09/07/27 平成21年度第4回目安に関する小委員会議事録 平成21年度第4回目安に関する小委員会議事録 1 日 時  平成21年7月27日(月)17:00〜 2 場 所  厚生労働省第二共済組合茜荘 3 出席者   【委員】 公益委員  今野会長、藤村委員    労働者委員 石黒委員、田村委員、團野委員、萩原委員        使用者委員 池田委員、小林委員、高橋委員、横山委員、   【事務局】厚生労働省 氏兼勤労者生活部長、吉本勤労者生活課長、 山口主任中央賃金指導官、伊津野副主任中央賃金指導官、 平岡課長補佐 4 議事内容 (第1回全体会議) ○今野委員長  ただ今から第4回目安に関する小委員会を開催いたします。前回の目安に関する小委員会 においては、目安を取りまとめるべく努力したところですが、労使の見解に隔たりが大きく、 今回に持ち越し、労使に目安の取りまとめに向け再考をお願いしております。本日は、是非 目安を取りまとめたいと思っておりますので、労使の一層の歩み寄りをお願いいたします。  論点は、生活保護を除く通常ベースの分の引上げと、生活保護との乖離解消分の引上げ との大きく分けて2つの議題があると思いますが、前回の目安に関する小委員会において、 それぞれ労使に再考をお願いしているところです。まずは、生活保護との乖離解消分の引上 げについて、労使から再考の結果を踏まえた御意見をいただいて、その後に生活保護を除く 通常ベースの分の引上げについても御意見をいただきたいと思います。それでは、生活保護 との乖離解消分の引上げについて御意見をいただきたいと思います。まずは労働者側からお 願いいたします。 ○團野委員  こういう形で見解を述べてくれと要請されるとは思っていなかったのですが、仮に生活 保護との乖離解消について見解を述べるとすれば、これまで申し上げてきましたとおり、昨 年度公益委員見解として示されたルールに従って、清々かつ着実に実施していただきたいと いう見解であります。これは、当初から申し上げてきた労働者側の見解でありますので、そ の基本見解を変えるつもりはございません。 ○今野委員長  前回からの変更はなしということですか。使用者側はいかがですか。 ○高橋委員  我々も見解は変わりません。 ○今野委員長  それでは、生活保護を除く通常ベースの分の引上げについてはいかがですか。それも前 回と変わらないですか。労働者側はいかがですか。 ○團野委員  基本見解が変わるものではありませんが、労働者側としては、底上げという観点でどれ くらいの水準、上げ幅で示されるかを重視していきたいと思っています。これまで申し上げ てきましたように、中期的にも賃金の底上げにつながる、生活できる水準に向けて乖離解消 していくのが当然であり、引き上げにくいということではないと。したがって、この審議を まとめるにおいては、社会的に意義のある目安の決定を強く要請しておきたい、それから、 底上げを重視していきたいということであります。 ○今野委員長  中期的に引き上げるとは。 ○團野委員  我々の考えである900円を超える水準まで中期的に引き上げていくような水準である必 要がある。したがって、今年についても、中期的な引上げに見合った目安にしてほしいとい う趣旨です。 ○今野委員長  前回と一緒ですか。使用者側はいかがですか。何もおっしゃらないということは変わら ないということですか。 ○高橋委員  賃金改定状況調査結果に基づくべきという主張は変わりません。 ○今野委員長  前回と労使の見解が全く変わらないということですので、前回の目安に関する小委員会 の終わりの段階と状況は同じということですね。そうしますと、公労・公使の会議で個別に 御意見を伺いながら調整していきたいと思いますがよろしいでしょうか。 ○池田委員  その前に、お手元の資料について御説明させていただいてもよろしいでしょうか。前回 の目安に関する小委員会で、依然として企業は大変厳しい状況にあり、今は最低賃金を引き 上げる状況にないと申し上げましたが、この度、各商工会議所の会員企業を対象にした賃金 改定状況に関するアンケート調査を行いました。お手元の資料1頁を御覧ください。調査対 象は商工会議所の会員中小企業で、回答があったのは2,120社になります。質問項目は、「平 成21年度の賃金改定について」及び「地元都道府県の地域別最低賃金の水準について」で す。  2頁を御覧ください。平成21年度の賃金改定について一般社員についての賃金改定の実 施状況は、「(5)本年度は改定しない(凍結)」と回答した割合が58.7%、昨年は48.1%でし た。「(3)本年4月〜6月の間に賃下げを実施した」及び「(4)本年度、賃下げを実施する予定」 を含めると70.0%になります。その下はパート・アルバイトについての賃金改定の実施状 況です。「(5)本年度は改定しない(凍結)」と回答した割合は50.1%となっています。「(6)パ ート・アルバイトを雇っていない」、「(7)無回答・無効票」を除き、「(3)本年4月〜6月の間 に賃下げを実施した」及び「(4)本年度、賃下げを実施する予定」を含めると賃金を引き下げ た、あるいは凍結した企業はおよそ8〜9割に上ります。次に、一番下の「2.地元都道府県 の地域別最低賃金の水準について」を御覧ください。「(2)据え置くべき」と回答した割合が 64.2%、「(1)引き下げるべき」も含めますと74.2%に達します。昨年度は両方合わせて61.8% でしたので、引き上げるべきではないという企業が約12ポイント増加していることが分か ります。中小企業の景況感ということで御紹介いたしました。  3頁は昨年度との比較になります。「地元都道府県の地域別最低賃金の水準について」を 見ると、昨年度から「(1)引き下げるべき」、「(2)据え置くべき」の占める割合が大きく増加し ています。これは各地の経済情勢及び中小企業の経営環境の悪化が数字に表れている結果だ と思います。  4頁は、私が会長を務めております社団法人日本ボウリング場協会に加盟しているボウリ ング場に対して、同様の調査を行ったものです。このように、現場では最低賃金を引き上げ る状況にないということがお分かりかと思います。以上です。   ○今野委員長  ありがとうございました。ただ今の御説明について、御意見、御質問はありますか。 ○團野委員  変な言い方で申し訳ありませんが、2頁の一般社員についての賃金改定の実施状況を見ま すと、「(1)本年4月〜6月の間に賃上げを実施した」または、「(2)本年度、賃上げを実施する 予定」と回答した割合が合わせて23.8%。「(5)本年度は改定しない(凍結)」を含めて考え ると、全体の可処分所得が上がっている人は現在の賃金水準については良いと考えていると 見ています。ボウリング場協会の関わりで見させていただいても、「(1)本年4月〜6月の間 に賃上げを実施した」または、「(2)本年度、賃上げを実施する予定」と回答した割合が合わ せて33.8%「(5)本年度は改定しない(凍結)」と回答した割合が58.9%ですから、あくまで 健全であると。変な言い方で申し訳ありませんが、そのように見させていただきました。  それから、地域別最低賃金の水準についても「(3)引き上げるべき」と回答した割合が 17.5%です。ボウリング場協会加盟店においても25.8%ということですので、使用者側に おいても、厳しいけれども引き上げても良いのではないかという考えが見えたと思っていま す。 ○今野委員長  他にございますか。それでは先ほどお話ししましたように、これから個別に御意見を伺 いながら調整したいと思います。まずは公労会議から行いたいと思いますが、よろしいでし ょうか。   (異議なし) ○今野委員長  それでは公労会議から始めたいと思いますので、使用者側は控え室でお待ちください。 (第2回全体会議) ○今野委員長  それでは第2回全体会議を開催いたします。お手元に公益委員見解を配布しております ので、事務局は読み上げてください。   ○伊津野副主任中央賃金指導官  それでは読み上げさせていただきます。平成21年度地域別最低賃金額改定の目安に関す る公益委員見解。  1、平成21年度地域別最低賃金額改定の目安は、以下の(1)及び(2)によることとする。  (1)、表中の都道府県(利用可能な直近の平成19年度データに基づく生活保護水準との乖 離額から、平成20年度の地域別最低賃金引上げ額を控除してもなお生活保護水準を下回っ ている都道府県)の引上げ額の目安は、(1)、表中の下線が付されていない都道府県(昨年度 の地方最低賃金審議会において、今年度以降も引き続き乖離額を解消することとされていた 都道府県)については、原則として、それぞれ同表のC欄に掲げる乖離額を、昨年度におい て乖離額を解消するための期間として同審議会が定めた予定解消年数(以下「予定解消年数」 という。)から1年を控除した年数(以下「乖離解消予定残年数」という。)に1年を加えた 年数で除して得た金額とする。ただし、そうした場合に、地域別最低賃金と実際の賃金分布 との関係等を勘案して、地域の経済や雇用に著しい影響を及ぼさないと考えられるケースに ついては、少なくとも当該金額は引き上げるとした上で、同表のC欄に掲げる乖離額を乖離 解消予定残年数で除して得た金額も十分踏まえて、地方最低賃金審議会において審議を行う ものとする。(2)、表中の下線が付された県(昨年度に乖離額を一旦解消したが、最新のデー タに基づいて比較を行った結果、新たに乖離額が生じた県)については、それぞれ同表のC 欄に掲げる乖離額を、当該乖離額を解消するための期間として地方最低賃金審議会で定める 年数で除して得た金額とする。  (2)、表中の都道府県以外の県については、現下の経済・企業・雇用動向等を踏まえ、今 年度については、現行水準の維持を基本として引上げ額の目安は示さないことが適当である。  都道府県、平成19年度データに基づく乖離額(A)、平成20年度地域別最低賃金引上げ額 (B)、残された乖離額(C)(=A−B)、北海道、60円、13円、47円、青森、下線、20円、 11円、9円、宮城、34円、14円、20円、秋田、下線、14円、11円、3円、埼玉、43円、20 円、23円、千葉、下線、22円、17円、5円、東京、87円、27円、60円、神奈川、96円、 30円、66円、京都、40円、17円、23円、大阪、43円、17円、26円、兵庫、31円、15円、 16円、広島、30円、14円、16円。  2、現下の厳しい経済・企業・雇用動向等を踏まえ、今年度の目安は以上のとおりとした が、今後とも、成長力底上げ戦略推進円卓会議において合意された「中小企業の生産性向上 と最低賃金の中長期的な引上げの基本方針」を尊重し、同基本方針に沿って、政労使が一体 となって取組を継続していくこととする。  3(1)、目安小委員会は本年の目安の審議に当たっては、平成16年12月15日に中央最低 賃金審議会において了承された「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会 報告」を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における合理的な自主性発揮が確保できるよう整 備充実に努めてきた資料を基に審議してきたところである。  目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては最低賃金の審議に際 し、上記資料を活用されることを希望する。  (2)、 昨年度の地方最低賃金審議会において、今年度以降も引き続き乖離額を解消する こととされていた都道府県については、今年度の解消額は、昨年度の公益委員見解で示した 考え方に基づけば、本来、最新のデータに基づいて算出された乖離額を、乖離解消予定残年 数で解消することを前提に定められるものである。   しかし、昨年度の地方最低賃金審議会の答申後、アメリカの金融危機を発端とした世界 同時不況により、我が国における経済・企業・雇用動向等は、著しく悪化していると認めら れるところである。  また、最低賃金と生活保護の比較について、最新のデータに基づいてこれを行った結果、 昨年度の地方最低賃金審議会において最低賃金が生活保護水準を下回っているとされた都 道府県のすべてにおいて、乖離額が昨年度と比較して大きく拡大するといった状況が見られ るところである。  このため、最低賃金額は、労働者の生計費なかんずく生活保護のみによって定められる ものではなく、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力も含めて総合的に勘案して決定さ れるべきであることにかんがみ、各地域の経済・企業・雇用動向等の実態を踏まえ、今年度 においては、緊急避難的な措置として、上記の昨年度の公益委員見解で示した考え方に基づ く解消方法を見直すこともやむを得ないものと考える。  その場合、今年度の解消額の目安については、予定解消年数を1年延長することを想定し、 乖離額を乖離解消予定残年数に1年を加えた年数で除して得た金額を原則とすることが適 当である。ただし、そうした場合に、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係等を勘案し て、地域の経済や雇用に著しい影響を及ぼさないと考えられるケースについては、少なくと も当該金額は解消するとした上で、予定解消年数を延長しないこととして乖離解消予定残年 数で除して得た金額も十分踏まえて、地方最低賃金審議会において審議を行うことが適当で ある。  (3)、上記の見直しに伴い、残された乖離額を解消するための期間について、昨年度の地 方最低賃金審議会の答申において、原則として今年度で乖離額を解消するとしたケース(宮 城、埼玉、京都、大阪、兵庫、広島)は、乖離解消予定残年数に1年を加えた年数までと見 直すことが適当と考える。   一方、昨年度の地方最低賃金審議会の答申において、昨年度で乖離額を解消するとした ケース(青森、秋田、千葉)については、今年度新たに発生した乖離額について、昨年度の 公益委員見解で示した考え方を踏まえ、原則として2年以内とすることが適当と考える。そ うした場合に、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係等を勘案して、地域の経済や雇用 に著しい影響を及ぼすと考えられるケースについては、3年以内とすることが適当と考え る。  なお、具体的な解消期間については、地域の経済・企業・雇用動向等も踏まえ、地方最 低賃金審議会がその自主性を発揮することを期待する。  (4)、また、今後の最低賃金と生活保護の具体的な比較については、その時点における最 新のデータに基づいて行うことが適当と考える。ただし、解消すべき生活保護との乖離額が 年々大きく変動しうるという問題については、別途対応を検討することが適当である。  (5)、目安小委員会の公益委員としては、中央最低賃金審議会が本年度の地方最低賃金 審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。以上です。 ○今野委員長  ありがとうございました。公益委員といたしましては、これを中央最低賃金審議会に示 したいと思っていますが、よろしいでしょうか。   (異議なし) ○今野委員長  では、目安に関する小委員会報告について、引き続き取りまとめたいと思います。お手 元に案を配布しておりますので、事務局は朗読してください。 ○伊津野副主任中央賃金指導官  それでは読み上げさせていただきます。中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告 (案)、平成21年7月27日。  1、はじめに。平成21年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議 を開催し、目安額についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたとこ ろである。  2、労働者側見解。労働者側委員は、2002年以降、景気拡大局面においても、その成長成 果は労働者に対して十分に配分されないまま現在に至り、勤労者生活も厳しい状況となって おり、今後、日本経済が本格的な回復へと向かうためには、勤労者生活の安心・安定を確保 し、個人消費の落ち込みに歯止めをかける必要があると主張した。  また、勤労者の所得格差が拡大し貧困率もアメリカに次いで高水準となっており、生活 そのものに困難を極める人たちが増大していることを指摘し、ナショナルミニマムとして 「生活できる賃金水準」を保障することが必要不可欠と主張した。  さらに、最低賃金の水準は一般労働者の賃金実態からみて依然として低く、賃金の底上 げにつながる実効性の高い最低賃金を確立することが急務となっていると主張した。  こうした状況を踏まえれば、今年の目安審議においては、改正最低賃金法の趣旨である 「雇用形態の多様化の進展や低賃金労働者層の増大などの環境変化に対応した賃金のセー フティネットとしての機能強化」を実現するため、賃金の底上げの歩みを止めることなく、 最低賃金水準の着実な改善を行うことが肝要であると主張した。具体的には、最低賃金の水 準は、高卒初任給や一般労働者の平均賃金の50%程度、連合が試算した最低生計費からす ると、時間給900円を超えるものとすることが必要であり、この水準に向けて中期的に引き 上げるために、賃金の底上げにつながり、生活できる最低賃金の確立に向けて、その目的に 合致した水準の引上げを図ることが不可欠であると最後まで強く主張した。  また、生活保護との乖離解消については、「健康で文化的な最低限度の生活を営むこと」 を保障する憲法第25条(生存権)及び改正最低賃金法の趣旨にかんがみれば、昨年度の公 益委員見解で示された内容に基づき、速やかに解消することが望ましいと主張した。  3、使用者側見解。使用者側委員は、日本経済は、まさに百年に一度と言われる大変厳し い状況にあり、最近は、景気の底打ち感が見られるとの指摘もあるが、最悪期を脱するかど うかという話であり、経済活動の水準は未だに極めて低い状態にとどまっていると主張した。 また、企業収益の悪化により設備投資が落ち込み、雇用失業情勢の悪化などから個人消費や 住宅投資も低迷するなど、地方経済の回復の見通しも全く立っておらず、不況は長期化の様 相を呈していると主張した。  また、企業の倒産件数も増加しており、とりわけ中小企業は倒産件数全体の99%を占め ている。今後も倒産件数はさらに増えることが見込まれており、中小企業はまさに生き残り をかけた危機的な状況が続いているといっても過言ではないと主張した。  さらに、雇用失業情勢も日々深刻の度合いが増しているが、雇用調整助成金に係る休業 等実施計画届の受理状況が6万事業所以上、対象人数200万人以上にものぼるなど、企業は 雇用維持に最大限の努力を行っている。しかし、こうした企業努力にも限界があり、雇用過 剰感が、特に中小企業において高まっているということを最後まで強く主張した。  以上の点を踏まえれば、始めに「最低賃金の引上げありき」という前提で審議を行うこ とは、結果として雇用の不安定化につながることになりかねず、今年度の目安審議に当たっ ては、賃金の伸び率が過去最悪を更新した賃金改定状況調査結果を十分に踏まえて慎重に議 論を行うべきと主張した。  また、生活保護との乖離解消については、未曾有の経済危機の発生や、生活保護の基準 年度の変更による乖離額の大幅な拡大という、全く想定外の事象が発生した。改正最低賃金 法の趣旨を踏まえれば、乖離解消努力の必要性については理解しているが、これらの想定外 の事象が発生した以上は、昨年定めた乖離解消の方法について見直しが避けられないと主張 した。また、乖離額の大幅変動問題については、今後、見直しも含めた本質的な対応も必要 であると主張した。  4、意見の不一致。本小委員会としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく 努めたところであるが、労使の意見の隔たりが大きく、遺憾ながら目安を定めるに至らなか った。  5、公益委員見解及びこれに対する労使の意見。公益委員としては、賃金改定状況調査結 果を重要な参考資料とするとともに、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係にも配慮し つつ、加えて、生活保護に係る施策との整合性にも配慮することとする規定が新たに加えら れた最低賃金法改正法の趣旨を踏まえ、昨年度の公益委員見解で示した、一定の前提の下で の生活保護と最低賃金との比較(直近データによる比較は、別添グラフ参照。)を行い、ま た、上記の労使の小規模企業の経営実態等への配慮及びそこに働く労働者の労働条件の改善 の必要性に関する意見等にも表れた諸般の事情を総合的に勘案し、公益委員による見解を下 記1のとおり取りまとめた。  本小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、下記1を公 益委員見解として同審議会に示すよう総会に報告することとした。  また、審議の際の留意点等に関し、下記2以下のとおり示し、併せて総会に報告すること とした。   なお、下記の公益委員見解については、労使双方ともそれぞれ主張と離れた内容となっ ているとし、不満の意を表明した。  さらに、本小委員会としては、政府において、IT化の推進や人材の確保・育成の強化等 による中小企業の体質強化、収益力の向上、下請適正取引の推進等により、中小企業の生産 性向上に引続き取り組むことを要望する。また、行政機関が民間企業に業務委託を行ってい る場合に、年度途中の最低賃金改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に 支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。  なお、「記」以下につきましては、先ほど読み上げた公益委員見解のとおりですので省略 させていただきます。 ○今野委員長  ありがとうございました。この案を本小委員会報告としたいと思いますが、よろしいで しょうか。 ○高橋委員  日付が7月27日となっていますが。 ○今野委員長  これは例年そうなっているのですよね。よろしいでしょうか。それでは、そのようにさ せていただきます。他にございますか。 ○田村委員  内容については問題ありませんが、公労使それぞれ意見がある中で苦労して取りまとめ た文章だと理解していますし、これから審議の場を地方最低賃金審議会へと移すわけですが、 いろいろな意見があったということですので、このままの趣旨で是非発表していただきたい と思います。以上です。 ○今野委員長  他にございますか。よろしいでしょうか。それでは、7月29日15時の中央最低賃金審議 会総会に私から報告することとしたいと思います。また、目安審議に用いた資料については 事務局より地方最低賃金審議会において活用できるよう送付していただいているとは思い ますが、その点は大丈夫ですか。 ○伊津野副主任中央賃金指導官  目安に関する小委員会で使用いたしました資料は、全て都道府県労働局に送付しており ます。 ○今野委員長  分かりました。他に何かございますか。 ○團野委員  昨日17時からスタートしました第4回目安に関する小委員会ですが、取りまとめに当た りまして公益委員の皆様及び事務局に改めて御協力いただいたことに感謝いたします。また、 様々な意見の違いはありましたけれども、使用者側のそれぞれの委員にも御礼を申し上げた いと思います。すべて意が通じ合ったということではありませんけれども、お互いに十分な 議論を尽くして、このような審議会が十分機能したのではないかと考えております。 ○今野委員長  他にございますか。それでは、議事録の署名は、石黒委員と池田委員にお願いします。 なお、昨年もそうだったのですが、この目安に関する小委員会報告を中央最低賃金審議会 総会前なのですが、マスコミに公表させていただきたいと考えておりますので御了承いた だきたいと思いますが、よろしいでしょうか。   (異議なし) ○今野委員長  それでは、そのようにさせていただきます。以上をもちまして本日の目安に関する小委 員会を終了します。ありがとうございました。                  【本件お問い合わせ先】                  厚生労働省労働基準局勤労者生活部                   勤労者生活課最低賃金係 電話:03−5253−1111(内線5532)