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2 戦没者遺骨のDNA鑑定について

(1)  DNA鑑定の実施

 ア  経緯
 平成15年3月にとりまとめられた「戦没者遺骨のDNA鑑定に関する検討会報告書」を踏まえ、平成15年度から、遺骨から有効なDNAを抽出できること、埋葬者資料等が残っていることなど一定の条件を満たす場合に、希望する遺族に対して国費によりDNA鑑定を実施することとしている。

(参考)
 〔一定の条件〕
 (1)  遺骨の身元を推定できる資料(例えば遺留品、埋葬地資料、確度の高い証言等)から、戦没者及び関係遺族を相当程度推定できること
 (2)  遺族が遺骨の返還及び鑑定の実施を希望し、かつ、鑑定に適している戦没者の子、父母、兄弟姉妹等から検体が提供されること
 (3)  遺骨からDNA鑑定に有効なDNAを抽出することが可能であること

 イ  現状
(ア)  平成11年度から同14年度までに旧ソ連等から遺骨を収集し、当局保管の死亡者名簿等から推定できる関係遺族約6,000人に対して、「戦没者遺骨のDNA鑑定のお知らせ」を送付した結果、申請のあった約1,000人に対して、鑑定実施機関の拡大(4機関→8機関)を図りつつ順次DNA鑑定を実施しており、現在までに身元が判明した36柱の遺骨を遺族に返還した。

(イ)  平成16年度においても、平成15年度に旧ソ連等から遺骨を収集し、死亡者名簿から推定できる関係遺族約600名に対して、「お知らせ」を送付したところ。今後とも、希望する遺族に少しでも早く遺骨が返還できるよう鑑定機関をさらに拡大すべく関係機関に働きかけている。

 ウ  遺族の消息調査
 旧ソ連地域等における抑留中死亡者の遺族の所在については、当局において、ロシア政府等から提供された死亡者名簿及び保管資料等に基づき調査しているが、住所変更等により所在が解らないケースもあることから、遺族の消息調査について都道府県等のご協力をお願いしたい。


(2)  遺骨及び遺留品の伝達
 遺骨及び遺留品の伝達については、平成4年度以降の旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集の本格的実施に伴い、身元特定の件数が増加したことから、都道府県職員が厚生労働省において遺骨等を受領できるように旧軍関係調査事務等委託費で予算措置を行っている。
 平成15年度から実施しているDNA鑑定の進展に伴い、今後は多数の遺骨を伝達することが見込まれるが、特段の事情がある場合には、厚生労働省職員が都道府県まで護送するなど、弾力的に対応するので、随時ご相談願いたい。


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