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水道分野の国際協力等

1 水道分野の国際協力

 我が国の水と衛生分野の援助政策である水と衛生に関する拡大パートナーシップ・イニシアティブ(2006)で は、開発途上国における政府の組織、政策、制度及び情報データの整備や人材育成、整備されたインフラの適切な維持管理・運営のための水道事業者の能力の向 上を重視するとされています。

 我が国の水道分野における政府開発援助は、二国間援助や国際機関への活動資金や人材の拠出など様々な形で進められていますが、ここでは、二国間援助のうち、「贈与」にあたる専門家派遣などの技術協力及び無償資金協力と「政府貸付(有償資金協力)」について説明します。

 なお、水道分野の国際協力のうち「贈与」に係る事業の大部分は独立行政法人国際協力機構(JICA)によって実施されています。

ODAの枠組み
ODAの枠組み

1)技術協力

(1)専門家の派遣

 各国の水道が、安全で良質な水を継続して供給し続けることができるようにするためには、その国の自然的社会的条件などに適合した水道施設を設け、それを管理できる人材を育成し、水源の水質や施設の特性に応じて適切に管理しなければなりません。

 このような観点から、厚生労働省では、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの依頼を受けて、厚生労働省が水道事業者や関係団体の協力により、同機構に対し専門家を推薦するという形で水道に関する専門家の派遣を行っています。

水道分野の専門家派遣数(人)の推移(厚生労働省推薦分)
年度(平成) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
長期 5 6 7 5 4 9 7 6 8 6 5
短期 15 20 14 27 30 45 49 29 29 33 35
合計 20 26 21 32 34 54 56 35 37 39 40
  • 年度ごとに当該年度内に派遣されている(本邦出発日及び帰着日を含む。)人数を集計
  • 短期は調査団員も含む。
平成29年度長期専門家派遣状況(水道事業者等派遣分)
国名 案件名 専門家所属 担当業務
東ティモール 個別専門家 千葉県水道局 給水改善アドバイザー
ミャンマー 個別専門家 福岡市水道局 ヤンゴン市水供給・衛生アドバイザー
カンボジア 水道事業人材育成プロジェクト・フェーズ3 北九州市上下水道局 チーフアドバイザー
インドネシア 個別専門家 (公社)国際厚生事業団 上水政策アドバイザー
ラオス 水道公社事業管理能力向上プロジェクト (公社)日本水道協会 チーフアドバイザー
平成29年度短期専門家派遣状況(水道事業者等派遣分)
国名 案件名 専門家所属 担当業務
東ティモール 平成29年度東ティモール国専門家派遣(給水アドバイザー) 千葉県水道局 水質管理(1)
水質管理(2)
浄水場運転管理(1)
浄水場運転管理(2)
浄水場運転管理(3)
ラオス 水道公社事業管理能力向上プロジェクト専門家派遣 さいたま市水道局 配給水管施設計画(15)
川崎市上下水道局 配給水管施設計画(16)
さいたま市水道局 配給水管施設計画(17)
川崎市上下水道局 配給水管施設計画(18)
さいたま市水道局 水道事業経営管理(人材育成・総務・営業)(16)
川崎市上下水道局 水質管理(5)
水道公社事業管理能力向上プロジェクト第20回現地ワークショップ(浄水処理) 埼玉県水質管理センター 水道事業運営
水道公社事業管理能力向上プロジェクト第20回現地ワークショップ(浄水処理) 埼玉県水道整備事務所 浄水処理
カンボジア カンボジア水道事業人材育成プロジェクト・フェーズ3 北九州市上下水道局 財政計画(1)
財政計画(2)
財政計画(3)
カンボジア水道偉業人材育成プロジェクト・フェーズ3短期派遣専門家
(水道施設運転維持管理に係る評価及び指導(1))
水道施設運転維持管理に係る評価及び指導(1)
カンボジア水道偉業人材育成プロジェクト・フェーズ3短期派遣専門家
(水道施設運転維持管理に係る評価及び指導(2))
水道施設運転維持管理に係る評価及び指導(2)
平成29年度調査団員派遣状況(水道事業者等派遣分)
国名 案件名 専門家所属 担当業務
ラオス 水道公社事業管理能力向上PJ第5回国際セミナー及び第7回プロジェクト調整会議に係る調査団員 川崎市上下水道局 水道事業運営
埼玉県企業局 水道施設計画
さいたま市水道局 顧客サービス
横浜市水道局 水道事業経営
ラオス国水道公社事業管理能力向上プロジェクト・フェーズ2詳細計画策定調査 さいたま市水道局
川崎市浄衣水道局
東ティモール 東ティモール国「給水改善アドバイザー」運営指導調査団に係る調査団員 千葉県水道局 水道事業運営
千葉県水道局 運転維持管理
スリランカ スリランカ国家上下水道公社事業運営能力向上PJ詳細計画策定調査予備協議ミッション調査団の派遣 神戸市水道局 アセットマネジメント
名古屋市上下水道局 管路計画・維持管理/人材育成
カンボジア 水道行政管理能力向上プロジェクト詳細計画策定調査に係る調査団員 厚生労働省
北九州市上下水道局
カンボジア国水道事業人材育成プロジェクト・フェーズ3終了時評価調査 北九州市上下水道局 水道人材育成
インドネシア 官民連携による上水供給行政システム・技術向上に係る運営指導調査団に係る調査団員の派遣 厚生労働省 法制度整備に係る支援
インド デリー上水道運営・維持管理能力強化プロジェクトに係る調査団員の派遣 東京都水道局 SCADA
東京都水道局 SCADA
東京都水道局 人材育成

・調査団員にはセミナー講師も含む

平成29年度技術協力プロジェクト(平成29年度協力開始分)
国名 プロジェクト名 協力開始日 協力終了日
南アフリカ IBTC無収水研修能力強化プロジェクト 2017/08 2020/08
パレスチナ ジェニン市水道事業実施能力強化プロジェクト 2017/09 2020/09
エチオピア 水技術機構(EWTI)研修運営管理能力強化プロジェクト 2017/06 2020/05
タジキスタン ピアンジ県・ハマドニ県上下水道公社給水事業運営能力強化プロジェクト 2017/04 2020/04

(2)研修員受入

 政府開発援助は、相手国の自主的な努力を支援し開発を援助するものです。また、開発途上国との友好関係を築きあげるためにも、途上国における「人づくり」が極めて重要であり、かつ効果が高いといわれています。

 このような観点から、いくつかの研修制度が設けられており、独立行政法人国際協力機構(JICA)の行う水道技術者集団研修・個別研修などにより研修員の受入を行っています。

水道分野の研修員受入数(人)の推移(水道事業者等受入分)
年度(平成) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
JICA集団研修 38 44 64 76 69 65 81 100 136 132 144
JICA個別研修等 97 72 42 100 121 115 89 52 26 61 38
平成29年度JICA研修員受入状況(水道事業者等受入分)
形態 対象国等 内容 主要協力機関 人数
集団研修 上水道施設技術総合(A) (公社)日本水道協会 8
上水道施設技術総合(B) (公社)北海道国際交流・協力総合センター 9
都市上水道維持管理(給・配水)(A) (株)大阪水道総合サービス  16
都市上水道維持管理(給・配水)(B) 広島市水道局 11
都市上水道維持管理(浄水・水質)(A) (株)大阪水道総合サービス  9
都市上水道維持管理(浄水・水質)(B) (一財)神戸市水道サービス公社 12
上水道無収水量管理対策(A) (一財)日本国際協力センター 7
上水道無収水量管理対策(B) 名古屋上下水道総合サービス(株) 10
上水道無収水量管理対策(C) 東京都水道局 12
上水道無収水量管理対策(D) 福岡市水道局 7
水道管理行政及び水道事業経営(A) (公社)国際厚生事業団 16
水道管理行政及び水道事業経営(B) (公社)国際厚生事業団 10
アフリカ地域都市上水道技術者養成 横浜ウォーター(株) 8
島嶼における水資源管理・水道事業運営 JICA 10
国別研修 インドネシア 連邦首都区無収水削減プロジェクト 横浜ウォーター(株) 7
ネパール 地方都市水道事業経営改善プロジェクト 横浜ウォーター(株)ほか 4
イラク 水供給・管理能力向上 (公社)日本水道協会 1
ケニア 無収水削減能力向上プロジェクト 東京水道サービス(株)、東京水道インターナショナル(株)ほか 1
カンボジア 水道事業人材育成プロジェクト・フェーズ3 北九州市上下水道局 8
ナイジェリア 連邦首都区無収水削減プロジェクト 横浜ウォーター(株)ほか 8
サモア 沖縄連携によるサモア水道公社維持管理能力強化プロジェクト 沖縄県 4

 

(3)開発調査

 開発調査とは、水道事業を実施するに当たっての事業着手の妥当性についての調査のことで、日本でいえば、水道事業の認可申請の際に行われる調査のようなものです。

 この調査の結果、水道事業の開始が妥当と判断されると、水道計画が立てられ事業が開始されます。

開発調査(平成29年度調査開始分)

なし

※厚生労働省調べ

2)無償資金協力

 開発途上国に返済義務を課さない資金を供与しています。この資金は開発途上国の安全な飲料水確保などのために必要な資材、機材、設備などの購入等に利用されています。

水供給分野の無償資金協力の状況

年度(平成) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
件数 27 30 30 18 14 11 14 9 10 2 6
金額(百万円) 15,664 14,693 28,411 21,796 15,773 10,500 19,054 11,387 18,861 7,964 9,435

※厚生労働省調べ

水供給分野の平成29年度無償資金協力の状況

国名 案件名 金額(百万円)
ウガンダ ウガンダ東部チョガ湖流域地方給水計画 1,706
ヨルダン 第二次北部地域シリア難民受入コミュニティ水セクター緊急改善計画 2,412
ホンジュラス コマヤグア市給水システム改善・拡張計画 1,728
ヨルダン 第二次バルカ県送配水網改修・拡張計画 1,391
エチオピア バハルダール市上水道整備計画 1,836
マラウイ リロングウェ市無収水削減用機材整備計画 362
合計   9,435

※厚生労働省調べ

3)有償資金協力

 開発途上国が発展していくために必要な開発資金を貸し出しています。円借款と呼ばれることが多く、主に、発展に欠かせないインフラ整備に活用されています。開発途上国は返済義務を負いますが、金利は低く抑えられており、返済期間も長く設定されています。

水供給分野の有償資金協力の状況

年度(平成) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
件数 6 9 5 0 6 5 3 1 3 3 4
金額(百万円) 114,130 148,838 75,464 0 83,218 88,291 42,442 23,683 70,181 75,600 143,486

※厚生労働省調べ

水供給分野の平成29年度有償資金協力の状況

国名 案件名 金額(百万円)
インド チェンナイ海水淡水化施設建設事業(第一期) 30,000
インド ベンガルール上下水道整備事業(フェーズ3)(第一期) 45,000
チュニジア スファックス海水淡水化施設建設事業 36,676
スリランカ カル河上水道拡張事業(第一期) 31,810
合 計   143,486

※厚生労働省調べ

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2 国際機関との連携、二国間連携等

1)世界保健機構(WHO)等との連携

WHO飲料水水質ガイドライン改定

  • ガイドライン改定に向けた調査、検討
  • WHOへの活動費の拠出
  • 専門家会合への専門家の派遣
  • ※WHO飲料水水質ガイドライン
    各国が飲料水の安全基準を策定する際の基礎資料としてWHOが勧告した飲料水の目標水質のこと。 ガイドラインにおいては、発癌物質などの汚染物質ごとに個別の基準があり、体重60Kgの成人が1日に2リットルを一生涯(70年間)飲用しても影響がでない濃度に設定されている。

O&Mネットワーク

  • 活動費の拠出
  • 専門家の派遣
  • ※O&Mネットワーク
    Operation and Maintenance network(水道施設運用・管理ネットワーク) IWA傘下でWHOの協力を得て、主に開発途上国の施設維持管理の改善(研修ツール作成、セミナー開催等)に向け活動。実施主体は、国立保健医療科学院水道工学部。

RegNet

  • 会合への職員派遣
  • ガイダンス文書作成協力
  • ※RegNet
    水道に関する制度的枠組みに関する途上国の支援を目的としてWHOが設置

2)ISO/TC224の活動への関与

ISO/TC224

  • 水道に関する規格策定及び国内対策への支援(2011年の規格改定に向け、ワーキンググループに委員を派遣)
  • ※ISO/TC224:
    上下水道サービスに関する国際規格(国際標準化機構の第224番目の専門委員会  TC:Technical Committee 専門委員会)

3)二国間会議

  • その他 日韓水道行政課長会議
  • その他 日米水道水質管理会議

4)災害復旧支援

中国四川大地震の復旧支援

 平成20年5月に発生した同地震の際、水道関係団体を通じて、全国の水道事業体や水道関連企業に応急給水用資機材、飲料水等の拠出を呼びかけ復旧支援に協力。

タイ洪水被害に対する国際緊急援助隊専門家チームの派遣

 平成23年10月に発生した同洪水の際、上水道施設の洪水時の運転・維持管理についての支援のために専門家チームを派遣。

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3 水道分野の国際協力検討事業及び水道プロジェクト計画作成指導事業

1)水道分野の国際協力検討事業

(平成27年度)

(平成22年度)

2)水道プロジェクト計画作成指導事業

 開発途上国における案件発掘・形成能力の向上に資するために、官民協力による専門的・技術的立場から調査検討を行い、熟度の高い優良案件となるよう当該国に対する助言指導を実施しています。なお、事業実施に当たっては、民間企業が各々把握している開発途上国の水道  分野の個別具体的な課題(施設整備や経営・維持管理)や潜在ニーズに係る情報、日本が有する知見及び技術を積極的に活用しています。

(平成23年度)

(平成22年度)

(平成21年度)

(平成20年度)

  • その他カンボジア王国村落部地下水砒素汚染対策調査
  • その他パラグアイ共和国地方都市(コンセプシオン市、ピラール市)上水道施設整備計画
  • その他ホンジュラス共和国コパン・ルイナス市上水道システム緊急改修・拡張計画調査

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