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2003年9月12日作成

医療用具回収の概要
(クラスII

 

1. 一般名及び販売名


一般的名称:人工心肺装置の付属品(心筋保護液供給システム)
販売名:メラ心筋保護液供給システム HCP-5000

2. 対象ロット、数量及び出荷時期


出荷数量:19台
納入施設:14施設
製造番号:220153 〜 230171 19台
出荷時期:2002年10月28日 〜 2003年4月21日

3. 製造業者等名称


製造業者名:泉工医科工業株式会社
所在地:東京都文京区本郷3丁目23番13号
製造所の名称:泉工医科工業株式会社 春日部工場
製造所の所在地:埼玉県春日部市浜川戸2−11−1

4. 回収理由


 1)「液晶表示パネルにポンプとの通信が遮断された旨表示され、警報が鳴る。」及び2)「大気開放時に圧力表示値が変動する。」との修理依頼がありました。
 何れも、臨床使用時又はその準備中に発生したものではなく、技術練熟等を目的とした試運転中に発生したものであり、修理時に現象の再現・確認することはありませんでしたが、念のため、基板を交換し、その後、何れの現象も出現しておりません。
 また、修理交換した基板を他の装置本体に組込んでも、現象が再現することがないことから、基板の故障/不良ではなく、一時的で可逆的な現象と判断致しました。
 種々検討した結果、上記の現象は、高湿度下で低温の熱交換水を長時間流した場合、熱交換水により、筐体板金部分が冷却され、生じた結露が基板上に滴下したため、一時的に回路が麻痺(ショート)して生じた現象であることが判明致しました。
 この一時的な現象は、継続して生ずることはありませんが、万全を期し、断熱材を貼付する等の結露を防止する改修を行うことと致しました。

5. 危惧される具体的な健康被害


  上記の現象は、試運転、再現試験等、高湿度下の環境での長時間使用という特定の条件でのみ発現しますが、手術室には十分な空調があり、従って、臨床使用時に発現する可能性はないと考えられます。
万一、臨床使用中、上記1)の現象が発生した場合には、操作パネル上の積算注入量表示が不可能となりますが、ローラーポンプはパネルと独立して駆動しているため、ポンプの機能には全く影響はありません。
また、ポンプはパネルとは別の流量表示機能を備えており、心筋保護液の注入量は、薬液ボトルの残量から簡便に測定することが可能なため、例え、積算注入量の表示機能が失われた場合でも、全く支障なく、心筋保護操作の継続が可能です。
 仮に、2)の現象が発生した場合でも、本装置の圧力表示は2ch装備されており、一方の表示が使用できない場合でも、他方の表示が使用できます。
 以上のことから、上記の現象による健康被害が発生することもないと判断致しました。

6. 回収開始年月日


2003年9月20日

7. 効能・効果又は用途等


 本装置は、開心術における心拍動の停止及び術中の心筋の保護を目的とし、安全、且つ、簡便に心筋保護液(薬液或いは血液)を送液(注入)することを目的とした装置です。

8. その他


  当該機器を納入した医療機関に対して情報を提供することと致しました。
 継続して誤動作が発生することはないものと確信しておりますが、万全を期し、万一、誤動作が発生した場合の対処方法及び改修に関する情報を9月2日付で当該機器を納入した全ての医療機関に通知し、改修作業の承諾を得ることと致しました。
 改修作業は、医療機関の要望により、当該装置を回収して弊社工場で行う場合と医療施設で行う場合があります。

9. 担当者名及び連絡先


(1) 担当者:泉工医科工業株式会社
        東京都文京区本郷3丁目23番13号
        商品部 不破 昌俊
(2) 電話番号:03 -3812 - 3254(商品部、9〜18時)
         090 - 8042 - 8890(不破直通、緊急連絡用)
(3) FAX番号:03 - 3815 - 7011(商品部、9〜18時)