一覧へ戻る

平成12年8月25日作成

医薬品回収の概要

(クラスIII)




  1. 一般名及び販売名

    ユニキャップ 特異IgE レファレンス
    ※:本品はシリーズ承認品 ユニキャップ(輸入承認番号:20800AMY00003000)の構成製品のうち、特異IgEに共通なレファレンス試薬である。

  2. 対象ロット、数量及び出荷時期

    ロット 出荷数量 出荷時期
    A9J0 294 平成12年5月23日〜平成12年6月29日

  3. 製造業者等名称

    輸入先製造業者:Pharmacia & Upjohn Diagnostics AB(スウェーデン)
    輸入業者営業所:ファルマシア・アップジョン株式会社 診断薬事業部
    東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル
    許可番号:13AY2007

  4. 回収理由

     当該ロット中のレファレンスBのカウント値が他ロットに比べ低値であることが確認されました。さらに検討を行ったところ、当該ロットは低濃度域全般で低値を示し、その結果本品を用いて測定を行うと本来の標準曲線が得られず、陰性検体が疑陽性に、また疑陽性検体が陽性に判定される可能性があるためです。

  5. 危惧される具体的な健康被害

     本品の効能・効果は、患者血清又は血漿中の種々のアレルゲンに対する特異的IgE量を測定するものであり、本検査結果が必ずしも臨床症状を正確に反映しないことはよく知られています。従って、特異的IgE検査結果が疑陽性、陽性を呈しても、そのことだけでなく、その他の検査(皮膚テスト、アレルゲン除去試験、誘発試験等)および患者からの詳細な問診等に基づいて総合的に判断されるべきであることが広く認知されています。このことから本品によって陰性検体が疑陽性に、または疑陽性検体が陽性と判定されても、そのことが直接当該患者に対して健康被害を与えることはないと考えます。

  6. 回収開始年月日

    平成12年8月23日

  7. 効能・効果又は用途等

    血清又は血漿中の種々のアレルゲンに対する特異的免疫グロブリンE(IgE)量の測定

  8. その他

     当該ロットは製造直後の品質試験では全く問題が無かったことから、カウントが低値を示した原因は、保存中に何らかの問題が生じたものと判断されます。当該ロット以外のレファレンスではこのようなカウント値の低下は認められておりません。本品の構成成分を調べたところ、原料の一つである牛血清アルブミン(BSA)のロットが異なっており、当該ロットに用いられたBSA中に含まれる何らかの物質(酵素等)によりIgEが分解されたものと考えられます。
    当該ロットに用いられたBSAのロットはユニキャップ、キャップ RAST FEIAを問わず既に使用されておりません。現在流通している製品(レファレンス)につきましては、今後も定期的に試験を行い、その品質の確認に努めてまいります。

  9. 担当者名及び連絡先

    ファルマシア・アップジョン株式会社
    診断薬事業部 開発部 福澤 敦
    TEL:03-5365-8334
    FAX:03-5365-8336