06/04/20 平成18年4月20日(福岡県福岡市)食品に関するリスクコミュニケ−ション (米国産牛肉輸入問題に関する意見交換会) 食品に関するリスクコミュニケーション 平成18年4月20日(木) 於:ホテルレガロ福岡 開 会 【司会(森田厚生労働省食品安全部企画情報課情報管理専門官)】  本日は、大変お 忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。ただいまから食品に関するリ スクコミュニケーション(米国産牛肉輸入問題に関する意見交換会)を開催いたします。  私は、本日の司会を務めさせていただきます、厚生労働省食品安全部企画情報課 森 田と申します。よろしくお願いいたします。  厚生労働省と農林水産省では、1月20日米国から到着した子牛肉にせき柱が含まれ ていることが確認されたため、現在すべての米国産牛肉の輸入手続を停止しております。 このことにつきまして、2月17日に米国農務省から日本向け牛肉輸出証明プログラム に関する調査結果、対策報告書が提出され、3月28日から29日にかけて日米専門家 会合が開催されたところでございます。  本日の意見交換会は、報告書及び日本からの照会に対する米国側の回答などにつきま してご説明し、参加者の方々のご疑問な点やお考えなどにつきまして意見交換を行うた め、全国10カ所で開催するものの一つでございます。  初めにお配りしております資料を確認させていただきます。封筒をあけていただきま すと、一番上にあります議事次第というものがございます。それからその次に座席表、 それから右肩のほうに資料と書いている「米国産牛肉輸入問題について」というもの、 それから右肩のほう、参考資料1から参考資料2、参考資料3、この三つのものがござ います。さらに「意見交換会に参加いただいた皆様へ」というカラー刷りの1枚のもの。 「食品安全委員会の議論の概要」、「食品安全エクスプレス」、それからパンフレットに なりますけれども「食品の安全確保に関する取り組み」、小さくなりますけれども「安 心を食べてほしいから。見守っています、食品安全」というリーフレット、一番小さい 「食事バランスガイド」。最後になりますけれども、アンケートというものも用意させ ていただいております。今後の参考にさせていただくため、お帰りの際にはご協力をお 願いしたいというふうに思います。なお資料に不足等ございましたら、手を挙げていた だいて担当の者にお申しつけいただければと思います。  続きまして、本日の進行についてご説明いたします。  まず、「米国産牛肉輸入問題について」1時間程度ご説明をいたします。その後10 分程度休憩時間を挟みまして、意見交換に入りたいと思います。なお会場の都合上、終 了は午後4時を予定しております。  では、米国産牛肉輸入問題につきまして厚生労働省食品安全部監視安全課の桑崎課長 から説明をいたします。 説 明 【桑崎厚生労働省食品安全部監視安全課長】  ただいまご紹介をいただきました厚生 労働省食品安全部監視安全課長の桑崎でございます。  今、司会のほうから説明がありましたけれども、今回のリスコミの意義というのを、 さまざまな会場でご質問をちょうだいしています。  いま一度おさらいをいたしますけれども、今回のリスコミの目的というのは、1月2 0日の米国産の子牛肉からのせき柱発見を受けて、それ以降、アメリカ側とさまざまな 協議を実施してまいりました。その経過についてご説明をし、皆様方からご意見をちょ うだいするというのが、本リスコミの目的でございます。  当省の川崎厚生労働大臣も今回のリスコミを通じまして、国民の方々に丁寧にその経 過についてご説明をし、今どのようなことを国民の方々が思っているのかというのを、 できる限りこの場を通じて吸い上げたいということも申しているところでございます。  したがいまして、いろいろ報道がございますけれども、現時点で輸入再々開というこ とについて決まっているものではないということを最初に申し上げて、説明に入らせて いただきます。 (スライド)  本日の説明の流れでございますが、特に右側のIV「米国との協議」というところで、 米国からの原因究明、さらにそれに基づく対策に関する報告書の提出。さらには、その 報告書を受けて農林水産省、厚生労働省が米国に対して照会した事項及びその回答の概 要。さらには3月28、29日になりますけれども、日米の専門家会議の概要について。 これを中心にご説明を申し上げますが、I、II、IIIとございますとおり、これに至る問 題の経緯、さらには国内流通品への対応ということも含めてご説明を申し上げたいと思 います。 (スライド)  米国産牛肉問題をめぐります経緯でございますが、ご承知のとおり、平成15年の1 2月24日に米国でBSE感染牛が1頭確認をされたわけであります。直ちに厚生労働 省、農林水産省はすべての米国からの牛肉を輸入停止いたしました。  それ以降、米国側と技術的なレベルの会合、さらには局長級クラスの会合を開催して まいりまして、右側のここにこう書いてございますが、平成16年10月に局長級会議 を開催いたしました。ここで、一定の条件、枠組みのもと国内での承認手続完了を条件 として、科学的知見に基づいて牛肉貿易を再開するとの認識を共有したのが、平成16 年の10月の局長級協議の内容でございます。  一定の条件という内容でございますが、その下に輸出プログラムというふうに出てま いりますが、まずは20カ月齢以下の牛を由来とする肉・内臓とすること。さらには2 0カ月以下のすべての牛からの特定危険部位の除去ということを条件としておるわけで ありまして。  それから国内における承認手続完了ということで申し上げますと、食品安全委員会に お諮りをし、その答えをちょうだいすると。そういう手続を踏まえて輸入再開にいこう ということを決めたわけであります。  平成17年5月24日に食品安全委員会に米国産牛肉の輸入再開について諮問をした わけございます。諮問の内容というのは、特定の条件のもとで輸出される米国産牛肉と 我が国で流通している牛肉とのリスクの同等性ということについて諮問を申し上げたと いうことでございます。  平成17年の12月8日には、米国産牛肉等のリスク評価について食品安全委員会か ら答申をちょうだいいたしました。ここに書いてございますが、米国・カナダに関する データの質・量ともに不明な点が多いということなどから、この上に書いてございます けれども、米国・カナダのBSEリスクの科学的同等性を評価するのは困難ではあるけ れども、輸出プログラム、先ほどご説明申し上げましたように、20カ月以下の全頭か らのSRM除去、さらには20カ月以下由来の牛肉ということが遵守されたと仮定した 場合に、米国・カナダ産牛肉等と国内産牛肉等とのリスクの差は非常に小さいという答 申をちょうだいしたところでございます。 (スライド)  そういう食品安全委員会の答申を踏まえまして、平成17年12月12日に米国・カ ナダ産牛肉等の輸入再開を両省で決定いたしました。  ここには書いてございませんけれども、12月12日、同日付でアメリカから入って くる牛肉について輸入時の検査を強化するということで、厚生労働省でいきますと食品 を輸入する場合には、輸入の都度届出が必要でございます。ロットごとに届出が必要な わけでありますけれども、その届出について、すべての届出について約10%程度、ふ たをあけて現物を確認するという検査の強化を輸入時で実施をいたしましたし、農林水 産省も同様に検査を強化したところでございます。  17年の12月13日から24日までの間は、米国とカナダに担当官を派遣いたしま して、アメリカは11、カナダ4の食肉処理関連施設について査察を実施いたしました。  問題になっております本年の1月20日でございますけれども、成田空港に農林水産 省の動物検疫所ございます。厚生労働省も検疫所がございます。そこで輸入された米国 産子牛肉からせき柱を含む子牛肉を発見したということでございまして、下に書いてご ざいますが、当該ロットについてはすべて積み戻しまたは廃棄の処分ということと、こ れも後ほど説明いたしますけれども、すべての米国産牛肉の輸入手続を停止する措置を とったところでございます。 (スライド)  経過の3でございますが、平成18年2月10日でございますけれども、そういう1 月20日のせき柱発見事例を踏まえて、それまでに国内に入っているものは問題がなか ったのかということについて、ここに、右側に書いてございますけれども、23日付で せき柱が含まれている肉が輸入されていないかどうか、既に国内に流通しているものと いう意味でございますけれども、それについて地方自治体に対して自主検査を営業者に するように指示をいたしました。この結果については、また後ほどご説明を申し上げま す。  それから2月17日になりまして、先ほどご説明申し上げましたように米国農務省が 今回の原因、さらにはそれに基づく対策というものについて報告書を取りまとめ、日本 側に提出をしたところでございます。この報告書もそうでございますし、それから我が ほうに対する照会、それから照会に対する回答ということについてはすべて日本語で公 表をしておるのは、ご承知のとおりだと思います。  2月17日の、この報告書の内容を、これも後ほど出てまいりますけれども、かいつ まんで申し上げると、今回の事案の発生原因というのは、輸出業者とさらにはそれを監 督する検査官が、日本向けのEVプログラム、輸出プログラムを十分熟知していなかっ たんだということ、さらには解禁後初めての子牛肉の輸出という事例もあって、特異な 事例であると、特異なケースであるというのが、この報告書のポイントになっているわ けであります。そういう報告書、実はたしか470ページぐらいの大部になっているわ けでありますけども、それについて精査をいたしまして、3月6日になりますけれども、 調査報告書について米国政府に対し、これについてはどう考えるんだという照会をさせ ていただきました。  20項目にわたる照会内容になっていまして、お手元の資料にもあると思いますが、 ポイントは今回の事案が起きた原因というのは一体何なのか、なぜこのような問題が生 じたのかというのが1点目。それからアメリカ側の報告書によると今回の事例というの は特異的な事例であると結論づけているわけでありますけれども、他の37施設、今3 7だと思いますが、他の対日輸出認定施設というのはほんとうに問題がないのかという ことについて質問をさせていただきました。それについての回答が3月18日に寄せら れ、さらに対面での協議ということで28日、29日と専門家会合を開催いたしました。 (スライド)  いま一度その日本向け輸出プログラムというものはどういうものかと先ほど来説明を させていただいていますけれども、もう一度整理をすると三つございます。日本向け牛 肉との条件ということで、丸が三つございますけれども、20カ月以下のすべての牛か らの特定危険部位を除去すると。それから日本に輸出される牛肉・内臓については20 カ月以下と証明される牛由来のものであるということ。それからこういうふうに当然月 齢の区分を設けていますから、間違いなく処理から出荷まで他の肉とまじらないように、 ちゃんと識別をされてなくちゃいけないという、この三つが基本的な条件でございます。  よくご質問をちょうだいしまして、輸出されるものについて加工品も入るのではない かというご照会がありますが、今回の日本とアメリカの合意内容で申し上げると、日本 向けに輸出が可能となる牛肉は、ここに記載されていますとおり肉そのものと、それか ら内臓ということになってございまして、ひき肉さらには乳加工製品というのは、今回 のプログラムの対象外。ということは、輸出ができないということになっています。 (スライド)  「米国における輸出プログラムの遵守について」ということでございまして、これか らの説明で、少しいろいろな役所の組織の名前が出てまいりますので、ちょっとここで 最初にご説明を申し上げておきますが、アメリカ農務省内部にいろいろな組織がござい まして、特に今回関係する部局としては、右側の箱の上のほうにございますけれども、 AMSと、日本語で言うと農業販売促進局というところと、それから、その下にござい ますけれども、FSISというふうに略称しておりますけれども食品安全検査局、この 二つの部局が関連してございます。  日本でいくと上のほうの組織はあまりないと思いますけれども、下のほうの組織のイ メージとしては、日本で申し上げますと、食肉衛生検査所みたいなイメージを持っても らえるとよろしいかと思います。  日本向けに牛肉を輸出したいというふうに希望する食肉処理施設については、輸出プ ログラムへの参加の申請というのを、この(1)に書いてありますが、必要な書類を添付し て先ほどご説明申し上げましたように、農業販売促進局に申請をすることになっていま す。  農業販売促進局はその申請を受けて書類の審査、さらには現地での確認調査という二 つをした上で認定をするわけでございます。ここにこう書いてあると思います。その下 にもちょっと書いてありますけれども、認定した際には年2回以上は監査を実施すると いうこともあわせて規定をされているわけでございますし、それから食品安全検査局は、 と畜場に常駐をしている職員がいますので、その人間が常駐して監督をする、さらには 必要に応じて現物検査も実施をする。  もうちょっと大きな権限としては、今回問題になっておりますけれども、輸出証明書 の発給の責務があると。この輸出証明書がないと輸出できないという仕組みになってい まして、こういうのが全体の概要になっているわけでございます。 (スライド)  また同じような説明になりますが、企業が、ここにこう書いてございます。  もう一度説明しますが、こういうマニュアルをつくって申請をし、農業販売促進局が 書類審査・現地調査を踏まえて問題がなければ認定をするということでございます。そ のマニュアルの目的というのは、日本側の特定の条件、20カ月以下の全月齢からのS RM除去と、それから20カ月以下の牛由来のものであるということを守るために、さ まざまな手順書なりマニュアルをつくると。  例えば組織というのがある。だれがどういう権限で何をするのかということのマニュ アルも必要ですし、それから教育訓練のマニュアルも必要ですし、それから当然ながら 製造条件ということでSRMの除去ということに関する条件も必要でございますし、製 品管理ということで申し上げますと先ほど申し上げましたように分別管理というような 手順書が必要でございますし、何か問題があった場合にはちゃんと是正をする、予防す るというようなマニュアルが必要でございました。こういうマニュアルをつくって申請 をするということでございます。  これらについては、企業による内部監査も実施をしなければいけないということでご ざいますし、それからこの企業による内部監査を含め全体について、AMSと書いてい ますけれども、農業販売促進局による外部監査も年2回以上実施をするということにな っているわけであります。 (スライド)  これは輸入時の監視体制ということでございます。輸出国では日本向けに認定された 施設からのみ日本に牛肉等を輸出できると。輸出の際には、向こうの検査官がサインを した輸出証明書の添付が求められているということでございます。日本に入ってきた段 階で、農林水産省管轄の動物検疫所と厚生労働省の検疫所がそれぞれ検査を実施すると いうことであります。  検査の内容というのは、書類の審査。ここに書いていますけれども、ちゃんと衛生証 明書がついているかどうか、その衛生証明書に記載する内容は正しいかどうかと、施設 というのは認定されている施設かどうかということを書類で確認をする。さらには先ほ ど言いましたように、現場に出向いて、厚生労働省の場合には約10%程度の箱を開梱 して現物検査をし、SRMの混入の有無がないかどうかということについて確認をする と。  こういうことで合格、不合格となるわけでありますけれども、先ほど来ご説明申し上 げていますとおり、1月20日に成田空港におきまして、動物検疫所と厚生労働省の検 疫所のそれぞれせき柱が含まれている子牛肉を発見したというのが経緯でございます。 (スライド)  これが現物でございます。これがせき柱本体でございます。普通はここにせき髄が通 っていますが、せき髄はきれいに除去されているわけですが、せき柱本体が残っている ということでございます。  ちょっとここで説明申しますと、骨自身に感染性があるという報告はないわけであり ます。ではせき柱がなぜだめなのかということですが、ここのせき髄から神経が分岐を しておりまして、背根神経節という骨がちょっと出る手前に小さな膨らみをつくると。 その背根神経節に感染性があるという指摘があるということですから、少なくともこの 写真の場合には、この全体をSRMとしているということでございます。 (スライド)  今回の違反発見を受けた我が国の対応ということですけれども、当然ながら違反の貨 物については積み戻し、廃棄ということでございます。  それから、今回の事案というのが12月に解禁をし、1月ということで、再開直後に 特定危険部位が輸出されたということ。さらには、先ほど来申し上げますとおり他の対 日輸出施設において輸出プログラムがきちっと重視されているかどうかと。その信頼性 をいま一度きちっと確認をする必要があると。  こういうふうに判断をいたしまして、当該せき柱を輸出し処理をした1と畜場、1食 肉処理場以外でもすべての米国産の牛肉について輸入手続を停止したというところでご ざいます。 (スライド)  1月20日にそういう問題がおきまして、それ以前に入ったものは大丈夫かというこ とでございますが、これについても対応をしておりまして、で、どういうふうな対応を したかということでありますが、もうちょっと細かな数字は、後ほど表も出てまいりま すのでごらんをいただくといいと思いますが、平成17年の12月12日から18年の 1月20日までに既に国内輸入手続を完了して、国内に入った牛肉の総輸入量は約73 0トンでございました。  その730トンのうち、いろいろ部位別に見ると明らかにせき柱とは関係がない部位 の輸入もたくさんあった。例えばもも肉とかすね肉とか舌であるとか。そういうところ については、今回のせき柱とは直接関係がないということで調査の対象外といたしまし た。  残りが、それの155トンでございましょうか。残りを今回の調査対象として、10 都県26輸入業者。これは輸入業者が所在をする本社所在地の自治体に対して調査を指 示したわけでありますけれども、その結果が後ほど出てまいりますけれども、基本的に はどういう調査をしたかというと、せき柱周辺の部位であるということがわかっている ものについては全箱開梱をさせて確認をさせました。それから、それ以外の部位という ことについては、その表示を含めて確認をしてせき柱周辺でないことを確認いたしたわ けであります。 (スライド)  調査結果になりますけれども、今回の、そのちょっと下に書いてありますが、実は1 月20日までに届出があった数量は約1,500トン、1,496トンでございます。  このうち765.9トンについては、実は輸入手続が終了していない。単純に申し上 げると検疫所の判こを押していないということですから、まだ通関できない貨物がござ います。  これを引くと今回の調査対象になったのは、先ほど言った数でございますけれども、 そのうちせき柱周辺の部位を含めて575トンが調査対象になって、せき柱周辺の部位 ということで1箱1箱現物を確認した数量が249.7トン(43.4%)。それから表 示でせき柱周囲以外であるということを確認したのが232トンということでございま した。  残りが実は93トンございました。これは既に流通で動いていて、開封されていると いうことも含めて、そのロットと1対1の確認ができなかったというものが93.4ト ンございました。この中には既に消費されているものもあると思われます。これについ て、自治体それから輸入業者に対してせき柱の混入に係る情報について確認をいたしま したけれども、混入に係る情報はございませんでした。 (スライド)  そういうことで、もう一度整理をすると1,496トンの輸入届出があって、手続が 未了だったものが765トン。これは港に保管をされているわけであります。通関済み のものが730.1トン。で、いろいろ調査をして今回の調査対象であるものと調査対 象外であるものに分けて、これについて調査をいたしまして、結果はこれも公表をさせ ていただいておりますけれども、せき柱の混入が認められなかったという調査結果でご ざいました。 (スライド)  米国との協議でございますけれども、事案が発生して以降我々は何回も米国側に申し 上げているのは、徹底した原因の究明が必要なんだと。その原因究明に基づく再発防止 策の検討が必要で、その報告書をぜひ日本側に提出をしてほしいという要求が1点。  それから、その上で今回このような事例が起きることがないように対策を検討する必 要があるということと、それから一番下に書いていますけれども、科学的合理性に基づ いた判断というのは当然あるわけでありますけれども、今回の問題というのは、消費者 が米国産牛肉に対して大変不信感を持ったということが極めて重要だということで、そ の信頼をどうやって回復していくのかという、この三つの基本的な考え方に立って対応 してまいったわけでございます。 (スライド)  これは、調査報告書の概要でありますけれども、実は今回の事案というのはアメリカ 側では2業者が関連をしているわけであります。  左側にゴールデンヴィール社と書いてございます。右側にはアトランティック・ヴィ ール・アンド・ラム社という会社名が記載をされていますが、この会社は兄弟会社で経 営者は同一でございます。ゴールデンヴィール社のほうはと畜場を経営していて、それ からアトランティックのほうは食肉処理場を経営しているということでございます。  業務内容はここに書いていますとおり、ゴールデンヴィール社は子牛肉のとさつ、解 体業務まで行うと。で、それら処理されたものを出荷するということでありますし、ア トランティック社はその枝肉、内臓の分割、出荷、輸出を業務としているということで ございます。  それにかかわる役所の関与ということでありますが、この左側にAMS農業販売促進 局の仕事の内容、さらには食品安全検査局の仕事の内容というふうに書いてございまし て、これをごらんいただくとおわかりになりますとおり、AMSの関与というのは対日 輸出施設の認定であるとか査察ということを業務にしていますし、それから月齢判別の 一つの手段でございます、いわゆるマチュリティによる月齢判別というのも仕事にして います。  それからアトランティック社のほうも同じように対日施設の認定でございますし、そ れから査察の実施というのが仕事でございますし、それからFSISについては衛生規 制ですので、衛生規制を業務としているわけでありますけれども、特にここのアトラン ティック社に駐在をしている食品安全局の検査官は輸出証明書を発行するという、そう いう仕事をしているということでございます。 (スライド)  今回の米国産牛肉せき柱混入事案の概要でございますけれども、同じような話になっ てしまいますが、ゴールデン社、これは子牛と畜処理施設ですけれども、せき柱の混入 子牛肉ということで、せき柱つきの子牛肉の枝肉というのをここに出荷をしたという業 務と、それからもう一つここが大変重要なんだと思いますけれども、内臓、舌、胸腺。 今回実はその子牛肉、肉そのもの以外に内臓も輸出をしていました。ここでは日本向け 輸出プログラムの要件を満たしていない内臓に対して輸出プログラムに適合していると の申請書を付して出荷をしてしまったということでございます。  これは何を言っているかというと、先ほど来申し上げますとおり20カ月以下の牛由 来の肉と内臓でなければいけないということになっていますので、間違いなく20カ月 以下の牛からとれた内臓であるということを基本的には識別し、管理をする。そういう マニュアルを整備しておく必要があるというのが求められているわけでありますけれど も、ここではそれがなくて、そのまま適合しているとして出荷をしてしまった。  それからアトランティック社については、せき柱がついた枝肉を受けたわけですけれ ども、せき柱を除去しないで輸出をしたということと、それからもう一つ、この内臓の 話については、ここに書いていますけれども、日本向け輸出プログラムを満たした製品 の納入記録には記載されていなかったと。ここのマニュアルでいくと適合しているもの については、きちっと納入記録に、帳面に記載をすることになっている。で、今回は記 載をしていなかったから、当然、該当、輸出できないという整理をしていたにもかかわ らず、輸出をしてしまった。  それからもう一つはここに検査官の話がございますけれども、検査官が日本向け輸出 プログラムを十分理解しないまま輸出証明書に署名をしたということで今回の事案が起 きたというふうに報告がございました。 (スライド)  それぞれの施設での問題点ということでございます。  そのゴールデン社のマニュアルには日本向け輸出に必要な内蔵の分割管理規定、分割 管理が規定されていないにもかかわらず、日本向け輸出に適合しているとの申請書を発 行したと。で、日本向け輸出に適合していない内臓が適合品としてアトランティックヴ ィール社に向けて出荷をされたと。  考えられる問題点としては、その(1)にございますけれども内臓が日本向け輸出に適合 していないことが、G社のマニュアルに明確に規定されていなかったというのが1点。  それからもう一つは、責任者は知識を有していたと認定されたけれども、他の従業員 は十分に理解をしていなかったんではないかというふうに思われます。実際に作業する 人間が日米で取り決めた輸出プログラムの内容を十分に知っていて理解をして作業して いたのかという問題点でございます。 (スライド)  A社のほうでございますけれども、A社のマニュアルには日本向け輸出に必要なせき 柱の除去が規定されていたにもかかわらず、除去していなかった。せき柱は除くという ふうにマニュアルには書いてあるけれども、それを除去していなかった。で、そのまま、 せき柱つきのまま日本に製品として輸出をしてしまったと。  それから、もう一つは先ほども出てまいりましたけれども、内臓は日本向け輸出プロ グラムを満たした製品の納入記録には記載されていなかった、だから本来は輸出されな いはずのものであるというものが、日本向けに処理をされ適格品として輸出をされてし まった。  で、ここでの考えられる問題点としてはせき柱除去、確かにせき柱を除去しなきゃな らないという規定はきちっと規定をされていましたが、せき柱を具体的にどうやって取 り除くのかというマニュアルが実は規定をされていなかった。  それからもう一つは先ほどと一緒ですけれども、責任者は十分に知識を有していたと いうふうにして認定をされたわけでありますけれども、実際にその現場で作業する人間 というのは理解をしていたのかどうかというところが、考えられる問題点だろうという ふうに思います。 (スライド)  それで、FSIS検査官の問題点ということでございますけれども、まずアトランテ ィック社担当の検査官というのは、輸出証明の申請を受けるまでは、アトランティック 社が日本向けの輸出プログラムの認定を受けたことを知らなかったと、1点目。  それからA社担当の検査官は日本向け輸出プログラム自体を熟知していなかったにも かかわらず、輸出証明書に署名をし、輸出がされてしまったということであります。  で、考えられる問題点としては、昨年12月にFSIS食品安全検査局の各地域事務 所を対象に日本向けの輸出条件の周知を図るための電話会議を実施した際、A社はまだ 認定申請していなかったと。何を言っているかというと、電話会議があったんだけれど も、A社を管轄するその地域の食品安全局FSISの担当者は、その電話会議に欠席を したというのが1点。  それから2番目、FSISの検査官が日本向け輸出証明業務を行うに当たって、その 責務を理解するための措置が十分とられていなかったと。これは一般的な研修は行って いるし、それから日本向けの輸出条件がきちっと農務省のウェブサイトで確認をできる ことになっているという説明でしたけれども、そこまでの措置にとどまっていて、それ 以上の追加的な研修は、この時点では実施をしていなかったんだろうと思います。 (スライド)  米国への照会事項とその回答ということであります。 (スライド)  全般的な事項から始まって、もろもろのここに書いてありますような内容について2 0項目にわたって照会をさせていただきました。で、それぞれについてのポイントにつ いては次にございます。 (スライド)  照会事項とその回答の概要で、何で今回の事案が発生したのか。今回の事案の原因は 何か、それから他の施設で同様の問題はないのかどうかということについて、確認をい たしました。以降は、これはアメリカ側の回答です。アメリカ側はこういう説明をして きたと。で、今回の事案というのは、施設が審査を受けたマニュアルを守らなかったん だと。  それからもう一つは、輸出条件に違反していることを米国農務省の検査官が見つけら れなかったということで起きてしまった。  次のポツですけれども、昨年12月に、これも先ほど説明いたしましたけれども、各 地域、そのと畜場の衛生管理の責任を持つ検査官を束ねる幾つかの地域があります。た しか全米では15だと思いますけれども。その各地域の責任者を通じて日本向けの情報 を周知したが、アトランティック社は当時日本向けに認定されていなかったため、その 地域を担当する責任者が周知を受けておらず、結果として同社を担当する現場のFSI S検査官への周知も行われなかった特異なケースだと。  要はその地域を担当するその責任者にまず情報が行って、その人がその配下にいる検 査官にそれぞれ情報を伝達するという仕組みになっていたけれども、そもそも地域を担 当する責任者が周知を受けていなかったから下に伝わらなかったんだという説明でした。 なおかつ、それはそういう意味で特異なケースであると。  それから「他の施設ではこれまでの監査や顧客からのフィードバック等から見て、条 件も理解され、適格品のみ輸出されていると確信」、要するに他の施設では問題はない んだという説明でございました。  で、我々はなぜこれが特異なケースなのか、なぜ他の施設は問題がないというふうに 言い切れるのか、その具体的な根拠は何なのかというふうに問題意識を持っているわけ です。結果的にこの特異なケースということが明確になるということは、それはその他 の施設の調査をしてみなければ結果的にはわからないのではないだろうかというのが 我々の考え方でございますし、この適格品のみ輸出されているというところも、実は香 港事例、後ほど説明いたしましますけれども、それについてはどう整理するのかという 問題意識も持っているわけであります。 (スライド)  「主な照会事項とその回答の概要」ということで、認定にそもそも問題はなかったん だろうかと。施設の認定にそもそも問題はなかったんだろうか、それは役所側の問題で すね。AMSという農業販売促進局の認定に問題はなかったのかということについても、 お聞きをしたわけでありますけれども、これをごらんいただくとおわかりのとおり、施 設の責任者が相応の経験を有して、十分理解をしていたと。それから輸出マニュアルが 条件に適正に対応していたんだと。施設の責任者が日本向け条件についての知識を有し ているんだということを確認しているから、AMSの審査に問題はなかったんだという 説明がありました。  ここでこうもう一度振り返りますと、施設の責任者が十分に知識、これは施設の責任 者に実際にインタビューをして、やり取りをした上で、その理解度を確認しているわけ です。で、確かにその人は理解をしていたんだろうと思います。問題はその下にいる実 際に働いている方々に十分知識が伝達をされていたのかどうかというのが大抵問題だと いうふうに私は思いますし、それから、そのマニュアル自身も問題がなかったというこ とですけれども、そこについても我々は実は問題意識を持っているということでござい ます。 (スライド)  施設に関する事項として、担当者はなぜ責任を果たさなかったのかと。必要な研修や 訓練というのは行われていたのかということについて質問をさせていただきました。  アメリカ側の答えというのは、施設側がマニュアルを守らなかったことは明らかであ ると。で、不当性の度合いについてOIG調査部門が調査ということになっている。ま たこれ新たな組織が出てくるわけでありますけれども、OIGというのはアメリカ農務 省内にある独立した監査組織でございまして、今回の調査は実はこのOIGも参加をし ているわけでありまして、ここも調査を実施しているわけでございます。OIGの調査 というのは、不当性の度合いといいますから、何か意図的であるとか、さらには刑事訴 追の対象になるかどうかということの視点で調査を実施しているというふうに聞いてい ます。  それからマニュアルは日本向けの条件を含んでおり、現場監査では施設の責任者も十 分に理解をしていたという説明でございます。これについては、先ほどの問題意識と同 じような問題意識を我々は持っておるわけでございます。 (スライド)  検査に関する事項ということで、FSIS検査官はなぜ不適格を見逃したのかという ことで、これも同じような説明になっているわけでありますけれども、申請を受けるま で認定されたことを知らなかったということでありますし、それから輸出証明の手続等 定める指示が発出され、ウェブサイトに日本向けの条件が掲載されていたが、今回の事 案の発生まで、現場の検査官に対して日本向け輸出証明の責務を理解させるための追加 的措置は行われなかったと。ウェブを見てくださいという話はしたけれども、それ以上 の話はしなかったと。  それから昨年12月に、これも先ほど説明いたしましたけれども、FSISの各地域 の責任者を通じて日本向けの条件を周知したが、アトランティック社は当時日本向けに 認定されていなかったため、その地域を担当する責任者が周知を受けておらず、結果と して、同社を担当する現場の検査官への周知も縦に流れて行われなかったんだという特 異なケースであったというのがアメリカ側の報告でございます。 (スライド)  改善措置に関する事項ということで、改善された措置は十分かどうかということであ ります。で、アメリカ側はAMSにおける改善措置ということで、マニュアルには輸出 できる具体的な製品を明記する。これこれは輸出できますという製品を明記し、さらに は輸出認定施設の再調査を実施するというのが1点。  それから、輸出認定施設が輸出できる具体的な製品をリスト化し、省内ウェブサイト に掲示するとともに情報をFSISに提供する。今までは、これこれはだめでしたと。 せき柱ついたのはだめでしたという表現。そうじゃなくて、これこれの製品は輸出でき るんですという、いわゆるポジティブリスト方式に変更をして、それがみんな共有でき るようにしましたというのが2番目。  それから、今までは証明書はFSISの検査官のサインだけでよかったわけでありま すけれども、実際認定を行ったAMSにおいても輸出品が輸入国向けに適格であるとい うことを証明すると。さらには抜き打ち検査も実施をするというような内容の提案がご ざいました。 (スライド)  FSISにおける改善措置ということで、FSIS検査官の役割の明確化と。実は施 設には頂点に上司たる検査官がいて、その下に検査官がいると。この基本的な両者の役 割の明確化ということで、通知を改正、指令を改正したと。それから省内ウェブを通じ て、輸出認定施設が輸出できる具体的な製品についてFSISに情報を提供すると。  基本的には同じ農務省であっても、先ほどから説明しておわかりのとおり、AMSと いう役所とFSISという役所があって、それぞれやっぱり縦割りであると。ここの連 携の悪さが、実は今回の事案を招いた一原因であるということですから、連携をいかに とるかということで、ポツの2番目に書いてあるような、情報の提供ということになり ますし、さらには検査官が十分熟知をしていなかったということも踏まえて研修を行う というのと、それからテストに合格しないと検査官は、その対日輸出の認定作業には従 事できないという義務づけを行ったと。  それから、FSISについても同様で、査察を実施すると。それは施設についての査 察というのと、それから実際の検査官に対する査察も実施するという提案でございまし た。 (スライド)  連携の話は先ほど出ましたとおりでありますけれども、AMSは認定や取消しに当た ってその都度食品安全局に通知をすると。それからAMSはFSIS検査官の研修が終 了した後に施設を認定する、これは新たな施設の場合でありますけれども、ちゃんと研 修が終わったFSIS検査官が配置されて、それから認定をする。  それからAMSは輸出認定施設が輸出できる具体的な製品をリスト化し、省内ウェブ に掲示をし、情報の共有化を図る。  それからAMSにおいても輸出証明書を発給すると。こういうことで、連携の強化を 図るということでございました。 (スライド)  こういうアメリカ側の報告書を受けて3月の28日、29日と日米の専門家会合が開 催をされたわけでございます。 (スライド)  こういう状況でございます。 (スライド)  日本側の冒頭発言をご紹介申し上げますと、特定危険部位であるせき柱が含まれてい る米国産牛肉が我が国に到着したことはまことに遺憾であると。これから国民の食の安 全安心を大前提に徹底的な原因究明と再発防止を求めると。 それから本事案により、日本国民の間に生じた疑問というのは問題のあった民間施設ば かりではなく、米国農務省のチェック機能にまで及ぶ重大なものだという認識を持って いる。  で、4番目になりますけれども、米国産牛肉の輸入手続の再開には、このような日米 が合意したシステムの信頼性への疑問の払拭というのが不可欠であるということを冒頭 日本側からアメリカ側に発言をしたわけでございます。 (スライド)  いろいろ説明がございましたけれども、実は二日間やりましたが、実質時間は1.5 日ということで、非常に限られた時間での協議でございました。 (スライド)  そういう意味で我々はたくさんの質問事項があったわけでありますけれども、特に優 先事項としてなぜ今回の事案が起きたのか、その2施設に対するAMS、要するに役所 側の認定に問題がなかったのか。何回も繰り返しますが、その他の施設というのは果た してほんとうに問題がないのかということにフォーカスを絞った協議を行いました。  で、以下の点で一定の共通認識を得たということでありますけれども、大事なところ は「具体的には」と、下の(1)は今まで説明したとおりでありますけれども、(2)でありま すが、ちょっとお読みしますと、問題となった施設の認定について、当時の判断として は、手続に従って認定が行われたものであるが、今から振り返れば、そのマニュアルと いうものが具体的、現実的、だからこういうものは輸出しちゃいけないと、さらにはき ちっとそのせき柱ならせき柱の除去の手続をきちっと書いてある、そういうマニュアル の整備、さらには従業員まで含めたインタビューの実施ということがあったとすれば、 今回の事案を防ぐことができた可能性は高まっていたと考えられるということで、アメ リカ側はこの2番目にございますAMSにより認定された対日輸出施設のQSAマニュ アルに改善すべき点があったんだということで、そういう意味で一定の共通の認識を得 たわけでございます。 (スライド)  今後のことでありますけれども、今後は、今このように全国で実施をしています消費 者や関係者との意見交換会というのを日本側は行って、これまでの経緯について十分に 国民の方々に説明をし、ご意見をお伺いする機会を設けると、それが1点目。  アメリカ側は、ここに書いていますとおり、米国側においては今後日本側が提示する 調査項目を含め、他の対日輸出認定施設に対するレビューを行いますと。さらには改善 策の具体化も進めますということでありまして、今後こういうリスコミで出たご意見で ありますとか、アメリカ側のレビューの結果ということを踏まえて、今後どうすべきか ということを検討するというのが、今の段階でございます。 (スライド)  「おわりに」ということで、実はさまざまな情報を厚生労働省、農林水産省のホーム ページに掲載をしています。あわせて、これにご意見も受け付けておりますので、ぜひ ご意見がおありの方は、こういうツールも使いながら両省にご意見をちょうだいできれ ばいいと思います。  それからもう一つ、先ほどちょっと触れましたけれども、香港事例、実は3月11日 に香港政庁が米国コロラド州のスイフト社から輸入された牛肉から骨を発見したという ことで、同工場の製品の輸入を停止したと。さらには4月7日になってカンザス州にあ るカーギル社からも同じような事例が起きたということであります。  これは基本的には日本とは関係がない、アメリカと香港との話し合いではありますけ れども、米国の輸出牛肉の管理体制への信頼性について疑問を呈する材料の一つになっ ているという認識をしておりまして、これについても、この事案についてアメリカ側、 香港側に詳細を求めているという状況でございます。  以上でございます。 【司会】  それではここで短くて恐縮ですけれども、10分程度休憩したいと思いま す。2時35分に再開いたしますので、よろしくお願いいたします。 意見交換 【司会】  それでは、お時間が参りましたので意見交換を始めます。  まず、皆様の前に着席しております行政側の出席者を紹介いたします。  皆様からごらんになって右から内閣府食品安全委員会事務局、西郷リスクコミュニケ ーション官です。 【西郷内閣府食品安全委員会事務局リスクコミュニケーション官】  よろしくお願い します。 【司会】  農林水産省大臣官房、伊地知参事官です。 【伊地知農林水産省大臣官房参事官】  よろしくお願いします 【司会】  先ほどご説明申し上げた厚生労働省食品安全部監視安全課、桑崎課長です。 【桑崎課長】  よろしくお願いします。 【司会】  最後に、厚生労働省大臣官房、藤井参事官です。 【藤井参事官】  お願いします。 【司会】  意見交換の議事進行につきましては、藤井参事官にお願いいたします。 【藤井参事官】  厚生労働省の藤井でございます。後半の意見交換の議事進行をさせ ていただきたいと思います。以下は座ってさせていただきます。  今回の意見交換会の目的は、先ほどの桑崎課長の説明の冒頭にもご説明をしましたよ うに、今までの経緯を関係者の方々に丁寧にご説明をし、その状況を理解していただい た上で、いろいろな立場の方からご意見をいただくというものでございます。  この意見交換会の進め方についてご説明をさせていただきたいと思います。  大きくと言うんでしょうか、二つに分けまして、最初に先ほどの米国産牛肉輸入問題 についての説明がありましたけれども、その説明内容についてのご質問をお受けしたい と思います。その後、いろいろな皆様方からの意見、ご要望をいただくという2部構成 でさせていただきたいと思います。  ご発言を希望される方は、挙手をお願いしたいと思います。私がご発言をいただく方 を指名させていただきます。係の者がマイクをお持ちしますので、ご発言に先立ちまし ては、お名前と差し支えがなければ所属をお願いしたいと思います。  できるだけ多くの方々にご発言をいただきたいと思いますので、1回のご発言は2分 以内に限らせていただきたいと思います。1分半、1分30秒が経過しましたら事務局 の方でベルを1回鳴らさせていただきます。このようなベルが鳴りますと、取りまとめ に入っていただきまして、2分がたちましたらベルを事務局で2回鳴らさせていただき ます。そうしますと、まとめていただいて、他の方にお譲りをいただけたらと思います。  行政側からの発言につきましては、誤解があってはいけませんので、2分という時間 を限ることはいたしませんが、できるだけ簡潔にお願いをしたいと思います。  冒頭司会のほうからもありましたように、会場の都合もありますので、午後4時には 終了したいと思いますので、皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。  それでは、まず最初に休憩前に説明をした内容、説明内容そのものについてご質問が ある方、まずお受けをしたいと思いますので挙手をお願いしたいと思います。 【参加者1】  はい。 【藤井参事官】  ちょっと待ってください。ちょっとお待ちください。 【参加者1】  マイクを席に置くようにしないと、これだけの人間ですから。事務局 の方よろしくお願いします。 【藤井参事官】  マイクをちょっと、スタンドマイクを置くというのが、そういう設 定になっておりませんので、ご理解をいただきたいと思います。  今、お一人ご質問ということで手が挙がったんですが、ほかの方は……。そうしまし たら、まず最初手を挙げられた方、ご発言をいただいて、続けて2列目の方、ご発言を お願いしたいと思います。 【参加者1】  大変失礼いたしました。福岡県生活協同組合連合会の土井です。よろ しくお願いいたします。このような場を設定していただきまして大変ありがたく存じて おります。毎回同じことの繰り返しになるかと思いますが、質問と意見を一緒に言わせ ていただきたいというふうに思っているところです。  今回の輸入手続停止については適切な判断であったというふうに考えております。そ の中で、今日の説明の中で気になったのは、特異なケースということについて説明が、 アメリカ側の説明ということもあったわけですが、それに対して日本側の説明の中で、 少し気になった面があります。  私自身の判断といたしまして、今回の場合は特異なケースではなくて、アメリカ側か らすると、アメリカの牛というのは安全なんだと、日本の消費者は安全な牛を安心して 食べる必要があるということが根底にあるから今回のようなことが起きたのではないか と。そういうような発言が日米の合同会議の中でも出てきたんではなかろうかというふ うに、これは推測です、もしも推測の域で出てくるようであれば、これを根本的に変え ていかないと、こういう問題が今後とも起きるというふうに考えておるということです。  これは質問と意見を兼ね備えて申し伝えておきたいということで、今後とも強い姿勢 というよりも消費者の方たちが、安全が担保された牛が食卓に上るということをリスク 管理機関としても、今後とも強い姿勢で臨んでいただきたいと、そのことについて私ど もも強い期待を示しておきたいということも申し添えておきたいというふうに思います。  ありがとうございました。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  続いてご発言をお願いいたします。 【参加者2】  福岡の九州産直クラブの中村といいます。福岡都市圏で約8,000 世帯の消費者会員を持っている共同購入会です。  質問の内容は、とりあえず2点ほどありまして、一つはとさつ方法についてですけれ ども、日本とかEUについてはせき髄の髄液については飛び散らないような形で吸引を して背割りをするというふうに聞いておりますが、アメリカでは吸引もせずにチェーン ソーで背割りをするということで、髄液とかがほかの肉に飛び散るということが、日常 茶飯事あっているというふうに聞いております。そのことについて安全性が確保できる のかということと、それからあともう一つは、交差汚染の問題ですね。  アメリカの肉骨粉は、大体肉骨粉が使用禁止ではなく、肉のえさにだけは禁止されて いるということで、豚、鳥のえさに関してはそれが使われていると。というか、鳥のえ さの使われているのが約3割程度、肉のえさに、鶏糞として約100万トンの鶏糞が糖 蜜飼育という形で与えられていますので、その3割の肉骨粉が口に入っているというこ とも聞いております。そうすると、今後的にも安全性の問題が全然見直さないといけな いんじゃないかなというふうに考えています。  よろしくお願いします。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  それでは、今のお二人の方の件について順次行政側から発言をしてもらいますが、最 初の方の消費者の安全のためにリスク管理機関は強い姿勢で臨むべきだというのは、要 望だというふうにとらえさせていただいてよろしいでしょうか。 【参加者1】  はい。 【藤井参事官】  それでは、特異な例だとご発言があった点について、まず伊地知参 事官のほうから。 【伊地知参事官】  特異な例かどうかというのは、先ほど説明にもございましたけれ ども、アメリカ側は特異な例と言っています。これは先ほど言いましたように、電話会 議をやったときにFSISの担当官が参加していなかったとか、あと子牛で初めての例 であったとか、そういうことを挙げております。  ただ私どもとしては、アメリカ側は前回の専門家会合で、残りの施設の再調査をやる ということを言っていますので、その再調査をやってもらうというのが、ほかになかっ たかどうかということを見る上でも重要なことではないかと思っております。  アメリカ側は独自の監査もやりましたし、あと顧客から違反事例があったという報告 がないのでということを言っておりますけれども、再調査をやるということでございま す。  それとちょっと順番が最後のほうになって、肉骨粉の交差汚染の関係でございます。 えさの関係は日本ほど厳しい飼料規制ではございません。それはなぜかといいますと、 基本的には国際基準では反すう動物の肉骨粉を反すう動物に利用しないというのが基本 だということで、アメリカもカナダも、そういう形で牛の肉骨粉を牛にやらない。だけ ど牛の肉骨粉は豚や鶏のえさには使っていいということが、今認められております。た だ、先ほど言いましたように鶏のエサの中に肉骨粉が3割使われているというお話も、 どなたからか聞いたこともありましたので、アメリカ側にも照会しましたが、ちょっと えさそのものに肉骨粉が3割入るというのは現実的でないということで、肉骨粉がエサ に3割も入るということはないと思います。これは日本でも認められていたときでも 数%しか普通はえさに肉骨粉使いません。そんなにたくさん使うということは一般的に 飼料の組成からいったらないということでございました。とはいっても、交差汚染のリ スクがあるということで、私どももその点について日本側で懸念を有しているというこ とは何度も申し上げてきております。  アメリカ側は、30カ月齢の牛の脳とかせき髄とかいう、そういうリスクが高いもの について今後、豚や鶏のえさに使わない方向で検討をしているということです。これは パブリックコメント自体を、前年やりましたがまだ実施には至っておりません。そうい う方向で検討をしているというふうに聞いております。  アメリカ側の説明としてはいろいろございますけれども、交差汚染そのものはしない ような形でいろいろな対策をとっているんだということと、あと生産の状況とかが日本 と違って、例えばと畜場も牛は牛、豚は豚という形での専業化が進んでいるとか、飼料 工場も専業化、レンダー施設も専業化が日本に比べれば進んでいるんだというような説 明もございました。  ただ、そうはいっても私どもも、交差汚染をできる限り少なくしてもらうということ が日本の消費者の信頼を確保していく上で大変重要なことでありますので、アメリカ側 方には何度も言っております。先週も中川大臣がヨハンズ長官と電話会談した際にも、 そのことはアメリカ側に伝えております。引き続きアメリカ側には強く言っていきたい というふうに考えております。 【藤井参事官】  続きまして、背割りとせき髄除去について、桑崎課長からお願いし ます。 【桑崎課長】  背割り前のせき髄吸引についてご照会をいただきました。  平成13年の9月に1頭目が起きて、せき髄の話が随分議論になりました。で、我が 国は予防的措置として、背割り前にせき髄を吸入もしくは押し出すということで、大部 分の施設でそれが実施をされているということであります。これについては、科学的に 評価を、実は研究をして科学的に評価をいたしました。その結果については既に公表を されています。  背割り前にせき髄を吸引した後の枝肉と、それから背割り前に吸引しないでその後に、 取った後に高圧洗浄水で洗浄し丁寧に取るやり方と、実は比較をして、マーカーはせき 髄由来たんぱく質をマーカーにして、ふき取りをして、どちらがより多くせき髄由来た んぱく質が付着しているのかというのを比較いたしました。  これは全国の食肉衛生検査所に協力をお願いして、そのデータも公表されていますが、 結論から申し上げると、実は両方差がないというのが科学的な今までの知見です。我々 はそういうことではありますが、先ほども言いましたように平成13年の9月当時の経 過も踏まえて予防的に我が国は背割り前にせき髄を除去しているということで、それを 推し進めていますけれども、科学的にはその後高圧洗浄しても実は差がないということ ですから、この点についてはいろいろなところでご照会を受けていますし、お答えをし ていますけれども、ぜひ、ご理解をいただきたいなというように思います。  以上です。 【藤井参事官】  背割り前の、我が国でも背割り前の方法……。背割りを先にしてか ら、またせき髄を除去しているところがあると思うんですが、割合としてはどれぐらい。 【桑崎課長】  3割ぐらいはまだ背割り前に、要するに背割り後にせき髄を取ってい る施設があるんではないかと思います。 【藤井参事官】  そのほかに説明内容についてのご質問を、まず最初にお受けをした いと思いますが、今手が挙がっているのが、お一人でありますから、そのお一人の方… …、あ、もう一人手が挙がった……。そしたら、そのお二人の、まず一番右の列の後ろ の方の方、そして2列目の方。続けてご発言をいただきたいと思います。 【参加者3】  今ご説明になった背割り云々のことについて、ちょっとお尋ねしたい んですが、日本では今ご説明がありましたように、01年ですかね、それから背割り前 に除去するということに全体指導がされていると聞いておりますけれども、03年の1 2月にアメリカの農務省が発表したことによりますと、いわゆる機械処理をしているん で、大体35%ぐらいにBSEの危険部位が混入するというふうに発表していると。で、 これについて先進的食肉回収システムというふうに言うらしいんですが、それについて は日本向けについて使用しないようにというふうに要請をしているんだと聞いておりま すけれども、こういうところについては、今実際どうなっているか、少し説明を聞きた いと思います。  それからほかに何点か質問をさせていただきたいんですが。失礼しました、私、福岡 日生協連の村岡と申します。  昨年の12月に説明会があったときにも、米国の施設の視察関連について質問をさせ ていただいたんですが、今回成田で骨が見つかったというふうになっているんですが、 こういう混入を発見したときの検査体制というのは特別の体制がひかれていたのかどう かをお尋ねしたいと思います。先ほど10%をチェックすると言われましたけれども、 輸入の10%チェックというのは非常に率としては高いと思うんですが、これは米国産 牛肉のチェックは、10%チェックを今後も続けていくという想定でされているのかど うかをお尋ねしたいと思います。  それから3番目になりますが、米国に視察をされたときに、何施設かされたというふ うに聞いておりますけれども、マニュアルを見ながら多分視察をされたというふうに報 告を聞いたような覚えがあるんですが、そのときに日本から視察に行かれた方たちは具 体的なそういうことについて、米国の処理について疑問を持たれなかったのかどうかと いうことをお尋ねしたいと思います。  それと、これは12月のときに聞いたと思いますけれども、それぞれ処理施設に派遣 されている検査官は、大体1日何頭ぐらいをチェックしているのか。特に、20カ月齢 以下の牛の判断をしていく対象頭数は大体一日1検査官当たり何頭ぐらいを対象にチェ ックをされているのかということをお尋ねしたいと思います。  以上です。 【藤井参事官】  三つ目の質問をされた、査察時にマニュアルを見ながらチェックを したはずだがという、もう少しその辺のところを具体的にどういうことをお尋ねになり たいのか……。 【参加者3】  私が説明を聞いたときには、日本から現地に視察に行かれたときには、 米国の施設で処理をしていく、多分マニュアルだと思いますが、その文書に沿ってちゃ んと作業されているかどうかを現地で視察をしてきたんだという説明を聞いた覚えがあ ったんで、そのことをお尋ねしました。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  続けて2列目の方。それでは、後ほどということで。  それでは今の方のご質問で、説明内容についてのご質問は一たん打ち切らせていただ きまして、ご質問に対して行政のほうから順次回答しますが、その後は今回の説明も含 めて米国産の牛肉一般についてのご意見なりご要望等をお伺いしたいと思います。  それでは、今ご質問があったのは米国での機械処理肉の話、それから検疫所でのチェ ックの話、査察でのチェックの仕方と言うんでしょうか、そして米国での検査官が1日 どれぐらいのチェックをしているのか、特に生理学的成熟度の月齢の話についてお尋ね になったと思いますが。  それでは、伊地知参事官お願いします。 【伊地知参事官】  先ほど35%ぐらい入ってくるという話は、おそらくAMRとい う機械回収肉のお話ではないかと思います。骨についたわずかな肉を空気圧をかけて回 収する仕組みがあります。頭蓋骨とかせき柱とかそういうところの肉を回収して使うと いうことがやられていたわけですが、基本的にそういう特定危険部位からの肉、例えば 頭蓋骨とかせき柱とか、そういうところからの回収肉は禁止をされておりますので、そ ういうものは輸入されないと思いますし、また対象として今回ミンチとかそういうもの は、日本向けは対象外でございますので、そういうものが輸入されることはないのでは ないかというふうに考えております。  それとあと、検疫が10%というお話ですが、これは厚生労働省の検疫所での関係で 10%ということで、それとは別に農林水産省の動物検疫所でも検疫をやっておりまし て、動物検疫所のほうでも約6割のロットのものについて検査をしていたんですけれど も、すべてのロットについて検査をするという形で検査体制を強化しました。それと、 そのロットの中の部位が違うものは最低限全部位検査しましょうということで強化をし たところです。厚生労働省のほうでも、先ほど説明がありましたように、全ロットを対 象に10%ということでやっていくと。これは輸入再開時にご説明した際、当面の間そ ういう形でやっていくということで、期間はまだ決めてはございません。いつまでとい う形では決めておりませんが、いずれにしろそういう形でBSEの検疫の体制の強化を したということでございます。それとあと、何頭見ているかということ。これは、格付 の話ですか。 【参加者3】  とりあえず月齢チェックを。 【伊地知参事官】  月齢の確認というのは二通りのやり方があります。これはもうご 存じだと思いますけれども、まず一つのやり方は生年月日を書類でちゃんと確認するや り方。生年月日の確認方法は、これもまた二通りございまして、1頭1頭生まれたのを 確認する方法。それからアメリカは群単位で規模が大きいのでそんな1頭1頭の生年月 日の確認は難しいであろうということもございましたので、群れ単位、群単位での生年 月日の確認の方法が、あります。  群単位での確認はどうやるのかということも、ちょっとこれ説明すると長くなるんで すけれども、もう少しご説明いたしますと、そもそも繁殖農家というのは、アメリカも そんなに規模は大きくないわけです。繁殖農家自体の規模は、一戸当たり平均すると大 体40数頭です。ただ、肥育農家の規模は何万頭とかいうのもあって大きいんですけれ ども、繁殖農家は、これは日本と同じように規模が小さいということが一つと、それと あと個体でよく観察しているところは、個体で生年月日がわかるけれども、群で管理し ているところは1頭1頭はわからない。ただし、それについては多くの方は季節繁殖を やっていると。  草が生えてくるころに子牛が生まれるようにするということで、季節繁殖をやるわけ です。そうすると、夏に雌の群れの中に雄牛を入れる。まき牛と言いますけれども、雄 牛を入れたらそこで自然交配がされて284日たったら子供が生まれる。妊娠期間が決 まっていますので、大体、雄牛を入れていつごろになったら生まれるのかがわかるので、 その牛を、妊娠間近な牛については目の届くところに置く。そして一番最初に生まれた 牛の生年月日を、その後二、三カ月の間生まれてくる牛の生年月日に全部つけるという ような形でやります。したがいまして、若いものも2〜3ヶ月とった生年月日がつくわ けです。そういう形で、生年月日を確認する方法。  それとマチュリティで、これは格付の際に生理学的な成熟度、具体的に言いますと、 腰椎の棘突起の上の方の骨が軟化する度合いがこのAの40とAの50を仕分ける一番 のポイントだということで、そこを見分けるという形でやっているわけです。  したがいまして、その1頭当たり月齢の確認をどうやっているのかというと、生年月 日がわかるものは書類でやっていきますので、と畜場の規模によるわけです。大きいと ころは大体1日4,000頭ぐらい、と畜するわけです。そこの生年月日で記録がある ものはそういう形でやっていく。それとあと、生理学的成熟度でやるものは、そのとき の格付でやると。大体その施設に二、三名ぐらいの格付員が配置されていまして、格付 がやられております。 【桑崎課長】  査察のときの状況で、具体的にどうやって査察をし、何をしてきたの かというご質問だと思います。  先ほどご説明を申しましたが、13日から24日までに査察に行ってまいりました。 その結果については、昨年の26日にこれも既に公表しています。かいつまんでご説明 を申し上げますと、そのマニュアルに従ってちゃんとチェックしたのかというご質問が 1点あったんだと思うんですが、まず、全般的な話としては、まず我々が査察に行って 定められた、先ほどちょっと説明を申し上げましたけれども、いろいろなマニュアルを つくることになっているわけです。そのマニュアルがまず整備されているのかというこ とのチェックと、それから次にその定められたマニュアルといいますか、文書どおりに 作業が実施されているのかということについてチェックをしてきたということでありま す。で、26日の公表時点でご説明申し上げているのは、行ったどの施設でも輸出プロ グラムの実施に必要な手順が文書化、文書で定められており、当該文書に従った作業が 実施されているということで報告をさせていただいております。  それで、指摘事項はないのかというご照会でありました。それについても公表してお りまして、二つその時点で公表しております。一つは先ほど言いましたように今回の対 象というのは20カ月以下の肉を対象にしていると。したがって間違いなく日本に輸出 されるのは20カ月以下だということが識別管理されているものが、日本に送られる必 要があると。特にカット施設については、識別管理するためにどうやっているかという と、通常はこの報告で見ると、作業開始時にまず、まじらないように日本のものだけ先 に処理をして、それで各分別管理をした後で、その他のもの処理をするというのが、大 体行われていたけれども、幾つかの施設はそうではなくて、中間でやっている場合もあ ったということなんで、それはそれできちっとされていればいいが、やっぱり念には念 を入れてできる限りほかのものを処理する前に日本向けだけ先に処理をするようにとい うことでアメリカ政府に要請をしているのが1点。  それからご承知のとおり、今回アメリカ側と日本側のSRMの定義の範囲が異なりま す。日本側はご承知のとおりの対応をとっています。すべてのものからSRMをとると いうことになっていますので、そういう意味で異なりますので、処理に当たってきちっ と日本側の条件はこうだということをマニュアルにちゃんと書いてほしいということに ついてもアメリカ側に要請をしているという、この2点について今後対応することとし た事項として整理をされているところでございます。  先ほど背割りの話で、どれぐらいが既に背割り前にせき髄を除去しているのかという ことで、訂正を。さっき7割と申し上げましたかもしれませんが、ちょっと訂正をさせ ていただいて、91.9%、2005年1月時点のと畜場で実施をされていると。9割 以上が背割り前にせき髄を吸引もしくは押し出しをして取っているということで、訂正 をさせていただきます。  申しわけございませんでした。 【藤井参事官】  それでは、次からは一般のいろいろとご意見ご要望を承りたいと思 いますが、最初に2列目の方。お願いをいたします。 【参加者4】  ご質問を申し上げます。  私は安全な食べ物を宅配する水車の会という業務をやっております。その中でいつも 疑問に思ってどうしてもそういう機会がないものですから、この機会にお伺いします。  米国市民の一般の方たちは、日本とこれだけ大問題になっていることを市民の人たち は知っているんでしょうか。我々はまた米国における消費者団体あるいは消費者の皆さ んの意向を、どうしても聞く機会が少な過ぎるんです。アメリカと日本と全然違うんで しょうかね。そのあたりをちょっと教えてください。  それから朝日新聞で、当時私朝日とっていましたから、朝日新聞で見ましたけれども、 この問題が明らかになったときに、ある程度の、中小と思いますけれども、牧畜業者が、 自分のところは月齢がはっきりわかるのが出せるということを言っている人たちが何人 もいました。これは、はっきり新聞で出ていましたから。これが、しばらくしたら全然 声が出なくなってしまったんです。それで考えていきますとマクドナルドが20数年前 は生肉市場の10何%の市場占拠率で、20数年経ったら80%以上の市場を持つよう になったんですね。それで農務省がいろいろ言うよりもっとマクドナルドの言うことを 聞くんだという、これはベストセラーみたいな本でちゃんと私読みました。いくら何で も荒唐無稽のでたらめを書くはずはないと思いますので。そうすると20数年前から養 鶏の飼料に牛骨粉的なものが使われるようになって、これで先ほど2番目の方おっしゃ ったけれども、交差汚染の問題がちゃんと出てきます。で、これができるようになった 20数年前から、これ農務省に正式に認められているんですね、鶏の糞を使うの。こん なの日本で認められるのだろうかと私はあきれてしまっているんですけれども。  それから、幾つも質問して恐縮ですけれども、あるところで、ちゃんとこれも本に書 いてありましたから、ぐあいの悪い牛がいると、これを早目にちゃんと処分しなさいと いう通達をするんだというふうなことを、お役人が提唱しているということを聞きまし た。そういうふうであれば、おかしなものが出る率が非常に少なくなるのは当たり前で す。ですから実際にアメリカでそういう痴呆的な症状になった人たちの、最終的な病気 の原因が何であるかという検査はなされていないんでしょうか。日本も少ないですけど、 アメリカはもっと少ないんですかね。そういう最終的な結論が何であったかという、こ の究明をせんことには何が原因かわからんということで、それこそあんまり中身のしか としない結論しか出ないんじゃないかという、そういう不信感を持ちます。  とにかく、月齢がわかる牛が出せると言った人たちが実際にいたということは皆さん おわかりのはずだから、その辺のことも含めて皆さんのお考えをお伺いしたいと思いま す。  失礼いたしました。 【藤井参事官】  ちょっと、聞き漏らしたかもわかりませんけど、最初にお名前を言 っていただいたでしょうか。 【参加者4】  水車の会の中道と申します。  失礼いたしました。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  それでは、ちょっとたくさん一度にご質問いただいてしまったものですから、続けて お尋ねをすると質問がたくさんになってしまう可能性がありますから、ちょっと行政の ほうから発言を。 【伊地知参事官】  アメリカ市民の反応というのは、完全に私も承知しているわけじ ゃございませんけれども、昨年の夏に私、衆議院の農林水産委員会の調査団と一緒に米 国に行って、あちらの消費者団体との意見交換の場にも同席をさせてもらいましたが、 日本に比べると関心は低いというのは事実でございます。アメリカの牛肉の消費自体が BSEが出ても減らずに増えているというようなお話も聞いて、随分アメリカの市民の 反応というのは日本とは違うなあという印象を持ちました。  ただ全く関心を持ってないというわけではなくて、熱心にやっておられる団体もおら れるようです。  私は個人的に、アメリカの市民は日本ほど、BSEについて関心は高くないんじゃない かという印象を受けております。  それと、飼料規制の話は先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、アメリカ側の 説明は、アメリカは日本よりも早く1997年から法律に基づいて肉骨粉の飼料規制を やったんだと。ただ先ほども言いましたように反すう動物から反すう動物の禁止という ことで、そういう意味では日本に比べると交差汚染という観点からは必ずしも我々は十 分じゃないのではないかということで何度も意見を言っています。農水大臣からも米国 の農務長官にお話をしております。  それと最後は、病気の原因というのは牛の、死んだ牛の病気の原因なんでしょうか。 【参加者4】  いえ、人間がたくさん死んでいるやつ、アルツハイマーの……。 【伊地知参事官】  vCJDということですか。 【参加者4】  そこまで今日わかりませんけど。しかし、レーガンさんはほんとうに BSEじゃないのかなと、私、疑っています。 【桑崎課長】  人間の病気で、クロイツフェルト・ヤコブ病という病気があって、こ れはいろいろな、その中でもいろいろな分類がこうあるわけですけれども。特に今回狂 牛病との関連で指摘されているのは、部位ということで、変異型のクロイツフェルト・ ヤコブ病の発生がこれに関係あるんではないかということで、ご質問をちょうだいして いて、アメリカの話ですかね。  どういうふうにお答えしていいかあれですが、アメリカの話で申し上げると一部報道 があったのは、今アメリカでは2名の方が、先ほど言いましたように変異型のクロイツ フェルト・ヤコブ病になっているわけです。これはいずれもイギリスに滞在されている 履歴がある方なんですが、それ以外に、以前報道されたのはニュージャージーにある競 馬場の食堂でたくさんこの患者さんが出ているという報道があって、これは国会でも随 分議論になりました。  それについてはきちっと外交ルートでその真偽を確認しています。アメリカにCDC というアメリカ疾病管理センターというところがこういう疾病の疫学調査を実施する機 関として位置づけられていますが、そのCDCが今回そのニュージャージーについて調 査に入っていて、バリアントであるということではないという報告を受けております。 ニュージャージーの食堂の関連についてはそういうふうにご理解いただいていいと思い ます。 【藤井参事官】  それからもう1点。月齢がはっきりわかった牛が現在米国でほんと うにいるのかいないのかと、その話をちょっと触れていただいて。 【伊地知参事官】  アメリカは生年月日の記録の義務化というのはなされていません ので、正確にどれぐらいの牛がいるかということはわからないということなんですけれ ども、ただアメリカの専門家が日本に会合に来られた際に、アメリカ大使館で記者会見 等もやられて、そういう質問に答えております。再開されたらどのぐらい出せるように なるんだと聞いたところ、大体1割から2割くらいはそういうものがいるでしょうとい うことでした。これは、生年月日の義務づけがされていませんから、正確な数字でない と思います。ただ、生理学的成熟度のA40以下というのは、これは統計的にいろいろ 調べた結果で、全体の1割以下です。約8%ぐらいです。なお、生年月日がわかるもの の割合は今後増えていくと考えられます。  これはなぜかと言いますと、日本には20ヵ月齢以下の確認のために生年月日がわか らないと出せないということになると、そういう形で生産記録をとる。そのとり方につ いてもEVプログラムの中で個体と、あと群単位について規定いたしましたので、日本 に出そうと思えば、生年月日の記録をとるところが増えてくるであろうということは想 像されます。ただ現時点で何%という正確な数字はわかりません。 【藤井参事官】  それでは、この真ん中に3列目の方。手が挙がっておりますので、 マイクを回してください。 【参加者5】  済みません。私ちょっと足が弱いから、ちょっと座っていいですか。 【藤井参事官】  どうぞ。 【参加者5】  熊本の牛島ですけど。  昨年の12月20日に福岡で輸入再開の説明会がありましたよね。そのとき20カ月 未満はわかりましたけど、今回見ていたら内臓肉も20カ月未満というか、そううたっ てありますよね。それで私は、内臓肉はいいのかと。おまけにテール、しっぽ、それ除 外ておっしゃったよね。いつ変わったんですか、これ。前回は、これ20カ月未満のあ れはでけないと。  それと、2年前アメリカの牛を、輸入をストップされましたよね。そのとき日本の港 にまだ税関というか、関税が通ってない肉を調べられて、その中に今回の危険部位とい うか、約1トン確認されたはず。ということは、この輸入再開と同時にこういう肉が、 部位、おたくたちが言っている危険部位、入ってくるかと。認識はあったはずですよ。 ね、私前回も言ったはず。だれが責任をとるのかと。これほんとアメリカが悪いの、は っきり。  ただし、おたくたちが言っている危険部位、大臣が大丈夫ってこがんしてるよね。あ の部位はアメリカにはちゃんとした規格であるんだ。それで輸入商社、今回、あの方が 骨つきを注文しているんだから、アメリカのほうに。ほんとうにアメリカが悪いのか、 おたくたちいろいろ説明されたけど、その真相。はっきり言うてどんなにすればいいか、 また今後法を触れてでも骨つき部位というのは欲しいメーカーがいるんだから。そこの ところ説明してほしいんですよ。 【伊地知参事官】  内臓が20カ月齢以下のものはだめだというご説明ではなかった というふうに思います。これは、よく言われるのはA40でやった場合には、その枝肉 と内臓の突合が難しいと。なぜかというと、A40という判定は、と畜されてしばらく たってから格付がされますので、そのときには内臓がもうほかのものとまざってしまっ ていると。ですからそういうものについての内臓の輸出はできませんよという説明だっ たのではないかというふうに思います。  20カ月齢以下の内臓は、もともとEVプログラムの中でも輸入は認められることに なっています。今回のものは子牛で、本来なら子牛からの内臓であれば、それは条件に は合致するんですけれども、そういう個体の枝肉と、その内臓の突合する仕組みがなか ったので、今回はUSDAのAMSの認定のときに、そういうものを認めなかったとい うことです。結果としてはすべて子牛からであれば20カ月齢以下の牛の内臓というこ とですので、そこの仕組みをしっかりしておけばそれは問題なかったわけです。そうい う仕組みをしっかりつくってなかったのが、今回内臓が認定されてなかったという理由 です。 【桑崎課長】  もう一度ちょっとあれですが、テールは、しっぽはですね、前の説明 のときにどういう説明をしたのか、済みません、申しわけありませんが、あれですが、 基本的には 【参加者5】  20カ月未満とは違うと。 【桑崎課長】  であれば……。 【参加者5】  輸入は自由。 【桑崎課長】  ということです。はい。 【参加者5】  そういう、内臓もそういう説明だったから今回違うじゃないかと。 【伊地知参事官】  子牛なので、本来20カ月齢以下であれば、この内臓はいいんで すけれども、EVプログラムの中で、QSAマニュアルをつくってちゃんと承認を受け るという手続上の問題があるわけです。ですからその子牛をちゃんとうちは子牛しか扱 わないとか、場合によっては子牛ごとにちゃんと内臓と個体との突合ができる仕組みを つくってやりますということを、QSAマニュアルに書けばよかったんです。だけどそ ういうことを書いてなかったので、USDAが承認する際にその施設の内臓を認めなか ったということです。ですから、そこは認められないものが輸出されてしまったという ことになったわけです。 【参加者5】  おたくたち入ってきてよかて言うたとでしょ。 【伊地知参事官】  20カ月齢以下ということはちゃんとそのEVプログラムで規定 されています。 【参加者5】  20カ月以上よ。私が言ったのは。 【伊地知参事官】  以上はだめですよ。以上は肉もだめです。 【参加者5】  あくまでも今回は肉だけと、おたくたちが言ったんだからね。 【伊地知参事官】  20カ月齢以下の肉と内臓は輸入できます。そのときの資料もあ りますから、それはそのときの資料を見ていただければと思います。 【参加者5】  いや、私も持ってるよ。今回、今度子牛ていう言葉を使い出したよね、 おたくたち。子牛て。以前は20カ月未満だったよね。今回、子牛、子牛っていうけど、 今度危険部位ていうのは大臣がこうやって抱いとったよ。あれ、何キロあったの。子牛 じゃないじゃないですか。見ればわかるでしょうが。 【伊地知参事官】  4カ月半の子牛だと。 【参加者5】  4カ月半なら何キロの牛ですか。ね、4カ月ていえば30日掛けてご らん。ね、生体の何キロて出るでしょう。それから枝肉に持っていって内臓取り外すか ら。そしたら何キロて出るでしょうが。それ4カ月だろうが10カ月だろうが、違うて いうことでしょうが。そんなことなぜわからないの、あなたたちは。 【伊地知参事官】  せき柱が入っていたので、これはルール違反だからとめたという ことです。20カ月齢以下のものには子牛も含まれます。 【参加者5】  ということは、25カ月もね、20カ月未満てアメリカが言えば、そ れで通るたい。 【伊地知参事官】  そういうことがないようにしなくちゃいけないということです。 【参加者5】  どちらが悪いかはっきりして。 【伊地知参事官】  今回のことは日米で決めたルールを守らなかったアメリカ側に一 義的に責任があるということで、私どもはアメリカ側に原因究明と徹底した再発防止策 を求めてきているわけです。 【参加者5】  ただし農水産物にまぜて持ってきよる人がいるよね、密輸入ていうて。 【伊地知参事官】  それはちょっと別の問題ですから。 【参加者5】  それで、私は22日に中川大臣に上申書を上げているんだから、ね。 後で調べとって。 【藤井参事官】  それでは別のご発言ありましたら、挙手をお願いしたいと思います。  では一番向こうの男性の方お願いします。 【参加者6】  山口県の放送大学で食品衛生学という講義を非常勤でやっておる者な んで、子供たちにBSE問題をわかりやすく正しいことを教えてやりたいと思って、今 日参ったんですが。サエキと申します。それは別にしまして、昨夜朝日放送系のテレビ でBSEの問題取り上げていてやっていたのをごらんになっていると思いますが、二人 現場の検査官、ゲーリーダールさんという方と、それからもう一人がマイケルタッカー 検査官という方が現場の検査官です。それから農務長官も出られてしゃべられていまし たが、一人の検疫関係の検査官の方が、非常に国内の牛関係のラベルが、パックのラベ ルが非常に問題よと。製品名、マークの表示だけしか我々にはチェックできないという ような発言したんですよ。そしたら、農務長官がそれを受けて、箱をあければわかるじ ゃないかというぐらいの感覚しか、アメリカのヨハンズさんですか、農務長官さん、そ れぐらいの感覚しか持たれてないです。  日本が必死で頑張って、厚労省、農水省の方が頑張っておやりになっても、アメリカ も日本も政治をおやりになる方、あんまり本気じゃないんじゃないかなあという気がし まして。で、検査官はですね、箱を一々あけてなんかおられないよというような回答を されていました。それからもう一人の方も、牛肉のコンポ、200キログラムぐらい入 っている大きなパックですが、これに骨が混入しているのは見え見えよというようなこ とを発言してます、現場の検査官が。  この辺、テレビ、昨日の夜の朝日系のテレビニュースで夜やっていましたが、ごらん になっていれば、どうお考えになるかなと思いましてお尋ねいたします。 【桑崎課長】  申しわけありません。テレビ朝日系の報道を実は見ていないというわ けなんで、もし見ている方がいらっしゃれば後でコメントをちょうだいするんですが。  今後の話が今の話の一つの課題になるんだと思うんですね。今後彼らは、というかア メリカ側に対して我々も含めてどういう今回のような事例を二度と起こさないような体 制を整備するのかという課題の一つに、現場検査を彼らはどうこれから強化するのかし ないのかというのも今後の当然課題の一つだというふうに思っています。今のご意見も 十分踏まえながら今後対応する必要があると思います。  それから、骨が見える見えないというのは、済みませんが、どういう……。 【参加者6】  そういう発言を検査官がしていましたので。 【桑崎課長】  日本に輸入される肉は、20カ月以下であって、せき柱が除外をされ ていれば、あばら骨がついていてもそれはオーケーなんですよね。日本の場合にはです よ。ですから、すべての骨を日本側が禁止しているわけではないので、場合によれば日 本向けの牛肉にあばら骨がついている可能性も実はあるわけで、それは否定をしている わけではないんで、ちょっとその報道の中身を見てみないとわかりませんけれども、そ ういう状況だけはちょっとご理解いただきたいと思います。 【藤井参事官】  補足をされますか。 【伊地知参事官】  香港の例は骨が入っていたんです。先ほども説明がありましたけ れども、なぜせき柱がだめかと言ったら、背根神経節というのが骨の中にめり込んでる わけです。それを除くのが目的で、せき柱を除くということにしているわけです。カッ トの際にちょっとした横突起とかの破片、骨の破片とかが入る可能性は、これはないと は言えないし、現に香港であったわけです。  香港はそういう骨がついているのはだめだということでとめたんですけれども、アメ リカ政府はそういう骨の破片まではだめだと言っているんじゃないんだということで協 議をやっているというふうに聞いております。そういう形で小さな骨片が入ることはあ り得るんじゃないかなというのは考えられます。 【藤井参事官】  それでは、あと予定の時間までに30分ぐらいになりましたので、 二人から三人ずつまとめてご発言をいただいた後、行政側から発言をするということで、 進めさせていただきたいと思います。  それでは、まず今こちらとこちらの列で手が挙がっている3列目の男性の方、そして 後ろの女性の方、そして真ん中の3列目の女性の方。その3人の方続けてちょっとご発 言をいただきたいと思います。 【参加者7】  済みません。株式会社トーホーの松原と申します。  私ども外食産業への流通という形で業務として携わっている者なんですけれども、正 直いって米国産牛肉、これは早く再開してもらって、これはどういうことかと言います と、何でもいいということではなくて、早く安全を確保していただいて、安全なアメリ カ産の牛肉を輸入できるような体制を早く整えていただきたいというふうに思っており ます。で、具体的に今後の予定としてどういう形で進んでいくのか、またいつごろ、そ の安全が確保されるまでに、どれぐらい期間というのはかかるんでしょうかという質問 です。 【藤井参事官】  続けて、それでは女性の方。  お願い申します。 【参加者8】  ただの主婦の藤井と申しますけれども。  アメリカからの輸出が禁止された後に、メキシコから平成15年では0.2トンだっ た牛肉が毎年増加して平成17年には4万4,243トンが輸入されていて、30カ月 以上の肉とか内臓がどんどん入ってきているということをちょっと知ったんですけど。 それからBSEに対してはメキシコは放置状態でEUの食品安全庁もレベル3をつけて いて、EUではアメリカ、カナダ、メキシコの牛肉は輸入してないということなんです けど、それに関してどうお考えでしょうか。  それと、もう一つは先ほど骨で20カ月以下の子牛も検査していくというのもありま したけれども、1日4,000頭もとさつしていたら、オートメーションみたいにして 流れていくのが、何十秒かで通り過ぎるというのに、そのぱっと見ただけで骨でわかる ものでしょうか。  そこのところを、よろしくお願いいたします。 【藤井参事官】  それでは3列目の真ん中の女性の方、お願いします。 【参加者9】  済みません。上村といいますけれども、よろしくお願いします。  ちょっと、へたり牛に関してお聞きしたいんですけれども、へたり牛というのがイコ ールすべてBSEの牛なのかということをお聞きしたいのと、日本のほうに今現在へた り牛というのは、もう全然いないのでしょうか、確認されているんでしょうかというこ とと、もう1点は危険部位というのは、骨全部を危険部位として考えていらっしゃるの かどうかというのをもう一度確認させていただきたいと思います。  よろしくお願いします。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  それでは米国産牛肉の今後の予定等。 【伊地知参事官】  今後の再開の予定はどうなっているのかということは、現時点で は決まっていません。現時点で決まっているのは前回、資料も封筒の中に入っているん じゃないかと思いますが、米国産牛肉輸入問題に関する日米専門家会合の概要という1 枚紙入っています。そこの2.(3)のところに書いていますけれども、今後、これま での経緯について日本側は消費者への説明会を実施し、米国側においては、今後日本側 が提示する調査項目を含めた他の対日輸出認定施設に対する再調査、改善策の具体化を 行うこととし、これらの結果を踏まえ、これからの対応を検討することとなったという ことで、今消費者等への説明を、我々日本側は実施しているところです。米国側ではこ れから先ほど申しましたように、ほかの対日輸出認定施設に対する再調査と改善策の具 体化をやるということだけを決めて、手順を踏んで進めていくということで、いついつ までに何をやるというようなことは決めておりません。それが1点ですね。  それとあと、メキシコはBSEの発生が確認されておりませんので、メキシコからの 輸入は認められております。ただ厚生労働省の方から特定危険部位については除くよう に国内の輸入業者に対して要請をしておりますので、そういう特定危険部位の輸入はな いというふうに考えております。  それと、EU自体はBSEの発生国からの輸入を禁止しておりません。EUはアメリ カからの輸入を認めていますし、EUはBSEがあるからといって輸入規制はやってお りませんので、何らかの理由で輸入がないのかもしれませんけれども、BSEを理由に 輸入をしていないということではないのではないかというように思います。  あと何千頭もいる牛を数名の格付官でわかるのかというお話なんですけど、これは格 付の専門家が見ていまして、1回見てさらにもう1回日本向けにちゃんとチェックをし て、やっているというふうに聞いています。格付の専門家ですので、それは可能ではな いかというふうに思っております。  それと後、へたり牛イコールBSEかどうかというと、へたり牛イコールBSEでは ありません。へたり牛をかなり調べてもBSEでない牛の方が多いわけです。へたり牛 というのはダウナーといって起立困難、歩行困難牛ということで、これはいろいろな原 因でへたり牛が出ます。例えば難産だった場合は、難産のときに骨盤をあけすぎて起立 困難というのもあります。したがいまして、へたり牛イコールBSEではないというこ とと、へたり牛は日本にもいるということです。  それとあと、骨がすべて危険部位かというと骨は特定危険部位にはなっていません。 ただ頭蓋骨とかせき柱とか、そういう脳とか三叉神経とか、あと先ほど言いました背根 神経節とか、そういうところを含んだ骨が特定危険部位ということで、日本の場合は頭 蓋骨それとせき柱が特定危険部位というふうになっております。 【藤井参事官】  それでは、ちょっと食品安全委員会のほうからメキシコの牛肉の評 価の点について補足をしてもらいます。 【西郷リスクコミュニケーション官】  メキシコからの牛肉については今農水省から ご説明のあったとおりでございます。ただ、出ていないからいいのかという話もござい ます。ですから食品安全委員会は各省から評価の依頼を受けなくても必要があると思っ たら評価を始めることができることになっておって、それは企画専門調査会という専門 調査会があるんですけれども、そこが自ら評価が必要かどうか、いろいろな情報を集め ていて、食品安全委員会で評価すべきではないかというものを幾つか議論をしておりま す。  その中で実はメキシコ、それからチリ、中国産、その三つについてリスク評価をする べきではないかといった議論が今、されているところです。ただアメリカのときも、日 本と同様に、アメリカのデータがそろっているかというとアメリカでさえなかなかデー タが集まらなかったこともあり、実際評価しようと思ってもできるかできないかわから ないようなところも実はあって、どうしようかとまだ議論をしているところでございま す。それから作業も多分大変になって、そうすぐ片づく話じゃないということでござい ますけれども、おっしゃったように、EFSAが何というんですか、蔓延度だけでござ いますけれども、お肉そのものじゃなくてBSEの蔓延度だけでございますけれども、 各国の評価をしているということもあって、そういった情報を使いつつできるかできな いかといったことについて、今、議論をしているというところでございます。ご参考ま でに申し上げました。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  それでは、ほかにありますでしょうか。できるだけ発言をされていない方を優先した いと思いますが。それではその右から二つ目の列のもう一度手をちょっと挙げていただ けますか。4人手がその列で挙がっていますので、その4人の方順番にご発言をしてい ただきたいと思います。 【参加者10】  コープ佐賀から来ました岡本と申します。消費者の立場からお話し させていただきます。  この再開に向けて米国に対する不信感というのは私たちは何回も聞きまして、すごい 不信感を持っております。それで、その不信感を取り除くために説明会をされるとおっ しゃいましたけれども、こういうふうな説明会のことなんでしょうか。  それから、一般的な消費者、主婦層は嫌と思ったらずっと嫌なんですよ。で、やっぱ り私たちの中にもアメリカ産と聞いただけで、もう牛肉だけじゃなく豚肉も全部「えー、 アメリカ産、嫌」という感じの拒否感を持っております。それに対してどういうふうに 対処されるのかということと、その再開に向けてのお話なんでしょうか。これをこう、 方向性というか、将来どうしようと思っていらっしゃるのかというふうなことをお聞き したいと思います。  それから、もしそういうふうであれば、現地に日本から出向いて先ほど言われました ようにマニュアルを見て手順、できているかどうかという確認を日本がするのか、その 書類の整備とともに、そういうふうなことを定期的または突発的にされる予定があるの かというふうなことをお聞きしたいと思います。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  それじゃあ、その3列目の方。 【参加者11】  エフコープにおります陶山と申します。  先ほど農水省の参事官のほうより今回の件はアメリカに一義的に責任があるんだとい う、こういうご発言がありましたので、そのことについて少し疑問を持ちましたので発 言させていただきます。  同じこのホテルで昨年11月食品安全委員会、プリオン委員会から出されました答申 についてのリスコミが行われました。それの中で、いろいろな意見が交換されましたが、 それを受けて12月8日に答申されたと。それが正式なものとして。それを受けて、も うその4日後に12月12日にもう輸入の再開を決定するというこのタイミングですね。 ここで行われたリスコミの中でも、そのプリオン委員会から出された答申は輸出プログ ラム、これを前提としてリスクにそんなに差はないんだよというお話だったので、この 輸出プログラムが非常に重要なものであると。それからそれがアメリカの中でどのよう に動いていくか。今回もアメリカの中で専門家はわかっていたんだけれど、現場では周 知徹底されてなかったとか、そういうことが当然予測されたわけです。それがきちんと 見通せない中で輸入再開を決定したこのプロセス自体、非常に無理があるんじゃないか というふうに思います。  今回、アメリカで周知徹底していく要求をアメリカのほうにして、政府のほうにして いったのか、それから日本政府としても、生産者それからパッカーさんなんか関係者に 対してきちんと日本の消費者とアメリカの消費者のBSEに関する認識というか、持っ ている思いの違いのところをきちんとアナウンスする努力がされていったのか。  今後再々開をするについてはいろいろな再調査、手順をとっていくんだというお話で したが、これは本来は12月12日の再輸入決定の前にしていただきたかったなという ふうにも思いますし、必ず今後はそれができてからの輸入という検討にしていただきた いと。  それからまた輸出プログラムについても非常に複雑ですので、この課題についてだけ でもリスコミの場を持っていただきたいなというふうに思っております。 【藤井参事官】  では、後ろのほうの男性の方は。 【参加者12】  日本生協連九州地連の大木と申します。  先ほどもちょっと出ていたんですけれども、香港事例というんですかね、香港でも、 日本の基準とは別だと思いますが、骨つきの香港にとって基準外の肉が輸入されたとい うことで、それが4月8日の新聞報道によると3月10日にもそういう事件があって、 で、4月になって、6日ぐらいなんですかね、6日か7日にそういうことがあったと。 それぞれ輸出元はアメリカの別のパッカーであると。  そのパッカーは、日本向けの輸出プログラムとの関係でも、日本向けもちゃんと資格 をとっているパッカーだということで書いてあったんですけれども、要はその1月20 日の背骨の混入含めて、複数のパッカーでそういった外国への輸出プログラムを守りき れない事態が発生したという点で言いますと、やはり特殊な事例というよりアメリカの パッカーさんにとってはその国内向けプログラム、日本向け輸出プログラム、それとそ の他の国への輸出向けプログラムと、いろいろ基準がある中で、変な言い方すれば混乱 することも結構あるんじゃないかと思うんですよね。  そういった環境の中で日本向け輸出プログラムをきちんと遵守してもらうという点で 言うと、今後ほんとうにしっかりと周知徹底、どうやって担保するのかということをア メリカとの関係では話し合っていかないと、なかなか再々開してもまた同じ事件が起こ るんじゃないかとそんな危惧をしておりますので、ぜひ対策よろしくお願いしたいと思 います。  以上でございました。 【藤井参事官】  それでは、その列の、今の後ろの方。 【参加者13】  福岡県久留米市からやってまいりました西野と申します。  皆さんのご発言とちょっと違う観点からお話をさせていただくので、一言申し上げた いのが、僕自身が営利目的で発言しているのではないということを、まずちょっと申し 上げたいと思います。国内でBSEが発生してから今日まで牛肉に対する不信感や矛盾 を私自身も感じてまいりましたけれども、本日いろいろな立場の方々お見えになられて いますので、極めて専門的なお話になっていますから議論の焦点が素人の僕には見えま せん。で、ほんとうにいろいろな情報がありますから、新聞報道、インターネットを通 してもちょっと困惑する、どれを実際信じていいのかなと困惑をします。ただ、どれを 見ても、いわゆるその特定危険部位を除去した牛肉に関しては安全であるという国の対 応もしくは学者、国際基準は変わってないのかなというふうには感じております。  私二人の子供を持ついわゆる親の観点から食に対しては日ごろより大きな関心を寄せ ています。上の子、長男が今度小学校に入学しまして、やはり学校給食にも例外なく大 きな関心を寄せているんですが、とにかく学校給食の中に牛肉がものすごく少ないのに ほんとうに戸惑っております。皆さんご存じのとおり、牛肉に限らず、鶏肉、豚肉、野 菜、魚、やっぱりバランスよく摂取することが大事だと思います。  先日家族でアメリカに旅行に行ったんですけれども、とりわけいろいろな民族の方が 観光でいらしてたんですけど、我々日本人が笑顔で牛肉を食する姿に、年間に一体どの ぐらいの人間がアメリカに行くのかなと。いろいろな矛盾を感じていました。  済みません、もう少しだけお願いします。  皆さん御存じのように九州は和牛の産地ですから、日本を代表する和牛の産地ですか ら、ちょっとこの前テレビで見たんですけれども、10年後にはもっと地球の温暖化が 進んで鶏肉、豚肉、牛肉、いわゆる動物たちの体力が弱って、これらの出荷量が減って いくという分析がされたというのを聞いて、いわゆる親の観点から、今日本における牛 肉の出荷体制は必要以上に安全で、高い牛肉のように感じるんですね。  今日にご説明いただいたように、科学的にほんとうに安全であるならば、いわゆる日 本基準ではなく東アジアにおける先進国、パイオニア的存在の我々日本国といたしまし ても、国際基準にのっとった、また以前みたいに本当に安全でおいしくて、安くて、こ ういった牛肉をお腹いっぱい子供たちに食べさせてあげたいなと、僕も食べたいなと思 いますので、一日も早く、ほんとうに安くておいしい牛肉をお腹いっぱい食べられる環 境を政府の方々につくっていただきたいなと思います。  ちょっと長くなって済みませんでした。ありがとうございます。 【藤井参事官】  ありがとうございました。いろいろと多方面にわたるご意見なりご 質問が出ましたので、ちょっとまとめた形で、まずそれでは農林水産省の伊地知参事官 のほうからお願いをします。 【伊地知参事官】  最初にアメリカはもう牛肉だけでなくていろいろなことが嫌なん だ、それに対してどうするのかということなんですけれども、これは、直接私どもがそ のことについてどうこうするという立場にありませんので、私どもは今回アメリカ産牛 肉の輸入の再開をどうするのか、再々開ですか、どうするのかということでございます。 ただ先ほども申し上げましたように現時点では今後どうするというのを決めておりませ ん。手順を踏みながら進めるということで、先ほどの繰り返しになりますけれども、ま ず日本は説明会をやります。  説明会は、再開のための説明会ということでなくて、これまでの経緯、それとアメリ カ側の原因究明と再発防止策についてアメリカ側と会合した結果についてご説明をして 皆さん方のご意見を伺って、今後どうしていくかという検討の参考にしていきたいとい うことです。それから、スヤマさまのほうから言われましたように、前回拙速だったの ではないかということですけれども、私ども基本的には2年間かけていろいろやってき て、最後のところ詰めが甘かったんじゃないかという意味かとも思いますけれども、1 年半ぐらいずっと協議をやってきていまして、その間、現地調査もしましたし、あと肉 質判定の関係の現地調査もパッカーでもやらせていただきましたし、そのあと食品安全 委員会で10回にわたる審議をしていただいたので、必ずしも、一部、遅いというご意 見の方もおりますし、そういう意味で拙速にやったというつもりはございません。結果 として、こういう事態が起こったのでそういうご批判はあることは事実であります。た だ私どもとしては、手順を踏みながら進めてきたつもりでございますし、今後について も手順を踏んで進めていきたいと思っております。  あとアメリカ側に日本側の消費者の感情というのを伝えるべきだということで。これ は、どうも言われるようにアメリカは自分たちが食べているものがなぜ日本人は食べら れないんだろうという不思議に思っている節もございます。ですけれども、私どもは、 日本は日本の食文化、食に対する安全性の考え方があるのでということは、アメリカ側 に話をしております。それでアメリカ側も、かなり慎重にやらなくちゃいけないという のはわかってきているんじゃないかと思います。ただまだ十分かどうかと言われればそ このところはわかりませんので、引き続きそういうことは話をしていきますし、今後に ついても一つ一つ手順を踏みながらやっていきたいというふうに思っております。  香港の話は、あちらの条件を守れなかったんだから、特異な例でなくて、これはほか にも、外国との約束を守れないんじゃないかということですよね。それは特異なここだ けのケースじゃないんじゃないかということですが、これについても、先ほど申し上げ ましたが、アメリカ側は今回は子牛の例であったとか、あと電話会議にFSISの職員 が参加できなくて周知がうまくいかなかった地域での特異な例だと説明していますけれ ども、それがそうかどうかということは、アメリカ側がそれ以外の施設についても再調 査をやるということで確認してもらうということにしております。  あと、最後の方のご要望も手順を進めながら私どもやっていきたいと思っております ので、現時点でいつ再開するとか、具体的なことを決めているわけではないということ でございます。 【藤井参事官】  あと残りが10分を切ってしまいました。  あとお二人の方にご発言をいただいて、最後にさせていただきたいと思いますが、ご 発言ある方、手を挙げていただけますか。  なるべく、ご発言を今までされていない方をちょっと優先をさせていただきたいと思 いますので。まずお一人は2列目の方。ほかにご発言がなければ、一度発言をした方。 あと申しわけないですが、時間の関係もありますから、発言を今までされてない方をち ょっと優先させていただきたいと思います。  一番後ろの座っておられる方と、2列目の方、そのお二人続けて発言をしていただい て、フロアからの発言は一応打ち切らせていただきたいと思います。 【参加者14】  食育推進ネットワーク福岡の中村と申します。1点だけお伺いした いのですが、現状の状態、こういうミーティングを含めて粛々と作業を進めていらして、 最終的に再々開をする判断の基準はどこにお持ちになるのか、その辺あたりをきちっと 踏まえたところでご返答いただければと思います。よろしくお願いします。 【藤井参事官】  それでは引き続いて一番後ろの方、お願いします。 【参加者15】  山口からまいりました李と申します。  私は輸入を再開、できるだけ早くしていただきたいなというふうに考えています。  先日ある機会があってアメリカの女性の方とお話をする機会がありました。私も子供 を持っている親なんだよって、私たちの今の状況も含めていろいろお話ししていく中で、 世界の親はみな一緒じゃないかと、子供に対してほんとうに安全でないものを食べさせ る親がどこにいるんだと。今、アメリカの人たちは平気でアメリカの肉を食べていると いうふうな意見も多々ありますけれども、私はアメリカ政府を国民の人たちが信頼して、 その中で私たちの食べている肉は安全なんだよということを根本的に考えているからそ ういうふうに安心して食べられているんじゃないかなと思います。また、世界基準とい う中で、基準がたくさんあるみたいですけれども、世界基準を遵守する中でそういうふ うな考え方も出て当然じゃないかなと。  ただ親が子供を思う気持ちはどこも一緒で、その考え方が微妙に違うという中で、で きれば私は安くおいしいアメリカの肉を早く食べたいというふうな気持ちでおります。  以上です。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  今お二人の、最後にフロアからご発言をいただきましたが、それに対する、それでは 行政側のコメントを、発言をお願い申したいと思います。 【伊地知参事官】  最終的な目標をどこに置いておられるのかということですけれど も、これは日本との約束のEVプログラムを遵守できる体制ができているかどうかとい うことが確認されるということになるかと思います。原因究明と再発防止策というのを 今、求めていますので、基本的にはそういうことで、再発防止策の確認、EVプログラ ムの遵守がやれる体制ができているかどうかということを確認した上でということであ ります。  それと、あと早く再開していただきたいということ、世界基準の話が出ましたが、O IEの基準ではピッシングしてないとか、生前生後の検査を実施していることとか幾つ か条件ございますけれども、基本的には30カ月齢以下の骨なし肉は貿易制限をすべき でないというのが国際基準になっています。  ただ、科学的な根拠がある場合には、それ以外の措置をとることができるということ で、日本としては科学的な評価をした上で20カ月齢以下で特定危険部位を全部除くと いう条件をアメリカ側と協議をして、アメリカ側もそれでいいということでやってきて いますので、その条件が守られるようにしてもらった上で輸入を認めるということにな るかと思います。 【藤井参事官】  ありがとうございました。  非常にフロアから活発なご質問、ご意見、ご要望をいただきありがとうございました。 もうフロアからはとりあえず終わらせていただきたいと思います。 【参加者5】  おたくたちは、本心で取り組んどるのか、本心に。ね、消費者がかな りね、不安を抱いているよね。大臣は肉をついているとをしているから、不安を抱いて とっとよ。骨て言えばいいじゃないの。ね、BSEの問題であろうが、20カ月未満で あろうが危険部位であろうが、15文字アメリカに言えば解決するんだから。BSEて いうとは40年前からおったとに。今までぼーっとしとったとに。 【藤井参事官】  いろいろと行政側の取り組み等を聞いていただいたと思いますが、 現在いろいろと1月20日の問題の解決について徹底的な原因の究明そして再発防止策 というのを、まだ協議をしているところでありますから、今回皆様方からいろいろご意 見、ご要望をいただきました。そういうものを参考にさせていただきながら、今後の検 討、協議というんでしょうか、を進めていくということになろうかと思います。  最後に、食品安全委員会のほうからちょっと説明をしたいということがございますの で、西郷さんお願いをします。 【西郷リスクコミュニケーション官】  お時間もありませんので、手短に。お配りし ている資料の中に番号打ってございませんけれども、「食品安全委員会の議論の概要 (プリオン専門調査会専門委員改選にまつわる報道ぶりについて)」という4ページの 紙がついてございます。この4月の初めに実はプリオン専門調査会の改選が行われたと きに6人の慎重派の方々がやめたとかいう、そういう報道が結構されまして、いろいろ ご心配をおかけしたのではないかと思いまして恐縮に存じております。  これは何も今回の輸入再開だとか、そういったことにタイミングを合わせて何とかい うことではなくて、食品安全委員会の専門委員には任期が実はついてなかったんです、 最初の任命のときに。それを今度、内閣府全体の審議会、専門委員などについては、2 年程度の任期をつけて再任をするという統一方針の中で行われたものでございます。そ こは資料を見ていただければと思います。  実際、いろいろな報道がされておりますけれども、12人の専門委員がいらした中で 10人の方に再任を内々お願いしたわけでございます。お二人の方のうちの一人は70 歳を超えられて、政府の審議会の委員としては対象としないというような、政府全体の 方針でございましたので再任のお願いができなかった。もう一人の方はプリオン専門調 査会をずっと欠席されておって、それでもうやめたいと、不満があるのでやめたいとず っとおっしゃっていた方でございますので、これはまあ無理だということでございまし た。10人の方にお願いしたところ、4人の方々は今回はもう遠慮したいというふうな ことであったわけでございます。  ご後任の方は、ご後任といったらあれでございますけれども、また新たに6人の方に 入っていただきまして、引き続きまたプリオン専門調査会が運営されていくわけでござ いますけれども、今後とも科学的な立場からの議論が進んでいくということでございま すので、見ていっていただければと思いますし、それから、一部報道で流れました残り の6人の方がじゃあ貿易再開推進派なのかといったらそれもまた失礼なお話ではないか と私どもは思っております。基本的にはそういったこととは距離を置いて科学的な評価 に専念していただくということで進めさせていただいているところでございます。 【藤井参事官】  進行の不手際でまだご発言を希望されている方、時間の都合もあり まして、ご遠慮いただいたということは、この場をかりておわびをしたいと思います。  これで意見交換会を終了させていただきます。 閉 会 【司会】  以上を持ちまして食品に関するリスクコミュニケーションを閉会いたしま す。長時間にわたりありがとうございました。  なお、お帰りの際にはアンケートを回収いたしますので、ご協力をお願いいたします。  どうもありがとうございました。 ── 了 ── - 48 -