5. | 介護関連施設・事業の整備及び運営について |
(1) | 三位一体改革における地域介護・福祉空間整備等交付金の見直し及び施設等給付費の負担割合の見直しについて |
ア | 地域介護・福祉空間整備等交付金の見直しについて |
(ア) | 地域介護・福祉空間整備等交付金(市町村に対するハード交付金)の拡充について 地域介護・福祉空間整備等交付金については、地方6団体の要望を受け、今般の三位一体改革において都道府県交付金を廃止し、税源移譲を行うこととしている。 一方、平成18年度から導入される「地域密着型サービス」については、各日常生活圏域における基盤整備を早急に進めていく必要があることから、市町村交付金は国の助成制度として維持するとともに、より使いやすいものとするために拡充することとし、平成18年度予算(案)に443億円を計上したところである。
今後の予定としては、今国会に提出予定の厚生労働省関係の三位一体関連法案の中に、本交付金の根拠法である「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」の一部改正案も盛り込むこととしており、法案成立後、関係する厚生労働省令、市町村整備計画の指針となる基本方針、実施要綱等を改正することとしている。交付金の申請期限などの具体的なスケジュールは、法案成立後にお示しすることとなるが、各都道府県におかれては、管内市区町村における整備計画の策定作業が円滑に進められるよう、速やかな情報提供をお願いしたい。 なお、整備計画の策定に当たっては、第3期介護保険事業計画と調和の取れたものとすることが必要であり、整備計画に盛り込む整備量は介護保険事業計画に定められた各介護給付等対象サービス等の範囲内とすることが前提となる。
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(イ) | 地域介護・福祉空間推進交付金(市町村に対するソフト交付金)の創設について 「地域介護・福祉空間整備交付金(市町村に対するハード交付金)」と相まって地域における介護サービス基盤の実効的な整備を図るため、地域密着型サービス等の導入に必要な設備やシステムに要する経費などを助成対象とした「地域介護・福祉空間推進交付金(市町村に対するソフト交付金)」を創設することとし、平成18年度予算案に33億円を計上したところである。 本交付金の対象経費としては、地域の実情に応じた実効性のある地域介護・福祉空間形成を推進するため、
その詳細については、今後関係法令や実施要綱を改正してお示しすることとしているので、各都道府県におかれては、管内市区町村に対する情報提供をお願いしたい。 |
未定稿 |
三位一体関連法案(介護関係)の概要 |
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○ | 都道府県交付金は、廃止・一般財源化。 |
○ | 市町村交付金は、対象事業の範囲を拡充し、利用しやすい制度へと改善。 |
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○ | 介護保険施設等(※)に係る給付費の負担割合を、次のように見直し。 (※)都道府県指定の介護保険3施設及び特定施設
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○ | 介護専用型以外の特定施設(混合型特定施設)について、介護保険施設及び介護専用型特定施設と同様に、都道府県介護保険事業支援計画に必要利用定員総数を定めて規制の対象とすることを可能にする。 |
○ | 混合型特定施設を住所地特例の対象にする。 |
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地域介護・福祉空間整備等交付金については、
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【平成17年度】(866億円) | │ │ |
【平成18年度(予算案)】 | |||||||||||||||||||||||
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→ | 廃止・一般財源化(390億円) | |||||||||||||||||||||
特養、老健、ケアハウス等 大規模・広域型の施設の整備 |
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→ | 対象範囲を拡充(交付金のメニューを3つに再編)(476億円) | |||||||||||||||||||||
地域密着型サービス 拠点等の整備 |
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※ | 給付費の額は、介護給付費実態調査(平成17年8月審査分)等に基づく推計額。 |
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現行の仕組み |
○ | 新たな指定により、都道府県内の区域(複数市町村が基本)における利用定員が、必要利用定員総数(都道府県介護保険事業支援計画において設定)を超えてしまう場合、都道府県知事は指定をしないことができる。
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見直しの考え方 |
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(1) | 各都道府県の判断により、介護保険事業支援計画に、混合型特定施設の必要利用定員総数を記載可能とする。 | ||
(2) | 混合型特定施設の推定利用定員(※)の総数が、必要利用定員総数を超えてしまう場合、都道府県知事は指定をしないことができることとする。
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現行の仕組み |
○ | 介護保険制度においては、各人はその住所地の市町村の被保険者となり、住所地の市町村・都道府県が介護給付費の負担をすることが原則。 | ||
○ | しかしながら、介護保険施設等については、施設の所在する市町村・都道府県の財政への配慮等の観点から、特例として、入所者は引き続き入所前の市町村の被保険者とし、入所前の市町村・都道府県が介護給付費の負担をする仕組みを設けている。(=住所地特例)
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見直しの考え方 |
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※ | 混合型特定施設は、早めの住み替えとして要介護認定を受けていない者も入居する施設であること等を踏まえ、特定施設の住所地特例については要介護認定にかかわらず入居者をその対象とする。 |
※ | 平成18年4月以降の入居者から適用。 |
(2) | 施設整備業務の適正化について |
ア | 交付金等の不正受給の未然防止について |
社会福祉法人が、助成事業を行うために締結した契約の相手等から寄付金等の資金提供を受けることは、いわゆる水増し契約が行われ、社会福祉法人にリベートなどとして不当に資金が還流しているのではないかとの疑惑を招くこととなることから、契約の相手方等からの寄付金等の資金提供を受けることは禁止されているところである。 しかしながら、工事費を水増しした虚偽の契約書を基に実績報告を行い、整備費補助金を過大に受給し、逮捕されるなどの事件が散見される。こうした事件のほとんどは平成9年度に施設整備業務改善方策を示す以前の整備であるものの、同様の事件の再発は厳に防止すべきものであり、管内市区町村及び社会福祉法人等に対しては、引き続き各種関連通知の趣旨に沿った指導の徹底を図られたい。 さらに、不正受給の事実が発覚した場合には、交付金等を返還させることはもとより、不正に関与していた者について告発を行うなど、厳正に対処されたい。併せて、このような不適正な整備事業が採択された要因を分析し、再発防止に万全を期されたい。 |
イ | 交付金等の過大受給の防止について |
平成17年度の会計検査院の実地検査においても、特別養護老人ホーム等の設置者である社会福祉法人に補助の仕組みに対する理解が不足していたことによって、補助対象外経費を補助対象に含め、結果として補助金等を過大に受給している事例が指摘されている。 ついては、管内市区町村に対し、整備計画書等の提出時のみならず、交付申請時、実績報告時などに厳格に審査を行うよう、周知徹底願いたい。 |
(3) | 介護関連施設における感染症対策について |
介護関連施設内における感染症の発生及びまん延の防止対策については、従来からその徹底をお願いしているところであるが、例年、冬季においては集団発生が見られることから、次のことに御留意の上、衛生主管部局と連携の上、各施設に対する十分な指導をお願いしたい。
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(4) | 養護老人ホームの見直しについて |
ア | 老人保護措置費について |
養護老人ホームに対する事務費及び生活費の支弁基準額の認定、各種加算に係る認定等については、これまで都道府県等において実施していただいたところであるが、平成17年度からの保護措置費国庫負担金の一般財源化に伴い、当該事務については、養護老人ホームが所在する市区町村の長が行うこととなった。これら認定事務等の適正な執行のため、都道府県におかれては、市区町村に対する必要な助言をお願いしたい。 |
イ | 制度改正について |
養護老人ホームについては、老人福祉法等の改正により、平成18年4月から、養護老人ホームへの措置事由が見直されるほか、入所者が要介護等の状態になった場合の介護保険サービスの利用が可能となる。 これに伴い、職員配置基準、業務内容、設備基準等を見直すとともに、養護老人ホームのソーシャルワーク機能の強化や高齢者虐待防止法の成立を踏まえた新たな加算項目の設定等を行うこととしている。 なお、職員配置基準の変更等については、既に原案をお示しするとともに現在総務省に協議中であり、所要の地方財政措置をお願いしているところである。 今後、これらの内容が固まり次第、情報提供していくこととしているので、ご了知いただきたい。 |
(5) | 認知症高齢者グループホームにおける火災について |
○ | 長崎県大村市の認知症高齢者グループホームにおいて今月8日未明に発生した火災は、7名もの尊い生命が失われるという惨事となった。 |
○ | 本火災については、未だ出火原因等を調査中であり、未解明の事項も残されているが、他で同じような惨事が生ずることのないよう、消防庁等とも連携を取りながら、所要の対応策を講じていく考えである。 |
○ | 今月10日付けで、認知症高齢者グループホーム等における防火安全体制の徹底について通知を発出したところであり、各都道府県におかれては、管下の市町村や高齢者介護福祉施設等に対する周知徹底を改めてお願いしたい。 |
○ | このほか、現在以下のような事項について検討しているところである。 |
【現在検討中の事項】
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