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生涯職業能力開発促進センターにおける職業訓練事業の
市場化テスト(モデル事業)の実施に関する方針

1. 趣旨
 市場化テスト(官民競争入札制度)は、官と民との間の透明・中立・公正な競争を促すことにより、国民にとりよりよい公共サービスを効率的に提供することを目指すものである。
 上記を踏まえ、独立行政法人雇用・能力開発機構(以下「機構」という。)が設置する生涯職業能力開発促進センター(アビリティガーデン。以下「AG」という。)の施設・設備のうち、土日・夜間に未使用である施設・設備について、これを活用した公共職業訓練(離職者訓練)の実施を民間に開放すること及び在職者等を対象とする教育訓練(ただし、当該訓練の主たる対象者は雇用労働者とする。)に係る企画を民間から募集し、優れた企画について施設貸与により教育訓練を実施すること(在職者等のための訓練)により、AGの施設・設備の有効活用と多様な職業能力開発機会の提供を促進する等の観点から、これらの事業を市場化テスト(モデル事業)の対象とする。また、事業実施中においては定期的に訓練の運営状況を明らかにするとともに、事業終了後、AGが実施した職業訓練及びAGにおいて落札した民間事業者(受託者)が実施した訓練の結果について、適正な事業評価を行うこととする。

2. 基本的な考え方
(1) 本事業の目的は、(1)民間事業者の創意工夫を最大限活用し、AG の施設・設備を有効活用して離職者訓練及び在職者等のための訓練を効果的に実施することを通じ、求職者の早期再就職及び在職者等のキャリアアップを実現すること、(2)当該事業の質及び費用(当該事業に要する直接的な費用に加え、間接的な費用を適切に参入)について、今回官は競争入札に参加しないものの、官民間の競争条件均一化措置等を講ずることにより、官民間の透明・中立・公正な比較を実現すること、にある。

(2) このため、民間事業者の創意工夫を最大限活用する観点から、
(1) 業務の遂行のあり方や実現の手法は、AGが従来行ってきた前例に拘束されず、民間事業者の提案と裁量に委ねられる。
(2) 本事業は市場化テストに関わる国のモデル事業でもあるが、現在の機構の業務を見直し、より効率的・効果的な離職者訓練及び在職者訓練を実施するための仕組みや手法を試行的に実践する試みでもある。

(3) また、官民間の透明・中立・公正な比較を実現する観点から、
(1) 民間事業者が本事業を実施する場合には、AGが自ら実施する場合と同様に、AGが開放する施設・設備の利用を可能とするとともに、受託者の訓練実施に係る必要な情報を提供することを原則とする。
(2) AGにおける離職者訓練事業及び在職者訓練事業の実績(サービス水準及び費用)について、客観的かつ可能な限り定量的な指標を用い、費用を構成する項目要素と費用(過去5年間分)を公表する。
(3) AG及び受託者に対する訓練実施経費や訓練受講者が負担する受講料に係る財政補助の有無並びにその内容等を明確化し、公表するとともに評価上均一化することを基本とする。

3. 対象範囲
 本方針に基づいて実施する市場化テスト(モデル事業)の対象は、次の各号に掲げるものとする。

(1) AGが実施主体となって実施する離職者向けの公共職業訓練(主として通信の方法によって行う訓練を除く。職業能力開発促進法施行規則(昭和44年労働省令第24号。以下「能開則」という。)第9条に規定する短期課程の普通職業訓練に限る。)であって、民間事業者に委託し、原則としてその全課程をAGの施設・設備を使用して実施するもの(以下「離職者訓練」という。)。

(2) 民間事業者にAGの施設・設備を貸与することにより行われる教育訓練であって、在職者等(主として雇用労働者)を対象としてその職業能力の向上を図ることを目的とするもの(以下「在職者等のための訓練」という。)

4. 事業の実施期間
 平成17年度においては、機構と民間事業者が離職者訓練における委託契約又は在職者等のための訓練に係る施設・設備の貸与契約を締結した日から平成18年3月31日までとする。離職者訓練における委託契約及び在職者等のための訓練に係る施設・設備の貸与契約については、いずれも遅くとも平成17年6月1日までに締結するよう、遅滞なく所要の準備及び手続を遂行することとする。

5. 市場化テスト評価委員会の設置
(1)市場化テスト評価委員会の設置
 機構は、「市場化テスト評価委員会」を設置し、市場化テストにおける入札仕様書作成から落札者選定、事業評価に至る過程全般について意見を求めるものとする。
 市場化テスト評価委員会における議事の概要は、公開するものとする(ただし、一般競争入札の公正な実施を妨げるおそれのある事項を除く。)。

(2)市場化テスト評価委員会の構成
 市場化テスト評価委員会は、上記2.の趣旨を十分踏まえ、民間人を中心とする直接的な利害関係者を排除した中立的な者で構成するものとする。

6. 離職者訓練の入札に関する事項
(1) 仕様書に記載する事項
 機構は、上記2.の趣旨を十分踏まえ、離職者訓練の入札を行うための仕様書を作成することとし、仕様書には次に掲げる事項を記載するものとする。
(1) 離職者訓練事業の要求水準及び実績評価の指標
(2) 委託費の支給方法
(3) 離職者訓練の実施場所として使用可能なAGの施設・設備及び使用可能な日時
(4) 離職者訓練(就職支援策を含む。)をAGで実施するに当たっての条件
(5) 教室その他施設の共用部分の使用条件並びに使用可能な設備・訓練用機器及び当該設備・訓練用機器の使用条件
(6) 離職者訓練の受託者が訓練用機器等をAGに搬入して使用・管理する場合の条件
(7) その他の機構と受託者の間の契約条件

(2) 離職者訓練事業の要求水準及び実績評価の指標
(1) 本事業において、受託者は、次の水準を超える事業を行わなければならない。

 受託者が実施する事業において、就職率が50%以上となることを最低水準とし、就職率が70%以上となることを目標とすること。この場合の就職率の算定は、(3)(3)ロ(イ)及び(ロ)の定めに基づくものとする。

(2) 実績評価の指標は、10.(2)(1)に掲げるものとする。

(3) 委託費の支給方法
(1) 委託経費の予算措置
 離職者訓練の委託に要する経費については、機構に対して交付した「雇用開発支援事業費等補助金(労働保険特別会計雇用勘定)」の中から執行するものとする。

(2) 委託金額の上限額
 訓練実施経費
 訓練実施経費の委託費単価(訓練受講者1人1月(1月当たりの訓練時間が100時間未満のものにあっては、100時間を1月の割合で按分する。1単位時間を45分以上60分未満とする場合にあっては、当該1単位時間を1時間とみなす。)当たりとする。以下同じ。)は、直接訓練の実施に係る個々の経費の積み上げとし、1人1月50,000円(外税)を上限とする。
 就職支援経費
 就職支援経費の委託費単価(訓練受講者1人1月(1月当たりの訓練時間が100時間未満のものにあっては、100時間を1月の割合で按分する。1単位時間を45分以上60分未満とする場合にあっては、当該1単位時間を1時間とみなす。)当たりとする。以下同じ。)は、訓練受講者全員を就職させるために必要な就職支援の実施に係る経費相当額として、1人1月20,000円(外税)とする。

(3) 委託金額の算定方法
 訓練実施経費
(イ) 経費の考え方
 委託金額に積み上げられる個々の経費については、職業訓練の実施に当たって直接的に必要となる経費の他、次に掲げる業務に要する経費とする。
 訓練の周知・広報及び訓練受講者の選考
 訓練受講者の出欠席の管理及び指導
 訓練の指導記録の作成
 受講証明書等に係る事務処理
 訓練受講者の欠席届等に係る各種証明書等の添付の確認及び提出指導
 訓練受講者の住所、氏名、失業等給付の振込先金融機関等の変更に係る事務処理
 訓練受講者の中途退校に係る事務処理
 受講証明書、欠席・遅刻・早退届、添付証明書等の提出に係る事務処理
 災害発生時の連絡
 訓練実施状況の把握及び報告
 訓練受講者の能力習得状況の把握及び報告
 上記業務を遂行する受託者の職員に関わる管理に係る業務
 その他機構が必要と認める業務
(ロ) 支給額
 入所者数の確定
 AGは、実施予定の訓練コース毎に、受講応募状況を適宜離職者訓練の受託者に情報提供することとする。訓練コース毎に設定された受講申込締切日における応募状況に基づき、AGと離職者訓練の受託者は、当該訓練コースの実施について最終確認を行うこととする。AGは、当該訓練コースの開講予定日の前日までに、訓練受講者名簿を提出することにより、当該訓練コースの入所者数を確定することとする。
 支給額の確定
 訓練実施経費の支給額は、前号aにより確定した入所者数に対し、委託契約に定められた訓練実施経費の委託費単価と訓練を実施した月数を乗じた額とする。ただし、訓練の起算日に応答する日の前日より前に訓練が終了した場合、訓練受講者が中途退所した場合、又は委託契約を解除した場合は、委託金額は、訓練が行われた日については日割計算によって得た額とする。

 就職支援経費
(イ) 就職率の考え方
 本方針において、就職者とは、訓練修了後3箇月以内(この場合の「訓練修了後3箇月以内」とは、「訓練修了日の翌日から起算して90日以内」とする。以下同じ。)に就職又は就職が内定した者で、受託者が下記(ロ)の方法により把握した者とする。
 なお、「就職又は就職が内定」には、常用雇用のほか、パートタイム労働、派遣労働(一般労働者派遣事業(登録型派遣事業)の場合は、訓練修了後3箇月以内に派遣先に就業(就業予定は除く。)した者に限る。)等それ以外の労働及び自営業(訓練終了後3箇月以内に設立又は開業し、かつ法人設立届出書又は個人事業開廃届出書の写しを提出したものに限る。)を含むものとする。
 ただし、離職者訓練の受託者若しくはその関連事業主に雇用され又は就職が内定した場合は、当該就職者又は内定者が雇用保険の加入者又は加入予定者に限ることとし、離職者訓練の受託者は下記(ロ)の報告の際に、雇用保険被保険者資格取得確認通知書(資格取得届出受理後に公共職業安定所長(以下「安定所長」という。)から事業主に交付)の写しを提出するものとする。

(ロ) 就職者の把握及び報告
 離職者訓練の受託者は、訓練修了者及び就職のための中退者(以下「訓練修了者等」という。)の訓練修了後3箇月以内の就職状況について、訓練修了者等からの書面の提出により把握を行うとともに、機構に対し当該把握結果を報告するものとする。
 なお、機構への報告は、訓練修了日の翌日から起算して100日以内を報告期限とする。また、報告の際には、訓練修了者等からの書面を添付するものとする。

(ハ) 支給額
 上記(ロ)の報告に基づく請求により、訓練生数×訓練実施月数×就職支援経費(2万円)によって計算される額を支給する。ただし、下記の基準に従って就職支援経費の支給額の減額を行う。
 1)就職率70%以上  減額なし
 2)就職率50%以上70%未満  50%減額
 3)就職率50%未満  支給なし
  (注) 「訓練生数」は、訓練修了者数と中退者数の合計である。
 訓練の起算日に応答する日の前日より前に訓練が終了した場合、訓練受講者が中途退所した場合、又は委託契約を解除した場合は、委託金額は、訓練が行われた日については日割計算によって得た額とする。

(4) 訓練実施経費の支払い
 委託費のうち訓練実施経費については、原則として契約期間終了後1箇月以内の支払いとするが、訓練を実施した期間について、3箇月以上を単位として期間終了前に部分的に支払いを行うことができるものとする。

(5) 委託費の区分経理
 離職者訓練の受託者は、委託事業の経理について、その内容を明らかにするため、他の経理と区分してその経理を行わなければならないものとする。

(4) 指定教室の確保及び原状回復
 機構は、離職者訓練の場所として使用可能な教室の指定に当たっては、AGの訓練実施計画及び施設使用計画を開示し、これを踏まえた上、離職者訓練の受託者の円滑な離職者訓練の実施に十分配慮することとする。
 機構は、AGが直接実施する業務及び他の受託者が実施する業務に支障を来たすことのないよう、当該業務終了後、離職者訓練の受託者に対して使用教室の原状回復を求めることができる。

(5) 離職者訓練の受託者がAGの施設・設備を使用できる日時
 機構は、次に掲げる日において、離職者訓練の受託者にAGの施設・設備を使用させることとする。ただし、次に掲げる日時が、AGが直接実施する業務に必要な日時においてはこの限りではない。
(1)土曜日及び日曜日(9時から22時までの時間に限る。)
(2)月曜日から金曜日まで(18時から22時までの時間に限る。)

(6) 離職者訓練をAGで実施するに当たっての条件
 AGで離職者訓練の受託者が実施する離職者訓練については、次の全ての条件を満たさなければならない。
(1) 原則として訓練の全課程について、仕様書で指定されたAGの教室を使用すること(企業実習、見学等を除く。)。
(2) 能開則第11条に定める訓練基準を満たすほか、次に掲げる全てを満たすものであること。
 訓練の受講者は、公共職業安定所(以下「安定所」という。)に求職申込を行っている者であって、職業訓練受講指示要領(昭和56年6月8日付け職発第320号、訓発第124号)及び職業訓練受講推薦要領(昭和61年1月8日付け職発第11号)に基づき、安定所長の受講指示又は受講推薦を受けた者であること。
 訓練の仕上がり像が実施予定の全てのコースについて予め明示されていること。具体的には、訓練修了後にどのような職務が遂行できる状態になるかが明示されていること。
 訓練コースの内容は、ホワイトカラー関連職種であって、次のいずれにも該当しないものであること。
(イ) 直接、職業能力の開発・向上に関連しないものや、一定の関連性があっても、一般的に趣味・教養・生活等との関連性が強いもの、職業能力のごく一部を開発・向上するに過ぎないもの、通常の就職に当たって特別の訓練を要しないもの。
(ロ) 概ね高等学校普通科の教育までで習得できる基礎的、入門的水準のもの。
(ハ) 通常の雇用・就業形態を勘案した場合、その職業能力を習得したとしても安定した雇用・起業等に結びつくことが期待し難いもの。
(ニ) 業務独占又は業務独占的資格の存する職業に係るものであって、当該資格取得に資するために1年以上の訓練コース設定が必要なもの。
(ホ) 資格取得を目的としたもののうち、当該資格の社会的認知度が総じて低いもの、合格者数が相当程度少なく、かつ、総量規制がなされているもの、専ら公務員としての就職の要件となっているもの。
(ヘ) 特別の法律に基づかない医業類似行為に係る能力習得を目的とし、訓練実施上、身体への接触が不可避なもの。
(ト) その他就業に必要な職業能力習得に資する訓練コース設定とするためには、委託訓練期間、委託費等の要件に明らかに当てはまらないものとなるもの。
 訓練期間及び訓練時間については、能開則第9条に規定する短期課程の普通職業訓練(主として通信の方法によって行う訓練を除く。以下「短期課程の普通職業訓練」という。)に該当するものとして、訓練期間が2箇月以上で、平成18年3月31日までに終了するものであること、かつ総訓練時間が150時間以上のものとすること(訓練時間については、45分以上60分未満を1時間として算定して差し支えない。)。
 訓練受講中の者に対する指導、援助等については、本方針によるほか、厚生労働省が発出する通達・通知に基づく機構の指示により行うものとすること。
 訓練の指導を担当する者は、職業訓練指導員免許を有する者又は職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号。以下「能開法」という。)第30条の2第2項の規定に該当する者であって、訓練の適切な指導が可能であると認められるものであること。また、訓練を指導する者の配置については、訓練内容が実技のものにあっては15人に1人以上、学科のものにあっては概ね30人に1人以上の配置をすることを標準とすること。
 訓練受講者の保有する技能及びこれに関する知識の程度が修了に値すると認められる場合に修了させること。訓練受講者が疾病その他やむを得ない事由により所定の訓練の一部を受けていない場合においては、当該訓練受講者が受けた訓練時間が、教科編成においてあらかじめ定めた学科及び実技の訓練時間の80パーセントに相当する時間以上である場合に限り修了させることができるものであること。
 受講料はこれを無料とすること。ただし、訓練受講者の所有となる教材費についてはこの限りではないこと。
 就職支援策を必要に応じて実施すること。
 機構に対し、受託した離職者訓練の運営状況に関する報告を定期的に行わなければならないこと。また、機構の行う運営状況の調査に協力すること。
(3) 一の離職者訓練の受託者が実施する訓練コース毎の訓練定員と訓練期間の乗の総計が540人月を超えないこと。

(7) 指定教室等の使用、機器の貸与等
 機構は、離職者訓練の受託者に対し、指定教室を無償で使用させることとするが、光熱水料については実費を徴収することとする。具体的には、施設使用日1時間当たり適切かつ適正に設定した一定額を光熱水料等分担金として受託者から徴収し、施設の維持管理に必要な経費に充当することとする。なお、官民間の透明・中立・公正な比較を可能とする観点から、上記2.(3)の措置を講ずる。
 また、機構は、離職者訓練の受託者が、パソコン、オーバーヘッドプロジェクター等AGの訓練用機器の貸与を求めた場合にあっては、AGが行う職業訓練に支障のない範囲で、当該機器を無償で貸与するものとする。

(8) 自習施設の供用
 機構は、本方針に基づく離職者訓練の訓練受講者に対し、図書館、パソコン自習室その他訓練受講者の自学自習のための施設・設備について、AGが直接実施する公共職業訓練の訓練受講者と同様に使用させることとする。

(9) 事務スペースの貸与
 機構は、上記2.(3)の考え方に基づき、受託者の求めに応じ、離職者訓練の実施及びこれに附帯する業務を遂行するために必要な事務スペースをAGの通常の業務・機能に支障のない範囲で有料で貸与する。

(10) 受託者による訓練用機器の搬入使用・管理
 離職者訓練の受託者は、訓練用機器その他受託した訓練の実施に必要な設備をAGの施設内に搬入使用をすることができる。機構は、当該搬入使用がAGの施設管理に支障を来たすことがないよう、搬入使用・管理の条件を明確化し、仕様書にこれを明記することとする。

(11) 契約条件設定の留意点
 AGと受託者との間の委託契約条件については、双方の合理的なリスク分担を原則とし、かつ、安定的な事業実施が確保されるよう留意することとし、委託事業開始後に係争の恐れがある点について、予め適切に契約条件案として仕様書等に明示することとする。

(12) 受託者が実施する就職支援策
 離職者訓練の受託者は、訓練の実施に加え、必要に応じ訓練受講者の就職に資する以下の業務を実施することとする。
(1) 離職者訓練の受託者は、機構が行う訓練受講者の選考及びその準備(書類選考(応募動機・就職意欲の確認等)、適性検査、面接試験、学科試験問題の作成・実施等)等に参加すること。
(2) 離職者訓練の受託者は、訓練期間中及び訓練終了後を通じ、訓練受講者の就職促進に努めること。受託者が実施する就職支援の内容については、企画提案書及び委託契約書に明記すること。この場合の就職支援の内容とは、例えば職務経歴書・履歴書の作成指導、面接指導、キャリア・コンサルティング、職業相談、求人開拓、求人情報の提供、職業紹介(無料の職業紹介の届出又は許可を受けている場合及び有料職業紹介の許可を受けている場合に限る。)等受託者が必要と判断する各種取組とすること。
(3) 受託者は、就職支援の実施に当たって、機構が配置する巡回就職支援指導員が行う、安定所等から収集した求人情報その他企業等における求人ニーズに関する情報提供の活用を図ること。

(13) 受託者の選定方法
 離職者訓練の受託者の選定は、総合評価落札方式一般競争入札によることとし、本方針の5.に定める市場化テスト評価委員会の意見を聴いて決定することとする。なお、具体的な手続は、本方針の7.の定めによることとする。

7. 離職者訓練の受託者選定の具体的手続
(1) 受託者選定基準の策定
 機構は、仕様書の配布に先立って、受託者選定基準を策定することとし、受託者選定基準の策定に当たっては、次に掲げる事項に留意することとする。

(1) 離職者訓練の受託者は、過去の事業実績等からみて、安定した委託訓練の運営が見込まれる者であると判断できる者であること。
(2) 離職者訓練の受託者は、事業を適切に運営できる組織体制、職員数を備えている者であること。
(3) 離職者訓練の受託者に、公共職業訓練の委託先としてふさわしくない、重大な法令違反行為、人権侵害事件その他公序良俗に反する行為がみられないこと。
(4) 受託希望者が提案した訓練実施企画が、仕様書に定める要件を全て満たしているものであること。
(5) 価格入札の対象は、本方針の6.(3)(2)イに定める訓練実施経費とすること。

(2) 入札公告の情報開示
 機構は、入札公告後、入札への参加を検討する民間事業者に対し、その質問に適切に対応する等、十分な情報開示を行うこととする。

(3) 入札の実施
 機構は、受託希望者から、価格入札と訓練実施企画書を一括して受理することとする。価格入札には、価格総額とともに、本方針6.(3) (2)イに示す基準で算出した訓練実施経費の委託費単価を表示することとする。

(4) 企画書審査及び開札
 機構は、提出された訓練実施企画書を受託者選定基準に照らして審査し、評価を点数化し、開札した訓練実施経費の委託費単価で除した数値が最も高い2者を落札者とするものとする(在職者等のための訓練の実施機関と同一事業者であることを妨げない。)
 受託者の選定にあたっては、市場化テスト評価委員会の意見を聴くものとする。

(5) 入札結果等の公表
 機構は、訓練実施企画書の審査方法、審査結果及び価格の入札結果についてこれを公表するものとする。

8. 在職者等のための訓練の実施機関選定に関する事項
(1) 仕様書に記載する事項
 機構は、上記2.の趣旨を十分踏まえ、在職者等のための訓練の企画競争を行うための仕様書を作成することとし、仕様書には次に掲げる事項を記載することとする。

(1) 実績評価の指標
(2) 在職者等のための訓練の実施場所として使用可能な施設及び使用可能な日時
(3) 在職者等のための訓練をAGで実施するに当たっての条件
(4) 教室その他施設の共用部分の使用条件並びに使用可能な設備・訓練用機器及び設備・訓練用機器の使用条件
(5) 実施機関が訓練用機器等をAGに搬入して使用・管理する場合の条件
(6) 在職者等のための訓練は、雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第125条に規定するキャリア形成促進助成金のうち、訓練給付金(職業訓練に要した費用に対する助成)、職業能力開発休暇給付金(職業能力開発休暇期間中の教育訓練について事業主が負担した費用に対する助成)、地域人材高度化能力開発助成金及び中小企業雇用創出等能力開発助成金(職業訓練に要した費用及び職業能力開発休暇期間中の教育訓練について事業主が負担した費用に対する助成)の助成対象とならないこと。

(2) 実施機関選定に当たっての規定の準用
 在職者等のための訓練の実施機関選定に当たっては、本方針の6.(4)、(5)及び(7)から(11)までの規定を準用することとする。

(3) 在職者等のための訓練をAGで実施するに当たっての条件
 AGで実施機関が実施する在職者等のための訓練については、次の全ての条件を満たさなければならない。

(1) 原則として訓練の全課程について、仕様書で指定されたAGの教室を使用すること(企業実習、見学等を除く。)。
(2) 主な受講対象者を在職者(主として雇用労働者)とするものであること。
(3) 実施する訓練が、次のいずれにも該当するものであること。
 企業に在職する労働者の職場での能力向上や配置転換に当たっての能力開発に資すると認められる職業に関する教育訓練であって、ホワイトカラー関連職種のものであること。
  次に該当する教育訓練でないこと
(イ)趣味的又は教養的な教育訓練
(ロ)入門的又は基礎的な水準の教育訓練
(ハ)職業関係の免許資格に係る試験又は検定の準備のための教育訓練のうち、当該教育訓練に係る免許資格又は検定が、職業能力を評価するものとして社会一般に認知されていないもの。
 公共職業訓練施設としてのAGの名称を冠して行うのにふさわしい教育訓練であること。

(4) 教育訓練の課程が適切に編成され、当該教育訓練の期間及び時間が、当該教育訓練を適正に実施するために通常必要なものと認められるものであって、いずれの訓練も平成18年3月31日までに終了する訓練期間であること。
(5) 一の実施機関が実施する在職者等のための訓練の総訓練時間が700時間を超えないこと。
(6) 教育訓練の内容、対象、目標及び修了基準が明確にされているものであること。
(7) 当該教育訓練を修了した者における目標(当該教育訓練が目標とする公的職業資格等をいう。以下同じ。)に係る結果がアンケート調査等により適切に把握されるとともに、当該教育訓練の効果が検証されるものであること。
(8) 当該教育訓練の受講に関し、広く労働者一般を対象としたものであり、訓練受講者の年齢、性別等に係る不合理な制限を設けているものでないこと。
(9) 当該教育訓練に係る入学料及び受講料その他訓練受講者の納入すべき費用が、当該教育訓練を運営するため必要な範囲内で合理的に算定された額であるもの。
(10) 教育訓練給付金の対象となる教育訓練講座の指定(雇用保険法第60条の2第1項の規定による指定)を受けないものであること。
(11) 機構に対し、訓練の運営状況に関する報告を定期的に行わなければならないこと。また、機構の行う運営状況の調査に協力すること。

(4) 在職者等のための訓練に係る運営経費の区分経理
 在職者等のための訓練の実施機関は、訓練実施経費の経理について、その内容を明らかにするため、他の経理と区分してその経理を行わなければならないものとする。

(5) 実施機関の選定方法
 実施機関の選定は、企画競争によることとし、本方針の5.に定める市場化テスト評価委員会の意見を聴いて決定することとする。なお、具体的な手続は本方針の9.の定めによることとする。

9. 在職者等のための訓練の実施機関選定の具体的手続
(1) 実施機関選定基準の策定
 在職者等のための訓練に係る実施機関選定基準の策定については、本方針7.(1)の規定を準用する((5)の規定を除く。)。

(2) 企画競争の公告後の情報開示
 在職者等のための訓練に係る企画競争の公告後の情報開示については、本方針の7.(2)の規定を準用する。

(3) 訓練実施企画書の受理
 機構は、企画競争参加者から、訓練実施企画書を受理することとする。その際、訓練実施企画書に各教育訓練に係る訓練受講者の納入すべき費用を明記した収支計算書を添付して提出させることとする。

(4) 企画書審査及び実施機関の決定
 機構は、提出された訓練実施企画書を実施機関選定基準に照らして審査し、原則として2者を選定するものとする(離職者訓練の受託者と同一事業者であることを妨げない。)。審査に当たっては、可能な限り評価の数値化を行い、審査の公平性と妥当性を確保するよう努めることとする。
 実施機関の決定に当たっては、市場化テスト評価委員会の意見を聴くものとする。

(5) 審査結果等の公表
 機構は、訓練実施企画書の審査方法及び結果についてこれを公表するものとする。

10. 訓練実施結果の評価
(1) 機構は、委託契約等又は施設の貸与契約に基づき、離職者訓練の受託者又は在職者等のための訓練の実施機関から訓練の実施結果についての報告を定期的に提出させることとする。

(2) 機構は、事業終了後、AGが直接実施した職業訓練及びAGにおいて民間が実施した訓練について評価を行い、市場化テスト評価委員会の意見を附して、厚生労働省に報告するものとする。
 厚生労働省への報告に当たっては、以下の資料を添付するものとする。

(1)離職者訓練に係る指標
 訓練コースの定員
 応募者数
 入校者数
 中退者数
 就職を理由とする中退者数
 訓練修了者数
 訓練受講者数と訓練日数の乗(延べ訓練人日)
 訓練修了後3箇月時点での就職者数
 訓練受講者に対する受講後アンケート集計結果
 訓練実施経費に係る支出額及び収入額

(2)在職者等のための訓練に係る指標
 訓練コースの定員
 応募者数
 受講者数
 訓練受講者数と訓練時間数の乗(延べ訓練人時)
 訓練受講者に対する受講後アンケート集計結果(機構が、中期目標・中期計画に定める数値目標を検証するために実施するアンケートを準用することとする。)
 事業主の指示により訓練を受講した場合における事業主に対する受講後アンケート集計結果(機構が、中期目標・中期計画に定める数値目標を検証するために実施するアンケートを準用することとする。)
 訓練実施経費に係る支出額及び収入額

(3) 厚生労働省は、必要に応じ、機構又は離職者訓練の受託者若しくは在職者等のための訓練の実施機関から直接意見の聴取等を行うことができるものとする。

11. 安全衛生

 本方針に基づき訓練を実施するに当たり、AG、離職者訓練の受託者及び在職者等のための訓練の実施機関は、訓練期間中における訓練受講者の安全衛生について十分配慮するものとする。

12. AGの機密保持

 離職者訓練の受託者及び在職者等のための訓練の実施機関の関係者がAGに要員として駐在して業務を行うことになるが、公共職業能力開発施設であるAGには、公共職業訓練の訓練受講者の個人情報等が保管されているので、機構は、機密の厳正な保持に必要な措置を適切に講じることとする。

13. 個人情報の管理

 訓練受講者の個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)に基づき適切な管理を行うこと。AG、離職者訓練の受託者及び在職者等のための訓練の実施機関は、訓練受講者に関するいかなる秘密についても第三者に漏らしてはならないこと。


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