査を行いまして、輸入再開を決定したということであります。まさにこ れまで説明してきた方針にのっとって進めている、その線上での昨日の決定でありまして、その 結果につきましては国民の皆さんにできるだけ早く説明する、情報提供するということで、本日 東京と大阪で説明会を開かせていただいたという位置づけであります。 ですから、我々としては、決して急ぎもしないし、国民の皆さん方からこれまで寄せられた意 見に基づいて一つひとつ手続を取り、その御意見に基づいて方針をお示しし、それに基づいてこ こまで来たということでございます。本日の説明会はそういう位置づけだということで御理解い ただきたいと思います。 査察と調査の違いということであります。12月の査察結果の説明は、既に日本向けのライン が動いているところを調べに行ったということで査察です。今回の場合は、まだ再々開をしてお りません。ですから、日本向けのラインは厳密に言うと動いてない。ただそうは言うものの、輸 出プログラムに基づいて準備すべきところ、それとHACCPという衛生管理の観点できちっと すべきところがございますので、そういう点で遵守体制があるかどうか調べるという意味で調査 ということであります。 ですから、今後定期的に米国の施設に調査に行きますけれども、それは査察ということになり ます。そういう違いでございます。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、局長の方からもし補足する点、追加する点がございましたら お願いします。 ○中川消費・安全局長 私の方から、原さんの御質問の2点目にあったと思いますが、飼料規制、 サーベイランス等につきまして今回の調査との関連も含めてお答えいたしたいと思います。 食品安全委員会が昨年12月8日に出された答申の附帯事項として3つの点が書かれておりま した。そのうちの2つがアメリカの飼料規制は日本に比べて不十分な点があるということで、そ こをきちっとするようにということ、それからサーベイランスの維持・拡大ということでありま した。 飼料規制につきましては、昨年アメリカが既に強化する方向での案を示しておりまして、その パブリック・コメントも昨年の12月に終わっております。その飼料規制の強化の方向は、30か 月という一定の月齢の制限はありますけれども、それ以上の脳やせき髄については、現行は鶏や 豚の飼料として使うことが認められているけれども、その部分について使用を禁止するというこ とが主な内容です。これについて、現在どうなっているのかということを今回の調査でも確認を いたしました。昨年の12月のパブリック・コメント締め切りの際に、800 程度の意見が出てき たということで、それぞれについて今、回答を準備し、新しい仕組みが導入されたときの環境、 その他への影響等についても今、評価しているが、その作業に相当手間取っているというのが実 態だと聞いております。 ただ、それにしましても今年の末までには一定の方向を出したいというのが、FDA、飼料規 制を担当している部局の回答でありましたので、是非日本としてはそれを早く実施してもらいた いということを、調査の過程でもアメリカ側に申し入れております。 おっしゃるようにサーベイランスにつきましては、ジョハンズ農務長官が既に縮小の意向を示 しておられますけれども、この点も日本側から見ると、特に消費者の方々も含めて非常に関心の 高いところでありますので、昨日在京米国大使館に対しまして、今回の我が国の措置を通知する 際に併せて、厚生労働省、農林水産省の両方から今の2点、飼料規制についても早期に強化して ほしいということ。それから、サーベイランスについては現状の維持・拡大をしてほしいという 2つの点について申し入れたところでございます。 ○藤井大臣官房参事官 あとの調査の内容、そして遵守体制の実効性等については、道野室長か ら回答させていただきます。 ○道野輸入食品安全対策室長 まず、輸入時の全箱検査の実効性の話ですけれども、実際に私ど もとして予定しておりますのは、事業者の方に全箱開梱して内容を確認していただくということ を考えております。目的は、特定危険部位が残存していないかどうかということであります。 ただ、調べるに当たって、できるだけしっかり調べていただくということで、特に筋肉部分に 関しては、どういった形で骨が残っているか。私どもかなり画像を持っておりますので、そうい ったものをまとめて参考資料として事業者の方に配付することとしております。昨日付で検疫所 には既に通知しておりますけれども、そういったものを参考に見ていただくということです。 舌、タンの部分に関しても、解剖学的に言うと一番後ろの有郭乳頭の部分で切ることになって おりますので、皮が付いてないものは余りないと思いますので、それで確認ができると考えてお ります。 ただし、御指摘のとおり枝肉のままで輸入しない限りはA40ということは確認できないです から、部分肉での輸入に今なっているわけですので、月齢に関しては輸入時の検査・確認では確 認ができません。 原さんの、今回農務省が4、5月なりに見た後で、また日本が行ったにもかかわらず、書類上 の問題があったということ。それから、事前通告だから日ごろの管理状況ははっきりわからない じゃないかという御指摘だと思います。国内でも同じなんですけれども、事前通告に関しては事 前通告の検査、それから抜き打ちなら抜き打ち、それぞれの目的があると思います。今回の調査 に関しましては、私の説明の冒頭に申し上げたとおり、対日輸出前の事前の調査ということで、 実際の日本向け処理は行われていないという前提条件の下で確認できるものを確認してこよう ということで、1つが対日輸出プログラム、それぞれの施設のものはどうかということ。 現場につきましても、と畜解体工程につきましては基本的に同じですから、そういったものに ついて現場で確認する。それから、部分肉の処理工程についても、そんなに大きな違いはないわ けです。勿論、日本向け特有の処理についてはデモンストレーションを行うということで、現時 点で検証できることについては可能な範囲でやってきたというふうに考えております。 和田さんの御指摘で、これは製品リストのことが中心の御指摘だと思いますけれども、これに つきましては、幾つかの施設で今回そういう指摘事項が見つかったということで、農務省の方で もう一度問題がなかったところも含めて、指摘事項が見つからなかったところも含めて、製品リ ストについてはもう一度精査する。その施設の処理の設備だとか、マニュアルの整備状況だとか、 そういったことももう一度併せて確認をして精査するということで、全面的な再確認というのが やられました。 実際にそういったことで、製品リストについてはもう一度きちんとしたものを米国側でつくる ということで、それが私どもの方に提出してきております。我々の方でも念のためそれは確認す ることにしております。 ○藤井大臣官房参事官 もう既に御質問の内容が手続再開の考え方のところにまでも及んでお りますので、その部分も含めて調査結果に御議論がある方については、それも含めてで結構です ので、御意見をいただきたいと思います。 それでは、今度は後ろの方からいきたいと思いますが、発言を希望される方は大変恐縮ですが そのまま挙手をお願いしたいと思います。 一番左側の列の一番後ろに座っておられる男性の方、そしてここの真ん中の列の真ん中に座っ ておられる男性の方、女性の方が少ないんですけれども階段になっているところの3人目の女性 の方、その端っこの女性の方。 ○参加者5 私の方が先に手を挙げていたじゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 手を挙げる順番で御指名をさせていただいておりませんので、まだ発言 をしていただく機会はございます。 それでは、今、御指名をした方、順番に御発言をお願いしたいと思います。 ○参加者6 ブリッジインターナショナルの高橋と申します。食品関係のアナリストをやってお ります。今回の査察については、非常に御苦労様でした。1か月にわたって全米各地を回ってき たのは結構大変だったと思います。 このようにしっかりした管理がなされるのであれば、私としては安全な牛肉が入ってくるので はないかというふうに思っております。 ただ、テレビ報道等で1つ驚いたことがございまして、これは川崎厚生労働大臣がSRM等が 発見された場合に全面ストップだという発言をなされたと。それが政府の見解だとすれば、かな り大きな問題になるかなと。なぜかというと、まず1つは一処理施設が万が一間違ったものを持 ってきたときに、これが連帯責任で全部終わり、しっかりまじめにやっているところもだめなの は、ちょっとおかしいのではないか。 もう一つ、我が国は牛肉だけではなくてほかの食品も輸入しておりまして、こういった考え方 がほかの食品にも当てはまるとなると、各国で一施設で何か問題が起きたものが、その食品がす べてその国のものはストップする可能性が起こるということになると、自給率が40%の国では 食品関係についてかなり大問題になるんではないかという感じを持ちました。それについていか がなものか御質問したいと思います。 ○藤井大臣官房参事官 続けて御発言をお願いします。 ○参加者7 土屋と申します。主婦です。このBSE問題は、毎回出席させていただいているつ もりです。今は、口に入れるお肉を対象に報道されることが多いかと思います。でも、さまざま な牛肉を使った加工品が出回っていることが多い、その中で先日もガラスープの中に牛肉エキス というのが書かれていて、ちょっとびっくりしました。そういうことがあります。 BSEは熱をかけても絶対死滅はしませんね。ですから、本当に小さな表示にも気を配って表 示していただきたいと思いますし、体にプリオが入ってから発症するまでに20年とか25年か かると聞いております。そういうことがもし起こるとして、国が安全と認めていても発症する確 率はゼロではありません。そういう中では、これから大事に育てなければいけない小さな子ども たちが通って、いやが応でも食べる学校給食とか、幼稚園の給食にはせめてそれだけでもアメリ カの牛肉は使わない、加工品、エキスの調味料は使わないようにしていただきたいと思います。 それは、本当にこれから大事に育っていく中、それこそ道野さんのお子さんもまだ小さいかと思 いますし、中川さんもお孫さんがいらっしゃるのではないかと思います。そういう中で、私もか わいい孫が2人おります。その子が、これからの日本を背負って立つときに発症しないように気 を付けて、ほかの行政とか国会にも要請を進めていただきたいと思います。お願いいたします。 くれぐれもよろしくお願いいたします。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。 それでは、続けて女性の方、お願いします。 ○参加者8 前田と申します。何点か教えてください。1月に輸入停止になったときに、日本政 府が検査官の増強であったり、輸出書類の二重チェックを徹底させるということを言っていたと 思うんですが、実際輸出施設ではどうなっているのかというのが1点です。 あともう一点が、 抜き打ち査察を行うということですけれども、一施設につき1年に何度査察をする予定なのか、 そのたびに日本の担当者がアメリカに出向いて同行するのか、2年目から頻度はどのぐらいにな るのか、そういうことが決まっていれば教えてください。 もう一点が、今、米国の方で30か 月以上まで輸出を広げるように言ってくるんではないかという憶測が飛びかっておりますけれ ども、実際にそういった場合は食品安全委員会で再度審議することになるのかどうかというのが 3点目です。 最後に1点なんですが、違反が見つかった場合、その施設に関しては輸出を停止するというこ とですが、深刻度によっては全面停止という話も出ているようですが、実際にその深刻度という のはどのぐらいの基準があるのかと思いまして、そうでもない深刻度と非常に深刻な問題と具体 的な例を一つずつ挙げていただくとわかりやすいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。 あともう一方、最初の男性を指名しましたので、マイクをお願いします。一番前の、中央の列 の中央におられる方です。 ○参加者9 三井住友海上の窪田と申します。先ほど説明された方と被ってしまうところもある んですが、査察と調査の違いということで御説明がありまして、今回は調査であるということで、 事前に向こうに通達をして調査しに行っているということで、35施設の調査をして、その結果 15施設に不備があったということで、単純に考えまして35施設のうち仮に1、2施設に不備が あったということであれば、しようがないのかなという気がするんですが、15施設に不備があ るというのはかなりな数で、基本的には前もって調査があるということであれば、そのときぐら いはきっちりしておくのかなと思うんですけれども、それにもかかわらず15施設で、それを今 回是正が確認されたので認めるというのは、余りにも危険過ぎるかと思うので、これが頭のいい 方じゃなくても、例えば小学生とかに聞いても同じ、35施設中15施設に不備があれば危ないと いうふうに感じるのではないかと思うのですが、その点御回答をお願いいたします。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。 大分広範な御質問が出たのですが、まず最初は大臣の発言に関することについてお願いをでき ますか。 ○松本食品安全部長 昨日の記者会見のときの大臣の答えについてです。1か月間、35施設の 現地調査をしまして、米国側の対日輸出プログラムの遵守状況等について検証して、問題がない。 あるいは改善された施設から、または米国政府の厳重な監視・監督の下に置かれた施設からの輸 入のみを認めるということにいたしましたので、今後新たに日本向けに処理されるものについて の安全性は確保されるものと考えております。 そういう中で、特定危険部位の混入した牛肉が再度発見された場合についてどう対応するかと いうことでお尋ねがあったわけでございます。基本的には、事前に一律にどういう措置を取るか について判断できるものではない。やはり国民の食の安全・安心の確保を大前提にしまして、具 体的事案に応じて適切に判断するものだと。その中の1つとして全面的な輸入手続停止も当然1 つとしてあるということで大臣が答弁したものでございます。そのときのやりとりは、1月20 日と100 %同じだったらどうするかという質問でした。あれは再開して一月後と十日ぐらいだ ったでしょうか。そこで、かつ条件できちんと守ることになっていたのに、脊柱が入ってきたこ とについて、ルール違反だということを重く見て停止したわけでございますけれども、あれと 100 %同じであれば、1月20日は止めたわけですから、全面停止はあるだろうと思います。た だ、今後そういう問題点があったときにどうするかということについては、それぞれの事案ごと に判断していくものだと考えておりますし、そのとおり昨日の記者会見で大臣も答えておるんで すけれども、活字になるといろいろ各社表現がいろいろ違ってまいります。そういうところで、 私も同席しておりましたけれども、今、私が答えたことで大臣は答弁しておりますし、それ以上 でも以下でもないということであります。 ですから、具体的に深刻度がどうかということになりますと、1つは明らかに、あれは子牛で したけれども、もっと大きい枝肉という形でころっと入ってきたのであれば、それは問題だろう と思いますけれども、まずブロック肉で入ってきますので、そういうことは通常考えられないと いうことであります。 ですから、具体的に軽いものと重いものとありますけれども、今ここで軽いものをどの程度か ということについては、ぱっと思い付かない。事前調査して問題がないようなところから輸入を 認めますので、多分安全性が確保されていると考えているので、具体的には思い付かないという ことであります。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、個別具体的なことは、また道野室長の方からお答えさせてい ただきますが、中川局長の方からまず御発言をお願いします。 ○中川消費・安全局長 土屋さんの御質問だったと思いますが、加工品、特にガラスープを含め てエキスみたいなものも心配だということでございました。これは表示との関係ですけれども、 まず最初に誤解がないように申し上げますが、昨年12月12日にアメリカ、あるいはカナダも 同じ条件ですが、これらの国から輸入を再開しました際に、どういうものが適格品かということ でございます。20か月齢以下、特定危険部位の除去という大前提の上で入ってくるのは、牛肉 と、牛の内臓です。内臓の中には舌あるいは小腸が含まれます。これらはあくまで生鮮で、生鮮 の中には冷凍したものも含まれますけれども、そういったものです。既に挽肉のような形になっ たものやビーフジャーキーのようにちょっとでも加工されたようなものは対象には入っており ません。ましてエキスのように加工したものは対象には入っておりません。ですから、アメリカ から入ってくるものは、先ほど言いましたような生の牛肉、それから内臓ということです。もし そこを私どもの方から十分お伝えしていないのであれば、まずそのことを申し上げます。 その上で、もちろん生の肉で入ったものを原料にして国内で加工した場合はアメリカのものが 原材料となり、その中からエキスを抽出することもあります。その際に加工品の原材料がどこの ものかということについて、全部表示をするべきという御要望はすでに多くの方からいただいて おります。できるだけ可能な限り表示をする方向で、我々はこれからも努力を続けたいと思いま すが、加工品全部に業務づけをするとなりますと、中間の原材料を仕入れてこられる場合などい ろんな加工工程を経て最終製品になりますし、同じ品質のものを同じような値段で提供するとな ると、産地も変わるということも実態としてはございます。それが1つの包材によって、つまり 包装容器の中に一括表示欄があって、そこに書くことになりますから、現実問題、実務的に本当 に可能かどうかということです。義務となると違反をされた方はすぐ氏名公表になるし、更には 罰金まで行くわけです。ですから、もともと安全かどうかという問題があれば、必ず義務にしな ければいけませんけれども、安全の点は冒頭申し上げましたように、輸入品も国産のものも変わ らないという大前提でやっているということで御理解いただきたいと思います。 病院食だとか学校給食のお話もありましたけれども、農林水産大臣も国会でできるだけその方 向でということで答弁をいたしております。それぞれ関係の部署のところに私どもの方からそう いう御要望が強いということをお伝えしたいと思います。 あと抜き打ち検査の御質問があったかと思いますけれども、あと実務的なことは担当の方から お答えいたします。 ○道野輸入食品安全対策室長 それでは、お答えをさせていただきます。回答漏れがあったら申 し訳ないんですけれども、まず輸入手続停止の時点で、多分日本側の水際の検査の強化というこ とで、例えば食品衛生監視員増という問題についてどうなったのかという御指摘ではないかと思 います。 平成18年度につきましても、14名か15名か正確な数字は忘れましたけれども、既定定員の 300 名に加えて、食品衛生監視員の増員が認められております。勿論、輸入時検査を行うための 検疫所の食品衛生監視員の増員です。 抜き打ち検査の頻度というところでありますけれども、輸入手続の再開を決めたのが昨日とい うことでありまして、今後米側と抜き打ち検査の実施の仕方について具体的なものは詰めていき たいと考えております。 まず、そうは申しましても、必要な情報はちゃんと出してもらって査察することも重要ですの で、そういったことと併せてやっていきたいと思っております。抜き打ち検査の考え方としては、 すべての施設というのはなかなか難しいと思います。米側は1年に1回やると言っておりますけ れども、日本側としてはやはり関心の高い施設、要するに過去に指摘事項があったようなところ です。輸入時検査で何か違反があればそういったものを中心に米側に抜き打ち検査に同行させろ というふうに言っていきたいと考えております。 30か月齢以上の条件変更を諮問するのかということですけれども、今のところ全くそういっ た協議の要請も私どもは受けていないわけですけれども、一般的にこういった輸入条件の変更と いうことで、今回の全然ストップして輸入条件が設定されていなかった時点から20か月齢以下、 SRMをすべて除去するという昨年の12月の輸入再開を決定したときの輸入条件というものに ついては当然諮問しておりますので、その変更ということであれば諮問をすることになると思い ます。 15施設問題があったというのは、いかにも多いじゃないかという御指摘だと思います。なか なか説明全体として説明がうまくいかない、うまく伝わらない部分もあると思うんですけれども、 今回のチェック項目というのは、言ってみれば書面だけでも200 項目以上のチェック項目があ りまして、そういったものについてチェックをしてきているわけです。その中で、各施設少数の 指摘事項が発生したということで、全体から見るとそんなに悪い評価ではないということも、本 当はうまくそういう説明が伝わればいいんですけれども、なかなかうまく伝わらなかったと思い ますので、その辺は御理解をいただきたいと考えております。そういう細かな問題についても、 きちっと改善がされてから対日輸出向けのリストには載せてもらうという対応を要求したとい うことであります。 ○藤井大臣官房参事官 もう大分時間が過ぎておりますので、あとお三方だけ御意見をいただい て、そしてこちらから回答をさせていただいて今回は終了したいと思います。御発言を希望され る方は挙手願います。 ○参加者5 無視しているのか。 ○藤井大臣官房参事官 全然無視はしておりません。 それでは、今、4名の方が手を挙げておられると思うんです。4名の方、一番左端の2列目の 方、そして4列目の牛島さん、そして真ん中の列のちょうど真ん中の方、そして一番後ろの右側 の列の女性の方、その4名の御意見、御質問をいただいてフロアから御意見いただくのは終わり にしたいと思います。順次御発言をお願いします。 ○参加者10 東京マイコープの松本と申します。2つの質問と意見を申し上げます。 1番目 の質問は、今回調査に行かれた35の処理施設ですが、米国内向けに出荷されていると同時に、 日本向け認定ということだと思うんですけれども、外国向けでは日本向けだけではなくて、中に は韓国、香港、台湾とそれぞれの輸出国向けのプログラムを持っているかと思うんですけれども、 複数の国のプログラムを持てば持つほど管理が難しくなるのではないかと思っておりますので、 35の施設の輸出国ごとのプログラム状況、何本のプログラムを持っているのかということを教 えていただきたいと思います。 2番目は「農場・飼料調査」の件ですけれども、今回行かれたのは1チームで、5つの農場、 2つの飼料工場、レンダリング工場は1個だけだったと。農水省の方としては、どれぐらいをカ バーできたとお考えでしょうか。日本国内で農場・飼料調査をするのは相当御苦労されたと思う んですけれども、今回のケースで、例えば0.1 %ぐらいカバーしたとお考えなのか、今後も農場・ 飼料調査の予定があるかどうかというところを2番目にお尋ねいたます。 3番目は意見でございます。私は、今日の報告も伺いましたけれども、やはり日本向け輸出プ ログラムということ自体がフィクション、虚構ではないかと思っております。それは、システム として非常に不安定、不完全なものであるという疑念が、どうしてもぬぐい切れません。その上 に、そのプログラムを実行しようとする政策当局者のところに、このプログラムを厳格に守らせ ようとする、しっかり熱心にやらせようとする姿勢が感じられないということです。 私どももいろんな食品メーカーと生産者と取引しますけれども、最後は経営姿勢のところを非 常に重視しますけれども、例えば大使館の公使が20か月齢以下を非常識だと言って、30か月齢 のことをすぐ口にする。あるいは一例が見つかったからって、すぐ全面停止するのは行き過ぎだ ということを、その場で言うようなところと、なぜ松本部長や中川局長たちがお付き合いになる のか、私としては全く信用できないと思っております。 以上です。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、続けてお願いします。 ○参加者5 藤井さん、こんにちは、わざわざ熊本から来ました牛島です。アメリカに査察団で 行かれた方は、この中に何名おられますか。よかったら手を挙げていただけますか。一人ですか。 本当はお疲れ様と言いたいけれども、なぜ34の施設が認定されたのか。おかしいじゃないで すか。私は10社そこそこになるんじゃないか。ぶら下げてある牛肉、枝肉、あれは20か月以 下ですか。おたくたちは何しに行ったんですか。私も1週間出向きましたよ。ネブラスカ州です か。ちゃんと農場も、餌も、牧場も見てきました。私は、アメリカの牛肉を反対しているのでは ない。食品安全委員会の西郷さん、はっきり言って20か月齢以下となぜ決めたんですか。アメ リカは守ってないじゃないですか。A40、A50はしてない。それなら、A41、42、43、44、こ ちらで言えば27か月、28か月が入っているじゃないですか。ここにも輸入商社の方が来ている はずです。私は先方に電話を入れたら、もう国同士が決めたんだから、牛島さんは口出し無用と。 おたくたち、20か月未満というは牛を見ればわかる。また部位的に分けてもわかりますよ。こ れは、私に言わせれば20か月以下です。これが28か月以下です。今後おたくたちは全箱開け て見るというけれども、どこまでできるか。大体私は27、28か月でいいと思います。 ちょっと待ってください。私たちは危険部位のことで半年かかったんだから、2、3分ぐらい オーバーしてどこが悪いんですか。明日の朝まででもいいじゃないですか。 ○藤井大臣官房参事官 ほかの人のこともありますので。 ○参加者5 それじゃ明日の朝まででいいよ。これはどうなりますか、だれが責任を取りますか、 これは28か月でしょうが、今後こういうものが入っていたときはどうするか、どう言い訳する か、小泉さんであろうが中川さんであろうが、私は上申書を上げます。ただし、私のような馬鹿 には返事はくれません。あなたたちは遊びか、何なのか。 ○藤井大臣官房参事官 そろそろまとめていただけますか。 ○参加者5 わかっています。まだ半年は経ってないから、ちゃんとしてくれよ。20か月とい うの規格外だから見ればわかりますよ。 以上です。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、続けてお願いいたします。 ○参加者11 フロンティア食品技術研究所の椛島と申します。簡単に2点ほどわからないとこ ろを教えていただきたいと思います。 初めに配られました資料の中の26ページにあります「結果概要」というところに「現地調査 対象35施設のうち 特段の指摘がなかった施設:20施設 指摘事項が確認された施設:15施 設」というふうに書かれております。その指摘という言葉が非常にわかりにくいんですが、配付 されました別添の参考資料1というところで、農水省、厚労省様がつくられている資料なんです が、そこの3ページ、調査結果というところで、対象認定施設35のうち21施設とちょっと数 字が合わないんですが、これは指摘という単語と適切という処理の部分の言葉のあやなのでしょ うか。その辺の違いを教えていただきたいと思います。 2点目が配付されました資料の50、参考資料の頭のページに、今回調査されました35の施設 の一覧が載っております。今回指摘をされました14施設及び不適合になりました1施設、でき ますればその実名をここで指摘していただきまして、なおかつ指摘しました内容がどの施設に合 致するのか。14と指摘内容が7点ですので、重複している部分があるかと思うのですが、その 辺を教えてください。 ○藤井大臣官房参事官 それでは、最後に一番後ろの女性の方、お願いをいたします。 ○参加者12 東京都地域婦人団体連盟の飛田と申します。今日のような説明会を迎えるという ことは、誠に残念に思っております。 アメリカのBSEの発生以来、圧力ばかりかけられて、そして今日のような結末を迎えている わけでございますけれども、今日の御説明の中で、これから先に向けて交渉される場合にお願い したいと思っていることがあります。 それは、19ページの「米国の業界における実質的取組の例」として、飼料に関する宣誓書と か、あるいは第三者機関による検査・証明等が取組みとしてはあるという御紹介がありましたけ れども、アメリカが飼料規制をしっかりするということを待ってからでも、輸入再開は遅くはな いのではないかなどをずっと言い続けてまいりました。 それから、国内における表示、加工食品を含めての表示の完全実施を待たなければならないと いうことも申し上げてきたんですが、こういう事態を迎えた以上、またアメリカはいろいろ圧力 をかけてきているようですけれども、この実質的取組みの例を日本向けの輸出商品の基礎条件と して要求していく必要があるのではないかと思います。 これら3つの間に、どのような差があるか。私は十分存じませんけれども、この中で一番トレ ーサビリティーがしっかりと守られそうなものを選んで、せめて飼料規制ができないのであれば、 日本向け製品の供給先については、これを要求するということをおっしゃっていただきたいと思 います。それにしても、35施設のうち20余りもそういう問題が行ってくるという、何という成 績の悪さでしょうか。そういう国と、私たちは大げんかすることもできないので、いろいろな商 品も輸出していただしているわけですから、何とか役所の皆様方も苦しい交渉をされたり、調査 をされたりして、これから先も付き合っていかなければいけないと思いますが、そのマナーの悪 さは一般の消費者はできるだけ買い控えたいという気持ちになっておりますし、できるならばの んきな男性方、特に外食産業の方々、余り安全に関心のない方々にも、そのような危険が及ばな いようにしっかりとした表示をしていただきたい。また、危険性を認識していただきたいと願っ ております。 ○藤井大臣官房参事官 そろそろ時間ですので、お願いいたします。 ○参加者12 わかりました。この飼料の規制に関しては、これからも要求を続けていただきた い。ここで甘い姿勢を見せないでいただきたい。私たちの誇りを傷付けないでいただきたいと願 っているものです。 失礼いたします。 ○藤井大臣官房参事官 ありがとうございました。 最後に4名の方、いろいろと御意見、御質問をいただきました。これもかなり多岐にわたって いますので、どういう形にしましょうか。 それでは、細かい事実関係等の点につきまして、まず道野室長の方から答えていただきまして、 あと落ちているようなところ、補足をするようなところは、局長、部長の方からお願いしたいと 思います。 ○道野輸入食品安全対策室長 東京マイコープの方の御質問で、今回調査した施設で、他国向け のプログラムがどれぐらいあるかということですけれども、多くの施設で複数、かなり多くの輸 出の認定を取っております。 それでは、どういうふうに管理しているのかということなんですけれども、米国でも30か月 齢以上のものと、それよりも若いものというのは、国内規制も違うわけです。ですから、そうい う意味で言うとと畜解体工程の一部であるとか、部分肉の処理工程に関しては分けざるを得ない。 他国の場合は30か月齢よりも若い牛由来のもので骨なしが基本的な部分肉の輸入条件ですの で、そういう意味で言うとアメリカの国内基準の30よりも若い部分の基準とオーバーラップし ているんです。 日本以外の基準はそんなに米国の食肉の加工工程の中で、厳密に分離しなければいけない部分 は少ないです。ですから、日本向けの処理工程が20か月齢以下という条件が付いているという ことです。 SRMに関しては、例えば腸に関しては同じですし、扁桃についても同じです。脊髄の除去に ついても、これは各企業のと畜解体工程の中でどこも取ることにしておりますので、そういう意 味ではアメリカの強制基準はそうではないですけれども、同じ処理をしているわけです。 ですから、端的に言うとすべての処理工程に適用できるものは適用しておいて、それでも特殊 なものを分けていくという考え方で管理していると私どもは受け止めております。 輸入時の検 査の話で、見て月齢がわかるのか。それは残念ながら我々もきちんと客観的にわかるとは思って おりません。 椛島さんから数字が合わないということだったんですが、どの資料とどの資料というのはある んですけれども、部長、お願いいたします。 ○松本食品安全部長 指摘事項のなかったところが20で、指摘事項のあったところが15で、 後ろの方の資料のところには21ということでありますけれども、これは今後将来に向けての遵 守体制というところで指摘がなかったところが21ですけれども、その中の1つに既に日本に向 け出荷した、12月12日から今年の1月20日までの間に出荷実績があり、そこで月齢をきちっ と守り、かつ特定危険部位を除去しておりましたけれども、輸入再開の決定をした以前、12月 9日にと畜した肉が入っておったというところの認定についてペナルティーがかけられて、通常 は常駐しないAMS(アメリカ農務省)の職員が常駐して一定期間監督するというペナルティー がかけられた。そういう意味での指摘がありますので、ですから最終的には指摘がなかったとこ ろは、21引く1で20ということになります。 ですから、資料の次に3とあると思いますけれども、そこが既に出荷実績のあるところで日に ちを守らなかったというところが1つありますので、それが引かれて20になるということでご ざいます。 施設名ということですけれども、まずリストから落ちたのはブローリーという会社です。もう 一つの12月12日以前の肉を出荷したことで、条件付き認定ということで、これはアメリカの 農務省のホームページに認定された施設のリストがありまして、そこのところを見ればわかりま すが、アメリカンフードという会社です。それ以外のところにつきましては、きちっと改善され たということでございますので、施設名の公表は差し控えさせていただきたいと思います。 ○藤井大臣官房参事官 あとは飼料の農場調査、飼料規制等のことについてお願いをいたします。 ○参加者5 私の方から。 ○中川消費・安全局長 私の方からマツモトさんの御質問にお答えをしたいと思います。確かに、 今回のような一定の期間内で、また、1チームで見ることができる農場、飼料工場、レンダリン グ施設の数は、確かに大変少のうございました。アメリカでは、牛を飼っている農家は90万程 度いると聞いておりますし、飼料工場も小さいところまで含めれば6,000 くらいあるわけです から、そういうことからするとこの数自体はごくごく事例的なものを今回調べたという性格のも のでございます。ただ、少しでも日本が輸入をする、アメリカに限らずいろんな国の生産状況の 実態については、これからもできるだけそういう情報収集には努めたいと思います。来年の予算 要求などでもこういった点については是非強化する方向で考えたいと思っております。 最後に、ヒダさんの御質問、飼料規制の強化、サーベイランスも含めてアメリカ側にきちっと 要求すべき点は要求すべきだという御要望であります。この点は先ほども申し上げましたが、私 ども引き続き、特に飼料規制の強化などは日本と比べても不十分というのは明らかでありますの で要求をしたいと思います。 ちなみにアメリカのお隣のカナダは、既に今年の6月に飼料規制の強化を発表しておりまして、 来年の7月から鶏や豚にも牛の肉骨粉が飼料として使われることを禁止する方向で制度改正が 行われるということがきちっと表明されております。国境を接している隣の国はもう既にやって いるということも言い込みながら、アメリカ側には強化を求めていきたいと思っております。 ○藤井大臣官房参事官 進行の不手際で大変時間が過ぎてしまったことをまずはおわびいたし ます。活発に御意見をいただいたことを、改めてお礼を申し上げたいと思います。 最後に、中川局長の方からごあいさつを申し上げます。 ○中川消費・安全局長 今、司会の方からも申し上げましたように、一定の限られた時間の中で 十分御意見をいただくことができなかった。あるいは私どもの説明も必ずしも十分でなかった点 についてはお詫びを申し上げたいと思います。 今日のこの集まりは、冒頭申し上げましたように説明会でございます。これまでアメリカ産牛 肉の輸入再々開に向けては2回のリスクコミュニケーションという場を設けました。少し言葉に こだわるようでありますけれども、意見交換、リスクコミュニケーションというのは、そのとき にいただいた意見をできるだけ政策に反映したいという姿勢でもって望んできたつもりでござ います。これまでの2回の意見交換会で皆様方から出された意見の中には、今度再開をするので あれば全部の施設をチェックしてもらいたい。あるいは一旦再開をされても通告でいくのではな くて抜き打ちをやるべきではないかという御意見もありました。また、水際についても今まで以 上に強化した検疫をしてもらいたいという御意見もありました。 こういった御意見については、先ほどからも御説明をしましたように、それぞれ実現できると ころはアメリカにも要求して、こういうことを実現する方向で決定したわけでございます。 今日のこの会議について、これまでも御意見は出されました。その点について実現されなかっ た点にもどかしさを感じるという御意見もありました。私ども十分受け止めなければいけないと 思っておりますけれども、やはりリスクコミュニケーションというのはそれぞれの相互の信頼を 高め、政策にできるだけ反映させていくということで、一つ一つ積み重ねていくことが大事だと 思います。3年前からこういった仕組みを導入いたしましたけれども、私どもまだ途上にあると 思います。ですから、この点はこれからも引き続き努力をしていきたいと思います。 今日は本当にいろんな御意見、御質問をいただきました。この点も含めて、更に将来に向かっ ての参考にさせていただきたいと思います。これをもちまして、閉会とさせていただきたいと思 います。ありがとうございました。(拍手) 3.閉 会 ○司会 以上をもちまして「米国産牛肉輸入問題(対日輸出認定施設の現地調査結果)に関する 説明会」を閉会いたします。長時間にわたりありがとうございました。 なお、お帰りの際にアンケートを回収いたしますので、御協力のほどお願いいたします。 2 35