(参考資料2)

17年12月5日社会保障審議会障害者部会資料の抜粋


障害程度区分について


1.介護給付に関する障害程度区分

基本的視点】
 障害程度区分の開発に当たっては、透明で公平な支給決定を実現する観点から、以下の点を踏まえて行う。
(ア) 身体障害・知的障害・精神障害の特性を反映できるよう配慮しつつ、3障害共通の基準とする。
(イ) 調査者や判定者の主観によって左右されにくい客観的な基準とする。
(ウ) 判定プロセスと判定に当たっての考慮事項を明確化する。
 今回の試行事業において、コンピューター判定に加え、審査会の二次判定を経て、96%が支援が必要と判定されており、ロジックの開発に当たっては、この結果をできる限り反映することを基本に考えていく。

分析結果】
 介護給付の対象となるホームヘルプサービス利用者(1423人)における試行事業の認定調査項目106項目について、共通の傾向でチェックされる項目をグループ化する因子分析を行ったところ、大きく6つの群(ADL(1群)、認知機能障害(2群)、行動障害(3群)、IADL(4群)、生活項目(5群)、精神症状(6群))が発見された。
 これらの群について、最終判定との関係について回帰分析をしたところ、既に1次判定で評価されているADL(1群)のほか、行動障害(3群)、IADL(4群)が有意であり、併せてこれらの群と変更度(1次判定から最終判定への変更度)の関係について以下のことが認められた。

 (1)  IADLのスコアと最終判定結果との間に高い相関関係が認められること。

 (2)  行動障害(3群)及びIADL(4群)のスコアが一定以上の場合、非該当から要支援への変更が認められること。



試行事業の分析結果

試行事業の分析結果の図
注1)  多くの因子の関連性を分析し、相関関係の高い因子を推定する分析手法
注2)  複数の変数を用いて回帰式を求め、その相関関係に基づき分析結果を予測する方法



新ロジックを導入した場合の1次判定結果

新ロジックを導入した場合の1次判定結果の表
注)試行事業における最終判定では、要支援以上は96.4%



介護給付における障害程度区分の判定ロジック(案)

障害程度区分】
 79項目の調査結果から一定時間以上の介護時間を要すると推計される状態
 79項目の調査結果に加え、行動障害の頻度とIADLに係る支援の必要性に関する調査結果も勘案して1に相当すると認められる状態
 106項目の調査結果、特記事項及び医師意見書も勘案して1に相当すると認められる状態

図



2.訓練等給付

訓練等給付におけるスコアについて

 訓練等給付については、できる限り障害者本人の希望を尊重し、暫定的に支給決定を行った上で、実際にサービスを利用した結果を踏まえて訓練等給付の支給決定が行われることになるが、仮に、当該地域において、定員を超えて利用希望があった場合には、暫定支給決定に当たって、申請者の待機時間とあわせて、利用の優先度を判断するためにスコア(点数)を設けることを想定している。
 今回の試行事業においては、市町村審査会において訓練系サービスの必要性に関する判断が行われたが、その結果に関し、106項目の因子分析等を行った結果では、IADL項目(4群)や生活項目(5群)の項目に該当した場合に有意であると認められた。

IADL・生活項目(※)
─→
訓練系サービス

因子分析
106項目
   

IADL項目(7項目) 掃除、洗濯、調理、入浴準備、食事の配下膳、買い物、交通手段の利用
  生活項目(4項目) 口腔清潔、洗顔、整髪、薬の内服



訓練等給付におけるスコアの取り扱い

 利用希望者は、できる限り本人の希望を尊重し、明らかにサービス内容に適合しない場合を除き、暫定支給決定の対象とする。
 当該地域において、定員を超えて利用希望があった場合には、申請者の待機時間を考慮して、暫定支給決定の優先度を判定する。ただし、自立訓練(機能訓練・生活訓練)事業の場合には、待機期間に加えて、IADL・生活関連のスコアをあわせて勘案して判定する。

訓練等給付

・自立訓練
 (機能・生活)

就労移行支援
就労継続支援











認定調査∧
106
項目∨等














暫定支給決定





訓練効果の期待可能性本人の利用意思などの確認
評価指標による評価
に基づき、サービス
事業者が個別支援
計画案を策定
(成果目標、訓練期間
の見込み、当該期間中
の処遇計画等)
─→
支給決定
確認できない場合
─→
サービスの
種類の見直し、
別の事業者で
の再評価など
・共同生活援助
(グループホーム)
────────────────── ┬→


└→
支給決定

他の給付
(ケアホーム等)
への変更など



認定調査票(基本調査)の106項目 その1

認定調査票(基本調査)の106項目 その1の表
 ※ ○= 要介護認定基準の認定調査項目以外の項目(27項目)



認定調査票(基本調査)の106項目 その2

認定調査票(基本調査)の106項目 その2
の表
 ※ ○= 要介護認定基準の認定調査項目以外の項目(27項目)



支給決定について

 障害者の福祉サービスの必要性を総合的に判定するため、支給決定の各段階において、(1)障害者の心身の状況(障害程度区分)、(2)社会活動や介護者、居住等の状況、(3)サービスの利用意向、(4)訓練・就労に関する評価を把握し、支給決定を行う。

図

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