平成19年11月14日
厚生労働省医薬食品局
審査管理課化学物質安全対策室
室長 山本(内線2421)
担当 田中(内線2426)
     下位(内線2424)

子供用ビーズ玩具製品について(情報提供)

今般、米国、カナダ及びオーストラリアにおいて、下記の中国製のビーズ玩具製品が販売されていたところ、製品を誤飲した子どもが意識不明となる事故等が発生したために製品を自主回収しているという発表がありました(別添1)。また、中国国家質量監督検験検疫総局が、当該製品に1,4-ブタンジオール(14.5%)が含まれていることを確認したとのことです(別添2)。1,4-ブタンジオールは、体内で吸収・代謝されると中枢神経抑制作用を有するとされています。

現時点において、国内で当該製品の誤飲による中毒発生や日本国内での販売・輸入は確認されていませんが、もし、回収対象となっている製品が手元にある場合は、使用を止め、乳幼児等が誤飲しないようにしてください。また、誤飲した場合には、医療機関を受診してください。

商品名  Aqua Dots(米国及びカナダ)

Bindeez(オーストラリア)

販売者  Spin Master社(カナダ)

Moose Enterprise社(オーストラリア)

(別添1−1) 米国消費者製品安全委員会発表資料

http://www.cpsc.gov/cpscpub/prerel/prhtml08/08074.html

(別添1−2) カナダ保健省発表資料

http://healthycanadians.gc.ca/pr-rp/recall-retrait_e.php?langCd=eng&searchTyp=1&re_id=259&searchstring=&searchyear=2007&searchcategory=&StartIndex=1

(別添1−3) オーストラリア政府発表資料

http://www.recalls.gov.au/view_recall_detail.php?Recall_ID_Auto=15250

(別添2) 中国国家質量監督検験検疫総局発表資料

http://www.aqsiq.gov.cn/zjxw/zjxw/zjftpxw/200711/t20071112_53226.htm

〔仮訳〕

ただちに調査 迅速に措置
国家質量監督検験検疫総局がアメリカによる中国製カラービーズ玩具の回収にすみやかに対処

11月8日、アメリカの消費者製品安全委員会(CPSC)が、中国から輸出されたカラービーズ玩具420万個について回収を行いました。子どもがこのカラービーズを飲み込んだ場合、製品に含まれる化学物質が子どもに害を与えるというのが、回収の理由です。国家質量監督検験検疫総局はこれを受け、ただちにCPSCと連絡をとり、国内の関連企業と製品につき調査を実施しました。

初歩的な調査の結果分かったところによりますと、アメリカ側が回収した玩具はオーストラリアのムース・エンタープライズのブランド製品で、オーストラリアのムース・エンタープライズ社がカラービーズの見本を提供し、香港の導源有限公司が代理で取り扱い、深せんの旺奇製品廠が生産した製品です。工場が代理業者に試作したサンプルを提出し、製品の成分について報告し、確認を得た上で生産して輸出していたものでした。

この玩具製品は、その包装に、「飲み込むと危険です」との警告表示がはっきりと示されており、更には「3歳以下の子どもは使用しないでください」との文字も明記されています。この玩具は、樹脂材料を軟化させ、射出成型したもので、その生産の過程で、企業は1,4-ブタンジオールを軟化剤として使用していました。1,4-ブタンジオールは毒性がありますが、国際的に、玩具製品関連の化学安全基準には1,4-ブタンジオールの含有量に対する制限要件はありません。国家質量監督検験検疫総局の検査機構の検査では、当該の製品には14.5%の1,4-ブタンジオール成分が含まれていることが分かりました。

当該製品が子どもに害を与える情況が生じたことを考慮し、国家質量監督検験検疫総局はリスク評価を行ったうえで、ただちに以下の措置を採りました。[1]当該工場が生産する玩具製品の輸出を直ちに停止する。[2]当該工場の輸出玩具許可証を暫時停止とする。[3]関係の検査機関ならびに専門家を組織し、当該玩具に含まれる化学成分およびそれによって引き起こされうる危害につき分析、評価を実施する。[4]アメリカの関係方面との連絡をいっそう強化し、アメリカ関係方面に対して、消費者被害の医学的検査方法ならびに報告の提供を求めることで、いっそう科学的な評価が行えるようにする。

国家質量監督検験検疫総局の関係の責任者は、予想外の被害を回避するために、消費者およびその保護者は製品の説明にしたがって正しく製品を使用するよう注意すべきであると指摘し、被害については、保護者も相応の法的責任を負うべきであると述べ、また、同時に、輸出企業の生産経営活動は国の関連の法律法規の要求に適合したものでなければならず、国家質量監督検験検疫総局は違法行為や規則違反行為に対し、相応の法的責任の追及を含めて厳しく処罰する、と述べました。


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