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1 遺骨収集等慰霊事業について

(1) 遺骨収集

 旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集
 平成4年度から本格的に実施してきており、平成14年度までに14,846柱の遺骨を収集したところである。
 平成15年度においては、前年度からの継続分など、ハバロフスク地方等6地域について実施することとしている。

 南方地域等における戦没者の遺骨収集
 平成15年度においては、これまでの間に寄せられた残存遺骨情報に基づき、2地域において遺骨収集を実施するほか、相手国関係機関等からの要請があった場合には、応急派遣団を派遣することとしている。

 都道府県に埋葬地や遺骨に関する情報が寄せられた場合には、援護企画課外事室に御連絡願いたい。

(2) 慰霊巡拝

 旧ソ連地域
 埋葬場所が特定されている地域を中心に、平成14年度まで延べ481か所において「墓参」を実施してきたところである。
 今後は、埋葬場所の特定の有無にかかわらず、各地方・州毎に広く遺族の参加を求めることを視野に入れ、平成15年度においては8地域について「慰霊巡拝」を実施することとしている。

 南方地域等
 旧主要戦域となった地域における遺族を対象として慰霊巡拝を実施しているところであり、平成15年度においては、フィリピン等6地域について実施することとしている。

 慰霊巡拝の実施箇所数が増加することにかんがみ、都道府県においては、関係遺族へのさらなる周知徹底を図るとともに、参加遺族の推薦方よろしく願いたい。

(3) 慰霊碑の建立

 旧ソ連抑留中死亡者の小規模慰霊碑
 平成12年度以降、旧ソ連邦において遺骨収集が事実上実施できない地域等について、旧ソ連の地方政府などに順次計画的に小規模な慰霊碑を建立することとしており、平成15年度においては、4地域に建立することを予定している。

 戦没者慰霊碑の補修
 既に建立している海外戦没者慰霊碑については、それぞれの建立地の相手国関係機関等と維持管理の委託契約を締結し、維持管理を行っているところであるが、年月の経過とともに補修の必要が生じている。平成15年度においては、「中部太平洋戦没者の碑(サイパン島)」等3ヶ所の補修を行うこととしている。

 海外民間建立慰霊碑の調査
 民間団体等が海外に建立した日本人戦没者の慰霊碑等については、関係者の高齢化等により維持管理が不十分なものがあるため、平成12年度以降、在外公館、都道府県及び民間団体の協力を得て、調査を行っている。
 これらの慰霊碑等については、建立者が維持管理を行うことが基本であるが、先の大戦に起因して、戦没者等の慰霊のために日本国民が建立したものであり、国としてそのまま放置することは適切でないことから、平成15年度においては、民間団体に委託して、これら慰霊碑等の管理状況を調査し、関係者に対して維持管理の指導を行うこととしている。

(4) 戦没者遺骨のDNA鑑定について
 遺骨の身元特定にDNA鑑定が有力な手段となってきていることから、平成13年度から戦没者遺骨のDNA鑑定に係る技術的、倫理的な問題について検討を進め、平成14年度末までに、DNA鑑定を円滑に実施するためのルールづくりの検討・整理を終えることとしている。
 平成15年度においては、これらの検討を踏まえ、遺骨から有効なDNAを抽出できること、埋葬者資料等が残っていることなど一定の条件を満たす場合に、希望する遺族に対して国費によりDNA鑑定を実施することとしている。


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