07/05/31 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成19年5月31日議事録       薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 議事録 日 時:平成19年5月31日(木)10:00〜12:07 場 所:厚生労働省5階共用第7会議室 1.開 会 2.審 議    議 事:1議題         (1)食品中の農薬の残留基準設定について         (2)食品中の農薬・動物用医薬品の残留基準設定について         (3)食品中の動物用医薬品の残留基準設定について         (4)食品中の飼料添加物・動物用医薬品の残留基準設定について         (5)食品中の飼料添加物の残留基準設定について         (6)器具・容器包装の規格基準改正について        2報告事項         (1)スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について         (2)米国産牛肉輸入の近況と対応について          4.閉 会 ○佐々木補佐 おはようございます。食品安全部企画情報課の佐々木と申します。  それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を 開催いたします。  本日は御多忙のところ御参集いただき、先生方には厚くお礼を申し上げます。  まず、本日の出欠状況について御報告いたします。本日は岸委員、児玉委員、鈴木委員、廣橋 委員、山本委員から欠席との御連絡を事前にいただいております。また、内田委員が遅れていら っしゃるとのことです。現在の分科会委員総数19名のうち、現時点で13名の御出席をいただい ておりますので、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますこと を御報告いたします。  次に議事に先立ちまして、本年4月1日付で事務局の異動がございましたので、紹介させてい ただきます。  監視安全課長の加地祥文でございます。  国際食品室長の池田千絵子でございます。  新開発食品保健対策室長の玉川淳でございます。  続きまして、本日の議事につきましては、6題御用意しております。お手元の資料をごらんい ただきながら、御説明申し上げたいと思います。  まず1題目は「(1)食品中の農薬の残留基準設定について」でございます。これにつきまして は、4件ございます。  1件目が右肩に資料1−1と振っておりますアゾキシストロビン。  2件目が右肩に資料1−2と振っておりますシフルメトフェン。  3件目が右肩に資料1−3と振っておりますジメトモルフ。  4件目が右肩に資料1−4と振っておりますフルフェノクスロンでございます。  議事の2題目でございますが「(2)食品中の農薬・動物用医薬品の残留基準設定について」で ございます。こちらは1件でございます。  右肩に資料2と振っておりますジノテフランでございます。  その次に「これまでの経緯」という参考資料を付けてございます。  3題目は「(3)食品中の動物用医薬品の残留基準設定について」でございます。こちらは2件 ございます。  1件目が右肩に資料3−1と振っておりますジフロキサシンでございます。  2件目が右肩に資料3−2と振っておりますドラメクチンでございます。  議事の4題目は「(4)食品中の飼料添加物・動物用医薬品の残留基準設定について」でござい ます。こちらは1件でございます。  右肩に資料4と振っておりますアボパルシンでございます。  議事の5題目は「(5)食品中の飼料添加物の残留基準設定について」でございます。こちらは 3件ございます。  1件目が右肩に資料5−1と振っております二ギ酸カリウムでございます。  2件目が右肩に資料5−2と振っておりますギ酸カルシウムでございます。  3件目が右肩に資料5−3と振っておりますグルコン酸カルシウムでございます。  議事の6題目でございますが「(6)器具・容器包装の規格基準改正について」でございます。 こちらは2件でございます。  1件目が右肩に資料6−1と振っております「器具又は容器包装に係る一般試験法及び用途別 規格『容器包装詰加圧加熱殺菌食品の容器包装』の改正について」。  2件目が右肩に資料6−2と振っております「ポリ乳酸を主成分とする合成樹脂製の器具又は 容器包装の規格基準設定について」でございます。  以上の議事6題に加えまして、本日は「2 報告事項」といたしまして、2題御説明申し上げ たいと思います。  1件目が右肩に報告資料1と振っております「スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について」。  2件目が右肩に報告資料2と振っております「米国産牛肉輸入の近況と対応について」でござ います。  資料の過不足等ございましたら、恐縮ですが、お手を挙げていただければ、事務局が差し替え 等をいたします。よろしいでしょうか。進行中でも落丁等に気づきましたら、お手を挙げていた だければ事務局が対応いたします。  それでは、以降の進行を吉倉分科会長よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 おはようございます。  それでは、早速議事に入りたいと思いますが、最初に「(1)食品中の農薬の残留基準設定につ いて」です。最初がアゾキシストロビンです。お願いします。 ○松田課長 それでは、御説明申し上げます。  御説明に入る前に1点お願いでございますが、本日の進行の関係で、今まで説明、質疑等につ いては、基本的に私が全部対応していたんですが、今日から一部説明については、担当の補佐、 専門官から説明をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。あと、 質疑等については、基本的に私の方でお受けしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し 上げます。 ○吉倉分科会長 今の件は、私の方から、基準審査課長がこの会議はしゃべり詰めになるのは大 変ということもありまして、そういう具合にさせていただいたわけです。よろしくお願いいたし ます。 ○松田課長 それでは、まず1つ目ですが、資料1−1のアゾキシストロビンでございます。  資料の5ページ目は、アゾキシストロビンでございますが、これはポジティブリスト制度の導 入に当たりまして、まず暫定基準を設定したものでございまして、今回見直していただくもので ございます。  あと、今回ピーマン等に適用拡大の申請がございましたので、それらについて基準を設定する、 また、申請者より海外でコーヒー豆に使うこともありまして、基準を設定していただきたいとい う要望があったということで基準を設定するものでございます。  本剤は「1.品目名」がアゾキシストロビン。  「2.用途」は殺菌剤。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」でございますけれども、6ページ目以降を見ていただ きますと、いろんな剤形のものがございます。今回は先ほどもお話したとおり、7ページ目にあ りますように、四角で囲っておりますピーマン、8ページ目のズッキーニ等、9ページ目でネク タリン、10ページ目でグアバ等に適用拡大が出ております。  13ページ目にありますけれども、ブラジルはコーヒー豆で使うということで、こういった使い 方で使用されるということです。  13ページ目の「6.作物残留試験結果」でございますけれども「(1)分析対象の化合物」はアゾ キシストロビンということでやられております。結果は(2)以降にありますけれども、27ペー ジ以降にまとめられております。  今回の基準策定に当たりまして、参考にいたしました諸外国の作物残留試験のデータは、31ペ ージ以降にまとめたところでございます。  続きまして、24ページ目に「7.乳牛における残留試験」の結果ということで、これは牧草経 由で乳牛に残るということで、残留試験が行われていまして、例えば牛乳等を見ていただきます と、わずかではありますけれども、残るという結果が出ております。  「8.産卵鶏における残留試験」も行われておりますけれども、卵からは0.01ppm以下だった というデータが出ております。  24ページ目の「9.ADIの評価」でございますけれども、食品安全委員会からは、ADIに つきまして0.18mg/kg体重/dayということで評価をいただいたところでございます。  「10.諸外国における状況」ですけれども、これはここにもありますように、米国、オースト ラリア、カナダ、EU等、広く外国で使われているものでございます。  「11.基準値案」でございますけれども、アゾキシストロビン本体を基準値の対象ということ で考えておるところでございます。  「(2)基準値案」でございますが、別紙2ということで、38ページ以降に基準値案が載って おります。このものは非常に多くて、個々に説明していますと時間がかかりますので、概略を御 説明申し上げますけれども、基本的には国内の作物残留データと米国、オーストラリアの作物残 留データに基づいて基準を設定してございます。また、作物残留データがなかったものについて は、従来の基準値を削除して、一律基準で対応する形を考えておるところでございます。  特に御紹介申し上げたいのは、少し高い基準値が一部ございます。  例えば38ページ目に「だいこん類(ラディッシュを含む)の葉」は50ppmという基準が設定 されております。  41ページの真ん中ぐらいに「その他のハーブ」ということで、アメリカのバジルのデータに基 づいて、50という、いずれもアメリカでの使用方法を踏まえた形の基準を設定させていただいた ところでございます。  1点ミスがございまして、訂正をお願いしたいんですが、39ページ目の下から大体4分の1ぐ らいのところに「パセリ」がございますが、基準値案としては50ということで載っております けれども、これはアメリカのレタスやリーフレタスの残留のデータを踏まえて設定しているんで すけれども、実は30が正解でございます。ほかのところのリーフレタスやレタスを見ていただ くと30という値が出ておりますので、パセリは30の間違いでございますのでよろしくお願い致 します。  41ページ以降の牛等の基準は、基本的にはカナダ、アメリカ、オーストラリアを参考にして基 準を設定させていただいたところでございます。  1点ちょっと違うのは、乳の基準ですけれども、アメリカは0.006という基準になっておりま すが、これは先ほど見ていただいた牛乳の残留試験の結果等も踏まえて、我が国では0.01という 基準を設定させていただいたところでございます。  魚介類については、対象ではございませんので、一律基準で管理したいということで、基準は 削除という形で考えているところでございます。  26ページ目の「(3)暴露評価」でございますけれども、これにつきましては、理論最大摂取 量(TMDI)での暴露評価がやられておりまして、最大でも幼小児でADIの51.8%でござい ますので、基準としては適当ではないかと考えているところでございます。  現在、WTO通報やパブコメを実施しております。48ページ目に今の状況を書いてございます けれども、今までのところ、パブコメに関してはコメントがございませんでした。  WTO通報は、7月23日までの期限でやっておりますけれども、現時点のところコメントは ないということでございます。  順番が逆になりますけれども、46ページ目に「答申(案)」ということで、今回基準を改める ところについてまとめさせていただいております。先ほど申しましたとおり、パセリのところは 50を30という形で直させていただければ考えております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 これは適用拡大ですか。どういう審議の内容ですか。 ○松田課長 これは適用拡大とポジリス制度導入のときに暫定的につくった基準を、国内及び外 国の作物残留データを踏まえて見直すというものでございます。 ○吉倉分科会長 食品安全委員会の農薬評価書で「2006年12月」というのは、実際上、前とA DIその他は変わらないということでしょうか。 ○松田課長 これについて、食品安全委員会で評価されているのは、今回が最初でございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。  それでは、何か御質問お願いします。よろしいですか。  ここの場としては、46ページの「答申(案)」でよろしいかということですけれども、よろし いですか。 (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。  次お願いいたします。 ○松田課長 今後の対応ですけれども、先ほど申し上げたとおり、本剤はポジティブリスト制度 の導入に伴いまして、暫定基準を設定したものでございますので、基準値案と暴露評価案につい ては、食品安全委員会に報告させていただきたいと思っております。  あと、パブコメは先ほど終わったと申しましたが、6月18日まで募集中で、WTO通報も7 月24日まで募集中でございますので、仮に寄せられた意見がありましたら、分科会長に報告さ せていただいて、再度審議が必要か相談させていただいた上で、特に問題がないようでしたら、 告示の手続をさせていただきたいと思っております。  それでは、次に資料1−2を説明させていただきたいと思います。シフルメトフェンでござい ます。これは今回初めて基準を設定するものでございます。  5ページ目でございますけれども「2.用途」は殺ダニ剤ということです。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」は、ここに記載のとおりでございます。  6ページ目でございますけれども「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」ですが、かんきつ、 りんご等のハダニ類に使われるものでございます。  「6.作物残留試験結果」でございますけれども「(1)分析対象の化合物」としては、シフルメ トフェンと代謝物B−1と呼ばれているものについて残留試験が実施されております。  11ページ目以降に、残留試験を一覧表としてまとめているところでございます。  前後して恐縮ですが、9ページ目の下から4行目に「7.ADIの評価」がございますけれど も、10ページにありますとおり、食品安全委員会の評価では、ADIにつきまして0.092mg/kg 体重/dayということで評価されております。  「8.諸外国における状況」ですけれども、これにつきましては、まだほかの国では使われて いない、基準も設定されていないというものでございます。  「9.基準値案」でございますけれども、12ページに基準値案ということで出ております。こ れにつきましては、今回、参考となる国際基準や諸外国の基準はございませんので、基本的には 国内で行われた作物残留試験の結果を踏まえまして、基準を設定しております。レモン、オレン ジ等は、その他のかんきつ類にありますすだちやかぼすのデータを踏まえて、それぞれ基準を設 定させていただいているところでございます。  10ページ目に戻っていただいて「(3)暴露評価」でございますけれども、本剤の暴露評価に つきましては、TMDI方式で行ったところ、幼小児が最大でADIの13.2%ということでござ いますので、基準としては適当ではないかと思っております。  15ページ目が「答申(案)」でございます。  パブリック・コメント、WTO通報につきましては、今、準備中というような段階でございま す。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 これは新規ですね。 ○松田課長 全くの新規でございます。 ○吉倉分科会長 食品安全委員会の農薬評価を簡単に読むと、作用機作は不明であるというよう なことも書いてあります。何か特記すべきことがあれば、説明していただけますか。 ○松田課長 資料でいうと51ページに「III.総合評価」ということで、食品安全委員会の評価 が載っておりますけれども、基本的には発がん性も認められておりませんし、繁殖への影響もな かった、発生毒性、催奇形性もなかった、遺伝毒性も陰性でございまして、ADIが設定されて いるということでございます。  53ページ目に表がありますけれども、無毒性量は繁殖毒性試験のF1の9.21が一番低うござい まして、それに基づいて、ADIを設定しているということでございます。ラットの2世代繁殖 試験の児動物のF1の雄の9.21が一番低いということでございます。 ○吉倉分科会長 そんなところですか。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 今のは52ページの真ん中辺の副腎の重量増加を伴う何とかというところです。 ただ、それは可逆的な変化であるという、その辺だったと思います。  何か御質問ございますか。犬伏先生、どうぞ。 ○犬伏委員 答申案の中の一番下の方で「茶」「その他のスパイス」の残留基準値が20となって います。 ○吉倉分科会長 済みません。何ページかもう一回お願いします。 ○犬伏委員 ごめんなさい。15ページです。  この残留基準値というのは、どこから出てきたんでしょうか。 ○松田課長 これは12ページを見ていただきたいと思います。下から2番目に「茶」「その他の スパイス」とございますけれども、作物残留試験の結果がその表の右の方にございますけれども、 我が国で行われた作物残留試験の結果、お茶は最大で14.7もしくは5.2という作物残留データが ある。  その他のスパイスとしては、代表例として、みかんの果皮、陳皮ですけれども、これで4.9、 10.28というデータがありまして、このデータを踏まえて20という形で設定させていただいたと ころでございます。 ○犬伏委員 よくわからないんですが、スパイスはあれですが、お茶は幼児期からいっぱい飲ま せるもののような気がしてしまうんです。残留基準値の中で一番高い「その他のかんきつ類果実」 というのは、外ですよね。中身ではないですね。 ○松田課長 そうです。 ○犬伏委員 中身に関しては、これよりも少なくなってしまうのかなという気がしているんです が、お茶というのはそのまま出してしまう、お湯を注いで出すというスタイルのものなので、一 番頻繁に私たちが口にするものが一番高いのかなとちょっと疑問に感じました。済みません。 ○松田課長 お茶の場合は葉っぱを使うということで、どうしても傾向としては高目に残留する 場合がございます。ただ、いずれにしても、暴露評価、ADIから見れば、小児でも13.2%でご ざいますので、問題ないのではないかと思っております。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  それでは、今の15ページの答申案で、分科会としては合意したということです。  これは、今後の予定はどうなっていますか。 ○松田課長 これは先ほど申したとおり、WTOもパブリック・コメントも、今、手続中でござ いますので、この手続を踏まえまして進めたいと思いますが、パブコメやWTO通報で意見等が ありましたら、分科会長に相談させていただいて、今後の進め方を決めさせていただきたいと思 います。 ○吉倉分科会長 ちょっと外がうるさいので、マイクで話されるときは、なるべく口に近くして お願いします。  それでは、次お願いします。 ○松田課長 次の農薬2剤は、担当の方から御説明させていただきます。 ○吉倉分科会長 お願いします。 ○河村補佐 次の農薬につきまして、御説明申し上げたいと思います。ジメトモルフというもの でございます。資料1−3に沿いまして、御説明申し上げます。  資料の5ページを開いていただければと思いますが「1.品目名」はジメトモルフでございま す。  「2.用途」は殺菌剤ということで、菌体の細胞壁に作用するものでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」は、ここに記載のとおりでございます。  今回は適用拡大の要請がございまして、だいず、あずき、えだまめ、ミニトマトというような もの。また、ポジティブリスト導入時に暫定基準を設定した部分がございますので、その確認で ございます。  「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」につきましては、6ページ目から表でまとめさせてい ただいてございます。  6ページの下の方に四角囲みがございますが、あずき、だいす、えだまめ、ミニトマト。ここ が今回適用拡大ということで、申請があったところでございます。  7ページも、あずき、だいずということで記載してございます。  「(2)米国における使用方法」ということで、レタス等につきましての情報も記載させていた だいてございます。  「6.作物残留試験結果」でございますが、8ページ以降、文章でまとめてございます。  詳細な表は、14ページ以降にまとめさせていただいてございます。14ページにつきましては、 国内での残留試験結果。  15ページにつきましては、海外における残留試験結果ということで、主にポジティブリスト制 度で海外の基準値等を参考にしてございますので、それらの検討に使用したものでございます。  12ページに戻っていただきまして、このものにつきましては「7.乳牛における残留試験」と いうことで、実際に牛に経口投与いたしまして、肝臓等々の残留を見たという試験結果でござい ます。  これらを踏まえまして、基準値を設定するわけでございますけれども、12ページの「8.AD Iの評価」というところで、食品安全委員会の方で食品健康影響評価をしていただきまして、A DIは0.11mg/kg体重/dayというような数値を評価してございます。  また、海外の状況でございますが、JMPRの方で毒性評価はまだされてございません。また、 国際基準も設定されていない状況にございます。米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュー ジーランドに関して調査しました結果、米国においては、ぶどう、レタス。オーストラリアにお いても、ぶどう、ねぎ。カナダにおいても、じゃがいも。ニュージーランドでぶどうということ で、広く使用されているということでございます。  13ページでございます。「10.基準値案」ということで、今回の規制の対象は、ジメトモルフ 本体と考えてございます。  「(2)基準値案」につきましては、19ページからの表でお示ししてございます。また参考と しまして、国際基準としてコーデックスの基準、海外の基準値でございます。  この中の「登録有無」のところで「申」と書いてございますのは、今回新たに適用拡大の申請 があったものでございます。  「基準値現行ppm」のところで、薄く網がけをしている部分がございますが、ここにつきまし ては、ポジティブリスト制度導入時に農薬取締法に基づく登録保有基準や海外の基準を参考に、 いわゆる暫定基準という形で設定したところでございます。こういうものにつきまして、今回新 たな作残データの結果等々を踏まえて、見直しを行ったところでございます。  これらを踏まえまして、基準値案で暴露評価をしましたところ、また戻っていただきますが、 13ページでございます。TMDIということで、基準値案と摂取量をかけ合わせて積算したとこ ろ、ADI比が国民平均で10.1%、幼小児の方で16.8%、妊婦の方で7.2%、高齢者で10.1%と いうことで、いずれもADI比の80%を大きく下回っているということで、この基準値案で今回 提示させていただいてございます。  「答申(案)」でございますが、25ページに表でまとめさせていただきました。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 御質問何かありますか。よろしいですか。長尾委員、どうぞ。 ○長尾委員 19ページのテーブルを見ますと「基準値現行ppm」というもので、さといもやか んしょというものが、0.1で網がけして入っています。基準値案の方ではそれがなくなるという ことですか。使っていないということですか。 ○松田課長 これは適用がない。作物残留データもないので、削除して一律基準で管理するとい うことです。 ○長尾委員 わかりました。 ○吉倉分科会長 ほかにはいかがでしょうか。  先ほどもあったんですが、レタスは今まで0.3だったものが、10になりました。この辺のとこ ろは、犬伏さんたちはどうお考えですか。ひょっとして質問が出るかなと思っていました。別に 質問がなければ結構です。  特になければ、25ページの「答申(案)」でよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長 どうもありがとうございます。  それでは、今後の予定はどうなっていますか。 ○河村補佐 この剤につきましては、現在パブリック・コメントまたはWTO通報の手続中でご ざいますので、今後、手続を経まして、進めていきたいと考えてございます。それで御意見等が 寄せられた場合につきましては、分科会長に御相談の上、手続等を進めさせていただきたいと思 っております。 ○吉倉分科会長 それでは、その次のフルフェノクスロンお願いします。 ○河村補佐 フルフェノクスロンにつきましては、資料1−4に沿いまして、御説明申し上げま す。  資料の5ページをお開きいただければと思いますが、この物質は殺虫剤でございます。昆虫の 体内に取り込まれまして、キチン質の合成阻害ということで、昆虫の脱皮のときに影響を与えて、 脱皮が不完全な形になるという作用で殺虫効果を示すと考えられてございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」につきましては、ここに記載のとおりでございます。  今回、一部の作物につきまして、適用拡大の要請があり、またポジティブリスト制度導入時に 暫定基準を設定してございますので、その部分の確認ということでございます。  「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」につきましては、6ページから表でまとめさせていた だきました。  今回の適用拡大の部分につきましては、10ページでございます。表の最後でございますが、だ いず、えだまめ、ししとうというものでございます。  「6.作物残留試験結果」を文章にまとめてございますが、表にしたものを22ページからお 示しさせていただいてございます。非常にたくさんのデータがございまして、今回適用拡大があ ったものにつきましては、24ページの上から3番目「だいず」「だいず」「えだまめ」ミニトマト の下の「ししとう」というところでございます。  また少し戻っていただきまして、20ページでございますが「7.ADIの評価」を食品安全委 員会の方で評価をしていただきまして、今回、イヌの慢性毒性試験の無毒性量をとりまして、 0.037mg/kg体重/dayという値で評価いただきました。  この剤でございますけれども、諸外国では、JMPRではまだ評価もされてございませんので、 コーデックス基準もない状況にございます。また米国の方では、りんご、なしに基準があり、オ ーストラリア、カナダ、ニュージーランド、EUの方には基準の設定がないということでござい ます。  「9.基準値案」は、21ページからでございますが、規制の対象につきましては、フルフェノ クスロン本体ということで考えてございます。  「(2)基準値案」につきましては、26ページの別紙2にとりまとめさせていただいてござい ます。これらにつきましては、先ほどと同様「申」と書いてございますのが、今回適用拡大のあ ったものでございます。  また、網がけになっている部分でございますが、そこはポジティブリスト制度の導入時に新た に基準を設定した、いわゆる暫定基準を置いたところでございます。  今回この中で0.02ppmという値で現行の基準を置いているところがございます。ここにつきま しては、ポジティブリスト制度導入時のいわゆる暫定基準の検討時に、本来、一律基準0.01ppm で規制すべきところ、当時の分析法の定量限界を加味して0.02ppmという値を置いていたところ でございます。今回、見直しに当たりましては、分析法につきましても、いわゆる一律基準 0.01ppmまで分析が可能ということが確認できましたので、これらにつきましては、基準を削除 して、一律基準で規制するとしてございます。  また、作残データがなかったものについては、削除して、これらについても一律基準で管理す るという方向で基準値案を設定してございます。  22ページに戻りますが、これらに基づきまして、TMDI試算でADI比を求めたところ、国 民平均で42.8%、幼小児の方で77.6%、妊婦の方で33.4%、高齢者の方で46.8%という形で、 いずれもTMDIという最大で見積もった場合でも、ADI比が80%以下ということでございま すので、この基準値案は適当であろうと考えてございます。  「答申(案)」につきましては、33ページにまとめさせていただいてございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 これは適用拡大ですね。  それから、外国では余り使われていないようなんですが、これは日本ではかなり長く使われて いたものでしょうか。 ○松田課長 この剤の我が国での最初の登録は、1993年でございまして、もう十数年使われてい るものでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。  食品安全委員会の評価は2007年になっていましたが、これは昔にやられたものなんですか。 今回初めてなんでしょうか。 ○松田課長 今回初めてでございます。 ○吉倉分科会長 そうすると、もしもこの中で何か特別なことがあれば、コメントしていただけ ればと思います。 ○松田課長 議論があったのはマウスのところで、例えば肝細胞や血管腫瘍が少し見られたとい うところがありますけれども、これも遺伝毒性の試験をやられて、遺伝毒性がないのでというこ とで、ADIについては、イヌの慢性毒性試験の結果で、安全係数も通常の100倍ということで 評価いただいたところでございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか。よろしいですか。  そうすると、33ページの「答申(案)」で合意したことになりますが、よろしいですか。 (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長 今後の予定をお願いします。 ○河村補佐 このものにつきましても、現在パブリック・コメント、WTO通報について手続中 でございますので、これらの手続を経まして、必要な告示改正の手続を今後進めてまいりたいと 考えております。また、御意見が寄せられた場合につきましては、分科会長にお諮りしまして、 今後の手続について協議させていただきたいと思っております。 ○吉倉分科会長 その次はジノテフランですが「これまでの経緯」というのは、どの資料に付く んですか。資料2と資料3−1の間に挟まっているものです。先ほど資料の説明にちょっとあっ たものです。 ○河村補佐 これは資料の50ページのところなんです。ちょうど部会報告書と食品安全委員会 の評価書の間に入るというものでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。要するに「これまでの経緯」というのは、資料2の50ページ と51ページの間に挟んで見ていただきたいということです。  それでは、説明お願いします。 ○河村補佐 農薬及び動物用医薬品としてのジノテフランにつきまして、御説明申し上げたいと 思います。  資料の3ページをお開きいただければと思います。これは殺虫剤でございまして、神経系の伝 達物のアセチルコリンの受容体に作用するものでございます。今回、農薬としまして、適用拡大 のものでございます。稲の使用方法、チンゲンサイ、こまつな、かぶ等の農作物、また、マンゴ ーへの使用ということでの適用拡大の要請があったものでございます。  また、この物質につきましては、動物用医薬品ということで、新規の承認申請がございまして、 それについての評価が今回なされたということでございます。  それにつきましては、118ページから食品安全委員会の評価書が記載されてございます。農薬 の部分につきましては、既に平成18年2月に当分科会でも御審議いただきまして、一部の農作 物につきまして、基準値を設定させていただいているところでございます。  118ページからの動物用医薬品としての食品安全委員会の評価でございますけれども、120ペ ージをごらんいただければと思います。中段辺りにジノテフランを有効成分とする殺虫剤の概要 を書いてございます。  「(2)効能・効果」でございますが、これは畜舎、鶏舎またはその周辺のハエの成虫の駆除に効 果があるということでございます。  「(3)用法・用量」でございますが、これは動物に直接何か散布したり、飲ませるということで は全くございませんで、畜舎、鶏舎内、その周辺の場所に散布するという使用方法で用いられる ということでございます。  安全性評価につきましては、121ページの上段から書いてございますけれども、ADIにつき ましては、農薬での審議を踏襲した形で書いてございます。また、適切に使用される限りにおき ましては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できるという形で評価されてい るものでございます。  動物用医薬品としての承認申請の部分で評価をいただいてございますけれども、農作物中に関 する残留基準について、特に影響があるものではないということでございます。  戻っていただきますが、資料の4ページでございます。「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」 でございますが、広く使用されているものでございまして、資料の4ページから稲等々について まとめてございます。  今回、適用拡大があったものにつきましては、資料の10ページでございますが、チンゲンサ イ、こまつな等々の四角囲みしているものでございます。  11ページは、かぶ、にんじん、とうがらし、さやえんどうという形で囲んであるところが、今 回適用拡大の要請があったものでございます。  これらに基づきまして行われた作残試験結果でございますが、20ページから文章でまとめでご ざいます。新しい部分につきましては、今回非常に作物が多うございますので、下線を引いてお 示ししてございます。  これらにつきまして、資料の37ページから表にまとめさせていただいたところでございます。  34ページに戻っていただきまして、これは前回と同じ記載でございますけれども「7.乳汁へ の以降試験結果」という形で試験が行われているものでございます。  「9.ADIの評価等」でございますが、食品安全委員会で再度評価いただいてございますが、 前回と変わらず、ADIはイヌの慢性毒性試験の結果を用いまして、0.22mg/kg体重/dayという 値をお示しいただいてございます。  「10.諸外国の状況」でございますが、農薬としましては、米国でばれいしょ、レタス、ぶど う、乳等で基準値が設定されています。  動物用医薬品としましては、ここで5か国1地域のいずれの国におきましても、食用動物への 直接の使用は今のところ認められていないというものでございます。  今回の基準値案でございますが、資料の45ページから表でまとめさせていただいてございま す。「登録有無」のところで「申」という形で書いてございますのが、今回申請のあったところで ございます。  米につきましては、使用方法の変更という申請でございます。  これらの基準値案に基づきまして、暴露評価したものを36ページにまとめさせていただいて ございます。TMDI試算に基づきまして、ADI比をとったところ、国民平均で12.9%、幼小 児の方で23.4%、妊婦の方で10.3%、高齢者の方で13.9%ということで、いずれもADI比80% を大きく下回っているということで、事務局といたしましては、この基準値案が適当と考えてい るところでございます。  「答申(案)」でございますが、資料49ページに表でまとめさせていただいているところでご ざいます。これは今回変更があった部分のみ、記載させていただいてございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 ジノテフランというのは、農薬及び動物用医薬品の両方に使われるわけですね。 聞いていて、途中で後ろにいったので少し混乱したかと思うんですが、要するに、今回は動物用 医薬品に関する部分については、特別な申請はないということですね。それでいいわけですね。 ○松田課長 特にありません。 ○吉倉分科会長 そうすると、今の動物用医薬品の説明があったわけですけれども、今回は農薬 としての使用のところだけをここでは審議すればよろしいということです。  答申案としては、49ページにあるようになっているわけですが、いかがでしようか。よろしい ですか。  それでは、49ページの答申案でいきたいと思います。  今後の予定などをお願いします。 ○河村補佐 この物質につきましても、現在パブリック・コメント、WTO通報の手続中でござ いますので、所要の手続を経まして、告示改正の手続等を進めてまいりたいと考えております。 また、御意見等が寄せられた場合につきましては、分科会長にお諮りいたしまして、今後の進め 方について御協議させていただきたいと考えてございます。 ○吉倉分科会長 それでは、これで農薬が大体終わって、次は「(3)食品中の動物用医薬品の残 留基準設定について」です。最初のジフロキサシンについてお願いします。 ○松田課長 それでは、資料3−1に基づきまして、御説明します。  5ページ目からですけれども、これは牛、豚、鶏における細菌性呼吸器感染症及び消化管感染 症の治療に用いるという合成抗菌剤でございまして、我が国では豚の細菌性の肺炎に使われてい るものでございます。  今般の基準設定につきましては、本剤を有効成分とする薬剤が薬事法に基づく再審査期間が終 了いたしまして、再審査の申請がなされまして、食品安全委員会でADIが設定されたというこ とに基づいて行うというものでございます。  「(3)化学名」「(4)構造式及び物性」については、ここに記載のとおりでございます。  6ページ目は「(5)適用方法及び用量」ということで、これにつきましては、1日1回体重1 kg当たりジフロキサシンとして2.5〜5mgを飲水に溶かして、豚に3日間経口投与する。休薬 期間は7日間というものでございます。  「2.対象動物における分布、代謝」でございますけれども、豚にやったデータがございます が、ジフロキサシンとしては、72時間で定量限界以下になった、N−脱メチル化体につきまして も、48時間で定量限界以下になったということでございます。  6ページ目の下の方は「3.対象動物における残留試験結果」ということで「(1)分析対象化合 物」としては、ジフロキサシンのデータがございます。  7ページ目は「(2)組織における残留」ということで、豚のデータがございますけれども、大 体5日目で各種臓器からは、検出限界以下になるというものでございます。  「4.許容一日摂取量(ADI)評価」でございますが、食品安全委員会でADIを評価いた だいております。この剤につきましては、8ページにもありますとおり、今回は微生物学的デー タから導き出されるADIということで、ジフロキサシンにつきましては、0.0013mg/kg体重/ 日という基準が設定されているところでございます。  8ページ目の「5.諸外国における使用状況」ですけれども、表にありますとおり、EUで牛、 家禽に対して承認があるものでございます。  FAO/WHOのJECFAでは、評価はされてございません。  「6.基準値案」でございますが、10ページ目を見ていただきたいと思いますけれども、別紙 1ということで、基準値案をまとめさせていただいております。今回は残留データがある豚につ いて、基準値を設定したいと思っております。  先ほど御説明申しましたとおり、休薬期間は7日ということで設定されていますけれども、い ずれもこの残留試験では、5日以降は0.02以下になるというデータもございますので、筋肉、脂 肪、肝臓、腎臓、その他の食用部分について、それぞれ0.02という基準を設定したいということ で考えておるところでございます。  9ページ目に戻っていただいて「(3)暴露評価」ですけれども、ADIとの比較でございます が、TMDIで行いまして、一番多いところでも、幼小児でも2.37%ということでございます。  12ページ目に「答申案」ということで、まとめさせていただいているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。毒性学的データから導かれるADIと微生物学的データか ら導かれるADIで、微生物学的というのは、どういうものなんですか。どなたかお願いします。 大野先生か事務局でも、どちらでもいいです。 ○大野委員 こういう抗生物質の場合には、腸内細菌に影響を与えて、摂取者の栄養状態に影響を 与える可能性がありますので、本体または代謝物など活性を持つものに関しては、腸内細菌に対す る作用も調べて、どのような菌で作用を現すか調べます。また、抗生物質を含む食事を摂取したと きに、腸内に存在すると想定される薬物の濃度と比較して、腸内細菌に影響を与える摂取量を評価 する。この値を毒性試験から得られたADIと比較して、もしそちらの方が低ければ、そちらの方を 基準にしてADIを計算する形でやっています。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。  何か御質問ありますか。内田先生、どうぞ。 ○内田委員 この薬剤の使用方法なんですけれども、これを例えば鶏舎などで使用する場合には、 1匹でも病気になった鶏が出た場合には、そこで飼っている全体に投与するんでしょうか。 ○松田課長 これは飲水での投与になりますので、多分、全部にやるということだそうです。 ○吉倉分科会長 犬伏先生、どうぞ。 ○犬伏委員 同じようなことなんですけれども、残留基準ができたのは豚だけですね。牛や鶏に もこのままで使ってしまうんですか。つまり、休薬期間はどうなんでしょうかということが気に なりました。 ○松田課長 これは抗菌物質なので、含有してはならないという基準で対応したいと思っており ます。 ○吉倉分科会長 何かございますか。大丈夫ですか。  山内先生、どうぞ。 ○山内委員 私もちょっと混乱していて、農薬関係では残留基準データがなくても、EUとかほ かの国に基準があるもので、データや文献などで確認されたものは、そのまま基準値として、こ の委員会で決められるものなどがありますが、今回はEUの基準はあるけれども、豚以外のもの については、残留データがないのでお決めにならない。ほかの農薬等とこれとの違いは、どの辺 にあるんでしょうか。 ○松田課長 これも基本的に諸外国で使われている実態があって、残留試験があれば、それは当 然採用させていただきます。この剤については、牛なども実は登録はあるんですが、アメリカ、 EUでは現実的には使われていない。そんな状況だと聞いておりまして、今回、基準、データも ないものですから、個別の基準は置かなかったということです。 ○山内委員 わかりました。では、基準はあったんだけれども、実際のEU等での使用の実態が なかったので、取り外されるということですね。 ○松田課長 はい。 ○山内委員 ありがとうございました。 ○吉倉分科会長 要するに、決める必要もない。これは日本でも使われないということですね。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 例えば日本で鶏で使うことになれば、また考えるということになるんですか。 ○松田課長 使うことになれば、当然、薬事法に基づいて承認が必要ですし、その際には基準の 設定を考えたいと思います。 ○吉倉分科会長 それでは、ジフロキサシンについては、12ページにありますように豚だけに該 当するわけですが、この答申案でよろしいでしょうか。  それでは、今後の予定をお願いします。 ○松田課長 まだパブリック・コメント、WTO通報は実施しておりませんけれども、今後、実 施いたしまして、コメントがございましたら、分科会長に相談させていただいて、今後の進め方 を対応したいと思っております。 ○吉倉分科会長 それでは、ドラメクチンをお願いします。 ○松田課長 次は、資料3−2のドラメクチンでございます。  5ページ目を見ていただきますと「(2)用途」といたしましては、牛や豚の内部寄生虫、外部 寄生虫の駆除ということで用いられるものでございます。この剤も前の剤と同じように、今回、 薬事法に基づく承認後6年が経過して、再審査申請が行われまして、食品安全委員会でADIが 設定されたということも踏まえて、基準を設定するものでございます。  「(3)化学名」「(4)構造式及び物性」は、5ページ、6ページにあるとおりでございます。  6ページにありますとおり「(5)適用方法及び用量」は、それぞれ牛、泌乳牛、豚、羊、シカ、 トナカイに、我が国または諸外国でも個別に設定されている状況でございます。  7ページ目の真ん中以降に、牛、豚での分布、代謝試験の結果がまとめられております。  7ページの一番最後から「3.対象動物における残留試験結果」ということで、8ページ目で すけれども「(1) 分析対象化合物」としては、ドラメクチンということで実施されております。  いろいろと実施されておりますけれども、例えば牛では脂肪や肝臓に若干少し高目に残るとい うようなことで、データがまとめられているところでございます。  13ページ目は、食品安全委員会における評価でございますけれども、ADIといたしましては、 14ページにもありますとおり、0.001mg/kg体重/日という形でADIが設定されているところで ございます。  14ページ目の「5.諸外国における使用状況」でございますけれども、見ていただいておりま すとおり、米国、EU、豪州、ニュージーランドで、牛、豚等に使用が認められているというこ とでございます。  JECFAでも、ADIは1μg/kg体重/日で設定されているところでございます。  「(2)基準値案」でございますけれども、16ページに別紙1ということでまとめさせていた だきました。基本的に牛、豚につきましては、国際基準、コーデックスの基準がありますので、 コーデックスの基準を参考に設定させていただいたところでございます。ただし、牛のその他の 食用部位につきましては、国際基準はございませんので、肝臓の0.1という基準を参考に設定し たところでございます。  豚につきましては、国際基準が0.005ということで設定されているのでございますけれども、 そのときのコーデックスの評価書の細かいところを見てみましたら、実はそのときに使用した残 留データから見ますと、0.005の基準だと超えてしまうのではないかということで、具体的に申 しますと、そのときのデータを見ますと、豚の筋肉中で平均の±のSDが4±3μg/kgというデ ータを使って0.005という基準を設定していることが判明しましたので、それを踏まえますと国 際基準0.005になっていますけれども、0.01ぐらいを設定しないとまずいのではないかというこ とで、国際基準の倍の値を入れております。ニュージーランドも0.01ということでございますの で、そういう点も参考にしながら設定させていただきました。  また、その他の食用部位につきましては、先ほどと同様に肝臓の値を参考に設定したところで ございます。  その他の陸棲哺乳類につきましては、シカのデータ等も踏まえて、基準をつくったところでご ざいます。  乳につきましては、国際基準を参考に基準を設定させていただいたところでございます。  鶏、その他の家禽、魚介類、はちみつ等につきましては、諸外国でも使用がないということと、 残留データもないということでございますので、現行の基準については削除するということで、 案をつくらさせていただいたところでございます。  こういった形で基準をつくりますと、15ページは「(3)ADI比」でございますけれども、 TMDIで行いますと、ADIの一番多い幼小児で51.9%ということで、80%以内に入るので問 題はないのではないかと考えているところでございます。  18ページに「答申案」ということで、全体をまとめさせていただいているところでございます。  以上です。 ○吉倉分科会長 これは6年間の経過措置の後で再審査申請、食品安全委員会がADI設定を今 回したということですね。 ○松田課長 そうでございます。 ○吉倉分科会長 これは駆除剤なので、要するに、豚その他動物に対する毒性というのは、どん な具合になっていますか。その辺は食品安全委員会の文章の中で、何か出ていますか。どの辺に 毒性があるのかないのか。そこは簡単に紹介してもらえればと思います。 ○松田課長 イヌでやられた試験で一番低いところで出たのは、散瞳というのが出ていますけれ ども、そこを踏まえてNOAL0.1mgということで、それに安全係数100をかけて、0.001mg/kg 体重/日という形で設定しているところでございます。 ○吉倉分科会長 それでは、何か御質問ありますか。よろしいですか。  なければ、18ページのドラメクチンの答申案ということでいきたいと思います。  今後の進め方について、お願いします。 ○松田課長 これにつきましても、今後パブリック・コメント、WTO通報を実施いたしまして、 コメント等がございましたら、分科会長に御相談申し上げてその後の対応は進めさせていただき たいと思っております。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございます。  そうしましたら、アボパルシンお願いします。 ○松田課長 アボパルシン以降、資料4と資料5−1〜5−3までは、また担当の専門官から御 説明させていただきます。 ○吉倉分科会長 お願いします。 ○近藤専門官 資料4に基づきまして、動物用医薬品のアボパルシンについて、御説明申し上げ ます。  資料の5ページをごらんください。動物用医薬品のアボパルシンは抗生物質でございます。  系列につきましては、グリコペプチド系という系列に属するものでございます。  本剤の使用目的につきましては「(2)用途」に書いてございますけれども、鶏の顕性または不 顕性の壊死性腸炎を予防することに伴う飼料効率の改善を目的といたしまして、飼料に添加をし て用いるものでございます。本剤につきましては、メチシリン耐性ブドウ球菌の特効薬でござい ます、いわゆるバンコマイシンと言われる薬でございますが、これに類似した化学構造を有する ものでございます。  国内におきましても、従前使用されておりまして、昭和60年10月に飼料添加物として登録が なされております。その後、耐性菌発現の懸念がございまして、平成8年11月に販売の自粛が 行われております。そして、平成9年3月に飼料添加物としての指定の取り消しが行われている 状況でございます。  「(3)化学名」「(4)構造式及び物性」につきましては、(3)また(4)にお示しをしてい るとおりでございます。  6ページをごらんください。  先に「3.諸外国の状況」をお話いたします。本剤につきましては、耐性菌発現への懸念とい うものが日本でも指摘されているわけでございますが、EUにおきましても、同様の懸念から、 1997年に使用の禁止がなされております。また、オーストラリアにおきましては、2000年に登 録の取り消し、2006年に残留基準の取り消しが行われております。 更に、現時点におきまして、アボパルシンは我が国を含めまして、その製造、販売、流通、使用 といった実態は確認されておりません。  「4.残留基準の設定」でございます。残留基準につきましては、7ページの別紙にお示しす るとおりでございます。  「基準値現行ppm」につきましては、0.1ppm等の数字が設定されておりますが、これにつき ましては、すべて削除をしたいというものでございます。  現行の基準値でございますが、そもそもポジティブリスト制度の導入に際しまして、定量下限 に基づいて設定されておりましたオーストラリアの残留基準を参考として、設定したものでござ います。しかしながら、オーストラリアにおきましても、2006年に残留基準の削除が行われてい る状況でございます。  また、世界各国におきましても、本剤の使用等は認められない状況にございます。このため、 残留基準につきましては、すべて削除いたしまして、告示の一般規則1に示しております「食品 は、抗菌性物質を含有してはならない」という規制により規制したいと考えているところでござ います。  なお、試験法につきまして、若干御説明申し上げます。先ほど来御説明申し上げておりますが、 アボパルシン自体の製造、販売等が全くない状況でございます。このため、本剤については、そ の試験法を開発するに当たりまして必要となる標品の入手が全くできない状況にございまして、 現時点におきましては、使用の実態がないことも踏まえまして、試験法というものについては設 定しないということで考えております。しかしながら、今後、使用等が認められるような状況が あれば、その折には、試験法の開発について検討を進めてまいりたいと考えているところでござ います。  なお、本施策に関します食品健康影響評価でございますが、これは6ページ目の2に書いてご ざいますとおり、本施策を行うことにつきましては、食品健康影響評価は必要ないという旨が報 告されているところでございます。  答申案につきましては、8ページ目になりますが「アボパルシンについては、食品中の残留基 準を設定しないことが適当である」というものでございます。  説明は以上でございます。 ○吉倉分科会長 残留基準は設定しないという答申案ですが、いかがですか。  これは、現状、日本で入手が不可能だという話ですが、輸入食品などではあり得なくはないか もしれないと思うんですが、その辺はどういう具合になっているんですか。見通しとしては、そ ういうことはないだろうという見通しですか。 ○松田課長 いろいろ調べた限りでは、世界的にどこでもつくっていないということなので、ほ かからの転用などがあるのであればまた考えなければならないのですが、そもそもないというこ とのようですので、それは余り心配ないと思っております。 ○吉倉分科会長 あと、こういうふうに設定しない場合は、パブリック・コメント、その他はど ういう具合になるんでしょうか。 ○松田課長 パブリック・コメントでは設定しないということで、やりたいと思っております。 ○吉倉分科会長 わかりました。  何か御質問ありますか。  それでは、設定しないということで答申案を出したいと思います。  では、次お願いします。 ○近藤専門官 アボパルシンの今後の手続について、若干御説明申し上げます。今後につきまし ては、パブリック・コメント、WTO通報を実施いたしまして、コメントがございましたら、分 科会長に相談の上、必要があれば分科会で再度御審議をしていただいくことになると考えており ます。なお、コメントがなければ、告示の改正等の手続を進めさせていただきたいと考えている ところでございます。 ○吉倉分科会長 では、二ギ酸カリウムをお願いします。 ○近藤専門官 続きまして、資料5−1、飼料添加物でございます二ギ酸カリウムについて、御 説明を申し上げます。  資料の5ページをごらんいただければと思います。二ギ酸カリウムにつきましては、ギ酸とギ 酸カリウムから合成された物質となっております。  使用目的は、飼料効率の改善を目的に使用されるものでございます。  本物につきましては、今般農林水産省から飼料添加物としての製造販売の指定要請がなされ、 食品安全委員会で、食品健康影響評価が行われたことによるものでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」「5.適用方法及び用量」につきましては、5ページの 3、4、5にお示しをしているとおりでございます。  5ページ目の末尾「6.諸外国における使用状況」については、2003年にEUにおきまして、 豚の飼料への添加が認められているものでございます。  6ページをごらんください。  「8.許容一日摂取量(ADI)評価」がございます。この中では、まず二ギ酸カリウムにつ いて、投与後、体内におきましては、ギ酸とカリウムに解離することが示されております。また、 ギ酸につきましては、通常の代謝中間体でございまして、カリウムについては、腎機能が正常で あれば、代謝異常を起こすことはなく、特段の残留性も示されていないというものでございます。  更に毒性試験におきましては、遺伝毒性、発がん性は確認されていないものでございます。  結論といたしまして、二ギ酸カリウムは残留性が低く、かつ遺伝毒性、発がん性物質でないこ とから、飼料添加物として、至適添加量の範囲で使用された場合、食品を介してヒトの健康に影 響を与える可能性は無視できると評価されているものでございます。  「9.残留基準の設定」でございますが、このような食品安全委員会の食品健康影響評価の結 果を踏まえまして、残留基準は設定しないことを考えているところでございます。  7ページの「答申案」といたしまして「二ギ酸カリウムについては、食品規格(食品中の飼料 添加物の残留基準)を設定しないことが適当である」というものでございます。  説明については、以上でございます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。よろしいですか。  少し関係ない話なのかもしれないけれども、飼料効率はギ酸カリウムをやると上がるんですか。 ○松田課長 ギ酸が腸内細菌の発育を抑制して、その効果だそうです。 ○吉倉分科会長 わかりました。何らかの格好でスタビライズか何かするんですね。よろしいで すか。  それでは、二ギ酸カリウムについては、食品規格を設定しないということです。では、そうい うことで答申したいと思いますが、お願いします。 ○近藤専門官 本剤につきましては、残留基準を設定しないということでございますので、答申 をいただきました後、農林水産大臣あてに飼料添加物の指定等につきまして、回答いたしたいと 考えているところでございます。 ○吉倉分科会長 農林水産大臣に設定しないということを報告する。これは答申案と書いてある けれども、答申は答申なんですか。 ○松田課長 答申です。 ○吉倉分科会長 わかりました。答申は、農林水産大臣に答申するんですか。これはどこへ答申 するんですか。 ○松田課長 この答申は、当方の厚生労働大臣あてです。 ○吉倉分科会長 わかりました。  では、次お願いします。ギ酸カルシウムです。 ○近藤専門官 続きまして、資料5−2、飼料添加物のギ酸カルシウムについて、御説明申し上 げます。ギ酸カルシウムの資料につきましては、5−2の5ページをごらんいただければと思い ます。  5ページ目に「2.用途」として書いてございますが、こちらにつきましては、ヨーロッパ、 EUを中心に酵母や細菌による飼料の変質を防ぐ目的で古くから利用されていた物質でございま す。近年では、飼料効率の改善を目的に使用される飼料添加物となっているものでございます。  今般、農林水産省より飼料添加物としての製造販売の指定要請がなされまして、食品健康影響 評価が食品安全委員会により行われましたので、今般、その残留基準の検討を行ったものでござ います。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」「5.適用方法及び用量」につきましては、5ページ目 の3、4、5にお示しをしているとおりでございます。  また、5ページ目の末尾でございますが「6.諸外国における使用状況」を記載してございま す。本剤につきましては、1970年以前よりヨーロッパにおきまして、防黴剤(ぼうばいざい)と 読みますが、カビを防ぐ目的で、すべての家畜・家禽飼料への添加が認められているものでござ います。また、1992年には、アメリカにおきまして、カルシウムの補給目的で豚飼料への添加が 認められているものでございます。  6ページでございます。こちらに「7.残留試験結果」として、残留試験につきましては、実 施されていない旨を記載しているわけでございますが、若干説明といたしまして、ギ酸カルシウ ムにつきましては、体内では先ほどの二ギ酸カリウムと同様にギ酸とカルシウムに解離するとい うものでございます。そして、分離されたものの吸収、代謝がなされるというものでございます。 このため、ギ酸カルシウムとしての残留はない。また、ギ酸の代謝は通常の生体内代謝の1つで ございますので、速やかに胃で代謝されてしまうということ。また、カルシウムに関しましては、 正常な生理条件下におきましては、厳密にその濃度というものが管理されるわけでございまして、 更に蓄積という観点で見ますと、歯や骨以外に蓄積することは知られていないものでございます。  「8.許容一日摂取量(ADI)評価」がございます。今、残留性試験の結果の部分でも御説 明申しましたが、その代謝等に加えまして、毒性試験において遺伝毒性、発がん性がないこと。  飼料添加物としての至適添加量の範囲で使用された場合、食品を介してヒトの健康に影響を与 える可能性は無視できるという形で、最終的に評価がなされているものでございます。  7ページに「9.残留基準の設定」がございますが、こちらにつきましては、先ほどの食品安 全委員会の評価結果を踏まえまして、残留基準を設定しないということで考えているものでござ います。  8ページの「答申案」といたしましては「ギ酸カルシウムについては、食品規格(食品中の飼 料添加物の残留基準)を設定しないことが適当である」とするものでございます。  説明につきましては、以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御意見ありますか。よろしいですか。  では、この答申案でいきたいと思います。  今後の手続をお願いします。 ○近藤専門官 こちらにつきましても、答申をいただいた後に農林水産大臣あてに飼料添加物の 指定等につきまして、回答いたしたいと考えているところでございます。 ○吉倉分科会長 先ほどと同じ手続をするということですね。  それでは、グルコン酸カルシウムをお願いします。 ○近藤専門官 続きまして、資料5−3でございますが、飼料添加物のグルコン酸カルシウムに ついて、御説明申し上げます。  資料につきましては、5ページ目をごらんください。グルコン酸カルシウムにつきましては「2. 用途」にもお示しをしておりますが、1862年にカルシウム塩として単離された物質でございます。 目的としては、カルシウムの補給というものでございまして、牛等の飼料添加により用いられて いるものでございます。  また、グルコン酸カルシウム自身につきましては、我が国を含めまして、食品添加物としても 使用されているものでございます。  今般、グルコン酸カルシウムにつきましては、農林水産省より飼料添加物としての製造販売の 指定要請がされまして、食品安全委員会で食品健康影響評価が行われたというものでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」「5.適用方法及び用量」につきましては、5ページ目 の3、4、5にお示しをしているとおりでございます。  6ページ目の「6.諸外国における使用状況」でございます。本品はカルシウム補給の目的で、 アメリカにおいては、GRAS、一般的に安全と認められる物質でございますが、このGRAS 物質として取り扱われているものでございます。また、1999年にはEUで家畜飼料への添加が認 められております。  更に、JECFAにおいても、評価が行われておりまして、グルコン酸塩というグループで評 価がなされております。結論としましては、ADIを特定しないという形で評価がなされている ものでございます。  「8.許容一日摂取量(ADI)評価」がございます。こちらにつきましては、その末尾にな るわけでございますが、グルコン酸カルシウムは、飼料添加物として使用された場合に、食品を 介してヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると評価がなされております。  これを受けまして「9.残留基準の設定」でございますが、食品安全委員会の評価の結果を踏 まえまして、残留基準を設定しないというものでございます。  7ページは「答申案」でございますが、「グルコン酸カルシウムについては、食品規格(食品中 の飼料添加物の残留基準)を設定しないことが適当である」とするものでございます。  本剤につきましての説明は、以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。これは食品添加物ですね。動物用医薬品及び添加物なので、 先ほどのギ酸カルシウムも飼料添加物で、その前の二ギ酸カリウムはどちらなんですか。添加物 ですか。 ○松田課長 飼料添加物でございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。  それでは、そういうことで、答申したいと思います。  今後の予定、その他をお願いします。 ○近藤専門官 こちらにつきましても、答申をいただいた後に、農林水産大臣あてに飼料添加物 の指定等について、回答したいと考えているところでございます。 ○吉倉分科会長 それでは、これで飼料添加物その他が終わりました。  では「(6)器具・容器包装の規格基準改正について」お願いします。 ○松田課長 それでは、資料6−1に基づきまして、御説明申し上げますけれども、よろしけれ ば、サンプルを先生方にお配りしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。 ○吉倉分科会長 お願いします。 (サンプル配付) ○吉倉分科会長 始めてください。 ○松田課長 今回御審議いただくのは、まず容器包装詰加圧加熱殺菌食品の容器包装の規格の改 正ということで、いわゆるレトルト食品と言われる、例えばカレーなどのレトルト食品に適用さ れる規格の強度等試験法の中に、熱封かん強度試験というものがございまして、その試験法を見 直したいというものでございます。  資料の5ページ目から御説明申し上げますけれども、これにつきましては、先ほど申しました 熱封かん強度試験はどういう試験かと申しますと、資料の15ページを見ていただきたいと思い ます。  レトルトの食品の接着部分のところを、こういうふうに短冊状に切りまして、接着している部 分がどのぐらい強度があるかということで、上と下に引っ張りまして、強度がどのぐらいあるか ということを調べる試験が、実は熱封かん強度試験と言われるものでございます。この試験は、 従来の袋状のレトルトの食品の容器包装を念頭に置いて、昭和52年に基準を設定したときから 規定しているものでございます。  5ページ目に戻っていただきまして、真ん中以降でございますけれども、その後、いろいろな 形態のレトルト食品が諸外国では考えられておりまして、今、先生方にお配りしましたような紙 状のパックに入ったレトルト食品や、プラスチックの円形状のレトルト食品も開発されていると ころでございます。  こういう新しい形態のレトルト食品について、先ほどお示しした熱封かん強度試験を適用いた しますと、ここにも書いてありますが、幾つかの問題点がございます。  1つ目にありますように、試験片という形でお示ししていますけれども、こういう試験片を、 まず物によっては取るのが困難だという場合がございます。  あとは、試験片を見ていただくとわかりますけれども、ふた材と胴材で容器の剛性が違うので、 安定に引っ張る力をかけることができないといった問題がございます。  また、この容器などの場合、いろいろなところで折り曲げることによって、実は強度を確保し ているということで、これを先ほど申し上げました熱封かん試験を実施しますと、基準が合わな いという現状にございます。  したがいまして、今回、新たに内圧強度試験というものを別途設定いたしまして、こういった 新たな形態のレトルト食品を使えるようにしたいと考えているところでございます。  内圧強度試験を具体的に申しますと、7ページ目にありますように、日本工業規格、JISで 既に基準としては設定されているものでございますけれども、こういった容器包装に高圧の空気 を入れて、どのくらいで破裂するかということで強度を見るものでございます。  具体的な試験の結果でございますけれども、9ページ目を見ていただきたいと思います。実際 にこういう箱状の容器でやった試験結果がまとめてございます。  実際の結果が10ページ目にあります。表1につきましては、上部と下部の2か所をシールし ているわけでございますけれども、上部と下部について、従来の熱封かん試験でやりますと、こ こにありますように、上部シールは平均で24.8、下部シールで9.2という値が出ております。実 際に熱封かん強度試験の規格は、23n以上の強度を持つというのが規格でございまして、物によ っては適合しない状況でございます。  一方、内圧強度試験の結果を見ていただきますと、平均で42.3kpaまで持つということでござ います。この42.3がどの程度のものかということでございますけれども、戻っていただいて恐縮 でございますが、8ページ目を見ていただきますと、大体レトルトで高圧加熱をしますときには、 最大でも10kpa程度だということでありまして、その倍の20ぐらいを規格として設定しておけ ば十分ではないかと考えたところでございます。  したがいまして、今回規格基準案ということで11ページ目にありますけれども、内圧加熱試 験というものを新たに設定いたしまして、20kpa破裂時の最大圧力が20kpaを担保することとい う形で、新たな基準を設定したいというものでございます。  以上です。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  要するに、内圧強度試験、今までは引っ張るもので、内圧をぶあっと開けることによって、く っ付いているかどうか強度を検査することですよね。 ○松田課長 はい。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  急に聞かれても困るかもしれないんですが、この前、ゼリーで事故がありましたね。こんにゃ くゼリーでしたね。ああいうのは、ひょっとして、こういう包装などと関係があるんですか。急 に聞かれてもしようがないと思うかもしれないんですが、何かあの辺の検討はされていますか。 どうですか。それを見たので、すっと思い出したんです。 ○松田課長 あれはどちらかというと、強度というよりも一口で吸って飲んでしまうという形状 なり大きさの問題ではないかと思っています。 ○吉倉分科会長 ちょっとそれを見て思い出したので、コメントしました。よろしくお願いしま す。  宮村委員、どうぞ。 ○宮村委員 そうすると、従来の熱封かん強度試験に変えて、これをやるということなんですか。 ○松田課長 箱状のこういった容器については、こういった新たな試験をやる。ですので、袋状 の従来のものは、今までどおり引っ張りでやっていただくということです。 ○宮村委員 そうすると、11ページに書いてあった強度等試験法には、2つ記載されるというこ とになるわけですね。 ○松田課長 そうです。並列です。 ○吉倉分科会長 そうすると、これは規格設定で、今後の手続はどういう具合にするんですか。 ○松田課長 これにつきましては、今、WTO通報を実施中でございます。あと、パブリック・ コメントは、これから予定しているところでございますけれども、またコメント等がございまし たら、分科会長の方に御相談申し上げて、今後の対応を進めさせていただきたいと思っておりま す。 ○吉倉分科会長 それでは、次お願いします。 ○松田課長 次は資料6−2でございますが、ポリ乳酸を主成分とする合成樹脂製の器具及び容 器包装の規格基準の設定でございます。  資料の5ページ目からでございますけれども、ポリ乳酸につきましては、既に食品用の容器包 装としては、一部使われてございます。現行の食品衛生法の基準は、5ページにありますように、 一般規格ということで材質試験のカドミウムと鉛及び溶出試験の重金属とKMnO4消費量という ところの規格でもって規制しているところでございますけれども、ポリ乳酸のための個別の規格 については、まだ設定されていないというところでございます。しかしながら、ポリ乳酸につき ましては、生分解性のプラスチックということもありまして、今後、だんだん広く使われてくる ということもございまして、一般規格に加えまして、個別の規格も今回新たに設定したいという ことで検討したものでございます。  6ページ目以降でございますが「1.ポリ乳酸の概要」ということで、名称、化学式等は記載 のとおりでございます。  後で話になりますが、ラクチドという乳酸が2つくっ付いたものがございまして、これがAD Iの設定等のところで御審議いただくものでございます。  6ページ目の下にまいりますけれども、このポリ乳酸につきましては、原料は乳酸なわけでご ざいますけれども、乳酸にはD体とL体の光学異性体がありますけれども、ポリマーとして、D −乳酸の含量が6%以上を超えますと、若干溶出性が異なってくることもありまして、6%以上 のものと以下のもので、アメリカでは区別されている現状がございます。  7ページ目に「2.食品分野での使用状況」ということで、我が国でも既に外食産業や野外で 使用される飲食用のコップ、食器、スプーンなどでも実用化をされている、アメリカでは、それ 以外にもいろいろなところで使われているということでございます。  8ページ目は「3.諸外国での規制状況」でございますが、先ほどD−乳酸の含量が6%以上 と以下で、アメリカでの取扱いが異なっているということでございますけれども、具体的には6% 以上のものにつきましては、例えばBの沸騰水滅菌、Hの冷凍/冷蔵(で使用する際に容器ごと に再度熱を加える等の調理済み食品)ということで、高温で使うような容器については、規制が されている状況でございます。  8ページ「4.食品安全委員会における評価結果について」でございますけれども、9ページ 以降に概略を載せてございますけれども、ポリ乳酸を器具または容器包装として使用する場合に 考慮すべき物質ということで、ラクチドという先ほど見ていただいたものについて評価をいただ いております。そのADIは、0.1mg/kg体重/日ということでいただいております。  また、D−乳酸の含有量、添加剤等の件で、溶出量分解性が大きく変化する可能性があること から、適切な管理措置の設定が必要であるという評価をいただいているところでございます。  続きまして、10ページ目以降の「5.ポリ乳酸の安定性について」でございますけれども、ポ リ乳酸につきましては、12ページ目の表2を見ていただきますと、いろいろな試料の長期もしく は高温時の安定性のデータが出ておりますけれども、要は、先ほど申しましたように、D−乳酸 の量が大きくなりますと、高温で使いますと、総乳酸の溶出量が上がってくる、ほかのD体が少 ないものに比べますと、D体が多いポリ乳酸の場合は溶け出してくるというようなデータでござ います。  一番溶け出る4の試料について、前に戻っていただきますと、どういうものが溶け出るかとい うところをもう少し詳しく見たものが表1でございまして、例えば乳酸とラクチド、オリゴマー ということで、こういった形態の乳酸が溶出条件によって溶け出てくるということでございます。  したかいまして、先ほど申したとおり、FDAの方では、D体が高いものは、100度以上で使 われるようなものに対しては、認めていないということでございます。  12ページの下は「6.ポリ乳酸の管理措置について」ということで、コメントをいただいたと ころでございます。先ほど申したとおり、特にポリ乳酸から溶出してくるラクチドというのにA DIも設定され、管理の対象として考えられているところでございまして、そのために蒸発残留 物ということで規格を設定しようということで検討したところでございます。  13ページ以降には、実際に蒸発残留試験をやったときの結果が出ております。H−280という のが実は一番D体が多いものですけれども、これについても、こういう形で試験をやっていると ころでございます。  蒸発残留物の規格をどういう形で設定するかということで、いろいろ御検討いただいたわけで す。それが13ページの下から3行目からの「(1)蒸発残留物」でございますけれども、蒸発残 留物については、30μg/ml以下とするのが適当ではないかということで、御検討いただいたとこ ろでございます。  また、14ページ目以降でございます。先ほど申したとおり、ラクチドのADI0.1mg/kg体重/ 日ということで、設定いただいたところでございますけれども、これが容器から実際に食品のど のぐらい移行するかというところを推定して、乳酸菌の基準を設定させていただいたところでご ざいます。  設定する際に当たりましては、我が国で国民1人当たりの平均の食品摂取量が3kg、平均体重 が50kg、またプラスチックの市場占有率としては、過大に見積もっても5%はなかろうというこ とで、これはアメリカの評価の仕方でございまして、5%とさせていただいたところでございま す。  あとは食品中の濃度から、溶出液中の濃度への換算ということでございますけれども、食品1 kgが1辺10cmの立方体とみなすと表面積は600cm2になりますので、我が国の溶出試験では1 cm2当たり2mlの浸出用液を使用するということで、今、試験法を設定しておりますので、そう いった考え方で、ADIに体重を掛けまして、それをプラスチックの占有率と平均の食品摂取量 で割って、それを先ほど申しました表面積が600m2だということで、それが1m2当たり2ml ということで、そういったことを換算いたしまして、どのぐらい溶出したら、ADIが目いっぱ い食品に移行するかということを考えますと、1ml当たり大体27.8μgという値になるわけでご ざいます。  これはラクチドでございますので、分析法としては、ラクチドでやりますよりも、総乳酸で分 析する方が分析としてはやりやすいということでございまして、ラクチドの量を総乳酸として換 算いたしますと、34.8μgということになります。したがいまして、そういったことを考えます と、1ml当たり30μg以下であれば、今、御説明申し上げました推定の中では、仮に目いっぱ い食品に移行したとしても、ADIを超すことはないだろうということで基準値を設定させてい ただいたところでございます。  先ほど申しましたとおり、D体が多くなりますと、溶出が多くなるということでございますの で、16ページにありますように「F 器具及び容器包装の製造基準案」ということで、使用温度 が40度を超える器具または容器包装を製造する場合は、D体が6%を超える乳酸は使わない。 ただし、100度を超えない温度で30分以内、もしくは66度以内で2時間の使用に当たっては、 この限りではないということで、短時間しか使わないものであれば構わないんですが、長時間使 うようなものについては、使用温度が40度を超えるようなものには、D体が6%を超えるよう なものは使わないという形の製造基準案を作成したいと考えているところでございます。  以上、個別の規格として、蒸発残留物及び総乳酸の基準を設定する。あと、製造基準案という ことで、先ほど説明しましたような製造基準案を設定するという形で、個別の規格を設定したい というものでございます。  以上です。 ○吉倉分科会長 時間がなくなってきました。  そうすると、この議題については、15ページの真ん中の方に下線が引いてある総乳酸の規格値 を30μg/ml以下にするというところと、16ページの「F 器具及び容器包装の製造基準案」が ポイントですね。それを入れたものが17ページの一番下の「4.標準用液、標準原液」ですね。 ○松田課長 18ページが個別のものです。 ○吉倉分科会長 18ページの「(2)個別規格」で「a 溶出試験」。  あとは、その下の「F 器具及び容器包装の製造基準」です。  これは規格基準の改正です。今までのところで、何か御質問その他ありますか。よろしいです か。そうすると、結局、器具容器包装その他というのは、物によって結構違うから、要するに、 個別にまた基準が決まっていくわけですね。  例えば先ほどの60度30分とか、いろいろ書いてありますから、具体的にはどういう話になる んですか。 ○松田課長 食品衛生法で規制するプラスチックにつきましては、基本的には一般規格というと ころですべてに網をかけております。個別に必要なもの、例えば今までですと塩化ビニール、ポ リエチレンテレフタレート、そういったよく使われているものにつきましては、個別の規格とい うことで必要な項目を設定しているということです。 ○吉倉分科会長 言ってみれば、今回のものは網かけというか、そういうような理解でよろしい わけですね。 ○松田課長 従来、一般規格しかなかったところに、個別の規格を上乗せするということです。 ○吉倉分科会長 わかりました。  これでよろしいでしょうか。山内委員、どうぞ。 ○山内委員 7ページに具体的な国内での使用状況の例がございますが、例えば飲料用コップ、 カップなどですと、普通は冷たいものを入れたりするんですけれども、スープなどを飲むような 場合は100度にかなり近いような温度になりますが、そういったものに使えるコップなどを使う ときは、D−乳酸含有率が6%を超えるものを使ってはいけないと読めばよろしいんでしょうか。 しかし、スープにしても、30分以内には飲んでしまったりしますね。 ○吉倉分科会長 お願いします。使う側はいろいろ使うだろうから、どうだろうかということで す。 ○松田課長 1回しか使わないようなものであれば、先生が先ほどおっしゃったようにすぐ下が ってしまうので、それは使えると思いますけれども、何度も使う可能性があるようなものについ ては、使えないということだと思います。 ○吉倉分科会長 包装などに、注意書きか何かを書くんですか。 ○松田課長 それも1つ考えております。 ○吉倉分科会長 山内委員、どうぞ。 ○山内委員 同じ7ページに、米飯個包装とございますけれども、多分商品を製造するプロセス で、袋ごと加熱をされるようなプロセスがあったりする場合もあろうかと思いますが、そういう ことも勘案した上で、この基準を適用されると考えればよろしいんでしょうか。 ○松田課長 そうですね。袋のままずっと温めるとかそういうものは、基本的にはD体が高いも のは不適切だと思いますので、そういうことでございます。 ○吉倉分科会長 これは、今後の手続はどうなりますか。 ○松田課長 これは今WTO通報を行っておりますし、今後パブリック・コメントの実施の準備 をしておりますので、コメント等がありましたら、部会長と御相談の上、対応を進めさせていた だきたいと思います。 ○吉倉分科会長 これで議題が全部終わって、あとは報告事項です。ちょっと12時を過ぎるか もしれませんが、最初のスギ花粉の方をお願いします。 ○玉川室長 それでは、お手元の報告資料1「スギ花粉を含む食品に関する注意喚起について」 に基づきまして、御説明申し上げます。  初めに「1.経緯」でありますが、和歌山県より厚生労働省に対して、2月24日にスギ花粉 をカプセルに充填した製品を摂取したスギ花粉症の女性がアナフィラキシー様ショックで意識不 明になり、入院したという健康被害の報告がございました。当該事例は、この製品を摂取したこ とが原因であると疑われましたことから、厚生労働省及び和歌山県では、予防的な観点から、報 告資料の3ページ、4ページにございますような形で、同月26日製品名や事例の概要等を公表 したところでございます。  更に同製品は、花粉症の治療または予防を目的とするものとして、薬事法に抵触する可能性も 考えられましたことから、製造業者の所在地を管轄しております山形県におきまして、厚生労働 省の薬事関係部局の方に照会がございました。これに対して、同製品は薬事法上の無承認無許可 医薬品に該当するという見解が示され、山形県におきましては、2月28日、製造業者に対し、 製品の販売中止、回収を指導したところでございます。  食品安全部におきましては、3月15日、健康食品による健康被害事例検討会を開催いたしま して、この検討会での検討の結果、当該健康被害と摂取の間の因果関係は否定できず、また当該 製品以外にもスギ花粉を含む食品について、スギ花粉症の方はこれらを摂取することによって、 重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があるといったことから、消費者に対し適切な情報提 供を行うことが適切であるという意見がとりまとめられたところでございます。  これを踏まえまして、スギ花粉を含む製品の取扱いにつきまして、当分科会の新開発食品調査 部会新開発食品評価第三調査会におきまして、4月16日に御議論いただきまして、都道府県に 対して事業者を指導するよう通知をいたしましたところであります。通知の内容については、後 ほど御説明いたしますが、報告資料の5ページ、6ページに付けているところでございます。ま た、厚生労働省のホームページにおきましては、これらを含む食品に対する注意喚起について、 資料の7ページ、8ページのような形で公表しているところでございます。  資料の1ページに戻りまして「2.通知の概要」でございますが、1つは「(1)スギ花粉を含 む製品の薬事法上の措置について」ということを記しております。花粉症の治療または予防のた めに使用されることを目的としている製品については、薬事法上の医薬品に該当するため、当該 製品を発見した場合においては、事業者等に対して販売中止、回収等の必要な措置を行うよう指 導すること。  2番目といたしまして、上記に該当しないスギ花粉を含む食品につきましても、スギ花粉を含 む旨の表示、スギ花粉症の方は重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、注意する 旨の表示を行うよう事業者を指導すること。これらを都道府県の衛生主管部局長あてに通知して いるところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 報告事項ですが、何か御質問その他ありますでしょうか。  それでは、次の報告事項をお願いします。 ○道野室長 「米国産牛肉輸入の近況と対応について」報告資料2に基づいて、御報告申し上げ ます。  まず「1 輸入動向」ですけれども、昨年7月以降、5月17日まで、1万7,000トンの輸入 が既にございます。  今年に入ってから、混載事例ということで発見されておる事例が3件ございます。いずれのケ ースにつきましても、米国政府が対日輸出適格品というふうに認めていない。要するに、政府が 発行する衛生証明書の中に含まれていないものが従業員のミス等で混載されてきたというケース でございまして、混載されている量も数箱の範囲内というものでございました。私どもは個別事 例と受け止めてございます。ただ、こういった混載事例が確認されたところにつきましては、輸 入手続きの保留なり停止ということで、改善が確認されるまでの間はそういった措置をとってい る状況がございます。  具体的には2にございますとおり、牛ばら肉で2箱、牛タンで4箱、最近の事例でセンマイ、 第3胃でございますけれども、1箱というのが2ページにございます。そういった状況でござい ます。いずれにいたしましても、対日輸出プログラム全般に影響するような問題ではないのでは ないかと考えております。  2ページの3でございますけれども、4月に松岡農林水産大臣とジョハンズ農務長官の間で電 話会談がございまして、結論といたしましては、米側が設けています検証期間の終了、対日輸出 プログラムについて、去年1月に問題があったということもありまして、再開後、一応半年間と いうことを言っていたんですけれども、延長していた検証期間について終了しましょう、終了に 向けて、対日輸出を行っているすべての施設について査察を実施するということ、それから、基 準遵守に問題がない施設については、全箱確認を終了することというようなことが確認されまし た。  4でございますけれども、実際の現地査察の内容です。実は既に帰国しているわけでございま すけれども、5月13日〜28日まで16日間にわたって、厚生労働省、農林水産省の担当者3チ ームで28か所について査察を実施しております。  注釈にございますとおり、28か所の内容でございますけれども、昨年末に査察済みの7施設に ついては除外。現在、操業を停止している認定施設がございまして、これも除外ということで、 それ以外の28施設になっています。その中には、実際に対日輸出実績がある施設もあれば、先 ほど御紹介いたしました問題事例が発生した施設も含めて査察をいたしております。また、実績 のないところにつきましても、プログラムの維持管理状況であるとか、実際にデモンストレーシ ョンを含めた処理の確認等ができることが確認されたということで、そういったところについて も、併せて対象にしております。  こういったことで、手続再開後、約1年近く経っておるわけでございますけれども、米国の対 日輸出プログラム全般についての評価が今回可能ではないかということで、そういったいい機会 になったと私どもは考えておりまして、査察の結果につきましては、現在、米国サイドと細かな 内容について確認中でございますけれども、まとまり次第、後日公表したいと考えております。  以上です。 ○吉倉分科会長 御質問何かありますか。  センマイというのは、何なんですか。 ○道野室長 牛の第3胃でありまして、胃の内腔に粘膜がずっと葉っぱ状に突出しているという んですが、割と粘膜が紙をたくさん積み重ねた形で出てくるものですから、多分そういう枚数が 多いということで、センマイと言っています。 ○吉倉分科会長 これは日本語なわけですね。これは前胃ですね。 ○道野室長 前胃です。 ○吉倉分科会長 わかりました。  あと、箱を全部確認しているという3の(2)ですが、確認するのはどちらがやるんですか。 日本がやるんですか、向こうがやるんですか。 ○道野室長 全箱確認は、日本側で輸入時点で輸入業者がまず全部箱を開けて、内容を確認をす るというような対応になっています。 ○吉倉分科会長 これは米国側にとって、何か負担になるとか、そういうことなんですか。意味 がちょっとよくわからないんです。 ○道野室長 私どもとしても、全箱確認はここに書いておりますとおり、念のための当面の措置 ということで、去年6月に始めたわけでございますけれども、基本的には輸入業者の合意を得て やっている措置ですので、米側に直接の負担があるというわけではございません。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  それでは、5分過ぎましたが、これで全部の議題が終わりました。まだ事務局からあれば、お 願いします。 ○佐々木補佐 次回の分科会につきましては、また先生方と御相談いたしまして、開催日程等は 後日御相談いたします。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 それでは、長い間どうもありがとうございました。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)