05/03/28 薬事食品衛生審議会食品衛生分科会議事録(平成17年3月28日開催分)             薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会                    議事録              厚生労働省医薬食品局食品安全部           薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事次第           日時:平成17年3月28日(月)13:00〜14:52           場所:虎ノ門パストラル新館1F「鳳凰西」 1.開会 2.挨拶 3.審議  (1)食品添加物としての指定の可否について  (2)食品に残留する農薬の残留基準の設定について  (3)食品に残留する動物用医薬品の残留基準の設定について 4.その他 5.閉会 ○鈴木補佐  それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分 科会」を開催いたします。本日は御多忙のところ御参集いただき、厚く御礼を申し上げ ます。  本日は犬伏委員、垣添委員、品川邦汎委員、清水委員、田中委員、長尾拓委員、長尾 美奈子委員、丸井委員から欠席との連絡を事前に受けております。  また、神田委員におかれましては、本日御出席の予定として、まだ遅れていらっしゃ る予定でございます。  改めまして、今回の食品衛生分科会から、国立感染症研究所所長の倉田委員が新たに 参画されておりますので、御紹介申し上げます。  それでは、現在の分科会総数20名のうち、11名の御出席をいただいておりますので、 本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。  それでは、開催に当たりまして、外口部長からごあいさつ申し上げます。 ○外口部長  食品衛生分科会の開催に当たりまして、ごあいさつ申し上げます。  委員の先生方におかれましては、日ごろから食品安全行政の推進に、それぞれのお立 場から御支援、御協力、御指導を賜わっております。改めて厚く御礼申し上げる次第で ございます。  本日の分科会は、先の1月31日に行いました審議会委員の改選の後、最初に行う分科 会であります。改選に伴い、分科会もまた新たな構成となりました。よろしくお願いい たします。  御存じのとおり、当食品衛生分科会は、食品衛生法の規定に基づき、食品衛生に関す る重要事項について、科学的な見地から調査・審議を行い、それについての答申あるい は意見具申を行う食品安全行政の中におきまして、大変重要な役割を担っているもので ございます。  現在、食品を取り巻く環境といたしましては、BSEの問題、残留農薬のポジティブ リスト制の導入、輸入食品や健康食品の安全性の確保など、さまざまな問題がございま すが、国民の健康の保護を図るために、これらの課題について積極的に取り組んでまい りますので、2年間の任期でありますが、皆様方の一層の御指導、御協力を賜わります よう、よろしくお願い申し上げます。  本日は「(1)食品添加物としての指定の可否について」「(2)食品に残留する農 薬の残留基準の設定について」「(3)食品に残留する動物用医薬品の残留基準の設定 について」の3項目の審議事項を予定しております。十分な御審議をお願い申し上げま す。 ○鈴木補佐  ありがとうございました。議事次第につきましては、お手元にございますとおり、御 審議していただく内容といたしまして「(1)食品添加物としての指定の可否について 」「(2)食品に残留する農薬の残留基準の設定について」「(3)食品に残留する動 物用医薬品の残留基準の設定について」を予定しております。  具体的には、(1)につきましては、ヒドロキシプロピルセルロース並びにアミルア ルコール、イソアミルアルコール及び、2,3,5−トリメチルピラジンの食品添加物 としての新規指定の可否について。  (2)につきましては、農薬ビフェナゼート、フェンアミドン及びプロヒドロジャス モンの食品中への残留基準の設定について。  (3)といたしましては、動物用医薬品、ピルリマイシンの食品中への残留基準の設 定について、それぞれ御審議をお願いしたいと考えております。  次に、配付資料の確認をさせていただきます。  配付資料の一覧につきましては、お手元にお配りしました資料の4枚目になると思い ますが「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会資料」というので一覧としてさせていた だいております。  資料番号につきましては、すべて右肩に資料1−1から資料8−4までございますの で、もしなければ、また事務局の方に申し付けていただきたいと思います。  また、本日、当日追加資料といたしまして「牛海綿状脳症(BSE)確定診断の結果 について」という資料を別途付けさせていただいております。  それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、よろしくお願いします。  最初の議題が「(1)食品添加物としての指定の可否について」ということで3項目 ありますが、説明をお願いします。 ○中垣課長  基準審査課長の中垣でございます。それでは、添加物について御説明申し上げます。  本日、御審議をお願いしたいと考えておりますのは、ヒドロキシプロピルセルロース という添加物1品目と、アミルアルコール、イソアミルアルコール、2,3,5−トリ メチルピラジンという香料3品目でございます。都合4品目を御説明申し上げます。  まず、最初がヒドロキシプロピルセルロースでございまして、ヒドロキシプロピルセ ルロースの新規指定の可否についてという資料をごらんいただきますと、資料1−1に 本年の1月21日付で大臣から審議会会長あての諮問書の写しが付属されております。  1ページめくっていただいて資料1−2でございますが、本年の3月10日付で、食品 安全委員会の委員長から大臣あて、食品健康影響評価の結果が回付されております。  その結果は、ヒドロキシプロピルセルロースが添加物として適切に使用される場合、 安全性に懸念がないと考えられ、ADIを設定する必要がないというものでございまし て、その具体的内容につきましては、次のページから記述されておりますので、そこを 簡単に説明させていただきたいと思います。  6ページの「1 はじめに」のところでございますけれども、ヒドロキシプロピルセ ルロースは天然に広く存在するセルロースを加工したものでございまして、非イオン性 のセルロースのエーテルでございます。  我が国では、医薬品分野の公定書でございます日本薬局方に収載されて医薬品分野で 広く使われているほか、例えばアメリカにおきましては、食品添加物あるいは容器包装 等の間接食品添加物、また医薬品等においても用いられているというものでございま す。  更にEUにおきましても同様に食品添加物あるいは医薬品添加物として用いられてお るというところでございますし、FAO/WHOの添加物専門家会議におきましては、 1989年に7種の加工セルロースのうちの1つとして、評価がなされ、ADIは特定しな いというような結論がなされているものでございます。  「2 背景等」でございますけれども、平成14年に食品衛生分科会においても御審議 をいただきまして、国際的に広く使われている添加物については、関係業界からの要請 がなくても、国が主体的に資料収集して指定に向けた検討を行うようにというような御 意見を賜わっているところでございまして、その対象になるものでございます。  すなわち、JECFAにおいて安全と評価がされ、アメリカでもヨーロッパでも販売 が認められておるという添加物の1つに該当するものでございます。  7ページをごらんいただきまして「4 名称等」でございますが、名称あるいは構造 式等、ここに掲げたとおりでございます。  「5 安全性」として、各種の試験成績についてまとめられております。  7ページの「5 安全性」の最初に「1)体内動態」として、ラットを用いた試験成 績がまとめられております。  8ページの「2)毒性」として「(1)急性毒性」「(2)反復投与毒性」としてラットを 用いた30日間の投与試験の結果が掲げられているわけでございます。また、ラットを用 いた13週間の試験も行われておるようでございます。  更に10ページに発がん性に関する考え方が載っております。また、(4)として生殖発 生毒性試験、11ページに遺伝毒性、また、(6)としてその他の動物試験データがまとめ られておるわけでございます。  これらの試験成績をまとめまして、食品安全委員会といたしましては15ページでござ います。15ページの「8 評価結果」のところに食品安全委員会としての考え方がまと められております。  今、御説明申し上げましたように毒性試験成績等は、必ずしも網羅的なものではない としつつ、総合的にこれらの試験データ並びに類縁の加工セルロースの試験結果から総 合的に判断したということが書かれておりまして、遺伝毒性、発がん性は有しないもの と考えられる。  また、この物質はほとんど体内に吸収されないということから、毒性試験に見られた 主な所見が難消化性の食物繊維を大量摂取した際に見られるもののと同様の軟便等の消 化管への軽度な影響である。本物質は極めて毒性の低い物質であるというようなことが 述べられています。  更に限られたデータではあるけれども、既に使用が認められている海外における使用 量と反復投与毒性試験の結果から得られた無毒性量NOAELとの乖離は大きいという ようなことを挙げた上で、ADIを設定する必要がないというような結論に達しておる わけでございます。勿論、添加物として適切に使用する場合というのが、その前提でご ざいます。  これらを受けまして、この分科会の下にございます、食品添加物部会で御審議をいた だいております。21ページをごらんいただきたいと思います。  21ページにございますのが、3月14日付で添加物部会長の長尾委員から分科会長あて の報告書でございます。  22ページをごらんいただきますと、品目名、用途はここに掲げたとおりでございま す。  一番下に表形式で、現在、我が国で食品添加物として指定されておる加工セルロース が一覧になっております。  すなわち、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びナトリウム、メチルセルロー ス、ヒドロキシプロピルセルロースが、今、加工セルロースとして指定されているとこ ろでございます。  このうち、上の3品目につきましては、使用基準として食品の2%以下というような 規定がございますし、ヒドロキシプロピルセルロース、これは平成15年6月に指定した ものでございますが、保健機能食品たるカプセル、錠剤以外の食品に使用してはならな いというような使用基準があるわけでございます。  その根拠でございますが、23ページの注1)でございますけれども、これが上3品目 の使用基準設定の根拠でございまして、昭和27年3月の通知の抜粋でございます。  すなわち、栄養上価値があるものではない。これを過量に用いると、食品の品質低下 を来すおそれがあるというようなことから使用基準を定めた。すなわち、安全性上の問 題から使用基準が設定されているわけではないということでございます。  注2)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースでございますけれども、これは申請 に基づいて指定したわけでございますが、その申請が保健機能食品のガイドラインにの っとったものであったということから、このような使用基準をつくったということでご ざいます。  次に、ヒドロキシプロピルセルロースの有効性でございまして、23ページの上から10 行目ぐらいのところに「4.食品添加物としての有効性」として「(1)錠剤成型への 利用」「(2)油で揚げた菓子への影響」ということで、それぞれ有効な結果が得られ ているところでございます。  また、24ページをごらんいただきますと、食品中での安定性あるいは食品中の他の栄 養成分に及ぼす影響は、ほとんどないというようなことが掲げられております。  「5.食品安全委員における評価結果について」「6.一日摂取量の推計等」で、い ずれも食品安全委員会の結果を、そのまま持ってきているわけでございます。  このようなことを踏まえた上で、添加物部会としては「7.使用基準案」でございま すが、アメリカ、EUにおいてもGMP、すなわち、グッド・マニュファクチュアリン グ・プラクティスの略でございますけれども、適正製造規範というふうに訳しておりま すけれども、GMPというような下で使用するということで、特段の使用基準を設定さ れていないということも考えて、添加物部会としては使用基準を設定、しないという結 論でございますが、そのGMPの精神を踏まえて、ただし書きとして、その添加は食品 中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないものとすることが前提であ り、その旨を関係業界に周知するというような御結論をいただいているわけで、我々と いたしましては、これを指定する際の通知等において、その旨を徹底したいというふう に考えているところでございます。  「8.成分規格案」でございますけれども、25ページに成分規格の案がございます。  設定根拠は27ページにございまして、27ページの上から2行目の「基本的な考え方」 をごらんいただきますと、おわかりいただけますとおり、JECFA、FAO、WHO の食品添加物専門家会議、FCCというのは、アメリカのアカデミー・オブ・サイエン スの中にある部会がつくった規格でございます。  また、EUの規格、これらを参考として、更には医薬品分野の公定書である日本薬局 方も参考としてつくったということが掲げられております。  以上が、ヒドロキシプロピルセルロースの説明でございまして、この分科会で御決議 いただきたいのは、参考資料1というのが、その後にあろうかと思います。すなわち、 この分科会での御決議というのは、ヒドロキシプロピルセルロース、今も御説明したよ うな背景を持つものでございますけれども、これを食品添加物として指定することが問 題ないかどうか。また、使用基準を設定しないという部会の御決断でいいのか、成分規 格案については部会から提案されているとおりでいいのかというのが、この分科会にお ける御決議事項になろうかと思います。  次に、アミルアルコールでございます。  最初の表紙を開けていただくと、資料2−1として、1月21日付の諮問書の写しがご ざいます。  次に、資料2−2として、3月17日付で食品安全委員会の委員長から大臣あての食品 健康影響評価の結果の通知がございます。  食品健康影響評価の結果は、アミルアルコールを食品の着香の目的で使用する場合、 安全性に懸念はないと考えられるというものでございます。  その内容につきまして、6ページ以下で御説明したいと思います。  6ページの「1 はじめに」の項でございますが、アミルアルコールはフルーツのよ うな香気を有し、果実等の食品に天然に含まれている成分だと。欧米では、清涼飲料、 キャンディー等、いろいろなところで使われているというものでございます。  「2.背景等」は先ほど御説明しましたように、これは香料についても同様でござい まして、国際的に広く汎用されているものについて国が主体的に検討を進めるという方 針にのっとったものであるということが書かれているわけでございます。  「3.名称等」あるいは構造式はここに書いてあるとるおりでございます。  「4.安全性」として、(1)で遺伝毒性試験の結果が記述されておりますし、7ペ ージに入りまして、(2)として反復投与試験の結果が掲げられておるところでござい ます。  また、発がん性あるいは内分泌かく乱性についても記述がされております。  「5.摂取量の推定」でございますが、既に認められて使用がなされているアメリカ とヨーロッパにおいて一日推定摂取量の試算がなされております。  「6.安全マージンの算出」「7.構造クラスに基づく評価」「8.JECFAにお ける評価」が掲げられておるところでございまして、その結果、8ページの9番のとこ ろに、まとめがなされております。ここを御説明したいと思います。  アミルアルコールは、生体にとって特段となる遺伝毒性はない。また、その構造はク ラスIという一番毒性が低いと考えられるものに分類され、安全マージンは90日間反復 投与試験の適切な安全マージンとされる1,000 を大幅に上回る。また、想定される推定 摂取量はクラスIの摂取許容値を超えていないということでございまして、そういうこ とを踏まえた上で、食品安全委員会としては、最初に御説明申し上げましたとおり、着 香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられるという結論に達したもので ございます。  11ページをごらんいただきたいと思います。  これは、安全委員会のリスク評価結果を踏まえて、先ほどと同様に添加物部会で御審 議をいただいたものでございまして、3月14日付で部会長から分科会長あての報告が提 出されたものでございます。  12ページに品目名、構造式、用途、概要、食品安全委員会における評価結果、摂取量 の推定がございますが、先ほどと同様でございますが、省略させていただきます。  13ページでございますが、部会といたしましては、新規指定について問題がない、指 定することは差し支えないとした上で、使用基準案をリスク評価結果も踏まえて、着香 の目的以外に使用してはならない。また、成分規格案を別紙のとおり定めるということ で、14ページに成分規格の案がございますし、15ページにその設定根拠がございます が、先ほどと同様に、JECFAあるいはアメリカのFCCの規格を参考につくられて おるものでございます。  次に、参考資料2として、先ほどと同様に分科会におけます決定事項、アミルアルコ ールを食品添加物として指定するかどうか、使用基準については、添加物部会の案どお り、着香の目的以外に使用してはならないということでよろしいのか、また成分規格に ついて、これでよろしいのかというのが掲げられているわけでございます。  次が、イソアミルアルコールでございます。  これも同様に3ページに諮問書の写し、5ページに3月17日付の食品安全委員会のリ スク評価結果の通知がございます。イソアミルアルコールはアミルアルコールと同様の 評価結果でございます。  6ページに食品安全委員会におけますイソアミルアルコールの評価結果がまとめられ ております。  「1.はじめに」のところでございますが、イソアミルアルコールはラム酒またはウ イスキー様の香気を有し、果実、野菜、乳製品等々に天然に含まれている物質である。  欧米では、清涼飲料、キャンディー等にさまざまな加工食品に添加されておるという ことでございます。  「2.背景等」は、先ほど来、申し上げている国際汎用添加物に該当することが書か れております。  「3.名称等」については、ごらんいただいたとおりでございます。  「4.安全性」について(1)として遺伝毒性、7ページに移りまして(2)として 反復投与試験の結果が掲げられております。  この場合には、ラットの17週間の反復投与試験と、もう一つは第2パラグラフでござ いますが、53〜56週間の反復投与試験、更には90日間の反復投与試験が行われているよ うでございます。  (3)として発がん性、(4)として内分泌かく乱性についての記述がございます。  また「5.摂取量の推定」について、先ほどと同様、アメリカとヨーロッパにおける 推定摂取量が試算されておりますし、「6.安全マージンの算出」、8ページに移りま して「7.構造クラスに基づく評価」「8.JECFAにおける評価」がなされておる ところでございます。  イソアミルアルコールにつきまして特徴的なのは「10.その他」のところをごらんい ただきたいと思います。  イソアミルアルコールの代謝においては、アルコール脱水素酵素あるいはアルデヒド 脱水酵素が関与しておる。特にこのうちのアルデヒド脱水酵素は遺伝的多型性とアルコ ール代謝との関連が知られておって、日本人ではアルデヒド脱水酵素のII型の欠損とい うのが多いということが知られているわけでございますが、別の酵素が補完的に働くと いうことが報告されておるというようなことから、日本人においても、代謝系に問題は ないんだろうというような考察がされております。  これを踏まえて「11.評価結果」でございますが、まず、生体内において特段問題と なる遺伝毒性はない。推定摂取量は、これも先ほどと同じ安全性が一番高いと考えられ る、クラスIの摂取許容値を超える可能性があるのだけれども、安全マージンは1,000 を上回っている。  そもそもこれは幅広い食品にもともと存在する、食事から日常的に摂取しているとい うようなことを考えると、更にその摂取量が意図的に添加される物質の摂取量よりかな り多いというようなこと、明確な代謝経路が存在しておるというようなことから、先ほ ど申し上げましたような、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考 えられるというような結論に達しているわけでございます。  13ページをごらんいただきたいと思います。  今のリスク評価結果を踏まえて、添加物部会で御審議をいただいた結果が、13ページ から後にございます。  14ページでございますけれども、1番から6番までは、先ほどごらんいただいたもの と同じでございますので、省略させていただいて、15ページの7番をごらんいただきた いと思います。  ここに添加物部会としての結論が載っておりまして、イソアミルアルコールを添加物 として指定することは差し支えない。使用基準として着香の目的以外に使用してはなら ないとする。また、成分規格として16ページの成分規格をつくるということが添加物部 会での御結論でございます。  その成分規格の設定根拠が17ページにございますけれども、JECFA、FCCの規 格を参考に整理がされておるところでございます。  参考資料3がございますが、この参考資料3が先ほどの参考資料と同様に、この分科 会におきます決定事項でございます。  次に、2,3,5−トリメチルピラジンの御説明をさせていただきたいと思います。  1枚めくっていただきますと、資料4−1がありまして、本年の1月21日付の大臣か ら審議会の会長あての諮問書の写しでございます。  もう一枚めくっていただいて5ページでございますが、3月17日付で食品安全委員会 から大臣あてにリスク評価結果が通知されております。  その内容でございますが、2,3,5−トリメチルピラジンを食品の着香の目的で使 用する場合、安全性に懸念はないと考えられるという先ほどのアミルアルコール、イソ アミルアルコールと同様の結果でございます。  その具体的な評価結果が6ページ以下にございます。  6ページをごらんいただけますと「1.はじめに」の項でございますが、2,3,5 −トリメチルピラジンはローストナッツ様の加熱香気を有する食品中に天然に存在する 成分で、欧米では、焼き菓子、アイスクリーム、清涼飲料等に使われているというとこ ろでございます。  「2.背景等」は、先ほどと同様でございますので省略させていただきます。  3番に名称、構造式等が掲げられ、4番に安全性として(1)に遺伝毒性試験の結果 が掲げられております。  また、7ページに移りますと、(2)として反復投与試験、この場合には90日間反復 投与試験の結果が掲げられております。  5番として、アメリカやヨーロッパにおきます摂取量の推定、6番として安全マージ ンの算出、7番として構造クラスに基づく評価がなされておりまして、8ページ目の9 番のところにまとめがされております。  すなわち、2,3,5−トリメチルピラジンは生体にとって特段問題となる遺伝毒性 はない、構造クラスから見ると、クラスはIからIII に分けられておりますから、そう いう意味では中程度でありますクラスIIに分類され、安全マージンは1,000 を上回る、 かつ推定される摂取量はクラスIIの摂取許容量を超えていないということで、そういう 意味から着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられるというような結 論に達したところでございます。  これを受けた添加物部会での御議論が、11ページにございます。  11ページは14日付で添加物部会長から分科会長への報告書でございまして、12ページ をごらんいただきますと「1.品目名」から「6.摂取量の推定」までは、今、御説明 したとおりでございますので、省略させていただいて、13ページに添加物部会としての 結論がまとめられております。  すなわち、添加物として指定することは差し支えない。使用基準案として、先ほどと 同様に着香の目的以外に使用してはならないということ。  更には、成分規格案として、14ページのとおり、成分規格を設けることが適当である ということになっております。  その根拠でございますが、15ページにございますとおり、JECFAとFCCを参考 に定められているものでございます。  これも、参考資料4といたしまして、この分科会におけます決議事項、すなわち食品 添加物として指定するのかどうか。指定するときに、使用基準を添加物部会の案でござ います着香の目的以外に使用してはならないということでよろしいのか、更には成分規 格案として添加物部会の御提案どおりでよろしいのかということをまとめさせていただ いているところでございます。  よろしく御審議をお願いしたいと思います。 ○吉倉分科会長  どうもありがとうございます。一遍に話を聞いたので、初めの方を忘れてしまったか もしれません。  簡単に言うと、全部で3種類の香料と、あとヒドロキシプロピルセルロースの4件に ついて、それでは何か御質問はありますでしょうか。ヒドロキシプロピルセルロース一 つひとつを一応やっていった方がいいと思いますが、ヒドロキシプロピルセルロース は、これは簡単に言うと、そこに何か表がありましたね。22ページの表が対象物と考え ていいですか。 ○中垣課長  22ページの表は、我が国で食品添加物に指定されている加工セルロース、既に指定さ れている加工セルロースを表にしたものでございまして、これに加えて新たにヒドロキ シプロピルセルロースというものを指定しようとしているところでございます。 ○吉倉分科会長  だから、この右4つは既にやっていて、今度新しくヒドロキシプロピルセルロースを やると。それで、これの使い方としては、てんぷらの何とかというのと、もう一回お願 いします。 ○中垣課長  23ページの「4.食品添加物としての有効性」のところをごらんいただきたいと思い ます。  すなわち、ヒドロキシプロピルセルロースというのは、錠剤を打つとか、そういうと きに滑沢剤、すなわちきねにくっつかないようにとか、あるいは周りにコーティングを するときに、そのコーティングの役割を果たすとか、そういう役割を1つは持っており ます。  また(2)として、油で揚げる、この場合には油で揚げたお菓子についての試験がさ れておるわけでございますが、24ページの上にございます試験結果を見てみますと、ヒ ドロキシプロピルセルロースを使うと、油分が増加しないというような結果が得られて おるところでございまして、このような保護剤的な使われ方というのもするのだろうと 考えている次第でございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  24ページで、その添加は、食品中で目的とする効果を得る上で必要というのが、今の 説明だと、必ずしも特定という感じがないんですが、簡単に言うと、どういう使用目的 を特定するのですか。 ○中垣課長  きねでくっつかないレベル、例えばそういう形になろうかと思います。 ○吉倉分科会長  要するに、揚げたものがお互いにくっつかないとか。 ○中垣課長  そういう処方をやってみて、その処方できねにくっつく、くっつかない、あるいは揚 げたお菓子だとすると、重量がどうなるとかいうのを調べていかれるのだろうと思いま すけれども、その必要量を使っていただくという形になると思います。 ○吉倉分科会長  それが目的ですね。その目的で、効果を得る上で必要とされる量を超えなければ大丈 夫ですと、それが24ページですね。  要するに、これを食品添加物として指定してよろしいかどうかということと、もう一 つは今言ったようなお菓子の固まりがくっつかないようにするという目的だそうです。 そういう目的で使う限りは、使用基準は設定しないでよろしいか。  あと、成分規格としては、25ページに書いてあるようなところでよろしいかと思いま す。そういうことです。何か御質問はございますか。  何か、もうちょっと使用目的というのをきちんと書いてもらうといいと思うんだけれ ども、いろいろ使うからきちんと書けないのですかね。 ○中垣課長  かなり広く使われておるようでございます。 ○吉倉分科会長  たくさん使っても別に毒性はないと、そういうことですね。 ○中垣課長  毒性の懸念はほとんど考えられないのじゃないかと思います。 ○吉倉分科会長  これについては、新規指定については添加物としては何か、よろしいですか。  それから、使用基準としては、使用目的に従って使うと。それに従って使う限りにお いては、使用基準を設けないということです。  それでは、これはそういうことで、新規食品添加物として可ということだと思いま す。  あと、3つ似たような香料がありましたけれども、これについてはいかがでしょう か。  さっき一般食品にかなりあるという具合におっしゃったのですけれども、これはいわ ゆる添加物としてではなくて、例えば果物なら果物に入っているとか。 ○中垣課長  そのとおりでございます。もともと天然に入っています。 ○吉倉分科会長  それから、焼くとそういうものが出てくるという、香ばしいにおいがするのは、そう いう物質が出てくるからだということですが、よろしいでしょうか。  どうぞ。 ○柳川委員  イソアミルアルコールのところで「(3)発がん性」というところがありますね。発 がん性の評価がされていないというのは、ほかの物質もそう書いてあるのですが、その 下に3行ばかり書いてあるものについては、どういうふうに考えたらよろしいんでしょ うか。 ○中垣課長  3品目ともそうでございまして、ほかの品目もそうなのですけれども、文献データベ ースを検索して、この場合だとイソアミルアルコールについての試験結果をすべて持っ てきて、それを安全委員会に持ってきているわけでございます。  このものの場合に、文献番号8)9)10)として、これはたしか1つのものが複数の 文献から出てくるというようなもので、もともとの文献というのは、ちょっと不確かで ありますが、9ページ8)番の75年の文献だったろうと思います。  この文献を精査してみると、7ページに安全委員会がまとめておるように、かなり古 い試験結果であって、評価に耐えないというのが安全委員会での御結論だろうと思って おります。  また、更には遺伝毒性がないというようなことも考えていくと、これは発がん性自体 を問題にするような結論を示唆していないのではないかという御結論だと思います。 ○柳川委員  ありがとうございました。 ○吉倉分科会長  これは、アミルアルコール、イソアミルアルコール、これは飲み過ぎると酔っ払わな いんですか、どうなのですか。酔っ払うほど香料として入れることはないのかもしれな いけれども。 ○中垣課長  それほどの量が入っているものではないと思いますし、それをそのまま飲んだような 実験系があるかどうかというのを確認しておりません。 ○吉倉分科会長  いずれにせよ、香料として使う程度だと、そういうことはないという説明だろうと思 います。  いかがですか、この3項目について、添加物として加えると、どうもJECFAで一 応評価されたものですし、自然界にもあると。  それでは、アミルアルコール、イソアミルアルコール及び2,3,5−トリメチルピ ラジンの3つの香料について、そこに書かれたような使用基準、使用目的以外には使わ ないと。それで成分規格に沿って、これを食品添加物として可とするということでよろ しいですか。  そうしたら、ここの議論が済んだ後はどういう具合の手続になりますか。  この品目につきましては、パブリック・コメント、更にはWTO通報等の手続をやら せていただいて、パブリック・コメントあるいはWTO通報を受けたコメントが寄せら れた段階で、分科会の委員の方々に、このようなコメントが寄せられたと、事務局とし てはこのように考えておるというようなことを文章でお知らせした後に、再度分科会を 開く必要があるのかどうか、それとも今日の御結論を基に答申をしていいのかどうかと いうのを御判断いただきたいと思います。  よろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  そうすると、簡単に言うと、一応回答が来た段階で私のところに相談があるという話 ですか。 ○中垣課長  各委員に御相談を文章でやらせていただきます。 ○吉倉分科会長  特段なければ、それで。 ○中垣課長  特段なければ、それで答申をいただく。答申の内容は、それぞれ参考資料の1、2、 3、4という形でお手元に配付させていただいた内容という形にさせていただきたいと 考えております。 ○吉倉分科会長  はい。それでは、よろしいでしょうか。  それでは次へ行きましょうか。そうすると、その次が「(2)食品に残留する農薬の 残留基準の設定について」です。お願いします。 ○中垣課長  それでは、農薬3品目と動物薬1品目を御説明させていただきたいと思いますが、1 品目ずつやった方がよろしゅうございますでしょうか。 ○吉倉分科会長  そうですね、一遍にやると忘れてしまうので、1つずつお願いします。 ○中垣課長  それでは、まず、農薬のビフェナゼートについて御説明申し上げます。資料5−1を ごらんいただきたいと思います。  資料5−1が、16年12月9日付で大臣から審議会の会長あての諮問書でございまし て、農薬ビフェナゼートの基準設定をお願いしたものでございます。  1枚めくっていただいて、資料5−2、安全委員会のリスク評価結果の通知でござい ます。ビフェナゼートの一日摂取許容量ADIを0.01mg/kg 体重/ 日と設定するという ものが、その結果でございます。  具体的には、10ページ以下に詳述されておりますので、そちらをごらんいただきたい と思います。  10ページをごらんいただきますと、1番として用途は、殺虫剤(殺ダニ剤)。  2番目で、名称、化学名、分子式、構造式等については、ここにあるとおりでござい まして、「7.開発の経緯」をごらんいただきますと、ビフェナゼートは、92年にアメ リカの会社によって発見されたヒドラジン骨格を有する殺虫剤であって、アメリカ、オ ーストラリア、韓国、アルゼンチン、チリ等で登録されている。我が国でも2000年8月 に初めて登録されているということが書かれております。  ビフェナゼートでございますけれども、今回ここで議論させていただくのは「2003年 10月9月」となっておりますが、これはワープロミスだと思うんですが、10ページの下 から3行目の2003年の10月9日ですけれども、適用拡大登録申請がなされた。具体的に は、幾つかの農作物について追加の申請がなされたということから始まっておるわけで ございます。  すなわち、15年7月、食品衛生法改正あるいは農薬取締法改正がなされて以降という のは、新しい農薬が、農薬取締法における登録、すなわち使用の許可がされるときに、 食品衛生法の基準をつくるということを前提にしておるところでございます。  ところが、平成15年7月以前に使用の許可が農薬取締法でなされたものにつきまして は、食品衛生法上の基準が必ずしもそろっておりません。すなわち、平成15年7月以前 においては、食品衛生法の基準をつくるという作業というのと、農薬取締法で国内の農 薬使用を認めるというのは、独立して別個に動いていたというのが、その当時の状況で ございまして、それを改善するために、平成15年7月に法改正をして、新しく使用を認 めるときには、食品衛生法上の基準もつくるという形で整理をしたところでございま す。  このものにつきましては、平成15年7月以前に使用の許可が認められておったため に、食品衛生法の基準の有無がない。ところが、一方では、農作物の適用の拡大の申請 が来たという機会をとらえて、食品基準をつくってしまおうということにしておるとこ ろでございます。  11ページから、いろんな動物試験、作物残留試験の結果がございますが、33ページに まとめがございますので、そこをごらんいただきたいと思います。  33ページに「III .総合評価」がございます。そこの2行目、まず最初にラットを用 いた動物代謝試験について記述されております。  次のパラグラフが、ミカン、オレンジ、リンゴ、ナスを用いた植物体内運命試験、更 には、その次には土壌中の運命試験、また、加水分解及び水中光分解試験、更には果 実、野菜、お茶を用いた作物残留試験などが報告されております。  33ページの下から5〜6行目のところに1行空白がございますが、これから先が、い わゆる安全性試験の結果でございまして、急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性及 び発がん性試験、34ページに2世代繁殖試験、遺伝毒性試験等がまとめられているとこ ろでございます。  それを表にまとめたのが、35ページの表でございます。ここに提示されておる試験の 種類あるいはそこで用いられた動物種が掲げられておるところでございまして、無毒性 量、すなわちその量以下では毒性が見られなかったというところが掲げられておるわけ でございます。  これらの無毒性量の中で一番小さいのが、ラットの104 週間の慢性毒性発がん性併合 試験の雄、1.0mg/kg体重/ 日。また、一番下のイヌの1年間の慢性毒性の雄、同じ数字 でございまして、この2つの試験からADIが算出されたところでございます。  具体的には、36ページをごらんいただきますと、今、申し上げた2つの試験から、 100 倍の安全係数を見て、0.01mg/kg 体重/ 日というADIが設定されたところでござ います。  これらを受けまして、45ページをごらんいただきたいと思います。  45ページに農薬・動物用医薬品部会から分科会長あての報告書が載っております。農 薬・動物用医薬品部会長の井上先生からの報告書でございまして、3月3日付でござい ます。  その内容でございますが、46ページをごらんいただきますと、品目名としてビフェナ ゼートである。また、2番目に殺虫剤である。また、5番目に適用病害虫として幾つか の製剤があるようでございますが「表1 ビフェナゼート20%フロアブル剤」というの を見てみますと、トマトのハダニ、トマトサビダニあるいはナスのハダニ、キュウリの ハダニ、次のページに行って、スイカ、メロン、カンキツ等についてハダニ類ほかにつ いての適用が認められているということになります。  また、一番下の「表2 ビフェナゼート15%くん煙剤」では、イチゴのハダニ等につ いて適用が認められているところでございます。  また、48ページの6番に作物残留試験の結果が出てまいるわけでございますが、52ペ ージに表がございますので、これをごらんいただきたいと思います。  52ページの「表3 作物残留試験成績」でございますが、トマトから始まって、その 次の次の54ページの上から2行目のお茶まで、作物残留試験結果が提示されているとこ ろでございます。  更に54ページの「(3)その他」でございますが、綿の副産物等をえさとして用いた 場合の飼料経由による畜産物への残留の試験結果が報告されているということでござい ます。  55ページに入りまして、ADIでございますが、先ほど御説明しましたし、8番の諸 外国の使用状況についても御説明申し上げましたので、省略をさせていただきたいと思 います。  「9.基準値案」でございますが、58ページをごらんいただきたいと思います。  58ページにビフェナゼートにつきまして、一番左の欄の食品名というのが、それぞれ の食品ごとを差しております。  次のカラムの基準値案というのが、部会として御提示されておる基準値の案でござい ます。  その次の欄の登録の有無というのは、我が国の農薬取締法において、その登録が認め られているのかどうかを示しております。○が登録がある、すなわち我が国では農薬取 締法上、トマトには使っていいけれども、ピーマンには使ってはいけないというような 形になっておるところでございます。  登録保留基準値というのは、環境省が登録に当たって定めた基準値でございます。  その次の国際基準、この場合には国際基準がございませんので、空欄になっているか と思います。  その次の外国基準でございますが、この場合にはアメリカの基準が並んでいようかと 思います。  その次の欄が作物残留試験成績で、トマトだと0.32、0.11ppm というような残留試験 の結果が認められたということです。  部会におきましては、作物残留試験成績がある場合には、作物残留試験成績から、作 物残留試験成績がなくても、例えば上から2番目のピーマンでございますが、アメリカ で使用が認められておって、アメリカからピーマンが輸入される可能性もあるわけでご ざいますから、アメリカの基準等も踏まえて、基準値を整理していただいたところでご ざいます。  この中で、部会で特に問題になりましたのは、真ん中よりちょっと下にイチゴがござ います。基準値案として5となっておりまして、登録の有無のところは登録申請中と。 すなわち新たに登録の申請があったと。登録保留基準値は3。外国が1.5 だということ で、作物残留試験成績が0.42、1.98ということでございます。  この基準値案の5というのは、作物残留試験成績の1.98から考えると、5ppm はやむ を得ないんだろうというふうに判断されたわけでございますが、一方においては、アメ リカの基準値が1.5 で、5ppm というのが高過ぎるのではないかということでございま す。  これについて、48ページをごらんいただきたいと思います。  48ページの一番上に参考として、イチゴの適用拡大申請について、農林水産省のコメ ントが出てきております。  すなわち、イチゴは、今、使用回数が1回なんですが、これを2回に変更するという ことについてでございますが、9月に定植して、11月から5月まで収穫をする。収穫期 間が7か月と長期にわたっておる。更には、ハダニがそれぞれ3回以上の防除が必要と なってくる。そういったことから、2回の使用というのがどうしても必要となる。  更に、収穫前の日まで使うということで、イチゴは毎日収穫していく、すなわち実っ たものから次々取っていくということから、収穫前日というのが必要だということがあ るわけでございます。  部会におきましては、最終的には56ページをごらんいただきたいと思います。  イチゴについて5ppm という基準値としたところで、56ページの「(3)暴露評価」 のところでございますが、暴露評価をしてみると、国民平均、幼小児、妊婦、高齢者、 いずれにおいても、ここに掲げられているような数値でございまして、ADIの範囲内 に収まるというようなことから、いわゆる安全性上の問題はないのであろうということ でございますけれども、57ページの(4)にございますとおり、やはり我が国だけこの ような形でイチゴの基準が高いということについては、今後とも散布の間隔、すなわち 前日まで使うので、どうしても残留が多くなるというようなことから、散布方法あるい はその必要性を含めてさらなる検討を農林水産省と関係企業にお願いをしよう。  その結果、低くなるというようなことであれば、また基準値を見直そうということに させていただいたところでございます。  最後に60ページをごらんいただきたいと思います。  今、申し上げましたのが、部会におけます御結論でございますが、60ページに「答申 (案)」として掲げさせていただいておりますけれども、分科会におけます最後の御決 定事項は、この部分になるわけでございますので、よろしく御審議をお願い申し上げま す。 ○吉倉分科会長  御意見は、いかがですか。イチゴというのは、この前も多いというので、小沢さん か、神田さんだか、だれかがコメントされた記憶があったと思うんですけれども、イチ ゴにはでこぼこがあって、残留は割と多くなる、今の説明で何か御意見はありますか。  あと、これは前に行ったり、後ろに行ったりして、ちょっとフォローするのが結構難 しかったんじゃないかと思うんですが、例えば47ページのビフェナゼートで表があっ て、47ページのイチジクのところで二重線が入っていたり、イチゴのところで二重線が 入っていたり、これは何でしたか。 ○中垣課長  最初に申し上げましたとおり、このものというのは、もう既に国内での使用が認めら れている、登録が認められておるものでございまして、この二重線部分が先ほど申し上 げました、今回、基準を決めるきっかけとなった適用の拡大、適用の変更の申請があっ た部分を指しております。 ○吉倉分科会長  今まで1回とかになっていたわけですか。 ○中垣課長  イチゴについては、今まで1回でございます。 ○吉倉分科会長  イチジクは全然なかったんですか。 ○中垣課長  イチジクは全くなかったんです。 ○吉倉分科会長  そういう申請が出てきたので、十把一からげに、これを機会に、60ページにあるよう に、トマト以下こういうものについて全部残留基準値案を決めるという話ですね。  残留基準値案というのは、先ほどの56ページの暴露評価に基づいて、一応計算して、 こういう残留基準値案で十分ADIのこれこれのパーセントになるでしょうと、だから これぐらいの残留基準ではいいでしょうという話ですね。  あと、60ページの表の※がいっぱい付いているのは、これは何ですかね。 ○中垣課長  これは、ちょっと説明を省略させていただきましたが、55ページの下から4行目を見 ていただきたいと思います。  今、分科会長から御指摘がありましたのは、対象となる範囲を言っておりまして、基 本的にはビフェナゼートという未変化体を規制の対象とするわけでございますが、代謝 物Bであるとか、代謝物Eであるとか、代謝物Uであるとか、そういったものをどう勘 案するかというのを部会で議論していただいたところでございます。  結論は「具体的には」ということでございますが、代謝物Eと代謝物Uは、農産物へ の残留が認められていないということから、その対象とはしない。  一方で、対象とするのは、農産物と畜産物の脂肪ではビフェナゼートと代謝物のB。 更には、畜産物ではビフェナゼートと代謝物Bと、代謝物Eと代謝物Uという4つの化 合物を対象とするということを示しているところであります。 ○吉倉分科会長  要するに、これは動物がこういう農薬を使われたものを食べて、体内にたまっている のがあると、そういうことがあるので、牛とか、その辺の残留基準を決めるということ です。  何か御意見はありますか。  どうぞ。 ○熊谷委員  質問なんですが、暴露評価で幼小児の76.1というのがありますけれども、これは大体 どのぐらいの数値であればいいことになっているんでしょうか。 ○中垣課長  平成10年に当時の食品衛生調査会でまとめていただいた意見具申によりますと、80% を一つの目安にしてしておくようにということが言われております。80%を一つの目安 にという根拠というのが、水、空気でございますとか、そういったほかからの暴露とい うのも考えられるということから、80%を1つの目安にするようにというような意見具 申をいただいております。 ○吉倉分科会長  ほかに何かありますか。  どうぞ、児玉先生。 ○児玉委員  ちょっと質問なんですけれども、教えていただきたいんですけれども、作物残留試験 成績というのが、52ページ、53ページ辺りにございますね。  これを見ますと、結果的に、恐らく推測するに、使い方と、表面の果皮なんかの場合 は、表面の性状、果実の場合はどれだけ浸透するかという浸透性とか、そういう果実の 皮の性状によって、使い方プラス果実の皮の両方の相関で、恐らく最大残留量が動いて くるんだろうと思うんですけれども、イチゴも随分高い数値を示しているものがありま すし、あと、桃もかなり際立って高い数値を最大残留量で示しているんですが、ちょっ と質問で、まず、1つ目で素人考えで安全性というのは、結局最大残留量のところで決 まってくるんではないかと。最大残留量をコントロールするように、例えば桃は恐らく 表面がざらざらしているので果皮に残りやすいんだったら、使い方を変えると、恐らく そういう考え方で決まると思うんですが、最大残留量の方がこれだけ差が出るというの は、ちょっと素人的にわかりにくいので教えていただけますでしょうか。 ○中垣課長  表面の問題と、それと仮に使う濃度が一緒のものであると、中身と皮の問題として表 面積が大きい、少ない、更には、今、先生から御指摘のあった桃だと表皮の方には毛み たいなのがあって、どうしてもたまりやすいというような、それぞれの特性によるんだ ろうと私も考えております。  先ほども熊谷委員から御指摘のあった暴露評価をやってみて、安全域内に入らないと いうことになりますと、例えばこの場合、それがいいかどうかは別問題として、桃に使 うのはあきらめてもらおうとか、イチゴに使うのはあきらめてもらおうというような形 になっていくんだろうと思います。 ○吉倉分科会長  何か葉っぱが大きいものとか、そういうのは残留量が多いんですね。ただ、それだけ 食べるわけではないので、摂取量とか、そういうのを計算した上で、この辺で何とか我 慢できるという線を出しているんだと思うんです。  もう一つ、この取扱いをどうするのか、ちょっとわからないんだけれども、農林水産 省のコメントというのを、これは今回のこの議論の中でどうなるんですか。ただ、コメ ントがあったというだけの話なんですか、さっきの話だと、少し考えてくれというよう な意見にも聞こえるんですが、ここのところはどういう具合に取り扱うのか。 ○中垣課長  まず、48ページの上にございます、農林水産省のコメントというのは、農薬動物薬部 会における審議の中で参考となる情報として農林水産省のコメントがなされたというこ とを単に示しておるとのことでございます。  一方、57ページの(4)でございますけれども、これは部会として農林水産省及び企 業に要望をしろという事務局への御指示だというふうに考えております。  したがって、分科会におきましても、先ほど答申案、60ページにございますけれど も、60ページにある答申案でよろしいということになりますと、基本的には、この部会 でのお考えを認めていただくということになろうかと思いますので、事務局といたしま しては、施行に当たって農林水産省あるいは関係企業の方へ一部の使用方法について、 さらなる検討をお願いするということにしたいと考えております。 ○吉倉分科会長  それで、5にしてしまう話なのか、5よりもっと下げて基準にしたいというのか、そ このところが、要するに今のところは5にしたところで、暴露量その他から80を超すこ とはないという判断であろうと思うんですが、今の57ページの(4)のコメントを最終 的な文章の中に残すのか、残さないのか、どういう取扱いをするかです。そこら辺がも う一つわからない。 ○中垣課長  私の意見を言わせていただきますと、答申案そのものは、60ページにある基準値の一 覧表でいいんだろうと思います。ただ、一応部会としては、今、申し上げたような農林 水産省へ要望をしろというようなことを考えておられるわけですから、分科会において もそういう意見だということでございますれば、我々としては答申書に書くようなこと かと言われますと、安全性を左右するような問題はない。少なくとも部会の御結論とい うのは、ガイドラインで目安にしている80%を5ppm にしたところで下回るという結論 でございますから、答申に入れるようなことではないんだろうと考えております。 ○吉倉分科会長  議事録として残すような感じでしょうかね。小沢先生、こういう取扱いで何かありま すか。 ○小沢委員  イチゴの件は先ほども出ておりましたけれども、どの農薬にしろ高めに出てくると、 幼小児が食べるということで、この部会の議論のときも農林水産省から是非2回かけな いと、ダニの問題など、そこで米谷先生なども本当に現状はどうなんですかというふう な御質問がたしか出たような気がいたしますが、そういうことを考えると、本当は消費 者としても低い方がいいと思うんです。  ただ、現状はどうしても2回まかざるを得ないということであれば、やはりそのまま でいいということではなくて、(4)というのは生かせる形で答申に残していただきた いと思います。 ○吉倉分科会長  答申の文書に入れろということなんでしょうか。取扱いはどういう場合に。 ○小沢委員  その辺の取扱いは具体的にはわかりませんけれども。趣旨はそういうことです。 ○吉倉分科会長  趣旨はそういうことですね。これは同じような議論を既にほかのあれでやったことが あると思います。  それでは、一応こういうことで60ページにある食品名、それから残留基準値はよろし いですか。  どうせこれはパブリック・コメントをWTO通報やるわけですね。 ○中垣課長  はい、どちらも、現在その作業中でございます。先ほど申し上げました添加物と同様 に、これらのコメントが出てきた段階で、また先生方に御相談をするということになろ うかと思います。 ○吉倉分科会長  そうすると、これはここにある食品については、これは全部を今回は決めるわけです ね。  今のなるべくイチゴについて減らしてほしいというのは、議事録に残すという、そう いうことでよろしいかと思います。後でWHO通報その他あります。  それでは、そういうことで、60ページの答申案はよろしいですか。では、次をお願い します。ちょっともたもたしまして、済みません。 ○中垣課長  資料6−1に基づきまして、農薬フェンアミドンについて御説明申し上げたいと思い ます。  資料6−1が昨年の11月12日付で大臣から審議会の会長あての諮問書でございます。  1枚めくっていただいて、資料6−2が昨年の12月15日付の食品安全委員会の委員長 からの食品健康影響評価の通知でございまして、フェンアミドンの一日摂取許容量を 0.028mg/kg体重/ 日と設定するというものでございます。  具体的には、10ページをごらんいただきたいと思います。  10ページ「1.用途」殺菌剤でございます。  2番から6番までは省略させていただきます。  「7.開発の経緯」でございますが、フェンアミドンはフランスの会社によって発見 されたイミダゾリノン系というものの1つでございまして、殺菌剤でございます。  諸外国では、アメリカ、フランス、ニュージーランド、中国等で使われておるところ でございますし、先ほどのビフェナゼートと同じように、これは我が国でもまだ認めら れていないもので、食品衛生法上の基準設定と同時に使用を認めようとするものだそう でございます。  11ページから試験結果がございますが、27ページのまとめをごらんいただきたいと思 います。  27ページをごらんいただきますと、ラットの体内運命試験、あるいはブドウ、トマ ト、レタス、バレイショの植物体内試験、土壌中試験等の結果がございまして、27ペー ジの下から3行目のところから安全性試験の結果に入って急性毒性試験、1枚めくって いただいて亜急性毒性、慢性毒性/発がん性試験等々が述べられれておるところでござ います。  29ページにそれらの試験結果の表がまとめられておりまして、無毒性量が一番小さい のはラットの慢性毒性/発がん性併合試験の雄の2.83mg/kg 体重/ 日ということから、 これに100 倍の安全係数をかけてADIを算出されております。  35ページから農薬動物用医薬品部会の報告書が掲げられております。  35ページですが、3月3日付で部会からの報告をいただいております。  36ページ1番から4番までは省略させていただきます。  5番が適用病害虫の範囲ということで、ブドウとハクサイ、更に37ページにはキュウ リ、メロン、タマネギ等に対してべと病というものについて使用の申請が上がっている ものでございます。  作物残留試験成績でございますが、39ページに表にまとめてられております。  39ページの「表3 フェンアミドン作物残留試験成績」というのが提出された試験成 績をまとめたものでございます。  その上で、基準値の案でございますけれども、44ページをごらんいただきたいと思い ます。  先ほどのビフェナゼートと同じでございまして、作物残留試験成績が提出されている ものについては、その試験成績から、アメリカ等に基準値があるものについては、その アメリカの基準値を勘案して基準の案がまとめられておるところでございます。  これらの基準値案について暴露評価をしたものが41ページでございまして、41ページ のちょうど中ほど「(3)暴露評価」でございまして、基準値案に基づく暴露評価とし て、ここに書いていますように、11%から24%程度というような評価結果でございま す。  更には、42ページでございますけれども、(ii)でフェンアミドン及び脱S−メチル 体の作物残留試験成績に基づく暴露評価ということで、食品安全委員会において、脱S −メチル体、代謝物Gも含めた評価がされておるということから、それらの評価もやっ てみたところでございますけれども、それにしても暴露のADIに占める値というの は、10%から21%程度であるというようなことでございます。  そのようなことから、安全性上問題はなかろうということで、基準値案でセットをす るということになりまして、45ページでございます。  45ページにございますのが、答申案でございますけれども、バレイショからトマトピ ューレ、トマトペーストまで、それぞれについて基準値の案が載っておるわけでござい ます。  また、先ほどと同様に※につきましては、代謝物を入れる、入れない、どの範 囲まで代謝物を勘案するかというようなことで設定されているものでございます。よろ しく御審議をお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  先ほどと大体同じような考え方で行けばいいと思いますが、例えばレタスなんかは20 と非常に数値が大きい。  29ページのADIを計算するときに、慢性毒性で2.83mg/kg 、一番小さいのでやった という話なんですが、右の備考を見ると発がん性は認められないと、これは何か毒性が あったんですかね。それとも2.83まで、どういう意味なんですかね、無毒性量というの は何にも影響なくて無毒性量が、ちょっとよくわからないんだけれども。 ○中垣課長  無毒性量のセットに当たっては、普通毒性試験をやるときに、コントロール群のほか に3つぐらいの用量でやります。その3つの用量でやってもどこでも毒性が見られない 場合には、一番上の用量が無毒性量となります。一番上の用量で見られた場合には2番 目の用量が無毒性量となるというものでございまして、この場合に見られた毒性という のは、22ページの表の6にまとめてられております。  この場合には、5,000ppm、1,000ppmでここにあるような作用が見られているというも のでございます。 ○吉倉分科会長  これで判断して、今のADIを出したということですね。  今の件、いかがですか。よろしいですか。  そうすると、ここに書いてあるような答申案の食品名、それからそれぞれに対する残 留基準値ということで、答申案にしたいと思いますが、これもWTO通報その他。 ○中垣課長  これもまた同じような手続で、現在、パブリック・コメント、WTO通報をやってい るところでございますので、それらの結果を踏まえて、また先生方に御相談したいと思 います。 ○吉倉分科会長  それでは、次をお願いします。 ○中垣課長  次が農薬のプロヒドロジャスモンでございます。資料7−1が大臣から審議会会長あ ての諮問書の写しでございます。  1枚めくって資料7−2が、食品安全委員会の委員長から大臣あてのリスク評価結果 の通知でございまして、プロヒドロジャスモンのADIを0.14mg/kg 体重/ 日と設定す るというものでございます。  その内容につきまして、10ページ以下で御説明申し上げます。  10ページの1番でございますが、植物成長調整剤。  2番から6番までは省略させていただきます。  「7.開発の経緯」でございますが、植物ホルモンであるジャスモン酸がジャスミン の花から単離された。ジャスモン酸を母核とする誘導体について、日本の会社が開発を して、我が国で2003年4月に初めて登録をしたというもので、今回は適用拡大の申請が なされているというものでございます。  ですから、そういう意味では、フェンアミドンと同じというよりはビフェナゼートと 同じ、既に登録は認められておる。適用の拡大の申請があった、この機会に基準をつく ろうというものでございます。  11ページから試験結果の詳細がございますが、21ページにまとめがございますので、 そこで御説明をします。  21ページでございますが、総合評価として、代謝試験がラットを用いて、または植物 代謝として水稲、ブドウを用いて試験が実施されております。  21ページの下から10行目ぐらいのスペースの後でございますが、いわゆる安全性のデ ータについてまとめられておりまして、急性試験、亜急性毒性試験、亜急性神経毒性試 験、慢性毒性/発がん性試験等々の結果が並べられております。  それを同様に表にしたのが、23ページでございまして、この場合には、先ほどの一番 小さな無毒性量がラットの24か月間慢性毒性/発がん性併合試験、雄の14.4mg/kg 体重 / 日ということで、これを基にADIがセットされております。  このリスク評価結果を基に部会で御審議いただいたわけでございますが、その報告が 29ページ以下でございます。  29ページをごらんいただきますと、3月3日付で井上部会長から吉倉分科会長への報 告書でございます。  30ページに品目名から構造式までありますけれども、ここは省略させていただきま す。  31ページでございますが「5.本剤の適用」として、リンゴとブドウの着色の促進 を目的としているものでございます。  今回は、ブドウについての適用の追加の申請があったわけでございますが、リンゴに ついても併せて基準を設定しようというものでございます。  「6.作物残留」については、試験結果が32ページの表2にまとめられております。  これらを踏まえて、基準値の案でございますが、35ページの上の表が基準値の案でご ざいます。  これは諸外国でいまだ登録されていない、あるいは国際基準もないということから、 リンゴとブドウについてのみ基準をつくろうとしております。  いずれも、先ほど見ていただきました作物残留試験結果から0.05ppm という基準をつ くろうとするものでございます。  それの暴露評価をしたのが33ページの一番下の表でございます。  ADIと比べますと、ほとんど数字にならないというようなところでございまして、 そういう点から0.05ppm ということで基準を設定しようというものでございます。  35ページの下の方に「答申(案)」と書かれておりますけれども、分科会での議決事 項が、プロヒドロジャスモンについて、リンゴとブドウ、それぞれ0.05ppm という基準 値をつくってよろしいかということになろうかと思います。よろしくお願いいたしま す。 ○吉倉分科会長  これは、色を付けるんですか。 ○中垣課長  色を付けるんです。 ○吉倉分科会長  そうすると、簡単にいうと、ナシとかそういうのはやっても色が付かないという意味 なんですか。35ページの上に西洋ナシ、日本ナシ、マルメロと書いてあるんですが、使 うこともあるという意味なんですか。 ○中垣課長  1つには、企業から申請があるかどうかでもって判断をいたしておりますので、そう いう意味でサイエンティフィックにナシならどうだとか、桃ならどうだとかいうような ところの知識があるわけではございません。申し訳ございません。 ○吉倉分科会長  要するに、今はリンゴとブドウしか出てきていないと。農薬といっても色を付けるた めの、何のたぐいなんですか、植物ホルモンみたいなものなんですかね。  そこにある答申案は、リンゴとブドウの残留基準値はよろしいですか。 ○中垣課長  1点だけ部会におけます議論を御紹介申し上げますと、今、分科会長から御指摘のあ った植物ホルモンというのか、こういった植物成長調整剤というものが必要なのかと、 色を付けていくというのが必要なのか、あるいは成熟を促進させるというのが植物ホル モンの主な役割だと思いますけれども、必要なのかというのが御指摘あって、農林水産 省から回答を私どもいただいたところでございますが、コーデックスあるいはアメリ カ、ヨーロッパにおいても、やはりこういった植物ホルモンというのか、植物調整剤と いうのは農薬の一分類として位置づけられておりまして、そういう意味では我が国だけ ではなくて、いろんなところで使われておる。  ただ、このプロヒドロジャスモンというのは、日本の会社が開発したために、いまだ 外国では使われていないというような状況にあるんだろうということでございます。 ○吉倉分科会長  エチレンなんかもこの仲間ですかね。 ○中垣課長  広く言えば、そうだと思います。 ○吉倉分科会長  それでは、この食品名で残留基準値ということで、お認めいただいたと。これもWT O通報は今からですか。 ○中垣課長  これも同じような形で処理をさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  それでは、その次は何がありましたか。 ○中垣課長  次は、動物用医薬品のピルリマイシンについて御審議を願いたいと思います。  資料8−1が大臣から審議会の会長あての諮問書でございまして、ピルリマイシンに ついて基準設定をお願いしたものでございます。  1枚めくっていただいて、資料8−2が3月10日付で食品安全委員会から大臣あてに 回付されましたリスク評価の結果でございまして、ピルリマイシンの一日摂取許容量を 0.008mg/kg体重/ 日と設定するものでございます。  以下、食品安全委員会の評価について御説明申し上げます。  4ページでございまして「1.薬剤の概要」でございますが、物質名あるいは構造式 はここに掲げられているとおりでございます。  「(2)効能・効果」でございますが、ピルリマイシンは、リンコサミドを含む、M LSという抗生物質の一群の1つでございまして、リンコマイシン、クリンダマイシン などと同じ系統に属するものでございます。  主としてグラム陽性菌に有効ということで、牛の乳房炎の病原菌のStaphylococcus、 あるいはStreptococcus 等のグラム陽性菌に対して有効だということで、動物用医薬品 として乳房炎の治療に用いられている。  (3)でございますが、これは国内における承認はないけれども、アメリカ、ニュー ジーランド等において、泌乳期の乳牛の潜在性及び臨床型乳房炎の治療等に使われてお るというものでございます。  すなわち、先ほど農薬のときには、国内での使用を認めるということと並行して食品 衛生法上の基準をつくってきたわけでございますが、これは外国から輸入される畜産物 に外国で使われた動物用医薬品が残留する。その畜産物が日本に輸入される。そのため に基準をつくろうというもので、諸外国にも同じような制度がございますが、いわゆる インポート・トレランス、輸入品の基準をつくるということで整理がされているもので ございます。  勿論、できた基準自体は国内外平等に適用するわけでございますが、その経緯から申 し上げますと、インポート、輸入品の問題として基準を設定していこうというものでご ざいます。  5ページ以下に、毒性試験の概要が載っておりますけれども、16ページにまとめがあ りますので、16ページをごらんいただきたいと思います。  16ページの下から10行目ぐらいのところから「3.食品健康影響評価について」とい うことで、まず催奇形性について述べられております。  催奇形性は、げっ歯類2種及びウサギを用いた試験がなされておりますけれども、い ずれも催奇形作用は認められておりません。  次は17ページ、上から3行目の発がん性のところでございますが、このものの場合、 慢性毒性/発がん性試験は実施されておりませんが、遺伝毒性がないというふうに考え られる。更にはリンコマイシン系の抗生物質について比較的長くヒト臨床の使用経験が あるんだけれども、腫瘍の発生というのは知られていないということから、ADIの設 定は可能なのだろうと評価されたところでございます。  次が微生物学的影響についてということで、1つには、第1パラグラフで言っており ますのは、JECFAによって決定樹が示されておって、食品安全委員会の評価におい ても、その決定樹というのを参考としたということが述べられていると思います。  その次に、ピルリマイシンについての微生物学的影響についてということですが、 in-vitroとしてMIC50あるいは連続培養試験における細菌生存能のデータ、あるいは in vivo として、このもの自体ではございませんが、他のリンコサミン系の抗生物質の 使用経験における有害影響、あるいはヒトボランティア、これはピルリマイシン自体の ものでございますけれども、単回経口投与のデータを評価の対象としたということが述 べられているわけでございます。  18ページの中ほど、一日摂取許容量の設定についてということでございますけれど も、ADIの設定についての第2パラグラフ「毒性学的影響について」というところで ございますが、最も低い用量であったのが、ラットの3か月亜急性毒性に種差10、個体 差10に加えて、慢性毒性試験がないので、更に10を追加して1,000 の安全係数をかける と0.01というのが考えられるということが書かれております。  「一方」から始まる段落でございますが、一方、微生物学的影響については、ヒトボ ランティアにおける経口摂取から導いていく。更に、ヒト試験が限られた人数の健常男 性であるというふうに限定的である。あるいは、明確な無作用量が求められていないと いうことから、安全係数としては100 を用いるということで、0.008 というのが微生物 学的なADIだと。  そのうちの小さい方ということで、微生物学的ADIから求めた0.008 というのを、 このもののADIとして評価結果としたということが述べられているところでございま す。  この結果を踏まえて、23ページでございますが、資料8−3でございますけれど も、農薬・動物用医薬品部会の井上部会長から吉倉分科会長への報告書でございます。  24ページから内容がございますけれども、28ページに、まず残留試験結果がまとめら れております。  28ページの「(4)まとめ」でございますけれども、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、食用 部分というのは、表の下に書かれておりますけれども、食用に供される部分であって、 筋肉、脂肪、肝臓、腎臓を除いた部分、例えば小腸などが、ここで言っている食用部分 に該当するかと思います。最後が乳ということで、いずれも牛でございますが、これら の残留試験の結果というのが、ここにまとめたとおりでございます。  一方、諸外国における基準設定の状況でございますが、29ページの下に、諸外国にお ける残留基準の設定状況がまとめられております。アメリカ、カナダ、EU、ニュージ ーランドとございます。  この中で、例えばアメリカですと、脂肪、腎臓、食用部分が空欄になっております。 すなわち基準が設けられていないわけでございます。  いろいろ調べてみますと、例えばアメリカとか、多くの国でやられていますのは、と 畜した段階で適否を見る、基準への適合性を見る。  すなわち、1頭ずつ基準に適合しているかどうかを見る。そのために、筋肉と肝臓が 基準に合っていれば、1頭丸ごと基準に合っていると判断するという形になっておるよ うでございます。  これは、我が国では、それぞれの部位になって流通している段階で、各都道府県もチ ェックをする、いろんな方々がチェックをするということから、こういったと畜段階で どうのこうのというような対応ではなくて、それぞれの部位ごとに基準をつくるという ことが必要になっていると思いますけれども、アメリカで基準が、筋肉、脂肪、乳しか ないのはそういう理由でございます。カナダも同様でございます。EU、ニュージーラ ンド、その次にございますのはJECFAの提案で、コーデックスで現在ステップ5、 これはステップ8がコーデックス基準でございますから、途中の段階だということでご ざいます。  これらを踏まえまして、30ページでございます。30ページの5の「(2) 残留基準値(案)」でございますが、まず、(1)として牛の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、 これはJECFAの提案を踏まえて、残留実態から見ても、これでよろしかろうという ことで、基準値が設定されております。  (2)でございますが、牛の食用部分、すなわちは小腸のことを言っておるわけでござ いますけれども、腎臓とほぼ同じような残留実態だということから、腎臓と同じ0.4ppm。  問題は(3)の乳でございますが、JECFAは0.1ppmとなっています。  この0.1ppmは、その牛乳を飲んだときのヒトの安全性というよりは、牛乳からチーズ をつくる。そのチーズをつくるときの菌、乳酸菌でございますとか、酵母菌とか、そう いった発酵菌に影響を与える濃度というのが、0.13ppm 未満ということから、定量限界 値の2倍の値というような形で提案されているということが明らかになったところでご ざいます。  すなわち、その乳を加工するときの問題ということで、乳自体の安全性ではないとい うことです。  一方では、28ページの先ほど見ていただいた「(4)まとめ」のところ、この表でご ざいますが、乳の残留試験を見ると220ppb±230ppbと、ですから0.2ppmから±0.2ppmで すから、0.4ppmぐらいまで行くというような結果が出ておるわけでございます。  それをどうするかということでございますが、30ページに戻っていただいて、30ペー ジの5の(2)の(3)でございますけれども、今申し上げようにJECFAは0.1 、た だJECFAの0.1 というのは乳自体の安全性上の問題ではない。  残留試験結果は、今、見ていただきましたように、0.2 ±0.2 ということで、残留試 験結果から見ると、アメリカ、カナダと同じような0.4 とかいう数字が念頭に出てまい るわけでございますが、申請者の提案が0.3 であるということから、それだったら0.3 でよろしいではないかと。申請者の提案を超える必要はないだろうということで、0.3 になっておるところでございます。  これを暴露評価したのが「(3)ADI比」というところでございますが、ここに書 いてあるような10%から47%程度の数字。  従いまして、33ページでございますけれども、この分科会で最終的に御議論いただき ますのは、ピルリマイシンについて筋肉から乳まで、ここにあるような基準値でいいの かどうかという御議論でございます。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  いかがでしょうか。米国は肉、筋肉と肝臓だけ調べているが、別に脂肪とか、腎臓を 食べないという話ではないんですね。 ○中垣課長  食べないという話ではなくて、それは検査の仕方というのか、モニタリングの体制の 問題だろうと思います。 ○吉倉分科会長  よろしいですか、一番最後の33ページの基準量でよろしいでしょうか。  それでは、これで分科会では合意されたということで、これもWTO通報をやるんで したか。 ○中垣課長  これも同じように、パブリック・コメントまたはWTO通報のコメントが出た段階 で、先生方に相談をさせていただくという形にさせていただこうと考えております。  よろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  どうもありがとうございます。  それでは、あとは何が残っていたかというと、BSEの報告ですか。  お願いいたします。 ○阿部室長  新開発食品保健対策室長でございます。私どもの方から、まず報告させていただきた いと思います。  分科会の下に置かれております「新開発食品調査部会」に調査会を1つ新設したいと いうことにつきまして、御報告申し上げたいと思います。  「新開発食品調査部会」におきましては、現在、調査会を2つ設置しまして、特定保 健用食品の調査審議を行っておるところでございますが、今般、昨年末に栄養所要量と いうものが見直されまして、この4月から日本人の食事摂取基準というものが、適用さ れるということになったことに伴いまして、栄養機能食品の規格基準等について改正す る必要があるという状況でございます。  このため、分科会規定3条1項に基づきまして「新開発食品調査部会」に3つ目の調 査会を設置いたしまして、部会におけます審議に先立ちまして、専門的、技術的な事項 を整理したいと考えておりまして、この件につきまして田中部会長、それから吉倉分科 会長の御了解を得て設置したいということにしておりますので、御報告申し上げたいと 思います。 ○吉倉分科会長  これは、報告だけでよろしいわけですね。  では、牛の方をお願いします。 ○南課長  監視安全課長でございます。  昨日、我が国で16頭目になりますBSE感染牛について公表しましたので、お手元の 資料に基づき、概要を御報告します。  この牛は、3月24日に旭川のと畜場においてと殺・解体された牛です。雌のホルスタ イン、月齢が108 か月であったということです。  また、この牛は北海道の天塩町で飼育をされていたということです。  旭川の食品衛生検査場において、ELISAキットによるスクリーニング検査を実施 して、陽性となったものです。それを確認検査実施機関である、国立感染症研究所と帯 広畜産大学で確認検査を行いまして、その結果につきまして「牛海綿状脳症の検査に係 る専門家会議」委員による検討の結果、この牛がBSE感染症牛であるという確定診断 をいただいたわけです。  1枚めくっていただきまして、ここはこれまで我が国で発見されたBSE感染牛につ いての概要です。  左欄から確認された年月日、次に生年月日です。  一番下に書いてございますが、平成8年3月23日生まれということです。  この牛が生まれた平成8年の春ですが、この時期にこれまで報告された感染牛16頭の うち11頭がこの時期に生まれています。  また、品種ですが、これまで見つかった牛すべてがホルスタイン種です。8頭目、9 頭目は雄の去勢牛でした。  生産地ですが、16頭のうち10頭が北海道ということです。  臨床症状でございますが、この牛については特になかったということです。これまで もBSE特有の症状を示す牛は見つかっておりません。  確認検査の結果ですが、ウエスタンブロット法と免疫組織化学法、病理組織の検査が 行われまして、この牛は3頭とも陽性だったということです。現在、原因究明が農林水 産省において実施中です。  以上です。 ○吉倉分科会長  何か御質問はありますか。  どうぞ。 ○品川(森)委員  臨床症状ですが、これをもう一度確認していただくということはできませんか。私が 聞いたところによると、最初起立不能のように立てなかったけれども、立ち上がること ができて、立ち上がったから正常牛としてと畜したと聞いているんです。  だから、どこまでどういうふうに臨床症状といっていいのかわからないんですが、ひ ょっとしたら、こういうのはBSEの臨床症状というようなものではないのかなと思っ ているものです。 ○南課長  これまでに確認できた範囲でお答えいたしますと、検査開始の時点では、先生がおっ しゃるように座った状態だったようです。それでつついたところ、すっと立ち上がって 動き出したようです。このため、特に神経症状とは見られず、また音についての過敏な 反応はなかったと旭川の検査所は報告しております。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。この辺、後から後から出てきますけれども、この牛はいわゆる ボーンミールというのを食べたことになっている世代なんですか。 ○南課長  飼料規制が法的根拠のもとに行われたのが、2001年10月からですので、これよりだい ぶ前に生まれた牛です。 ○吉倉分科会長  よろしいでしょうか。  そうすると、これで全部今日予定のものは済んだと思いますが、事務局お願いしま す。 ○鈴木補佐  どうもありがとうございました。このほかには、一応議題はございません。また、次 回の分科会でございますが、また日程調整の上、各先生には開催の案内を御連絡させて いただきますので、よろしくお願いいたします。  以上です。 ○吉倉分科会長  今日は、どうもありがとうございました。                    照会先:                厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                 TEL:03−5253−1111(2449)