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雇用再生に向けた労働市場政策の推進

〜平成16年度予算案のポイント〜


平成15年12月

職業安定局



雇用再生に向けた労働市場政策の推進
〜平成16年度予算案のポイント〜

職業安定局

I 早期再就職の促進のための支援策の強化
589億円
 (1)非自発的求職者一人一人を対象にした「就職実現プラン(仮称)」の策定及びこれによる個別総合的な就職支援の実施(新規)
13億円
    会社都合による離職者や自営廃業者であって家計の担い手である35歳以上の求職者に対し、再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン(仮称))を個人毎に作成し、これに基づき個別総合的な相談援助を実施する。

 (2)早期就職の緊要度が高い求職者に対する就職支援の強化
44億円
    早期就職の緊要度が高い求職者に対し、求人開拓から就職に至る一貫した就職支援を個々人ごとにきめ細かく実施する専任の支援員(就職支援ナビゲーター)を増員し、効果的な就職支援を行う。

 (3)未充足求人へのフォローアップの徹底等求人者サービスの充実を通じた就職促進
5.9億円
    公共職業安定所に申込まれた求人が未充足となっている事業主に対し、求職者情報の提供、事業所見学会等の求人充足に向けたフォローアップを徹底し求職者の就職促進を図る。

 (4)雇用関係情報の積極的提供
7.8億円
    官民連携した雇用情報システムである「しごと情報ネット」について、求職者情報の提供、職業能力開発情報に係るホームページとの接続等の機能の拡充を行う。

II 失業者の特性に応じたきめ細かな就職支援の実施
693億円
 長期失業者対策の充実・強化(緊急雇用創出特別基金の活用)
 (1)成果に対する評価に基づく民間委託による長期失業者の就職支援(新規)
 公共職業安定所での求職活動により就職に至らなかった1年以上の長期失業者等について、就職支援から就職後の定着指導までを民間事業者に包括的に委託し、安定した就職の実現を図る事業を大都市圏において緊急雇用創出特別基金を活用して実施する。
 事業の委託に当たっては、成果に対する評価に基づく報酬の誘因を付与する。
  実施地区数 10地区  基金規模 約71億円

 地域主導による雇用対策の推進
96億円
 (1)地域の自主性を活かした雇用創出の促進
46億円
    地域が行う経済の活性化と地域雇用の創造に関する自主的な取組に対して、雇用対策の面から支援するため、地域雇用開発促進法に基づく雇用機会増大促進地域の市町村及び地元経済界による雇用創出のための事業に対する支援を行うほか、求職活動援助地域におけるミスマッチ解消事業(地域求職活動援助事業)について都道府県の企画・立案による実施方式に改めるなど地域主導による雇用対策を推進する。

 (2)公共職業安定所と地方公共団体との共同・連携による効果的な職業紹介、情報提供の推進
11億円
    地方公共団体の行う無料職業紹介事業について、要請に応じて公共職業安定所の求人情報を提供するとともに、地方公共団体との共同により国の職業紹介と地方公共団体の生活相談等を一体的に提供するサービスを実施する。

 (3)地域の労使による就職支援事業の推進
24億円
    地域の民間の労使団体が雇用の改善のために相協力して行う求人・求職ニーズ調査や求人の働きかけ、求職ガイダンス、求人・求職情報の作成・提供、就職面接機会の設定、その他の再就職の促進に資する事業を支援する。

 産業別・職業別の労働移動、人材確保対策の推進
555億円
 (1)建設労働者の円滑な労働移動に対する総合的支援(「建設雇用再生トータルプラン(仮称)」)
23億円
    過剰供給構造の是正に向け企業の連携・再編が進められている建設業において、業界内外での円滑な労働移動の支援や新規・成長分野への進出の促進、労働移動等に関する相談窓口の設置等の施策を総合的に実施する。

 (2)農林業等への多様な就業の支援(「農林業をやってみよう」プログラムの推進)
63百万円
    農林業等就職相談コーナー等により、農林業等への多様な就業希望に応えるべく、農林水産省との連携のもとに求人情報の提供、職業相談・紹介、農林業等関連各種情報の提供等を行う。

 (3)再就職援助計画対象労働者の円滑な労働移動に対する支援
83億円

 (4)中小企業における雇用機会の積極的な創出
246億円

 (5)雇用保険受給資格者の創業による雇用機会の創出への支援
31億円

 (6)介護労働者対策の推進
66億円

 失業者向け生活関連情報の公共職業安定所による一元的提供体制の整備
5.7億円
    大都市部の公共職業安定所において、失業に直面した際に生ずる社会保険・税制、住宅・教育・育児、心の悩み等の生活関連情報について各分野の専門家による相談・助言を一元的に行う生活関連情報相談コーナーを設置、運営するとともに、ハローワークインターネットサービスを活用し、全国の失業者に同様の情報提供を行う。

III 「若者自立・挑戦プラン」の推進
177億円
 教育段階から職場定着に至るキャリア形成・就職支援の実施
30億円
 (1)キャリア探索プログラムの拡充等による職業意識形成支援の推進
16億円
    企業人等働く者を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義、職業生活等に関して生徒に理解させ自ら考えさせるキャリア探索プログラム等について、早い段階からの職業意識形成を支援するため、高校のほか小中学校においても実施する。

 (2)若年者ジョブサポーターによる新規学卒者等のマッチングの強化
13億円
    在学中の早い段階からの職場見学等による職業理解の促進から就職後の職場定着までの各段階を通じてマンツーマンによる一貫した支援を行う若年者ジョブサポーターを全国の公共職業安定所に配置し、中学・高校卒業者の円滑、的確な就職を実現する。

 (3)学卒就職者の早期離職防止対策モデル事業の実施(新規)
31百万円
    就業意欲や職業能力の向上の動機づけ、職場でのコミュニケーション能力の付与等を内容とする業界単位の集団研修、職場定着のための事業所内の相談、助言体制の整備等を内容とするモデル事業を地域の事業主団体等に委託し、実施する。

 若年労働市場の整備
120億円
 (1)若年者試行雇用事業の推進
86億円
    学卒未就職者等の若年失業者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施して、若年者の雇用を推進する。

 (2)フリーターから正社員への登用制度の普及促進(新規)
18百万円
    フリーターに対して安定就労の動機付けや職業生活に必要な知識・技能の付与等をしつつ、正社員として登用する制度を有する企業の事例を収集、分析するとともに、これを活用した事業主に対する普及促進のためのセミナー、相談・援助を実施する。

 地域との連携・協力による若年者就職支援対策の展開(新規)
27億円
   若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブ・カフェ)や地域の経済団体等に対し、企業説明会等の事業を委託するとともに、都道府県の要請に応じワンストップサービスセンターに公共職業安定所を併設するなど、地域との連携・協力による効果的な就職支援対策を推進する。

IV 高年齢者等の雇用・就業対策の強化
876億円
 65歳までの雇用機会の確保 〜雇用と年金との接続〜
510億円
   少なくとも65歳までは意欲と能力のある限り働き続けることができる環境を整備するため、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、短時間正社員制度の整備等を行う事業主に対し、相談・援助等の支援を行う。

 中高年齢者の再就職支援の強化
112億円
  ○ 年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた基盤づくり事業の創設(新規)
3億円
    年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向け、高年齢者等の募集・採用から職場定着するための体制づくりに係る好事例の収集・分析等を活用した個別企業に対する相談・援助等の支援や幅広い普及啓発を行う。

 高年齢者の多様な就労の促進
254億円
  ○ シルバー人材センター事業の拡充
141億円
    高齢者が生きがいを持って地域社会で生活するため、定年退職後等において、軽易な就労を希望する高齢者に対し、高齢者の意欲や能力に応じた就労機会、社会参加の場を総合的に提供するシルバー人材センター事業を拡充する。
(参考)子育て支援事業の拡充 (19億円)
    高齢者の就労機会・社会参加の場を提供するシルバー人材センターにおいて、乳幼児の世話や保育施設との送迎などの育児支援、就学児童に対する放課後・土日における学習・生活指導等の支援を行う実施活動拠点を拡充する。  141拠点 → 235拠点

V 職業的自立に向けた雇用支援策の推進等
98億円
 障害者雇用対策の推進
79億円
 (1)雇用と福祉の連携による重度障害者対策の推進
7.9億円
  ○ 障害者就業・生活支援センター事業の充実
7億円
     障害者に対する就業及び日常生活に係る相談、助言等を実施する「障害者就業・生活支援センター」の設置箇所を増大する事業の推進を図る。
  47か所 → 80か所

 (2)精神障害者対策の推進
3.1億円
  ○ 精神障害者の職場復帰支援事業の創設(新規)
39百万円
     休職中の精神障害者の円滑な職場復帰に向け、精神障害者及び事業主への専門的な相談援助等を行う事業を実施する。

 (3)障害者の雇用機会の拡大
68億円
  (1) 障害者試行雇用事業の拡充及び職場適応援助者(ジョブコーチ)による事業の推進
25億円
     事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させ常用雇用へ移行するため試行雇用事業を拡充する。
 また、授産施設等と連携して、障害者の就職先に職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣し、職業的自立のための実践的な支援を行う事業を推進する。
  (2) 求職者情報のインターネットによる提供(新規)
80百万円
     公共職業安定所に求職登録している障害者の求職者情報(障害種別、部位、資格経験等)をインターネットにおいて公開する。

 ホームレス対策の推進
9.5億円
  ○ 求人開拓、求人情報の提供の充実
42百万円
     自立支援センター設置地域の公共職業安定所に「ホームレス就業開拓推進員(仮称)」を配置し、ホームレスの個々の就業ニーズや職業能力に応じた求人開拓や求人情報等の収集・提供を行うとともに、事業主に対する啓発活動を行う。

 不就労・不法就労対策の強化等外国人雇用対策の推進
9.5億円
   日系人無業者による犯罪の増加等に対処するため、地元日系人コミュニティへの訪問相談等、日系人不就労対策を新たに実施し、不法就労の防止に向けた関係機関との情報交換体制を強化するとともに、外国人労働者の適正な就労を推進する。


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