厚生労働省発表

平成20年3月28日

厚生労働省老健局計画課

認知症・虐待防止対策推進室

室長      井内 雅明

室長補佐   山本  亨

電話 03-5253-1111 (内線3867,3868)

03-3595-2168 (直通)


高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議
(「孤立死」ゼロを目指して)−報告書−の公表について

今般、「高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議(「孤立死」ゼロを目指して)」(議長:高橋紘士 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)において、同推進会議報告書が取りまとめられたので、公表する。

報告書の概要は以下のとおりである。

< 概   要 >

1 「孤立」した生活が標準モデルへ −「孤立」した生活が特別の事柄ではなくなる

我が国においては、高齢化や核家族化の進行、集合住宅に居住する高齢者等の増加等に伴い単身高齢者世帯や高齢者夫婦のみ世帯が急増しており、「孤立生活」を特別な生活形態ではなく標準的な生活形態へと変化させている。

2 「孤立死」予防型コミュニティづくりへの提案

今後「孤立生活」が一般的なものとなる中で、人の尊厳を傷つけるような悲惨な「孤立死」(つまり、社会から「孤立」した結果、死後、長期間放置されるような「孤立死」。)が発生しないようにする必要がある。

そのためには、地域の低下したコミュニティ意識を掘り起こし、活性化することが最重要である。

(本報告書では「孤立死」予防型コミュニティづくりへの取組みとして以下のものを提案)

(1)コミュニティづくりの戦略

ア 地域を耕す −「孤独」の解消

人とのかかわりが気楽にできる関係づくり、あいさつができる地域づくり、人があつまれる拠点づくり、適度な世話焼き(おせっかい)が可能な人間関係づくりを進めるとともに、コミュニティの構成員である住民が「孤立死」のデメリット、コミュニティ意識の重要性の認識を共有化する取組みが重要。

イ 予防的視点の重要性 −高感度のコミュニティ・機動的なネットワーク

起こる前に発見するコミュニティづくり、起こっても適切に対応できるネットワークづくりを進め、「孤立死」発生のリスクをできるだけ防止することが重要。

(2)「孤立死」ゼロ作戦と高齢者虐待と認知症対策さらに災害予防対策を一体的に考えること

「孤立死」防止の取組みは、高齢者虐待の早期発見や認知症高齢者等の支援、災害時における被害拡大の予防にも有効に機能するものと考えられる。

(3)「孤立死」防止ネットワークのさまざまなツールや見守りシステムの開発と継続的な運用

「孤立死」防止のネットワークづくりは、都市型や町村型、戸建住宅型や集合住宅型など地域の実情に応じて工夫しながら構築する必要がある。そのツールとしては以下のものが考えられる。

ア 情報通信技術の活用 −緊急通報・ライフライン検知システム

(ア)ICTの活用による双方向通信システム

(イ)ライフライン等の活用による安否確認システム

イ 声かけネットワーク

(ア)近隣の互助機能の組織化

(イ)チラシ、通信

ウ 情報共有ネットワーク −協議会の組織化と運用

エ 地域住民・行政・諸機関の協働づくり −地域包括支援センターの活用

オ 自治体における住宅部局と福祉部局の連携


高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議
(「孤立死」ゼロを目指して)委員名簿(50音順)

天野 隆玄全国民生委員児童委員連合会会長
安藤 和津エッセイスト
飯田 宏行千葉県健康福祉部高齢者福祉課長
伊藤 陽子新宿区健康部長
稲垣 紀夫北海道旭川市消防本部消防長
大蔵 豊和社団法人高層住宅管理業協会業務部次長
兼松 久和全国自治会連合会会長
小池 昭夫独立行政法人都市再生機構本社住宅経営部業務収納リーダー
渋谷 篤男社会福祉法人全国社会福祉協議会地域福祉部長
鷲見よしみ日本介護支援専門員協会副会長
園田眞理子明治大学理工学部建築学科准教授
高橋 紘士立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授
田尻 佳史日本NPOセンター事務局長
永井 愛子全国老人クラブ連合会副会長
野中 博医療法人社団博腎会野中医院院長


○印は議長


高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議
(「孤立死」ゼロを目指して)開催要綱

1 趣 旨

単身高齢者や高齢者世帯のみの世帯が増加している中で、都市部などにおいて、地域から孤立した状態で高齢者が死亡する事例等が社会問題となっている。単身高齢者及び高齢者のみの世帯数は今後も増加することが予想される一方、地域のコミュニティ意識の希薄化が指摘されている中で、こうした高齢者等が地域から孤立することのないよう、取り組みを進める必要がある。

このため、孤立死ゼロを目指して、「高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議(「孤立死ゼロ」を目指して)」(以下「推進会議」という。)を開催し、各地域において実践されている特徴的な取り組みを全国に普及させるとともに、高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくりに向けて、国民等に提言することとする。

2 推進会議の活動内容

(1) 各地域において実践されている孤立死ゼロに向けた取り組みの普及

(2) 高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくりに向けての提言の策定

3 推進会議の運営

(1) 推進会議の委員は、厚生労働省老健局計画課認知症・虐待防止対策推進室長が委嘱する。

(2) 推進会議の委員は15名以内とし、議長を1名置く。

(3) 推進会議の委員の任期は、1年とする。

(4) 議長は、委員の互選により選出する。

(5) 会議の庶務は、厚生労働省老健局計画課認知症・虐待防止対策推進室において行うこととし、厚生労働省社会・援護局地域福祉課、警察庁生活安全局地域課、総務省大臣官房企画課、国土交通省住宅局住宅総合整備課の協力を得るものとする。

4 施行期日

本開催要綱は、平成19年8月20日から施行する。


高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり
推進会議(「孤立死」ゼロを目指して)における検討経過

第1回(平成19年 8月28日)

・関係施策の現状について

・その他

第2回(平成19年12月11日)

・取組事例に関するヒアリング

・意見交換等

(ゲストスピーカー)

中沢卓実 千葉県松戸市常盤平団地自治会長

鷲野明美 愛知県愛西市役所福祉部

地域包括支援センター社会福祉士

第3回(平成20年 2月19日)

・推進会議提言の論点整理(素案)について

・その他

第4回(平成20年 3月18日)

・推進会議報告書(案)について

・その他

報告書全文
(1〜18ページ(PDF:480KB)、 19〜34ページ(PDF:492KB)、 35〜48ページ(PDF:485KB)、
49〜56ページ(PDF:262KB)、 全体版(PDF:1,720KB))


PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。
Adobe Readerは無料で配布されています。(次のアイコンをクリックしてください。) Get Adobe Reader


トップへ