照会先 健康局総務課がん対策推進室

木村(内線2945)

渡邉(内線4603)


健発第0301001号

平成20年3月1日

各都道府県知事 殿

厚生労働省健康局長

がん診療連携拠点病院の整備について

我が国のがん対策については、がん対策基本法(平成18年法律第98号)及び同法の規定に基づく「がん対策推進基本計画」(平成19年6月15日閣議決定。以下「基本計画」という。)により、総合的かつ計画的に推進しているところである。

がん診療連携拠点病院については、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、がん医療の均てん化を戦略目標とする「第3次対がん10か年総合戦略」等に基づき、その整備を進めてきたところであるが、基本計画において、更なる機能強化に向けた検討を進めていく等とされていることから、「がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」を開催し、指定要件の見直し等について検討を進めてきたところである。

今般、この検討会からの提言を踏まえ、「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」(以下「指針」という。)を別添のとおり定めたので通知する。

ついては、各都道府県におかれては、指針の内容を十分了知の上、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるよう、がん診療連携拠点病院の推薦につき特段の配慮をお願いする。

また、指針に規定する「新規指定推薦書」等については、別途通知するので留意されたい。

おって、「がん診療連携拠点病院の整備について」(平成18年2月1日付け健発第0201004号厚生労働省健康局長通知)は、平成20年3月31日限り廃止する。

がん診療連携拠点病院の整備に関する指針

I がん診療連携拠点病院の指定について

1 がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療連携拠点病院をいう。以下同じ。)は、都道府県知事が2を踏まえて推薦する医療機関について、第三者によって構成される検討会の意見を踏まえ、厚生労働大臣が適当と認めるものを指定するものとする。

2 都道府県は、専門的ながん医療の提供等を行う医療機関の整備を図るとともに、当該都道府県におけるがん診療の連携協力体制の整備を図るほか、がん患者に対する相談支援及び情報提供を行うため、都道府県がん診療連携拠点病院にあっては、都道府県に1カ所、地域がん診療連携拠点病院にあっては、2次医療圏(都道府県がん診療連携拠点病院が整備されている2次医療圏を除く。)に1カ所整備するものとする。ただし、当該都道府県におけるがん診療の質の向上及びがん診療の連携協力体制の整備がより一層図られることが明確である場合には、この限りでないものとする。なお、この場合には、がん対策基本法(平成18年法律第98号)第11条第1項に規定する都道府県がん対策推進計画との整合性にも留意すること。

3 国立がんセンター中央病院及び東病院は、この指針で定めるがん診療連携拠点病院とみなし、特に、他のがん診療連携拠点病院への診療に関する支援及びがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成等の役割を担うものとする。

4 厚生労働大臣は、がん診療連携拠点病院が指定要件を欠くに至ったと認めるときは、その指定を取り消すことができるものとする。

II 地域がん診療連携拠点病院の指定要件について

1 診療体制

(1)診療機能

[1] 集学的治療の提供体制及び標準的治療等の提供

ア 我が国に多いがん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん及び乳がんをいう。以下同じ。)その他各医療機関が専門とするがんについて、手術、放射線療法及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療及び緩和ケア(以下「集学的治療等」という。)を提供する体制を有するとともに、各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療(以下「標準的治療」という。)等がん患者の状態に応じた適切な治療を提供すること。

イ 我が国に多いがんについて、クリティカルパス(検査及び治療等を含めた詳細な診療計画表をいう。)を整備すること。

ウ がん患者の病態に応じたより適切ながん医療を提供できるよう、キャンサーボード(手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の専門を異にする医師等によるがん患者の症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンスをいう。以下同じ。)を設置し、定期的に開催すること。

[2] 化学療法の提供体制

ア 急変時等の緊急時に(3)の[2]のイに規定する外来化学療法室において化学療法を提供する当該がん患者が入院できる体制を確保すること。

イ 化学療法のレジメン(治療内容をいう。)を審査し、組織的に管理する委員会を設置すること。なお、当該委員会は、必要に応じて、キャンサーボードと連携協力すること。

[3] 緩和ケアの提供体制

ア (2)の[1]のウに規定する医師及び(2)の[2]のウに規定する看護師等を構成員とする緩和ケアチームを整備し、当該緩和ケアチームを組織上明確に位置付けるとともに、がん患者に対し適切な緩和ケアを提供すること。

イ 外来において専門的な緩和ケアを提供できる体制を整備すること。

ウ アに規定する緩和ケアチーム並びに必要に応じて主治医及び看護師等が参加する症状緩和に係るカンファレンスを週1回程度開催すること。

エ 院内の見やすい場所にアに規定する緩和ケアチームによる診察が受けられる旨の掲示をするなど、がん患者に対し必要な情報提供を行うこと。

オ かかりつけ医の協力・連携を得て、主治医及び看護師がアに規定する緩和ケアチームと共に、退院後の居宅における緩和ケアに関する療養上必要な説明及び指導を行うこと。

カ 緩和ケアに関する要請及び相談に関する受付窓口を設けるなど、地域の医療機関及び在宅療養支援診療所等との連携協力体制を整備すること。

[4] 病病連携・病診連携の協力体制

ア 地域の医療機関から紹介されたがん患者の受入れを行うこと。また、がん患者の状態に応じ、地域の医療機関へがん患者の紹介を行うこと。

イ 病理診断又は画像診断に関する依頼、手術、放射線療法又は化学療法に関する相談など、地域の医療機関の医師と相互に診断及び治療に関する連携協力体制を整備すること。

ウ 我が国に多いがんについて、地域連携クリティカルパス(がん診療連携拠点病院と地域の医療機関等が作成する診療役割分担表、共同診療計画表及び患者用診療計画表から構成されるがん患者に対する診療の全体像を体系化した表をいう。以下同じ。)を整備すること。

エ ウに規定する地域連携クリティカルパスを活用するなど、地域の医療機関等と協力し、必要に応じて、退院時に当該がん患者に関する共同の診療計画の作成等を行うこと。

[5] セカンドオピニオンの提示体制

我が国に多いがんについて、手術、放射線療法又は化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師によるセカンドオピニオン(診断及び治療法について、主治医以外の第三者の医師が提示する医療上の意見をいう。以下同じ。)を提示する体制を有すること。

(2)診療従事者

[1] 専門的な知識及び技能を有する医師の配置

ア 専任(当該療法の実施を専ら担当していることをいう。この場合において、「専ら担当している」とは、担当者となっていればよいものとし、その他診療を兼任していても差し支えないものとする。ただし、その就業時間の少なくとも5割以上、当該療法に従事している必要があるものとする。以下同じ。)の放射線療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師を1人以上配置すること。なお、当該医師については、原則として常勤であること。また、専従(当該療法の実施日において、当該療法に専ら従事していることをいう。この場合において、「専ら従事している」とは、その就業時間の少なくとも8割以上、当該療法に従事していることをいう。以下同じ。)であることが望ましい。

イ 専任の化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師を1人以上配置すること。なお、当該医師については、原則として常勤であること。また、専従であることが望ましい。

ウ (1)の[3]のアに規定する緩和ケアチームに、専任の身体症状の緩和に携わる専門的な知識及び技能を有する医師を1人以上配置すること。なお、当該医師については、原則として常勤であること。また、専従であることが望ましい。
 (1)の[3]のアに規定する緩和ケアチームに、精神症状の緩和に携わる専門的な知識及び技能を有する医師を1人以上配置すること。なお、当該医師については、専任であることが望ましい。また、常勤であることが望ましい。

エ 専従の病理診断に携わる医師を1人以上配置すること。なお、当該医師については、原則として常勤であること。

[2] 専門的な知識及び技能を有するコメディカルスタッフの配置

ア 専従の放射線治療に携わる常勤の診療放射線技師を1人以上配置すること。
 専任の放射線治療における機器の精度管理、照射計画の検証、照射計画補助作業等に携わる常勤の技術者等を1人以上配置すること。

イ 専任の化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する常勤の薬剤師を1人以上配置すること。
 (3)の[2]のイに規定する外来化学療法室に、専任の化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する常勤の看護師を1人以上配置すること。なお、当該看護師については、専従であることが望ましい。

ウ (1)の[3]のアに規定する緩和ケアチームに、専従の緩和ケアに携わる専門的な知識及び技能を有する常勤の看護師を1人以上配置すること。
 (1)の[3]のアに規定する緩和ケアチームに協力する薬剤師及び医療心理に携わる者をそれぞれ1人以上配置することが望ましい。

エ 細胞診断に係る業務に携わる者を1人以上配置することが望ましい。

[3] その他

ア がん患者の状態に応じたより適切ながん医療を提供できるよう、各診療科の医師における情報交換・連携を恒常的に推進する観点から、各診療科を包含する居室等を設置することが望ましい。

イ 地域がん診療連携拠点病院の長は、当該拠点病院においてがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師の専門性及び活動実績等を定期的に評価し、当該医師がその専門性を十分に発揮できる体制を整備すること。なお、当該評価に当たっては、手術・放射線療法・化学療法の治療件数(放射線療法・化学療法については、入院・外来ごとに評価することが望ましい。)、紹介されたがん患者数その他診療連携の実績、論文の発表実績、研修会・日常診療等を通じた指導実績、研修会・学会等への参加実績等を参考とすること。

(3)医療施設

[1] 年間入院がん患者数

年間入院がん患者数(1年間に入院したがん患者の延べ人数をいう。)が1200人以上であることが望ましい。

[2] 専門的ながん医療を提供するための治療機器及び治療室等の設置

ア 放射線治療に関する機器を設置すること。ただし、当該機器は、リニアックなど、体外照射を行うための機器であること。

イ 外来化学療法室を設置すること。

ウ 集中治療室を設置することが望ましい。

エ 白血病を専門とする分野に掲げる場合は、無菌病室を設置すること。

オ がん患者及びその家族が心の悩みや体験等を語り合うための場を設けることが望ましい。

[3] 敷地内禁煙等

敷地内禁煙の実施等のたばこ対策に積極的に取り組むこと。

2 研修の実施体制

(1)原則として、別途定める「プログラム」に準拠した当該2次医療圏においてがん医療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修を毎年定期的に実施すること。

(2)(1)のほか、原則として、当該2次医療圏においてがん医療に携わる医師等を対象とした早期診断及び緩和ケア等に関する研修を実施すること。なお、当該研修については、実地での研修を行うなど、その内容を工夫するように努めること。

(3)診療連携を行っている地域の医療機関等の医療従事者も参加する合同のカンファレンスを毎年定期的に開催すること。

3 情報の収集提供体制

(1)相談支援センター

[1]及び[2]に掲げる相談支援を行う機能を有する部門(以下「相談支援センター」という。なお、相談支援センター以外の名称を用いても差し支えないが、その場合には、がん医療に関する相談支援を行うことが分かる名称を用いることが望ましい。)を設置し、当該部門において、アからキまでに掲げる業務を行うこと。なお、院内の見やすい場所に相談支援センターによる相談支援を受けられる旨の掲示をするなど、相談支援センターについて積極的に広報すること。

[1] 国立がんセンターがん対策情報センター(以下「がん対策情報センター」という。)による研修を修了した専従及び専任の相談支援に携わる者をそれぞれ1人以上配置すること。

[2] 院内及び地域の医療従事者の協力を得て、院内外のがん患者及びその家族並びに地域の住民及び医療機関等からの相談等に対応する体制を整備すること。また、相談支援に関し十分な経験を有するがん患者団体との連携協力体制の構築に積極的に取り組むこと。













<相談支援センターの業務>

ア がんの病態、標準的治療法等がん診療及びがんの予防・早期発見等に関する一般的な情報の提供

イ 診療機能、入院・外来の待ち時間及び医療従事者の専門とする分野・経歴など、地域の医療機関及び医療従事者に関する情報の収集、提供

ウ セカンドオピニオンの提示が可能な医師の紹介エ がん患者の療養上の相談

エ がん患者の療養上の相談

オ 地域の医療機関及び医療従事者等におけるがん医療の連携協力体制の事例に関する情報の収集、提供

カ アスベストによる肺がん及び中皮腫に関する医療相談

キ その他相談支援に関すること













(2)院内がん登録

[1] 健康局総務課長が定める「標準登録様式」に基づく院内がん登録を実施すること。

[2] がん対策情報センターによる研修を受講した専任の院内がん登録の実務を担う者を1人以上配置すること。

[3] 毎年、院内がん登録の集計結果等をがん対策情報センターに情報提供すること。

[4] 院内がん登録を活用することにより、当該都道府県が行う地域がん登録事業に積極的に協力すること。

(3)その他

[1] 我が国に多いがん以外のがんについて、集学的治療等を提供する体制を有し、及び標準的治療等を提供している場合は、そのがんの種類等を広報すること。

[2] 臨床研究等を行っている場合は、次に掲げる事項を実施すること。

ア 進行中の臨床研究(治験を除く。以下同じ。)の概要及び過去の臨床研究の成果を広報すること。

イ 参加中の治験について、その対象であるがんの種類及び薬剤名等を広報することが望ましい。

III 特定機能病院を地域がん診療連携拠点病院として指定する場合の指定要件について

医療法第4条の2(昭和23年法律第205号)に基づく特定機能病院を地域がん診療連携拠点病院として指定する場合には、IIの地域がん診療連携拠点病院の指定要件に加え、次の要件を満たすこと。

1 組織上明確に位置付けられた複数種類のがんに対し放射線療法を行う機能を有する部門(以下「放射線療法部門」という。)及び組織上明確に位置付けられた複数種類のがんに対し化学療法を行う機能を有する部門(以下「化学療法部門」という。)をそれぞれ設置し、当該部門の長として、専任の放射線療法又は化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する常勤の医師をそれぞれ配置すること。なお、当該医師については、専従であることが望ましい。

2 当該都道府県におけるがん診療連携拠点病院等の医師等に対し、高度のがん医療に関する研修を実施することが望ましい。

3 他のがん診療連携拠点病院へ診療支援を行う医師の派遣に積極的に取り組むこと。

IV 都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件について

都道府県がん診療連携拠点病院は、当該都道府県におけるがん診療の質の向上及びがん診療の連携協力体制の構築に関し中心的な役割を担い、IIの地域がん診療連携拠点病院の指定要件に加え、次の要件を満たすこと。ただし、特定機能病院を都道府県がん診療連携拠点病院として指定する場合には、IIIの特定機能病院を地域がん診療連携拠点病院として指定する場合の指定要件に加え、次の要件(1を除く。)を満たすこと。

1 放射線療法部門及び化学療法部門をそれぞれ設置し、当該部門の長として、専任の放射線療法又は化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する常勤の医師をそれぞれ配置すること。なお、当該医師については、専従であることが望ましい。

2 当該都道府県においてがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師・薬剤師・看護師等を対象とした研修を実施すること。

3 地域がん診療連携拠点病院等に対し、情報提供、症例相談及び診療支援を行うこと。

4 都道府県がん診療連携協議会を設置し、当該協議会は、次に掲げる事項を行うこと。

(1)当該都道府県におけるがん診療の連携協力体制及び相談支援の提供体制その他のがん医療に関する情報交換を行うこと。

(2)当該都道府県内の院内がん登録のデータの分析、評価等を行うこと。

(3)がんの種類ごとに、当該都道府県においてセカンドオピニオンを提示する体制を有するがん診療連携拠点病院を含む医療機関の一覧を作成・共有し、広報すること。

(4)当該都道府県におけるがん診療連携拠点病院への診療支援を行う医師の派遣に係る調整を行うこと。

(5)当該都道府県におけるがん診療連携拠点病院が作成している地域連携クリティカルパスの一覧を作成・共有すること。また、我が国に多いがん以外のがんについて、地域連携クリティカルパスを整備することが望ましい。

(6)IIの2の(1)に基づき当該都道府県におけるがん診療連携拠点病院が実施するがん医療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修その他各種研修に関する計画を作成すること。

V 既指定病院の取扱い、指定・指定の更新の推薦手続等、指針の見直し及び施行期日について

1 既にがん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関の取扱いについて

(1)「がん診療連携拠点病院の整備について」(平成18年2月1日付け健発第0201004号厚生労働省健康局長通知)の別添「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」に基づき、がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関(以下「既指定病院」という。)にあっては、平成22年3月末までの間に限り、この指針で定めるがん診療連携拠点病院として指定を受けているものとみなす。

(2)都道府県は、既指定病院を平成22年4月1日以降も引き続きがん診療連携拠点病院として推薦する場合には、推薦意見書を添付の上、平成21年10月末までに、別途定める「指定更新推薦書」を厚生労働大臣に提出すること。

(3)Iの1及び2、IIからIVまで並びに3の(2)及び(3)の規定は、既指定病院の指定の更新について準用する。

2 指定の推薦手続等について

(1)都道府県は、Iの1に基づく指定の推薦に当たっては、推薦意見書を添付の上、毎年10月末までに、別途定める「新規指定推薦書」を厚生労働大臣に提出すること。また、地域がん診療連携拠点病院を都道府県がん診療連携拠点病院として指定の推薦をし直す場合又は都道府県がん診療連携拠点病院を地域がん診療連携拠点病院として指定の推薦をし直す場合も、同様とすること。

(2)がん診療連携拠点病院は、都道府県を経由し、毎年10月末までに、別途定める「現況報告書」を厚生労働大臣に提出すること。

3 指定の更新の推薦手続等について

(1)Iの1の指定は、4年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

(2)(1)の更新の推薦があった場合において、(1)の期間(以下「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその推薦に対する指定の更新がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその指定の更新がされるまでの間は、なおその効力を有する(Iの1に規定する第三者によって構成される検討会の意見を踏まえ、指定の更新がされないときを除く。)。

(3)(2)の場合において、指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

(4)都道府県は、(1)の更新の推薦に当たっては、推薦意見書を添付の上、指定の有効期間の満了する日の前年の10月末までに、別途定める「指定更新推薦書」を厚生労働大臣に提出すること。

(5)Iの1及び2並びにIIからIVまでの規定は、(1)の指定の更新について準用する。

4 指針の見直しについて

健康局長は、がん対策基本法第9条第8項において準用する同条第3項の規定
によりがん対策推進基本計画が変更された場合その他の必要があると認める場合には、この指針を見直すことができるものとする。

5 施行期日

この指針は、平成20年4月1日から施行する。ただし、IIの3の(1)の[1]及びIIの3の(2)の[2]については、平成22年4月1日から施行する。また、IIの1の(1)の[4]のウについては、平成24年4月1日から施行する。

参考

がん診療連携拠点病院の整備に関する指針
(定義の抜粋)

1 我が国に多いがん

肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん及び乳がんをいう。

2 クリティカルパス

検査及び治療等を含めた詳細な診療計画表をいう。

3 キャンサーボード

手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の専門を異にする医師等によるがん患者の症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンスをいう。

4 レジメン

治療内容をいう。

5 地域連携クリティカルパス

がん診療連携拠点病院と地域の医療機関等が作成する診療役割分担表、共同診療計画表及び患者用診療計画表から構成されるがん患者に対する診療の全体像を体系化した表をいう。

6 セカンドオピニオン

診断及び治療法について、主治医以外の第三者の医師が提示する医療上の意見をいう。

7 専任

当該療法の実施を専ら担当していることをいう。この場合において、「専ら担当している」とは、担当者となっていればよいものとし、その他診療を兼任していても差し支えないものとする。ただし、その就業時間の少なくとも5割以上、当該療法に従事している必要があるものとする。

8 専従

当該療法の実施日において、当該療法に専ら従事していることをいう。この場合において、「専ら従事している」とは、その就業時間の少なくとも8割以上、当該療法に従事していることをいう。

9 年間入院がん患者数

1年間に入院したがん患者の延べ人数をいう。

10 放射線療法部門

組織上明確に位置付けられた複数種類のがんに対し放射線療法を行う機能を有する部門をいう。

11 化学療法部門

組織上明確に位置付けられた複数種類のがんに対し化学療法を行う機能を有する部門をいう。


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