平成13年2月28日
厚生労働省医薬局
食品保健部基準課
食品中の残留農薬調査結果、食品中の残留農薬の1日摂取量調査結果及び加工食品中の残留農薬調査結果について取りまとめたので公表する。
概要
1 食品中の残留農薬検査結果(平成10年度)について
平成10年度に実施された地方公共団体における検査結果(101団体により協力を得たもの)、検疫所における検査結果及び基準未設定農薬を対象に厚生省の依頼により調査した結果を併せて集計した。その概要は以下の表のとおりである。
国産・輸入 | 検査数 | 検出数 | 基準を超える件数 | |||
件 | % | 件 | % | |||
基準が設定されているもの | 国産品 | 133,452 | 725 | 0.54 | 22 | 0.02 |
輸入品 | 119,493 | 1,047 | 0.88 | 63 | 0.05 | |
合計 | 252,945 | 1,772 | 0.70 | 85 | 0.03 | |
基準が設定されていないもの | 国産品 | 86,969 | 325 | 0.37 | ||
輸入品 | 136,323 | 322 | 0.24 | |||
合計 | 223,292 | 647 | 0.29 | |||
総合計 | 国産品 | 220,421 | 1,050 | 0.48 | ||
輸入品 | 255,816 | 1,369 | 0.54 | |||
合計 | 476,237 | 2,419 | 0.51 |
検査の結果、国産・輸入品を含む全検査中で農薬を検出した割合、また、そのうち基準値を定めている農薬で当該基準値を超えた割合がいずれも低かったことから、我が国で流通している農産物における農薬の残留レベルは極めて低いものと判断される。
(参考)
また、平成9年度の結果は平成12年2月14日に公表したところであるが、集計に誤りがあることが判明したため、再集計したところ、以下の表のとおりである。
国産・輸入 | 検査数 | 検出数 | 基準を超える件数 | |||
件 | % | 件 | % | |||
基準が設定されているもの | 国産品 | 119,455 | 742 | 0.62 | 30 | 0.03 |
輸入品 | 90,367 | 1,048 | 1.16 | 62 | 0.07 | |
合計 | 209,822 | 1,790 | 0.85 | 92 | 0.04 | |
基準が設定されていないもの | 国産品 | 77,831 | 238 | 0.31 | ||
輸入品 | 106,666 | 246 | 0.23 | |||
合計 | 184,497 | 484 | 0.26 | |||
総合計 | 国産品 | 197,286 | 980 | 0.50 | ||
輸入品 | 197,033 | 1,294 | 0.66 | |||
合計 | 394,319 | 2,274 | 0.58 |
2 食品中の残留農薬の1日摂取量調査結果(平成11年度)について
国民が日常の食事を介して食品に残留する農薬などをどの程度摂取しているかを把握するため、国民栄養調査を基盤としたマーケットバスケット調査(注)方式による1日摂取量の調査の結果を取りまとめたところ、推定される摂取量の1日許容摂取量(ADI)に占める割合は、0.06〜4.30%であり、現状ではこれらの農薬の摂取について安全上の問題はないと考えられる。
(注)マーケットバスケット調査
食品摂取量の調査を基に市場で流通している農産物等を、通常行われている調理方法に準じて調理を行った後、化学分析を実施し、対象となる農薬の摂取量を調べること。
3 加工食品中の残留農薬検査結果(平成11年度)について
食品衛生法に基づく残留農薬基準値は原則として生の農産物に設定されているものであり、加工食品等は対象とされていない。このため、加工食品に残留する農薬の実態を把握する目的で平成9年度より当該調査を実施しているものである。加工食品としては、植物油(オリーブ油、ごま油)、冷凍食品を選定し、その結果、対象となった173農薬、総検査数13,089件のうち、17農薬、総検査数の0.46%に該当する60件において0.007〜0.51ppmの農薬が検出された。なお、今回調査対象となった農薬の検出割合及び検出値は極めて低かったことから、農薬の残留レベルは極めて低いものと判断される。
照会先 厚生労働省医薬局 食品保健部基準課 課長 石井 担当 井上(2487) 大上(2486)