雇用のミスマッチの縮小等に向けた雇用対策の推進
〜平成18年度予算(案)のポイント〜

職業安定局


I  雇用のミスマッチの縮小のた めの雇用対策の推進

 雇用情勢が厳しい地域に重点化した雇用対策の実施 210億円

(1)  中小事業主団体等による地域での雇用開発の推進(新規) 7.7億円
 地域における雇用の改善、2007年問題の対応等のため、中小事業主団体等による地域の実情を踏まえた高年齢者の活用、後継者の確保等を図る取組を支援する。

(2)  地域の主体的な取組に対する支援の推進 3.4億円
 地域における雇用創造のための構想を策定しようとする市町村等に対し、専門家による助言や参考となる成功事例の紹介等により、企画・構想段階から支援する。

(3)  雇用情勢が厳しい地域における創業支援の充実 40億円
 雇用情勢の厳しい地域において失業者(雇用保険の受給資格者)が創業した場合の支援を拡充するとともに、大都市圏等からの移転に伴う経費を助成する。

 成長分野等における労働力の確保の推進 110億円

(1)  成長分野への円滑な労働移動の推進 13億円
 労働移動支援助成金について、今後の成長産業や発展分野への労働移動が実現した場合の支援を拡充するなど円滑な労働移動を推進する。

(2)  労働者の定着を図るための雇用管理改善の推進 34億円
 中小企業におけるメンタルヘルス対策の取組への支援を充実するとともに、介護分野における標準的な雇用管理モデル策定の検討や労働者の健康確保など雇用管理改善に関する相談援助の充実等を図る。

 ハローワークのサービスの見直し・強化 265億円

(1)  個々の求職者の状況に応じた個別総合的なサービスの提供 62億円
 再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン)に基づく個別相談援助、早期再就職の緊要度が高い求職者に対する専任の支援員による一貫した就職支援、長期失業を予防するための担当制による個別支援など、求職者の個々の状況に応じたきめ細かな就職支援を行う。

(2)  求人充足に向けたコンサルティングなど求人者サービスの充実 6.7億円
 未充足求人に対するフォローアップを確実に実施するとともに、労働市場の動向や求職者のニーズを踏まえた、就職に結びつきやすい求人条件を提案するなど求人充足の緊要度の高い求人事業主に対するコンサルティングを実施する。

(3)  生活保護受給者及び児童扶養手当受給者に対する就労支援の拡充 10億円
 生活保護受給者及び児童扶養手当受給者の自立支援プログラムの一環として、ハローワークと福祉事務所とが連携して行う就労支援について、生活保護受給者の就労支援対象者数を拡充するとともに、児童扶養手当受給者に対する支援の充実を図る。

(4)  子育てする女性に対する再就職・再就業支援の充実 9億円
 マザーズハローワーク(仮称)を新設し、子供連れで相談しやすい環境の整備、地方公共団体等との連携による子育て情報の提供、個々の希望を踏まえた相談・求人確保等の就職支援を行う。

(5)  ハローワーク情報プラザ、パートバンク等の再編
 ハローワーク情報プラザ、パートバンク等について、総合的な職業紹介サービスを提供する施設として再編し、各施設が提供しているサービスを集約するなど利用者の利便性の向上を図る。


II  フリーター、ニート等若者の人間力の強化の推進

 フリーター25万人常用雇用化プランの推進 137億円
(1)  ジョブカフェ等によるきめ細かな就職支援 26億円
 若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)において、フリーター向けのセミナーを充実するなど、若者の状況に応じたきめ細かな就職支援を実施する。

(2)  フリーター常用就職支援事業の強化 6.3億円
 フリーターの常用雇用化を促進するため、全国のハローワークにおいて、若年者ジョブサポーター等の担当制による一貫した就職支援を拡充実施する。

(3)  若年者試行雇用事業の拡充 99億円
 若年者試行雇用事業について対象者数を拡充するとともに、新たに長期若年無業者等を対象に、働く自信と意欲を高めつつ、段階的に常用雇用への移行を促進するため、短時間勤務による試行雇用事業を実施する。
   対象者数  60,000人  →  66,000人

(4)  フリーターの正社員登用の促進(新規) 19百万円
 経済団体の協力によるモデル事業の推進等により、フリーター正社員登用に取り組む企業の拡大を図る。

(5)  若者に対する農業就業の支援 97百万円
 フリーター等の若者に対し職業指導を通じて、農業で働くことについての意識の明確化を図るとともに、農業への就業を希望する者に対しては、情報提供や農業研修のあっせん等により農業への就業を支援する。

 若者の働く意欲や能力を高めるための総合的な取組 63億円

(1)  若者の就業をめぐる悩みに対する専門的相談体制の整備(新規) 4.7億円
 全国のハローワーク、ヤングワークプラザ等において、専門的人材によるカウンセリングサービスを提供する体制を整備し、若者の就業をめぐる悩みに的確に対応する。

(2)  無償の労働体験等を通じての就職力強化事業(ジョブパスポート事業)の充実 1.5億円
 ボランティア活動など無償の労働体験の活動実績を記録し、企業の採用選考に反映されるよう、「ジョブパスポート」の普及、内容の充実を図る。

(3)  若者の人間力を高めるための国民運動の充実 1.9億円
 若者の雇用問題についての国民各層の関心を喚起し、若者に働くことの意義を実感させ、働く意欲・能力を高めるため、経済界、労働界、教育界、地域社会、政府等の関係者が一体となって取り組む国民運動の充実を図る。

 学生から職業人への円滑な移行の実現 19百万円

(1)  若者の募集採用方法等の見直しの推進(新規) 19百万円
 若者の就職機会の拡大、公平性の確保等を促す観点から、経済団体の協力によるモデル事業の推進等、若者の募集採用方法等の見直しの取組を推進する。


III  高年齢者等の雇用・就業対策の充実

 65歳までの雇用機会の確保 464億円
   改正高年齢者雇用安定法を踏まえ、事業主への指導を徹底するとともに、継続雇用定着促進助成金の見直しを行う。また、「65歳雇用導入プロジェクト」を引き続き推進し、事業主団体を通じた支援を行う。

 中高年齢者に対する再就職支援の推進 34億円
   中高年試行雇用事業について、対象者の要件等を見直し、再就職の緊要性が高い中高年齢求職者の早期再就職の促進を図る。また、中高年齢者の紹介予定派遣に係る活用事例集を作成して周知・広報を行うことにより、中高年齢者の紹介予定派遣の促進を図る。

 いくつになっても働くことができる社会を実現するための施策の推進 247億円

(1)  シルバー人材センター事業の推進 141億円
 高年齢者が生きがいを持って地域社会で生活するため、定年退職後等において、軽易な就労を希望する高年齢者に対し、高年齢者の意欲や能力に応じた就労機会、社会参加の場を総合的に提供するシルバー人材センター事業について、新たに団塊世代を中心とした高年齢者に対する就業体験を実施するなど事業を着実に推進する。

(2)  定年退職者等再就職支援事業(仮称)の実施(新規) 14百万円
 65歳を超えても働くことができるよう、事業主に対して高年齢者を雇用することの利点を啓発するとともに、高年齢者の多様なニーズに対応した求人開拓や面接会を実施する。


IV 障害者 等に対する雇用・就労支援の推進

 障害者に対する雇用・就労支援の推進 77億円

(1)  雇用と福祉の連携による障害者施策の推進 11億円
 地域障害者就労支援事業の推進 40百万円
 ハローワークが中心となり福祉等の関係者による連携体制を確立し、就職の準備段階から職場定着までの一連の支援を行う事業を推進し、障害者の福祉的就労から雇用への移行の一層の促進を図る。

 企業ノウハウを活用した福祉施設における就労支援の促進 26百万円
 障害者雇用に実績のある企業関係者の知識・経験等を活用して、福祉施設に対し、企業で働くことについての理解の促進、就労に向けての支援のノウハウの向上を図る事業を、都道府県労働局において実施する。

 障害者就業・生活支援センター事業の拡充 10億円
 障害者に対する就業及び日常生活に係る相談、助言等を実施する「障害者就業・生活支援センター」の設置箇所数を拡充する。
   90箇所  →  110箇所

(2)  ハローワークによる相談・支援体制の充実・強化 11億円
 障害者一人ひとりの障害の態様や適性に応じた就労支援を実施するため、専門的な知識・経験を有する者をハローワークに配置するなど、障害者に対する相談支援体制の充実・強化を図る。

(3)  多様な形態による障害者の就業機会の拡大 14億円
 ITを活用した在宅就業支援団体の育成支援 49百万円
 先駆的に在宅就業支援に取り組んできた団体のノウハウを活用し、新たに支援に取り組む団体へのノウハウの提供等を行い、障害者の在宅就業のさらなる普及を図る。

 障害者試行雇用事業の推進 9億円
 事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施して、障害者雇用を推進する。

 ホームレスの自立支援等基本方針を踏まえた施策の推進 12億円

   ○  ホームレス就業支援事業の拡充 3.6億円
 個々のホームレスの就業意欲等の把握・見極めを行うとともに、基礎的な労働・生活習慣の体得等を支援する事業を実施する。

 刑務所出所者等に対する就労支援の実施 1.7億円

   ○  刑務所出所者等就労支援事業の実施(新規) 1.7億円
 法務省との連携の下、刑務所出所者等に対し、職業相談、職業紹介や協力雇用主を対象とした求人開拓等を行うとともに、試行雇用奨励金の支給や職場体験講習などを更生保護法人に委託して実施する。

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