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(研究開発振興課)

1.治験の推進について

 我が国における治験は平成10年から「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」(新GCP)の全面施行及び外国臨床データの受け入れ等により国内治験の停滞が指摘されているところであり、新薬の開発を進める上で、新GCPに基づく的確な治験の実施が必要不可欠であることから、平成10年度から医療機関における治験管理施設の整備事業を行っており、平成12年度には治験専門外来の整備を補助対象に追加した。
 平成13年度からは、より効果的な治験推進体制を構築するため、地域の中核的な病院と診療所等が連携して行う治験推進ネットワークモデル事業を新たに実施するとともに、治験コーディネーター養成のための研修を拡充し、国内治験をより一層推進している。(医薬品機構への補助事業)
 平成14年度においても、上記の事業を継続していくこととしており、各都道府県においても、医療機関への普及啓発をお願いするとともに、適切な治験の推進を図られるようお願いしたい。


2.薬用植物栽培の推進等について

 漢方及び生物製剤に用いられる原料の薬用植物は、その多くを輸入に依存している現状にあるため、国内における薬用植物の安定供給、品質の向上等への対応の重要性に鑑み、薬用植物の優良種苗の確保及び薬用植物の栽培技術指導等を目的として、昭和63年から栽培品質評価指針作成等の事業を開始した。薬用植物栽培・品質評価指針は、国内で栽培が可能な薬用植物ごとに作成し、オウレン、ジオウ、トウキ、ミシマサイコをはじめとして、現在まで46品目について作成してきたところである。
 このような中、中国において、野生の植物の乱獲が砂漠化を招くとして、カンゾウ、マオウの採取等が困難となり、海外依存及び野生植物依存の現状の問題点が浮き彫りになっており、薬用植物に関する自国での栽培の重要性も高まっているところであり、今後とも、薬用植物栽培・品質評価指針の活用等により、薬用植物の品質の確保、栽培指導、普及啓発をお願いしたい。
 なお、カンゾウ、マオウの課題について有識者等からなる懇談会を開催したところであり、その中間とりまとめを近く公表することとしているので、ご参考されたい。


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