08/04/21 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成20年4月21日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 議事録           日  時  平成20年4月21日(月) 15:00〜17:28     場  所  航空会館501・502会議室 1 開  会 2 審  議  議 事:1 議題       (1)食品添加物の指定の可否について       (2)食品中の農薬・動物用医薬品の残留基準設定について       (3)ガラス製、陶磁器製またはホウロウ引きの器具または容器包装の規格          の改正について       (4)アレルギー物質を含む食品に関する表示について      2 報告事項       (1)ネオテームの告示改正について       (2)特定保健用食品(2件)       (3)厚生労働省におけるリスクコミュニケーションの取り組みについて       (4)体細胞クローン家畜由来食品について       (5)食品による窒息の現状把握と原因分析に関する研究 3 閉  会 ○佐々木補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食 品分科会の平成20年度第1回会合を開催させていただきます。  本日は、御多忙のところ御参集いただき、厚くお礼を申し上げます。  まず、本日の出欠状況について御報告申し上げます。垣添委員、岸委員、宮村委員から 御欠席との連絡を事前にいただいております。現在の分科会委員総数19名のうち16名の 御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しますので、本日の分科会が成立いたし ますことを、まずもって御報告申し上げます。  まず、食品安全部長の藤崎より、ごあいさつを申し上げます。 ○藤崎部長 先生方、大変お忙しい中、本日御出席いただきまして誠にありがとうござい ます。食品安全部長の藤崎でございます。年度当初の分科会ということですので、一言だ けごあいさつをさせていただきたいと存じます。  先生方には、本当にこの分科会におきまして熱心に御議論をいただきまして、ありがと うございます。昨年度も数えて6回開催させていただきました。大変に頻繁な開催という ことで恐縮いたしておりますが、ポジティブリスト制度の施行以来、どうしても御議論い ただく項目が多くなりまして、頻度も増えているということでございます。この傾向はま だ今後も続くかと思いますので、本当に申し訳ございませんが、是非本年度もよろしくお 願いいたしたいと、この場をお借りいたしましてお願い申し上げます。  また、前回2月の分科会で、中国産の冷凍餃子関係の事案につきまして御報告をさせて いただきまして、先生方に御審議をいただいたところでございます。おかげさまで本分科 会での審議を踏まえまして、その後に開催されました関係の閣僚会合におきまして、原因 がまだ究明できていないという中でも、このような事案の再発防止に向けての対応をまと めようということで、2月22日にまとめられましたが、その大宋は厚生労働省の分野にか かわるものでございまして、本分科会におきまして先生方に御議論いただいたことを踏ま えた案になってございます。  その後、その案を基に、必要な施行規則の改正でありますとか、さまざまな取り組みを 順次進めているところでございます。また、今後とも御指導・御鞭撻をよろしくお願いい たしたいと思います。  また、その関連でございますが、先般、今月に入ってから、お茶系の清涼飲料水への除 草剤混入の事案がございまして、これにつきましても、そのような緊急事案、化学物質に 起因する人体への重大な影響が危惧されるようなものにつきまして、迅速な対応をとると いうことで食品危害情報総括官会議という場で御報告を申し上げましたり、可能な限り迅 速な対応をとるように努めてまいりましたが、それも本事案の一つの対応の成果と考えて おります。  そういうことで、私どもは科学的に評価を得ながら、一つ一つの規格基準等を決定して いくということと併せまして、危険情報あるいは緊急事案につきましては、機動的・機敏 に対応していきたいと、この両者が私ども食品安全行政の両輪であると考えております。 今後とも私ども頑張ってまいりたいと思いますので、先生方の御指導・御鞭撻を改めてお 願い申し上げます。  また、本日もお手元にありますように、たくさんの資料を配付させていただいておりま すが、本当に多くの事案の御審議、御苦労様でございますが、吉倉分科会長のもと是非よ ろしくお願い申し上げたいと思います。  簡単ではございますが、年度初めのごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしく お願い申し上げます。 ○佐々木補佐 本日の議事につきましては、お手元の資料の確認と併せて進めてまいりた いと思います。  まず、議題といたしまして、食品添加物は1剤、ナイシンでございます。  2つ目の食品中の農薬・動物用医薬品の残留基準設定につきましては、イソプロチオラ ン、豚サーコウイルス、孵化を目的としたニシン目魚類のブロノポールを有効成分とする 魚卵用消毒剤、鶏サルモネラ症の不活化ワクチンでございます。  また、農薬につきましては15剤ございます。アメトリン、インダノファン、エスプロカ ルブ、カフェンストロール、クロルフェナピル、シエノピラフェン、ジチオピル、シラフ ルオフェン、チオベンカルブ、ピラフルフェンエチル、ピリフタリド、フルトラニル、フ ルベンジアミド、ベンゾビシクロン、メフェナセットでございます。  また、そのほかのガラス製、陶磁器製またはホウロウ引きの器具または容器包装の規格 の改正について。  アレルギー物質を含む食品に関する表示についてを御審議いただきたいと思います。  また、報告事項といたしまして5つ。1つ目がネオテーム、2つ目が特保、3つ目がリ スコミ、4つ目が体細胞クローン、5つ目が食品による窒息関連のものを御報告申し上げ たいと思います。  以上、資料の不足等ございましたら、その都度手を挙げていただければと思います。  また、委員の先生のお手元には、資料内容のダイジェスト版を概要版としてお配りして おりますので、御活用いただければと思います。  以降の進行につきましては、吉倉分科会長、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 それでは、よろしくお願いします。30ぐらい議題があって、割り算をす ると1題当たり6〜7分という調子ですが、頑張ってやりましょう。  それでは、最初のナイシンからお願いいたします。 ○小山田専門官 それでは、ナイシンにつきまして御説明させていただきます。  お手元の資料1−1でございます。これは諮問書でございます。  3ページ、資料1−2でございます。これ以降は、添加物部会の報告でございます。  5ページ目以降が添加物部会報告書になっております。  また、31ページ目でございますが、資料1−3といたしまして、食品安全委員会より食 品健康影響評価結果の通知でございます。  32ページは、その評価書になっております。  5ページに戻りまして、ナイシンの食品添加物の指定に関する添加物部会報告書でござ います。  ナイシンは、国際的に安全性が確認され、かつ、汎用されている添加物として、国が主 体的に指定を進めている物質の一つでございます。いわゆる国際汎用添加物の一つでござ います。また、要請者からの要請品目でもございます。  添加物部会での主な論点でございますが、使用基準における食品名の分類、味噌への有 効性について、また、規格につきましては、ナイシンの製造の際に用いる培地として、糖 培地の追加要請が要請者からございました。これを受けまして、食品安全委員会へ糖培地 を用いたナイシンの食品健康影響評価を依頼しております。  その評価結果につきましては、13ページの「7.摂取量の推計」の上のパラグラフでご ざいますが、糖培地を用いて製造されたナイシン製剤(変更行程品)は、乳培地を用いて 製造されたナイシン製剤(従来行程品)と同等の力価を有し、より純度が高く、また、乳 由来の不純物の含有がないことから乳アレルギーのリスクの低減化が図れると考えられる。 以上から、従来行程品の評価結果は変更品の評価にも適用することが可能であると判断し たとされております。  5ページに戻ります。「1.品目名」、ナイシン。  「2.構造式、分子式及び分子量」でございますが、ここに書かれてあるとおりでござ います。また、主たる抗菌性成分は、発酵乳から分離されたラクトコッカス・ラクティス が産生する34個のアミノ酸からなるペプチド(ナイシンA)としております。  「3.用途」でございますが、保存料、製造用剤としております。  「4.概要及び諸外国での使用状況」につきましては、現在50か国以上で保存料として チーズ、乳製品、缶詰等に使用されております。米国では、ナイシン製剤は一般に安全と 認められるGRAS物質として、低温殺菌チーズスプレッド、低温殺菌プロセスチーズスプ レッド等に抗菌剤として使用されております。また、EUにおきましては、ナイシンは保 存料として使用が認められているものでございます。  JECFAにおきましてはADI0.042mg/kg体重/日、また米国におきましてはADI 0.049mg/kg体重/日、EUにおきましてADI0.13mg/kg体重/日と設定されております。  「5.食品添加物としての有効性」につきまして、グラム陽性菌に対して効果がある保 存料であり、プロセスチーズや液卵等のさまざまな食品の細菌による腐敗を防止する効果 を有しております。また、味噌製造の製麹行程及び成熟行程での使用により、細菌増殖を 抑制する効果を有するものであります。  特性といたしましては、常温及び酸性条件下(pH3で最も安定)とされておりますが、 加熱に安定であるとされております。  「6.食品安全委員会における評価結果について」でございます。食品健康影響評価に つきましては、本年1月31日付で報告されております。結果につきましては、ナイシン NOAELの最小値は、ラット3世代繁殖特性試験の1%(12.5mg/kg体重/日相当)と考え られる。安全係数は、繁殖毒性試験で認められている毒性が重篤なものでないことから、 通常の100を適用することとした。これらを踏まえまして、ナイシンのADIは0.13mg/kg 体重/日と評価されております。この値につきましては、EUと同じ値となっております。  また、13ページに記載されているとおり、ナイシンの耐性菌の選択に関しましては、添 加物として適切に使用される場合にあっては、交差耐性を含む耐性菌出現による医療上の 問題を生じる可能性は極めて少ないと考えられる。なお、添加物として適切に使用するた めには、使用基準を慎重に検討することが重要であり、欧米における使用状況を勘案した 上で、耐性菌出現により有効性等に影響を及ぼすことがないよう、十分な配慮が必要と考 えられるとされております。  「7.摂取量の推計」につきましては、15ページの参照1の表にございますとおり、摂 取量の合計といたしまして1.230mg/日となっており、成人体重50kgとした場合、 0.0246mg/kg体重/日、ADI比18.9%となっております。  「8.新規指定について」。添加物部会では、ナイシンを食品衛生法第10条に基づく添 加物として指定することは差し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定に基づき、使 用基準といたしまして、ナイシンは、穀類及びでん粉を主原料とする洋生菓子、ソース類、 卵加工品、チーズ、ドレッシング、食肉製品、ホイップクリーム類(乳脂肪分を主成分と する食品を主要原料として泡立てたものをいう)、味噌及び洋菓子以外の食品に使用しては ならないとされております。  また、使用量といたしまして、精製ナイシンとしてチーズ、食肉製品及びホイップクリ ーム類にあっては、1kgにつき0.0125g以下。ソース類、マヨネーズ及びドレッシングに あっては1kgにつき0.010g以下。プロセスチーズ、洋菓子にあっては1kgにつき0.00625 g以下。卵加工品及び味噌にあっては1kgにつき0.0050g以下。穀類及びでん粉を主原料 とする用生菓子にあっては、1kgにつき0.0030g以下でなければならない。ただし、特別 用途表示の許可または承認を受けた場合は、この限りではないとしております。  また、17ページ以降の成分規格にございますとおり定めることが適当であるという審議 結果をいただいております。  また、対象食品の範囲でございますが、15ページの参考1の表にございます穀類及びで ん粉を主原料とする洋生菓子といたしまして、ライスプディングやタピオカプディング等 を言い、団子のような生菓子は含まないとしております。  また、ソース類といたしまして果実ソースやチーズソースなどのほか、ケチャップも含 む。ただし、ピューレ及び菓子類に用いる、いわゆるフルーツソースのようなものは含ま ないとしております。  29ページ、答申案でございます。以上の添加物部会での審議結果を踏まえまして、ナイ シンについては食品添加物として、ヒトの健康を損なうおそれはないことから、指定する ことは差し支えない。なお、指定に当たっては、以下のとおり使用基準及び成分規格を設 定することが適当であるということで、17〜26ページに成分規格案をお示しさせていただ いております。  本品につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 ちょっと悪いけれども、説明に時間がえらく掛かっているんですよ。も う一つは、どこを見ていいかわからないのでフォローできないんです。ちょっと気をつけ てくれますか。主に表とADI比などの式があるところは重点的につまんで言ってくださ い。今の半分ぐらいの時間でやるつもりでお願いします。  それでは、何かありますか。決めなければいけないのは、答申案にあるような使用基準 でやると。そういう基準でやるとADI比は18.9%ということです。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次にいきたいと思います。ただ、さっき聞いていてわからな かったのは、13ページで従来行程品と変更工程品というのはどういう意味ですか。 ○小山田専門官 これは当初の申請書等に書かれていた糖培地を用いた評価でございまし て、これに行程品としまして同じナイシン製剤なのでございますけれども、乳と糖培地を 用いたものということで追加していると。 ○吉倉分科会長 わかりました。要するに、変更したということですね。 ○國枝課長 乳培地だったものに糖培地を追加したということでございます。アレルギー があるということで、純度を高めたということです。 ○吉倉分科会長 わかりました。  それでは、次をお願いします。 ○小木補佐 資料2−1、イソプロチオランです。  5ページ目をごらんください。農薬としては用途が殺菌剤、動物医薬品としても用いら れまして、牛の肝疾患用剤ということでございます。  作用機序は、農薬としては、いもち病菌を初めとした白紋羽病に対しまして、菌糸発育 阻害作用を有しております。いもち病菌に対しては、付着器からの侵入過程を強く阻害す るといったような作用機序になってございます。  動物用医薬品につきましては、肝細胞に作用して、肝臓におけるタンパク質合成を促進 することによって、脂質代謝を含めた肝機能を向上さるといった効能をうたうことになっ てございます。  6ページ以降で、適用作物、適用病害虫等を一覧表に示してございます。四角で枠囲い している使用液量、使用時期といったところが、今回適用拡大の申請されている部分でご ざいます。稲、ナシ、リンゴ等農作物に対しては適用作物となっておりますし、牛、泌乳 牛の肝疾患に対して適用するものということで、9ページの動物用医薬品としての使用方 法を定める予定とされております。  今回の評価の対象ですけれども、農薬取締法に基づく適用拡大の申請と魚介類への基準 設定要請に伴う基準の設定、それから、ポジティブリスト制度導入時に設定いたしました 暫定基準値の見直しが評価対象の範囲となります。  安全委員会における健康影響評価の結果ですが、「10.ADI評価」に記載されておりま すけれども、イヌの1年間慢性毒性試験ですが、無毒性量が10mg/kg体重/日ということで、 安全係数100からADIが0.1mg/kg体重/日ということで御評価をいただいております。  基準の設定状況ですが、稲、ナシ、リンゴ等に農薬登録がされております。動物につい ては牛、泌乳牛に対して動物用医薬品としての承認が我が国ではされております。  諸外国における状況は、国際基準については設定されておりませんし、米国、カナダ、 EU、オーストラリア、ニュージーランド、いずれの国及び地域においても基準値は設定 されておりません。  20〜21ページが、今の基準の設定状況を含めて一覧表に整理したものとなっています。 左側の縦が農産物、食品名が並んでおりまして、設定させていただく基準値案がその隣に 書かれてございます。真ん中が現行基準値案、網掛けをしている部分です。登録の有無が 国内登録の申請の状況、隣が外国の参考基準値、残留試験成績を一番右に取りまとめさせ ていただいております。  22ページ、暴露量の評価です。こちらがイソプロチオランの摂取量の評価ですが、左側 に食品群が並んでいまして、基準値案を採用したときの農薬の最大摂取量を算出したもの が、国民平均のTMDIの算出欄になってまいります。計としては658μg/人/日という算出 結果になりまして、ADI比としては12.3%を占めるという結果になりました。このよう な基準値の設定の置き方をさせていただいているということでございます。  事務局からは以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  魚の基準も入れてありますが。これは稲とかそういうものに使うので、よろしいですね。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、24ページの表でまいりたいと思います。  これはWTO通報、その他はどうなっていますか。さっきのもそうなんですが。 ○小木補佐 今後の取扱いなんですけれども、パブリックコメント、WTO通報等の意見 聴取期間を経まして、告示の手続を行わせていただくことになるかと思います。意見等が 出ました場合には、また分科会長、部会長とも相談の上、進めさせていただきたいと考え ております。 ○吉倉分科会長 ナイシンも同じですね。  では、次をお願いします。 ○江島専門官 資料3−1−1、豚サーコウイルス感染症不活化ワクチンです。  まず最初に資料3−1−1がありまして、次をめくっていただきますと、資料3−1− 2として部会報告です。そして、9ページの資料3−1−3が食品安全委員会からの食品 健康影響評価結果です。  まず、品目名ですけれども、5ページをお開けください。豚サーコウイルス(2型)感 染症不活化ワクチンです。  用途は、豚サーコウイルス2型感染に起因する死亡率の改善です。  本剤の概要ですが、本剤はPK15細胞培養豚サーコウイルス2型1010−25株培養液を β−プロピオンラクトンで不活化したものを主剤とし、アジュバントとして軽質流動パラ フィン、ポリソルベート80、ポリソルベート85、モノオレイン酸ソルビタン、保存剤とし てチメロサールが使用されております。また、溶剤としてリン酸緩衝食塩液が含まれてお ります。  審議の対象ですけれども、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請に係る残 留基準の設定になります。  6ページに、食品安全委員会における食品健康影響評価結果がございます。当生物学的 製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性 は無視できると考えられるとしております。  我が国の状況ですが、本ワクチンは承認はされておりません。  諸外国の状況ですけれども、本ワクチンは欧州において承認されております。  残留基準の案ですが、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、残留基準を設定しな いことといたします。  答申案として、豚サーコウイルス(2型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加 懸濁用液)については、食品規格を設定しないことが適当であるとしております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがですか。これはよろしいですか。  サーコウイルスは前にもやったような気がするんですが、違いますか。 ○國枝課長 前に、遺伝子組換えで御審議いただいております。 ○吉倉分科会長 では、この案件についてはよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、この答申案でいきたいと思います。  では次をお願いします。 ○江島専門官 済みません、今後の予定ですけれども、本件については基準値の作成はな いので、農林水産省に意見をお返しする予定にしております。  その次は、資料3−2、ブロノポールです。  5ページをお開けください。用途については、孵化を目的としたニシン目魚類の魚卵用 消毒剤です。ミズカビ類の寄生繁茂の蔓延抑制になります。  本剤の概要ですが、本剤の有効成分はブロノポールであり、孵化を目的としたサケ、マ ス、アユ等のニシン目魚類の魚卵に付着するミズカビの寄生繁茂の蔓延抑制のために用い られます。溶解補助剤として、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが使用されて おります。  審議の対象は、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売承認事項変更の承認申請に伴う 残留基準の設定になります。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果です。孵化を目的としたニシン目魚類の 魚卵用消毒剤(パイセス)、これは商品名ですが、パイセスについては適切に使用される限 りにおいて、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられると しております。  我が国の状況ですけれども、本剤は承認されております。  諸外国の状況として、本剤は英国、ノルウェー、チリ等で承認されております。  「9.残留基準の設定」ということで、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、残 留基準を設定しないことといたします。  9ページに答申案がありますとおり、孵化を目的としたニシン目魚類のブロノポールを 有効成分とする魚卵用消毒剤については、食品規格を設定しないことが適当であるとして おります。  御審議のほど、お願いいたします。 ○吉倉分科会長 これは孵化用に使うわけですね。この答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 これは農水に返すだけですか。パブリックコメントをやるんですか。 ○江島専門官 本件については基準値の設定がありませんので、農林水産省に意見をお返 しすることになります。 ○吉倉分科会長 それでは、その次は鶏サルモネラ症。 ○江島専門官 資料3−3です。まず、5ページをお開けください。鶏サルモネラ症(サ ルモネラ・エンテリティディス・サルモネラ・ティフィムリウム)(アジュバント加)不活 化ワクチンです。  用途、適用動物ですけれども、鶏の腸管におけるサルモネラ・エンテリティディス及び サルモネラ・ティフィムリウムの定着軽減です。  本剤の概要ですが、本剤は、サルモネラ・エンテリティディスNT991株及びサルモネラ・ ティフィムリウムA723株を主剤とし、添加物等は、アジュバントとして水酸化アルミニウ ムゲル、不活化剤・保存剤としてホルマリン及びpH調整剤としてトリスマレイン酸緩衝食 塩液を使用した不活化ワクチンです。  審議の対象ですけれども、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請に伴う残 留基準の設定です。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、当生物学的製剤が適切に使用さ れる限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考え られる。ただし、休薬期間については接種12週後に組織学的検査において、中等度から軽 度の肉芽腫様病変及び好酸性微細顆粒が認められていることから、これらが軽微〜消失す ることが認められた16週以降とするのが望ましいと考えられる。  我が国の状況ですけれども、本ワクチンは承認されておりません。  諸外国の状況ですが、諸外国でも承認はありません。  残留基準案は、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、残留基準を設定しないこと といたします。ただし、使用に当たっては食品安全委員会における食品健康影響評価結果 に基づき休薬期間を設定するとともに、本休薬期間が適切に遵守されるよう農林水産大臣 あてに通知することが適当であるとしております。  答申案ですが、鶏サルモネラ症(サルモネラ・エンテリティディス・サルモネラ・ティ フィムリウム)(アジュバント加)不活化ワクチンについては、食品規格を設定しないこと が適当であるとしております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 答申案はこういうことで、農林水産大臣あてにいつ通知するんですか。 この会議のすぐ後ですか、どういう手続ですか。 ○江島専門官 これについても残留基準は設定いたしませんので、農林水産大臣あてに意 見をお返ししますけれども、返す際に休薬期間が12週となっていましたが、16週が適当で あろうという形で意見を返す予定にしております。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、こういうことで答申案を推すと。  では、次をお願いします。 ○小木補佐 農薬になります。資料4−1、アメトリンです。  5ページをごらんください。用途は、除草剤です。作用機序といたしましては、光合成 経路における酵素の阻害をすることによって作用いたします。  適用作物、適用病害虫ですけれども、国内での登録はございません。  6ページに海外の使用状況が表にまとめられておりますが、海外でトウモロコシ、パイ ナップル、サトウキビ等に使用が認められております。  今回の評価の対象ですが、ポジティブリスト制度導入時に設定をいたしました基準値の 見直しということになります。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、イヌの1年間の慢性毒性試験が 実施されていまして、無毒性量としては7.2mg/kg体重/日、安全係数100でADIは 0.072mg/kg体重/日ということになります。  諸外国の状況ですが、国際基準は設定されておりませんが、米国においてトウモロコシ、 パイナップル等、オーストラリアにおいて綿実、パイナップル等に基準が設定されており ます。  これらをまとめましたものが10〜11ページになります。先ほどの農薬の表と同じつくり ですけれども、網掛けをしている部分が現行の暫定基準値です。今回基準値を置かせてい ただくものが左側の基準値案に書かれている数字と農産物名になってまいります。  暴露評価ですが、これらの基準値を設定させていただく予定の農産物について暴露量を 評価いたしましたところ、TMDIで0.8μg/人/日という結果になりまして、ADI比として は0.0%以下の数字を占めるという形の基準の置かれ方になってございます。  14ページが今回答申させていただく予定の残留基準値案の一覧表になってございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 14ページの答申案でいかがでしょうか。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 これは、この後どうするんですか。 ○小木補佐 農薬の方は、意見聴取期間に入っているものについては資料を最後につけて いるんですが、本剤はついておりませんので、先ほどと同じように意見聴取期間になりま すので、それを踏まえまして御相談して進めさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長 わかりました。どの件も大体同じような取扱いだと思います。  それでは、次をお願いします。 ○小木補佐 資料4−2、インダノファンです。  5ページをお開きください。用途としては除草剤になります。作用機序は、タンパク及 び脂肪酸の生合成を阻害することで、細胞分裂・伸長を阻害し、雑草の生育を停止し枯死 させるとなってございます。  適用病害虫等への使用方法ですけれども、稲への適用となっております。  今回の評価の対象ですが、魚介類への基準設定の要請に伴う基準の設定ということで、 農水省さんから基準の設定について要請されたものでございます。  安全委員会における健康影響評価の結果ですが、2年間の慢性毒性/発がん性併合試験、 ラットの長期反復投与毒性試験によりまして、無毒性量が0.356mg/kg体重/日ということ で、安全係数100からADIを0.0035mg/kg体重/日という評価をいただいております。  使用状況といたしましては、我が国については稲に農薬登録がなされている状況です。  諸外国における状況としては、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、E U、オーストラリア、ニュージーランドにつきましても基準値は設定されておりませんで した。  基準値案としては作物残留試験等を行っておりまして、これらを基に基準値案を置かせ ていただいております。米について0.05ppm、魚介類について0.04ppmという基準値を置 かせていただいております。  暴露評価ですが、インダノファン推定摂取量ということで16ページです。表のつくりは 従前と同じですけれども、国民平均としては13.0μg/人/日という摂取量になりまして、A DI比では7.0%という形で基準の設定をさせていただいております。  18ページが、基準値の答申案の一覧表になります。  御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長 これは日本で最初に使われるものですか。今回これが最初なんですか。 ○國枝課長 26ページに書いてございますけれども、三菱化学で開発されたものでして、 海外では韓国などで使われておりまして、現在は日農で開発が進められているということ です。 ○吉倉分科会長 わかりました。いかかでしょうか。  魚介類と書くときは、貝は入れるのでしたか。 ○國枝課長 貝も入れます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、18ページの答申のとおりとしたいと思います。  次をお願いします。 ○小木補佐 資料4−3、エスプロカルブです。  5ページをお開けください。こちらも農薬で、用途は除草剤となります。対象の雑草に 吸収された後に細胞分裂阻害、特にタンパク質合成阻害によって生育を抑制または停止さ せることで枯死させるという機序になります。  適用作物が、稲を対象としたものとなります。  評価の対象ですが、魚介類への基準設定要請に伴う基準の設定ということです。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、1年間のイヌの慢性毒性試験に よりまして、無毒性量を1mg/kg体重/日ということで、安全係数100からADI比を 0.01mg/kg体重/日という評価をいただいております。  我が国につきましては、稲に農薬の登録がされております。  諸外国の状況ですが、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、オー ストラリア、ニュージーランドにつきましても基準値は設定されておりませんでした。  基準値案ですが、14ページに先ほどと同じように基準値案を置かせていただく予定のも のをまとめてございます。米0.02ppm、魚介類0.2ppmという形になります。  暴露評価ですが、国民平均でTMDIとしては合計22.5μg/人/日、ADI比としては4.2% を占める形での基準の設定ということになってございます。  17ページが、今回御審議させていただく予定の答申案です。  御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  ここには米は「玄米をいう」と書いてありますよね。前のものは「玄米をいう」と書い ていないんだけれども、これはどういう違いなんですか。 ○小木補佐 基本的には、お米と言った場合には玄米を言うという定義になっていたかと 思いますので、それは確認しておきますが。 ○吉倉分科会長 どういうときに括弧して入れるのか、どういうときに括弧しないのか。 ○小木補佐 あとの農薬の方では精米が出てくる部分がございますので……。こちらの事 務の関係で、前の方の記載が抜けていたということで、申し訳ございません。「玄米をいう」 と書くのが正式な書き方になるということでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。  では、これはこういうことで答申したいと思いますが、今からパブリックコメント、そ の他ですね。  では、次。 ○小木補佐 済みません、今のエスプロカルブなんですけれども、18ページで、コメント 期間にも入っておりまして、一部コメントの募集をしております。今は募集期間中ですの で、寄せられたコメントに対して対応すべきことがありましたら、御相談をさせていただ いて進めさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長 わかりました。  そうすると、さっきのは「(玄米をいう)」を入れたのが答申案になるわけですね。 ○小木補佐 一様に農産物の規定がそうなっております。 ○吉倉分科会長 それでは、次にいきましょう。 ○小木補佐 資料4−4、カフェンストロールです。  5ページをごらんください。用途といたしましては除草剤です。作用機序ですけれども、 タンパク質や脂肪酸の生合成を阻害し、細胞分裂、細胞伸長、葉原基の生長を阻害する作 用となっております。  適用の範囲ですが、稲への適用ということでございます。  今回の評価の対象は、魚介類への基準設定要請に伴う基準の設定です。  食品安全委員会からの健康影響評価結果ですが、イヌの1年間の慢性毒性試験ですが、 0.3mg/kg体重/日ということで、安全係数100からADI比0.003mg/kg体重/日とすると いうことでの評価をいただいております。  我が国の状況といたしましては、稲に農薬登録がされております。  諸外国における状況は、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、オ ーストラリア及びニュージーランド、いずれにおいても基準値は設定されておりませんで した。  それらを取りまとめましたものが18ページの一覧表になります。表のつくりは先ほどと 同じでございます。  暴露評価ですけれども、TMDIで22.5μg/人/日ということで、ADI比で14.1%という 基準を置いてございます。  21ページが、今回答申をさせていただく予定の基準値案の一覧表になります。  御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  こだわるようだけれども、米は要するに「(玄米をいう)」というのは書かなくてもいい ということなんですか。記載としてどっちなんですか。 ○小木補佐 多分、告示の書き方の作法にのっとったものではないかと思います。 ○吉倉分科会長 要するに、基本的には米と書いてあれば玄米を含むということですね。 ○小木補佐 確認はいたしますけれども、一応そのように理解しております。 ○吉倉分科会長 では、一応ここではそういうことで理解していただきたいと思います。 白米にすればもっと減るわけですから。  それでは、次に行きましょう。 ○小木補佐 資料4−5、クロルフェナピルです。  5ページをごらんください。用途といたしましては殺虫剤です。作用機序はミトコンド リアにおける酸化的リン酸化を阻害することによって作用するという機序となってござい ます。  6ページ、適用作物、病害虫です。四角い枠囲いがされていますが、作物、病害虫、使 用液量、使用時期といったところで適用拡大の申請がされております。リンゴ、オウトウ、 ブドウ、ナミハダニ、柑橘、ミカンキイロアザミウマ等が対象ということでございます。  今回の評価の対象ですが、農薬取締法に基づく適用拡大申請とポジティブリスト制度導 入時に設定いたしました基準値の見直しということです。  食品安全委員会から、無毒性量は2.6mg/kg体重/日、安全係数100からADI比が 0.026mg/kg体重/日との評価をいただいております。  我が国の状況といたしましては、リンゴ、オウトウ、ブドウ等に農薬登録がされており ます。  諸外国における状況ですけれども、国際基準は設定されておりませんで、米国において ナス科の野菜、EUにおいて大麦、野菜類等に、オーストラリアにおいてリンゴ、畜産物 等に基準値が設定されておりました。  33ページからが、それらをまとめました一覧表です。  農産物、畜産物を含めて種類が多くなりますが、摂取量といたしましては、国民平均と してはTMDI706.4μg/人/日となりまして、ADI比では51%を占める形での摂取量の評 価になってございます。幼小児のところでADI比、TMDIで見た場合に95.1%とござい ますので、27ページの暴露評価として推定一日摂取量の評価を併せて行っておりまして、 幼小児に対してEDI、ADI比で37.4%という結果になっております。  40ページが答申をさせていただく予定の農産物、畜産物の基準値の一覧表の答申案にな ってございます。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 これはTMDI比はどっちを使っているんですか。ADI比が出ているん だけれども。 ○小木補佐 38ページの表のことをおっしゃっているのだと思いますが、表といたしまし ては、食品群の隣に基準値案を置かせていただいて、その隣に暴露評価に用いた数字を書 かせていただいております。あとは、国民平均、幼小児、妊婦、高齢者のそれぞれをTMDI、 EDIという形で縦の欄をつくらせていただいて、それらに基づく摂取量の推計数値を入 れさせていただいた数字になってございます。 ○國枝課長 幼小児がTMDIで95.1だったものですから、念のためにEDIを書いたとい うことです。 ○吉倉分科会長 大丈夫でしょう。  答申案は41ページに書いてあります。36ページに動物が書いてあるのは、飼料に使う作 物が入っているからつけてあるんですか。 ○國枝課長 そうです。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 ○渡邊委員 35ページに、ブドウとかイチゴとか生で食べるものが結構高い基準値案が5 ppmとなっているんですが、これは何か理由があるんですか。ここまで食べてもいいとい うことなんですか。 ○吉倉分科会長 結構高いものが茶とかホップとか30というのがありましたね、レタス、 その他……。 ○國枝課長 これは、作物残留試験を参考に行ったものですけれども、例えばブドウを見 ていただきますと、「$」が書いてございます。36ページに注がございますが、実際に作物 の試験をしているときに、そのときの天候条件、例えば雨がたくさん降ったとか、あるい は日照りがあったとか、そういったような状況を考えたときに、このくらいとっておかな いとまずいというのが農水省から来まして、ブドウの場合には2.39でした。これとほかの いろいろな試験を参考にして、5ppmであれば適切に使用していれば範囲内で収まるとい うことで案を設定したものです。 ○吉倉分科会長 こういう計算をしてADIの許容量の中に入りますから、いいだろうと。  ほかはよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、40〜41ページの答申案でいきたいと思います。  パブリックコメントその他は42ページに書いてあります。 ○小木補佐 現在コメントを一番後ろに出しているところでございますので、またコメン ト等がまいりましたら、それに対して御相談等させていただきながら進めさせていただき たいと考えております。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。  次はシエノピラフェンをお願いします。 ○小木補佐 資料4−6、シエノピラフェンです。  5ページをごらんください。用途といたしましては殺虫剤になります。作用機序ですけ れども、代謝生成物がミトコンドリア電子伝達系複合体IIに結合しまして、電子の流れを 阻害するということで作用するとされております。  適用作物、適用病害虫は6ページの表になります。リンゴ、モモ、ナシ、病害虫として はハダニに適用される農薬ということでございます。  今回の評価の対象ですが、農薬取締法に基づく新規農薬登録申請に基づくものです。  安全委員会からの評価結果は、2種類の動物試験の結果をいただいておりますが、2年 間の慢性毒性/発がん性併合試験、ラットの反復投与毒性試験と、生殖発生毒性試験はウ サギに基づくものです。それぞれ無毒性量が5.1mg/kg体重/日、5.0mg/kg体重/日というこ とで、安全係数それぞれ100でADIを0.05mg/kg体重/日ということで設定することが適 当だという御連絡をいただいております。  我が国の状況といたしましては、農薬取締法に基づく新規農薬登録申請ということにな ります。  諸外国における状況といたしましては、国際基準は設定されておりませんで、米国、カ ナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランド、いずれの国・地域においても基準値 は設定されていない状況でございます。  15ページが一覧表にしたものですけれども、農薬登録の申請がされたものですので、登 録申請に基づく申請となってございます。  これを基に推定摂取量を算出いたしましたものが16ページです。国民平均を見ていただ きますとTMDIで272.7μg/人/日ということになりまして、ADI比では10.2%という基 準値を置かせていただいているということでございます。  答申案は18ページになりまして、基準値案を抜き出したものですけれども、この形で答 申をさせていただきたいと思います。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 18ページの答申案でよろしいですか。その隣にパブリックコメント、そ の他が書いてあります。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、次をお願いします。ジチオピル。 ○小木補佐 シエノピラフェンもコメントを聴取中のものになりますので、また同様に進 めさせていただきたいと思います。  資料4−7、ジチオピルです。  5ページをお願いいたします。用途は除草剤です。作用機序といたしましては、雑草の 生長点での細胞分裂を阻害するという作用です。  適用作物、病害虫ですが、適用は稲です。  審議の対象ですが、魚介類への基準設定の要請に伴う基準の設定と、ポジティブリスト 制度導入時に設定した基準値の見直しです。  安全委員会からの評価結果ですが、ラットの2年間反復投与毒性試験によりまして、無 毒性量が0.362mg/kg体重/日ということで、安全係数100からADIを0.036mg/kg体重/ 日と設定することが適当であるという御連絡をいただいております。  我が国におきましては、稲に農薬登録がされております。諸外国の状況ですけれども、 国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージ ーランドのいずれにおいても基準値は設定されていませんでした。  12ページに、これらを取りまとめた表があります。基準値案として、農作物、魚介類に ついて基準値を計算していただいたものです。  ジチオピルの推定摂取量ですけれども、TMDIで国民平均といたしましては20.7μg/人/ 日、ADI比で10.8%を占める形での基準値の設定をさせていただいているところでござ います。  答申案が15ページにございます。米、魚介類ということで0.01ppm、0.2ppmという答 申案の一覧表を示させていただいております。米は「玄米」と括弧書きで入れることにな りますけれども、先ほどのとおり資料の中では省略させていただいている部分がございま す。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 パブリックコメントその他については、16ページに書かれています。 ○小木補佐 パブコメ、WTO通報と意見聴取期間中のものがございますので、また同様 に手続をさせていただきながら進めさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長 それでは、ありがとうございました。  次はシラフルオフェン。 ○小木補佐 資料4−8、シラフルオフェンです。  用途といたしましては殺虫剤です。昆虫の神経膜のナトリウムイオン透過性を変化させ るということで、神経線維の伝導をブロックすることにより作用すると考えられておりま す。  適用作物ですが、作物名で四角い枠囲いになっているところが適用拡大です。適用作物、 病害虫といたしましては、大豆、エダマメ、カメムシ、稲のウンカ類等です。  評価の対象ですが、農薬取締法に基づく適用拡大申請、魚介類への基準設定の要請に基 づく基準設定とポジティブリスト制度導入時に安定基準を置かせていただいておりますの で、その基準値の見直しです。  安全委員会からの健康栄養評価結果ですが、イヌの1年間反復投与毒性試験によりまし て、無毒性量が11.0mg/kg体重/日ということで、安全係数100からADIを0.11mg/kg 体重/日という評価をいただいております。  我が国の状況といたしましては、稲、大豆等に農薬の登録がなされている状況です。諸 外国における状況ですが、国際基準は設定されておらず、米国、カナダ、EU、オースト ラリア、ニュージーランド、いずれの国・地域においても基準値は設定されておりません でした。  これらを取りまとめましたものが23〜25ページに掛けての基準値の一覧表になります。 網掛けをしている部分が暫定基準を置かせていただいている部分ですので、ちょっと長い 表になってございますけれども、今回、基準値案として示させていただく予定が農産物の 隣に書かれている数値ということになります。  暴露評価ですが、基準値案の隣の国民平均のTMDIを見ていただきますと、合計推定摂 取量としては397.6μg/人/日ということで、ADI比としては6.8%を占める形で基準値案 を置かせていただいたことになります。  28ページに答申案がございます。食品群と基準値の一覧表になります。米の取扱いにつ いては、同様の記載となってございます。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 28ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 ちょっと見ていて気がついたんですが、答申案を出しますでしょう、パ ブリックコメントは3月18日ぐらいからまとめていますよね。これは、ここで審議する前 に並行してパブリックコメントを求めるというスタンスなんですか。答申案に対するパブ リックコメントなんですか。 ○國枝課長 部会が終わりまして通常はFSGということで在外公館の人に説明した後、 WTO通報とパブリックコメントを行います。その際に分科会前に既に終了しているもの、 終了していないもの、今回の分科会に間に合わなかったものと3つに分類されておりまし て、例えば今回の場合ですと、3月18日から開始されて4月16日で一応終了していると いう状況のものでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。 ○小木補佐 こちらにつきましても、意見聴取期間のものがございますので、御相談等さ せていただいて進めさせていただくことになるかと思います。コメントについてという29 ページなんですが、16日締め切りで現在までに寄せられた意見数として1件ということで 書かせていただいたんですが、その後また1件追加があったようですので、現在は2件と なっておりますので、訂正をさせていただければと思います。 ○吉倉分科会長 これはどうするんですか。 ○國枝課長 私どもの方で分科会長と御相談して、もう一度分科会にかける必要があれば かけますし、もし、必要がなければ、分科会長了解ということで、必要な告示等の手続を する形になっております。 ○吉倉分科会長 それでは、そういうことで、次に行きましょう。 ○小木補佐 資料4−9、チオベンカルブです。  5ページをごらんください。用途は除草剤です。作用機序としては、アミラーゼの生合 成の阻害、オーキシンと拮抗することによるタンパク質の生合成過程の阻害により作用す ると考えられております。  適用作物、病害虫ですが、稲、レタス、大豆等へ適用される農薬ということです。  今回の評価の対象ですけれども、魚介類への基準設定要請に伴う基準の設定と、ポジテ ィブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しです。  安全委員会からの評価ですが、ラットの2年間反復投与長期毒性試験によりまして、無 毒性量0.9mg/kg体重/日、安全係数100からADIを0.009mg/kg体重/日とすることが適 当であるという御連絡をいただいております。  我が国の状況といたしましては、稲、大豆等に農薬登録がされております。諸外国にお ける状況は、国際基準は設定されておりませんで、米国で米、畜産物等に、オーストラリ アにおいて米に基準値が設定されている状況でした。  それらを取りまとめましたものが25〜26ページに掛けてございます。  基準値案に置かせていただいた数字を基に、チオベンカルブの推定摂取量を計算させて いただいたものが27ページです。TMDI、国民平均で見ていただきますと、99.3μg/人/日 ということで、ADI比としては20.7%という基準値を置かせていただいております。  答申案は29ページにございますが、答申させていただく予定の基準値の一覧表です。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 これはよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 魚介類は貝と魚を分けているんですね。  これは今からパブリックコメントを求めるわけですね。 ○小木補佐 そういうことでございます。 ○吉倉分科会長 それでは、この答申案でいきたいと思います。  では、次をお願いいたします。 ○小木補佐 資料4−10、ピラフルフェンエチルです。  5ページをごらんください。用途は除草剤です。作用機序といたしましては、クロロフ ィル生合成系のオキシダーゼに作用することで、プロトポルフィリンIXが蓄積することに より活性酸素が発生して枯死させるというものでございます。  適用作物、適用病害虫ですが、作物名・適用雑草名に四角で枠囲いがされておりますの で、こちらが適用拡大の部分になります。適用作物といたしましては小麦、大麦、コンニ ャクということです。  評価の対象ですけれども、農薬取締法に基づく適用拡大の申請、ポジティブリスト制度 導入時に設置した基準値の見直しです。  安全委員会からの評価結果ですが、2年間のラットの反復投与毒性試験と発がん性試験 を併合して実施されておりますが、無毒性量としては17.2mg/kg体重/日、安全係数100か らADIを0.17mg/kg体重/日ということで評価をいただいております。  我が国の状況ですけれども、小麦、大麦に農薬登録がされてございます。諸外国におけ る状況については、国際基準は設定されておりませんで、米国においてバイレショ、トウ モロコシ等、オーストラリアにおいて穀類、綿実等に基準値が設定されてございます。  それらを取りまとめましたものが23〜24ページになります。網掛け部分が基準値を暫定 的に置かせていただいた部分で、見直しを含んでいる部分です。  暴露評価ですが、国民平均22.1μg/人/日ということで、ADI比で0.2%が基準値となっ てございます。  29ページに答申案の一覧表がございます。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 29ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、これで答申することにいたします。  次をお願いします。 ○小木補佐 資料4−11、ピリフタリドです。  5ページをごらんください。用途は除草剤です。作用機序としては、生合成過程に関与 する酵素の働きを阻害することによって、タンパク質合成を阻害して作用するということ です。  適用作物、適用病害虫等の整理です。適用は稲ということになります。  今回の評価の対象ですけれども、ポジティブリスト制度導入時に設置した基準値の見直 しです。  安全委員会からの健康影響評価結果は、ラットの2年間反復投与長期毒性試験に基づき まして、無毒性量が0.56mg/kg体重/日ということで、安全係数100からADIを 0.0056mg/kg体重/日とすることが適当であるという回答をいただいております。  我が国の状況ですが、小麦、大麦等に農薬登録がされてございます。諸外国における状 況につきましては、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、オースト ラリア、ニュージーランド、いずれの国及び地域においても基準値は設定されておりませ んでした。  17ページが、基準値案と基準値の設定状況を一覧表にまとめたものです。  それに基づきまして、18ページが本剤の推定摂取量の計算ですが、国民平均のTMDIと いたしましては3.7μg/人/日で、ADI比で1.2%という基準値を置かせていただいたとい うことでございます。  答申案は20ページにございます。記載については、前に述べましたとおり括弧書きで入 れることにしておりますので、同一の取扱いとさせていただければと思います。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  これは米にやっているんだけれども、除草剤というのは余り魚介類に対する残留は決め ないのでしたか。 ○國枝課長 農水省と申請者の方で水産動植物被害予測濃度と生物濃縮係数を計算しまし て、一律基準の0.01ppmよりも超えない場合は魚介類への適用申請を行わないということ になっていますので、恐らくこの件も計算したときに0.01ppm未満だったので、しなかっ たということだと思います。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。  それでは、次に行きましょう。 ○小木補佐 資料4−12、フルトラニルです。  5ページをごらんください。用途といたしましては殺菌剤です。こちらも電子伝達系の 作用によりまして殺菌活性を有するというものです。  適用作物等ですが、四角い枠囲いがされている部分が、適用拡大の申請がされていると ころでございます。作物といたしましては、コンニャク、ネギ、レタス等の適用になりま す。  今回の評価の対象ですけれども、農薬取締法に基づく適用拡大申請、インポートトレラ ンス制度に基づく申請、それから、魚介類への基準設定要請に伴う基準の設定及びポジテ ィブリスト制度導入時に設置した基準値の見直しということでございます。  安全委員会からの健康影響評価の結果ですが、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合 試験、長期の反復投与毒性試験によりまして、無毒性量が8.7mg/kg体重/日、安全係数100 からADIが0.087mg/kg体重/日となってございます。  我が国の状況といたしましては、レタス、ネギ等に農薬登録がされているという状況で す。諸外国における状況は、国際基準は米及び畜産物に設定されておりまして、米国にお いて米、バレイショ等、オーストラリアにおいてバレイショ及び畜産物に基準値が設定さ れてございます。  それらを取りまとめましたものが33〜34ページに掛けての表になります。表の下に、米 ぬか、精米等の基準値も置かせていただいたところです。  摂取量ですが、国民平均のTMDIで1000.4μg/人/日という算出結果になりまして、AD I比で21.6%を占める形での基準値を置かせていただいたということです。  答申案は37ページにございます。こういった形で申請させていただく予定としておりま す。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。  これは「2」と「2.0」と区別しているんですか。有効数字は有効数字なんだけれども、 ものによって変えているんですか。単なる有効数字でしたか。「1」と「1.0」とか、ちょっ と目立ったので気がついたんですけれども。 ○小木補佐 答申案の数字と、前の基準値案として書かれている農産物の並んでいる表の ところと見比べておっしゃっているのだと思うんですけれども、有効数字の取扱いは確認 をさせていただいて、適切な記載にさせていただきます。 ○國枝課長 これは、たしか根拠となったものがどうなっていたかということでして、「2.0」 の場合には下のけたで見ますし、「2」の場合には小数点1のところが四捨五入という形で、 それは根拠となったもので相違してまいります。 ○吉倉分科会長 わかりました。要するに、元のデータが「2.0」になっていれば「2.0」だ し、元のデータが有効数字がなければ「2」とするという話ですね。 ○國枝課長 37ページの答申案ですけれども、下の方に米ぬかとか精米とございますけれ ども、これは通常、残留基準の場合には、まず個々の農薬についてさまざまな適用の農作 物の基準がありまして、その後、畜水産物がありまして、それから加工食品と順番に書く 形になっていますので、米ぬか、精米については加工食品の扱いということで下になって いるということでございます。 ○吉倉分科会長 そういうことですが、37ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 これも今からパブリックコメント、その他ですね。 ○小木補佐 これからパブリックコメント、WTO等の手続を行って進めさせていただけ ればと思います。 ○吉倉分科会長 それでは、次にいきましょう。 ○小木補佐 資料4−13、フルベンジアミドです。  5ページをごらんください。農薬の用途といたしましては殺菌剤です。カルシウムイオ ンチャネルに作用して、細胞質への放出を促進し、体収縮症状を引き起こすことによって 殺虫効果をもたらすという作用機序になってございます。  適用病害虫の範囲及び使用方法ですが、四角い枠囲いがされておりますので、拡大申請 がされてございます。  適用作物、病害虫といたしましては、モモ、ナシ、リンゴ、イチゴ、トマトでございま す。  評価の対象ですが、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準の設定です。  安全委員会の健康栄養評価の結果ですけれども、104週間の発がん性試験が行われており まして、無毒性量が1.7mg/kg体重/日、安全係数100という評価をいただいておりまして、 ADIといたしましては0.017mg/kg体重/日という御連絡をいただいております。  我が国の状況は、モモ、トマト等に農薬登録の申請がされてございます。諸外国におけ る状況は、国際基準は設定されておらず、米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュ ージーランド、いずれの国及び地域においても基準値は設定されておりませんでした。  それらを取りまとめたものが、19ページからになります。国内の農薬登録申請というこ とでこのようになります。  暴露評価ですが、国民平均のTMDIといたしましては599.6μg/人/日となりまして、A DI比は66.2%という形での基準の設定ということです。幼小児のところでADI比が 103.8%という数値がございますので、EDIによる摂取量の推計を行っておりまして、15 ページがEDI/ADI比の表になります。EDIで見ますと、幼小児で39.2%という値 となっております。  答申案は23ページにございます。これらの農作物につきまして答申案を……。済みませ ん、資料4−13のまとめの資料があるんですけれども、答申案が18ページと書いてあるん ですが、基本的にはページの順番に並んでいますので、お配りしている資料の方では23ペ ージが正しいページ数となります。誤植がありまして申し訳ございません。23ページが今 回答申させていただく予定の基準値の表になります。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 答申案は23ページで、よろしいですか。  これはEDI比を使っているわけですね。 ○渡邊委員 47ページですが、毒性所見に20,000ppmで雄・雌ともに「肝暗色調化」と書 いてあるんですが、こういうものは毒性所見でどういうものに対応するかというのはわか らないですか。肉眼だけなんですか。 ○吉倉分科会長 「肝小葉周辺性脂肪化」ですか。 ○渡邉委員 その上の20,000ppmのところに「肝暗色調化」とだけありますが、これはク モグレローシスとかそういうことではないんですよね。 ○吉倉分科会長 立ち上がり姿勢スコアというのは何ですか。ネズミが立ち上がるんです か。 ○大野委員 立ち上がり姿勢スコアというのは、オープンフィールドというものを歩き回 る場所に置いておいて、そうすると、歩き回りながら立ち上がったりするんですね。その 数を数えて運動量の指標にするんです。多分そのことではないかと思います。具体的にデ ータを見ていませんけれども、そう思います。  肝暗色調化というのは、病理じゃないのでよくわかりません。 ○吉倉分科会長 肝暗色調化、肝臓が少し黒っぽく見えるという話ですかね。  ただ、ADIの決定は何でやっていましたか。 ○小木補佐 ラットの方の104週間発がん性試験です。 ○吉倉分科会長 だから、ラットの肝小葉のこれでやっているので、それより高い濃度だ からいいのだと思いますが。  それでは、これは答申案どおりでいきましょう。  次をお願いします。 ○小木補佐 資料4−14、ベンゾビシクロンです。  5ページをごらんください。用途といたしましては、除草剤です。カロチノイド生合成 経路を阻害することによって、クロロフィルを減少させて枯死させるという機序とされて おります。  適用作物、病害虫の一覧表は6ページからございます。適用作物は稲です。  今回の評価の対象は、ポジティブリスト制度導入時に設置いたしました基準値の見直し です。  安全委員会からの健康影響評価結果ですが、2年間のラットの反復投与毒性/発がん性 併合試験によりまして、無毒性量が3.43mg/kg体重/日、安全係数100でADIが 0.034mg/kg体重/日という評価をいただいております。  我が国の状況といたしましては、モモ、トマト、リンゴ等に農薬登録がされております。 諸外国における状況としては、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、 オーストラリア及びニュージーランド、いずれの国・地域においても基準値は設定されて おりません。  それをまとめましたのが15ページです。米につきまして0.05ppmという基準値になり ます。  摂取量ですが、国民平均のTMDIといたしましては9.3μg/人/日ということで、ADI 比では0.5%程度の基準値の設定となっております。  答申案は18ページにございます。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 18ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、次をお願いします。 ○小木補佐 農薬としては最後になります。資料4−15、メフェナセットです。  5ページをごらんください。用途は除草剤です。根部先端の生長点及び地上部生長点で の脂肪酸生合成に作用して植物の生育を停止させる機序とされております。  適用の範囲ですが、四角い枠囲いがされておりまして、製剤名が適用拡大部分でござい ます。適用農作物としては稲ということでございます。  審議の対象ですが、基準値としては魚介類への基準設定要請に伴う基準の設定というこ とです。  安全委員会からいただいている評価結果は、2世代繁殖毒性試験によりまして無毒性量 が0.7mg/kg体重/日ということで、安全係数100、ADIといたしましては0.007mg/kg体 重/日ということでございます。  我が国の状況といたしましては、モモ、トマト等へ農薬登録がされております。諸外国 における状況は、国際基準は設定されておりませんで、米国、カナダ、EU、オーストラ リア及びニュージーランド、いずれの国・地域においても基準値は設定されておりません でした。  それらをまとめまして16ページの表を作成してございます。  国民平均の推定摂取量ですが、TMDIといたしましては84.5μg/人/日、ADIとしては 22.7%の基準値を置かせていただいたところでございます。  答申案が19ページにございます。米、魚介類につきまして、このような基準値を置かせ ていただいてございます。  御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 6ページの12%というのが今までやっていなかったんですか。これが新 しく使われるという意味ですか。 ○國枝課長 はい。 ○吉倉分科会長 19ページの答申案でよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 その後の手続は、これからパブコメ、その他があるということです。  どうも御苦労様でした。  それでは、今から幾つかありますが、何とか5時半までには終わると思います。ガラス 製、陶磁器製またはホウロウ引きの器具または容器包装の規格改正について、お願いしま す。 ○束野補佐 お手元の資料5−1、資料5−2に基づきまして、御説明いたします。  ガラス製、陶磁器製またはホウロウ引きの器具または容器包装の規格の改正についてで ございます。お手元の資料5−2の3ページをごらんいただきたいと思います。  現在、食品衛生法では、食品用に使用します器具または容器につきまして、ガラス、陶 磁器、ホウロウ引きに共通の鉛、カドミの溶出規格が設定されております。今回の改正案 は、この試験法は変更せずに、共通であった規格をガラスはガラス、陶磁器は陶磁器、ホ ウロウ引きはホウロウ引きとそれぞれ分けまして、最新のISOに基づいた規格に変更し ようとするものでございます。  概要は4ページにあります表をごらんいただきますと、右側のカラムに現行の規格がご ざいまして、(1)液体を満たしたときに深さが2.5cm以上のものと、(2)液体を満たせないか、 または満たしたときに深さが2.5cm未満のものという分け方をして、それぞれ鉛、カドミ の規格を設定しております。  改正案では、ガラスの場合に現行の区分では、例えば深さが2.5cm以上のものは1.1Lで 切りまして、それ以上とそれ未満というところで切っておりましたが、ISOの最新の区 分に従いまして、600ml未満、600ml以上、3L未満、3L以上、それから、加熱調理用 の器具といったような区分を新たに設定しております。  同様に陶磁器につきましても、加熱調理用の区分といったものを今回新たに御提案して おります。  5ページ、ホウロウ引きにつきましては、3L未満のものを非加熱と加熱とそれぞれ 2.5cm以上と2.5cm未満を満たせないものにつきまして設けております。  今回の改正のもう一つの特徴は、お手元の資料の3ページの2に概略を書いてございま すが、加熱用の調理器具の規格はISOでございました。これは8391という規格ですが、 4%の酢酸を入れて2時間煮沸するという試験条件を課しております。今回採用いたしま したのはこの規格ではございませんで、4%酢酸を入れて24時間室温で置いて測定すると いうものですが、煮沸の条件のISOを採用しなかった理由が(1)(2)(3)で書いてございます。 (1)煮沸条件、すなわち沸騰への到達時間や、緩やかな沸騰状態を一定にすること、火力を 一定にすることが難しいこと。(2)満量の3分の2に相当する試験溶液、酢酸しか入れない ため、上縁部分からの溶出を反映できないこと。これは沸騰しますと吹きこぼれますので、 必然的に満量を満たせないということになりまして、試験法では3分の2という規定にな っています。これですと、申し上げましたように、上の縁からの溶出は測定ができないと いうのが理由です。それから、(3)は諸外国においても煮沸の条件を採用している国は見当 たらなかったということから採用しておりません。これが今回の特徴でございます。  それから、煮沸しなくてもきちんと溶出が見られるかということにつきましては、試験 を実際に行っておりまして、4%酢酸で2時間煮沸しなくても、常温で24時間溶出させれ ば調整が不十分な試料からは、ほぼ全量の鉛が溶出して、それを検出できることが確認さ れておりますので、そういった意味でも煮沸の条件を採用しなくても十分だということが 確認できております。  もう一つの特徴は、ISOではカップとマグ、側面が湾曲したものをカップ、竹のよう に真っ直ぐなものをマグと言っておりますが、それらについての規格が設定されておりま すが、これは日本の食器には、例えば麺類のどんぶりですとか、あるいは御飯茶碗は通常 御飯を入れるものですけれども、一部お茶を入れたりとか、あるいは湯飲みのような、カ ップ・マグ以外にも熱いものを入れて口をつけるようものというのはさまざまに存在しま す。今回そのカップ・マグにつきましては、ISOでは約240ccとか、あるいは熱いもの を入れて飲む容器ということで設定がされているんですが、これが日本の食器のどこまで 適用するかということについて明確に線引きができないということから、今回このカッ プ・マグについては採用しておりません。  3点目の特徴といたしましては、ISOのホウロウ引きの規格には、飲み口というとこ ろだけに規格値が設定されておりまして、飲み口といいますのは、例えばマグで言えば外 側の面の上のへりから2cm下の環状の部分につきまして規格値が設定されておりますが、 これは1個当たり鉛ですと2.0とか、カドミですと0.2と、内側に設定されている規格値よ りもかなり高い値で設定されておりまして、このように非常に高い規格値を設定すること 自体に意味がないということもありまして、飲み口の規格を設定することは今回不採用と いうことで採用しておりません。  以上が、ISOと今回の改正案との主な違いですけれども、それ以外はガラスの規格が 2つに分かれておったんですが、ホウロウウェアと中空容器ということで、深さが2.5cm 以上の水差しのようなものを考えていただければと思いますが、そういったガラス製容器 と、ディナーウェアといいまして、要するに肉などをのせる平皿のようなものとで分かれ ておりますが、厳しい方を採用いたしまして、それぞれにガラスの方は2つに分かれてい たものを1つに統合したような形で改正案がまとめられております。  なお、これはお手元の資料の3ページの1の第2パラグラフに書いてございますとおり、 平成16年〜17年度の厚生労働科学研究の中で、こういったISO規格を参考に改正案が取 りまとめられております。これにつきましては、TBT通報が4月上旬、同時にSPS通 報についても行っておりまして、4月19日に終わりましたがコメント等は来ておりません。  パブリックコメントにつきましても3月7日で終了しておりまして、大部分のコメント は経過措置期間を十分とってほしいということでございました。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか。結構ややこしいですけれどもね。  西島さん、何かありますか。 ○西島委員 特にありません。 ○吉倉分科会長 3ページの煮沸条件のISO8391は、何でこんなできない基準をつくった んですかね。何か理由があるんですか。4%酢酸、常温、24時間の溶出条件でも、ほぼ全 量の鉛が溶出すると書いてあるんだけれども、この意味がよくわからないですね。そもそ も食器の鉛というのは何に由来するんですか。 ○國枝課長 これはうわ薬に由来します。鉛を加えることで、光沢をよくするみたいです。  先ほどのISOの沸騰条件の2時間というのは、恐らく時間的に短いということで、こ ういうものがつくられたんですけれども、私どもが調べたところでは余り使われていない と聞いております。  それから4ページをごらんいただきたいのですが、中国製の土鍋でぐつぐつ煮たときに、 少し鉛が出ているんじゃないかという話がありました。これが今回の改正の一つの問題意 識として持っておりました。例えば、4ページで3Lの土鍋が仮にありますと、現行では右 のカラムの(1)の1L以上で、鉛ですと2.5μg/ml以下という形になりますが、今回の改正に なりますと、左側の陶磁器製が分かれましたが、加熱調理用器具が0.5μg/ml以下というこ とで、実際には5倍規格が厳しくなっています。これは、一つの例でございますけれども、 そういった形で改正がされているということでございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  ここではっきりさせなければいけないのは7〜8ページですか。 ○國枝課長 これが実際の新旧対照表で、もう少し具体的に規格基準の試験法が示されて いるものです。 ○吉倉分科会長 だから、左側が告示改正ですね。今説明された内容は左側に出ていると いうことです。これでよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、その次をお願いします。 ○西嶋補佐 資料6でございます。食物アレルギーの表示にエビとカニを加えるというも のでございます。  2ページ目、食品衛生施行規則の中で、今まで5品目、小麦、そば、卵、乳、落花生を アレルギー表示義務の対象としておりましたが、エビ、カニをここに追加するということ について御議論いただければと思います。  3ページに詳細がございます。経緯といたしましては、平成16年の報告書の中で、現在 もそうですが、推奨品目であるエビについて一定の頻度があることと、発生件数が認めら れることから、表示の義務化を検討すべきということで御提言をいただいております。以 降、技術的な検討等を含めまして検討を行っておりました。  今回の見直しということで、2の「1)特定原材料の追加について」ということで、「●」 が今回のポイントでございます。  背景といたしましては、エビに係る交差反応性、具体的にはエビアレルギーの患者さん がカニを食べますと、6〜7割近い方が症状を発症するようなこと、あるいは食物アレル ギーに関する実態調査では、義務表示されている5品目に引き続き6位という頻度だった ことから、見直しを実施するものでございます。  1つ目の「●」といたしましては、その表示の範囲として十脚目、いわゆるエビ・カニ を対象とするものでございます。  2つ目、実際の表示の方法といたしましては、エビにあってはエビ、カニにあってはカ ニということで、例えば甲殻類、魚類といったまとめた表示は、これまでのアレルギーの 制度にのっとり引き続き行わないということでございます。  2)で具体的にエビとカニの範囲を記させていただいております。基本的に食物アレルギ ー制度につきましては、日本標準商品分類に沿って定めておりますが、今回につきまして もエビ・カニにつきまして7133、7134をエビの範囲とし、カニの範囲といたしましては 7135とするということでございます。  また、今後の予定といたしましては、改正施行規則施行後2年程度猶予期間を置くとい うことでございます。  5ページ以降、1つだけ個別のお話をさせていただければと思います。昨年10月、1か 月間パブリックコメントをさせていただきましたが、その中でも非常に御意見の多かった ものといたしましては、いわゆるコンタミネーション、意図せぬ混入の場合にどう表示す ればいいかというところでございます。エビあるいはカニといったような場合には、いわ ゆるそうでないものを原材料として使っていた場合に、その魚介類が子エビあるいは小さ いカニをえさとして食べている、あるいは網で混ぜてとっているというようなことから、 実質上分類が不可能ではないかという、いわゆるコンタミネーションの例が指摘されてお ります。その後、我々といたしましても実態調査をさせていただき、いわゆるジャコ、あ るいは練り物についてそういったものが多いということを確認いたしております。  その答えでございますが、消費者への情報提供として注意喚起表示をすることが望まれ るということで答えを作成させていただいております。基本的には、これまでのコンタミ ネーションの考え方と変わるものではなく、それを踏襲しているものでございます。  以降、個別にいただきました御意見につきましては、こちらの方でまとめさせていただ き、それぞれに10答を作成させていただいているところでございます。  また、最後の9ページでございますけれども、「V その他」できちんと猶予期間を設け てほしい、あるいは説明会を実施してほしい等の要望等もございましたので、そういった ことも踏まえまして、現在のところは事務手続終了後2年程度の猶予期間をもって施行す るということを考えているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。何か質問ありますか。8ページにオキアミに似たもの は余りアレルギーを起こさないと書いてありますが。  よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、2ページ目のエビ・カニを別表第六に加えるということです ね。  次は、その他ですが。 ○佐々木補佐 御報告を5件させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。 ○小山田専門官 報告資料1、ネオテームの規格基準についてでございます。ネオテーム の告示改正について御報告させていただきます。  ネオテームにつきましては、昨年12月28日に告示されておりますが、その後内容につ きまして誤りがあるのではないかという情報提供がございました。事務局でチェックを行 い、やはり誤りが明らかになりました。具体的には、純度試験(3)鉛、また、(4)ヒ素の値 につきまして、通則に従いまして有効数字を修正しております。  また、摂取量の文言につきまして、「約12分間」を「約12分」に訂正しております。  これら内容につきまして、訂正の告示をしたいと考えております。  以上、報告申し上げます。 ○吉倉分科会長 これは単なる訂正ですね。  その次は、特定保健用食品に係る報告資料2をお願いします。 ○杉原審査官 報告資料2「特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果につい て」御報告申し上げます。  本年3月21日に開催されました新開発食品調査部会において審議を行いました結果、2 つの製品につきまして特定保健用食品として認めることとして差し支えないと判断されて おります。個別の品目につきましては、資料の2ページ目をごらんいただきたいと思いま す。  1つ目はモーニングバランスで、「本品は消化吸収されにくい炭水化物である難消化性再 結晶アミロースを含んでおり、食後の血糖値が気になる方に適しています」という表示内 容となっております。  2つ目は、明治リカルデントTMミルクで、「虫歯の始まりは歯の脱灰です。本商品は脱 灰部分の再石灰化を増強するCPP−ACPを配合しているので歯を丈夫で健康にします」と いう表示内容となっております。  なお、本表の一番右にございます「2」や「5」につきましては、3ページの表の区分 に対応したものとなっておりまして、これによって部会等の審査の区分が分かれていると ころでございます。  報告は以上でございます。 ○吉倉分科会長 表示内容というのは、包装の外に書くんですか。 ○杉原審査官 消費者の方が目に見えるところに書く文言でございます。 ○吉倉分科会長 CPP−ACPなんて見てもわけがわからないけれども、こういう表示はい いんですかね。表示部会では特にこの辺は文句は出なかったんですか。全部書いても、ま たわけがわからないのかもしれないけれども。 ○杉原審査官 全部書くと長くなってしまうものですから。 ○吉倉分科会長 わからない表示をするというのは……。コーデックスなどで結構文句が 出そうだけれども。わかる人もいるのかもしれないけれども。  表示の原則というのはどうなっていましたか。 ○渡邊委員 今度、一本化して検討するそうです。 ○吉倉分科会長 わかりました。検討していただいた方がいいかもしれない。  その次は、厚生労働省におけるリスクコミュニケーションについて、お願いします。 ○牛尾参事官 報告資料3でございます。「厚生労働省におけるリスクコミュニケーション の取り組みについて」ということで、平成19年度分をまとめております。  意見交換会等の開催ということで、テーマはBSE牛肉問題と、輸入食品の問題が社会 的に上がりましたので、輸入食品の安全確保全般、それから、毎年やっておりますが、翌 年度の輸入食品監視指導計画に関するリスコミ。それから、食中毒予防対策といったもの を行っております。  開催の形式としましては、基調講演等を行いまして、後半にパネルディスカッション等 を行うことにしております。  (2)厚生労働省以外の他府省及び地方自治体への意見交換会の参加ということで、食品安 全部の担当官を講演者またはパネリストとして派遣しているところでございます。  2ページでございますが、先ほどから出てまいりましたが、さまざまな改正を行ったと きにパブリックコメントを実施していただいているところでございますが、ここでは特に 関心の高かったものについて3つ事例を挙げております。アレルギー表示、大量調理施設 衛生管理マニュアル、監視指導計画でございます。  3の情報の発信としましては、ホームページ、パンフレットの作成・配布を行っており ます。  保健医療科学院におきまして、リスクコミュニケーションの担当者の研修を行っており ます。  また、定期的に関係行政機関との連携、消費者団体との交流の促進も行っているところ でございます。  最後に食育というものにも参加しているところでございます。  3ページからが、平成20年度のリスクコミュニケーション事業運営計画でございますが、 基本的に前年度と同じものを行うわけですけれども、平成20年度は食品の安全性に係る情 報の的確かつ効果的な情報提供の在り方に関する検討を始めたいと思っております。これ は検討というよりは、懇談会形式を考えているところでございます。その概要が5ページ に書いてございますが、食品の安全性に係る情報の的確かつ効果的な情報提供の在り方に 関する懇談会というものを開催しようとして、今、計画しているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か質問はありますか。  今年度は餃子などはやるんですか。 ○牛尾参事官 餃子問題ということに特化したリスクコミュニケーションを行っているわ けではございませんけれども、例えば、今ごらんいただいています報告資料3の食の安全・ 安心キャラバンというのは3月中に6回開催したものですから、そのときにかなり餃子問 題につきましては各地で御意見をいただきましたので、そのときに答えられる範囲で答え ております。  あと、輸入食品問題のリスクコミュニケーションのときも、やはり冷凍餃子の問題が議 題になったところでございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 ○渡邊委員 環境省との連絡というのがありますが、例えば、先ほどのブロノポールのよ うなものは、臭素部分があって、かなり土壌への蓄積性が高いですよね。そういうものは、 一応向こうでは環境評価みたいなものはやるんですか。 ○牛尾参事官 そこまで詳細なことは聞いておりませんけれども、環境省もそういった土 壌あるいは水質に関する環境影響評価を行っているはずでございますので、そういった知 見も得ていると理解しております。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございます。  次に、牛のクローンをお願いします。 ○牛尾参事官 報告資料4が、4月1日に厚生労働大臣から食品安全委員会委員長へ出し ました諮問書でございます。食品健康影響評価ということで、体細胞クローン技術を用い て産出された牛及び豚並びにそれらの後代に由来する食品の安全性についてということで、 依頼したところでございます。  この背景は、2ページの参考に書いてございますが、非常に簡単に申し上げますと、国 内外において体細胞クローン家畜由来食品の安全性に関する知見が集積されてきた、特に 欧米等でもそういった評価が出されたことから、こういった状況を踏まえて、関係文献等 の収集も終了したので、食品安全基本法の規定に基づき、食品安全委員会に食品健康影響 評価の依頼を行うこととしたものでございます。これが4月1日でございます。  これが4月3日に、第232回の食品安全委員会が開催されまして、新開発食品専門調査 会において検討を行うことが決定されました。  その4月11日の第52回新開発食品専門調査会におきましては、ワーキンググループを 設置するということが決定されたところでございます。  なお、この諮問に伴いまして5月19日と23日に、東京と大阪でリスクコミュニケーシ ョンを開催する予定で、現在準備を進めております。  概略は以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。  最後に、こんにゃくゼリーについてお願いします。 ○國枝課長 それでは、報告資料5をごらんいただきたいと思います。  昨年11月19日開催の食品衛生分科会におきまして、ミニカップタイプのこんにゃくゼ リーの対応への対応ということで、国民生活センターからの報告書など、これまでの経緯 を御説明するとともに、厚生労働省においても食品が原因で生じる窒息の実態などについ て調査研究を実施して、今後の対応を検討する旨御報告したところでございます。  今般、昭和大学歯学部、向井先生を主任研究者とする食品による窒息の現状把握と原因 分析に関する研究という形で報告書がまとまりましたので、御報告したいと思います。  2ページをごらんいただきたいと思います。研究の要旨でございますけれども、本研究 は大きく分けて3つに分かれております。第1点目は現状の分析、第2点は植物の要因分 析、第3点はヒトの要因分析ということになります。  まず、1番目としまして、調査対象として消防本部、救命救急センターにおける窒息事 故の調査を行いました。具体的には、消防本部と救命救急センターを対象にして調査を行 っております。  その結果ですが、まず、消防本部の関係につきましては、東京消防庁、政令市の消防局 に御協力いただきましたが、回答をいただいた対象としては全国民の約4分の1というこ とになりますけれども、これを対象とした事例ということになります。  4ページの(1)ということで消防本部の回答がございます。そこに記載のとおりで、年齢 構成としては65歳以上が全体の約8割弱ということでございますが、10歳未満も12%占 めておりました。  傷病の程度ということでは、死亡が65例、重症が227例となっております。  記載のあった541例につきまして、食品成分表によって分類できた432例についてその 内訳を調べますと、穀類が最も多く211例でございました。内訳としてはもちが77例、い わゆる米飯、おにぎりを含んでおりますけれども、こういったものが61例、パン47例、 おかゆ11例となっております。次いで、菓子類の62例、魚介類37例、果実類33例、肉 類32例等々という形になっております。菓子については、あめが22例、だんご8例、ゼ リーが4例ということで、カップ入りのゼリーも8例ございました。  年齢がわかっているもので、もち、カップ入りゼリーを見ますと、もちで1〜4歳で1 例、カップ入りゼリーでは1〜4歳で2例、その他記載のような形での事故例となってお ります。いずれも高齢者が乳幼児よりも多くなっております。  あと、基礎疾患の有無あるいは救命救急による処置などについても調査を行っておりま す。  (2)救命救急センターについても、全国に登録されておりますセンターについて調査を行 っておりまして、これらの回答について調査したところ記載のとおりとなっております。 性別は男女で大体半々でございます。年齢的に言うと、先ほどと同様の傾向にございまし て、65歳以上が約8割、10歳未満が約4.3%となっております。  転帰としては、死亡が378例、救命が257例、不明が9例ということで、死亡が救命を 上回っております。  それから、記載のあった486例で食品成分表による分類ができたものが371例というこ とで、大体先ほど御説明した傾向と同じでございますが、穀類が最も多く190例、そのう ちもちが91例、パン43例、米飯、おにぎりを含んだものが28例、おかゆ11例となって おります。次いで、菓子類としては44例、肉類28例、果実類27例、魚介類25例、イモ・ でん粉類19例と続いております。  菓子類のうち、だんごは15例、あめが6例で、カップ入りゼリーは3例ということにな っています。  実際の年齢構成は記載のとおりでございます。  基礎疾患、家族での処置事例についての記載がございます。  これらの結果でございますが、年齢や基礎疾患を考慮した食品摂取に伴うリスクの周知 の必要性が緊急の課題であることが示唆されております。  もう一つの研究としましては、原因食品の物性把握ということでございまして、これに ついては高齢者の窒息事故の原因食品ということで、雑煮のおもちというのが多いので、 こういうことから市販の切りもちと市販されている高齢者向けのもちにつきまして、その 物性を調べております。具体的には10〜11ページにございますけれども、口に入ると大体 50〜60℃で軟らかくなり、付着性が小さいのですが、これが実際に食べる段階になると温 度が体温に近くなることで硬くなったりとか、あるいは付着性も増加するということで、 窒息の大きな要因となることが推察されております。  こんにゃく入りゼリーにつきましては13ページにございますけれども、実際に室温に比 べて冷温で保管する場合も多いわけでございますが、そういったところで硬さ応力とか付 着性等についての物性評価を行ったところ、冷やして食べる方が窒息の要因となることが 推察される形となっております。  3番目としまして、窒息事故のヒト側の要因は具体的には18〜19ページに書いてござい ますが、X線のCT装置を用いた三次元画像などを使いながら、咽頭部の形態、エアウェ イなどについて考察を行いまして、こういった窒息の原因となった植物形態や物性につい て、加齢との変化の中で見る必要性が示唆されているところでございます。  それから、14ページに具体的な記載がございますけれども、そしゃくを要する固形食品 が破砕処理の不十分な状態で咽頭を進行すると、咽頭のクリアランスが不良で運動の代償 が不十分となり、窒息のリスクが高まることが推察されるような結果が出ております。  以上、大きく分けて3つの結果が出されたわけでございますけれども、窒息リスクは接 触食品の形や物性・温度などが咽頭部の形態特徴や嚥下機能などリスク要因を考慮する必 要があり、リスクの高い食品を食べる場合には、十分にそしゃくして食品を粉砕するとと もに、狭い咽頭を通過しやすいように唾液と十分に混和することが窒息の予防から重要で あるということで、今後更に窒息の現状把握と原因分析の必要性が示唆されております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか。  総体的にはこんにゃくゼリーの窒息というのはそれほど多いわけではないけれども。 ○大野委員 今、こんにゃくゼリーが少ないという印象を座長が言われましたけれども、 カップ入りゼリーというのはこんにゃくゼリーのことなんですか。コンニャクというのは 別にありますよね。 ○國枝課長 カップ入りゼリーというのが、今回問題になっているこんにゃくゼリーです。 コンニャクというのはまた別に食品としてここでは計上されております。 ○大野委員 では、やはりこんにゃくゼリーは随分少ないわけですね。 ○吉倉分科会長 ただ、食べる頻度に対してどうなのかなと思っているんですけれどもね。 そんなにしょっちゅう食べるものではないから、食べる頻度当たりの事故ということにな ると、ちょっとわからないですかね。 ○渡邊委員 新聞で取り上げられると目立つということじゃないかと思います。高齢者用 食品は今、厚労省の方でもワーキンググループで検討を始めておりますので、そのうちき ちんとまとまってくると思います。こんにゃくゼリーは若い人のこともあって、新聞に大 きく載って、事数としてはこの程度だろうと思います。 ○吉倉分科会長 これも報告書が出たので、利用してもらうといいと思います。 ○児玉委員 食品の窒息に関しては、医療機関や社会福祉施設で高齢者とか乳幼児が施設 内に収容されているときに、食品の提供にかかわって生じた事故で紛争化している事例が 思いのほか多数ございまして、具体的にそういう施設でこういう食品を与えるべきでない のか、あるいは与えるとするならば、どのような注意が必要なのか、あるいはそれを個々 の例えば親御さんであったり、家族の側の問題で注意をしていただく通常の生活リスクの 問題なのか、大変興味深いあるいは今後いろいろな場面で問題になるかもしれないと思わ れるような入り口のところに来ている研究と思われますので、是非とも発展させていただ きたいと思います。 ○國枝課長 今御説明のありました話に関連しますが、高齢者や乳幼児に対しては、先般 の分科会で御報告しましたけれども、国民生活センターの方からこんにゃくゼリーについ ての報告があり、これを受けて事業者団体の方で表示をするとともに、いわゆる幼小児や 高齢者については食べないようにという形でのわかりやすいマークとか記載をする形にな ったことから、これについては厚生労働省の所管部局から自治体を通じ高齢者や乳幼児を 対象とする施設に対し事務連絡という形で出させていただいているところでございます。  それから、本研究については、実は公募決定が年末ということで、3か月しか研究を行 うことができなかったということもございますので、今年度も先生にお願いしてやってい ただくようなことを考えております。  これにつきましては、先ほどの報告書にもありましたけれども、食品についてはいろい ろなリスクがあるということがございまして、できるだけ早く周知を図った方がいいとい うご提案もございますので、これについては関係機関に報告・周知をさせていただきたい と思っております。 ○吉倉分科会長 救急と関係するかもしれないけれども、詰まったときにどうするかとい うノウハウとかそういうものは、どこかでわかるんですか。そういうものは救急医療の方 で何かやっていないんですか。 ○國枝課長 具体的にやり方が書いてございます。こういった方法についてはいろいろな ところで周知する必要があると思います。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。これで全部終わりましたね。  ちょうど予定時間になりました。御苦労様でした。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)