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輸血


 要点

血液型は、検査伝票で確認。患者本人及び家族に確認する。

看護師と薬剤師又は検査技師で輸血箋と輸血バッグを声に出して照合確認する。

医師は患者のところで患者氏名と輸血バッグの氏名を確認し、患者への輸血開始の説明をする。

血液製剤と伝票及び患者確認を輸血バッグごとに行う。

輸血ラインは専用の輸血セット、静脈留置針を使用する。

輸血を開始してから5分間は患者のところを離れない。

血液製剤は適正な温度で管理し、有効期限内に使用する。

自己血採血時は、患者と採血バッグの氏名、血液型を確認する。



(輸血)
エラー発生要因 事故防止対策 留意点
 患者誤認

 血液型の確認不足

 指示・投与方法の誤認

 副作用に関する観察不足

 保管方法の誤り
血液型の明示  
(1) 検査伝票のカルテ貼付場所を統一する。

 
カルテと輸血箋の確認  
(1) 担当看護師は医師から指示を受ける。
血液型は検査伝票で確認する。
(ABO式、RH式両方の確認)

同姓同名・類似品を確認する。
疑問に思ったら医師に確認する。
患者本人及び家族にも血液型を確認する。
同意書の提出がなされているか確認する。
指示受け  
(1) 担当看護師が指示を受け、カルテに指示受けサインをする。
(2) 輸血箋の氏名・血液種別の確認をする。交叉試験のための採血を行い、薬剤科又は検査室へ提出する。

 
払い出し  
(1) 薬剤師又は検査技師は、輸血箋の内容が適切か確認する。
(2) 輸血箋の内容と血液製剤が間違いないか確認し、払い出す。

 
血液の受領  
(1) 看護師と薬剤師又は検査技師で輸血箋と輸血バッグ(患者氏名・血液型・血液製剤の種類・量・ロット番号・使用予定日・交叉判定・照射の有無・有効期限・溶血・凝血塊・バッグ破損の有無)を声に出し、伝票は指さしで2回確認する。
 輸血バッグには、患者氏名、血液型等を明示したラベルの貼付又は札をつける。
(2) 輸血箋に受領のサインをする。
(3) 受領時は必ずクーラーバッグに入れて受領する。

輸血開始直前に受領する。
(長時間の病棟での保管をさけるため)
FFPを他の血液製剤と一緒のクーラーバッグには入れない。
(他の血液製剤の血球を破壊する ため)
輸血開始  
(1) 担当看護師は、患者氏名・血液型・ロット番号・有効期限を確認する。
(2) 医師は患者のところで患者氏名と輸血バッグの氏名を確認し、患者への輸血開始の説明をする。
(3) 凍結血漿はナイロン袋に入れて、36℃〜37℃の湯で暖め溶解してから使用する。
(4) 輸血ラインは専用の輸血セット、静脈留置針を使用する。
(5) 静脈留置針は18Gを使用する。
血液製剤と伝票及び患者確認を輸血バッグごとに行う。
溶解後3時間以内に輸血を終了する。
(6) 輸血速度は患者の状態に応じて調節する。一般には開始後15分間は1〜2cc/分とし、変化がなければ4cc/分とする。
(7) 輸血を開始してから5分間は患者のところを離れない。開始後15分程度経過した時点で再度様子を観察する。
(8) 異常が生じた場合は、ただちに中止し、医師に報告する。

1単位を4時間以上かけて輸血すると溶血・細菌繁殖を助長する可能性もあるので避けるべき
頻繁に患者のもとを訪問し、患者の体の安全を確認する。
輸血終了  
(1) 止血の確認
(2) 再度、患者名、血液型及び血液製剤製造番号を確認する。
(3) 輸血箋に実施者のサインをする。
(4) 診療記録に血液製剤製造番号、輸血時の状態を記録する。

 
血液の保存・使用方法
血液製剤は適正な温度で保管し、有効期限内に使用する。
全血・赤血球製剤、新鮮液状血漿は4〜6℃で保存。
FFPは−20℃以下で保存。
血小板の保管は常温で震とうさせておく。
血小板は採血後48時間以内に使用する。
(1) 輸血使用する直前に薬剤師又は検査室から受領する。
(2) 同日に複数患者の輸血を施行する場合、必ず区切りをして保管する。
(3) 凍結血漿は、冷凍庫から出したものは解凍したものと見なし、使用しない。

自己血輸血  
(1) 医師は自己血輸血伝票に記入する。
(2) 医師は自己血輸血について説明する。
(3) 採血時は患者と採血バッグの氏名、血液型を確認する。
(4) 採血終了後、止血を確認する。
(5) 採血バッグに採血量、採血日時を記入する。
(6) 薬剤科又は検査科の保冷庫にできるだけ早く保管する。
(7) 薬剤科又は検査科との受け渡しは、他の血液製剤と同様の取扱いを行う。
(8) 自己血を輸血する時も、他の血液製剤と同様の取扱いを行う。
採血時の針の刺入部及び深さに注意する。
採血場所を清潔に保つ。


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