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平成16年度 産学官連携功労者表彰

平成16年6月3日

受賞事例・受賞者 受賞理由
内閣総理大臣賞 「セルフクリーニング建材・放熱部材等の光触媒利用技術の産業化」
 酸化チタン光触媒による光誘起分解反応、光誘起親水化反応を発見。多様な効果を示す材料の開発、実用化に成功。

東京大学教授    橋本 和仁 東京大学教授
(元東陶機器(株)研究所主幹、事業部次長)  渡部 俊哉
東京大学名誉教授  藤嶋 昭

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外付けブラインドに適用し、
ビル冷却効果を実証
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セルフクリーニング機能
を利用したタイル
光触媒反応の発見をもとに、画期的な新技術の開発及び新産業の創出に大きく貢献。
科学技術政策担当大臣賞 「メタボローム(全代謝物質)解析技術の開発と実用化」
 生体内のアミノ酸や糖類などの代謝物を一斉に測定する技術の実用化。

慶應義塾大学助教授
(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(株)取締役) 曽我 朋義
慶應義塾大学先端生命科学研究所長
(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(株)取締役) 冨田 勝
慶應義塾大学知的資産センター所長    清水 啓助

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CE-MS装置
生体内の千数百種類の代謝物を一斉に測定する技術を世界で初めて実用化。大学から出た技術をTLOが出願・特許化し、民間企業に技術移転。更に研究者自らも大学発ベンチャーに参画し、その設立に際しては大学からも出資が行われた産学連携のモデル事例。

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「機能性アミノ酸ギャバ(γ−アミノ酪酸)を富化した新規食材の開発と製品化」
 血圧正常化効果などがあるアミノ酸ギャバが、コメに大量に富化される条件を発見し新規食材を開発・特許化。製品化にも努め新規市場を創出。

(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
幅広い産学官連携の下、共同研究及び製品開発・拡販を進め、平成15年には100億円に達する大きな市場を開拓。

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「モニュメント型風力発電機の開発」
 福井県の地元中小企業の若手経営者により設立された協同組合が、大学等との共同研究を通じて、環境に調和した風力発電機を開発

協同組合プロード代表理事  西村 琢磨
福井大学教授  山本 富士夫
福井県工業技術センター
地域の中小企業と複数の大学との連携により、環境・エネルギー分野の新技術を開発し、実用化に成功。

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総務大臣賞 「研究開発用ギガビットネットワーク(JGN :Japan Gigabit Network)」
 各都道府県の計66箇所のアクセスポイントをギガビットクラスの回線で結んだ超高速テストベッドネットワークを整備。
次世代インターネット技術に関する研究開発等を全国規模で促進。

 通信・放送機構(現:独立行政法人情報通信研究機構)
 ギガビットネットワーク研究開発プロジェクト
 プロジェクトリーダー 齊藤 忠夫(東京大学名誉教授)
延べ600以上の産学官の研究機関がJGNを利用し、最先端の研究開発、産業化への貢献、地域の活性化、人材育成等、多大な成果を収めた。

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文部科学大臣賞 「半導体微細加工技術で作るMEMS(微小電気機械システム)の産業展開」
 シリコン基板上などに微細加工技術マイクロマシニングを用いて立体的な構造を製作し光・機械・材料などを組み合わせた、MEMS(微小電気機械システム)と呼ばれる技術の産業展開に貢献

東北大学教授 江刺 正喜
先端複合技術の実用化及び人材の育成に大きく貢献。

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「成形シミュレーションソフト等の開発と製品化」
 プレス成形過程で生じるスプリングバック現象を解析する立体構造予測手法を開発し、実用化に成功。

理化学研究所プログラムディレクター  牧野内 昭武
(株)先端力学シミュレーション研究所代表取締役社長  大崎 俊彦
(株)先端力学シミュレーション研究所主査研究員 吹春 寛
新しい手法による成形シミュレーションにより、複雑な形状を持つ部品開発において、開発期間の短縮、開発コストの低減に大きく貢献。

図 シミュレーションソフトを用いた、われ危険部位の解析
「インターフェロン反応チップの開発」
 C型肝炎のインターフェロン療法の効果を事前に予測するDNAチップを開発

金沢大学教授  金子 周一
(株)ジェー・ジー・エス代表取締役社長  窪田 規一
インターフェロン反応チップの製品化に成功。DNAチップの日常診療への対応を可能にした。

図 DNAチップによる解析
経済産業大臣賞 「ナノ構造制御、ナノ加工技術による新機能ガラスの開発」
 コバルト系ガラスのレーザー照射による屈折率変化メカニズムに関する研究を基にした、次世代DVD用集光機能膜の開発。

京都大学 工学研究科 教授 平尾 一之
独立行政法人産業技術総合研究所 光技術研究部門
ガラス材料技術グループ グループリーダー 西井 準治
社団法人ニューガラスフォーラム 研究開発部長 田中 修平
波長405nmの青色レーザーの照射により極めて短時間に屈折率変化42%を達成した画期的な技術開発。現行のDVD(レンズによるレーザーの絞り込み技術)より遙かに大容量の次世代DVD の実現を可能とした将来性の高い技術を開発。

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「飯塚(e-ZUKA)TRY VALLEY構想の推進」
 「日本一創業しやすい街」づくりを掲げ、ベンチャー企業が次々と誕生。また、九州シリコンクラスター計画(九州経済産業局)、シリコンシーベルト構想(福岡県)及び知的クラスター創成事業(文部科学省)と協働・連携し、具体的成果を生み出すイノベーションサイクルを構築し、クラスターのモデル地域を形成している。

飯塚市長 江頭 貞元(えとう さだもと)
九州工業大学長 下村 輝夫
近畿大学産業理工学部長 菊川 清

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旧産炭地からIT産業への転換に成功し、ベンチャー企業創出、生産額増、雇用増の成果を挙げ、地域経済産業の活性化に大きく貢献した事例。

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日本経済団体連合会会長賞 「超微細インクジェットの開発」
 超微量の液滴を高精度に配列できることから、高精密のプリント基板を描画可能。電子部品の高密度化と、それによる電子機器の高機能化、高品質化をもたらすとともに製造過程の資源消費、環境負荷を軽減するものとしても期待される技術。

独立行政法人産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門 スーパーインクジェット連携研究体
世界に誇れる技術革新であり、半導体製造技術等の革新により、電子部品や電子機器生産に大きな波及効果が見込まれる。

複雑図形の描画例[導電性高分子]:線幅3μm、格子部分のピッチ10μm) 図
日本学術会議会長賞 「ヒト細胞・組織による培養表皮・培養軟骨の開発」
 自己の細胞を用いて、実際に移植可能な表皮、軟骨を大量に培養する技術を確立。

名古屋大学教授  上田 実
広島大学教授   越智 光夫
(株)ジャパンティッシュエンジニアリング代表取締役  小澤 秀雄
実用可能な再生医療技術の確立に大きく貢献

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培養表皮
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培養軟骨
「高性能人工肺Platinum Cube NCVCの開発と製品化」
 臨床ニーズに基づいて複数のブレークスルー技術の開発と結集により、治療用医療機器である高性能人工肺を開発し、製品化と普及に成功。新しい治療分野への応用可能性も高い。

国立循環器病センター
 人工臓器部長 妙中義之
東洋紡績株式会社
 医療用具製造センター部長 佐藤正喜
大日本インキ化学工業株式会社
 メンブレン本部本部長 酒井一成
・国立循環器病センターと東洋紡、大日本インキ社(DIC)が共同開発した技術を応用したもので、世界一の水準の性能を有している成功事例。

図


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