中国残留邦人等に対する援護について

 (1)  中国残留邦人等対策については、これまで永住帰国者の受入れ及び帰国者等の定着自立促進を目指し、各都道府県の御協力のもと、種々の施策を講じているところであるが、平成18年度は、中国帰国者等の減少に伴い、中国帰国者等受入施設の再編・整備として、帰国直後の初歩的な日本語教育等を行う「定着促進センター」及び「自立研修センター」を縮小し、就労に結びつく日本語習得支援等を中長期的に行う「支援・交流センター」を拡充する。また、定着自立対策の充実として、自立支援通訳の派遣対象を拡大、高齢者向け日本語教室の設置箇所を拡充する等、更にきめ細やかな施策を行うこととした。

 中国帰国者等受入施設の再編・整備

 自立研修センターの整理
 平成17年度 12ヶ所 → 平成18年度 9ヶ所(3ヶ所減)
 支援・交流センターの設置
 平成17年度 3ヶ所 → 平成18年度 5ヶ所(2ヶ所増)

 定着自立対策の充実

 自立支援通訳の派遣対象の拡充
 帰国者の子ども世帯は、その職業が「技能工、製造・建設・労務作業者」に偏っているので、職業の選択を容易にするため、自立研修センターを修了した者など、定着後3年未満の者に対して(1)認定職業能力開発校及び技術専門校、(2)職場適応訓練を実施する企業等、に自立支援通訳を派遣し、短期の講習受講等を支援するものである。
 支援・交流センター事業の拡充
高齢者向け日本語教室の拡充
 平成17年度 6ヶ所 → 平成18年度 18ヶ所(12ヶ所増)
日本語通信教育講師の増員
交流事業コーディネーターの増員

 (2)  今後とも、厚生労働省においては、中国帰国者等への継続的な支援施策を行うこととしているので、各都道府県におかれても一層の御協力をお願いしたい。
 特に、支援・交流センターにおいては、帰国後4年目以降の者も対象とし、就労に結びつく日本語習得支援や生活相談、地域社会から孤立しがちな中国帰国者やその家族が地域の人々と接点を持ち社会的自立を図ることを目指した事業を実施しており、その役割は重要なものとなっているので、同センターによる事業の趣旨を御理解の上、さらなる御協力をお願いしたい。
 (3)  また、各地域に定着している中国帰国者については、従来から、国が実施する事業以外に、各地方公共団体やボランティア団体等が独自に日本語教育をはじめとする自立支援に取り組んでいただいているところと承知しているが、中国帰国者の高齢化が進展していることなどから、より一層の支援強化が必要となっているところである。このため、各都道府県においても帰国者は地域住民であるとの観点から、ボランティア団体等とも連携しつつ、さらなる支援の充実を図るよう、御協力をお願いしたい。

 【参考】
  中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律(抄)
 (国等の責務)
  第4条  国及び地方公共団体は、永住帰国した中国残留邦人等の地域社会における早期の自立の促進及び生活の安定を図るため、必要な施策を講ずるものとする。
 国は、必要があると認めるときは、地方公共団体が講ずる前項の施策について、援助を行うものとする。
第5条  国及び地方公共団体は、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援のための施策を有機的連携の下に総合的に、策定し、及び実施するものとする。

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