平成17年10月6日
7月22日全国会議へ提出された質問事項(制度改正関係)について

   (注) 7月22日の全国会議に地方自治体から提出された主な質問事項(制度改正関係)について、現段階の考え方を整理してまとめたもの。
分類 質問の内容 現段階の考え方
自立支援医療
(1)  精神通院公費の経由事務において、申請者の労力の軽減を図るため、本人が提出する所得確認資料に代えて、本人同意のうえで市町村が職権で所得確認し、県に進達することとしてよいか。

(1)  ご指摘の取扱いで差し支えない。
(2)  精神通院公費に係る医療機関の指定は、都道府県の精神保健審議会に部会を設置し、指定決定することになるのか。

(2)  都道府県、指定都市が指定自立支援医療機関を指定するに当たり、ご指摘の都道府県の審議会を経る必要はない。
(3)  支給認定の際に、申請者が税において未申告である場合、障害福祉サービスと同様、非課税とみなしてよいか。

(3)  精神通院医療については、従来より所得把握を行って来なかったこと等を勘案し、当分の間、ご指摘のような取扱いとして差し支えない。
(4)  指定自立医療機関について、「合理的な理由がある場合に、複数の医療機関を選定する場合があり得る」と示されているが、合理的な理由について例示してほしい。

(4)  例えば、日常の診療(診察及び投薬)はかかりつけの医療機関で行い、定期的(例えば半年に一度)な精密検査を連携する遠方の専門病院で行う場合などを想定している。
(5)  精神保健福祉手帳を所持している者は、「重度かつ継続」として扱うことはできないか。
(5)  「重度かつ継続」は一定の所得がある方であっても、医療上の必要性から継続的に相当額の医療費負担が発生する方に対して負担軽減措置を講じる仕組みであることから、精神保健福祉手帳の所持をもって「重度かつ継続」に該当するとする取扱いはできない。

新支給決定手続き
(1)  障害程度区分は支給決定通知書や受給者証に記載するのか。

(1)  記載する方向で検討している。
(2)  これまで示されてきた新支給決定のフロー図によると、サービス利用の意向聴取については、障害程度区分の認定を経た上で行う流れとなっているが、この方法では支給決定に時間を要すため、アセスメント調査と同時並行的にサービス利用聴取を行うことはできないか。

(2)  適切な支給決定とサービス利用が行われるようにするため、利用者の実態に即した対応がとられる必要があり、実態として、アセスメント調査とともにサービス利用の意向聴取を行うことも可能と考える。
(3)  障害程度区分認定において、一次または二次判定の結果、「非該当」・「自立」と認定された場合、自立支援法案で利用可能なサービスはないのか。また、地域生活支援事業においても、上記の者は対象者から外れるのか。
(3)  介護給付にかかる障害程度区分認定により、給付が必要のない障害程度区分に該当すると認定された場合であっても、訓練等給付の受給は可能である。
 訓練等給付の支給決定については、アセスメント結果を点数化して、支給決定時の優先度を判断する参考指標という内容のものを考えている。
 また、地域生活支援事業については、障害程度区分の認定を必要としない。
 したがって、現在、支援費のサービスを利用されている方については、介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業を必要に応じて組み合わせながら、一人一人の障害者の状況に応じて、適切なサービスを受けることができるようになると考えている。
 なお、18年9月末時点で支援費対象施設に入所している者については、法の施行により生活の場を失うことがないよう、当該施設に引き続き入所している間は給付を受けることができる規定を設けている。

(4)  アセスメント(訪問調査)時の人員について、介護保険と同様に調査員が1名で行うのか。
(4)  原則として、1名の調査対象者につき、1名の認定調査員が調査を行うことを考えているが、コミュニケーションがうまく図れない場合などは、手話通訳者などが同行することもあり得ることから、今後認定調査に係るマニュアル等でお示ししたい。

(5)  指定相談支援事業者の指定は18年10月からとなるが、居宅系の新支給決定手続きは、18年9月末までに行わなくてはならない。18年9月末までの間の認定調査については、事業者に行わせることはできないが、どうすればよいか。
(5)  相談支援事業者の指定基準は、他の新事業に係るものと同様に、来春頃に公布することを予定しており、指定はそれ以降に行われることとなる。18年9月末までの間については、短期間に多数の者を対象として調査を行うことが必要であることから、認定調査員の要件を満たす既存の相談支援事業者の職員等を、市町村の嘱託職員として活用するなどの方法も考えられる。

(6)  支給決定プロセスにおける認定調査業務については、指定相談支援事業者に委託することができるとされているが、調査結果の客観性・公平性を保つため、特定の事業者のみに委託することとして差し支えないか。

(6)  認定調査には、高い専門性と中立・公平性が求められることから、その委託を受ける相談支援事業者は、単に都道府県知事の指定を受けただけでなく、市町村から相談支援事業の委託を受けていることが必要と考えている。
(7)  介護保険の要介護認定では、介護保険法第27条第14項により標準処理期間が設けられているが、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスの支給決定については、標準処理期間が設けられないのか。また、設けられるとした場合、みなし支給決定にも適用されるのか。

(7)  標準処理期間については、行政手続法第6条の規定により市町村が定めることになる。
(8)  現在、移動介護のみを受給している者については、新支給決定を受ける必要はないと考えるがどうか。
(8)  お見込みのとおり。外出介護は平成18年4月から9月末までの間の経過的な障害福祉サービスであり(18年10月以降は地域生活支援事業の移動支援に移行)、18年10月以降は介護給付等の対象とならないため新支給決定は不要である。
 なお、行動援護や重度訪問介護のサービスを希望する者については、新支給決定が必要となる。

(9)  支給決定の効力は申請時に遡及されないが、申請から支給決定までの間に家族状況や身体状況の変化などにより緊急にサービス利用が必要となった場合はどうなるのか。
(9)  自立支援法においては支給決定は申請時まで遡及しない取扱いとしており、緊急その他やむを得ない理由によりサービスを利用した場合は、市町村が法案第30条に定める特例介護給付費等を償還払いにより支給することとなる。
 なお、できるだけ支給に係るトラブルを回避するため、サービス利用時に市町村に相談してもらうような運用を図ることが望ましいものと考える。
障害福祉サービスの利用者負担
(1)  高額障害福祉サービス費及び補足給付費について、自治体は、平成17年度の予算措置(補正予算の対応)を行う必要があるのか。

(1)  自立支援法案の廃案に伴い、施行時期が18年4月1日と変更になったことに伴い、見直しに伴う予算措置については17年度においては行う必要はない。

(2)  月額上限額の世帯認定と、高額障害福祉サービス費、個別減免の世帯認定とは、同じ世帯認定を行うのか。

(2)  お見込みのとおり。
(3)  高額障害福祉サービスの合算をする場合の世帯の範囲について、住基の範囲との説明があったが、税法上、健保上扶養としない特例を選択した場合も合算範囲は住基の世帯となるのか。

(3)  その場合は住基の世帯ではなく、選択した特例の世帯により、世帯認定を行う。
 なお、介護保険の負担上限額が障害福祉サービスの上限額より高くなる場合には、一定の調整を行う考えであるので、今後検討し、お示ししたい。

(4)  施設入所者について、住民票を入所前居住地から施設に異動していない場合があるが、その場合も単身世帯として扱うことでよいか。

(4)  生活の本拠が施設にある場合は、住民基本台帳の趣旨に照らし、住民票を施設に移していただいた上で、単身世帯として取り扱うこととなる。
(5)  同一住居でありながら住民票上別世帯である場合は、扶養控除、健康保険の被扶養者認定を受けていたとしても、世帯認定上は別として扱うのか。

(5)  別世帯として扱う
(6)  平成18年1月から9月までは、現行法の施設訓練等支援費と自立支援法の介護給付費等が併存するが、この場合、
 ・ 負担上限額はそれぞれ管理するのか。
 ・ 高額障害福祉サービス費の支給にあたっては、両者
は合算されるのか。

(6)  負担上限額管理は、法律上、別の扱いとなる。
 高額障害福祉サービス費の支給にあたっては、合算する。
(7)  障害児の負担上限額区分を認定する際、父母がいる場合は、どちらの収入で決めるのか。

(7)  制度の趣旨から、収入が多い者の方で認定することとなる。
(8)  特例介護給付費等についても、利用者負担の月額上限額の適用はあるのか。
(8)  特例介護給付費等については、介護給付費等において適用される利用者負担の月額上限額は適用されず、法律上は、償還払いの高額障害福祉サービス費により上限額が設定される。なお、特例介護給付費等及び高額障害福祉サービス費は、制度上、償還払いとなっているが、運用上、受領委任方式により、現物的な給付とし、上限額管理を行うこととして差し支えない。

(9)  世帯の認定について、例えば、住民票上は同じ世帯であるが、配偶者と長期にわたり別居中である場合や、多額の負債に追われ、住民票は配偶者と同一世帯であるが、実際は単身世帯となっている場合なども、住民票に基づき世帯認定を行うこととなるのか。

(9)  世帯の認定については、住民基本台帳の趣旨に基づいて判断することとなる。
(10)  ケアホーム利用者の利用者負担の認定は、グループホームと同様に考えるのか、それとも施設入所者と同じと考えるのか。

(10)  グループホームと同じ扱いとなる。
(11)  7月22日全国課長会議資料1−2のP4の中段「(略)扶養控除をはずすことについての誓約書をとることにより…(略)」の取扱いについて、その後扶養控除をはずさなかった場合の扱いはどうするのか。

(11)  以後、特例を認めないという取扱いになると考えている。
(12)  同一利用者が社会福祉法人(社会福祉法人減免有り)とそれ以外の事業者からホームヘルプサービスを受けている場合、利用者負担上限額管理上はどのように算定するのか。

(12)  ご質問の様な場合の利用者負担の上限額管理においては、原則として社会福祉法人減免適用後の社会福祉法人によるサービスに係る利用者負担額と、それ以外のサービスの利用者負担額を合算することとなる。

(13)  収入について、6.6万円を超える部分については、収入の種類により負担割合が異なるが、同一の利用者に稼得等収入とその他収入がある場合、収入認定はどちらの収入を優先して充てていくのか。

(13)  6.6万円までの収入に充てる場合については、「稼得等収入」から充てる。
 なお、必要経費を控除する場合には、まず、「その他収入」から控除した上で必要経費が「その他収入」を上回る場合は、超える部分を「稼得等収入」から控除する。

(14)  知的障害者の施設に入所している者の公費負担医療の廃止については、国から通知等発出されるのか。
(14)  法案成立後、関係通知を発出する予定である。
 なお、医療保険に加入していない入所者については、国保等への加入手続きをとるよう働きかけていただきたい。

(15)  利用者負担額計算の過程において生じる端数はどのように処理すればよいのか。
(15)  利用者負担額の計算過程において生ずる端数の処理方法については現在検討中であり、追ってお示しする予定である。

(16)  社会福祉法人減免は、公立施設(社会福祉法人に運営委託、または指定管理)も対象となるのか。

(16)  介護保険制度と同様、社会福祉法人のみならず、公立施設におけるサービスについても対象となる。

(17)  高額障害福祉サービス費の支給について、償還払い方式ということであるが、
(1) 本人からの支給申請を待って償還を行えば足りるのか。
(2) それとも市町村において負担額の管理システムを構築し、該当者に対して申請するよう促す必要があるのか
(1)、(2)いずれの扱いすればよいのか。

(17)  高額障害福祉サービス費の支給については、本人からの申請に基づき償還していただくものであるが、市町村において(2)の扱いとすることも差し支えない。
(18)  施設入所者については、18年1月に利用者負担の見直しを行い、また18年4月において支給決定の更新を行うこととなるが、自治体の事務負担軽減のため、18年度においても7月の所得の見直しは行わなくてもよいこととする扱いとはならないか。
(18)  18年度についても、市町村の事務負担軽減の観点から7月の所得の見直しを行わない方向で検討中。
不服審査
(1)  障害者介護給付等不服審査会の構成メンバーはどのような者を想定しているのか。
(1)  不服審査会の委員は、人格が高潔であって、介護給付費等に関する処分の審理に関し公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命することとしている。
 職種については、市町村審査会と同様、特に限定するものではないので、法律上の要件、3障害のバランス等を勘案して各都道府県において適宜判断願いたい。

(2)  介護給付等についての審査請求は、支給決定の内容(給付額やサービスの種類・量)に関しての不服が対象であり、「障害程度区分」は対象とならないと考えてよいか。

(2)  障害程度区分の認定は、それ自体独立した行政処分であり、支給決定の勘案事項の一つとして介護給付費等に係る処分に当たるので、都道府県知事への審査請求の対象となる。
事業体系・サービス内容(現行を含む)
(1)  衆議院の付帯決議において、小規模作業所の障害福祉サービス体系への位置づけを求められているが、どのような位置づけを考えているか。またその場合、法人格を求めることを考えているのか。
(1)  今回の改革においては、既存の施設や事業について、その機能に着目し、就労移行支援、就労継続支援、生活介護、地域活動支援センター等の事業に再編することとしているが、良質なサービスを提供する小規模作業所についても、計画的にこれらの事業に移行していただき、自立支援法に基づく事業所となるものと考えている。
 なお、再編後の新事業は、第2種社会福祉事業として位置づけることとしており、社会福祉法人、NPO法人等の法人格が必要となる。

(2)  障害者就業・生活支援事業及び知的障害者生活支援センター運営事業については、18年度以降はどのように取り扱われる予定か。
(2)  障害者就業・生活支援センターは、自立支援法施行後は地域生活支援事業に位置づけることとしているが、その役割は変わらず、引き続き障害者の就業面・生活面での一体的な支援を行うものであり、法に規定する就労移行支援事業や就労継続支援事業の利用者が活用するものと考えている。
 知的障害者生活支援事業については、今回の見直しにあわせて廃止することとし、3障害をあわせた相談支援事業として地域生活支援事業の中で再編する方向で、予算編成過程において検討する。

(3)  精神障害者社会復帰施設(精神障害者地域生活支援センター含む。)については、5年間の移行経過措置が設けられているが、旧体系のままの施設については、この経過措置期間内においては、現行どおり(利用者負担、財政負担、大都市特例等)の内容と考えてよいか。

(3)  経過措置の対象となる施設についての取扱いは、お見込みのとおりである。
 なお、障害者自立支援法案附則第51条において、経過措置対象施設については、精神保健福祉法に規定する精神障害者社会復帰施設のうち政令で定めるものを除くとされているところであり、具体的な経過措置対象施設の範囲については、今後検討していくこととしている。
運営基準、
報酬
(1)  新体系移行後の施設(入所)においては、夜間のケアと日中のサービス(就労移行支援ほか)に分けられるが、当該施設の入居者(夜間の宿泊でケアを受けている者、住居部分)は、
(1) 同じ施設の日中サービス
(2) 別の施設の日中サービス
のいずれかを選択できると解してよいか。

(1)  お見込みのとおり。
事業者指定
(1)  事業者指定について、国において施行細則準則を示す予定があるか。
(1)  事業者指定規則の参考例(様式含む)を施行準備に支障がない時期までにお示ししたいと考えている。

(2)  精神障害者のグループホームで、法人格を持たないが、市長が特に認めた任意の団体が運営するものについては、新法においては指定事業者の対象とならないのか。
 対象とならない場合は、期限を決めて法人化への移行を促す等の救済措置がとられるのか。
(2)  現行精神障害者居宅サービス事業者については、平成18年4月1日に指定障害福祉サービス事業者としてみなし指定される範囲を今後省令で定めることとしているが、指定障害福祉サービス事業者は、法人格を有することを指定要件としていることから、少なくとも法人格を有しない事業者については、みなし指定の対象外とする方針である。したがって、現行において法人格を有しない精神障害者のグループホームについては、共同生活援助へ移行できないこととなるので、施行までの間にNPO等の法人格を取得するよう、働きかけをお願いしたい。
 なお、法人化のための経過措置期間を設けることは考えていない。

審査支払システム
(1)  障害者自立支援法施行に伴い、自治体では現行のシステムを改修する必要があるが、改修費用について国からの補助はあるのか。

(1)  平成18年度概算要求において、障害者自立支援法案の施行準備に対する補助金を要求しているところであり、システム改修費用についても、当該補助金で行えるよう考えている。

(2)  19年10月に実施される全国共通システムについて、当該システムで処理される範囲はどのようなものになるのか。
(2)  全国共通のシステムにおいて対応する支払事務の範囲については、原則、介護給付費及び訓練等給付費を想定しており、その他については検討中である。
地域生活支援事業
(1)  地域生活支援事業となる移動支援は、現行支援費制度において単価設定されている「身体介護を伴わない場合」のものが移行することとなるのか。(「身体介護を伴う場 合」のものは、新体系の重度訪問介護等に移行するもの
と考えるが。)

(1)  現行の単価区分により移行する者としない者を区別するものではなく、重度訪問介護や行動援護等の個別給付対象者以外の者に対する移動介護はすべてが地域生活支援事業に移行するものである。(重度訪問介護等の具体的な対象者像については、検討中)
その他
(1)  障害者自立支援法第7条(他の法令との給付調整)の中で「(略)当該政令で定める定める給付以外の給付であって国又は地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。」とあるが、『国又は地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するもの』とは具体的にどのようなものを想定しているのか。

(1)  例としては、国家賠償法に基づく賠償として、自立支援給付と同趣旨同内容の給付が行われる場合などが想定される。
(2)  障害児(者)地域療育等支援事業の交付税措置先はどのようになるのか。
(2)  本事業のうち、基礎的な相談支援に係る分については、措置先を都道府県から市町村に変更し、障害児の療育支援に係る分については、従来どおり都道府県に措置するという方向で、総務省と調整する予定。

(3)  精神障害者を年度内に成年後見利用支援事業(国庫補助事業)の対象とする予定はあるか。
(3)  精神障害者に対する成年後見に係る利用支援については、障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業において市町村が行う権利擁護関連事業の一環として行うことを予定しており、平成18年度予算に向けて、現在具体的な支援の在り方について検討しているところである。

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