3. 違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策について


現状等


 ○  違法ドラッグ(いわゆる「脱法ドラッグ」。)は、近年、多幸感、快感等を高めるものとして、インターネット等で、「合法ドラッグ」等と称して販売されているが、その有害性のみならず、麻薬等の乱用の契機となることも危惧されることから、取締りの強化が必要とされてきた。


 ○  違法ドラッグは、使用目的に係る標榜ぶりに関わらず、事実上、人体への摂取を目的として販売されていると判断される場合には、薬事法上の無承認無許可医薬品に該当し、取締りの対象となるとの判断を示してきたところであり、平成18年1月には、亜硝酸エステル類を含有する「RUSH」等の違法ドラッグを輸入販売していた業者について、薬事法違反で警視庁に告発を行った。(現在公判係属中)


 ○  また、販売実態を調査するために、平成13年度から、(1)インターネット上の広告監視、(2)全都道府県での買上げ調査を実施している。


 ○  違法ドラッグのうち、科学的根拠に基づいて依存性、精神毒性等が認められたものを麻薬に指定している。(平成18年3月に「MBDB」、「2C-T-7」及び「ケタミン」を麻薬に指定。同年9月に「3CPP」及び「TMA-2」を麻薬に、「モダフィニル」を第一種向精神薬に、本年1月に「メチロン」を麻薬に指定。)


 ○  「脱法ドラッグのあり方に関する検討会」において取りまとめられた提言(平成17年11月)の内容を踏まえた薬事法改正法が昨年の第164回通常国会において可決成立したところ。
(改正薬事法(違法ドラッグ対策関係)の概要)
    (1)   幻覚等の作用を有する一定の薬物を厚生労働大臣が指定し、その製造、輸入、販売等を禁止することとした。
    (2)   指定薬物である疑いがある物品に関し、検査を受けることを命ずることができるようにした。
    (3)   違反行為に対する罰則を新たに設けることとした。



今後の取組


 ○  現在、本年4月1日の施行に向け、制度の円滑な実施のための準備を進めているところ。
(今後の予定)
 1月4日       施行期日制令(施行期日を平成19年4月1日と規定)公布
 1月下旬       指定薬物の指定省令(医療等の用途の規定を含む。)公布
 2月下旬       薬事法施行規則の一部改正省令(検査命令の手続の規定等)公布各種運用を示す通知の発出


 ○  平成19年度は、引き続き依存性、精神毒性等に関する試験を実施し、迅速な麻薬指定により取締りの強化を図っていくこととしている。
 ア  都道府県での買上げ調査の実施
 (健康食品対策費を含む)
 5,798千円
 イ  都道府県での模擬査察・検査の実施  4,491千円
 ウ  麻薬指定のための依存性等の試験実施  18,090千円
 エ  指定薬物標準品合成及び分析法開発等の実施  24,785千円
 オ  乱用実態調査の実施  14,400千円
 カ  違法ドラッグ乱用防止の啓発の実施  29,429千円


都道府県への要請


 ○  違法ドラッグの取締りに当たっては、成分の分析、販売者への指導等が必要となる。適宜、取締りに必要な情報の提供を行っていくので、本制度の円滑な実施に向けた準備をお願いしたい。


 ○  改正薬事法の施行後も、新規の違法ドラッグについては現行薬事法による無承認無許可医薬品としての取締りを継続することとなる。違法ドラッグの監視指導を強化し、薬事法違反事案に対する厳重な取締りをお願いしたい。


 ○  今後とも全都道府県において買上調査事業を行うこととしている。本調査で得られる情報は、違法ドラッグ対策の基礎をなし、規制すべき物質を指定薬物として指定するために不可欠なものであるので、引き続き本調査の円滑な実施に向け協力をお願いするとともに、新たに流通している薬物に関する情報の提供をお願いしたい。



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