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 8 窒息
項目 ヒヤリ・ハットメモ エラー発生要因 防止策 事故発生時対応策





食事
臥床中の患者の食事介助で、嚥下がうまくいかずひっかけそうになった。
不適切な食事姿勢
頭の角度、対称的な姿勢、過剰な伸展・屈曲パターンの抑制、全身がリラックスし、安定した姿勢をとる。
基本姿勢は、食物が通過しやすい頭と脊柱が垂直となるように正中位を保持する。最低でも45度まで上体を起こす。頭部が伸展しないように頭部を前屈させる。
頸のすわっている患者はコンピラックスなどを利用し、座位にする。股関節、膝関節をきちんと曲げて、足底は床に着くようにする。
直ちに食事を中止し、口から掻き出す。
すぐにタッピング、吸引をする。
体位調整
側臥位をとらす
発声させて誤嚥状態を確認する
観察
顔色
チアノーゼの有無
呼吸状態
バイタルサイン測定
医師に報告し、指示を仰ぐ。
状態によっては救急カートの準備
家族への連絡
経時的記録を行う。
水分、味噌汁、固いリンゴやメロン、ブロッコリー、粒のあるぜんざいでむせ、ひっかけた。

そばの刻み食を食事介助している際に、急に咳き込んだ。
不適切な食事形態
患者の状態や、嚥下能力を考慮した食事形態の工夫(医師や栄養士との連携)
小さく刻む、つぶす。
水分にムースアップを使用する。
粒状のものにはトロミアップを使用する。
汁物は極少量含ませる。
固形物と流動食を交互に嚥下させる。
医師と連携をとり、無理せず注入とする。
朝食介助中、時間や他の患者を気にするあまり、嚥下を確認せず口に入れたら、むせ込んだ。
ロールパンを口の中に自分で入れて口唇チアノーゼがみられた。
摂食のペース
一口量の多さ
1口ごとに嚥下を確認し、次の食物を口に入れる。
一人に集中して介助する。
途中患者の状態をよく確認し、休憩を入れたり、よく咀嚼するように声掛けする。
個人の一口量にあったスプーンを選択し、咀嚼できる量を口に入れる。固形物は一口量の大きさに切っておく。
顔を横に向け、上体をやや挙上させて摂取させる。
枕を使い、頸部前屈位にする。
 
痰が多く、食事中の咳き込み、むせが目立つ。
緊張がある患者に、声掛けしながら一口ずつ口に入れたが咳き込んだ。
援助者変更による緊張感
病状観察と判断が不十分
無理に経口摂取させない。
食前に吸引をしておく。
いつでも吸引出来るように吸引器を準備しておく。
緊張の強い児には、できるだけ慣れた人が介助できるようにする。
 
食事介助中、食物が口の中に残った状態で突然発作を起こし、顔色不良となった。
観察を密にし、発作の前兆を把握する。
発作の前兆があれば食事を中断する。
 
介助者の声掛けに返事をしようとしてひっかけた。
食事中の不用意な会話
食事に集中できる環境づくり
食事中の不要な声掛けはしない。
 





注入
注入中に患者がMチューブを抜去していた。
注入中に患者が動いて、注入セットが引っ張られ、途中まで抜けていた。
固定チューブが流涎ではがれ、Mチューブが途中まで抜けていた。
Mチューブの自己抜去
注入中の観察不足
チューブ固定の不備
老人、重心児、小児等は無意識のうちに抜去するので、行動等、状態を十分に把握しておく。
注入前に必ずMチューブの位置確認をし、しっかり固定する。
注入中の観察を十分に行う。
不随意運動などで手がひっかからないようにMチューブに余裕を持たせる。
Mチューブの固定
注入を中止し、側臥位をとらせ注入物を直ちに吸引する
観察
バイタルサイン測定
呼吸状態
顔色
チアノーゼの有無
医師に報告する
救急カートの準備
経時的記録を行う。
家族への連絡
注入前後に咳込みや喘鳴が出現した。
注入中、注入後に嘔吐した。
注入技術の未熟
注入前は排痰を十分行う。
体位の調整
注入中及び注入後30分は上体を挙上し、逆流を防ぐ。
注入中後の状態観察
注入温度37〜38度
注入速度100ml/時間以下
顔色
呼吸状態
痙攣発作
注入中に吸引する場合は、鼻腔から吸引し、嘔吐反射が出現しないようにする。
Mチューブが胃の中に入っていることを確認(胃液の逆流確認、エアー音の確認)し、注入しようとしたが、口の中でMチューブが丸まっていた。
Mチューブの位置確認の不足
注入前はMチューブの位置確認を行う。
エアー音の確認
胃液吸引での確認
口腔内の確認
注入中の観察
顔色、激しい咳き込み等
 



側臥位で、口の中に痰を一杯溜めていた。
側臥位中、泡沫粘稠痰が溢れ、口や鼻が塞がれそうになっていた。
吸入中加湿され痰が多量に口中から溢れてした。
喘鳴が強く、吸引や体位変換しても喘鳴がとれない。
冷汗が見られ、SpOが低下しており、後から呼吸苦を訴えた。
他覚的症状がなくても、吸引すると多量に痰が引かれた。
患者の状態把握不足
吸引、排痰の介助不足
老人、小児、重心児、術後や意識障害者は、症状が無症状のまま経過することがある。
訪室を多くし、観察を密にして、患者の状態把握を十分に行う。
 顔色、チアノーゼ、喘鳴音、SpO、呼吸状態、咳嗽、冷汗、バイタルサイン
体位ドレナージ、ネブライザー吸入を上手に行い、痰吸引を行う。
吸入中後は、患者の観察を密に行い、吸引を頻回に行う。
痰量の多い患者は、他患のケアに入る前に十分に排痰を行い、聴診して喘鳴音が残っている場合は、残っている肺を上にして、側臥位をとらせる。
患者、家族に排痰の方法や吸引の必要性について説明する
医師との連携をとり、必要時去痰剤などの指示を受ける。
吸引器が側に無いときは、携帯用の吸引機の点検、準備をして、すぐ使えるようにしておく。
患者、家族に排痰の方法や吸引の必要性について説明する
痰による窒息時の対応
痰吸引を行い、医師に至急連絡して、指示に従う。
観察を行う。
顔色
チアノーゼ
呼吸状態
SpO
バイタルサイン
意識状態
気管内挿管の準備をしておく
気管切開の準備をしておく。
アンビューバッグを準備しておく。
救急カートの準備をしておく。
必要時、家族への連絡をする。
経時的記録を行う。
痰が取れないため、吸引を繰り返し行っていたら、患者が足をバタバタさせて怒った。
吸引時間が長く、チアノーゼが出現した。
吸引手技の未熟
体位ドレナージやネブライザー吸入、タッピングを行い、痰の排出を容易にして吸引を行う。
患者の咳に合わせて吸引ができなかった旨、何度も吸引することにより、呼吸苦を訴えた。
 
吸引するときは、患者に吸引の必要性を説明して協力を得る。
1回の吸引で痰が取りきれない時は、呼吸、心拍、血圧が吸引前の状態に安定してから繰り返して行う。
嘔吐反射の激しい患者の吸引は、鼻腔より陰圧をかけずにカテーテルを15〜20cm挿入して、そっと回転しながら吸引する。
吸引前後は、聴診で呼吸音を聴取して喘鳴音の有無、部位を確認する。
吸引前、吸引中、吸引後は患者の状態を観察しながら行う
 





誤嚥

誤飲
オーバーテーブルの上に延長チューブのキャップを置き忘れていた。
経口摂取できない患者に、家族が棒付きアメ玉をくわえさせて帰ってしまった。
床に落ちていたユベラの容器を丸ごと口に入れた。
何でも口に持っていく患者のベッドに坐薬の空袋、小さなおもちゃ等、ベッドの上に置き忘れた。
置き忘れ
処置後は置き忘れがないか確認する。
乳幼児、重心児、脳卒中後遺症、パーキンソン病、痴呆等、患者の病態像を理解しておく
口の中に入れている物を取り出す。
医師へ報告し、指示を仰ぐ。
必要時はすぐ吸引する。
体位調整
側臥位にする
観察
バイタル測定
呼吸状態
顔色
チアノーゼ
いざり移動できる患者が床のゴミを食べようとしていた。
プレイルームに輪ゴム、ボタンが落ちていた。
清掃、片づけ不足
床、ベッド内、ベッド周辺の清掃、片づけを意識的に行う。・床、ベッド内、ベッド周辺の清掃、片づけを意識的に行う。
痴呆のある患者がちり紙やタオルを口の中に詰め込み、飲み込めなくて目をシロクロさせていた。
異食患者が外に出て砂を食べようとしていた。
毛布についているマークの所の布を口の中でモグモグさせていた。
異食行動
異食行動をとる患者の行動・所在確認をする。
危険な場所の点検を行う。
必要な所には施錠をする。
児の手の届かない場所の工夫をする。
救急カートの準備
経時的記録を行う。
家族への連絡


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