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1 戦後60周年に向けて

(1) 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金について

 制度の概要
 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金は、戦後20周年、30周年、40周年、50周年といった特別な機会をとらえ、国として弔慰の意を表するために、戦没者等の遺族に対して、原則10年償還の記名国債の交付をもって支給するものである。

 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案について
 戦後60周年に当たる本年には、平成7年4月1日及び平成11年4月1日を基準日とする特別弔慰金国債が最終償還を迎えることから、国として改めて弔慰の意を表し、引き続き特別弔慰金を支給するため、本年の通常国会に、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案を提出する予定である。
 その具体的内容は、戦没者等の遺族で、平成17年4月1日において同一の戦没者等に関し公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者がいないものに、額面40万円、10年償還の記名国債の交付をもって特別弔慰金を支給するというものである。


グラフ

(注1)  戦後何十周年といった特別な機会以降新たに対象となった遺族については、何十周年といった機会とは別の特例的な機会(昭和47年、昭和54年、平成元年、平成11年)が設けられている。
(注2)  ( )内の件数は、予算上の支給対象件数を表す。
 請求書等の用紙の配付時期など今後の事務処理に係るスケジュールについては、2月初旬に連絡する予定である。


(2) 戦傷病者等労苦継承事業(仮称)について

 当初の経緯
 戦後半世紀以上が経過し、戦傷病者及びその妻の高齢化が進み、これらの者が体験した戦中・戦後の労苦の記憶が風化しつつあることから、(財)日本傷痍軍人会より、これらの者が体験した労苦を後世代に伝えることを目的とした戦傷病者等労苦継承事業(仮称)の実施について要望が出されているところである。

 戦傷病者等の労苦継承に係る調査検討の結果について
 戦傷病者等労苦継承事業(仮称)を実施するに当たり、平成13年度から平成15年度において、(財)日本傷痍軍人会に学識経験者等で構成する検討会を設け検討した結果、戦傷病者及びその妻等の労苦の継承については、展示を中心とした施設で実施することとし、戦後60周年の節目となる平成17年度において展示事業を開始することとされた。

 今後の予定
 展示事業については、新たに施設を建設するのではなく、東京都内において既存の施設を借り上げて実施する予定である。
 現在、同事業の実施に必要な展示設計を進めており、今年度中に施設の設計を終えた上で、平成17年度において、設計に基づく施設整備や諸準備を行い、平成17年の秋頃の開館を目指すこととしている。
 今後は、展示事業が行われる施設の広報等について各都道府県に種々のご協力をお願いすることも考えられるので、よろしくお願いしたい。


(3) 慰霊友好親善事業について

 本事業は、戦没者遺児が旧戦域の人々と戦争犠牲者の遺族という共通の立場で交流し、相手国の理解を深めることにより、今後の慰霊事業の円滑な推進を図りつつ、 広く戦争犠牲者の慰霊追悼を行うことを目的とし、平成3年度から(財)日本遺族会が国の補助を受けて実施している。
 戦後60周年を迎える平成17年度は事業を拡大し、旧戦域の中心となる14箇所の地域(フィリピン、中部太平洋、旧ソ連等)において本事業を実施し、戦争犠牲者の慰霊追悼を図ることとしている。


<予算額>
  【平成16年度予算額】   【平成17年度予算案】
 235百万円  323百万円(+88百万円)
(内訳)
 ・地域 10地域  14地域(4地域増)
 ・人員  720名  952名(232名増)

<慰霊友好親善事業の具体例>
 ・ 主な戦闘地域での慰霊祭
 ・ 各戦域の戦没者慰霊碑での追悼式
 ・ 公共施設等の清掃
 ・ 教育施設へ学用品等の寄贈
 ・ 植樹等の記念事業
 ・ 現地の戦争犠牲者等との懇談会


(4) 全国戦没者追悼式にかかる国費参列遺族数の拡大について

 全国戦没者追悼式に参列する遺族代表の旅費については、これまで各都道府県40名、合計1,880名分を国費により負担しているところであるが、戦後60年を経て参列遺族の高齢化が進んでいること等の状況を踏まえ、遺族の参列希望を円滑に反映させるべきとの観点から、平成17年度においては、これまでの各都道府県40名を各都道府県45名、合計2,115名に拡大することを予定しているので了知願いたい。



   【参考】

【現行】   【平成17年度予算案】
国費参列者  1,880人
1都道府県当たり  40人
国費参列者  2,115人
1都道府県当たり  45人


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