05/05/13 平成17年5月13日〜20日(全国9カ所)「食品に関するリスクコミュ ニケーション (米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会)」            食品に関するリスクコミュニケーション         (米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会)                           平成17年5月13日(金)                             13:30〜16:30                           於:ホテルJALシティ広島 1.開会 2.挨拶 3.議事  (1)牛海綿状脳症(BSE)に関する米国産牛肉等のリスク管理措置について  (2)意見交換 4.閉会 ○司会  本日は、お忙しい中御出席いただきましてありがとうございます。  ただいまから食品に関するリスクコミュニケーション(米国産牛肉等のリスク管理措 置に関する意見交換会)を開催いたします。  一応、説明と意見交換の間に休憩を設ける予定としておりますが、全体が長時間にわ たりますので、休憩が御必要な方は随時周りの方の迷惑にならないよう御退室いただ き、適宜休憩をおとりいただければと思います。  それから、本日は厚生労働省と農林水産省の共催で開催するものでございます。両省 を代表いたしまして、厚生労働省の松本大臣官房参事官からごあいさつ申し上げます。 ○松本参事官  皆さん、こんにちは。ただいま御紹介いただきました厚生労働省大臣官房参事官の松 本義幸であります。  本日の意見交換会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。このタ イトルにありますように、米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会の開催に 当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。  平成13年の9月に我が国で第1頭のBSEが出まして、その一月後からと畜場にお きます全頭検査、またSRMの除去、飼料の規制をやってきましたけども、ほぼ3年た ったところで、我が国のBSE対策につきまして、食品安全委員会が検証、評価を行 い、昨年の9月に「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について中間取りまとめ 」をまとめ、同日、厚生労働省、農林水産省の方に通知されました。  それを受けまして、厚生労働省と農林水産省は国内対策の見直しについて意見交換会 を行いますとともに、昨年の10月15日に食品安全委員会にリスク評価を依頼したと ころであります。食品安全委員会では、見直し案につきまして科学的な観点から慎重に 評価していただきまして、この5月6日に評価結果を通知いただいたところでありま す。  国内対策の見直しに関します意見交換会の中で、国内対策見直しに対する意見とあわ せまして米国産牛肉等の輸入問題についての意見も多く寄せられ、輸入再開に当たりま しては改めて食品安全委員会に評価をいただくということを説明してまいりました。  厚生労働省、農林水産省は、このたび米国産及びカナダ産牛肉等の輸入再開に当たり まして具体的な検討を行うということにしておりますが、輸入条件の決定、実施に当た りまして、食品安全委員会にリスク評価を依頼することとしております。  本日は、これに先立ちまして消費者を初めとした関係者の方々と十分な意見交換を行 い、その検討の参考にさせていただきたいと思いますので、忌憚のない御意見あるいは 疑問等ありましたらお寄せいただければと思います。  限られた時間でありますけども、実りある意見交換会としたいと思いますので、どう ぞよろしくお願いいたします。 ○司会  続きまして、本日の目的について説明いたします。  この意見交換会は、リスクコミュニケーションの一環として実施するものでございま す。皆様への配付資料の中に「意見交換会に参加いただいた皆様へ」という縦の1枚紙 の資料があるかと思います。本日の意見交換会の目的につきましては、この場で何かを 合意して決めるということではなく、米国やカナダのBSE対策について、関係者間で 情報を共有することと、それからいろいろな立場の方と意見交換を行い、この問題につ いての認識を深めるということを目的としていますので、よろしくお願いいたします。  次に、出席者を御紹介いたします。  まず、募集により大変多くの方に御参加いただいております。本日は、広く御意見を いただくため、出席者を公募し140名に及ぶ応募をいただきました。当初予定してお りました人数の範囲内でしたので、応募いただいた方全員に参加いただいております。  出席者の御紹介につきましては、お手元の出席者名簿にかえさせていただきますの で、御了承下さい。  なお、資料の作成後に応募のありました方については、名前を掲載できなかったこと をおわび申し上げます。  それから、議事に先立ちまして資料の確認をお願いしたいと思います。  お手元に議事次第、それから座席表、資料の1と2、資料1が今の出席者名簿で、資 料2が「米国、カナダにおけるBSE対策(我が国とのBSE対策の比較)」になって おります。それから、一部差しかえがございまして、1枚紙の裏表のものでございます けども、BSE対策の経緯、右下の方にページで6と7と振ってあるものでございま す。これは資料2の該当ページのものに差しかえが生じたため、入れさせていただきま した。それから、参考資料というものを、これもページで、紙2枚程度ですけれども、 3ページのものをつけております。それから、先ほどお話をいたしました「意見交換会 に参加いただいた皆様へ」という1枚紙と、それから「食の安全・安心トピックス」、 これも横長の1枚紙。それから「食生活指針」というちょっと小さなものが入っている かと思います。  また、本日アンケートをお配りしております。今後の参考にさせていただきますの で、お帰りの際に御記入いただきたいと思います。  資料の中で不足等ございましたら、事務局もしくは受付までお申し出いただきますよ うお願いいたします。  続きまして、本日の進行について説明いたします。  本日は、米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会でございます。  まず、意見交換に先立ちまして、厚生労働省、農林水産省から米国、カナダにおける BSE対策、我が国とのBSE対策の比較として、現在の米国等の現状や、輸入再開に 当たっての考え方を1時間程度説明いたします。その後、少し休憩をとらせていただ き、意見交換に移りたいと思います。会場の都合上、午後4時30分には終了したいと 思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、初めに農林水産省の姫田消費者情報官から説明をいたします。  途中でかわりますが、続きまして厚生労働省の松本参事官に続きの説明をお願いした いと思っております。  それでは、姫田情報官、お願いいたします。 ○姫田消費者情報官  御紹介いただきました農林水産省の消費者情報官の姫田でございます。どうぞよろし くお願いいたします。  それでは、前にパワーポイントが出ております。できるだけパワーポイントを見なが ら説明を聞いていただきたいと思います。ただ、後ろの方で見づらい方はお手元に同じ ものが冊子としてありますので、それを見ていただければと思います。  まず本日、米国、カナダにおけるBSE対策ということで、去る5月6日にBSEの 国内対策の見直しにつきまして、食品安全委員会から厚生労働省とそれから農林水産省 の諮問に対して答申が出されました。答申では、と畜場でのBSEの検査対象月齢を現 行の全頭、いわゆる0カ月齢からすべての牛を検査するものから、21カ月齢以上のも のを全頭検査するというものとの比較をして、それでそのいずれについても、リスクは 無視できるレベルからごくわずかということが評価いただいています。最終的な人に対 するリスクは、非常に低いレベルにとどまるということが答申いただいております。  この答申を受けまして、今回、国内の関連規程を現在改正の手続を厚生労働省、そし て農林水産省で行っているところでございます。   まず今回諮問を行うに当たって、こういうこと、まずこれからアメリカ、カナダの 牛肉輸入に関して、私ども厚生労働省と農林水産省が食品安全委員会に諮問することと しておりますが、まずそれに関しましてどういう方針でやっていこうかということを御 議論いたしたいと思います。  それに先立ちまして、本日はアメリカ、カナダにおける肉牛産業の概要ですとか、あ るいはBSE対策の経緯と発生、そしてBSE対策の現状、そして輸入再開についての 考え方を御説明いたします。  まず、輸入再開についての考え方でございますが、基本的には我が国と同等の安全性 が確保されることが基本でございます。そのために、我が国の現在流通しております牛 肉と、それから今後、今、アメリカやカナダで行われているBSEの規制に上乗せして 条件を出しました。その条件が現在の我が国の牛肉と同等であるかどうかということを 諮問することとしたいと考えております。  現在、具体的には、ここに書いてありますように、輸入牛肉と国産牛肉のBSEリス クの同等性を食品安全委員会に諮問したいと。基本的には、20カ月齢以下の牛由来の 牛肉について、そして全月齢からSRMを除去したものについて、こういうものについ ての同等性を諮問することとしたいと考えております。  次、お願いいたします。説明の流れは先ほど申し上げたように、背景、そしてBSE 対策の経緯と発生、そしてBSE対策の現状、そして輸入再開に当たっての考え方とい うことを御説明いたします。  次、お願いいたします。まず、アメリカ、カナダにおけます肉牛産業の概要でござい ます。  次、お願いいたします。アメリカ、カナダと、それから我が国との牛の飼養状況でご ざいます。我が国は、大体400万頭ぐらいの牛が飼われております。そのうち半分が 肉用牛、そして乳用牛が4割ぐらいを占めております。かなりそういう意味では我が国 は乳用牛が多い国だという特徴がございます。  一方、アメリカやカナダの過半数が肉用牛でございます。そして、乳用牛が全体の2 割弱でございます。そして、その他に子牛がいるということです。  ちょっと子牛の定義とかがそれぞれ国によって多少違いますので、数字が多少ぶれる ことはございますが、基本的にはアメリカ、カナダは肉用牛が中心、我が国は乳用牛が かなり多いということを覚えていただければと思っております。  頭数的には、アメリカが9,400万頭、そしてカナダが1,500万頭、日本が 400万頭ぐらいということでございます。  次、お願いいたします。これは同じような数字でございますが、アメリカ、カナダと 日本の牛のと畜頭数、先ほどのは飼われている頭数でございます。と畜頭数は、アメリ カでは3,300万頭、大体年間、カナダで400万頭、そして日本で130万頭ぐら いということで、そのうち施設的にはアメリカで825施設、カナダで29施設、日本 で大体150施設ぐらいございます。アメリカの場合、この825施設ですが、これは 各国そうなんですけれども、非常にすばらしいと畜場から地方の小さなと畜場までいろ いろなものがございます。これはアメリカ、カナダ、日本についてもそれぞれ共通でご ざいます。  それで、アメリカの中で大体海外に輸出することができる施設は825施設のうち 60施設ぐらいということで、それのうちのトップグループです。大体、アメリカでは パッカーと呼ばれる業者が上位5社で、大体29工場ございます。それで全体のと畜頭 数が9割に上ります。ですからいろんなと畜場、ひょっとしたら海外でと畜場見てこら れた方もいらっしゃいますが、非常にすばらしいと畜場と余り褒められたことのないと 畜場というのがございます。それはですから一つを見られたからといってそれがすべて ということではなくて、こういうようないろんなと畜場があるということ。これは我が 国でも同じことが言えると思います。  アメリカ、カナダの肉用牛の飼養概況でございます。アメリカ、カナダでは、繁殖、 つまり子供をとるときは基本的には放牧でございます。子供が生まれてから6カ月ぐら いまでお母さんと一緒に、このときはほとんどお母さんのおっぱいと、それからお母さ んと一緒に草を食べるぐらいのことで、特に子供にえさをやるということはしておりま せん。  それから、その次に育成農家、これは昔はカウボーイがやってたんですけど、今は農 家がちゃんとやっておりますが、これが放牧・給餌ということで、放牧しながら少しえ さをやって育成をやるというものがございます。  そして、名前を皆さん聞かれたことがあるんじゃないかなと思いますが、フィードロ ットというとこで肥育のところに持っていって、三、四カ月育成します。このときは穀 物を中心とした飼料を与えます。これは一応の例でございます。例えば直接繁殖農家が 育成までやって肥育農家に持ち込むものや、もう少し育成期間が短かったり長かったり します。というのは、アメリカの場合は7割、カナダの場合は9割が春に生まれる子牛 です。日本の場合は人工授精をしますが、アメリカ、カナダの肉用牛の場合はほとんど 自然交配でございますので、交配時期、季節のいい春に自然交配します。ですから、そ うするとここで出荷時期が固まってしまうといけませんので、ここの育成農家のところ でこの時間を調整しながら、大体定時定量出荷できるようにという調整をいたします。 ですから、ここの月齢が多少変わってくることがございます。  そのアメリカ、カナダの肉用牛のライフサイクルと飼料について申し上げますと、今 言ったのは肉用牛です。子牛のときは牧草と補助飼料。補助飼料というのは、どちらか というと人間で言うサプリメントの感覚でいていただいたらいいかと思いますが、ミネ ラルとかビタミンとかそういうものが多うございます。そして、あと肥育のときにはい わゆる日本でもやってるような濃厚飼料、配合飼料をやります。日本の場合は、子供の ときは牧草とそれからふすま、つまり麦のぬかを与えます。そして肥育の方はかなり早 い時期から、10カ月から肥育に入りまして、この時期は濃厚飼料と稲わらしかやりま せん。基本的には配合飼料と稲わらをやるという形態でございます。  一方、乳用牛は大体どこの国も同じですが、生まれてすぐに1週間ぐらいは初乳を飲 ませますが、その後は人間の方におっぱいをやらないといけません。ですから、お母さ んが子牛におっぱいをやってしまいますと出荷できませんので、このときは子牛は代用 乳を飲みます。これはどちらかというと人間の赤ちゃん、人工乳みたいな、調整粉乳と 言ってますけれども、いわゆる赤ちゃん用のミルクと同じようなものです。そしてその 後、濃厚飼料と粗飼料をやっていきます。これは乳牛も日本はほとんど同じような形で やっています。当然、肉用牛の場合は、子牛のときは全部先ほど申し上げたようにお母 さんの基本的にはおっぱいと牧草、補助飼料という形になります。これはアメリカ、カ ナダも日本も同じでございます。  最終的に肥育月齢ということになりますと、アメリカ、カナダですと五、六カ月で出 すものから大体長くて二十二、三カ月ぐらいまで、十七、八カ月から二十二、三カ月ぐ らいです。我が国ですと、和牛ですと出荷が二十六、七カ月から30カ月を超すものも ございます。乳牛で大体20カ月が基本でございまして、その18から23ぐらいまで が乳雄の出荷月齢でございます。搾乳用の乳牛はここには入れておりませんので、御了 解いただきたいと思います。  次、お願いいたします。飼料の流通ということで飼料の構造ですが、アメリカ、カナ ダではいわゆるトウモロコシを生産しております。我が国は残念ながらえさ用のトウモ ロコシというのは生産できておりません。これはもう土地条件を基本にコストのことが ございますので、それは難しいということでございます。  そして、アメリカ、カナダですと単味原料、いわゆるトウモロコシあるいはグレーン ソルダム、これはお年を召した方ではわかるのかと思いますが、コウリャンというもの がございますね。コウリャンは昔タンニンが入っておりましたけど、今はタンニンを抜 いた品種がございますので、そういうグレーンソルダムを中心に単味原料としてカント リーエレベーターにあります。ちょうど日本のお米のように、生産地域にカントリーエ レベーターがございます。そして、それを最終的に農家でフィードロットで使うという ことになります。  一方、一部配合飼料を使っている例もありますが、これも細い線がかいてあります が、ほとんどはこのラインで単味飼料に先ほど申し上げた補助飼料、これはビタミンと かミネラル、そして一部はたんぱく質が入ってきます。ずっと昔ですと、そのときに多 少の肉骨粉とか魚粉とかそういうものが入ることになります。  ただ、もう一つはここの生産者、この流通だけじゃなくてトウモロコシをつくってる 人自体が牛を飼ってる場合というのもございます。日本の場合は、基本的には海外から 輸入したもの、これは単味原料で農家に行くことはほとんどなくて、基本的には配合飼 料工場でビタミン、ミネラル、そして肉骨粉を含んだたんぱく質を配合してきました。 今現在はいずれの国も牛には牛の肉骨粉は入れてないというのが現在の状況でございま す。最終的には、農家はほとんど日本の場合、この配合飼料工場から出荷された配合飼 料を農家で給与するという形になっております。  そして、今のレンダリング工場でございます。レンダリング産業と肉骨粉利用の概要 ということで、これもアメリカ、カナダとの比較でございます。アメリカ、カナダは、 レンダリング産業というのは、もともとと畜場に近いところにできます、当然のことで すが。と畜場から遠く運ぶと輸送コストがかかりますので、と畜場に近いところにでき ます。と畜場は、日本の場合はほとんどの場合、牛と豚とは同じと畜場でと畜いたしま す。しかし、アメリカやカナダの場合は、一つは肉用牛の生産地域と豚の生産地域が違 うこと、それからもう一つは規模がかなり、特に大規模ものはかなり規模が大きいので 併設する理由が存在しないということがございます。それで大部分は、アメリカ、カナ ダのと畜場は牛と豚とは別でございます。日本の場合は、ほとんどのと畜場は両方やる というところでございます。  同じように、レンダリング工場もアメリカ、カナダですと豚のレンダリング工場と牛 のレンダリング工場にほぼ大体、工場数でいうと8割以上がそれぞれの専用工場になっ ております。そして、今現在ですと豚の肉骨粉は最終的に配合飼料工場に行って、場合 によっては肉用牛農家に行くような状況になっています。途中から牛の肉骨粉について はレンダリング工場から配合飼料工場に入って、農家に行くというような形になってい ます。ここで、豚、鶏の配合飼料工場から牛の方には行かないように規制がかけられて いるという状況でございます。日本の場合は、豚も牛も一つのレンダリング工場で行わ れておりますので、これは今現在焼却しております。ただ、一部ラインの分離が行われ ているものについては豚、鶏に対して利用できるように、すべてを焼却してしまうとい うのはいわゆる環境上も問題でございますので、そういうような方向で動いているとい うことでございます。  次、お願いいたします。まず、それでアメリカ、カナダ、日本のBSE対策が今まで どういうふうに行われてきたかということについてお話しいたします。  次、お願いいたします。まず、これBSE対策の経緯ということで、まず牛とか牛肉 とか肉骨粉の輸入禁止についてお話しいたします。  1988年、これはまだ牛の病気だということで言われてた時代ですが、カナダは米 国以外の国のすべての動物の肉骨粉の輸入を禁止しております。それから、アメリカは 1989年に反すう動物、生きた動物ですね、それの輸入と、それから反すう動物の肉 骨粉をイギリスやBSE発生国からの輸入を禁止しております。あと1990年に、こ の時期に人にもうつるということがあれしたんですけど、それでカナダは牛そのものの イギリス、アイルランドからの輸入を禁止しております。そして、清浄国の肉骨粉につ いてはここで禁止しておりますが、解禁しております。そして牛肉そのものをBSE発 生国から禁止しております。一方、アメリカは91年に牛肉などの反すう動物の肉を輸 入禁止しているということです。我が国は、この90年にイギリスやBSE発生国から の牛の輸入を禁止しています。あと、94年にはカナダがBSE発生国、少しだんだん と規制を広げてきているということです。97年にイギリス全体から反すう動物・反す う動物の肉骨粉の輸入をアメリカが禁止したということで、かなりここで大きくしてお ります。我が国は、96年になって初めて牛肉をBSE発生国から輸入を禁止したとい うこと。それから、同じく反すう動物由来の肉骨粉をイギリスから輸入を禁止したとい う状況でございます。  次、お願いいたします。そして2000年になりまして、アメリカはヨーロッパから の全動物を、そしてカナダはBSE清浄国以外の全動物の輸入を禁止しています。日本 は、BSEが発生した2001年に全動物の肉骨粉をすべての国から輸入を禁止してい る状況でございます。一方、この年に日本でBSEが発生したもので、アメリカ、カナ ダ、日本産の牛肉の輸入を禁止しているところでございます。そしてその後は、それぞ れカナダで起こったからということでカナダ産の牛肉を輸入禁止しているということで す。我が国は2003年初めにカナダが起こり、そして12月にアメリカが起こったの で、アメリカ産牛肉の輸入を禁止したというところでございます。  最近の状況でございますが、アメリカはカナダ産牛肉の輸入解禁の規則を公布してい ますが、まだ実際にはなっておりません。それから直近の状況ですが、カナダはアメリ カ産牛肉の輸入解禁をいたしました。  次、お願いいたします。一方、飼料規制でございます。これは1996年に我が国が 反すう動物由来の飼料原料を反すう動物に使用することのないように指導いたしまし た。これは皆さんも御存じのように、これが指導が十分に行き渡ってなかったからとい うことで、重大な過失があるということでBSE検討会で厳しく指摘されたことは御存 じのとおりです。それで最終的には2001年、BSEが発生してから牛の肉骨粉の飼 料利用の禁止を法律で禁止いたしました。そして、その後もすべての動物の肉骨粉の牛 飼料への利用禁止を法律で禁止したというのが2001年、BSEが発生した直後にや っております。  一方、アメリカ、カナダは97年に法律でそれぞれ反すう動物由来の肉骨粉の反すう 動物への給与を禁止しております。それから、あと2004年には動物用飼料からのS RMの除去を提案しているというような、牛だけじゃなくてすべての動物用飼料から特 定危険部位を外そうということを今やってるというところでございます。  次、お願いいたします。それから届け出とかサーベイランスでございますが、アメリ カでは86年から発生報告義務があって、90年からサーベイランスを開始しておりま す。カナダも92年からサーベイランスを開始。我が国も96年からサーベイランスを 開始しております。ただ、それぞれいずれの国もその間のサーベイランスがかなり頭数 が少なかったことも事実でございます。これはそれぞれの国、どの国にも言えることで ございます。2001年に我が国は発生してから、当初4,500頭までサーベイラン スを拡大いたしましたが、最終的には皆さん御存じのようにと畜牛、これは概念として はサーベイランスにもなりますけども、スクリーニング検査ということで、と畜牛の全 頭検査を開始いたしたところでございます。  それから、今、アメリカでは2002年には2万頭、2003年にも2万頭のBSE 検査を実施しています。2004年から強化サーベイランスということで、いわゆるB SEの症状に近いものとかリスクの高い牛について、強化サーベイランスということで 32万頭をやっております。それから、あとカナダも3,000頭、5,000頭、そ して最近は2万4,000頭を1年間で、いわゆる高リスク牛についてはそれぞれやっ ているというところでございます。日本は、高リスク牛についてということでは、ここ で、と畜した牛は全部やっておりますので、死んだ牛に対して24カ月齢以上を9万頭 やっているというところでございます。  それでは、まず御存じのとおりでございますが、北米におけるBSEの発生というこ とで、カナダで2003年に、そして2005年に2頭ということで、カナダでは現在 3頭起こっております。それから、米国では2003年12月に御存じのようにカナダ 産のが発生したということでございます。このときに、アメリカで発生したBSEはカ ナダ生まれだから、アメリカは発生国ではないのじゃないかという御議論がございま す。ただ、発生したときに、私どもの厚生労働省と農水省の専門家の調査団が行きまし た。そのときにアメリカとの議論の中で、アメリカ、カナダの間ではかなりの牛が年間 何十万頭単位で動いてるということ、それから肉骨粉もアメリカ、カナダでは流通して いるということで、アメリカという国、カナダという国じゃなくて北米全体として、当 時はまだカナダも1頭ですから、カナダ1頭、アメリカ1頭、2頭起こったんだという 考え方で、両方やっぱり発生国ではないかということで、我が国はアメリカからの牛肉 の輸入をとめた次第でございます。これは当時のアメリカが招請したキム博士などの、 いわゆる国際的な調査団も同じような見解をとった次第でございます。  飼料規制についてお話しします。次、お願いいたします。今現在のアメリカ、カナダ の飼料規制の現状でございます。アメリカの飼料規制は、現在、牛の肉骨粉の牛飼料へ の利用禁止、そして表示義務、記録義務がございます。カナダも同じでございまして、 牛の肉骨粉の牛の飼料への利用禁止表示義務、記録義務がございます。日本の飼料規制 については肉骨粉全体、これは豚、鶏も含めてですが、の牛の飼料への利用禁止をして います。それで表示義務がございます。それぞれの法律で禁止されております。アメリ カ、カナダは牛だけで、日本は全体をやってるのかということで、最初に御説明いたし ましたように、基本的には日本の国は配合飼料工場も牛、豚、鶏を今までつくってきて たということ、それからレンダリング工場も牛、豚が一緒だったということ、そしてそ の前のと畜場も牛、豚が一緒だったということで、その間のクロスコンタミ、交差汚染 を防止しないといけないという観点から、ですから豚の肉骨粉を牛にやっても鶏の肉骨 粉を牛にやってもこれは科学的には安全なことですが、ただ、交差汚染、つまりクロス コンタミがあることが危惧されるので、そこまで禁止しているというのが現状でござい ます。  なお、我が国日本では、飼料工場はことしの4月からのすべてのラインを分離して、 豚、鶏の専用ラインと牛の専用ラインに分けております。  これが今のお話を簡単にした図でございますが、牛の肉骨粉を牛にやらないというの がアメリカ、カナダでございます。我が国は、牛の肉骨粉を牛にやらないのはもとよ り、牛の肉骨粉を豚や鶏にもやりません。豚の肉骨粉や鶏の肉骨粉も牛にはやりません ということでやっております。当初はクロスコンタミの件がございましたが、そのため に豚の肉骨粉をこれバツにしておりました。豚の肉骨粉を豚や鶏にもやらないというこ とがありましたけれども、今、配合飼料工場が分離されておりますので、これは17年 4月から食品安全委員会の評価をいただいて解禁しております。  一方、アメリカ、カナダでは豚や鶏の肉骨粉がやはりどっかでまざる可能性があるん じゃないかというようなことだと思いますが、牛にやることをやめる方向で検討中とい うことを聞いております。  交差汚染対策としては、基本的にはアメリカ、カナダではクリーニング方式からライ ン分離の義務化を検討しているというようなところがあるというようなことを聞いてお ります。ただ、アメリカ、カナダではいわゆる交差汚染そのものを起こすような配合飼 料工場そのものが少ないということもあります。全くないということではなくて、少な いという状況であります。  次、お願いいたします。それから、アメリカ、カナダの飼料規制の遵守状況というこ とで、これはかなり新聞でも報道されておりますけれども、アメリカでは1990年代 には飼料規制が遵守されてないものが2割もあったというようなことがございます。こ れはそれぞれの国からの飼料規制の遵守状況ということで、それぞれの国で遵守状況が 上がっております。ただ、これ絶対値で、じゃアメリカの0.1がよくてカナダの5が 悪いのかということではなくて、これは例えば記帳しなかったから違反だというような こと、そういう細かい違反も含めてるとか含めてないとかいう面がございますので、そ れぞれの国と国との間の関係を調べるのはちょっといかがなものかと思いますが、た だ、それぞれの国の中では上がってるということが確実になってきているということが うかがえます。  次、お願いいたします。それで全体のお話として、アメリカ、カナダの牛肉産業の特 徴ということでございます。今お話ししたのを少し取りまとめさせていただきます。  まず、一つはアメリカ、カナダの牛は若いときに主として牧草で飼育されると。これ は牛の基本でございます。これはどちらかというとアメリカ、カナダの牛はというか、 日本や韓国以外の牛はと言った方がいいのかもしれません。東南アジア以外の、日本は 牛の場合かなり、特に肉用牛でもいわゆる家の隣にある牛舎でひもにつないで飼ってお るわけでございますが、そういう飼い方をしないで放牧で飼っているというのでござい ます。これは当然、ヨーロッパとかオーストラリアとかニュージーランドにも共通し て、主として牧草で飼育される。もちろんそういうことですので、代用乳は給与しませ ん。お母さんのおっぱいを飲んでるということが基本でございます。  それから、飼料、そして先ほども配合飼料工場のコンタミネーションということがご ざいました。ただ、日本は配合飼料工場でつくったえさを給与しております。これは日 本はほとんどの農家で配合飼料工場から来た配合飼料を給与しております。ただ、アメ リカ、カナダでは、まず自分でトウモロコシを生産して、自分のトウモロコシを給与し ている人たちがいるということ。2つ目としては、いわゆるトウモロコシの生産地帯の 近いところにフィードロットを持って、トウモロコシあるいは先ほど申し上げたグレー ンソルガムにいわゆるサプリメント、ビタミンとかミネラルをまぜて、それで自分のと ころでまぜてそれを給与しているもの、これが主流だということを御理解いただきたい と思います。ですから、配合飼料工場から買ってきた配合飼料をやるという例は少ない ということです。  それから、アメリカ、カナダは法的な規制、我が国に比べていわゆる現在の飼料規制 の幅はかなり小さいのではないかという御議論があるかと思います。ただ、一方で、早 期に法的な飼料規制をやってきたということも先ほどの年表の方からもうかがえるかと 思います。これはですからどちらがどうということじゃなくて、それぞれの国でかなり でこぼこがあるということで、対応が早かって小さくしているか、おくれて大きくして いるかというところがあるかと思います。  それから現在、これは一つの問題点になるのかもしれませんけれども、豚、鶏の肉骨 粉を牛に給与しているという現状があるということ。ただ、一方にこの豚、鶏の肉骨粉 を牛に給与しているというのは、我が国がとめてるのは先ほども申し上げたように我が 国のえさ産業、静脈産業がいわゆるそれぞれ同じところでやってるというクロスコンタ ミがあるということのほかに、アメリカ、カナダは別々にやってるということがござい ます。これはEUもほとんどの工場がばらばらというようなことで、そういう意味では そのクロスコンタミ対策をやらないといけないのは、我が国の特徴なのかもしれませ ん。それから肉骨粉も同じように、主として畜種ごとの別の工場でつくっているという ことです。  あと、飼料規制の遵守状況ということでございますが、これは新聞でも御存じのよう に、どこの国でも必ずしも100%ということはないということです。これは私どもこ れからしっかりやっていかないといけないと考えておりますが、これはどの国も100 %にまだなっていないという、100%、非常にこれからも共通の課題であろうという ことが考えられます。  私の説明はここまでで、この後は厚生労働省の松本参事官の方に譲らせていただきま す。 ○松本参事官  この後、と畜場での扱いになりますので、私の方から御説明いたします。  次、お願いします。これは米国、カナダでの牛肉処理施設の処理の流れです。基本的 には、我が国のと畜場も諸外国を参考にしておりますので同じような流れになります。  まず、と畜場に運ばれました牛には、スタンニングといいましてスタンガンという器 械でボルトを額に撃ち込んで気絶させます。その後、頸動脈を切りまして放血をいたし ます。その後、前歯の永久歯の生え方で30カ月齢以上を区別いたしまして、30カ月 齢以上と判断されたものについてはマークをつけて、それより若い牛と区別するという ことで流れが変わるわけです。その後、皮をはぎます。その後、頭部を除去するという ことになります。その後、腹をあけまして内臓を摘出する。その後に背割りということ をいたします。背割りに使います鋸は、1頭ごとに消毒をするということです。背割り の後に脊髄除去を、ミーリングカッターで、この後写真を出しますけども、脊髄を除去 いたします。その後、枝肉を高圧洗浄いたしまして、重さをはかって冷却をする。そこ で格付をするという流れになります。  日本のと畜場の違いといいますのは、BSE対策でいえば我が国の場合には念には念 を入れということで、予防的観点から背割りの前に脊髄を吸引除去しておるということ であります。  次、お願いします。これが脊髄除去するミーリングカッターというものでありまし て、この上の方からずっと脊髄をはぎ取って、吸引されるということになります。ちょ っと見えづらいですけど、細かいところまでちゃんととるということであります。  次、お願いします。これが脊髄を除去した後、枝肉を高圧洗浄しているところです。 このように高圧水を吹きつけて洗うということであります。  次、お願いします。また、細かいところになりますと蒸気噴霧式吸引機で枝肉を洗浄 するということであります。  次、お願いいたします。米国におきますBSE対策の概要ですが、米国は米国内でB SEが発生する前に、ハーバードリスク分析センターに米国でのBSE対策についての リスク評価を依頼しておりまして、その後、米国内でBSEが発生して、ここに上げま したように5つの対策を昨年平成16年1月12日から施行したということでありま す。  上の3つについては、次のスライド以降でさらに説明いたします。  空気噴射スタンニングの禁止ということについて。牛を気絶させる際には、ボルトを 牛の額に打ち付けるスタンガンという器具を用いることが多いのですが、特に、すばや く苦痛なく牛を気絶させ、また、長時間の気絶状態を生じさせて人道的にと畜できるよ うにするため、ボルトを打ち付けて額に穴をあけ、その穴から圧縮空気を注入して脳構 造をばらばらにする方式の器具を用いることが認められていました。しかし、この方式 では、中枢神経組織の断片が循環系に入ってしまうということから禁止をしたというこ とです。なお、額に穴をあけても圧縮空気を注入しない方式のものについては使用が認 められています。  BSE 検査中の牛肉は陰性が確認されるまで流通禁止ということについては、義務づけ まではしていなかったということから、これを義務づけたというものです。  次、お願いします。先ほど上の3つと言いましたのは最初の部分です。  歩行困難な牛の食用禁止の基本的な考え方としては、歩行困難になった理由やその時 期に関わらず、歩行困難牛はすべてヒトの食料供給から排除するということです。  したがいまして、例えば、施設への運搬中に外傷を負って歩行困難になったというよ うな場合でも、人道的方法で運搬車から降ろし安楽死させ、その と 体を適切に廃棄し なくてはなりません。  また、運搬中は歩行できていたとしても、運搬車から降ろすときに肢を骨折するな ど、施設構内で歩行困難になった牛についても、同様に扱われます。  歩行困難な牛というのが、映像でよくご存じの神経症状で立ち上がれない牛以外もの も含んでいるということはご理解いただけるのではないかと思います。  そういう歩行困難になった牛は食用を禁止するというように対策を強化したわけであ ります。  次、お願いします。次に特定危険部位の除去についてです。  SRMの範囲については、英国の事例や実験的に感染させた牛の組織の感染性の報告 等の検討をもとに、30ヶ月齢以上の頭蓋、脳、眼、三叉神経節、せき柱、せき髄、背 根神経節、すべての月齢の扁桃、回腸遠位部、ただし除去は確実な除去のため小腸全体 とされています。頭蓋や脊柱については、感染性が認められているのではなく、頭蓋の 内部に眼、三叉神経、脳があること、せき柱の中に背根神経節があることからこれらを SRM に含めているということです。  SRMの除去・廃棄については、施設において最適の手順を実施するには柔軟性が必 要という観点から準拠すべき特定の手順を指示しないが、各施設において、HACCP (危害分析重要管理点方式)、又はSSOP(衛生標準作業手順書)により、SRMの 管理手続きを定めて、SRMを完全に除去し、施設から適切な方法で廃棄することとさ れています。  また、農務省の食品安全検査局(FSIS)は、定められた各施設の手続きが妥当であ り、効果的であるかということを確認することとされています。  次、お願いします。先進的食肉回収システムの規制強化についてです。皆さん方のス ペアリブを食べたときに骨がくっついて残った経験があると思います。業者としては骨 から効率よく肉をはがしたいと考えます。そこで、高圧で骨を破壊することなく、骨か ら肉を肺で採取する方法がございます。それを先進的食肉回収システム(AMR)と言 います。  規制内容としては、脳、せき髄、三叉神経節、背根神経節がAMR を用いることによっ て回収する肉中に混入することがないようにするものです。  したがって、30ヶ月齢以上の牛の頭蓋骨、せき柱以外の骨、例えば、30ヶ月齢以 上の牛の肋骨や肩胛骨の部位、30ヶ月未満の牛の頭蓋骨から AMRを用いて肉を機 械的に分離することは可能とされていますが、30ヶ月例未満の牛の頭蓋や脊柱を用い た場合でも、食肉への脳、三叉神経節、せき髄、背根神経節の組織の混入は禁止されて います。  このように先進的食肉回収システムの規制強化ということを打ち出したわけでありま す。  次、お願いします。次に、SRMのリスク管理の措置の比較でございます。  まず、BSE の範囲について米国、カナダとの比較したものです。  頭蓋等の部位という点では、各国ほぼ同一ですが、頭蓋、せき髄、せき柱について は、日本では全月齢を対象としているのに対し、米国、カナダでは、30ヶ月齢以上と なっています。  また、扁桃については、日本、米国が全月齢、カナダが30ヶ月齢以上となってお り、腸については、日本では、全月齢の回腸遠位部をSRMとして除去することとされて いますが、米国、カナダでは、全月齢の回腸遠位部とするけれども、この部位の確実な 除去のため小腸全体を除去することとされております。  次、お願いします。  SRMの除去・汚染防止について比較したものです。  牛を気絶させるために行うスタンニングは、日本、米国、カナダとも同様に実施して います。  ピッシングについては、日本では、約7割のと畜場で実施されている状況で、ピッシ ングを中止していると畜場の事例集を提示して中止に向けての取組みをさらに指導して いるところですが、米国、カナダでは、禁止されており、この点の問題というのはござ いません。  また、SRMによる汚染防止措置については、日本では、SSOP(衛生標準作業手順書) を作成することとしており、また、背割り前のせき髄除去についも指導を行って、と畜 頭数ベースで約9割がこれを行っているという状況です。  我が国のこの指導については、予防的な観点から念には念を入れて背割り前の脊髄除 去を指導しているということであり、研究班での調査研究の中では、背割り後の脊髄除 去であっても高圧洗浄を行うことで十分効果的という結果ではありました。  一方、米国、カナダでは、と畜処理施設へのHACCP の導入が義務づけられている状況 であり、各施設に対してHACCP(危害分析重要管理点方式)又はSSOPの中で管理手続き を定めなければならないとされています。  なお、脊髄除去については、先ほどご説明したように背割りの後で吸引除去するとい う流れになるかと思います。  次に、BSE検査の取り扱いでございます。次、お願いします。  まずは、BSE検査の目的という観点から、米国・カナダと日本を比べてみました。  米国・カナダは、BSE検査は浸潤状況の把握、対策の効果の確認のためのサーベイ ランスを目的として検査を行っています。  一方、日本では、米国・カナダと同様のサーベイランスを目的として検査を行ってい ますが、これだけではなく、食肉の安全の確保という目的も併せ持っています。サーベ イランスとしては、死亡牛の検査などやと畜牛の検査があり、食肉の安全の確保の観点 からはと畜牛の検査があります。  次、お願いします。  BSE検査がどういった牛を対象として行われているかを取りまとめています。  米国では、と畜場で約2万頭程度を対象としている他、昨年6月から、リスク牛を対 象として強化サーベイランスが行われています。ここには当初の計画頭数として20〜 27万頭程度を掲げておりますが、先ほど説明いたしましたように、既に32万頭程度 の検査が終了しています。  カナダでは、リスク牛を対象としたサーベイランスが行われており、その頭数は今年 から3万頭以上を目標としています。  次、お願いします。続きまして、牛の個体識別制度について。これはBSEの感染牛 が出たときなど、追跡調査がしやすいように考えられたシステムですが、牛の個体識別 制度というものがあります。  次、お願いします。これは各国の個体識別制度であります。  ごらん頂いていますように、カナダ・日本では既に義務化されています。一方、米国 では、現在国を中心としてその普及に努めており、2009年を目途に義務化しようと していますが、現段階では任意です。  この制度で把握できる情報ですが、 (1)いづれの国も個体識別番号を付し、また、出生農場は把握することができます。 (2)一方、日本では、出生年月日は登録が義務化されています。 (3)カナダでは、出生年月日の登録は義務化されていませんが、本年からこれを入力 できるようにシステムが改善されており、生産者は任意で出生年月日を登録することが できるようになっています。  このように、日本とカナダでは、個体識別制度で月齢の確認をすることができます。  米国の場合には一部導入されているものがありますけども、まだ導入されてない部分 が多くあるということであります。これは次に話します輸入再開に当たっての月齢をど うやって確認するかというところに関係するわけであります。  次、お願いいたします。以上米国あるいはカナダの肉牛産業構造あるいはBSE対策の 内容につきまして説明いたしましたけども、それらを踏まえまして私ども厚生労働省と 農林水産省が米国産及びカナダ産牛肉の輸入再開についてどのように考えているかとい うことについて説明いたします。  次、お願いします。今後、米国産及びカナダ産の牛肉の輸入再開につきまして、食品 安全委員会に諮問をしたいと考えておりますが、その内容といたしましては、米国、カ ナダから輸入される牛肉について、我が国で流通する牛肉とのBSEのリスクの同等性 がどうであるかということが一つ。かつ、その対象となる牛肉は米国及びカナダでとら れています現在の国内規制と、日本向け輸出プログラムということで上乗せの規制管理 がされますけども、その上乗せの管理がされた牛肉が対象となるということでありま す。  ここで、日本向け輸出プログラムとありますけども、これについて説明いたします。  次、お願いします。  日本向け輸出プログラムは、米国やカナダで国内流通する牛肉とは異なり、日本向け に輸出される牛肉に適用されるいわば日本向け輸出牛肉の条件です。このプログラム で、ここに掲げております2点を担保することとしております。  一点目は、上段に掲げてありますように、輸出される牛肉は20ヶ月齢以下であるこ とです。  二点目は、特定危険部位をあらゆる月齢から除去することです。  こういった条件については、日本側が査察を行うことで確実に履行されていることを 確認しようと考えています。  それでは、これから、この条件をどのように証明或いは履行していくかについて説明 します。  次、お願いします。  まずは、20ヶ月齢以下の牛であることの判別の方法です。  米国については、生産記録で確認するか、あるいは生理学的成熟度を用いて確認する こととしています。  カナダについては、先ほど説明した、個体識別制度により確認することとしていま す。  米国について、さらに詳しく説明します。  次、お願いします。これは先ほど一番最初に生産農家で6カ月、育成農家で大体半年 から8カ月、フィードロットで3〜4カ月育てられてと畜に回されます。その多くは大 体15カ月から18カ月ぐらいで米国ではと畜されておりますけども、20カ月齢以下 の牛ということを確認する必要があるわけです。  米国では、大きく分けて2つの方法で月齢を判別することとしています。  まずは、左側に掲げてありますが、生産記録による証明です。  個体毎に月齢を証明する記録がある場合、これを利用します。  次に、群毎の月齢の証明ですが、米国では、子牛はほぼ同じシーズン、春と秋に大き く分かれますが、このシーズンに生まれます。同じ群で同じシーズンに生まれた牛は、 その群で始めに生まれた牛の生年月日を持ってその群の牛全ての生年月日とします。従 って、同じ群の牛は、その生年月日よりも前に生まれたことにはならないという仕組み です。  次いで、右側に掲げてありますが、枝肉の生理学的成熟度による判別です。  米国では、食肉のグレードを格付する際に、肉質等級だけでなく、牛の生理学的成熟 度についても判定し、総合的に格付を行っています。生理学的成熟度、マチュリティと 呼ばれていますが、これを用いても牛の月齢を把握することが可能です。  このマチュリティについて、さらに詳しく説明します。  次、お願いします。  マチュリティは若い牛からA、B、C、D、Eと5段階に区分され、それぞれの段階が さらに区分されています。  ここには、A40とA50とを示してありますが、40,50,60と増えるに従っ て、月齢が進み、一方30、20、10と減るに従って、月齢が若くなります。  この表は、米国で用いられているマチュリティの判定基準のうち、輸入再開に当たっ てその牛が20ヶ月齢以下であることの証明に使用しようとしている区分であるA40 と、それよりも月齢が進んでいるA50について示しました。  両者の違いは、青色で示してあります。  牛の背骨のうち、骨盤の部分にある「仙椎」と呼ばれる部分と、その少し上にある 「腰椎」の部分で両者の違いが最も鮮明になっています。  背骨は、椎骨と呼ばれる骨がいくつもつながってできています。加齢により、この椎 骨同志のつながりが強くなっていきます。  例えば、仙椎についてみると、A40では椎骨は一つ一つ明確に分離しています。一方 A50では分離はしていますが、あまり明瞭にはわかりません。また、皆さんが背中を 触ると背骨にごつごつしたものを感じると思いますが、これが椎骨のきょく突起と呼ば れる部分です。A40ではこのきょく突起の上部の部分、ここでは「上部」と書いてあり ますが、そこに相当の軟骨が残っていますが、A50ではその量がA40ほどではありませ ん。  また、腰椎についてみると、やはりきょく突起の上部がA40では骨化が進んでいない のに対し、A50ではほぼ骨化してしまっています。  これについて、写真で説明します。  これは、腰椎の部分の棘突起(きょくとっき)と呼ばれる部分の写真です。  左の写真が、A40に格付けされたものです。上部に白い部分が見えますが、これが軟 骨の部分です。  右の3枚の写真は、左から、軟骨だけのもの、部分的に残っているものの一部骨化、 言い換えると骨に変わってしまっているもの、、骨に変わってしまったものを示してい ます。  A40では、この左あるいは真ん中の状態です。A50になると右の状態になります。  こういったマチュリティについては、日本でも専門家の方々に検討いただきました。  よくテレビ等で肉質で月齢を判別すると言われますけども、この棘突起の軟骨の骨化 でA40とA50が判別できるということです。  次、お願いします。これが今年(平成17年)の2月に出ました月齢判別についての 検討会の報告書であります。4つまとめてありまして、A40の評価決定ポイントは高 い精度での判別が可能、牛枝肉の生理学的成熟度を客観的に判別する基準としては適当 だという結論をいただいております。  また、A40を基準として採用し得るか否かの判断は、統計学的分析による数値のみ でなくて米国産牛肉のBSE感染リスクの程度の評価とあわせて評価すべきだという御 意見もいただいております。  次、お願いします。3番目として、A40を基準として用いた場合、統計学的分析か らは21カ月齢以上の牛の枝肉がA40以下と評価される可能性は1.92%以下と。  仮にA40を基準として採用する場合には、評価結果の記録・保存が必要ということ で、これは先ほど申し上げました日本に向けて輸出するときの輸出プログラムに反映す る。  また、今回の評価にはおのずと評価するためのデータに限りがありましたので、追加 的な検証または事後のフォローアップが必要という専門家の御意見をいただいたところ であります。  次、お願いします。  次に、日本向け輸出プログラムのSRMの除去についてでございます。  SRMについては、全月齢からのSRM除去、これは我が国と同じ範囲をSRMとし て除去するということです。  また、SRMの除去等について、各施設に対しては、HACCP計画又はSSOPに 基づいて実施するということで、  SRM除去、分離、廃棄のための手順を作成し、それを実施すること  実施や監視に関する日報を記録すること  を求めております。  そして、各施設が有する管理計画についてUSDAが検証を行い、さらに日本側によ る定期的査察も行うという形で実施面での担保をしていくこととしております。  次、お願いします。  いずれにしましても、米国、カナダ産牛肉の輸入再開については、我が国と同等の安 全性が確保されるということが基本的な考え方です。  今後、食品安全委員会に米国産、カナダ産牛肉について、国産牛肉とのBSEリスク の同等性について評価を依頼することになりますが、現在の米国、カナダで講じられて いる国内措置の下で、20ヶ月齢以下の牛由来の牛肉であり、全月齢からのSRMの除 去がなされるという基準に合致するものについて、国産牛肉と同等の安全性が得られる かどうかというような評価を依頼することを考えております。  ちょっと長くなりましたが、御清聴ありがとうございました。 ○司会  それでは、ここで会場のアレンジがありますので、10分程度休憩を設けます。                   〔休憩〕 ○広瀬企画情報課長補佐  それでは時間となりましたので、これから意見交換に入りたいと思います。  まず、出席者の紹介をさせていただきます。  皆様の方から見て一番右から順に、内閣府食品安全委員会事務局の西郷正道リスクコ ミュニケーション官になります。 ○西郷リスクコミュニケーション官  よろしくお願いします。 ○広瀬企画情報課長補佐  その隣が農林水産省消費・安全局消費者情報官の姫田尚さん。 ○姫田消費者情報官  よろしくお願いいたします。 ○広瀬企画情報課長補佐  その隣が厚生労働省大臣官房参事官の松本義幸でございます。  私は企画情報課長補佐の広瀬と申します。よろしくお願いいたします。  それでは、意見交換の方法についてですが、まず最初に米国、カナダのBSE対策の 現状について先ほど説明申し上げましたけれども、まず不明な点等についての御質問を いただきたいと思います。その質疑応答の終わった段階で、輸入再開に当たっての考え 方も含めて意見交換というふうに進めていきたいと思います。  なお、なるべく多くの方々に御発言いただきたいというふうに考えておりますので、 大変申しわけありませんが、御質問、御意見ともお一人様当たり2分以内で簡潔にお願 いしたいと思います。  また、御発言に先立ちまして、お名前と、差し支えなければ御所属の方をお願いいた します。  時間についてですが、1分半で1回、2分たちましたら2回ベルを鳴らしますので、 大変申しわけありませんけれども、時間厳守で次の方にお譲りいただければというふう に考えております。  それから、本日意見交換会でございますので、やじ、拍手その他の意見交換の妨げに なる行為がありました場合には、場合によってはご退席いただく場合がございます。こ のような妨害になる行為はお控えいただきますようお願いいたします。  それでは、米国、カナダのBSE対策等の現状について、まず質問をいただきたいと 思います。  発言される方のところに係の者がマイクをお持ちしますので、お名前、それから差し 支えなければ所属を申していただき、それから意見を言っていただければと思います。  それでは、御質問のある方、挙手をお願いいたします。  一番前の人。 ○参加者1  サニクリーンの感染対策室の長井と申します。よろしくお願いします。  先ほど御説明ありましたカッターその他の消毒ということを聞きましたが、そのレベ ルで果たしてプリオンが除去できるかということなんですが、それとこれ先月ちょっと 聞いたことですが、実際に工場で働いてる方、例えば吸引それからその他作業中の手 袋、ガウンはそのままで通しているというのを聞きましたが、そのレベルで実際工場の 中でクリティカルな環境を保てるのかどうかというのをちょっとお聞きしたいんです が、それに関してお願いしたいんですけど。 ○広瀬企画情報課長補佐  参事官。 ○松本参事官  一々現地に行って確認したわけじゃありませんけども、一応今、米国に厚生労働省の 職員が調査に行っております。  カッターの消毒でありますけども、先ほど申し上げましたように専門家にいろいろリ スク評価を依頼し、かつ作業手順等を決めてやっておりますので、リスクを下げられる と考えております。  ですから、先ほどガウンあるいは手袋等についてのお尋ねがありましたが、事細かく 承知しておりませんけども、それなりにきちっと対応しておると聞いております。 ○広瀬企画情報課長補佐  追加の質問とかございますか。 ○参加者1  SSOPそれからHACCPでのことでちょっとお聞きしたいんですが、関連するん ですが、例えばそのSSOP、CCPの部分なんですが、これらの検証はアメリカ、カ ナダがやってると聞きました。日本政府として、それを今度監査に入らないといけない と思うんですね、オーディットですね。それらのことについて、向こうのCCPはどれ だけのもんが取り入れられているか、それからそれに対する許容限界、それ何回逸脱し て是正されたか。全部記録があると思うんですが、そういったものを監査に入らない限 りこれははっきりしたことはわからないんじゃないかと思います。その辺もEUから日 本の水産がやられたように、日本もBSEに関してはそのぐらいのかたい意志で臨んだ 方がいいんではないかと、かように思います。 ○松本参事官  先ほど説明した輸出プログラムは、全頭からSRMを除去するなどの条件を満たせる として登録されたと畜場だけが日本に輸出できるというものです。米国の825カ所の と畜場全てが対象となるものではありません。  だからと畜場等については、米国としてもきちっとチェックしていただくことになっ ておりますし、我が国としても専門官を派遣して、今おっしゃったようなことも含めて つぶさに見て確認したいと考えております。  当然、やってるやってると言いながら実はそうではなかったということになったら困 りますので、定期的に現地へ立入調査をやるということには考えております。またそれ は今後の日米との協議でも当然主張していくべきことだと思っていますし、大体そのよ うなことで進んでおります。  ちなみに、我が国でBSEが発生して以来、日本からの牛肉の輸出がとまっておりま すけども、米国からもことしの1月にそういう専門家が来まして、そこの日本で輸出で きる設備を持ったと畜場がありますけども、そこに来て事細かに調べていきました。だ から似たようなことをやるということになると思います。 ○広瀬企画情報課長補佐  よろしいでしょうか。  ほかに、御質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。  それでは4列目の方。 ○参加者2  主婦の岡崎です。子供たちが将来食べる肉で安全が一番大切と思うんですが、日本は 全頭検査で、それで都道府県すべて、この間、二、三日前、全頭検査するというふうに 新聞に発表されましたが、どうしてアメリカに全頭検査をしてほしいと要求できないん でしょうか、その辺をお聞かせ願いたいんです。 ○広瀬企画情報課長補佐  参事官、お願いいたします。 ○松本参事官  平成15年12月に米国でBSEが発生して、輸入をとめましたけども、その後、昨 年(平成16年)の早い時期から米国は輸出をしたいといって言ってきて、昨年の4月 以降、何回か日米協議をやりました。そのときには当然日本に輸出する場合には我が国 の規制を守ってくれと。それはどういうことかというと、全頭検査の実施を求めており ました。食品安全は科学的合理性に基づいた政策でやる必要があると考えておりまし て、これまで3年間やってきた我が国のBSE対策が科学的な目から見てどうかというこ とで、食品安全委員会に評価をいただきました。それで国内対策について、BSE検査は 20カ月以下をしなかったとしてもリスクとしてはほとんど変わらないと答申いただき ましたので、BSE検査は21月齢以上に変更しようと考え、広く国民の皆さん方からの 意見を求めているところであります。  国内対策が変わってBSE検査は21月齢以上になり、20カ月以下は検査しなくてい いということになったときに、20ヶ月齢以下のBSE検査を引き続き自治体独自でおや りになるか先般調査しましたら46都道府県で実施するとの回答でした。何月何日から ぴたっと変更すればいいでしょうけども、現場での混乱を回避する必要があるとの判断 で地方自治体で20ヶ月齢以下のBSE検査を継続されようと考えられた結果だと思いま す。安全とはちょっと観点が違うのではないかと考えております。国内対策が21月齢 以上に変われば、当然我が国の規制に合わせる必要があると考えておりまして、米国等 に全頭検査を求めることは考えておりません。 ○広瀬企画情報課長補佐  今のところで特に何か御不明の点とか、もしくは追加で聞きたいことございますか。 今の御回答で大体よろしかったでしょうか。  関連するということで、それではそちらの方。 ○参加者3  消費者団体の広島消費者協会の中原と申します。ただいま説明を聞いておりまして、 ちょっと2点ほど。  まず1点目は、本来ならば20カ月以下ということであるのに、きょうの説明はほと んど30カ月というのがキーワードになってたと思うんですね。それを聞きながら、今 は20カ月以下と決めていらっしゃいますが、おのずと今後は30カ月というキーワー ドになるのではないかというちょっと危惧を持ちましたので、その辺のことについて1 点目と、それから今の質問に関係するんですが、日本は全頭検査といって消費者に安全 安心を与えてきましたけども、日本で発生したBSEについても、その原因すらまだ私 たちは正しく理解していないという状況で、米国産の牛肉の輸入ということとの関係で も20カ月になったというのは関連があるのではないかという疑問を持っております。  それともう1点、今、説明をお聞きしますと、いわゆる量について、いわゆる汚染の 量についての説明が一切なかったと思うんですよね。感染するには量というのも我々日 常生活で食事の中からは考えられるのではないかと思いまして、済みません、以上でご ざいます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  参事官の方からお願いいたします。 ○松本参事官  まず、30カ月については、これはあくまでも諸外国がそうなっておるということで の説明であります。  今、我が国の対策を見直そうとしているのは、答申が出たように21カ月齢以上とそ うでないところについてはリスクが変わらないということがありますので、今、ゼロ月 齢というのを21月齢に変えたいということでありまして、現状ではまだその段階であ ります。  平成13年10月からBSE対策をやってまいりまして、ほぼ3年以上たちました。 ほぼ3年たったところで食品安全委員会で科学的に評価いただいたわけであります。施 策はやはり適時適切に見直して、必要があれば変更していく必要があると思っておりま す。まずはBSE検査の対象をゼロ月齢以上を21月齢以上に変更するものですが、将来 的にどうかと言われますと、変更後ある程度たっていろんな御意見があり、科学的にも どうか、汚染の状況あるいは飼料規制も完全にやっておりますので、そういう点から科 学的にどうかということで評価されれば、その時点でまた見直すべきものであろうと考 えておりまして、今現時点でどうこうということは考えておりません。まずは食品安全 委員会で評価いただいた線に従って、国内対策を見直すことで進めていきたいと考えて おります。 ○姫田消費者情報官  感染原因につきましては、現在17頭出ているわけなんですけれども、それぞれにつ いて、都道府県の御協力を得ながら、どういうふうにえさをやってたかとか、どういう 牛と一緒に飼ってたかということで、最終的にはどこからえさが来たかというようなこ とで原因究明をしております。  まず、その中で原因究明委員会ということで、まず1から7頭目までのデータを見て 先生方に検討していただいたんですが、その中で最終的にはやはり7年も8年も前にえ さをやったのが感染したんだろうということでございますので、残念ながら当時は牛肉 のトレーサビリティー制度もございませんでした。それから、えさを売買したりの記帳 義務も法律では2年しか規定されておりませんでしたので、最終的にはわからなかった ということです。ただ、そのときの原因としては、一つはイタリアから輸入された肉骨 粉が、加圧すれば大丈夫と言われているのが、133度3気圧30分間加圧、加熱すれ ばプリオンが不活化されるということでございますが、それが機械が故障してて不十分 だったんじゃないかと。その肉骨粉ではないかということが一つ言われております。  それともう一つは、BSEが発生のかなり早い時期にヨーロッパから輸入された生き た牛が入ってたということ、こういう2つの原因があるんではないか。  もう一つは、よくマスコミに言われております代用乳の中に何か入ってたんじゃない かということが言われておりますが、3つ目については科学者の先生方の間で否定され ております。ですから、最初の2つの原因の可能性が高いと言われているところまでで ございます。  8頭目以降についてもそれぞれ調べておりますが、残念ながらこれというところまで はいっておりません。それぞれ今も原因究明は追いかけてるという状況でございます。  別に言いわけするわけじゃないんですけども、世界的にもまだ原因が、感染原因はこ れは食品安全委員会の金子先生も、仮説ということじゃなくてもう一定の定説だと考え ていただいていいけれども肉骨粉だとおっしゃっておりますが、ただ、現在世界的に感 染経路が解明された国というのはないというのも残念ながら現状でございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  それから、量のところにつきまして西郷リスクコミュニケーション官から。 ○西郷リスクコミュニケーション官  食品安全委員会でございます。  どのくらい食べたらBSEになるのか、あるいは人へのリスクはどうかということで すが、きょう参考でお配りしております食品安全委員会の評価書「我が国における牛海 綿状脳症(BSE)対策に係る食品健康影響評価」の24ページを見ていただきましょ うか。24ページの一番下に「3.2.1.3.1 感染価に関する考え方」というと ころがございます。これまでに得られた事実ということで、英国での感染実験データ、 それから次のページにわたってBSE検査に関連するデータとございますけれども、プ リオン専門調査会の議論では、この英国における実験、4カ月齢の子牛にBSEを発症 した牛の脳100グラムを食べさせたと。それで経過を見ていくと、6から18カ月で 回腸遠位部。これは実験ですからたくさん牛に食べさせて、何カ月かして1頭か2頭ず つと殺していってどこに感染しているかというのを見ていくというような壮大な実験で ございますけども、そうやっていくと、投与後6から18カ月で回腸遠位部に感染性が 認められ、32から40カ月で中枢神経系に感染性が認められ、臨床症状は投与後35 カ月経過後に見られたと。臨床症状というのは、要するにいろんな症状を示すというこ とでございます。  次のページですが、本実験結果からBSEを発症した成牛のBSE総感染価は、です からあれですけど、脳1グラム当たりを10ID50とする。ちょっと難しいけども、 ID50と申しますのは2匹牛がいた場合、それを何かの量を食べさせた場合に2匹のう ち1匹は感染するというんですね。ですから確率の話なんでございますけども、それぐ らいの量ということでございますが、仮定すると約8,000ID50、1グラムの感染 価が10ID50と仮定すると、発生した成牛は全部で8,000ユニットぐらいあると いうふうなことを言われている。  これは話ちょっと難しいですけども、次の段落に用量反応ということで、これも乏し いデータの中からでございますけども、唯一のデータで発症牛の脳300グラムから1 グラムまでと1グラムから1ミリグラムまでを経口投与した2つの実験、これも数頭対 応でしか実験してないんであれでございますけども、最後見ていただきますと、300 グラムから1ミリグラムの経口投与では0.38グラム、あるいは1グラムから1ミリ グラムについては脳1ミリグラムでも1頭感染した例もあったというふうなことが言わ れているということでございます。  ですので、量についてはまだ実験でもそれよくわかってないけれども、ちょっとの量 でも感染したということもあるし、かなりの量でも感染しないということも例としては あるということでございますけど、その程度のことしかまだわかってないというか、そ の程度のことがわかっているというようなことがここにまとめているところでございま す。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  それから、輸入との関連で20カ月が関連するのではないかというような御意見もあ ったかと思いますが、松本参事官の方から。 ○松本参事官  食品安全委員会で評価をいただいたのは、あくまでも国内対策の評価でありまして、 全く直接の関係はありません。ただ、寺田委員長がいみじくもおっしゃってましたけど も、不幸なことに米国でのBSE発生があっていつも輸入再開に絡められるけども、あく までも食品安全委員会が取り組んだのは、平成13年の10月から始めた我が国のBS E対策についてどうであったかということ。特に昨年のリスクコミュニケーションでも いろいろ説明しましたけども、日本で最初のBSEが発生した当時大変混乱し、科学的に はどうかという意見もありましたけども、その混乱の鎮静化ということもあって全頭検 査に踏み切った背景があります。それから3年ほど経ち、科学的にどうかを評価いただ いたのが食品安全委員会の評価でありまして、米国の牛肉輸入とは直接的な関係はあり ません。 ○広瀬企画情報課長補佐  よろしいでしょうか。  ほかには御質問いかがでしょうか。  まず真ん中辺の方。 ○参加者4  福山の大森と申します。3つ御質問させていただきます。  アメリカでのSRMの除去はフードチェーンから外されて、フードチェーンの中に入 ってこないということなんですが、外されたSRMはどのように処分とかあるいは使用 されているのか。あるいはその情報はどういうとこから確認されているのかというのが 一つお伺いしたいとこ。  2つ目は、今行かれてるという米国、カナダの現地調査があると思うんですけれど も、これは行かれてるとこの衛生レベルとか、あるいはその選定ポイントと調査のポイ ントというのを教えていただきたい。  3つ目はちょっと国内の話で申しわけないんですが、先般出ました食品健康影響評価 の中で、食品安全委員会の方は人に対する食品健康影響は非常に低いレベルの増加にと どまるということが出てるんですが、それを受けて厚生省の方でスクリーニング検査を 21カ月以上すると出てると思うんですが、その非常に低いレベルの増加にとどまると いうのはどう解釈して21カ月以上のスクリーニングにしようとしているのかというと ころを、その3つお伺いしたいと思います。 ○広瀬企画情報課長補佐  それでは、最初に姫田情報官の方から。 ○姫田消費者情報官  アメリカでの除去されたSRMはどうなっているかということでございます。先ほど 私の話の中にもありましたけど、アメリカで今、除去されたSRMの入った肉骨粉を豚 や鶏に給与するのをやめる方向にあるということでございますので、今現在はほかの部 分と同じようにレンダリングされて肉骨粉になっております。ただ、それは牛に行かな いということで、豚や鶏に行ってるというような状況になっているということでござい ます。  現地調査は、どちらかというと厚労中心班と農水中心班とがありまして、いわゆるえ さ工場やえさの生産過程を見ているところと、それからいわゆると畜場を見ているとこ ろという2班が今行っております。 ○松本参事官  あのような表現になっておりますけども、基本的にはリスクが低いということで判断 したというところであります。 ○西郷リスクコミュニケーション官  もうわかっていらっしゃるんだと思うんですけど、この参考1で配付させていただい ているものが一番かと思っています。「2.評価結果の概要」というのがございます。 これが結論部分の抜粋でございますが、ここに「(1)と畜場におけるBSE検査対象月 齢の見直し及び検査技術に関する研究開発の推進」とございます。この中で下線を引い てあるところを見ると、こういう言い方になってございます。食肉の汚染度は全頭検査 した場合と21カ月齢以上検査した場合、いずれにおいても「無視できる」から「非常 に低い」と推定されたと、こういうふうに書いてあるわけでございます。その後に定量 的にも同じようなことが言われて、これらの結果から検査月齢の線引きがもたらす人に 対する食品健康影響(リスク)は非常に低いレベルの増加にとどまるものと判断される と。これが食品安全委員会の評価の結果ということになってございます。  なぜこんな評価になったかと申しますと、また先ほどのこの本文の16ページを見て いただくと、そこに表1というのがございます。これが定性的評価の結果をまとめたも のでございますが、これを見てみますと、この表1「BSE対策の有効性を踏まえたB SEプリオンの生体牛における蓄積度と食肉への汚染度評価」。ちょっとわかりにくい 表題ですけれども、この下を見ていただきますと、右側に全頭検査した場合、それから 21カ月齢以上を検査した場合について、例えば侵入リスクはどうか、飼料規制につい てはどうかとずっと比べていった場合、当然のことながら検査については、と畜場のE LISAテストは20カ月齢以下は検査しないというのがありますけど、その他につい ては基本的にリスクについては定性的に言って変わらないというふうな結果にプリオン 専門調査会の御議論ではなったということでございます。  あと、リスク評価について、本当はきちんと数字でもって計算していくというのが本 当のリスク評価ということなんでございますけど、いかんせんいろんな御議論ではデー タが少ないとか、データがあってもそれを計算して意味があるかといったような御議論 がありまして、定量評価の方も似たような結果にはなってございますが、それは試算と いう形で、実際にはこの定性的な評価を主に使って評価結果が出たということになって ございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ということは、恐らくほとんど増加しないと解釈してもよいのでしょうか。 ○西郷リスクコミュニケーション官  はい。例えばきょうは時間があまりありませんが、定量的評価のところを見ていただ きますといろいろ、これは試算でございますけれども、検査をしなかった場合について はちょっとリスクは増加するという計算が出ておりますけども、ただ、増加しても非常 に小さいということで、「無視できる」から「非常に低い」中でおさまるという評価を していただいているというところでございます。 ○松本参事官  あと、もう少しその評価につけ加えまして、確かに非常に低いレベルの増加というこ とがありますけども、ただ、現行の飼料規制、完全な規制が、2001年の10月から 実施されまして、ことし2005年になりますので、相当期間が経過している状況から 考えますと、2003年の7月以降に生まれた牛は、一応20月齢というのはそこらあ たりになるわけですけども、その牛の中に21カ月齢以下の段階で検出限界を超えるB SEの感染牛がいることは考えにくいと我々としては受けとめまして、要するに21月 齢ということに変更することを考えたということであります。 ○広瀬企画情報課長補佐  それから、済みません、調査に行ってる人たちの対象としている検査とかそういう場 所のレベルとか、また調査のポイントとかという御質問もあったかと思うんですが、恐 らく調査のポイントについては本日お話ししているような対策をきちんとやっているの かとか、それが守られているのかどうかというようなことが調査ポイントになるかと思 います。  それからレベルについては、いろんなレベルがあるので一概にどのレベルかというの は私も今把握しておりませんが、通常我が国に輸出するというところで考えられるレベ ルということで想定して行っているというふうに考えております。  御質問いただいた方、今のでよろしいでしょうか。  それから、先ほど手を挙げられていた方、前の方でお二方いらっしゃったかと思うん ですけど、それでは真ん中の方。 ○参加者5  済みません、前場と申します。牛の個体識別制度のところで、米国は任意になってカ ナダと日本は義務になっているということで、米国も2004年に導入というふうに書 いてあるんですけれども、任意ということは、きょう現在そのことをしている場所もあ るというふうに思うんですけれども、それは例えば今日本に輸出をできる規模を持った ところの工場がそういうところの中に入っているのかどうか。  それから、数年後をめどに完成予定というふうに書いてあるんですけれども、今のよ うに輸出に対して非常に積極的な米国としてはこれは数年後ではなくて、であればもっ と具体的な年数がここに書き込まれる可能性があるのかどうかということについてちょ っとお聞きしたいんですけれども。 ○姫田消費者情報官  まず、牛の個体識別制度についてというか、トレーサビリティー全体についてちょっ と一言申し上げたいんですけど、まずトレーサビリティー制度というのは、それぞれ生 産過程とか流通過程が明らかになるための制度でございます。ですから、食品の安全性 とは全く関係のない制度だということはまず御理解いただきたいと思います。  牛のトレーサビリティー制度についても、先ほど御質問があったように追いかけられ なかってわからなくなりましたということを言わざるを得なかったということで、要す るにBSE発生牛が出たときにその過去にどういう前歴があったかということが明確に なるようにしたいということが法律の基本でございます。ですから、それで安全か安全 じゃないかということじゃなくて、それをどう追いかけられるかということでBSEの 解明につなげたいということが第1点。  第2点は副次的効果ですが、乳雄が和牛に化けてたりしないようにするという、これ は経済的な効果でございますが、そういうことが基本でございます。  あるいは一般に野菜とかでやってる制度も、これはどちらかというと生産者が自分た ちがこんなふうにつくってますよということで付加価値を高めるという制度でございま して、別にその生産者の顔が見えたから安全ということではないということも御理解い ただきたいと思います。  牛の個体識別制度でございますが、これ我が国は2003年12月から義務化された わけでございます。そしてカナダが2002年7月から義務化されておりますが、生年 月日についてはまだ2005年から任意で実施ということで、今一部任意で実施し始め てるところがございます。カナダはこれを使ってできるだけ20カ月齢以下というのを 証明したいと思ってるようでございます。アメリカについても、2004年から一部任 意で導入されておりますが、まだかなり数字的には非常に少ない状態にとどまってると いうことを聞いております。ただ、それでデータがあるところもあるということも事実 でございます。数年後というのは、まだこれは一部に2009年と言ったとか言わない とかいうようなぐらいの話が聞こえておりますが、これ2004年に数年後ということ でございますので、そのあたりになるのかなということで、これはまだアメリカの国内 で決定はしてないという状況でございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  それから、あとこちら側の列の方でもお一方。そちらの方、お願いします。 ○参加者6  桜井といいます。主婦です。先ほど消費者協会の方の御質問のときに、量が問題と言 われたときは、あれは摂取する方の量のことを言われたと思うんですけど、じゃないで すか。何か感染のときの量のことを先ほど言われたようなので、恐らく人間が摂取した 場合の量のことを聞かれたんだと思ったんですけど。  それに関連しまして、アメリカはほとんど20カ月前後が牛肉になってるんですよ ね。90%ってさっき書いてあったと思うんですけど、それでアメリカの人たちはそれ を食べ続けているわけですよね。それでクロイツフェルト新型ヤコブ病ですか、あれに なっていらっしゃる方はどのぐらいいるというのを把握されていますか。何か今、人体 実験中のアメリカ人に日本人が加わるいうような感じがしていけないんですが。 ○西郷リスクコミュニケーション官  量のことについて先にお答えいたします。  先ほど確かに感染価のことを申し上げました。牛は、BSE牛の脳を1ミリグラム食 べただけでも感染した例はあるということは申し上げました。  人に関しましては、全くわかっておりません。人間はイギリスが中心でございますけ れど、世界中でもまだ百数十人しかいなくて、いろんな調査が行われておりますけど も、どれだけ汚染された肉があったかということもまだわからないといいますか、どの 肉を食べたらなったのかということについてもなかなかまだわかっていないようで、一 番例があるイギリスでもわからないということでございます。どの程度食べたら人間は 変異型のvCJDに感染するのか、あるいは発病するのかといったことについてはまだ わかっていないという御議論になっていたかと存じます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。 ○西郷リスクコミュニケーション官  あとアメリカのvCJD患者は何人いるかという御質問ですが、これも実はプリオン 専門調査会でそれが議論されたわけではないんですけれども、よくアメリカが言ってお りますのは1名ですね。イギリスに若いころずっといらした方が、女性だったと思いま すけれども、アメリカに引っ越された方がそういう診断をされたということを聞いてお ります。それだけだと思います。 ○姫田消費者情報官  ちょっと古いデータになりますので人数はあれですけど、vCJDで亡くなったとさ れてる方はイギリスで2003年12月1日なんですけど137名、ほかに6名が存命 中。フランスで6名、アイルランド、イタリア、香港、米国、カナダで1名ずつです が、この方々は英国との関連が疑われると言われておる例でございます。我が国でも同 じように英国との関連が疑われる例ということでありまして、それぞれイギリスでの滞 在経験がある方でございます。あと、フランスの方6名の中で一部、滞在経験がない 方、それからオランダで滞在経験がない方がいらっしゃる。ですから、イギリスでの滞 在経験がない方で出てるのはフランスとオランダだけでございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。 ○姫田消費者情報官  イタリアはそれがわからないということでございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  よろしいでしょうか。  ほかに御質問のある方、いらっしゃいますか。  前の方、お願いします。 ○参加者7  広島県の延安といいます。農協の職員ですけど、きょうは労働組合、全国農団労の役 員という立場で参加させていただきました。  先ほど一番最初の質問で、県の方では自主的に3年でしたっけ、全頭検査を続けられ るという話があったと思うんですけど、それに対してそちらの御回答というのは、現場 というのはと場ですよね。と場での混乱を回避するためにそのような対応をとられたん だろう、そうじゃないですか。消費者の方ですか。 ○松本参事官  市場に検査済みの肉とそうでないものが出たときに市場が混乱するということで、そ れを避けるためにということでおやりになるということです。 ○参加者7  わかりました。それはそれで結構です。  あと、先ほどきょうの資料にもつけていただいてる答申といいますか、最終結果報告 ですよね、御紹介いただいて、それ見てましたら「おわりに」のところに、最後のとこ ろに2つの批判的意見に留意すべきであるというところがあって、その2番目のところ に、混乱回避措置とされている自主的全頭検査がなければ、若齢牛での検査成績の評価 はできなくなるというふうに書いてあります。またその下の続きに、科学的に不明確な 点が多くて利用できるデータも少ないんだというふうなことが書いてあります。さらに 最後の結びのあたりに、最後の32ページの一番下の行から、したがって今後諸外国に おけるBSE感染リスクの評価を行う際には、総合的な評価を行うための多様なデータ の存在が必須になるというふうに書いてあります。諸外国の中に、もちろんこのカナダ やアメリカもあるというふうに思うんですけれども、そのカナダやアメリカではこうい うデータの収集ですよね、もちろん全頭しないわけだから、もちろん20カ月以下もし ないわけですからデータのとりようがないと思うんですけども、今後、今の時点ではそ れはリスクは低いということになってるかもしれませんけども、世の中変わったり科学 のレベルが上がっていくと、それはそれなりにまたリスクが発生してくるというのがこ れまでいろいろ農薬の問題だとかいろんな問題で証明済みですから、その2カ国はその 辺のところはどのように整理されようとしているのか、今後の研究を進めようとされて いるのか、その辺に対するそちらの調査だとか把握だとか、その辺のところをお聞かせ 願いたいんですが。 ○西郷リスクコミュニケーション官  食品安全委員会でございます。あくまでこの評価は国内のことだけの評価でございま すので、外国のことについての評価はまだ何も食品安全委員会としてはしていないとい うのが現状でございます。今日このような意見交換会が終わった後に管理省庁の厚生労 働省あるいは農林水産省からもし諮問があればまた検討していくということでございま して、そのときにはいろんなデータが要ることになるだろうなという形で整理されたの がこの「おわりに」に書かれているところです。要するに日本ではいろんな対策が整っ て、飼料規制が行われてから1年9カ月がたった。今20カ月齢になってる牛というの はもう大分政策が進んでから生まれてきたわけで、これを踏まえた評価であるというこ とでございますので、そのほかの国を評価するのであれば話は別ですよということはそ のとおりなのかもしれません。  どんなデータで評価するつもりなのか、これは実は食品安全委員会はまだ諮問をいた だいているわけでも何でもないので、諮問を受けたら粛々と必要なデータをいただきな がら検討、議論をしていくということに多分なっていくんだろうと思います。 ○参加者7  言いたかったのは、要するに日本だとまだ全頭検査をするなりいろんなデータをとっ たり今後ずっと検討を続けられるだろうけども、アメリカはもうしないんじゃないかな と。できないですよね。 ○姫田消費者情報官  まず、アメリカの場合は1頭ですね。先ほども申し上げたように、アメリカの中で最 初に申し上げたように9,400万頭の牛がいる中で1頭でございます。もちろん安全 のためということであれば別ですが、我が国でもいわゆる全頭検査やってるのが年間 130万頭でございますから、そのうちの10万頭ぐらいになると思いますけれども、 若年牛があるわけなんですが、それは安全のため必要ということであれば検査する必要 があるのかもしれません。ただ、試験研究ということになれば、それを全部壮大規模な 検査をやって試験研究データをとるということではなくて、それぞれのいわゆる実験室 レベルでの作業、そしてもっと検査をすることによってデータを得るということだけで はなくて、例えば摂取実験、実際に食べさせてみてその牛をどう解析するかという、こ れは今、筑波でもそういう専門の実験室を60億ほどかけてつくりまして、外に漏れな いような実験室をつくりまして、そこで実際に摂取実験をやっております。そういうこ とが重要になるかと思っております。そのためだけにいわゆると畜場で壮大な検査をや っていくということは、学術データの集め方としては不適切なのではないかなと我々考 えております。 ○広瀬企画情報課長補佐  よろしいでしょうか。 ○参加者7  よろしいです。 ○広瀬企画情報課長補佐  実際、飼料規制なりなんなり進んできている。日本はそうやって進んできてますし、 アメリカもBSEについての規制というのは進めてきている中で、恐らくそのリスクが 高くなる方向に行くというよりは全体的に世界のBSEに牛が感染するというリスクは 低くなる方には多分流れていってるとは思いますけれども、そういった中でどういうデ ータが集められるのか、確かにおっしゃったように検査しない分についてなかなかデー タ集めるというのは難しいというのはそのとおりかと思います。  ほかに。  済みません、後ろの方。 ○参加者8  先ほど来いろいろと説明をいただきましたけど、去る5月7日の日経新聞に、米牛肉 の安全性を専門家に聞くと、こういう記事が載っておりましたが、アメリカはBSE蔓 延リスクは低いというジョージグレーン氏の答弁をここに載せてありますし、片やスタ ンベーターとおっしゃる米農務省食品検査官らで組織する労働組合の委員長、この方は 特定危険部位混入の可能性ありと、こういうふうに記事に載っておるんですが、どちら を信用していいんでしょうか。関係当局の方に御説明をお願いします。 ○姫田消費者情報官  まず一つは、この件についてはむしろ私どもも質問して、その具体的な回答を待って るという状況です。  もう一つは、御理解いただきたいのは、今回私どもは最初に御説明いたしましたよう にアメリカ、カナダの今のBSEのリスク管理の状況を御説明いたしました。それに加 えて私どもからさらに要求しようというのが、SRMを全部除去して、そして20カ月 齢以下に限定してくれということ、そのほか細々したことを要求しようということで す。ですから、上乗せ規制をしてくれということでございます。  当然そうすると、実はアメリカのプログラムをつくるということですので、別のライ ンをつくるとか、それから現実的には検査官が別のある一定の時間はそこで別途検査す るとかそういうことになると思いますので、当然今までのアメリカのラインと、これが アメリカの労組の委員長が言われたとおりだとしても、アメリカの今まで我が国に入っ てくる牛肉については別のラインで当然やっていくと。そして、当然アメリカ、カナダ 政府の保証、そして先ほど松本参事官申し上げたように我が国からの査察というような ことがあるということで、今の現状に対して、アメリカ、カナダの牛肉に対してさらに 上乗せ規制をしてくれということを我々要求しているということでございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  ちょっと補足させていただきますけれども、要するに米国のどなたかに聞いてそれで 判断するということではなくて、その根拠になっている米国での管理状況、そういった ものを科学的に評価し、それで安全と言えるのかどうかというのを、これはリスク評価 になりますので食品安全委員会に御評価いただくことになると思いますが、その根拠と してどういう対策を図られているのかと。そういったことから評価をいただくことにな ると思います。  よろしいでしょうか。 ○参加者8  ただ、私どもの消費者並びに業者としては、最終的に農水、厚生あるいは政府におい ては、きのうのニュースでもアメリカの当局は7月には輸入を再開するということを一 方的にテレビで放映していましたけど、これについて、きょうお見えになられたお三方 の御意見をお聞きしたいんです。いかがでございますか。 ○広瀬企画情報課長補佐  参事官からお願いします。 ○松本参事官  ちょっと私このニュース見ておりませんので何とも申し上げられませんけども、向こ うの米国の政府の希望としてそういうことを要望しているという、希望を表明されたと いうぐあいに考えております。 ○参加者8  なら、アメリカのいわゆる圧力によって、無理やりに今のアメリカのリスク管理のま だ完全でないものを承知で今後とも日本はそれを応諾するお考えなんですか、いかがで ございますか。 ○姫田消費者情報官  先ほどから説明させていただいているように、我が国は基本的にまずこうやってリス クコミュニケーションして、そしてそういうことを参考にしながら食品安全委員会に諮 問いたします。食品安全委員会で科学的に評価された結果を受けて、今後の輸入再開に 向けての作業するということでございまして、これは従来から申し上げてたとおりでご ざいます。そして、それはリスク分析という考え方、これは平成15年7月に新しい考 え方でいわゆる食品安全委員会、そして厚生労働省、そして私どもの消費安全局という ものができたわけでございますが、その中でいわゆる食品の安全をどう守っていくかと いう考え方、それを科学的に分析して、その結果、リスクをいかに下げていくかという ことをしっかりとやると。それと、国民の関係者の皆さん方の御意見を十分お伺いしな がら、こうやってリスクコミュニケーションをしながらリスク管理をやっていくという ことを基本にやっているわけでございますので、今後もその道を踏み外すことはないと ここで申し上げておきたいと思っております。 ○参加者8  じゃ結論から申し上げますと、アメリカが幾ら政治的圧力をもって日本に要求して も、我が国は安全管理が徹底しなきゃ輸入は再開しないという確約を、これははっきり 申し上げられますか、いかがでございますか。 ○姫田消費者情報官  そのとおりでございます。 ○広瀬企画情報課長補佐  要するに、先に何月というようなことが決まっているということではなくて、きちん と手続を、要するに評価をいただくとか安全が担保できるとか、そういう確認ができて から再開されるということでございますので、そこは御理解いただければと思いますけ れども。 ○参加者8  最終的には、日本の希望をアメリカにのんでいただくと。日本の安全安心あるいはす べての、いわゆる日本の検査体制に匹敵するようなことをやっていただいて、それから 輸入再開ということになるのですか、いかがでしょう。 ○松本参事官  まず、我が国の規制があるわけですから、その規制に合わせていただくということが 前提であります。先ほど申し上げましたけども、SRMの除去につきましては米国は 30カ月齢以上でしか除去しておりません。しかし、我が国は全月齢からSRMを除去 しておるということで、日本に輸出する場合にはその全頭からSRMを除去しなければ 認めないということを主張していて、アメリカはそれをのんでおるわけであります。そ ういう意味においては、まず我が国の規制に従っていただくというのが当然でありま す。  ですから、今、国内対策を変更を見直しておりますけども、それにのっとって米国が 示してきたその具体的な措置で日本に輸出するとしたときに、それのリスクが我が国で 流通している、国内で流通している肉とリスクがどうであるかということを食品安全委 員会に科学的に評価をいただいて、その結果を待って対応するということでありますの で、御理解をいただきたいと思います。 ○参加者8  これはあくまでも日本のいわゆる方針として、断固とこれを貫くことは関係当局の方 々は頭に入れておいでになりますか。 ○松本参事官  我々は今までもずっと、これまでも答弁してきておりますけども、我が国と同等な安 全性が担保されるということが大前提で取り組んでおるというところであります。 ○参加者8  途中で変更とか、向こうの政治的圧力によって輸入を再開とかいうことは絶対にあり 得ないことですか。ここで明言してください。 ○松本参事官  何度も繰り返しますけども、我が国と同等な安全性が担保されるということが大前提 で取り組んでいるということでございます。 ○参加者8  じゃこれは、輸入再開はまだいつになるかはっきりわからないということでございま すか。 ○広瀬企画情報課長補佐  そろそろ終わりにしていただきたいんですけれども。 ○松本参事官  手続といたしまして、これからリスク、全国で輸入のことについてのリスクコミュニ ケーションをやっております。きょう広島と沖縄を皮切りに、来週東京でやりますけど も、その後諮問をし、それでその諮問について食品安全委員会で御検討いただくと。そ れがどれくらいかかるかはわかりません。ですから、今いつと言える状況にありませ ん。ただ、手続として食品安全委員会に科学的、客観的に評価をしていただくというこ とで考えているところであります。 ○参加者8  じゃまだはっきり輸入再開の有無はここでは申し上げられないということですね。 ○広瀬企画情報課長補佐  ないということでございます。済みません。申しわけございません。 ○参加者8  ありがとうございました。 ○広瀬企画情報課長補佐  それでは、申し訳ありませんが、質問だけで時間が終わってしまいそうですので、意 見の方に入りたいと思います。意見のある方。当然、質問も引き続き受けていきたいと 思いますが、まず先に御意見のある方、いかがでしょうか。  それでは、前の方、お願いします。 ○参加者9  出席者名簿の38番目にあります岡山農民連の黒岡と申します。生産者の立場から発 言させていただきます。  きょう牛を飼って酪農やりながら肥育をやっております山岸さんと一緒に来る予定だ ったんですが、直前になって牛のお産が始まりまして行けない言われたので、急遽、県 連の書記長の坪井貞夫さんと2人来させていただきました。  それで、今いろいろと資料をいただき御説明いただいたんですが、やはり20カ月以 内の牛の肉は大丈夫だというような印象を受ける内容だったと思うんです。確かにそう かもしれませんが、日本では4年前ですか、BSE牛が発生して、それからいろいろな 形でみんな苦労して今日の全頭検査という、全部の牛を検査するという方向が確立され たわけです。ですから農家の場合、牛がお産をきょうしましたらすぐもう福島県にある 家畜改良センターというところへ報告をして、それで両方の耳へ札をつけるわけです。 10けたの番号を打って、それでその牛の出生報告カードというものを、こういうもの をつくって出すわけです。その牛がどのような経路をたどって、与えるえさなどもずっ ともう毎日記帳するということになっておるわけです。その牛の移動した場合には移動 報告カードというものを家畜センターへ出して、それでその牛のと殺場へ行った場合に はその最終カードが出るわけですね。そうやって、もう農家、それから流通業者、消費 者の手に渡るまでもうすごい形で労力をかけて、立派な全頭検査制度を確立されたのを このたびアメリカの圧力に屈服して崩すという方向は間違いないと思いますので、ぜひ ともこういう日本が世界的に誇れる全頭検査の確立しているこの制度を覆すようなこと はしないで、安全な肉を国民に供給する方向で頑張っていただきたいと思います。以上 です。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  姫田情報官、お願いします。 ○姫田消費者情報官  今のお話の中で、トレーサビリティーの制度と検査の制度のお話が2つ出てたと思い ます。  トレーサビリティーの制度については、先ほども申し上げたように一つはBSEの原 因究明のために、そしてもう一つは安全のためじゃなくて消費者の方々の安心のために やらないといけないと。やっぱりどうしても乳雄が、F1が和牛に化けたりいろいろし ますので、そういうことも含めてやっぱりこのトレーサビリティーというのは世界的な 流れでもございます。そして消費者の方々がやっぱり安心してお金を払えるような、要 する1,000円の牛肉だと思って買ったのに実は600円の牛肉だったというような こともないようにしたいと思っておりますから、そういう面でもやはり必要だろうと思 っています。そういうことによって、日本の牛肉の信頼感というのが増していくだろう と思っております。  やはりそういう意味で、20カ月齢以下を検査しないということについては、先ほど も食品安全委員会の方からリスクについてはほとんど変わらないんだというような評価 をいただいたということ、そしてあくまでも安全ということについてはそういうことで の対応をさせていただくと。  もう一つは、肉用牛生産者の方々が心配されてることは、国内の牛肉がまた消費者の 方々からだめと言われたらどうしようというようなことがあるのではないかなと思って おります。それについては、こうやってこういうこと、またいろんな場所によってやは り科学の話と安全の話と安心の話をしっかりとお話しできるように我々も努力して、リ スクコミュニケーションあるいはいろんな意見交換をやってまいりたいと思っておりま すし、そういう意味で生産者の方々の今のいわゆる生産をもしっかりと守っていく。そ して、国内の牛肉を理解していただくということも別途に進めていくことが必要だと考 えております。  また、表示の制度の中で、トレーサビリティーだけじゃなくて表示の制度の中でいわ ゆる原産地表示というものも明確にしております。そして加工品についても、要するに 例えば味つけただけの牛肉とかいうのは今まで加工品で原産地表示の対象になってなか ったんですが、こういうものも、味つけカルビなんかも対象にしていくというような方 向で今もう既に制度は始まってますが、今、経過期間なんで、来年の10月には全部そ ういうふうな制度になりますが、一部の加工度の低いものでの加工品まで広げて原産地 表示もしていこうというようなことでの対応をしていくということで、いわゆるどちら かというと安心感の方もしっかりと広げていきたいと考えております。 ○広瀬企画情報課長補佐  ほかに御意見のある方、いらっしゃいますか。  それでは、前の方。 ○参加者10  同じく岡山の農民連の坪井といいます。ちょっと関連なんですが、私も農家の立場も あるし、消費者でもあるわけですけども、20カ月未満は安全という話がいろいろ学者 の先生なんか検討されてそういう結論が出たということなんですけど、その信頼性が僕 ら全然理解できてないんですよね。そこがまず根本じゃないか思うんですけど、検査方 法がないから感染しているかどうかの判断はできないというのは若齢の場合はそうなん かもしれません。ただ、日本で発生しているBSE感染牛にしても、子牛のときにいわ ゆる肉骨粉を食べていたということが原因で、かなり高齢になってから発症したという ようなことが多い報告をされておりますよね。つまり感染はしているわけだけれども、 発症してないということですよね。そこら辺が、先ほども説明あったようにどのぐらい 食べたら人間に影響するのかいうのはわからないわけですよね。それがだからわからな いのが安全だということにどうして結びつくんかというのが私たちには理解できないと いうのが一つです。  もう一つは、こういうふうにみんなの意見聞いてくださるんはありがたいんです。先 日、パブリックコメントがありましたね。私も意見出させていただきました。先日報告 があったように7割の人が不安を持っておられるということが発表されておりますが、 そのことに対しての答えはどうなるんかなと。つまり私たちの意見聞いてくださるんは ありがたいけど、あんまり反映されてないんじゃないかなという疑問を持っています。  それから、もう一つ、先日「AERA」の4月25日号にワシントンに住んでおられ るサカタヨシオさんというジャーナリストの人がやっぱし非常に危険だということで、 いろんなアメリカの、現在のですけどね、これは。先ほども言われたちょっと新しい機 械やそういう設備をするような話になっとるらしいで、これは通用しないんかどうか知 りませんが、疑問があります。以上です。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  まず、20カ月未満のところの、西郷さん。 ○西郷リスクコミュニケーション官  御自身の御発言の中にも入っていたかと思うんですけれども、食品安全委員会の評価 は別に20カ月齢以下は安全だと申し上げているわけでも何でもないわけですね。要す るに、今回御諮問いただいた、20カ月齢未満の検査をやめた場合に、リスクはふえる かふえないかということについて検討してお示しするということが検査月齢についての 評価となったわけです。それらについては、もちろんそのリスクが大きいとは申しませ ん。先ほど申したように報告書の16ページにありますように、侵入リスクや食肉用の 汚染度などいろんな観点から専門家の方に議論いただいて、リスクそのものは今かなり 低くなっているということをわきまえた上で、例えば20カ月齢以下のについて検査を しなかった場合について、そのことでもって食肉のリスクは上がりますかといったとき に、ほとんど上がらないとかというふうに、全く上がらないとは言わないけれどもほと んど上がらないし、それは無視できると、あるいは非常に低いというふうな結論になっ たといって申し上げているところであって、20カ月になった途端に危なくなって、 20カ月以下は絶対安全だとかというような評価ではまずないということが一つ。  それから、ご意見募集についてコメントいただきまして、ありがとうございました。 御承知のとおり、今回、食品安全委員会、まだできて2年たちませんけれども、何百件 か評価してきておりますけれども、この中で一番多いというか、破格に多い数のコメン トをいただきました。それで全部見たわけではございませんけれども、こういうつづり にしますと30センチぐらいの厚さになるものでございました。  それで、おっしゃったとおり何が反対で何が賛成かというのも、ここの部分には反対 でこの部分には賛成というのもあるものですから、なかなか一概には難しいんでござい ますけれども、こと、検査に関しまして言えば、要するにリスク評価はそうかもしれな いけれども、20カ月齢以下の検査をやめることについては懸念があるというふうなこ とを反対とすれば、いただいたうちの7割ぐらいは、そういう懸念を示すものであった かなと思っております。  ですから、それで大変御心配をいただいているんだなと思っておりますので、私ども としては今回、今申し上げたような議論の結果でございますね、科学的な、科学者の議 論の結果でございますけど、御理解いただけるような御説明なり意見交換をあちこちで 進めていきたいと思っているところでございます。  ただ、もう一つ、これちょっと誤解を受けるかもしれませんけれども、科学的評価で ございますので、数の大小ではない、御心配の点はもちろん踏まえなければいけないわ けですし、おわかりいただけないところについては説明していかなければいけないわけ でございますけれども、科学的なことについてやる場合については、もしかしたらご意 見が1通しかなくても非常に重要なものについてはもう一回検討しなければいけないか もしれないし、1億人が全員意見を出して9,999万人が安心だと言っても、もしか したら見逃しているところあるかもしれないし、それからその逆もあり得ると。ちょっ と極端な話かもしれませんけど、数についてはいろいろ御心配いただいているので、今 後のリスクコミュニケーションのやり方について考えていかないといけないと思ってお りますけれども、数が多いから評価を変えるとか変えないとかという話にはならないと 思っているところでございます。 ○姫田消費者情報官  我が国、これは世界的にもそうなんですけれども、BSEの安全性を保つためにどう いうことをやってるかということです。よく学者の先生の中の一部の学者の先生、SR Mさえ除去すれば安全ですと言われる方があります。これはSRMが完全に除去できる ということであればかなりそれは正しいのかもしれませんが、ピッシングの問題あり、 いろんな意味でSRMが必ずもう100%除去できるということではありません。で も、かなりそれで安全性が高まるということも事実でございます。  結局、ヨーロッパなんかもやっておりますけれども、そういう意味ではSRMをしっ かり除去しようということ、それともう一つは、いわゆる30カ月齢以上、あるいはヨ ーロッパは24カ月齢以上とかいろんな国がありますけれども、30あるいは24カ月 齢以上のいわゆるBSEを検査したらわかるであろう月齢の牛を検査して、それでこれ はサーベイランスでもあるんですけれども、そのときに実際にそういう牛もはねてしま おうということがあります。これは我が国の考え方は基本的にそういうことでございま す。  ですから、そういう意味では30カ月齢以上とか24カ月齢以上の牛はかなり効果的 にBSEの検査がききますので、それはしっかりはねていこうじゃないかと。そしてS RMはきちっと除去しよう。それでそれぞれ99.99%ぐらいの確率で精度、9、9 が、とにかくそういう精度が高められることによって全体の安全性を高めていこうじゃ ないかというのが日本であり、EUでありの考え方です。かなりアメリカの場合はまだ 汚染度が非常に低いと考えておって、SRMの除去でいいじゃないかというのがアメリ カの考え方だろうと考えております。  ですから、そういう意味では20カ月齢以下のものを検査をやめたからといってとい うことで、それはむしろ全頭検査の方だけに安全性を確保しているということの考え方 になるのではないかなと私は思っております。  それと、70%のということでございましたけど、これは実は昨年の8月から9月に かけて厚生労働省と私どもでリスクコミュニケーションをやりました。そのときは広島 は残念ながら来ませんでして、隣の県でございますが、岡山に行きました。そのときに やはりそういう全頭検査をすべしという御意見が多かったことは確かでございます。で すからそういうことも踏まえて、科学的には20カ月齢以下をやめるけれども、ですか ら安全のためにはもうそこは特に規制としてやらないけれども、安心のために3年間の 経過措置を設けようじゃないかと。これはあくまでも国民のリスクコミュニケーション の成果を見て、いわゆる市場の混乱、そして国民の安心のためにやっていこうじゃない かということで経過措置を厚生労働省で設けられたということでございます。 ○松本参事官  今の経過措置のところで、昨年の10月15日に諮問したときの経過措置もつけてお りますけども、そういう検査を独自にやるというところについては、最長3年というこ とで考えておりますけども、補助しましょうと。  同時に、リスクコミュニケーションで我々が痛切に感じましたのは、科学ということ で安全ということは一応理解できるけれども、安心という形ですんなりとなかなか納得 するまでいかないという方が多いということはよくわかりました。それについては、も っとわかりやすくいい資料を出して、粘り強く集中的にリスクコミュニケーションをや っていく必要があるだろうということで考えておりまして、経過期間の間、最長で3年 と考えておりますので、その間にリスクコミュニケーションを熱心にやるということも その経過措置の大きなことであります。  それで、あと市場の混乱を防ぐということで検査をやる。あるいはブランドを守ると いう観点で検査をされる都道府県もあろうかと思いますけども、そういうところについ ては一応最長3年ということで検査費用を補助するという、そういう経過措置を考えた ということでございまして、検査の費用だけでなくて、リスクコミュニケーションをも っと徹底してやるということも大きな期間の経過措置の中に入っているということで御 理解いただきたいと思います。  ただ、いろいろ説明してるんですけど、例えばリスクという言葉自体でもなかなか、 我々も本当に理解しているかと自信がないところがありますけども、多くの方々に理解 していただくのにもっとわかりやすく説明できないかどうかいろいろ苦労はしておりま すけども、またそういうことも含めて、リスクコミュニケーションを徹底してやってい こうというぐあいに、それも経過措置の一つであるということを御理解いただきたいと 思います。  あともう一つ、「AERA」の件ありましたけど、私それ見ておりませんので、ちょ っとここではお答えしかねます。 ○広瀬企画情報課長補佐  そういった話もあるかと思いますので、これはきちんとデータを集めて、本当に日本 にその輸出プログラムで輸出してくる肉というのが我が国と同等な安全性が担保される のかどうか、これはその安全委員会の専門家の先生方に科学的なところからきちんと御 評価いただいて、そういう言われてるような危険なところがないのかどうか、きちんと 評価いただくということだと思います。  ほかに御意見ございますでしょうか。  じゃ、まず最初に後ろの方言っていただいて、その次、お願いします。 ○参加者11  質問ですけれど、よろしいでしょうか。 ○広瀬企画情報課長補佐  どうぞ。 ○参加者11  安藤と申します。リスク管理措置ということとはちょっとずれるかと思うんですけれ ども、一般の主婦レベルの素朴な疑問として発言をさせてください。  今、輸入ということを前提にしてそのリスクという話だと思うんですけれども、そも そもどうして輸入をしないといけないのか。今現状で輸入をストップしていて困ってい る状況があるのか、輸入をしないといけない理由をわかりやすく教えていただけます か。よろしくお願いいたします。 ○姫田消費者情報官  いろんな理由があります。一つは、まず今現在余り困ってないよということなんです けども、実はアメリカの牛肉をとめたときには1年分ぐらいの在庫がたっぷりございま した。かなり在庫がなくなってきているということ。  それから、価格についても国内産の牛肉の卸売価格、それから豚肉の卸売価格もぐん ぐん上がっております。ただ、昔から肉屋さんの習性でございまして、卸売価格が上が ったときも値を上げない、下がっても値を下げないという習性がございまして、なぜそ ういうことをされるかというと、どうも消費が一たん上がって減退すると、次、買いに 来てもらえなくなるということがあるので、大分流通でカバーされてるようなところが あるようでございます。現実には、卸売価格で買っておられる外食なんかはかなり苦し んでおられるようなところもあるようでございます。とりあえずだけど今までのところ は、在庫とオーストラリア産の牛肉で大体対応できてきたというところでございます。 あるいは豚肉や鶏肉に移ったのかなというところもあります。  ただ、そういう意味では流通の関係からいうともうかなり全体的に厳しくなってきて いると。昔の自由化前とは違いまして、アメリカ産の牛肉が食材としてやはり国民に根 づいてるということも事実であると考えております。  第2点としては、いわゆるWTOの関係で申し上げますと、やはり科学的に証明され ないものは非関税障壁になるということがございます。ですから、そういう意味では科 学的にしっかりとだめなものはだめと言う、いいものはいいと言うということが基本だ ろうと思っております。ですから、先ほど安全のためにはしっかりとやらないといけな いと考えておりますが、安心のためというので外国の貿易をとめるということはできな いと考えております。安心のためという場合にあっては、当然WTO上は科学的な制度 ではなりませんので、そうした場合は当然向こうがWTOに提訴されれば負けるという ことになって、かわりに何か差し出さないといけないということが出てくると思いま す。ですから、安全のためにはしっかり我々やりますけども、安心のために貿易を攪乱 するということはできないと考えております。そのためには、安心のためには我々いろ んなことで国内対策をするということが基本だろうと考えております。 ○広瀬企画情報課長補佐  よろしいでしょうか。  それでは、広島県消費者協会の。 ○参加者12  済みません、要望なんですが、きょういろいろ食品に関するリスコミをやりましたけ ど、最終的には消費者がリスクを負わなければならない。非常にリスクは少ないと言わ れましたけど、それを消費者は選んでいくという手法でよりリスクの少ないものを健康 のために選んでいきたいと思いますが、先ほどその方法の一つに加工食品の表示という のも言われましたけども、表示を徹底していただきたい。表示をしていただいて、選べ るのはスーパーさんとか小売店で買う場合は選べるんですが、外食産業であるとかそう いうものでは選べないという現状がございます。リスクを負う中では、表示を選べるよ うな、消費者基本法ができまして選ぶ権利というのもできておりますので、ぜひその選 ばれるようなシステム、表示づくりというのをお願いしたいと思います。以上でござい ます。 ○姫田消費者情報官  今のお話をしっかり受けとめたいと思っております。  それで、表示につきましては御存じかと思いますが、私ども農政事務所の職員が今現 地に行って、全国に2,000名おります。それで県の方々と協力して実際の表示、今 までは実際に店頭に行って表示を調べるだけというような形になっておりましたけど、 そうじゃなくて、その前段の仕入れ段階、どこからちゃんと仕入れてるのということも 含めて表示を確認しようと。ですから仕入れてない和牛を表示してもらっても困るわけ なんで、ですからそういう意味ではどこから仕入れたということでさかのぼって調べる ということもしております。  牛の場合は、例えば和牛と乳雄とかアンガスということであればDNA鑑定できます ので、これ1頭やるのに10万円近くかかりますので全部やるわけにいきませんから、 これは事前通告なしに抜き打ちでいわゆる検査させていただくというようなこともやっ ているところでございます。それで、そういう面で表示をきちっとやっていくというこ と。  それから、今おっしゃった外食等についてなんですけれども、外食はなかなか法律で ということにはなりませんが、今、我々の方からむしろこれは指導、働きかけて、大手 の外食のチェーンとか協会とかに表示をできるだけしていただくという方向でお願いし ております。かなり前向きなようなお話も聞いているところでございます。ぜひとも私 どももこの表示は、いわゆるこの食品の安全性の問題だけじゃなくて、やはりいろんな 意味での消費者の選択ということがしっかりできるように、それで明らかになった上で 消費者の方々が選択できるような幅を持たせたいと考えておりますので、ぜひ前向きに 進めてまいりたいと思いますので、しっかり受けとめてまいりたいと思っております。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  ほかには御質問、御意見ございますでしょうか。  それでは、最初に後ろの方で、その次に前の方にしたいと思います。 ○参加者13  福山食肉センターの松井といいます。輸入の牛肉とは関係ないんですが、これからあ と3年間も一応日本の牛肉については検査をするというふうなことをお聞きしてるんで すが、もうそれはむしろ義務化してもらうことの方が市場の混乱もないし、それから国 産牛肉に対する安心安全という面でも非常に効果があると思うんです。というのは、 19.9カ月と20.1カ月の差で天国と地獄の差が出るというようなその検査方法、 あるいは市場混乱を考えると、その辺のところが非常にあいまいだと思うんです。それ から思うと、やはり国産牛肉に対する信頼をきちっと確保するため、消費者の人たちか ら国産牛肉については絶対安全なんだという信頼を得るためには、やっぱりこれから先 3年間やるというところはやってもいいというふうな体制ではなしに、やってほしいと 思うんですが。以上です。 ○広瀬企画情報課長補佐  これは参事官の方で。 ○松本参事官  お気持ちはよくわかりますが、やはりただ政策というのはこういう特に食の安全にか かわることは科学的な合理性に基づいてやる必要があるだろうというぐあいに考えてお りまして、それで平成13年の10月に全頭検査始めましたけども、あの始めたという のはあの当時、検査をどこから始めるかというときに一番実績があったのはヨーロッパ であります。ヨーロッパは30カ月以上の牛について検査をやっている。一部24カ月 であります。そういう月齢がある時点でしっかり一頭一頭把握できたんであれば全頭と までいかなかったと思いますけども、あの当時は一頭一頭その月齢がはっきりしなかっ たということもあります。それと、非常に市場で混乱といいますか、牛肉屋が閑古鳥が 鳴くという、あるいは焼き肉屋さんが閑散としているということも私も目にしましたけ ども、あの混乱を静めるために科学的なことはさておいて、まずあの混乱の鎮静化とい うところで始まったのが全頭検査であります。それを3年間やって、科学的にどうなの かということで評価をいただいたのが今回の食品安全委員会の、先般5月運営委員会に いただいた答申の結果であろうというぐあいに考えております。ですから、そういうこ とにおいて科学的にやるということでは、21カ月齢以上に義務づけということで、ゼ ロ月齢を21カ月に変更してはどうかと。  ただ、安心という部分があるということはよくわかります。ただ、先ほど姫田の方か ら申し上げましたけれども、牛肉のそういう安全というのは検査だけで守られているわ けじゃありません。幸いなことに、異常プリオンが蓄積するというのは99.数%が脳 とか脊髄の中枢神経の部分です。そこを除くというのがまず一つであります。それと、 念には念を入れということでも検査をして、感染牛の肉にそういう異常プリオンが発見 されたというわけではありませんけども、そういうことがないようにということで検査 をして、陽性のものについては食用に流さないということ。  また、もっと根本へ戻って、そういうBSEの感染牛をつくらないというための飼料 規制というこの3本柱で世界各国BSE対策を取り組んでおるわけであります。ですか ら、そういうことを国民の皆さん方に理解していただくということがもっと大事だろう と思います。ですから、その理解していただくのにもっと徹底したリスクコミュニケー ションをやる必要があると思いますし、それには時間が必要です。その点、経過措置の 間に一生懸命やって御理解いただく。そちらの方が今後の食品安全、BSEに限らずい ろんなことをこれから出てくると思いますけども、国民の皆さん方に理解していただく ために重要であると思いますので、そういう点で考えていきたいと思っております。で すから、お気持ちはわかりますけども、そこのとこの義務化というのは、それは根拠が あれば義務化も可能でありますけども、やはり科学的な根拠に基づかない義務化という のはちょっと難しかろうと思っております。 ○広瀬企画情報課長補佐  ありがとうございました。  それでは、前の列の方。 ○参加者14  1つ疑問なんですけど、主婦で鈴木と申します。肉用種の話はずっと出てたんですけ れど、乳用種に関しては日本ではほとんど乳用種のお役目が終わればみんなやっぱり肉 用種として食べられるということで、アメリカ、カナダ産の乳用種の場合はどういうふ うになっていて、その辺の把握というのはどの程度されているのでしょうか。代用乳の 中にやっぱりたんぱく質由来のものがまざっていて、それが結局、日本ではBSEの感 染経路となったということが主に言われてたと思うんですけれど、その辺からちょっと お聞かせください。 ○姫田消費者情報官  先ほども申し上げたように、代用乳説は南ドイツと日本で出ました。それぞれ科学的 に、先ほど申し上げたように南ドイツでも最終的に否定されたのと、日本でも私どもの 委員会で科学者の、実際プリオン専門調査会の先生方とほとんど同じ方々ですけど、か らの検討の結果、代用乳説というのは打ち消されております。  ですから、今現在ある可能性としては、先ほど申し上げたようにイタリアから来た肉 骨粉が加熱、加圧が不十分であって、それが原因になったのではないかということと、 もっと前にイギリスから牛が来たのが原因ではないかと言われております。  あと、乳用種でございますが、乳用種は今、日本も海外も似たようなもんでございま すが、要するに乳用種の雄は先ほども御説明したようにぬれ子段階でいわゆる肉用種の 方に入ってきますので、日本では20カ月齢前後、18ぐらいから二十二、三カ月齢ぐ らいで出荷されて、いわゆる乳雄牛肉になってます。  それから、あともちろんF1ということで、日本では和牛をつけてもう少し長く飼っ てるものもございます。これは雄も雌もそういうふうになってしまいます。  それから、アメリカではほとんどがもう乳用種の老廃、雄は日本と同じですが、物に よっては6カ月ぐらいで早く、おっぱいだけしか、代用乳とかだけしか、牛乳だけしか やらないで、えさを配合飼料をやらないで6カ月ぐらいでと畜してしまうタイプのもの もございます。  それから、もちろん雌の方は同じように搾乳して、ほとんどこれはもうアメリカの場 合は全部いわゆるもうロースも何もかも全部まとめてひき肉にしてしまうということ で、ハンバーガーのパテになってると思います。我が国で輸入してるものは、今、我が 国の場合は現状では例えば大手のハンバーガーチェーンさんは、昔からですけれどもオ ーストラリアから輸入しています。というのは、オーストラリアの方がまだまだたくさ んそれを持ってまして、アメリカが今現在生産している量の1割ぐらいが輸入ですが、 その1割ぐらいのかなりの部分がオーストラリアからの乳牛の輸入です。アメリカはた くさんハンバーガー食べられますので、それになると思います。日本の場合のハンバー ガーは、日本の国産のおばあさん牛というか、乳牛の廃用牛と、それからオーストラリ ア産から入ってきたものが、従来から大体そういうようなことになってると思います。 ○広瀬企画情報課長補佐  ほかに御意見、御質問。  それでは、前の方。次に後ろの方、行きますので。 ○参加者1  サニクリーンの感染対策室の長井です。先ほど義務化というお話の関連にもなると思 うんですが、実は去年、私が質問しまして、それに対して何らかの回答をしてください と言ってたんですけど、実はHBVとかHIVではもう常識になってますけど、検査段 階でのウインドウ期に対しての回答をしてくださいということで回答がないです。今回 のを見てもなかったんですが、このウインドウ期、実は知らない方がおられるとあれな んで、検査しても陽性か陰性かわからない。例えば病院で僕が鼻血を出して、B型肝炎 の方が鼻血出しても同じような処理の仕方、標準予防策、これをアメリカはCDCがや りなさいというふうに出してます。このBSEに関しては、比較的あいまいな態度をと ってる。標準的にこれを全部検査しないと、ウインドウ期がある限りにははっきりしな いというのがあります。これに対してどう対応していくかというものが一つあります。  ちょっと話は変わりますが、もう一つは先ほどのトレーサビリティーの話ですが、安 心のためと言われましたけど、例えば魚介類、それから普通の肉もそうなんですが、初 発菌の防止、低下ですね、お魚さんでいうたらビブリオとか、お肉やったらカンピロバ クターもそうですけど、加工する前の段階が汚染されてたらどうにもならないというの で、安心じゃなしに食品の安全のためにトレーサビリティーを取り組んでいる。アメリ カはGAPもやってますし、前提条件の中にも入ってます。だからその辺を推して、ぜ ひその辺の検査体制、それからトレーサビリティーの話、これも積極的に取り組んでい ただきたい、かように思います。 ○広瀬企画情報課長補佐  西郷さん。 ○西郷リスクコミュニケーション官  ウインドウ期、思い出しました。この間お邪魔したときも御質問を受けたと思うんで すけれども、ウインドウ期そのものについてきちんとした議論は確かにできてないとい うか、わからないと思います。検査については、どちらかというと検査の感度と申しま すか、要するにどのくらいになったらディテクトできるんだろうかといったことについ て、集中的な議論がプリオン専門調査会では行われました。たしかどこかに書いたと思 うんですけれども、相当今感度は高くなっているけれども、やはり21カ月齢、23カ 月齢で見つかった、あの辺のところが大体限界なのかなという、もちろん確固とした結 論ではございませんけれども、そういうところまでしか今議論が進んでいない。、どち らにしろ検査技術だとかなんとかというものをきちんとしないと、ウインドウ期そのも のも要するに特定できないわけです。  あともう一つは、今の検査技術だとやはり感染していてもすり抜けているのは当然あ るだろうという御議論にはなっておりまして、ですからその対策としては先ほど厚生労 働省の松本さんからございましたように今の対策の組み合わせと申しますか、SRMの 除去だとか、もっと川上での指導対策といったことが非常に重要だし、それは今後とも きちんとやっていかなければいけないということになっております。  今ちょうどイギリスで、日本でも始まったようでございますけれども、同じような牛 に同じようなえさを食べさせて感染させて、少しずつと殺していって、異常プリオンが どこに出てきているかというのを見るとか、あるいはその症状があらわれるのはどこだ とか、あるいは本当に検査にひっかかる量が延髄にたまるのはどのくらいかという実験 をもうちょっと頭数をふやしてやっていますけど、いかんせん牛が相手でございますの で時間がかかる。ですのでまだ途中段階にあって、もう少したつと今のお話についても 牛の話では少しは出てくるかもしれませんが、現状ではなかなかそういったきちんとし た議論ができていないということではないかと思っております。お答えになりましたか どうか。 ○参加者1  言おうか言うまいか迷ってたんですけど、報道の方がおられるけん、報道の方はウイ ンドウ期については余り報道しない方がいいと思いますのであれなんですけど、対アメ リカに対してその線で攻めていければなと思いまして、ちょっと個人的に言った方がい いかと、報道の方はウインドウ期については余り言わない方がいいと思いますので、こ こだけの話にしていただきたいと思います。以上です。 ○姫田消費者情報官  むしろその検査の方法で安全性を確保するということじゃなくて、何度も申し上げて るようにSRMの除去とか、もちろん検査も必要ですけども、SRMの除去とスクリー ニング検査と、そしてもちろん最初からBSEを起こさないように飼料規制をきちっと やっていくことが基本だろうと思っております。  今、トレーサビリティーの話がありました。私、ちょっと説明悪かったことは謝罪い たします。  実は、トレーサビリティーというのは、本当は世の中に言われてるトレーサビリティ ーはトレーサビリティーではなくて、本当のトレーサビリティーはおっしゃるようにリ スク管理上も有効なものと考えております。というのはどういうことかというと、生産 段階での記帳、流通段階での記帳、そして販売段階での記帳ということが基本です。で すから、それは消費者のスーパーの店頭でそれがわかる必要は必ずしもございません。 ですから、それは今そういう意味では全国農協中央会なんかとも共同しながら記帳運動 をしっかりやっていこうじゃないかということで、あるいは厚生労働省さんの方も流通 段階の記帳を推進されておりますので、そういう意味でのトレーサビリティーというの は重要だと考えております。  ただ、今世の中で言われているのはユビキタスを使った、店頭で顔が見える関係と か、それから私どものやっております牛肉のトレーサビリティーですか、それは直接関 係ないということを御理解いただきたいと思います。  それと、もう一方でグッド・アグリカルチャー・プラクティスということで、GAP の考え方を持ち込んで、HACCPまではいかないですけど、農家段階でしっかりとこ ういうところが危ないからこういう生産をやろうというようなことでのGAP、そして 家畜の飼養管理基準、要するに同じことを言ってるんですけど、耕種と畜産ですけれど も、それぞれをつくりまして、今、積極的にそういう意味では推し進めているところで す。やはりまだまだ農家の数も多くて、担い手層じゃない方もいっぱいいらっしゃいま すので、すぐできるという状況にはなっておりませんけれども、そういう面ではしっか りやっていこうということを考えております。 ○広瀬企画情報課長補佐  それでは、大分お時間も押しておりまして、先ほど後ろの方で手を挙げられていた 方、この方で最後とさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○参加者15  サンフィールドの山下と申します。本日、説明をずっと伺わせていただいたんですけ ども、私としては非常にわかりやすくて、論理的で非常によかったというふうに思って います。  だれかがおっしゃっていたんですけども、現在7割の方が輸入に反対をしているとい うようなお話は、きょうのようなお話をもう少し、きょうもそうなんでしょうけども、 テレビ等でお話をしていただければ、その比率というのはもっと変わるのではないのか なというふうに感じました。  あと、それと、私どもの会社は外食事業をやっておりまして、当然以前はアメリカの 肉も扱っているような店数をやっていたんですけれども、当然輸入が停止になってか ら、先ほどからお話があるように価格が上昇してしまって、あるところでは売価に転嫁 せざるを得ない、あるところでは会社で吸収しないといけない厳しい状況がございま す。  私どもの会社は月間で約50万人ぐらいのお客様に来店をしていただくんですけれど も、やはり商品が変わったこと等については、多くのお客様から早くもとのおいしい商 品を食べたいというような御要望をたくさんいただいております。当然外食事業ですか ら、お客様に対して先ほどから出ております安心とか安全とかいうことは当然のことと して、先ほどからお話しになったようにアメリカに対してぜひとも早い選考の整備をし ていただいて、十分な検査等をしていただく中で、一日でも早い輸入再開を望んでおり ます。以上です。 ○広瀬企画情報課長補佐  御意見ということで承りたいと思います。  それでは、長い時間となりましたが、貴重な御意見をいただきましてどうもありがと うございました。  以上をもちまして食品に関するリスクコミュニケーション、米国産牛肉等のリスク管 理措置に関する意見交換会を閉会いたします。  お帰りの際に、大変申しわけございませんが、アンケートを回収させていただいてお りますので、御協力いただきますようお願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。                                     (了)