戻る

医政発第0921001号
平成16年9月21日

各都道府県知事
各政令市市長
各特別区区長
  殿

厚生労働省医政局長


医療法施行規則の一部を改正する省令の一部の施行について


 今般、平成16年9月21日付けで公布された医療法施行規則の一部を改正する省令(平成16年厚生労働省令第133号。以下「改正省令」という。)については、本年10月1日をもって施行されることとなった。
 改正の趣旨、内容等については下記のとおりであるので、御了知の上、その運用に遺憾のないよう特段の御配慮をいただくとともに、本通知の趣旨等について、貴管下保健所設置市、特別区、医療機関、関係団体等に対し周知願いたい。

第一 改正の趣旨
 平成13年5月に厚生労働省に設置した「医療安全対策検討会議」において、今後の医療安全対策の目指すべき方向性と緊急に取り組むべき課題について幅広い検討が行われ、「医療安全推進総合対策」が取りまとめられ、事故事例の収集については、法的な問題も含めてさらに検討することとされた。これを受けて設置した「医療に係る事故事例情報の取扱いに関する検討部会」により引き続き検討が行われ、平成15年4月、報告書が取りまとめられた。本報告書においては、医療事故の発生予防・再発防止策を講じるため、医療現場から「幅広く」、「質の高い情報」を収集し、専門家により分析した上で、改善方策を医療現場等に提供する必要があること、及び、事故の分析体制が確立されている国立高度専門医療センター、特定機能病院等については、特に重大な事例の報告を義務付けること等が指摘された。今回の改正省令は、医療機関における医療の安全確保が医療政策における最重要課題の一つであることにかんがみ、本報告書の趣旨等を踏まえつつ、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「規則」という。)の一部改正によって、国立高度専門医療センター等における事故等事例の報告に関する事項を定めるものである。

第二 改正内容
 平成16年10月1日より、(1)の対象医療機関の管理者は、当該医療機関において(2)の事故等事案が発生した場合には、当該事案が発生した日から原則として二週間以内に、(3)に掲げる項目(詳細は別紙参照)を記載した報告書を作成し、厚生労働大臣の登録を受けたもの(以下「登録分析機関」という。)に提出することとする。なお、報告様式等については、後日別途告示される登録分析機関から追って示される予定であることを申し添える。
 また、登録分析機関の登録に係る改正部分に関しては、公布の日から施行とする。

(1)対象医療機関
 国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所
 独立行政法人国立病院機構の開設する病院
 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学の附属施設である病院(病院分院を除く。)
 特定機能病院

(2)医療機関における事故等の範囲
 誤った医療又は管理を行ったことが明らかであり、その行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案。
 誤った医療又は管理を行ったことは明らかでないが、行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案(行った医療又は管理に起因すると疑われるものを含み、当該事案の発生を予期しなかったものに限る。)
 前二号に掲げるもののほか、医療機関内における事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案。

(3)報告を求める項目
 当該事案が発生した日時、場所及び診療科名
 性別、年齢、病名その他の当該事案に係る患者に関する情報
 職種その他の当該事案に係る医療関係者に関する情報
 当該事案の内容に関する情報
 前各号までに掲げるもののほか、当該事案に関し必要な情報

第三 その他
 第二の(1)以外の医療機関については、事故等事案の報告は義務づけられていないが、あらかじめ登録分析機関に申し出ることにより第二の(2)及び(3)と同様の報告を行うことが可能であるので、事故等事案の報告の重要性等に関する理解を深め、より多くの医療機関による報告が行われるよう本通知の趣旨等について周知に努められたい。
 また、本報告制度への参加の有無にかかわらず、毎年通知している「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査の実施について」に基づく依頼(医療機関において発生した管理上重大な事故(多数の人身事故、院内感染の発生、診療用放射線器具等の紛失等)、軽微な事故であっても行政の参考となると判断される事案等の医政局指導課への情報提供)については、引き続き対応していただくとともに、関係医療機関にその旨ご周知願いたい。


別紙

報告を求める項目


 当該事案が発生した日時、場所及び診療科名
  発生月、その曜日(祝祭日であるか否かを含む。)、発生時間帯、発生場所、関連する診療科(複数回答可)

 性別、年齢、病名その他の当該事案に係る患者に関する情報
  患者の性別、患者の年齢、患者区分(入院又は通院の別)、疾患名(事故に関連したもの)

 職種その他の当該事案に係る医療関係者に関する情報
  当事者の職種(医師については専門医又は認定医資格の有無を含む)、当事者の職種経験(勤続)期間(年月)、当事者のその部署における配属期間(年月)、当事者の勤務状況(数値情報:直前1週間の当直または夜勤の回数(夜勤の場合にあたっては、2交代制か3交代制の別を含む))、発見者

 当該事案の内容に関する情報
  事故の内容(テキスト情報)、発生場面、事故の程度(死亡、障害の残存、又は治療・処置の別)

 前各号までに掲げるもののほか、当該事案に関し必要な情報
  発生要因、患者側の要因(心身状態)、緊急に行った処置(テキスト情報)、事故原因(テキスト情報)、事故の検証状況(テキスト情報)、改善策(テキスト情報)

  注1)テキスト情報以外の項目の記載に関しては、医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例の収集、分析及び情報提供)の実施について(平成16年3月30日、医政発第0330008号、薬食発第0330010号)の別添2:「全般コード化情報」コード表及び別添3:「記述情報」コード・記述項目表に記載されている内容を参照すること。
  注2)改善策や事故原因等の記述情報の一部に関しては、2週間の提出期限時点で判明或いは検討出来ている内容で暫定的に記載、提出することとし、それ以降改善策や事故原因等の内容が確定するまで随時情報を追加提出することとする。

(参考)
 (1)規則に規定される報告を求める医療機関における事故等の範囲について、事故報告範囲検討会が取りまとめた考え方と具体的な例を別紙の参考1、2に示しているので、参考にされたい。
 (2)医療機関の安全管理の指導等は、厚生労働省ホームページ「医療安全対策について」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/index.html)に各種報告書や研究成果等の資料を掲載しており、これらを参考にされたい。


参考1

報告範囲の考え方


患者重症度


原因等
A.死亡
 (恒久)
B.障害残存
 (恒久)
C.濃厚な処置・治療を要した事例(一過性)
(注1)
軽微な処置・治療を要した事例または影響の認められなかった事例
1.明らかに誤った医療行為又は管理(注2)に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に障害が残った事例又は濃厚な処置若しくは治療を要した事例。
事故(注4)として報告 注3 医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例収集事業)へ報告
2.明らかに誤った医療行為又は管理は認められないが、医療行為又は管理上の問題(注2)に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に障害が残った事例又は濃厚な処置若しくは治療を要した事例。(医療行為又は管理上の問題に起因すると疑われるものを含み、当該事例の発生を予期しなかったものに限る。)
3.上記1.2のほか、医療に係る事故の発生の予防及び再発の防止に資すると認める事例
 ※ ヒヤリハット事例に該当する事例も含まれる
事故(注4)として報告

 ・注1)濃厚な処置・治療を要する場合とは、バイタルサインの変化が大きいため、本来予定されていなかった処置や治療(消毒、湿布、鎮痛剤投与等の軽微なものを除く)が新たに必要になった場合や、新たに入院の必要が出たり、入院期間が延長した場合等をいう。
 ・注2)ここにいう「管理(管理上の問題)」では、療養環境の問題の他に医療行為を行わなかったことに起因するもの等も含まれる。
 ・注3)部分は軽微な処置・治療を要した事例を示しており、従来のヒヤリ・ハット事例収集事業では報告対象外であった項目。
 ・注4)事故とは、過誤および過誤をともなわない事故の両方が含まれる。


参考2

事故報告範囲具体例


1.明らかに誤った医療行為又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に障害が残った事例又は濃厚な処置若しくは治療を要した事例。
【医療行為にかかる事例】
 ・異物の体内遺残
 ・手術・検査・処置・リハビリ・麻酔等における、患者や部位の取り違え
 ・明らかに誤った手順での手術・検査・処置・リハビリ・麻酔等
 ・重要な徴候、症状や検査結果の見落とし又は誤認による誤診
【医薬品・医療用具の取り扱いにかかる事例】
 ・投薬にかかる事故(異型輸血、誤薬、過剰投与、調剤ミス等)
 ・機器の間違い又は誤用による事故
【管理上の問題にかかる事例、その他】
 ・明らかな管理不備による入院中の転倒・転落、感電等
 ・入院中に発生した重度な(筋膜(III度)・筋層(IV度)に届く)褥瘡
2.明らかに誤った医療行為又は管理は認められないが、医療行為又は管理上の問題(注2)に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に障害が残った事例又は濃厚な処置若しくは治療を要した事例。(医療行為又は管理上の問題に起因すると疑われるものを含み、当該事例の発生を予期しなかったものに限る。)
【医療行為にかかる事例】
 ・手術・検査・処置・リハビリ・麻酔等にともなう予期されていなかった合併症
 ・リスクの低い妊産婦の死亡
【医薬品・医療用具の取り扱いにかかる事例】
 ・医療機器等の取り扱い等による重大な事故(人工呼吸器等)
 ・チューブ・カテーテル等の取り扱いによる重大な事故
【管理上の問題にかかる事例、その他】
 ・熟練度の低い者が適切な指導なく行った医療行為による事故
 ・入院中の転倒・転落、感電、熱傷
 ・入院中の身体抑制にともなう事故
 ・その他、原因不明で重篤な結果が生じた事例
3.上記1.2のほか、医療に係る事故の発生の予防及び再発の防止に資すると認める事例
ヒヤリハット事例に該当する事例も含まれる
【医療行為等にかかる事例】
 ・移植にともなう未知の感染症
 ・遺伝子治療による悪性腫瘍
 ・汚染された薬剤・材料・生体由来材料等の使用による事故
【管理上の問題にかかる事例】
 ・間違った保護者の元への新生児の引き渡し
 ・説明不足により、患者が危険な行為をおかした事例
 ・入院中の自殺または自殺企図
 ・患者の逸脱行為による転倒・転落、感電等
【犯罪、その他】
 ・院内で発生した暴行、誘拐等の犯罪
 ・無資格者・資格消失者による医療行為
 ・盗難

 この表は、それぞれのカテゴリーにおけるいくつかの例を示したものである。


○厚生労働省令第百三十三号
 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第十二条の三、第十六条の三第七号、第十七条及び第二十二条の二の規定に基づき、並びに同法を実施するため、医療法施行規則等の一部を改正する省令を次のように定める。
  平成十六年九月二十一日

厚生労働大臣 坂口  力
   医療法施行規則等の一部を改正する省令
 (医療法施行規則の一部改正)
一条 医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)の一部を次のように改正する。
 第六条の三第二項第十号及び第九条の二の二第一項第十号中「第九条の二十三」を「第九条の二十三第一項第一号」に改める。
 第九条の二十第一号ハ中「第九条の二十三」を「第九条の二十三第一項第一号」に改め、同号に次のように加える。
  ニ 第九条の二十三第一項第二号に規定する報告書を作成すること。
 第九条の二十二中「第九条の二十三」を「次条第一項第一号」に改める。
 第九条の二十三を次のように改める。
九条の二十三 法第十六条の三第七号に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
 次に掲げる体制を確保すること。
 専任の医療に係る安全管理を行う者及び専任の院内感染対策を行う者を配置すること。
 医療に係る安全管理を行う部門を設置すること。
 当該病院内に患者からの安全管理に係る相談に適切に応じる体制を確保すること。
 次に掲げる医療機関内における事故その他の報告を求める事案(以下「事故等事案」という。)が発生した場合には、当該事案が発生した日から二週間以内に、次に掲げる事項を記載した当該事案に関する報告書(以下「事故等報告書」という。)を作成すること。
 誤つた医療又は管理を行つたことが明らかであり、その行つた医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残つた事例又は予期しなかつた、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案
 誤つた医療又は管理を行つたことは明らかでないが、行つた医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残つた事例又は予期しなかつた、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案(行つた医療又は管理に起因すると疑われるものを含み、当該事案の発生を予期しなかつたものに限る。)
 イ及びロに掲げるもののほか、医療機関内における事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案
 事故等報告書には、次に掲げる事項を記載するものとする。
 事故等事案が発生した日時、場所及び診療科名
 性別、年齢、病名その他の事故等事案に係る患者に関する情報
 職種その他の事故等事案に係る医療関係者に関する情報
 事故等事案の内容に関する情報
 前各号に掲げるもののほか、事故等事案に関し必要な情報
第十一条の次に次の一条を加える。
十一条の二 第九条の二十三第一項第二号の規定は、次に掲げる病院であつて特定機能病院でないもの(以下「事故等報告病院」という。)の管理者について、準用する。
 国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所
 独立行政法人国立病院機構の開設する病院
 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学の附属施設である病院(病院分院を除く。)
第十二条を次のように改める。
十二条 特定機能病院及び事故等報告病院の管理者は、事故等事案が発生した場合には、当該事故等事案に係る事故等報告書を当該事故等事案が発生した日から原則として二週間以内に、事故等分析事業(事故等事案に関する情報又は資料を収集し、及び分析し、その他事故等事案に関する科学的な調査研究を行うとともに、当該分析の結果又は当該調査研究の成果を提供する事業をいう。以下同じ。)を行う者であつて、厚生労働大臣の登録を受けたもの(以下「登録分析機関」という。)に提出しなければならない。
第十二条の次に次の十五条を加える。
十二条の二 前条の登録は、事故等分析事業を行おうとする者の申請により行う。
 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
 申請者の氏名又は名称並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 事故等分析事業を行おうとする主たる事務所の名称及び所在地
 事故等分析事業を開始しようとする年月日
 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
 申請者が個人である場合は、その住民票の写し(外国人にあつては外国人登録証明書の写し)
 申請者が法人である場合は、その定款又は寄附行為及び登記簿の謄本
 申請者が次条各号の規定に該当しないことを説明した書類
 第十二条の四第一項第八号に規定する委員の氏名及び略歴
 申請者が法人である場合は、その役員の氏名及び略歴を記載した書類
 事故等分析事業以外の業務を行つている場合には、その業務の種類及び概要を記載した書類
十二条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、第十二条の登録を受けることができない。
 法又は法に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
 第十二条の十三の規定により第十二条の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者がある者
十二条の四 厚生労働大臣は、第十二条の二の規定により登録を申請した者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
 営利を目的とするものでないこと。
 法人にあつては、医療に係る安全管理その他の医療機関の機能について分析又は評価を行い、その改善を支援することを当該法人の目的の一部としていること。
 医療に係る安全管理その他の医療機関の機能について分析又は評価を全国的に行う能力を有し、かつ、十分な活動実績を有すること。
 事故等分析事業を全国的に、及び適確かつ円滑に実施するために必要な経理的基礎を有すること。
 事故等分析事業の実施について利害関係を有しないこと。
 事故等分析事業以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて事故等分析事業の運営が不公正になるおそれがないこと。
 法人にあつては、役員の構成が事故等分析事業の公正な運営に支障を及ぼすおそれがないものであること。
 事故等事案の分析について専門的知識又は識見を有する委員により構成される委員会を有すること。
 前号に規定する委員が事故等分析事業の実施について利害関係を有しないこと。
 公平かつ適正な事故等分析事業を行うことができる手続を定めていること。
 登録は、登録分析機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
 登録年月日及び登録番号
 登録分析機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 登録分析機関が事故等分析事業を行う主たる事業所の名称及び所在地
十二条の五 第十二条の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
十二条の六 登録分析機関は、特定機能病院又は事故等報告病院から、第十二条の規定により、事故等報告書の提出があつたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、事故等分析事業を行わなければならない。
 登録分析機関は、公正に事故等分析事業を実施しなければならない。
十二条の七 登録分析機関は、第十二条の二第二項第一号及び第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
十二条の八 登録分析機関は、事故等分析事業の業務の開始前に、次に掲げる事項を記載した事故等分析事業に関する規程を定め、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも 、同様とする。
 事故等分析事業の実施方法
 事故等分析事業に関する書類及び帳簿の保存に関する事項
 第十二条の十第二項第二号及び第四号の請求に係る費用に関する事項
 前各号に掲げるもののほか、事故等分析事業の実施に関し必要な事項
十二条の九 登録分析機関は、事故等分析事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、その休止し、又は廃止しようとする日の二週間前までに、次に掲げる事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
 休止又は廃止の理由及びその予定期日
 休止しようとする場合にあつては、休止の予定期間
十二条の十 登録分析機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに営業報告書又は事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
 特定機能病院、事故等報告病院その他の利害関係人は、登録分析機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録分析機関の定めた費用を支払わなければならない。
 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
 前号の書面の謄本又は抄本の請求
 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて次のいずれかのものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であつて、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの
 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもつて調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法
十二条の十一 厚生労働大臣は、登録分析機関が第十二条の四第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録分析機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
十二条の十二 厚生労働大臣は、登録分析機関が第十二条の六の規定に違反していると認めるときは、当該登録分析機関に対し、事故等分析事業を行うべきこと又は事故等分析事業の実施方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
十二条の十三 厚生労働大臣は、登録分析機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて事故等分析事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 第十二条の三第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
 第十二条の七から第十二条の九まで、第十二条の十第一項又は次条の規定に違反したとき。
 正当な理由がないのに、第十二条の十第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
 第十二条の十一又は第十二条の十二の規定による命令に違反したとき。
 不正の手段により第十二条の登録を受けたとき。
十二条の十四 登録分析機関は、事故等分析事業を実施したときは、次に掲げる事項を記載した帳簿を備え、これを最終の記載の日から三年間保存しなければならない。
 第十二条の規定により特定機能病院又は事故等報告病院から事故等報告書の提出を受けた年月日
 前号の事故等報告書に係る事故等事案の概要
 第一号の事故等報告書に係る事故等事案の分析結果の概要
十二条の十五 厚生労働大臣は、事故等分析事業の実施のため必要な限度において、登録分析機関に対し、事故等分析事業の事務又は経理の状況に関し報告させることができる。
十二条の十六 厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を公示しなければならない。
 第十二条の登録をしたとき。
 第十二条の七の規定による届出があつたとき。
 第十二条の九の規定による届出があつたとき。
 第十二条の十三の規定により第十二条の登録を取り消し、又は事故等分析事業の停止を命じたとき。
 第二十二条の三第三号中「第九条の二十三」を「第九条の二十三第一項第一号」に改める。
 (医療法施行規則の一部を改正する省令の一部改正)
二条 医療法施行規則の一部を改正する省令(平成十四年厚生労働省令第百十一号)の一部を次のように改正する。
 附則第三項中「新規則第九条の二十三」を「医療法施行規則等の一部を改正する省令(平成十六年厚生労働省令第百三十三号)による改正後の新規則第九条の二十三第一項第一号」に改める。
三条 医療法施行規則の一部を改正する省令(平成十五年厚生労働省令第百六十九号)の一部を次のように改正する。
 附則第三項中「新規則第九条の二十三」を「医療法施行規則等の一部を改正する省令(平成十六年厚生労働省令第百三十三号)による改正後の新規則第九条の二十三第一項第一号」に改める。
   附則
 この省令は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、第一条中医療法施行規則第十二条の次に十五条を加える改正規定については、公布の日から施行する。


トップへ
戻る