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2 中国残留邦人等に対する援護について

(1) 中国残留孤児肉親捜しの強化
 日中共同(訪中)調査の2か年計画による実施
 現在当局に対して、自らが中国残留孤児であると申し立てている者について、孤児の親族との離別状況等を直接知る養父母等の証言者が高齢化していること等にかんがみ、日中両国による共同調査を平成15年度から2か年計画で集中的に実施することとしている。
 肉親捜しの強化
 上記調査の結果、中国残留孤児であると認定された者については、肉親捜しのた め、孤児届(日本側親族からの孤児調査依頼)を提出している者に対し、新たに認定された孤児に関する情報を提供するとともに、開拓団関係者等を交えた調査究明 会議を各都道府県主催で実施していただくこととしているので、各都道府県の御協 力をお願いしたい。

(2) 中国帰国者支援・交流センターにおける事業の充実
 平成13年11月から、首都圏(東京)及び近畿圏(大阪)の2ヵ所に「中国帰国者支援・交流センター」を開設し、従来援護施策の対象としていなかった帰国後4年目以降の帰国者も対象に、就労に結びつく日本語習得支援や生活相談、地域社会から孤立しがちな帰国者やその家族が地域の人々と接点を持ち社会的自立を図ることができるよう、事業を開始したところである。
 各都道府県におかれては、その趣旨を御理解いただき、通信教育のスクーリングやボランティアの育成を目指す研修会「まなびや」の実施など、支援・交流センターによる事業推進に一層の御協力をお願いしたい。
 なお、平成15年度においては、次のとおり、事業の充実を図ることとした。
 高齢帰国者の引きこもり防止対策
 日本語会話が不自由な高齢単身帰国者等を対象に、地域社会からの孤立化を防ぐため、首都圏センターから中国語で電話連絡を行う「友愛電話」事業を実施するとともに、必要に応じボランティア等が対象者宅を訪問する「友愛訪問」事業を実施する。
 日本語通信教育の充実
 中国帰国者のみを対象にしていた日本語通信教育について、サハリン等のロシア語圏からの帰国者に対しても通信教育を実施する。

(3) 各地域における帰国者に対する自立支援の充実
 各地域に定着している中国帰国者については、従来からも、国が実施する事業以外に、各地方公共団体やボランティア団体等が独自に日本語教育をはじめとする自立支援に取り組んでいただいているところと承知しているが、帰国者の高齢化が進展していることなどから、より一層の支援強化が必要となっているところである。
 このため、厚生労働省においては、上記(2)のように事業の拡充を図ることとしているところであるが、各都道府県においても、帰国者が地域住民であるとの観点から、ボランティア団体等とも連携しつつ、更なる支援の充実を図るよう、御協力をお願いしたい。

(参考)
  中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律
  第4条  国及び地方公共団体は、永住帰国した中国残留邦人等の地域社会における早期の自立の促進及び生活の安定を図るため、必要な施策を講ずるものとする。
  2  国は、必要があると認めるときは、地方公共団体が講ずる前項の施策につい て、援助を行うものとする。
  第5条  国及び地方公共団体は、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰 国後の自立の支援のための施策を有機的連携の下に総合的に、策定し、及び実 施するものとする。


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