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10 福祉人材確保対策の推進について(福祉基盤課)

 介護保険制度の実施や社会福祉法の施行など利用者本位の社会福祉制度を構築するための改革が進められ、福祉サービスの質の一層の向上が求められている中で、それを担う質の高い人材の養成確保は、ますます重要な課題となっている。
 各都道府県市におかれては、引き続き質の高い福祉人材の養成確保について格段のご配慮をお願いしたい。

(1) 社会福祉士及び介護福祉士等について
 ア  養成施設に対する指導の徹底
 社会福祉士養成施設及び介護福祉士養成施設等は、国家資格等の有資格者を養成するものであり、常に質の高い教育を行うことが特に求められるものであるが、養成施設の中には、
 (1) 専任教員の数が不足している
 (2) 教員要件を満たしていない教員がいる
 (3) 定員を遵守していない
 (4) 実習施設の変更等の必要な事務手続きを行っていない
等、不適切なものが見受けられる。
 このような現状に鑑み、昨年11月に各地方厚生局に対して各養成施設の適正な運営の確保について、各都道府県の法人指導監督部局とも連携し、指導徹底を図るよう通知を発出しており、悪質な養成施設については指定取消の処分も検討することとしているので了知願うとともに、当該部局に伝達願いたい。

 イ  社会福祉主事の活用方策等
 社会福祉主事の活用方策等については、平成14年10月30日に地方分権改革推進会議がまとめた「事務・事業の在り方に関する意見」において、「社会福祉主事について、より一層の活用を図るための方策について規定の在り方を含めて検討を行い、平成14年度を目途に結論を得て、平成15年度を目途に措置する」と提言されている。
 これを受けて、平成15年1月に社会福祉主事任用資格現況調査を行うとともに、社会福祉主事の活用方策等について検討を行い、社会福祉主事の配置の在り方及びその活用等について通知によりお示ししているので、ご配慮願いたい。

《参照通知》
 ・ 「社会福祉主事の活用方策等について」(平成15年6月10日社援総発第0610001号、社援基発第0610001号)

 ウ  三科目主事の資質の向上
 前記通知においてもお示ししているが、社会福祉主事全体の資質の向上を図るためには、いわゆる三科目主事の資質の向上を図ることが必要であることから、各都道府県市におかれては、三科目主事の研修課程の指針を参考とし、研修の積極的な実施に努められたい。

《参照通知(三科目主事の研修課程の指針)》
 ・ 「社会福祉主事の資格に関する指定科目履修者の資質の向上について」(平成12年9月13日社援発第2075号)

 エ  社会福祉士及び介護福祉士の国家試験
(ア)  国家試験の実施
 社会福祉士及び介護福祉士の国家試験の実施に当たっては、試験地の都道府県には、会場や要員の確保などの面で、多大なるご協力をいただき、改めて感謝申し上げる。
 両国家試験の受験者数が増加する中、試験の実施主体である財団法人社会福祉振興・試験センターにおいては、試験地の都道府県の負担を軽減するため、試験業務の合理化に努めているところである。
 厚生労働省としては、社会福祉サービスの質の向上等を図るために資格取得を促進し、質の高い福祉人材を養成・確保することは極めて重要な施策であると考えているので、試験地の都道府県におかれては、両国家試験の実施について、引き続き格段のご協力をお願いしたい。

(参考)第17回社会福祉士及び介護福祉士国家試験の概要
  (1)  社会福祉士国家試験
・ 試験日   平成17年1月23日(日)
・ 試験地   12都道府県15会場 (北海道、青森県、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)
・ 受験申込者数   45,224人(対前年 8.7%増)

  (2)  介護福祉士国家試験
・ 試験日   筆記 平成17年1月23日(日)
実技 平成17年3月 6日(日)
・ 試験地   筆記 12都道府県35会場
(北海道、青森県、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)
実技 12都道府県30会場
・ 受験申込者数   97,829人(対前年10.6%増)

  ※  合格発表は、両試験とも平成17年3月31日(水)
 厚生労働省及び財団法人社会福祉振興・試験センターにその受験番号を掲示して発表するとともに、同センターのホームページ(http://www.sssc.or.jp/)上に合格者の受験番号を掲載する。

(イ)  介護技術講習制度の導入
 介護福祉士試験の実技試験について、受験者が年々増加しており、試験の実施体制等が課題となるとともに受験者の質の向上も重要な課題となっている。
 このため、平成17年度(第18回の介護福祉士国家試験)より介護福祉士試験の受験者の申請に応じ、介護福祉士養成施設等において行う介護等に関する専門的技術についての講習(介護技術講習)を修了した者については実技試験を免除する制度を導入することとしたので、管内社会福祉施設、介護サービス事業者等への周知をお願いしたい。

《参照通知》
 ・ 「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則の一部改正について」
(平成16年10月19日社援発第0722004号)

 オ  社会福祉士養成のための実習指導者特別研修事業
 社会福祉士の養成課程において重要な相談援助技術の指導を充実させるため、平成17年度から中央福祉学院において、社会福祉施設等の現場で行う「社会福祉援助技術現場実習」の指導者に対して、指導方法等に関する研修を実施することとしているので、各都道府県におかれては、ご了知いただくとともに社会福祉施設等への周知をお願いしたい。なお、平成17年度の委託研修の詳細については、後日、研修要綱を発出する予定である。

(参考)社会福祉士養成のための実習指導者特別研修事業の概要
  ・  対象者   社会福祉士養成施設等の実習施設として認められた社会福祉施設等の実習指導者
  ・  研修時間   40時間
  ・  研修人員   180名
  ・  実施主体   中央福祉学院

 なお、地方自治体の福祉担当職員及び社会福祉法人経営者等を対象とした社会福祉研修については、平成17年度においても、国立保健医療科学院及び中央福祉学院において実施することとしているので、引き続き本研修の積極的な活用について、一層のご配慮をお願いしたい。

(2)  都道府県福祉人材センター運営事業等の推進
 ア  平成17年度における事業の実施について
 都道府県福祉人材センター事業のうち、基礎事業分については「高齢者介護施設等支援事業(介護予防・地域支え合い事業のメニュー事業)」により、また、特別推進事業分及び介護福祉士等修学資金貸付事業については「福祉人材確保推進事業」により実施していたところであるが、平成17年度から地域社会のセーフティネット機能を強化することを目的とした「セーフティネット支援対策等補助金」の「地域社会安心確保事業」に統合したので、関係部局と十分な連携を図り、地域の実情に応じた取り組みの推進に努められたい。

 イ  インターネット職業紹介システムの活用について
 中央福祉人材センターにおいて、求職者等の利便性の向上を図るため、自宅等からインターネットにより求職の申込みを行い、紹介を受けることなどを可能にする「インターネット職業紹介システム」が開発され、平成16年3月から稼動されたところであり、求職登録者数は徐々に増加している傾向にある。
 ついては、各都道府県福祉人材センター及び福祉人材バンクにおいて、引き続き本システムの積極的な活用及び利用者への周知をお願いしたい。

(3)  福利厚生センター事業の推進
 中小規模の事業者が多い社会福祉事業の中で魅力ある職場づくりを進めるためには、とりわけ福利厚生の充実が必要であり、福利厚生センターにおいては、各種福利厚生事業の充実に努めてきたところであるが、各都道府県におかれても、福利厚生センター事業の周知について引き続きご協力をお願いしたい。

(4)  日本社会事業大学専門職大学院について
 国民の福祉サービスに対する需要の増大・多様化に対応するためには、質の高い人材の養成・確保が必要であることから、平成16年4月から日本社会事業大学に福祉マネジメントに関する専門職大学院を設置し、幅広い視野及び高度な知識・技術を持った福祉専門職業人を養成しているところである。
 受験資格については、4年制大学を卒業し、かつ3年以上の実務経験を有する者であり、実務経験には、地方自治体での勤務を含むものである。
 なお、平成17年度第3期入学試験は、平成17年3月6日(日)[出願期間:平成17年1月31日(月)〜2月25日(金)]に実施される予定であるのでご了知願いたい。


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