7.   医薬品・医療機器等の監視指導等

(1)   GMP/QMS

現状等

 ○  平成14年改正薬事法が平成17年4月に施行されたのに伴い、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(GMP省令)及び「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(QMS省令)並びに「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令」(GQP省令)が施行されており、今年度は平成14年改正薬事法の施行後、初めて医薬品等製造業許可及び製造販売業許可の一斉更新時期を迎えた。本制度が円滑に運用されるよう平成18年10月に「GMP/QMS事例集2006年版」が発出された。

 ○  諸外国との間でGMP/QMS査察の相互承認を推進するため、輸出入される医薬品及び医療機器の製造所の査察結果について、相互受入を義務付ける国際約束であるMRA(Mutual Recognition Agreement)をECとの間に締結しているほか、相互に査察結果報告書又は証明書を発行すること等の協力に関して、国際約束ではないものの、覚書であるMOU(Memorandum of Understanding)を、 医薬品についてはドイツ、スウェーデン、スイス及びオーストラリア、医療機器についてはオーストラリア及びドイツ(滅菌医療機器のみ)との間で交わしている。また、現在、MRAの適用対象について、制限が設けられており、無菌医薬品や生物由来製品は適用対象外となっているが、制限解除に向けて平成18年10月からEC側と協議を開始した。

今後の取組

 ○  日・EC相互承認協定(MRA)に関して、現在運用上の制限がかかっている生物由来医薬品及び無菌医薬品について、制限解除に向け、同等性の確認等を引き続き検討していく。

 ○  各都道府県及び機構の行うGMP/QMS調査が、均一で整合性のとれたものとなるよう、GMP/QMS専門分野別研修(ISO13485:2003年版に関する研修)を昨年に引き続き本年2月に実施する予定である。また、GMP/QMS合同模擬査察及びGQP/GVP合同模擬査察を秋頃に実施する予定である。

都道府県への要請

 ○   医薬品等製造業及び製造販売業の許可更新時の調査並びにこれらにあわせて実施されている定期のGMP/QMS適合性調査及び新規(一部変更)承認時に実施されるGMP/QMS適合性調査の実施に際し、関係法令の円滑な運用をお願いしたい。

 ○   日・EC相互承認協定(MRA)の運用上の制限の解除に向けて、EC当局との立会査察等を予定しており、立会い査察時には協力をお願いしたい。


(2)   薬事監視の状況

現状等

 ○  医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器(以下「医薬品等」という。)の品質不良、不正表示、虚偽誇大広告等の指導・取締りを行うため、厚生労働省並びに各都道府県、保健所設置市及び特別区に薬事監視員3,659名(平成18.4.1現在)が配置され、製造販売業者、製造業者、販売業者その他業務上医薬品等を取り扱う者の施設に随時立入検査等を行い、不良医薬品等の発見や発生防止に努めている。

 ○   平成17年度については許可届出施設609,701施設のうち229,292施設及びその他業務上取り扱う施設に立入検査を行った結果(許可届出施設に対する立入検査率22.1%)、以下のとおりであった。
 (1) 違反発見施設数は 9,241件(立入検査に対する発見率2.7%)
 (2) うち、処分等を行ったものは、4,236件で、そのうち21件に対しては、業務停止を命じている。

 ○  近年、薬局、一般販売業の店舗等(以下「薬局等」という。)における薬剤師等の不在が問題になっており、平成11年度から医薬品等の一斉監視指導実施時に薬局等の薬剤師の不在状況についての調査を行っている。平成17年度の業態別薬剤師の不在率は薬局:1.5%、一般販売業:16.4%、卸売一般販売業:8.3%、薬種商販売業:10.6%であった。

都道府県への要請

 ○   薬局等における薬剤師不在率について、平成17年度の一斉監視指導実施時における調査結果は平成16年度の結果と同程度であり、今後とも引き続き薬局等に対する監視指導の徹底をお願いしたい。

 ○   医薬品等の自主回収が着手された場合には、平成12年度からすべての事例をインターネット上で公開しているが、平成18年4月から11月までの件数は444件であり平成17年度同時期の535件に比して若干減少している。また、死亡又は重篤な健康被害が予想されるクラスIは50件であるが、そのうち、ロットを構成しない輸血用血液製剤の回収事例を除けば、7件(17年度同時期8件)、一時的な健康被害が予想されるクラスIIは270件(17年度同時期240件)であった。引き続き、製造販売業者等に対してより一層の品質確保の徹底の指導をお願いしたい。

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