心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の概要

心身喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の概要の図



心神喪失者等医療観察法に係る厚生労働省の検討状況

<I 新たな処遇決定手続を創設すること>
1. 先行政省令制定(精神保健判定医名簿・精神保健参与員候補者名簿の作成)
 処遇事件ごとに精神保健審判員及び必要に応じ精神保健参与員を選任するために必要となる名簿の作成が必要であったが、すでに関連政省令を制定し、名簿を作成し裁判所に提供した。

2. 鑑定入院を引き受ける医療機関のリストの提出
 設置主体に関わらず、人口100万人当たり2〜3か所程度の確保が必要であり、現在作業中(施行当初は各都道府県2か所でも可)。

<II 対象者の処遇施設を整備すること>
3. 指定入院医療機関の確保
 今後3年間で、法施行後、実際に入院する者の増加に応じ段階的に、全国で当面24か所程度(約700床)を確保することが必要であり、現在作業中。

4. 指定通院医療機関の確保
 設置主体に関わらず、各都道府県に最低2か所、人口100万人当たり2〜3か所程度の指定が必要であり、現在作業中。

5. 入院している者に対する行動制限等に関する基準の制定
 医療観察法に基づき入院している者に対する行動制限の内容やその者に対する処遇についての基準は、あらかじめ社会保障審議会の意見を聞いて定める必要があるので、基準案を同審議会に諮問中。今月末に議論いただく予定。

6. 処遇改善請求制度の実施に向けた準備
 医療観察法に基づき入院している者等は厚生労働大臣に対して処遇改善請求ができることとなっており、この請求を社会保障審議会において審査するため、その実施体制の整備が必要。

<III 退院後の体制を確立すること等>
7. 政省令等の制定/地域社会における処遇のガイドラインに基づく運営の細則の作成
 医療観察法の運用面の細則を規定した政省令や通知等の制定が必要であり、現在関係機関と協議中。また、各都道府県レベルでは、処遇に携わる者が基本的な事項や処遇に対する考え方を共有するため、各地域における運用の細則の制定が必要であり、ほとんどの都道府県から提出を受けた。



<I 新たな処遇決定手続を創設すること>

1. 先行政省令制定(精神保健判定医名簿・精神保健参与員候補者名簿の作成)
 処遇事件ごとに精神保健審判員を任命し、必要に応じ精神保健参与員を指名することとなっているが、この任命及び指名の前提となる選任のため必要となる精神保健判定医名簿及び精神保健参与員候補者名簿に関し、先行して政省令を制定、当該政省令に基づき、各都道府県の協力を得ながら名簿を最高裁及び各地裁に提出した。
 (1) 精神保健判定医
目標数 326
推薦数 415
 (2) 精神保健参与員候補者
目標数 326
推薦数 404

2. 鑑定入院を引き受ける医療機関のリストの提出(法務省・最高裁への協力)
 鑑定入院を引き受ける医療機関は、設置主体に関わらず、人口100万人当たり2〜3か所程度確保する必要があるが、その確保は急務のため、まずは、各都道府県最低2か所の推薦を依頼し、この2か所のうち1か所については、精神病床を有する都道府県立病院を優先して推薦するようお願いしているところ。
 また、今回の推薦と並行し、各都道府県において円滑な確保が図れるよう、国立病院機構本部及び文部科学省(国立大学附属病院)に対し、協力要請を行った。
 なお、今回の推薦依頼の他に、随時追加推薦を段階的に依頼する。

<II 対象者の処遇施設を整備すること>
3. 指定入院医療機関の確保(別紙1
 指定入院医療機関は、今後3年間で、法施行後、実際に入院する者の増加に応じ段階的に、全国で当面24か所程度(約700床)を確保することが必要であり、そのうち国関係の病院の8か所を先行して整備し、残り2/3の16か所を都道府県関係の病院で整備することとし、調整を進めている。
 (1) 国関係
(1) 17年度中の整備見通し施設  3か所
(2) 設計中の施設  4か所
(3) 設計未着手の施設  1か所
 地域住民、議会、自治体に対し、理解を深めるため全国で90回を超える説明会を実施
 8か所以外に、追加することを国立病院機構と調整中
 (2) 都道府県関係
前向きに検討中  2都道府県
1か所は予算計上済
 概ね人口150万以上の28都道府県の担当部局長、院長に対し訪問し要請
 重点的に14都道府県に対し、部局長が知事又は副知事に対し訪問し要請

4. 指定通院医療機関の確保(別紙2
 指定通院医療機関は、設置主体に関わらず、各都道府県に最低2か所、人口100万人当たり2〜3か所程度を指定する必要があり、また、指定通院医療機関の状況に応じ、その指定通院医療機関を補完する訪問看護ステーション、デイケア等の確保や薬局の確保も必要であり、それぞれ調整を進めている。
 (1) 現在の推薦状況
目標数 382
推薦数 196病院
既存の地域医療体制を基礎に、医療バランスを踏まえ推薦依頼しているため、目標数との差に開きが生じる
 (2) 確保が見込めない都道府県の理由
(1) 民間病院が同意する前提として、
都道府県病院の優先的な指定が必要
国関係の優先的な指定が必要
(2) 事故の責任問題、役割・内容の明確化
都道府県に副大臣が訪問し要請
国立病院機構本部に部課長が訪問し要請
厚労省が該当都道府県で説明会を実施

5. 入院している者に対する行動制限等に関する基準の制定
 医療観察法に基づき入院している者に対する行動制限の内容やその者に対する処遇についての基準については、あらかじめ社会保障審議会の意見を聞いて定める必要があり、現行の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律とほぼ同内容の告示を定めることとし、案を同審議会に諮問中。6月10日開催予定の同審議会障害者部会で検討される予定。

6. 処遇改善請求制度の実施に向けた準備
 医療観察法に基づき入院している者等は厚生労働大臣に対して処遇改善請求ができることとなっており、この請求は、社会保障審議会において審査することとなっている。そこで、社会保障審議会に、この請求の審査を専門に取り扱う合議体を設置する方向で現在調整中


<III 退院後の体制を確立すること等>
7. 政省令等の制定/地域社会における処遇のガイドラインに基づく運営の細則の作成依頼(別紙3
 政府レベルでは、医療観察法の運用面の細則を規定した政省令や通知等について、現在関係省庁等と協議中。

 また、各都道府県レベルでは、地域社会における処遇に携わる者が、(1)地域における連携体制の確保、(2)処遇の実施計画の策定プロセス、(3)処遇に携わる関係機関の役割、(4)緊急時の連絡体制、地域社会との情報窓口など基本的な事項や処遇に対する考え方を共有するため、各地域における運用の細則を定める必要があり、保護観察所と各都道府県が協同して策定するよう依頼しているところ(法務省への協力)であり、ほとんどの都道府県から提出があった。



(別紙1)
指定入院医療機関の状況(H17.6.3現在)
指定入院医療機関の状況(H17.6.3現在)の図


(別紙2)
指定通院医療機関の推薦状況(H17.6.3現在)
指定通院医療機関の推薦状況(H17.6.3現在)の図


(別紙3)
運営細則提出状況(H17.6.3現在)
運営細則提出状況(H17.6.3現在)の図

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