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HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法III(畜水産物)

1.分析対象化合物

別表 参照

2.装置

液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)又は液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(LC/MS/MS

3.試薬、試液

次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
アセトニトリル 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。
水 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。
メタノール 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。

ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60 mg) 内径1213 mmのポリエチレン製のカラム管にジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体60 mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。

各動物用医薬品等標準品 各動物用医薬品等の純度が明らかなもの。

4.試験溶液調製法

1)抽出

試料5.00gを量り採り、アセトニトリル、メタノール及び0.2%メタリン酸溶液(1:1:3)混液100 mLを加えて細砕した後、ケイソウ土を2~3mmの厚さに敷いたろ紙を用いてすり合わせ減圧濃縮器中に吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトニトリル、メタノール及び0.2%メタリン酸(1:1:3)混液20 mLを加えてかき混ぜた後、上記と同様に操作して、ろ液を合わせ、40℃以下で約20 mLに濃縮する。

2)精製

ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60 mg)に、メタノール5mL及び水5mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、水5mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール5mLを注入し、溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、40℃以下でメタノールを除去する。この残留物にアセトニトリル及び水(1:9)混液1.0 mLを加えて溶かし、これを試験溶液とする。

5.検量線の作成

各動物用医薬品等の標準品について、それぞれメタノール溶液を調製し、適切な濃度範囲の各動物用医薬品等を含むアセトニトリル及び水(1:9)混液溶液を数点調製する。それぞれ5μLLC/MS又はLC/MS/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。

6.定量

試験溶液5μLHPLCに注入し、5の検量線で各動物用医薬品等の含量を求める。

7.確認試験

LC/MS 又はLC/MS/MSにより確認する。

8.測定条件

検出器: 別表 参照
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル 内径2.1 mm、長さ100 mm、粒子径3μm
カラム温度:40

移動相:アセトニトリル、0.005%ギ酸溶液及び水混液(1:1:18)から(16:1:3)までの濃度勾配を15分間で行い、(16:1:3)で5分間保持する。

検出条件: 別表 参照

9.定量限界

別表 参照

10 .留意事項

1)試験法の概要

各動物用医薬品等を試料からアセトニトリル、メタノール及び0.2%メタリン酸溶液の混液で抽出し、ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラムで精製した後、LC/MS又はLC/MS/MSで測定、確認する方法である。

2)注意点

(1)  別表 は本法を適用できる化合物を五十音順に示したものであるが、規制対象となる品目には本法を適用できない代謝物等の化合物が含まれる場合があるので留意すること。

(2) 本試験法は、 別表 に示した全ての化合物の同時分析を保証したものではない。化合物同士の相互作用による分解等及び測定への干渉等のおそれがあるため、分析対象とする化合物の組み合わせにおいてあらかじめこれらの点を検証する必要がある。

(3) 空気酸化、光分解を起こしやすい動物用医薬品等があるので、全操作は遮光下で迅速に行う。

(4) 標準品がメタノールに溶けにくい場合は、少量の N,N-ジメチルホルムアミドに溶解後、メタノールで希釈する。

(5) LC/MS 又はLC/MS/MSの感度によっては、試験溶液をさらにHPLCの移動相で希釈する。

(6) 絶対検量線法により一定の真度及び精度が得られなくても、安定同位体を用いた内標準法、標準添加法により補正できる場合がある。

(7) 定量限界は、使用する機器、試験溶液の濃縮倍率及び試験溶液注入量により異なるので、必要に応じて最適条件を検討する。

11 .参考文献

なし

12 .類型

C

 

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