独立行政法人福祉医療機構について(福祉基盤課)

 独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)は、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第29条第1項の規定に基づいて定められた機構が達成すべき業務運営に関する目標(いわゆる「中期目標」)で、独立行政法人の業務運営について、効率的かつ効果的に行うこと等が求められているところであり、機構の業務運営において引き続きご協力をお願いしたい。

 (1) 福祉貸付事業(平成18年度予算額(案))
  ア  貸付規模
 貸付契約額   3,837億円(うち福祉貸付 2,145億円)
 資金交付額   4,197億円(うち福祉貸付 2,064億円)

  イ  貸付条件の見直し
 機構の貸付を取り巻く環境は、財政投融資改革の推進等により厳しさを増してきているが、このような状況の中で独立行政法人としての使命を果たすため、政策上必要な施設整備のための貸付原資の確保を図るとともに、アスベスト、耐震化に係る融資条件の緩和及び融資対象の見直し等を行うこととしているので、了知の上、管内の社会福祉法人等に対し周知徹底願いたい。

(ア)  アスベスト対策に係る融資条件の緩和(平成17年度から平成19年度までの措置)
融資率
(介護関連施設等) 5%引き上げ(融資率80%未満のものに限る)
貸付金利
(介護関連施設等) 財投金利+0.1%→財投金利+0.05%
(社会福祉士養成施設等の養成施設、職員研修施設) 財投金利+0.2%→財投金利+0.1%
(特定有料老人ホーム、営利法人が行う認知症高齢者グループホーム等) 財投金利+0.5%→財投金利+0.1%

(イ)  耐震化等に係る改築・修繕等事業、災害復旧事業に係る融資条件の緩和
融資率(平成18年度及び平成19年度の措置)
(介護関連施設等) 5%引き上げ(融資率80%未満のものに限る)
無利子期間
(災害復旧事業) 2年無利子→全期間無利子

(ウ)  融資対象の拡大
 介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、新たに「小規模多機能型居宅介護事業に係る施設」を融資対象施設とし、貸付相手方を社会福祉法人、医療法人、民法34条法人とする。

(エ)  無利子貸付の措置期間の延長
 「老朽民間社会福祉施設整備計画」及び「地すべり防止危険箇所区域に所在する施設の移転整備計画」に基づく施設整備について、福祉医療機構における無利子貸付の措置を継続する。

(オ)  融資率の見直し
 「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」に従って、有料老人ホーム、高齢者総合福祉センター、在宅介護サービスセンターを整備する場合の融資率を特例的な融資率(90%)から標準的融資率(75%)へ変更する。
 ただし、19年度までの措置として、災害復旧事業、アスベスト対策事業、耐震化事業における改修等に限っては80%とする。

(カ)  貸付金利の見直し
 保育士養成施設、社会福祉士養成施設、介護福祉士養成施設の各種養成施設及び職員研修施設については、財投金利に0.2%の上乗せを行う。

(キ)  融資対象の除外
 老人福祉センター、在宅複合型施設を融資対象から除外する。
 ただし、19年度までの措置としてアスベスト対策、耐震化事業に係る事業は引き続き対象とする。

  ウ  平成18年度の貸付事業の基本的な考え方
 平成18年度の融資方針については、後日、機構よりお知らせすることとしているが、基本的な考え方については次のとおりである。

(ア)  三位一体改革に伴い税源移譲された施設への融資
 特別養護老人ホーム等の補助制度が廃止され、税源が地方公共団体へ移譲されたことに伴い、福祉医療機構融資のあり方について、今後検討していくこととしているが、限られた融資財源の枠の中で、極力従来ベースでの融資需要に対応できるようにしたいと考えている。

(イ)  アスベスト対策事業に係る融資条件の緩和
 福祉医療機構の福祉貸付事業においては、従来より、アスベスト改修に係る経費についても融資対象としてきたところであるが、今般、社会問題化しているアスベスト対策を促進するため、前記のとおり融資率の引き上げ、金利の優遇を内容とした融資条件の緩和を行うこととしており、平成17年度補正予算に併せ実施できるようにしたいと考えている。

(ウ)  耐震化等に係る改築・修繕等事業、災害復旧事業に係る融資条件の緩和
 福祉医療機構の福祉貸付事業においては、従来より、耐震化に係る改築・修繕等の事業や災害復旧事業に対しても融資対象としてきたところであるが、今般、耐震化促進の観点から、耐震化に係る改築・修繕等の事業や災害復旧事業について前記のとおり融資条件の緩和を行うこととしている。

  エ  協調融資
 介護関連施設等の整備に係る資金需要に対応して資金調達が円滑に行えるよう、福祉医療機構と民間金融機関が連携して融資を行う協調融資の仕組みを、17年度に導入(平成18年1月6日現在163金融機関)したところであるので、その活用について引き続き社会福祉法人に対し助言願いたい。(次頁「県別協調融資覚書締結金融機関名一覧」参照)



(参考)

県別 協調融資覚書締結金融機関名一覧
平成18年1月6日現在
  締結済み金融機関
都銀 三菱東京UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行 りそな銀行 埼玉りそな銀行
北海道 北海道銀行 北洋銀行 札幌銀行 空知信用金庫  
青森 みちのく銀行 青森銀行      
岩手 岩手銀行 東北銀行 北日本銀行    
宮城 七十七銀行 仙台銀行      
秋田 秋田銀行 北都銀行      
山形 荘内銀行 山形銀行 山形しあわせ銀行 殖産銀行  
福島 東邦銀行 福島銀行 大東銀行 福島信用金庫 二本松信用金庫
茨城 常陽銀行 茨城県信用組合 関東つくば銀行 茨城銀行 土浦農業協同組合
栃木 栃木銀行 足利銀行      
群馬 群馬銀行 東和銀行 館林信用金庫 かんら信用金庫 高崎信用金庫
利根郡信用金庫 ぐんま信用金庫      
埼玉 埼玉縣信用金庫 飯能信用金庫 武蔵野銀行 青木信用金庫  
千葉 千葉興業銀行 京葉銀行 千葉銀行    
東京 東京都民銀行 東京厚生信用組合 東日本銀行 西武信用金庫 八千代銀行
神奈川 横浜銀行 湘南信用金庫 さがみ信用金庫 横浜信用金庫  
新潟 北越銀行 第四銀行 大光銀行 三条信用金庫 新潟縣信用組合
協栄信用組合        
富山 北陸銀行 富山第一銀行 富山県信用組合 富山銀行 富山信用金庫
石川 金沢信用金庫 北國銀行 のと共栄信用金庫    
福井 福井銀行 福邦銀行 福井信用金庫 福井市南部農業協同組合  
山梨 山梨中央銀行        
長野 八十二銀行 長野銀行 長野信用金庫    
岐阜 大垣共立銀行 十六銀行 岐阜信用金庫 西濃信用金庫  
静岡 静岡銀行 清水銀行 静岡中央銀行 しずおか信用金庫 掛川信用金庫
磐田信用金庫 遠州信用金庫 島田信用金庫 浜松信用金庫 富士宮信用金庫
愛知 岡崎信用金庫 蒲郡信用金庫 愛知信用金庫 碧海信用金庫 豊橋信用金庫
豊田信用金庫 愛知銀行      
三重 三重銀行 百五銀行 第三銀行    
滋賀 滋賀銀行 びわこ銀行 長浜信用金庫 湖東信用金庫  
京都 京都銀行 京都信用金庫 京都北都信用金庫 京都中央信用金庫  
大阪 近畿大阪銀行        
兵庫 中兵庫信用金庫 但馬銀行 みなと銀行 播州信用金庫 西兵庫信用金庫
姫路信用金庫 但馬信用金庫 神戸信用金庫    
奈良 南都銀行 大和信用金庫 奈良中央信用金庫    
和歌山 紀陽銀行        
鳥取 鳥取銀行        
島根 山陰合同銀行 島根中央信用金庫      
岡山 中国銀行 トマト銀行 吉備信用金庫 笠岡信用組合 玉島信用金庫
広島 広島銀行 広島みどり信用金庫      
山口 山口銀行        
徳島 阿波銀行 徳島銀行      
香川 百十四銀行 香川銀行 高松信用金庫    
愛媛 伊予銀行 愛媛銀行 愛媛信用金庫    
高知 四国銀行 高知銀行      
福岡 福岡銀行 西日本シティ銀行      
佐賀 佐賀銀行 佐賀共栄銀行      
長崎 十八銀行 親和銀行      
熊本 肥後銀行 熊本ファミリー銀行      
大分 大分銀行        
宮崎 宮崎銀行 宮崎太陽銀行      
鹿児島 鹿児島銀行 奄美大島信用金庫 奄美信用組合    
沖縄 琉球銀行 沖縄銀行      
その他 信金中央金庫 商工組合中央金庫      
合計 163機関



 (2)  社会福祉施設職員等退職手当共済事業
  ア  制度改正
 社会福祉施設職員等退職手当共済法については、昨年6月に成立した介護保険法等の一部を改正する法律により、所要の改正を行い、平成18年4月1日より施行するところである。
 なお、同法には、参議院厚生労働委員会において、以下の附帯決議が付されているところであり、各都道府県におかれては、すでに「社会福祉施設職員等退職手当共済法等の一部改正について」(平成17年8月25日付け社援発第08255001号)において周知したとおり、福祉分野における人材を適切に確保する観点から、新規採用職員を含め、退職手当共済制度への加入継続に努めるよう、経営者等関係者に周知するとともに、個々の職員に対して、どのような退職金が支給されるかについても適切に情報提供がなされるよう関係者に周知されたい。

《参議院厚生労働委員会附帯決議(平成17年6月16日)》
 二 十四 介護保険事業に従事する人材を適切に確保する観点から、社会福祉施設職員等退職手当共済制度への加入継続の努力を促すとともに、今回の改正により公的助成が廃止される施設等の制度改正後の新規採用職員について、中小企業退職金共済制度に加入する選択も可能となるよう必要な措置を講ずること。

  イ  改正内容
(ア)  公的助成の見直し
 介護保険におけるイコールフッティングの観点から、介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業の職員について、国及び都道府県からの公的助成を廃止する。その際、経営者の期待利益の保護、掛金の激変緩和の観点から、既加入職員については、退職時まで現在の助成を継続するなど、十分な経過措置を講じる。

(イ)  給付水準の見直し
 経営者の掛金等の負担の増大を緩和し、制度運営の安定化を図る観点から、給付水準について、1割の抑制を行う。その際、経過措置として、既加入職員については、改正時点での退職手当の水準(支給乗率)を確保する。

(ウ)  被共済職員期間の通算制度の改善
 退職手当金の請求を行わず、退職後2年以内に再び被共済職員になること等、一定の要件を満たす場合には、職員の申請により前後の加入期間の通算を可能とする。

  ウ  平成18年度予算(案)
平成18年度予算(案)における給付予定額
 (1) 給付予定人員   69,473人
 (2) 給付総額   823.6億円
 (3) 単位金額
 都道府県補助金の算定基礎となる平成18年度単位金額については、平成17年度不足額(国の平成17年度補正予算相当額)が上乗せされるため、増加が見込まれるので留意されたい。

  エ  平成17年度補正予算(案)
(ア)  平成17年度において、給付人員が当初計画と比べ増加し、給付総額の不足が見込まれることとなったため、国庫補助分の不足について、平成17年度補正予算(案)により対応することとしたものである。
 (1) 給付予定人員  58,845人  →  70,411人
 (2) 給付総額  683.2億円  →  836.9億円

(イ)  平成17年度における状況
 平成17年度において、退職手当金の支給が大幅に遅れているところである。
 遅延の主な要因としては、社会福祉施設等に従事する職員の退職が当初見込みと比べ増加したことにあるが、福祉医療機構への補助金の交付が遅い県があることも一因となっている。本制度の円滑な実施のため、平成17年度分に係る補助金未交付の県におかれては、速やかに交付されたい。
 また、平成18年度以降においても特段のご配慮をお願いしたい。

トップへ