05/09/07 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会平成17年9月7日      議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時:平成17年9月7日 (水) 9:28〜11:09 ○場所:ホテルフロラシオン青山(3階 孔雀) ○出席者:   委員  井上(達)委員(部会長)、青木委員、井上(松)委員、大野委員、       小沢委員、加藤委員、下田委員、豊田委員、米谷委員   事務局 松本食品安全部長、藤井大臣官房参事官、南野企画情報課長、       伏見基準審査課長、広瀬課長補佐、河村課長補佐、宮川課長補佐、       近藤専門官 ○議題  (1)食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の導入について  (2)その他 ○事務局  それでは、定刻より若干早いわけでございますが、委員の先生方すべておそろいとい うことでございます。  それでは、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部 会を開催させていただきます。  本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願い申 し上げます。まず、今般8月末でございますが、私どもの関係で人事異動がありまし た。新たに部長といたしまして、松本が就任いたしておりますので、この場をかりて御 報告を申し上げます。  それでは、開会に当たりまして、まず、松本食品安全部長からごあいさつを申し上げ ます。よろしくお願いいたします。 ○食品安全部長  おはようございます。8月26日付けで食品安全部長を拝命いたしました松本義幸でご ざいます。前任の外口同様よろしくお願い申し上げます。  薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会の開催に当たりまし て、一言ごあいさつを申し上げます。  皆様方におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進につき、種々御協力いただ き厚く御礼申し上げます。  本日は残留農薬等のポジティブリスト制度の導入にかかる暫定基準等にかかる最終案 についてお寄せいただいた御意見について御議論をいただくこととしております。本件 につきましては、本年5月31日の当部会で暫定基準等について最終案をとりまとめてい ただき、6月3日より2か月間のパブリックコメント及び6月24日より9週間のWTO 通報を実施させていただいたところでございます。本日は寄せられた御意見について事 務局で整理し、その結果について報告させていただきますとともに、意見に対する対応 について御議論いただきたいと考えております。  ポジティブリスト制度につきましては、平成18年5月の施行に向けて、現在、最終的 なとりまとめを行っている段階でありますので御協力よろしくお願いいたします。  簡単ではございますけれども、開会のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろ しくお願いいたします。 ○事務局  本日は志賀委員、吉池委員より御欠席の御連絡をいただいております。農薬・動物用 医薬品部会の委員13名中、11名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達 しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  また、人事異動の関係でございますが、新たに参事官といたしまして、松本にかわり 藤井が就任しております。また、企画情報課長として原にかわりまして、南野が就任 しております。また、基準審査課長といたしまして、中垣にかわりまして、伏見が就任 しております。また、課長補佐の宮川の後任といたしまして、河村補佐が就任しており ます。以上、この場をかりて御報告を申し上げます。  それでは、井上部会長に御審議の進行をお願いしたいと思います。今後の議論よろし くお願い申し上げます。 ○井上部会長  それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。初めに事務局か配付資料の 確認をお願いいたします。 ○事務局  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  まず、お手元の一番上に配付しております資料でございます議事次第でございます。 こちらが全部で3ページとなっております。  次に資料の1番でございます。この資料の1番は今回のポジティブリスト制度の最終 案に対して寄せられました御意見、これをとりまとめた冊子というものになっておりま して、右肩に資料1と振ってある印刷製本されたものとなっております。また、この中 には巻末でございますけれども、若干、収載漏れがございまして、その点について追加 をした紙がはさんでございます。  次に資料の2番でございます。こちらが「食品に残留する農薬等に関するポジティブ リスト制度における暫定基準の設定(最終案)等に対して寄せられた御意見に関する回 答案(未定稿)」というものでございます。こちらは先ほど御説明いたしました資料の 1番、こちらをとりまとめを行いまして、未定稿ではございますが、現在における事務 局の回答を付した書類となっているものでございます。  次に資料3番でございます。こちらが寄せられた御意見等、また事務局における精 査、これを踏まえまして、最終案においてお示しをした基準値の案、こちらにつきまし て、修正が入っている部分がございます。これにつきまして、委員の先生方に御覧いた だくという趣旨で、A3のかなり大きい紙でございますが、こちらの方にプリントアウ トさせていただいたものを配付させていただいております。  最後でございますが、参考資料といたしまして、「食品安全委員会への意見聴取及び 食品健康影響評価結果について」のとりまとめた資料でございます。  以上が資料のすべてでございます。落丁等がございましたら事務局までお願いいたし ます。 ○井上部会長  それでは、配付資料の不足はございませんか。もしお気づきの点がありましたら、事 務局の方にお申し越しください。 ○事務局  すみません。説明が足りませんでした。今、委員の先生にお配りしております資料1 番、この厚い冊子でございますが、これは委員のみの配付となっておりますので、御了 解いただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○井上部会長  そういうことのようです。それでは、後でもお気づきの不足の資料がありましたらお 申し越しください。  早速議題に入りますが、本日は早朝から皆さんお集まりいただきましてありがとうご ざいます。ポジティブリスト制も最終段階に入って、先ほど松本部長からの御説明もあ りましたように、6月3日から2か月間のパブリックコメントを行って、6月24日から WTO通報を9週間行ったと伺いました。この結果、既に資料2等で御覧のとおり、今 日もまた数が増えておりまして、事務局は御苦労かと思われますが、317 に達している ところです。まだ、増えると思います。お寄せいただいた御意見については、事務局で 取りまとめられて、本日はその内容についての御報告をいただき、当部会においてつけ 加えるべき点があるかどうか、この点を御議論いただくということでございます。  それでは、事務局お願いいたします。 ○事務局  それでは、資料に基づき説明いたします。なお、本日御報告させていただく内容につ きましては、現時点で確認ができました範囲での御意見を取りまとめたものとなってお ります。このため、最終的な御意見募集の結果については、次回の部会で報告する予定 としておりますことを前提に御説明を申し上げます。資料2というのが寄せられた意見 と回答案(未定稿)というものでございまして、資料3については、寄せられた意見等 を踏まえて、修正をした個々の基準値を示したペーパーでございますが、この資料3の ものについては、まだ一部のものを例として示しているもので、全部が整理できたとい う状況ではないことをお断りさせていただきます。今回は資料2の方を中心に御説明を させていただきたいと思います。  ただいま、部会長からも御説明がありましたように、パブリックコメントをそれぞれ 募集期間としては、平成17年の6月3日から17年の8月2日、WTO通報につきまして は、平成17年の6月24日から平成17年8月25日まで行ったところでございます。寄せら れた意見数等につきましては、個人、団体それぞれ 135、これも17年8月末現在でござ いまして、若干整理中のものがございます。いただいた意見数としては、317 の意見を 収載しておりますけれども、このうちの91番目に欠番というのがありまして、空欄にな っているものがございまして、整理上、時間のぎりぎりまでかかり、うまく詰めること ができませんでした。ですので、意見数としては、この資料2の未定稿としては316 に なります。こちらの方はまだ整理中のものもありますことを申し添えさせていただきま す。  かなりの件数がございますので、6つ程度に区切って説明させていただこうと思いま す。それから、3番目の寄せられた意見の概要でございますが、この分類番号で「1」 から「9」までございまして、「9」がいわゆる対象外のものということですが、「9 」の中でも現行基準関係、分析法関係とか、それぞれ細かく分かれております。  まず、第1のカテゴリーが総括的な意見でございまして、これは32件の意見を寄せら れているところでございます。第2が一般規則に関するもので、こちらは3件来ており ます。第3は不検出に関することで4件の意見をいただいております。第4が暫定基準 の設定方法に関するもので、28件の意見をいただいております。第5が加工食品に関す る内容で、33件の意見をいただいております。第6が基準値に係る個別意見で、121 件 の意見をいただいております。5番と6番でかぶっているものが1件あります。7番目 が一律基準に関する意見で、9件来ております。8番目が対象外物質に関する意見でご ざいまして、こちらは14件の意見をいただいております。9番目は一応、今回の募集以 外、対象外のものになるわけですが、細かく分けて現行基準の取り扱いというのが1 件、分析法関係が11件、今後の検討とか、スケジュールに関するものが16件、監視指導 関係が22件、こちら残留基準設定方法一般については0件、その他23件となっておりま す。  数が多いので1番についてだけ、幾つか代表的なものを御紹介させていただきたいと 思います。 ○井上部会長  資料2の5ページまでですね。 ○事務局  はい。それでは1枚おめくりいただきまして、1ページのところから、1番目の意見 でございますけれども、意見の中身としては、そもそも農薬であるかどうかという判断 が保留されているような物質がある。例えば、植物活力剤ですとか、土壌改良剤などで あって、農業用に販売されて使用されているものも少なくないということでございま す。特定防除資材の指定が保留されている資材が何であって、対象外物質として規制し ていくのか、一律基準として規制していくのか、そういうような区分けというのは重要 なので、リスト化とか、今後の規制方針を示してほしいということでございまして、回 答案といたしましては、ポジティブリスト制度の規制対象については、農薬取締法に定 める農薬としているので、農薬に該当するかどうかの判断が保留されているものは、法 的に規制対象としていないというような回答案でございます。  次に5番目のものを御紹介させていただきます、今回、暫定基準も含めて最終案をお 示ししたところですが、その最終案においても個々の農薬等のADIと、それから理論 最大摂取量というのが公開されていないので、早急に公開すべきであるというような意 見でございます。また、今後国内でのADIを評価しなければならない農薬の名称と、 評価計画を明らかにしてほしいというような御意見でございます。  回答案は、暫定基準の設定対象となる農薬というのは非常に多いため、各農薬につい てADI、それから作物残留量及び摂取量を踏まえた基準を暫定基準として設定するこ とは困難ですということです。このため、暫定基準の設定に当たっては、国際基準や国 内の登録保留基準などを参考としています。暫定基準の評価の進め方については、今後 リスク評価計画などの作成によりお示しすることとしておりまして、計画の策定に当た っては、食品安全委員会、農林水産省など関係省庁と十分に連携し、検討することとし ています。  7番でございますが、農薬補助成分として使用されている化学物質を調べ、残留基準 の設定対象とすべきという御意見でございます。回答案の方はまだ整理されてなく検討 中という状況です。場合によってはワーキンググループなどで審議をお願いすることに なろうかと思いますが、最初の1番のものと同じ状況と思います。農薬なのか、違うの か、整理をしていく必要があると考えております。  8番目のものでございますが、最終案では2種以上の農薬活性成分をひとまとめにし て、残留基準を設定しているものが幾つかありますが、類似の化学構造や類似の毒性発 現機構を有する農薬をグループ化して基準を設定することが望まれるという御意見でご ざいます。  回答案といたしましては、御指摘のとおり、分解や代謝の過程で同一の物質となる農 薬活性成分等については、まとめて基準を設定しているものがありますが、化学構造や 毒性発現機構が類似というだけでは、物質間の関係というのが不明であって、これらの 農薬をグループ化して基準を検討することが困難ですということでございます。  次に9番目の意見でございますが、複合毒性が判明していない現状において、総農薬 摂取量を規制することを考慮していただきたいとの御意見でございます。  回答案といたしましては、農薬に限らず、ヒトが摂取する可能性のある化学物質すべ てについて、トータルでどのような影響があるのかを評価することは意味のあることか もしれませんが、膨大な組み合わせが存在し、影響を調べることは困難です。個々の農 薬の摂取量は一般的に無毒性量の100 分の1に相当するADIの数%であることが多 く、そのような状況の中で複合毒性に基づく規制が必要となるような有害事象というの は把握していませんというような回答案でございます。  次に3ページに移っていただきまして、14番目の意見でございますが、厚生労働省は 「食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進する」という食品安全基本法、また 飲食に起因にする衛生上の危害の発生を防止して、もって国民の健康の保護を図るとい う、食品衛生法の理念・目的に立って制度検討を進めるよう望むというような御意見で ございます。  回答案といたしましては、今回のポジティブリスト制度の導入は、これまで原則販売 等の規制のなかった食品に対して規制をしようというものであり、食品安全基本法、食 品衛生法の理念目的を踏まえ進めているものですということでございます。  それから19番目の意見でございますが、食塩については、ポジティブリスト制度の対 象となるが、その製造過程では農薬を使用せず、また膜濃縮法による製造時には膜は農 薬が通過しないために、食品中に農薬が残留するとは考えられない。しかしながら、顧 客から食塩中の残留農薬の分析を求められるようなことがあるということでございま す。工業会として、食塩の取り扱いに関する判断基準を作成するので、厚生労働省に承 認を得たいというような御要望ということでございますが、回答案といたしましては、 残留農薬等のポポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を食品事業者等 に義務づけるものではありません。分析は残留の可能性などに基づき判断されるものと 考えております。また、厚生労働省では御要望にあるような一部の食品の取り扱いに関 する判断基準の承認というのは行わないということでございます。  それから、もう1ページおめくりをいただきまして、22番目のものでございますが、 暫定基準の設定に当たって、コーデックス基準などを参考にしていますが、JECFA とか、JMPRなどでは定期的に評価に基づいて変更されることがある。これを暫定基 準に反映させるときに、現行基準と暫定基準の間で整合がとれなくなる場合も発生する と考えられるので、こういうような場合の措置について明示すべきだというような御意 見です。  回答案としては、右側にございまして、こちら22番のものは、ちょっと手違いでまだ 整理途中のものが入っております。途中の文言で日本語として通じないところがござい ます。予めお詫びを申し上げます。  回答案といたしましては、今回設定した暫定基準については、今後コーデックスにお いて基準が新たに設定もしくは改定されたとしても、その見直しは直ちに行わないとい うこととしています。ただし、JECFAや、JMPRの評価において、安全性に関し て問題が指摘される場合は、暫定基準ということだけでなくて、既に基準を設定してい る農薬などについても、資料等を入手し、食品安全委員会の食品健康影響評価を求める ことになります。また、暫定基準を設定した農薬については、リスク評価計画を策定 し、制度導入後、その計画に従って食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼して、そ の結果を踏まえた検証ということを行うことにしているほか、別途要請があった場合に は、また評価をするということでございます。  新たにコーデックス基準が設定もしくは改正されたものをもって暫定基準の見直しを 行うのではなくて、いわゆる要請等に基づき、基準の改正などを行うということにして おります。暫定基準については、5年ごとに見直しを行うということをお示ししており ますが、これについては、参考とした国際基準や外国基準の廃止などがあった場合に、 これを反映するということでございます。  次に24番目の意見でございますが、「基準適合性の判断」とか、「食品分類ごとの基 準の整合性について」の部分には、わかりにくい表現が含まれている。要するに、表現 がわかりにくいということでございます。また、類型の説明については、一括して記述 するのではなくて、国民・消費者が理解できるように説明すべきではないかというよう な御指摘でございます。  回答案といたしましては、ポジティブリスト制度については、今後ともリスクコミュ ニケーションなどの機会を通じて、制度の周知や国民の理解促進に努めることとしてい ますというものでございます。  1番の例として紹介させていただくのは、ここまでにしたいと思います。よろしくお 願いします。 ○井上部会長  ありがとうございます。それでは、一区切りとして、この分類番号1番の各項につい ての、ただいまの御説明を含めて、先生方からの御意見、御質問等を承りたいと思いま す。いかがでしょうか。豊田先生どうですか。 ○豊田委員  全般的にはよろしいと思いますが、私が個人的に気になったところだけ、ちょっと。 1ページの3番目のところですけれども、この問に対して右側に回答が書いてあります けれども、ちょっと回答がずれている気がしたのですけれども、いわゆるマーケットバ スケットの考え方を質問していると思います。右の方で全般的な話になっているの気が したので、ちょっとそこら辺のことが気になったということだけですね。  それから、26番目、4ページの民間のデータの取り扱いのところですけれども、この 回答ではよくわからないです。実際にどのようにして利用ができるのか、もうちょっと 具体的に、現在、どのようにされているのか。要するに、ここに書いてあるのは、公的 機関のもののみ使っていないというような感じがするので、もしほかのデータがある場 合に、どのように取り扱うかということですね。かなり可能なものなのかどうか。もう ちょっと何かお話いただければと思います。 ○井上部会長  ありがとうございます。3番の回答の中にマーケットバスケット調査等に対するかみ 合わせなんかがやや含まれていないのではないかということと、26番が民間のデータの 扱い方ということですが、これは事務局、いかがですか。 ○事務局  3番目の方につきましては、700 を超える農薬について、そもそも基準を設定するの が無理ではないかというようなことがあって、その中でマーケットバスケットにおける 調査によって基準設定をするという、科学的な根拠に基づくリスク評価の制度と相反す るのではないかという指摘があったというふうにとらえております。  要するに膨大な数のものを、今回、このように一遍にまとめてやってしまうことにつ いて、例えば、マーケットバスケット調査などのデータを生かすとか、それから、安全 委員会が科学的な根拠に基づいてリスト評価をした上で基準を設定するということと相 反しているのではないかという趣旨で、私たちの方はとらえていまして、そのことにつ いて、今回暫定基準を設定することにしたということの中身を説明させていただいたと いう状況です。 ○井上部会長  どうですか。よろしいですか。 ○事務局  確かにいろいろ読み取り方と回答の仕方と少し解説を加えなければいけない部分とい うのも確かにあるかもしれません。ちょっと、説明足らずでした。 ○井上部会長  もし必要なら、その点は。次は26番ですか。 ○事務局  26番の方については、基本的に国や都道府県でのモニタリング結果というのは一括し て取りまとめて公表というのは、これまでもやってきているところでございます。御意 見としては、民間のデータについても活用してほしいという御意見があったわけです が、我々も今まで活用ということをしてきていなかったこともあり、どういう形で生か せるのかというのについては、まだ十分に検討ができていない状況でございまして、デ ータの信頼性ですとか、所有権の問題とか、どこまで公表していいものなのかとか、そ ういったものも様々なものがあるかと思いますので、慎重に取り扱うというような回答 案ですけれども、要するに、検討していってみないと何とも言えないというのが実情か なという感じかと思います。 ○井上部会長  まあ、やむを得ないですね。ほかにはございますか。委員の先生方。米谷先生。 ○米谷委員  この段階でお話しするのが適当かどうかわからないんですが、私、農薬取締法と食品 衛生法がうまく連携して、今回のポジティブリスト制が動いていくことを期待しており ます。平成14年の農薬取締法改正で無登録農薬を禁止したために、それから派生しまし て、特定農薬等の話が出てきました。それが多分、今回の一番最初の御指摘とか、そう いうのに関係してくるかと思います。それにつきましては、農薬取締法の方で検討中と いうことで、そういうものは除かれて、食品衛生法の方では規制対象としないというよ うな御回答だと思いますけれども、できるだけ早く農薬取締法の方でどちらかというこ とを決めていただいて、食品衛生法の方でも、特定農薬から除かれたものに対しては規 制していくようなことになるのか、どのような方向に行くかわかりませんけれども、連 携をとってやっていただきたいと思います。  もう一つは、適正使用基準を守りなさいということで、マイナー作物の問題が出てき ました。今のところ見ている限り、マイナー作物については何も出てきていないんです が、マイナー作物について、猶予期間も切れて、1年延長したものもありますけれど も、それについて、ポジティブリスト制との関係で今後どうなっていくのかということ えを非常に懸念しています。これは今回の質問に出てきていないので余計なことかもし れませんけれども、ちょっと現状をお聞かせいただければと思います。 ○井上部会長  お願いいたします。 ○事務局  御意見の一番最初だけの説明でさせていただきましたので、後ほど多分マイナー作物 関連のものが出てくると思います。そのときにまとめて御紹介をさせていただければと 思います。 ○井上部会長  では、そういうことで。ほかにもいかがですか。ほぼよろしいようでしたら、また蒸 し返していただいても結構ですので、2番目の分類番号で2、3、4をまとめて御説明 いただくということですか。お願いいたします。 ○事務局  それでは、2番目のものになりますが、1ページをおめくりいただいて、6ページの 35番から御紹介させていただきます。展着剤とか、活性共力剤についての取り扱いを明 文化してほしという御意見で、これも取り扱いとしては検討中ですが、先ほどの農薬と かの整理の関係に関連するようなものであるということで、ちょっと御紹介させていた だきたいと思います。  それから、3番目の分類になりますが、38番、日本の「不検出」の基準の設定につい て、その設定根拠が明確でない。コーデックスなどと同じように、現段階で徹底的な検 証がなされているかというような御意見です。  回答案といたしましては、基準を不検出としたものは、従来から不検出としていた物 質、それから、コーデックスなど国際機関がADIが設定できないと評価されている物 質、国際機関においてADIが0.03μg/kg/day未満であるとされた物質が該当していま すという回答案でございます。  それから、41番目のものでございますが、こちら動物用医薬品等の関係になりますけ れども、日本の薬事法に基づく検出限界値というのを暫定基準値として採用している が、この値はあくまで検出限界値である。毒性試験の結果に基づいたADIから算出さ れている諸外国のMRLを暫定基準値として採用すべきではないかという御意見です。  回答案といたしましては、我が国では薬事法に基づく承認を得た動物用医薬品につい ては、検出限界値による管理がなされていることから、その値を暫定基準として採用し たものです。海外基準の採用を要望する場合には、平成16年2月5日付け食安発 第0205001 号「国外で使用される農薬等に係る残留基準の設定及び改正に関する指針」 に基づいて要請をお願いしますというものでございます。  それから、7ページの44番になりますが、登録保留基準と海外基準があった場合、類 型3−2を適用するのは、「自給率が50%以上であって、その主要輸出国が主要5か国 の中に含まれている場合」となっているが、該当する基準値について採用されていない ケースがあるので、修正すべきという御意見でございます。この3−2というのは、要 するに、登録保留基準とか、海外基準があった場合に、外国の基準を採用するというカ テゴリーでございます。  回答案でございますが、類型3−2の適用というのは御指摘のケースに該当する場合 であって、特に必要があるというようなことを認めた場合に限られていて、あくまでも 例外的な措置で該当するすべての項目について原則採用するわけではないということで すが、御要望のものについては、中身を具体的に検討させていただいたところ、類型3 −2の適用を行うというような回答でございます。  それから、45番でございますが、4点ほど細かく分かれておりますけれども、最終案 については、農作物等の流通の円滑化に重点を置き、国民の残留農薬等の摂取量を減ら そうとする視点がない。具体的には国内外の基準で最も低いものを採用するべき。それ から日本で適用のない農作物には、作物群ごとに設定されている登録保留基準を、その まま採用しない。3番目として有害性が判明し、販売禁止された農薬等はネガティブリ スト制度をとる。4番目、「人の健康を損なうおそれのない量」に基づく基準は、0.001 ppm以下にする。これらについて再考を願いたいというような御意見でございます。  回答案といたしましては、今回のポジティブリスト制度の導入は、これまで原則販売 等の規制のなかった食品に対して、規制をしようというものであり、制度変更の全体と しての方向性は、摂取量を減らす方向にあります。1)について暫定基準の検討対象と しての農薬について、複数の国で異なる基準値がある場合、いずれの基準も科学的な方 法で設定されているというふうに考えられることから、このどれかをとるということで はなくて、平均値を採用するということとしています。2)の関係ですが、登録保留基 準策定時には一定の科学性を持って評価されたものであると考えられることから、原則 登録保留基準というのを採用していますということです。  3)の関係ですが、ポジティブリスト制度とこのネガティブリストの形を併存される というのは、ちょっと制度的に困難だというような回答です。4)については、許容量 の目安として1.5 μg/day を超えないように0.01ppm というのを設定したものであっ て、ポジティリスト制度を採用している諸外国の状況を見ても一定の合理性があると考 えておりますというものでございます。  次に49番の意見でございますが、日本が輸入している農作物について、コーデックス 基準、国内基準等でなく、最大生産国を含む主要生産国の基準値を暫定基準として参考 にしてほしいという御意見です。  暫定基準はコーデックス基準を初め、科学的に評価されていると考えられる国などの 基準を参考に設定しています。主要生産国であるという理由で、その国の基準を暫定基 準として採用していることではありませんというようことです。  また、1ページをおめくりいただきまして、51番の意見がございますが、外国基準を 参照した暫定基準値について、平均値が採用されたため、個別の輸出国からみれば、当 該基準よりも暫定基準の方が厳しい項目が生じている。コーデックス基準を含めた輸出 国の基準のうち、最も高い基準値を採用すべきであるという御意見でございます。要す るに、これは先ほどの45番の1)とちょうど真反対の意見というのが寄せられていると いう状況です。  回答案といたしましては、暫定基準値の検討の対象としている農薬について、複数の 国で異なる基準値がある場合、いずの基準も科学的な方法で設定されていると考えられ ることから、どちらかをとるということではなくて、平均値を採用するということにし ています。回答としては同じような回答でございます。  56番目の意見でございますが、ADIが設定されている農薬については、科学的なデ ータに基づいて、リスク評価というのが既に行われているので、個別の農作物のところ で基準が設定されていないところに一律基準を設定するのではなくて、適正な基準値と いうのを設定してほしいという御意見です。また、海外基準を参照するに当たり、AD Iの範囲内において諸外国で既に認められている高い基準というのも採用してほしいと いうような御意見でございます。  回答案といたしましては、残留基準を農薬の適正を使用に基づき設定されるもので、 一方、一律基準というのは、使用が認められない農薬や農作物に対し適用されます。し たがって、ADIの範囲だからといって、適正な基準値を設定するということは困難だ というふうに考えております。また、個別の農薬について、「ADIの範囲内で諸外国 で既に認められている高い基準」を検討して採用することも困難ですという回答案でご ざいます。  次の9ページの62番を紹介させていただきたいと思いますが、米国やその他の国の緊 急的な基準についても迅速に検討し、暫定的に受け入れるシステムをつくるべきという ような御意見でございます。  回答案といたしましては、残留基準の設定を行う際には、食品安全基本法に基づき食 品安全委員会において食品健康影響評価を行うことが必要であり、諸外国の基準を緊急 的にそのまま受け入れることは困難です。米国等においては、緊急時でも登録などの審 査が行われており、そういう審査が行われているところで、我が国に輸出される食品に ついて、ある程度残留するという可能性があるのであれば、海外基準の採用を要望する という制度、先ほど御紹介させていただいた「国外で使用される農薬等に係る残留基準 の設定及び改正に関する指針」というのがございますので、これに基づいて要請をお願 いしますというものでございます。ここまでとさせていただきたいと思います。 ○井上部会長  それでは、この第2グループ第2カテゴリーから第4カテゴリーについて、ただいま の御説明を含めて御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。  加藤先生、お気づきの点はございませんか。特にないですか。一、二御質問があれば と思いますが、もしなければ、引き続いて進めていただいてもいいと思いますが、豊田 先生、何かありますか。 ○豊田委員  50番とか、それから47番のところの基準値の設定について、感度の点からという話、 そのほかのものもありますけれども、これはまた後ろの方で出てきますよね、このこと はね。だからまたそのときに、もしわからなければ質問することにいたします。  それから、56番の先ほどちょっと説明があったところですか。一律基準、個別の農作 物ごとの残留基準が設定されていない場合ということが書いてございましたけれども、 これは多分、先ほどの御説明でよろしいと思いますけれども、多分、私の方の勝手な解 釈でいきますと、使われていないのだからという話も、もちろん当然、そうなのだろう けれども、ベタに食品がある場合に、ちょっと食べ方とか、そういったことも当然考 え、ベタにしない方がいいのではないかと思ったのですけれども、その点いかがでしょ うか。 ○事務局  事務局側としての解釈としては、一律基準が適用されるものというのは、もともと全 くどこの国でも使っていないもののほかに、例えば、どこかの国で使っているもので、 たまたま一部には基準値があるけれども、基準の設定でないものがある場合というのが あって、今回のケースは後者のケースで、しかもADIが設定されているとおっしゃっ ているので、恐らく、日本で既に残留基準を決めたようなものについてのことではない かというふうに解釈しております。すなわち、ADIが決まって、基準値が設定されて いて、まだADIに余裕があるんであれば、その間の農作物について摂取量を、数字を 入れていったとしても、ADIを超えない範囲であれば安全が保たれるので、そういう のも考慮してほしいという意味かなというふうに考えたところですが、それはやはり、 農業上必要なものについて、適正な使用に基づき必要なものというのに基準値を置いて いくという考え方からすると、もともと農薬として使用予定がないものにまで基準値を 置くという必要はないというか、そういうことをするのは困難じゃないかというのが、 こちらからの回答の趣旨でございます。 ○井上部会長  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。  それでは、次に進めていただいて、分類番号の「5」ですか。これが33件で多いんで すかね。 ○事務局  ちょっと多いようですが、紹介させていただきます。10ページの68番でございます。 こちらは、そのまま紹介させていただきますが、オレンジピールとレモンピール、いわ ゆるむいた皮でございますけれども、これらはその他のスパイス類に分類されている が、オレンジ、レモンの基準より低く設定されていたり、同じだったりするものがあ る。こういった項目に関して、オレンジまたはレモンの規格基準を満たした原料の実と 皮を分別し、オレンジピールまたはレモンピールを製造してもピールとしては、その他 のスパイスの規格の基準を超えてしまう可能性が非常に高い。この場合、「その他のス パイス類」として即違法となるのか、それとも原材料であるオレンジ、レモンにさかの ぼって適法性が判断されるのかがわかりにくいと。以上のことから柑橘類の皮という基 準を別途立ち上げていただきたいというような御意見でございます。  回答案といたしましては、オレンジピール及びレモンピールは果実全体を対象として 残留基準が設定されることから、当該、加工食品の基準適合性については、原材料であ るオレンジもしくはレモンにより判断することとしています。なお、ミカンの皮である 陳皮については、その他のスパイス類の基準を適用しますということでございます。  次に11ページの方に行っていただきまして、71番目の意見でございます。  加工食品について、水分濃縮や抽出による農薬等の濃縮、移行に伴う残留農薬等の含 有量の扱いについて、どのような考え方で対応するのか御教示願いたい。ちょっと細か いことが、その次に書いてありますが、紹介はちょっと省略させていただきます。  加工食品の基準適合性については、水分含量や濃縮率などにより、原材料に換算した 値を判断の目安とすることとしていますが、個別の農薬・農作物、加工工程により、加 工食品における残留状況というのは異なることから、科学的に加工係数を検討している 場合には、その値を換算に用いることとしますという回答案でございます。  次に74番目でございますが、食品の加工工程で農薬等の消長について研究を実施して いただきたいというような御意見でございます。  回答案といたしましては、加工食品に残留する農薬等に関して、加工工程での増減や 加工食品中の残留などについて、実態調査を実施することとしていますという回答案で ございます。  1ページをおめくりいただきまして、12ページになりますが、75番目の意見でござい ます。ゼラチンの原料である牛や豚の骨や皮は牛の食用部分、豚の食用部分に含まれる と考えてよいか。  回答案といたしましては、基本的に御意見のとおり判断するものと考えます。なお、 皮に脂肪等が付着している場合については、脂肪等の残留基準が適用されるものと考え ますというものでございます。  77番目の意見でございますが、ゼラチンは骨、皮などに含まれるコラーゲンを蛋白質 を温水で抽出したもので一般的に水分含量10%程度の乾燥品として流通している。ゼラ チンのように原料中の蛋白質を抽出し、濃縮、乾燥された製品については、骨や皮に設 定される基準値ではなく、濃縮率を考慮した基準値を設定していただきたいという御意 見でございます。  回答案といたしましては、ゼラチンについては原材料である骨、皮などの基準適合性 に従い判断を行います。この際には、濃縮率等を考慮し、ゼラチンから骨、皮に濃度を 換算した上で判断することとなりますというものでございます。  次に79番目でございますが、加工食品の場合、別表3に記載された農薬以外が検出さ れた場合には、原料にさかのぼって検討することになっているが、下記油脂について は、どの農作物に分類されるのか御教示願います。  中身には細かくそれぞれのものがありますが、回答案といたしましては、種々の食品 に関する食品分類については、別途通知等で明確化することとしております。今回、か なり細かいものがあるものですから、これについては通知でかなり明確に、ただ、全部 というのはなかなか難しいかもしれないのですけれども、なるべく明らかにしていきた いというふうに考えております。  少し飛んでいただきまして、14ページでございますけれども、86番目、農産物とハー ブ・スパイスの範囲について、用途により分類を変えるべき。例としてユズの果皮は 「その他の柑橘類果実」から、「その他のハーブ」に分類変更になるが、ユズ(果皮) を弊社では原料ユズを剥皮し、スライスし、ボイル・冷却後冷凍しており、用途として ユズママレードの原料にしている。この場合、分類を農産物として、「その他の柑橘類 果実」にすべきである。要するに、用途により分類が選択できるようにすべきではない かという御意見でございます。  回答案といたしましては、スパイス等の分類については、コーデックスにおける食品 分類を参考として設定したもので、同一の食品に異なる基準を設定するというのはでき ませんというような回答案でございます。第5カテゴリーの関係としてはまだ途中であ りますが、以上とさせていただきます。なお、91番目が先ほども申しましたが空欄にな っております。 ○井上部会長  そういう御説明ですが、御説明内容あるいはほかの項目について、今、御説明があっ たのは加工食品の範疇ですけれども、御意見、御発言がありましたらお願いします。加 藤先生。 ○加藤委員  質問に属することなんですが、71番で科学的に加工係数を検討している場合というこ とで、これが入ったのは非常にありがたいなと思うんですが、ここで言っておられる意 味の加工係数というのは、コーデックスなり、JMPRで加工品についての基準値を設 定する際に使われる加工係数と同じ意味、内容ということで考えてよろしいでしょうか ということが、まず1つ目です。 ○井上部会長  一つ一ついきましょうか。 ○事務局  当然、コーデックスで検討されているものも科学的なものとして考えられますし、そ れ以外でもきちんと個々の方がデータを積み上げて、科学的にこういうふうになってい るということを証明できるものであれば、国際基準以外のものであっても検討の対象に はしていきたいというふうに考えております。 ○加藤委員  今申し上げたのは、国際基準として使われている加工係数そのものということじゃな くて、そのときに使われる加工係数の出し方、それと同じような考え方、つまり、加工 品の濃度を調べて、それと原料中での濃度、それの比をとって加工係数を出しているわ けですけれども、そういう考え方でよろしいのか、それとも、この中のどこかの質問の 中で、ドライフードのところですか、コーヒーのところで出たかもしれませんけれど も、濃度ではなくて重量の比率だけで換算していった、つまり、分布等は無視、それか ら途中でのロス等も無視した形での、そういう計算方法で出した加工係数、括弧付きの 加工係数になると思うんですが、そういうものも同じレベルで扱っていくことにするの か。そのあたりははっきりされているんでしょうか。 ○事務局  実は、その細かいところまでは詰まっておりません。 ○加藤委員  詰めていただければと思います。  もう一つ、加工品の中に、73番のところでも感じるんですが、ここで我々が問題にし ているのは、食品なのか、それとも飼料になるようなもの、小麦の「ふすま」は、私が 調べた限りでは、食品として利用されることはなくて、全部が飼料として使われるとい うことで、ここで我々が問題にするのは、ポジティブリストの直接の対象にするのは、 加工した飼料、フィードの方ですね。そちらも入るのでしょうか。 ○事務局  食品衛生法上の食品だけですので、その他ということで使われるものは、こちらでは 規制対象にはならないということです。 ○加藤委員  そうすると、この加工品の中のリストに入っている小麦の「ふすま」なんてというの は、省いていただいた方がいいんじゃないかということで、ちょっとそのあたりの整理 も必要だろうと思います。 ○井上部会長  その点はいかがですか。 ○事務局  一応、我々の調べた範囲では、食用用途があるということがあったものですから、一 応、入れさせていただいたというものでございます。煎って食べたりする習慣があると ころもあるそうです。 ○加藤委員  わかりました。それから、あともう一つはオレンジピールとレモンピール、それか ら、これと関連した形で86番でユズの皮ですか、柑橘の中でレモンとオレンジだけは果 実としての基準で考えていって、それでユズとミカンの皮については、スパイスの方、 それでは、そのほかの柑橘については、どうなのかというところで、適用がもう少しわ かりやすいようにお考えいただくか、ユズのところで同一の食品に異なる基準は設定で きないということが書いてあるんですけれども、もう少し実際の使い方をお考えいただ いて、それでやっていった方が、もう少し実際的な規制ができるんじゃないかという気 もしますので、そのあたり、もしできれば御検討いただければと思います。 ○井上部会長  86番はちょっと気になりますね。 ○事務局  先生の御指摘を踏まえて、ちょっと細かく検討させていただきたいと思います。 ○井上部会長  ほかにはどうでしょうか。青木委員におかれては中座の必要がおありですので、範疇 以外でもお気づきの点がありましたら、どうぞ。 ○山添委員  今の柑橘類の件ですが、「陳皮」という言葉が使われていますね。「陳皮」という と、漢方薬のイメージがあるので、食品と、混同するような単語は使わない方がいいと いう気がいたします。 ○井上部会長  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。豊田先生。 ○豊田委員  先ほどの加藤先生のところと同じ話になるんですが、ここの「5」のところは、質問 のところが加工とか、濃縮とか、そういった話になっていると思うんですけれども、お 答えのところは、それでよろしいと思いますが、「考慮する」と書いてあるんですけれ ども、将来的にどの辺で、どういうふうに考慮しようとしているのか、例えば、5年後 の見直しのときに、それを入れようとしているのか、そこら辺の方向性というのを教え ていただけたらと思います。 ○事務局  多分、全体的に今の段階でこうだというのが、なかなかお示ししにくいので、個別に ケース・バイ・ケースで、しかも加工食品ということで、かなり様々な状況が考えられ ますことから、個別判断というような形で対応させていただきたいというのが、こちら の趣旨でございます。 ○井上部会長  事務局どうぞ。 ○事務局  今の豊田先生からの御質問の件でございます。やはり、加工食品につきましては、様 々な食品があるということを踏まえまして、やはり、どのような加工係数、加藤先生の 方からもいただいておりますが、そういう加工係数については、ある程度一定の考慮が 必要なんであろうと。これにつきましては、やはり、私ども事業費の中でベースになる ようなもの、このようなものについては、国としても加工係数でどういうものが存在す るのかということを含めて、やはり検証を進めていくべき課題であろうというふうに考 えております。そのようなもので確認できたもの、明確になっているもの、また諸外国 のデータから見ても、こういうものがあるんだというようなものがあれば、そういうも のがやはり、行政の判断にも用いるものになりますので、積極的に公表を進めていくべ きものというふうに考えておりまして、今、こういうポジティブリスト制度を始めたこ とによって、いろいろと民間の取り組みというものが進んでくるものと考えておりまし て、そういう官民あわせてデータの蓄積が進む中で、いろいろな数字がお示しできるよ うになるものというふうに考えているところでございます。 ○井上部会長  ほかにございませんか。よろしいようでしたら……、小沢先生どうぞ。 ○小沢委員  第5カテゴリーのところで、さっき途中までの御説明で、その先があるかと思ってい たんですが、実は83番のところで、東京都の健康安全研究センターがお出しになってい る検査をするときのことなんですが、脂肪のことでいろいろ、脂肪組織の理解について 御質問をなさっているんですが、この回答の中で、右側で「脂肪の基準は脂肪組織にお ける基準値」だからという言い方をなさっているんですが、私は専門家じゃなくてよく わからないんですが、コーデックスの基準の場合に、農薬の部会のCCPRでは、食品 の分類上はミートという食肉という言葉を使っていて、動物用の医薬品の部会、CCR VDFの方では筋肉、マッスルという表現を使いますよね。ここのポジティブリスト全 体としては、圧倒的に農薬が多くて、コモディティーを分類するときに、食肉という か、ミートと言った方がいいか、その辺がマッスルの場合とミートの場合とが混在した まま使われているようなところがあるのではないかという気がいたしまして、ここで言 うときに、コモディティーをどう定義するのかというのをはっきりさせておく必要があ るのではないかというふうに思いますが、特段、そういう定義みたいなことの整理はし てこなかったと思います。 ○井上部会長  ありがとうございます。この点はいかがですか。 ○事務局  御質問ありがとうございます。今、御質問にありましたCCPRとCCRVDF、確 かに先生御指摘のとおり、CCPRの方ではミートという記述になっておりまして、C CRVDFの方では、かなり厳密に判断するという目的でマッスルという形で検討させ ていただいております。これを検討していく際にありまして、私もCCRVDFの方に は参加をさせてもらっているのですけれども、薬の特性というものがございまして、筋 肉とかに蓄積やすいと、また、脂肪に蓄積やすいというものがございます。そういうも のにつきましては、乳の基準でも同じなんでございますけれども、乳の中でも脂肪によ りやすいというようなものが脂肪という形で規定を置いておりまして、その目的、目的 に沿って動物用医薬品の場合には、残留基準の設定ということを進めているところでご ざいます。ただ、今、先生の御指摘にありましたCCPRの中の定義と、CCRVDF の中の定義の関連というものにつきましては、私もちょっと調査不足でございますの で、その点については、もう一度確認をさせていただければというふうに考えておりま す。 ○井上部会長  確認してまた必要な御説明はいただくということですね。よろしゅうございますか。 僕のミスリーディングでしたっけ。第5カテゴリーはまだ追加の御説明があるんです か。 ○事務局  いいえ。 ○井上部会長  そういうわけではない? よろしいですか。では、第6カテゴリーに移りたいと思い ます。基準値にかかる個別意見ということでございます。お願いいたします。 ○事務局  第6カテゴリーでございますが、少しページを飛んでいただきまして、個別のものな ので、非常に多くの意見が出されている食品でございます。 ○井上部会長  121 件と伺いましたけどね。 ○事務局  18ページの133 番目。ドラメクチンというものに関しての御意見ですけれども、コー デックスで設定されている豚の筋肉のMRLは注射部位への筋肉への残留を考慮せず、 通常の筋肉へのドラメクチンの残留に基づいている。一方で、日本で求められている休 薬期間設定のための残留試験では、一番長く残留するであろう筋肉=投与部位で、その 残留分析をすることが求められている。すなわち、コーデックスでは筋肉のMRLの設 定に当たり、注射部位の筋肉への残留を考慮していないため、コーデックスの我が国の 一律基準よりも低い値を日本の基準値案とすることは適切ではないと考えられる。さら に筋肉の摂取に当たっては、通常の筋肉を摂取することに比べて、投与部位の筋肉を摂 取する可能性は極めて低いため、通常の筋肉と注射部位の筋肉のMRLを同じとするこ とが妥当ではないかと考える。したがって、日本における豚の筋肉におけるMRLは、 注射部位の筋肉と通常の筋肉の残留は異なることを考慮し、EUと同じ0.02ppm として いただきたいというような御意見でございます。  回答案でございますが、暫定基準の設定に当たっては、我が国がWTOに加盟してい ることを踏まえ、コーデックス基準が設定されている場合には、優先的に採用すること としています。なお、農林水産省における休薬期間の設定は、投与部位も含めた残留基 準への適合性を確保する観点から行われているものと認識しているところですという回 答案でございます。  また、少し飛んでいただきまして、187 番目、24ページでございますが、銅について ですけれども、対象外物質と暫定基準の双方に入っていて混乱の原因となる。対応はど うなっているのかというようなことでございますが、現在、銅化合物として基準を設定 しているオキシン銅、それからヒドロキシノニルフェニル硫酸銅につきましては、いず も有機物部分で測定することとなっており、銅の量の残留をもって規制しているわけで はありません。なお、無機銅については、対象外物質として指定することとしておりま すというものでございます。  それからまた、少し飛んでいただきまして26ページ。197番目でございますが、亜リ ン酸、Phosphorous Acid というものでございますが、こういうのについて免除される と理解しているが、確認いただけないか。免除されるというのは、いわゆる対象外とい うような扱いではないかという御趣旨と解釈しておりますが、亜リン酸はホセチルの基 準値に含まれているものでございます。対象外物質ではなくて、ポジティブリスト制度 の対象となりますという回答案でございます。  それから、29ページでございますが、220番目、これは個々の農薬と農作物について 類型3−2を適用してほしいというものですが、先ほど44までで御紹介させていただい た具体的な中身のものでございます。これらについては、検討の結果、類型3−2の適 用を行うという回答案でございます。  それから、221 番目でございますが、クロルテトラサイクリンとテトラサイクリンに ついて、畜産物はエビよりも基準値が5倍から20倍高い。消費量は畜産物が1,000 万ト ン以上にもかかわらず、エビは10万トン程度で単純計算でも抗生物質の摂取量は畜産物 の方が1,000 倍も多いのが現状である。本件については要望も多く、常識から逸脱して いるものであることから、行政主導で基準値を改定してほしいというような御意見でご ざいます。  回答案でございますが、残留基準は適切に使用した場合の残留データなどの科学的知 見を検討して設定されるものであり、単に消費量から設定されるものではありません。 したがって、残留基準の設定を希望される場合は、要請される方が、これは外国で基準 がある場合に、日本として基準値を設定してほしいような場合に、要請する仕組みとし て、先ほど御紹介させていただきました「国外で使用される農薬等にかかる残留基準設 定及び改正に関する指針」というものに基づいた資料というのを提出していただく必要 がありますということでございます。  なお、クロルテトラサイクリンとテトラサイクリンについては、水産動物に対して、 国際基準であるコーデックス基準において、MRLが設定されておりません。それから 我が国においても使用が認められていないことから、含有してはならないの規定が適用 されるということでございます。  第6カテゴリーの関係では以上とさせていただきたいと思います。 ○井上部会長  ありがとうございます。抜粋にならざるを得ないわけですけれども、御意見について は全体にわたって必要に応じてお申し越しください。いかがでしょうか。  それでは、この検討は本日限りではありませんので、また時間もちょっと迫っていま すので、次に進めていただきます。次は……。 ○事務局  第7カテゴリーの関係の一律基準でございます。 ○井上部会長  第7カテゴリーと第8カテゴリーは一緒ですか。第7カテゴリーだけですか。 ○事務局  第7カテゴリーと第8カテゴリーを一緒にさせていただければと思います。 ○井上部会長  お願いいたします。 ○事務局  第7カテゴリーの関係ですが、30ページの224 番からさせていただければと思いま す。  224 番目の御意見でございますが、提案されている類型6−5、これは一律基準より も小さな値を設定するという分類でございますが、これは特別の事情でない限り−−こ の特別の事情というのは抗生物質が含まれてはならないとか、不検出とする農薬とし て、ADIで設定されていない農薬とか、ADIが0.03μg/kg/day以下の農薬というの がありますが−−そういうものでない限り、人の健康を損なうおそれのない量として、 0.01ppm を提案してきているということの中で、類型6−5として提案されている農薬 というのは、今説明させていただいたようなADIが決められないとか、ADIが非常 に低いというようなものとは異なっている。したがって、6−5という扱いをするの は、一律基準の考え方と矛盾しているのではないかというような御意見でございます。  回答案としては、ちょっとシンプルなんですけれども、一律基準というのは、「使用 が認められていない農薬」とか、「登録された農薬であっても使用が認められていない 農作物」に適用されるものであって、さらに説明を補足すると、もともとそういう使用 を想定して基準値を定めてあるようなものとかについては、そういう数字が、低い数字 が当然入ってくるというのはあり得て、それとの整合性の関係で6−5というのが出て きているということだと思います。 ○井上部会長  これまでの経過でもそういうふうに御理解いただいていると思いますが、よろしいで すかね。 ○事務局  次の226 番目でございますが、生産現場の状況を鑑みて、一律基準の設定については 慎重な決定を望むということでございます。  回答案といたしましては、一律基準は国際機関における香料などの評価や、これまで に評価された農薬等のADIに基づき、許容される曝露量を設定するとともに、食品摂 取量に基づく科学的な評価に基づき設定したものです。なお、その設定に当たっては、 農林水産省とも連携し検討を行ってきたところですという案でございます。  次に228 番目でございますが、類型6−4として分類されているものについて、これ は0.10までのものが分析技術上困難であるという分類になっているわけでございます が、定量限界値をもって一律基準値を採用するのであれば、すべての農作物に一律の値 を適用するのではなくて、農作物ごとに定量限界値というものを定めるべきではないか というような御意見でございます。  回答案でございますが、類型6−4というのは、一律基準までの分析が困難であると 考えられる農薬等であって、基準が設定されていない農作物等について、分析法の定量 限界に相当する値をもって基準を設定したものでございます。基準が設定されていない 農作物というのは多数存在し、そのすべてについて、個々に定量限界に相当する値とい うのを設定するというのは困難であるというふうに考えているという案でございます。  それから230 番目でございますが、一律基準値の0.01ppm は、今後正規のMRLを設 定する際に、曝露評価に参入されるのかどうかが明確でないというような御意見でござ います。  一律基準は原則として、使用が認められていない農作物等に適用されるものであるこ とから、残留基準設定に当たっての曝露評価には算入する必要がないものと考えていま すということでございます。  以下、8番目に入りますが、231 番目でございます。微生物農薬のBT等のように、 BTというのは、バチルスチューリンゲンシスという微生物を用いた農薬でございます けれども、そういうもののように、残留しない物質は食品に残留する農薬等に関するポ ジティブリスト制度における対象外物質のリストから最終案のところで除外されていた ということでございます。物質名索引にも対象外物質対照表にもない物質が情報として 出てくると、一律基準として規制されるという誤解が生じるおそれがあるので、再リス ト化してほしいというような御意見でございます。  回答案といたしましては、対象外物質は、ある程度残留することは前提に指定するこ ととしたものでございますので、誤解の生じないように周知に努めますという回答案で ございます。  次の237 番目でございますが、ジベレリンに関するものでございます。ジベレリンは 天然に存在する植物の成長調節ホルモンで生命活動を行う植物体には恒常的に存在する ということでございます。途中ありますけれども、ポジティブリスト制度から対象外物 質としてほしいというような御意見でございます。  回答案といたしましては、ジベレリンは天然に存在しますが、成長調整の目的で意図 的に使用されるものであり、農薬として取り扱うこととしています。御要望のように対 象外物質として指定することはできませんが、類型6−4が適用されている箇所につい て、一般規則の4、つまりは自然に含まれている物質と同一である場合には、一般に含 まれる量を超えてはならないというような規定で適用することとしておりますというこ とでございます。  第7カテゴリー、第8カテゴリーの関係では以上とさせていただければと思います。 ○井上部会長  では、ここまでで御意見ありましたらお願いします。一律基準、対象外物質というこ とですが、小沢先生よろしいですか。  では、とりあえず、最後のカテゴリーにまいりましょうか。今回の意見募集の対象外 のものということです。お願いいたします。 ○事務局  こちらも第9カテゴリーの関係ということで対象外の関係、かなり数がございます が、一気に説明させていただければと思います。32ページの245 番目から紹介させてい ただきます。コーデックス基準あるいは海外の基準があるので、現行基準値を変更し て、暫定基準を設定してほしい。これは幾つかの機関から意見として寄せられておりま して、意見としては集約した形のこのようになっておりますが、具体的には現行基準を 変更してというようなことではなくて、例えば、コーデックス基準があるのに、なぜ採 用していないんだという書きぶりのものもあったわけでございます。これは私どもの方 で暫定基準の案というのを公表させていただいた際に、基準値の表として、例えば、1 つの農薬の中に、現行の基準と暫定基準として定めるものがあった場合でも、両方1つ の表にまとめて、基準については現行基準だということはお示しして意見募集をかけて いたわけですけれども、外国の方はそこまで理解できない方もいたのではないかという ことで、現行基準について改正してほしいというような意見とか、コーデックス基準に 合っていないんじゃないかという意見を、かなりいただいているところでございます。  回答案としては、これは非常にシンプルなんですけれども、現行基準については、今 回、基準改正の対象とはしていませんという回答案でございます。  次に246 番目でございますが、不検出とされている農薬等において、加工食品に対す る試験法が示されていないので、明らかにすべきということでございます。  回答案でございますが、加工食品には様々な加工形態があり、加工食品ごとの試験方 法を設定することは困難です。農作物や畜産物の分析法を準用していただくことになり ますという回答案でございます。  次の247 番目でございますが、不検出という基準は、定義が流動的である。分析法に よって、その基準が上下するため、分析法を確定すべきであると。外国の方からの御意 見でございますが。  回答案としては、不検出の基準を設定した農薬等に関しては、その分析法を告示によ り示すこととしています。公定法で測って出ないということが、一応、その条件だとい うことになるわけでございます。  それから、249 番目でございますが、現在、全国各地で導入されている超臨界抽出法 など多成分一斉分析が可能で、多量の検査が可能な分析法についても、国として公的な 分析法として位置づけをしていただきたいという御意見でございます。こちらの方は、 先ほどの公定法とは若干位置づけとして異なるものになるわけでございますが、基準値 を超えるか否かを調べるための試験法は、1つの方法に限定されたものではなくて、科 学的に信頼性の確認された方法であれば、分析が可能ですというものでございます。要 するに、公定法によらなくてもきちんと検証されて、数値を正しく出せるということが 確認されたものであれば、それで分析することが可能ですという意味でございます。  それから、1ページおめくりいただきまして、34ページの257 番目、暫定基準の見直 しに関するものでございますけれども、暫定基準の見直しは5年程度を目安に行うとさ れているが、国内のマーケットバスケット調査や海外各国の資料情報の収集も行うので あれば、必要に応じて随時行うべきではないかということでございます。  回答案といたしましては、暫定基準については、マーケットバスケット調査結果など に基づき、優先順位を付して順次資料等を集めて、食品安全委員会での評価とともに、 薬事・食品衛生審議会での審議を行いますということで、資料等に基づいて評価を進め ていくという回答案でございます。  次の35ページの263 番目でございますが、分析法に関するものでございます。基本と なる分析法、例えば一斉分析法などについて、準備・訓練期間が必要なので、法律施行 の6か月前までに公表していただくようお願いする。逆に言うと、分析法の公表後6か 月は法の猶予期間を設けていただきたいというような御意見でございました。  回答案でございますが、本制度の施行は改正食品衛生法の公布の日、平成15年5月30 日から3年以内というふうに法律上定められておりまして、変更はありません。厚生労 働省では一斉分析法の開発を進めてきたところであり、分析法及び関連情報について は、順次ホームページで公開していくこととしております。最新の検討状況につきまし ては、この8月25日にホームページに掲載させていただいております。  次は36ページの273 番目でございますが、施行後の運用などについての御意見でござ います。施行後の違反に対する合理的な対応をお願いしたい。基準値をオーバーした場 合の処置として、オーバーした原料を使用した加工食品は、すべて一律に市場から撤去 するのではなく、その原料の使用量、その加工食品の摂取量から換算して、ADI以下 の場合には、注意し、改善するような処置にしていただきたいというような御意見でご ざいます。  回答案でございますが、残留基準を超える食品にあっては、食品衛生法に基づき販売 等が禁止されるものでございます。また、必要に応じ回収命令などの行政処分が行われ ることとなりますというものでございます。  39ページの287 番目でございますが、農薬のドリフト等により、農薬散布時に十分注 意をしていても、他の作物や周辺農地で基準を超えることも心配される。万一、基準を 超えた農産物に対し、出荷停止などの費用負担をすべて生産者等の農薬使用者に求める ことは大きな負担となることが考えられるので、基準値の設定については十分協議をし た上で設定していただきたい。また、万一そのような事態が発生した場合は、原因を究 明した上での慎重な対応をお願いしたいというような意見でございます。  回答案でございますが、ポジティブリスト制度の施行に当たっては、国民の健康保護 と制度の円滑な施行のため、科学的な評価に基づき設定される国際基準や国内の登録保 留基準などを参考に暫定基準を設定します。暫定基準や一律基準の設定に当たっては、 農林水産省と連携し検討を行っており、制度の施行後であって、国内で現在使用される 農薬は、これまでどおり使用することができ、また適正に使用される場合に残留基準を 超えることはないというふうに考えております。基準を超える農薬が残留する農作物の 食品衛生上の取り扱いについては、従来でも基準超過というものはありましたので、そ れについては従来と変わらないという趣旨でございます。  それから290 番目でございますが、いかなる場合に回収を命ぜられることになるのか 示していただきたいということでございます。  食品衛生法に基づく残留基準に適合しない食品等については販売等が禁止されます。 違反品が流通おそれがある場合など、必要に応じて回収命令などの行政処分が行われま すという回答案でございます。  それから292 番目。これも前に出たものと同じような趣旨かと思いますが、ポジティ ブリスト制度が分析至上主義にならないよう、各方面に指導をお願いしたいということ でございます。残留農薬等のポジティブリスト制度は食品に残留する農薬等の分析を食 品事業者等に義務づけるものではありません。分析は残留の可能性に基づき判断される ものと考えます。考え方としては、これまで紹介させていただいたのと同じですが、こ の意見については、各方面の指導をお願いしたいという意見でしたので、これに対する 部分として、これらのことについては、意見交換会などの機会を通じて周知に努めてい きますということでございます。  40ページでございますが、300 番目、法制度施行後の農薬使用者への周知の方法、あ るいは制度の運用に当たっては農水省と連携して対応されたいということでございま す。  回答案でございますが、ポジティブリスト制度の検討などに当たっては、これまで農 林水産省と連携し取り組んできたところです。今後も農林水産省等の関係省庁とも連携 し、本制度の適切な運用について推進していくこととしていますということでございま す。  それから42ページ、309 番目でございますが、ポジティブリスト制度の円滑な運用の ために、規制当局の責任部署を明確化するとともに、地方行政との意思疎通を十分に行 い、また、相談・協議窓口を設置し、事例について公開するなどの体制を整備していた だきたいというような御要望でございます。  回答案でございますが、相談体制の整備について検討いたしますというようなもので ございます。  それから314 番目、国においてリスクコミュニケーションの取り組み強化を願いたい ということで、これに対する回答案としては、意見交換会の開催などによる取り組みを 継続的に実施していくこととしていますというような回答案でございます。  第9カテゴリーの関係は以上でございます。ちょっと膨大なものですので、その他御 紹介しきれないものもたくさんございますが。 ○井上部会長  お疲れさまです。ありがとうございました。最後のカテゴリーについての御説明をい ただきましたけれども、これについては、いかがでしょうか。 ○事務局  先ほど米谷先生から御指摘のあったマイナーの部分なのですけれども、ちょっと適切 な事例が御紹介できませんでしたので、先ほど御指摘のあった部分について少し説明さ せていただきます。 ○井上部会長  お願いします。 ○事務局  マイナー作物につきましては、流通実態等々もありまして、登録保留基準を暫定基準 に設定しているというところがございまして、ただ、データがあるものについては、そ れを精査して暫定基準をつくるということで、米谷先生御懸念のところは、恐らく登録 保留基準イコール暫定基準というところで、今後マイナー作物の取り扱いというところ だと思われるんですけれども、それにつきましては、いろいろ今検討しているところで ございまして、取り扱い等については、関係のところで今検討中というところでござい ます。 ○米谷委員  そういう御説明で結構なんですが、マイナー作物の農水省の検討が1年遅れておりま すけれども、それが終わらない段階でポジティブリスト制度がスタートした場合に、農 薬取締法の方と食品衛生法の方で齟齬なく、うまく運用していけるのか、その辺が一番 心配しているところなんですが、農水省の方でずっと遅れていった場合に、食品衛生法 の方ではどうされるのかということを、その辺をちょっとお聞きしたかったものですか ら。御検討していただければと思います。 ○井上部会長  御検討いただけるということでございます。ほかにはいかがでしょうか。この際、前 の方にさかのぼっていただいても結構ですが、それでは、時間の関係もございますの で、本来ですと傍聴の方々の関心もおありのことと思いますが、他方、事務局におかれ ては、たくさんの質問に御意見に回答案を御用意いただいて、適切に抜粋して御丁寧な 御説明をいただきましたので、審議はこれで終了させていただきたいと思いますが、よ ろしゅうございますか。  それでは、本日の委員の先生方からいただいた御議論を踏まえて、引き続きこれら御 意見に対する回答について、事務局の方では御検討いただくようにお願いし、なお、御 意見については冒頭の事務局の御説明にもありましたように、若干追加があるかと存じ ますので、それらについては、次回の部会までに事務局でとりまとめていただいて、ま た御説明いただく。そのようにお願いいたしたいと思います。  それで議題の2についてはいかがですか。何かございますか。 ○事務局  特にはございません。 ○井上部会長  それでは、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。御協力ありがと うございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)