10 医薬品等による健康被害の救済等

(1)   医薬品等による健康被害救済制度


現 状 等

  ○   我が国では、医薬品製造販売業者の社会的責任に基づく共同事業として、(独)医薬品医療機器総合機構において、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図る医薬品副作用被害救済制度と生物由来製品による感染等による健康被害の迅速な救済を図る生物由来製品感染等被害救済制度が運営され、医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行っている。
  (平成17年度には
    医薬品副作用被害救済では836件、総額15億8,757万円の給付を実施 生物由来製品感染等被害救済では3件、総額72万4,000円の給付を実施)

都道府県への要請

  ○   救済制度の適切な運営を図るためには、医療機関の理解が不可欠であることから、引き続き管下の医療機関に対する周知方お願いしたい。また、市区町村や保健所等の医療関係相談窓口への制度の周知方も併せてお願いしたい。


(2)   HIV訴訟について


現 状 等

  ○   HIV訴訟については、平成8年3月に和解が成立したところであり、平成18年末において、1,381名との和解が成立している。

都道府県への要請

  ○   HIV感染により子や配偶者等を亡くした遺族等の精神的苦痛の緩和が重要であるところであり、御遺族等が同じ境遇にある別の遺族等に対する相談(ピアカウンセリング)等の事業を行っているので、管下保健所をはじめとし、事業の周知につき協力をお願いしたい。


(3)   クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟について


現状等

  ○   クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟については、平成14年3月に和解が成立し、平成18年末において、94名との和解が成立している。

都道府県への要請

  ○   厚生労働省では、平成14年4月に各都道府県、日本医師会、日本歯科医師会、日本病院会、日本医療法人協会、全日本病院協会、全国自治体病院協議会、日本精神科病院協会に対し、裁判上の和解の際に必要となるヒト乾燥硬膜を使用された患者に係る診療録等の長期保存をお願いする文書を送付しているので、管下医療機関に対して、引き続きその周知について協力をお願いしたい。

  ○   また、本件訴訟原告が中心となって、平成14年6月30日に「ヤコブ病サポートネットワーク(略称;ヤコブネット)」を設立し、クロイツフェルト・ヤコブ病患者・家族等に対する生活支援相談や、クロイツフェルト・ヤコブ病に関する教育
啓発等を行っているので、管下保健所及び難病医療拠点病院をはじめとし、ヤコ ブネットの周知についても、併せて協力をお願いしたい。


(参考)
I   HIV訴訟の和解等

1. HIV訴訟の和解内容
(1)   一時金                1人 4,500万円  (製薬会社6割、国4割負担)
(2)   発症者健康管理手当 月額 15万円 (製薬会社6割、国4割負担)

2. 健康管理費用について
  血液製剤によるHIV感染者であってエイズ発症前の者に対し、「健康管理費用」を支給し、健康状況を報告していただき、HIV感染者の発症予防に役立てる事業
 CDの値が200を越える者  月額  35,800円(平成18年度単価)
 CDの値が200以下の者  月額  51,800円(       〃         )
  (CD4:免疫機能の状態を示すT4リンパ球の1μリットル当たりの数)

 健康管理費用の支給に関する照会先





独立行政法人医薬品医療機器総合機構 健康被害救済部 受託事業課
住所  東京都千代田区霞が関3−3−2  TEL (03)3506-9414





3.   遺族等に対する相談事業等について
  血液製剤によるHIV患者の御遺族等が、東京、大阪を中心として、同じ境遇にある別の遺族等に対し電話相談や面談、訪問相談、全国各地での遺族相談会等を実施するものである。
(主な相談内容)
  遺族等に対する医療情報の提供、各種福祉制度の紹介
  遺族等に対する精神的なサポート、相談会の開催

 照会先







東京:  (社)はばたき福祉事業団
〒162-0814   東京都新宿区新小川町9-20
新小川町ビル5階
TEL(03)5228-1200
大阪:考える会
〒530-0047   大阪府大阪市北区西天満6-2-14
マッセ梅田ビル2号館805号室
日本医療情報センター内
TEL(06)6364-8998









II  クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟の和解等

1. クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟の和解内容

(1) 和解金(定額部分3,650万円に年齢、療養期間、弁護士費用に応じた加算を行ったもの)のうち、
  企業
  ・ 昭和62年6月以前に手術を受けた患者については、全額
  ・ 昭和62年6月以後に手術を受けた患者については、2/3の金額を支払う。
  国
  ・ 昭和62年6月以後に手術を受けた患者について1/3の金額を支払う。

(2)   国は、(1)の他、患者に一律350万円を支払う。

 この他、ヒト乾燥硬膜「ライオデュラ」の移植の有無にかかわらず、患者・家族の負担を軽減する観点から、「国の法的責任」の問題とは別に、
     ・   医療費の自己負担を全額公費負担
  訪問介護員の派遣
等の支援を行っているところであり、引き続き、現行の医療、介護、福祉の枠組みの  中で最善の対応を図ることとしている。

2. 「ヤコブ病サポートネットワーク(略称;ヤコブネット)」について
ヤコブネットは、クロイツフェルト・ヤコブ病患者の遺族等が行う電話相談を中心とした事業を行うものである。
 (主な相談内容)
     ・   ヤコブ病患者・家族に対する医療情報の提供、各種福祉制度の紹介
  遺族に対する精神的なサポート
  過去に脳外科手術を受け、ヒト乾燥硬膜移植の可能性があるために、将来のヤコブ病発症の不安に悩む者に対する相談 等

 ヤコブネットの照会先






〒508-0041  岐阜県中津川市本町4-2-28
 TEL (0573)62-4970
 (支部の連絡先) 東日本  TEL (03)5391-2100
中 部  TEL (0573)62-4970
西日本  TEL (0748)72-1478







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