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2015年8月24日 第7回雇用政策研究会(議事録)

職業安定局雇用政策課

○日時

平成27年8月24日(月) 14:00 ~16:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1会議室


○出席者

委員

樋口座長、阿部委員、大石委員、神林委員、黒田委員、玄田委員、佐藤委員、鶴委員、堀委員、宮本委員
広畑職業安定局雇用開発部長、代田職業安定局派遣・有期労働対策部企画課長、境労働政策担当参事官室長補佐、安達労働基準局総務課長補佐、宮下職業能力開発局総務課調査官、中井雇用政策課長、黒田雇用政策課長補佐、藤井雇用政策課労働市場分析官

○議題

中間とりまとめ(予定)

○議事

○樋口座長 定刻になりましたので、ただいまから第 7 回雇用政策研究会を開催いたします。お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 今回は、これまで頂きました御意見を踏まえまして、新たに修文も含め、作成いたしました報告書案の中間とりまとめということで、御議論いただければと思っております。

 事務局から説明をお願いします。

○黒田雇用政策課長補佐 御説明いたします。本日、資料を 3 つ御用意しています。資料 1 が、中間とりまとめの概要案、資料 2 が雇用政策研究会報告書の中間とりまとめ案、資料 3 が報告書案に付属します参考資料で、各種統計資料を付けています。

 本日は資料 2 を中心に、前回の研究会で御議論いただいた内容から修正された所を中心に御説明いたします。委員の先生の皆さま方のお手元には、理解を助けるために前回からの見え消しの資料も配布させていただいておりますので、そちらも御覧になりながら聞いていただければと思います。よろしくお願いします。

 それでは、資料 2 に沿って御説明いたします。まず、前回からの修正点です。 3 ページを御覧ください。もともと「失われた 20 年」というタイトルを付けていましたが、委員の先生から、「失われた」という表現を使うと、全く意味がなかった期間という非常に後ろ向きなメッセージを発することになってしまうということや、この 20 年間というのはどちらかと言えば試行錯誤のプロセスや調整の期間でもあったわけで、意味がないわけでもなかったということもあり、「失われた 20 年」という表現は修正したほうがよいという御意見がありましたので、「 1990 年代以降の経済情勢の変化」というようにタイトルを修正させていただいています。その後についても、「失われた 20 年」という表現は全て修正をしております。このページの下段3について、表現を分かりやすくするための修正を施しています。

 引き続き 4 ページの冒頭、「労働市場の変化」ということで記述していますが、前回の研究会において、働き盛りの壮年男子の非労働力化についてもう少し深掘りしたほうがよいという御指摘がありました。具体的には中年ニートの話や、あとは男性の就業率が減少していること、長期的な産業構造の変化や自営業の減少といった、構造的な変化についても言及してはどうでしょうという御指摘がありました。また、産業構造についても、建設業などの男性の比率が高い産業が雇用を減らしている一方で、医療,福祉など女性の比率が高い産業が雇用を増やしているということについても説明するべきではないかという御指摘がありましたので、上から 5 行目から 8 行目ぐらいまでの辺りに、今申し上げたような追記をしています。

 壮年男性の非労働力化についての対策のようなことも言及したほうがよいのではないかという御指摘がありましたので、 15 ページの一番下の段落「さらに」という所に 1 段落追加しています。例えば、今年 4 1 日から施行されている生活困窮者自立支援制度に基づき、生活保護に至る前の生活困窮者に対する支援制度や、ニート等の若者に対しては、地域若者サポートステーションにおいての職業的自立支援をしていますので、そういった対策について追記しています。

 戻りまして、 5 ページの ( )16 について、雇用調整速度について内閣府の「年次経済財政報告」から引用しているところですが、どの期間とどの期間を比較したときの雇用調整速度の比較なのかが分からないという御指摘がありましたので、 ( )16 に比較時点について追記しています。

 さらに、その下の ( )17 ですが、前回の研究会で賃金について、賃金センサスの確定値が出たということで、 2014 年の職種別・産業別・年齢別の賃金の傾向について何らか示せるのではないかという御指摘がありましたので、 ( )17 に記述を追記しています。図表でいうと資料 3 の図表の 6- 1、 6-2 に新たに賃金センサスからお出しした図表をお付けしています。 2009 年から 2014 年にかけて、 5 歳刻みの年齢階級層でそれぞれ、現金給与総額がどのように変化したのかをグラフ化したのが図表の 6- 1です。その下の図表は男女別で、更に高卒か高専・短大卒か大学・大学院卒かという学歴別で、どこがどのような賃金の変化をしているのかを示したグラフが図表の 6-2 です。それぞれから分かることとして、赤い点で囲っている 40 44 歳層で賃金が低下していることが分かります。特に男女で言えば男性のほうです。学歴で言えば大学・大学院卒の 40 44 歳層。ここは第 2 次ベビーブーム世代に該当しますが、そういったところの世代が賃金の低下という憂き目に遭っていることが統計的にも分かるということですので、その点について、 ( )17 で記述を追加しています。

 賃金についてはもう 1 つ御指摘がありまして、働き方に中立的な税制・社会保障制度についても、賃金に関連してくる話なので追加すべきという御指摘がありましたので、資料の 21 ページの一番下の、「また、多様な働き方による」という段落ですが、中立的な税制・社会保障制度への見直し、こういったことを追加しています。

 お戻りいただいて、資料 2 10 ページですが、前回の記述には、「子供たちが漫然と教育を受け、漫然と進学をするという状況を脱し」という表現がありました。この「漫然と」という表現が、ちょっときつい印象を与えるという御指摘を受けましたので、その表現は削除させていただきました。

11 12 ページについて、ここではキャリアコンサルティングについて説明しています。まず 11 ページですが、前回、労働者の考えや所属先によって、求められるキャリアコンサルティングが変化するので、どうあるべきかなどについてもう少し書いたほうがよいのではないかという御指摘を頂きましたので、このページの中段に、「なお、キャリアコンサルティングの推進に当たっては、キャリアコンサルティングの実施される場面に応じ、求められる役割・機能が異なる場合もあることから、これらの役割・機能を整理していくことも重要である」ということを追記しています。また、 12 ページのキャリアコンサルティングについて、企業の助成だけでいいのか、キャリアコンサルティングを受講したい労働者への支援も書けないものかという御指摘がありましたので、そういった労働者への支援という趣旨の文章を記述しています。

 さらに 15 ページ、前回は、安易にフリーターを選択・継続しないようにすることが大事だと書いていたのですが、「安易にフリーターを選択する」というのは、本人たちは必ずしも安易に選択しているわけではないだろうということで、削除をすべきという御指摘がありましたので、削除しています。

19 ページは長時間労働削減の観点で、業務の棚卸し・見直しのことを書いていますが、無駄な業務フローを無くして時間を短縮できるものは短縮するというような表現が前回入っていましたが、「無駄な業務フロー」というのを政府の報告書として出すのはちょっと表現がきついという御指摘でしたので、そこも少し表現を書き換えております。

20 ページの「さらに、過労死等について」云々という所を追加していますが、長時間労働と過労死等がどのような関係をしているかについて調査研究をもっと行うべきということを記載すべきであるという御指摘がありましたので、そういった趣旨の記述を追加しています。

 続いて 25 ページの下段、これはもともとお出ししていた図表の 24 にもあるのですが、介護福祉士の離職理由のトップが、結婚・出産・育児であるということに着目した追記です。結婚・出産・育児の離職理由が高いので、「職場内の育児休業制度の整備・充実等、子育てをしながら働き続けることのできる環境整備を進めていくことが重要である」ということを追加すべきではないかという御指摘を踏まえての追記です。

28 ページは分野別の人材不足対策について述べている所で、「看護」の所ですが、医師の人材不足と言われている中で、看護に限らず、医師を始めとした医療従事者の両立支援とか、育児休業等からの復職支援など何か書けないのかという御指摘がありまして、そこについては ( )89 で、できるだけのことを書かせていただいていますが、女性医師が出産・育児といった様々なライフステージに対応して業務に従事できるような環境整備が重要になっているという認識をもちつつ、復職の相談支援や、復職するときの研修、院内保育所の運営等を都道府県で取り組んでいただくときの財政支援をする。あと、女性医師バンクというものもありますので、そこにおいて再就職支援事業等々を行っていくことで、医師に限らず、いろいろな医療従事者がより働きやすい環境整備をすること、これがひいては医療分野の人材不足の解消にも役立つという観点から、表現を追加しています。また、本文の一番下ですが、介護施設での看護師の確保に関する記述を追加してはどうかという御指摘がありましたので、「加えて、介護職員の人材確保は」という所で 3 行ほど追加しています。

 続いて 33 ページは地方創生の観点、人材還流や地方における人材育成の記述をしている項目ですが、 UIJ ターンを支援するというときに、例えば空き家や公的賃貸住宅の活用といった形で、「お試し居住」という支援をしてはどうかということを前回は記載していましたが、「お試し居住」という言葉自体が大変軽い表現になっていて、 UIJ ターンをするときは人生の大きな決断なので、もう少し重みをもった形で言わないと失礼ではないかという話もありましたので、「お試し居住」という表現はやめることにいたしました。

34 ページも、 UIJ ターンをするときに、移住を考えている人に対して自治体等が地元の情報をいろいろ提供して、検討する材料をいろいろ差し上げることで、 UIJ ターンを促進するべきではないかという記述ですが、情報がいろいろ出てきたというときに、移住を考えている人が、移住というのは人生において非常に大きな決断であるので、やはり得られた情報を慎重に検討する時間が必要ではないかという観点の記述も追加すべきというような御指摘がありましたので、 34 ページの上から 3 分の 1 ぐらいのところに「また、移住は人生の大きな決断であることから」という所の 3 行を追加しています。

 最後に、 38 ページの脚注 129 を追加しています。本文で「性別役割分担」という表現がありますが、今年度の「男女共同参画白書」で、ある分析が載っています。それを脚注 129 にまとめていますが、いわゆる「自分の家庭の理想は、『夫が外で働き、妻は家庭で家を守る』ことだ」という考え方を肯定する人の割合で、これが高い都道府県というのが、男性の長時間労働者の割合が高く、女性の有業率が低いという傾向が見られるような分析がなされていました。これについても十分いろいろな示唆に富んだ結果なので追記すべきではないかとの御指摘がありましたので、追加させていただいているところです。

 前回からの修正点は以上です。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 前回のこの研究会、あるいはその後、皆さんから御意見を頂いたものを事務局と整理し、また、大分筆を入れさせていただきましたが、何か新たに付け加えること、あるいは修正すべきことがありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。

 よろしければ、今回、中間とりまとめという形で発表していきたいと思っておりますが、その点はいかがでしょうか。よろしいですか。

○宮本委員 私は二度ほど欠席をしてしまい、この中間とりまとめの議論に実質的に加わることができなかったのですが、結果的には大変質の高い、違和感のないものを作っていただき、感謝しております。

 後出しジャンケンのようで誠に御迷惑をお掛けし兼ねないことが気になるのですが、もし 1 点だけ何か言葉などを補っていただければということで、よろしいでしょうか。人手不足のところに関わって、各産業分野の人手不足の実情が並べられておりますが、総論の所で、要するに市場の論理に従えば、人手が不足すれば賃金が上がるのが普通なのだという振りがあった後で、介護、保育、そして看護という、いわば経済マーケットというか、準市場的な分野における雇用と、建設・運輸という、より一般市場的な分野での雇用の話が並んでしまっていると。若干、この 2 つは質が違うのかなというところがあり、準市場というのは、なぜ準市場でなければいけないのか。やはり、その分野で幾ら金銭に裏付けられた人手に対する需要があっても、そこに引っ張られて賃金及びサービスの価格が上昇してしまうと、そこで満たされなければいけない社会的ニーズが、介護でも保育でも看護でも満たされなくなってしまい、結果的に市場が円滑に機能していくインフラそのものが揺らいでしまう。だからこそ、準市場で一定の賃金や保育単価であれ、介護保険制度であれ、賃金等の価格のコントロールが必要になってきている。しかし、それが必ずしもうまくいっているわけではないからこそ、こういう現実があるわけなのですが、準市場に対する問題の取組と、一般的な労働市場に対する問題の取組は、やはりポイントが違うのかなとも思います。少し、どこかテンションの違いみたいなものが総論の所に入ると、より明確かなと思いました。

 それ以外は全く違和感はありません。会議に参加しないでおいて、今の段階でこんなことを申し上げるのは大変申し訳ないと思いつつ、座長から何かということでしたので付け加えさせていただきました。

○樋口座長 この点はどうしましょうか。今のですと、 24 ページの総論の所の 4 行目、今は「建設」「運輸、郵便」「医療、福祉」等と出てくる所に、何かメリハリをというか、ここにもう少し、 1 2 行でよろしいのでしょうか。

○宮本委員 言葉を何か補っていただければいいのではないかと思います。何か具体的に言ったほうがよろしいでしょうか。

○樋口座長 そうですね、言葉を頂いたほうが。

○宮本委員 「雇用の不足感が生じても市場メカニズムが機能すれば」、あるいは「それに準ずる諸制度が適切に作動するならば」等の一言でいいのではないかと思います。

○樋口座長 事務局、大丈夫ですか。

○黒田雇用政策課長補佐 盛り込む方向で、座長と御相談させていただきますので。

○樋口座長 では、ここは何らかの形で書き加えたいと思います。

○佐藤委員 場所は後段の「一般に」のほうにしたほうがいいような感じがします。多分、「一般に」に書かれていることが、準市場の場合は制度的に適用されにくい。多分、後半の部分ではないかと思ったのですが。ここの説明の所かなと思ったのですが。

○樋口座長 分かりました。では、場所も含めて検討いたします。

○鶴委員 不足感が強まっているのだけれども、賃金が上がっていないという話をまず書かなければいけないのだと思うのです。それで「一般に」といって、こうこうであると。その要因は、先ほどおっしゃったようなタイプによって違うということを言った中で、最後に、「こうした分野は、社会インフラ整備」と何とかというのは、多分、後に持ってこないと、何かそこに勧誘する理由がなかなか出てこないのでということなので、多分、どこかにちょっと言葉を入れただけでは、宮本先生の御趣旨は余りうまく働かないなという感じですので、今のような話をきちんと入れるのであれば、ここは少し組替えが必要な感じがします。

○樋口座長 本来であれば、労働市場で需給が逼迫すれば賃金が上がり、それを価格や料金に転嫁するという話だけれども、それが難しいものもあるということでしょうね。

○鶴委員 それは理由が違うということでしょうね。作業によって理由が違うので、そこは分けて書いておかないとという御趣旨でしょうね。

○樋口座長 では、それはちょっと修文して、また宮本先生にフィードバックをしたいと思います。ほかに、いかがでしょうか。

○玄田委員 文面の修正や加筆ではなく、どちらかというと全体の印象めいたことを発言いたします。お決めいただき、ありがとうございました。宮本さんがおっしゃったように、大変質の高い報告だと思うのですが、次回あるのかどうかは知りませんが、次の雇用政策研究会報告の中で、多分大きな論点になるだろうと思うことで、今回、やや言及がある種制約的だったなと思うことを 1 点申し上げたいと思います。

 それは、 26 ページに 1 か所だけ出てくるように思いますがロボット。これは、多分想像するよりももっと速いペースで雇用に関わってくる。この介護の分野だけではなく、保育も建設も、製造も含めて、特に人手不足の分野は多分ものすごい勢いで入ってくると思います。また、今回の大きなテーマである限られた時間、限られた人口の下での幸福、価値、高生産をするというときに、もっと具体的に言えば AI だと思いますが、これがどういう影響を与えるかについては、早急に政策的な検討を進めていただきたいと思います。恐らく、多くの人が懸念されるように、一部の人たちについては大変高い生産性や賃金につながるけれども、そうでない大多数の人たちについては、むしろ厳しい方向になるのではないかというような予想について、一体、実態はどのようになるのかということについて、やはり早めに検討をする必要があるのではないか。いろいろな意味で、今回のタイトルである「人口減少下での安定成長」の鍵にもなり得るし、懸念材料にもなって、経産省と厚労省との介護ロボットの話も出てきますが、やはり労働政策としてやる部分は、むしろ AI 化が進むことによる非常に厳しい側面に対して、ある程度事前に想定できるものは想定し、それに対応するような訓練プログラムとはどういうものかとか、教育を早めに対策を立てないと問題になるような気がいたします。繰り返しますが、今ここで修文していただきたいということではなく、今回改めてこれを拝見した上で、次の大きなテーマになり得るのは、ロボット AI の問題ではないかという感想です。

○樋口座長  AI については、この研究会の最初に、阿部先生と黒田先生からその問題が提起されて、実は何か書き込めれば書き込もうと思ったのですが、その効果が見極められなくて。 1 つは、ある意味ではプラスのほうとして、人手不足の中でロボットによって、それが少し緩和される面と、また、賃金の格差拡大につながる部分と両方あります。今回、そこのところがはっきり言えるかというところで、もう少し研究を必要とするのではないかというところから、この表現でとどまったところがあります。是非、今後皆さんで御検討いただいて。

○玄田委員 座長のおっしゃることはよく理解できますし、そのとおりで、今回私も同意いたします。しかし、研究会報告は非常にデータを重視して、事実に基づいて議論することが研究会報告のスタイルになっておりますが、今申し上げたような AI などを議論するときには、データを待っている限りは、やはり事後的対応にならざるを得ないので、もし読者の方が求めるものがあるとすれば、一方で、いろいろな分野で雇用の研究をされている先生方が、こういう問題がデータになる以前に、どういう方向が論点であるかということをお示しすることも研究会の大事なスタイルではないかと思いますので、次回、そういうことを言及されるときには、データを待つ部分は待ち、大いに論点整理として問題提起する部分は、特に AI の場合は後者の部分を広げるような形がどうかと思った次第です。

○樋口座長 お二人から何かありますか。

○阿部委員 玄田さんのおっしゃるとおりです。ただ、最近 AI を導入した会社は幾つかありますから、そういう所に労働生産性や教育訓練、あるいは雇用の質にどう影響したかというようなことをヒアリングするとかは、ある程度できるかなと思います。私も非常に興味を持っているところです。

○樋口座長 ある所で研究会を始めているところなので、是非皆さんに参加していただいて、また少し方向性が見えたところで、また織り込むことにしたいと思います。ほかに、いかがでしょうか。

○佐藤委員 本当によくできていると思います。どうもありがとうございました。 12 ページの中高年の活躍の所ですが、最後を見ると、更に 60 歳後半も、特に男性も含めて就業率を高くというような議論なのですが、これが少し次の議論のときに、他方で働き方改革、ワーク・ライフ・バランスということで、今、やや働きすぎと言われている 30 代、 40 代も、仕事以外の生活にも積極的にコミットするというようなことが重要だと言っているわけですね。そうすると、 60 歳後半も働きたいと。確かに就業意欲は高いのですが、お金もあるのだけれども、そうではなくて 60 歳後半になると、理由は社会とのつながりや健康維持です。それで働くということを選ぶわけです。よくよく考えると、働くということを選ばなくてもいいわけです。社会にコミットするというのはいろいろあるわけですので、そうすると 30 代、 40 代から日本の男性の働き方を変えていくと、私は 60 歳をハッピーリタイヤメントで、仕事以外のことをやるという人たちが出てくるほうが望ましい方向ではないかという気もしております。現状というのは、仕事以外の選択肢がないから働く、働きたいと答えているだけではないかなというのを少し考えたほうがいいかなと思っております。ですから、社会にコミットするということは重要だけれども、その選択肢が今は仕事しかないという状態が少しおかしいのではないかと思っております。多分、それを変えていこうという話だと思うのですね。 30 代、 40 代から仕事以外の生活も重視し、子供のいる方は子育て、あるいは社会活動にコミットというように変わっていくほうがいいのかなというような気もしていますので、少し先を見て議論したほうがいいかなと思っております。

○樋口座長 そこもいろいろあって、我々も議論をしたときに、逆にボランティアなどが今度は若い人たちの賃金の足を引っ張るようなことになると困って、労働者性というか最低賃金などの問題も含めて、どこまで労働というもので分けていくのかというところは、我々もまだはっきりしていないところがあります。確かに、おっしゃるような御意見があるところです。割と、グレーゾーン的なものなのですよね。よろしいですか。

 よろしければ、特に宮本先生から頂いた御意見については、私のほうで事務局と相談して文章を直して、そしてまた宮本先生にフィードバックさせていただいて御承認いただければと思います。できれば今日、中間とりまとめの最後にしたいと思っており、もしよろしければ私のほうに御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

                                    ( 了承 )

○樋口座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。事務局から何か補足がありましたらお願いいたします。

○黒田雇用政策課長補佐 この研究会を始めた当初から、もう 1 つ検討課題としてあります都道府県別の労働力需給推計については、現在検討中ですので、これを含めた最終報告については、また追って委員の先生方に御相談させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○樋口座長 それでは、広畑雇用開発部長から御挨拶をお願いいたします。

○広畑職業安定局雇用開発部長 雇用開発部長の広畑です。本来ですと、生田職業安定局長から御挨拶申し上げるところですが、今、派遣法の改正に関わっておりまして、その用事で参加できませんので、代わって御礼の御挨拶を申し上げさせていただきます。

 研究会の中間とりまとめに当たり、一言御礼の御挨拶を申し上げます。この研究会では昨年の 2 月に、「仕事を通じた一人ひとりの成長と、社会全体の成長の好循環を目指して」を副題とした報告書をとりまとめていただいております。しかしながら、その後の状況として、人手不足感が更に高まった、あるいは、地方創生については我が国の喫緊の課題として、政府全体で取り組むといった動きが生じております。それで、昨年 2 月の報告から余り間を置かない中ではありましたが、こうした課題に対する対応について改めて御議論いただくべく開催をいたしました。

 昨年の 10 月から 7 回にわたって、精力的に委員の皆様に熱心な御議論をいただきましたことに、厚く御礼を申し上げます。本日、中間とりまとめの御議論をいただきました。「人口減少下での安定成長」をテーマとして、その実現のために人的資本のポテンシャルの最大発揮とともに、構造的な人材不足への対応として、人材不足分野における対策や、あるいは地域雇用対策について、昨年 2 月の報告から更に掘り下げた御提言を頂いております。今後については、本日頂いた御意見について樋口座長と御相談の上、報告書の中間とりまとめとして近日中に公表をしたいと考えております。

 最後になりますが、改めて、精力的に御議論いただいたことに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

○樋口座長 それでは以上で、この研究会を終了いたします。どうもありがとうございました。

 


(了)

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