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医療観察法の医療体制に関する懇談会(第7回)議事録(2026年2月17日)
日時
令和8年2月17日(火)14:00~16:00
場所
オンライン開催
出席者
伊豫構成員、大山構成員、来住構成員、柑本構成員、関口構成員、竹村構成員、中嶋構成員、野木構成員、平林構成員、南構成員、村杉構成員
議事
- 議事録
- ○塩崎医療観察室専門官 それでは、時間となりましたので、ただいまから、第7回「医療観察法の医療体制に関する懇談会」を開催します。
構成員の方々におかれましては、御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。座長が選出されるまでの問、事務局にて議事を進行させていただきます。私は、厚生労働省医療観察法医療体制整備推進室、地域移行支援専門官の塩崎と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入る前に、配付資料の確認と構成員の先生方の御紹介をさせていただきます。本日の配付資料としては、出席者名簿、議事次第、開催要綱、資料「医療観察法に係る医療体制の現状等について」でございます。
以上でございますが、お手元にない資料はございませんでしょうか。
なお、本日の懇談会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承ください。
続きまして、本日御出席の方を御紹介させていただきます。お手元に出席者名簿を配付させていただいておりますので、お名前のみの御紹介とさせていただきます。
大山構成員、来住構成員、柑本構成員、関口構成員、竹村構成員、中嶋構成員、野木構成員、平林構成員、南構成員、村杉構成員です。
伊豫構成員につきましては、所用により後ほど入るというところを聞いております。よろしくお願いいたします。
また、本日、オブザーバーとしまして、全国訪問看護事業協会、高砂様、関係省庁として、法務省保護局から武野企画官、根岸専門官、刑事局から山田局付に御出席いただいております。
事務局については、出席者名簿に記載のとおりです。
事務局を代表いたしまして障害保健福祉部長の野村より御挨拶申し上げます。
○野村障害保健福祉部長 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。私、障害保健福祉部長を拝命しております野村と申します。
御出席の皆様方におかれましては、平素より医療観察法に基づく対象者の適切な処遇をはじめ、精神障害のある方々の保健医療福祉の向上に御尽力いただきまして、この場をお借りして改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
その医療観察法でございますけれども、施行されてから20年が経過したところでございます。課題でございました指定入院医療機関をどう確保していくのかというのが、20年前、施行直前の辺りで課題になっておったわけでございますが、こちらの病床の確保につきましては、その後着実に整備が進み、現在では856床が整備をされているところでございます。
片や、指定通院医療機関のほうでございますけれども、こちらも現在、病院と診療所を合わせて740か所の医療機関が指定をされているところでございまして、整備数といたしましては、おおむね当初の目標数に達しているという状態でございます。
一方で、改めて関係機関の皆様方からは医療観察法における医療体制という点について、いろんな課題、御指摘をいただいているところでございます。そのため、医療観察法の医療体制につきまして評価を行うなどした上で、必要であれば所要の見直しなどの措置を講じていきたいと考えておるところでございます。
本日お集まりいただきまして、様々なお立場から医療観察制度の医療体制につきまして忌憚のない御意見、あるいは御議論を賜れれば幸いでございます。
以上、開会に当たりまして、私からの御挨拶とさせていただきます。本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○塩崎医療観察室専門官 ありがとうございました。
障害保健福祉部長の野村につきましては、本日公務により途中退席する予定となっておりますので、御了承いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、本来でございましたら、ここで座長の選出をさせていただくところでございますが、ただいま伊豫先生の御出席がまだというところでございますので、議事に先んじまして本日の資料の説明を事務局よりさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤医療観察室長 資料1「医療観察法に係る医療体制の現状等について」、説明させていただきます。
ページをおめくりいただきまして2ページ目、指定医療機関の指定状況等についてでございます。こちらは冒頭部長のほうから御紹介もありましたとおり、指定入院医療機関につきましては、令和7年4月1日現在、指定数35か所、856床というところになってございます。指定通院医療機関につきましてもトータルでは4,300となっておりますが、病院638か所、診療所102か所というところで、医療機関といたしましては合わせて740か所という状況になってございます。
また、参考にですが、鑑定の入院医療機関は、これは裁判所等に推薦している数になりますけれども、304か所。精神保健判定医等というところで、988名の方に御協力をいただいているような状況でございます。
3ページ目は全国の指定入院医療機関の指定状況でございます。濃い緑になっているところが現在設置されている都道府県という状況でございます。国の関係機関で言いますと16か所。都道府県立、自治体立というところで言いますと19か所というところで、合わせて35か所を指定させていただいているところでございます。
続きまして、指定通院医療機関の指定状況でございます。こちらは冒頭にも御紹介がありましたとおり、各都道府県で必要としているところを整備しているという状況でございます。
続きまして、5ページ目は医療観察法の入院対象者の状況でございます。上の表を御覧いただければと思います。こちらも令和7年4月1日現在での数を計上させていただいておりますが、トータル771名の対象者の方がいらっしゃいまして、男性611名。大体8割というのが男性。残り2割というのが女性、160名ということになってございます。それぞれのステージにつきましては、急性期が110、回復期が435、社会復帰期が226というところで、回復期のほうはボリュームが半分以上になっているところでございます。
下の表は、国際疾病分類別に計上させていただいてございます。これで見ますと、統合失調症等のものがトータル636名というところで、8割ちょっとの方がここに分類されているという状況でございます。
6ページ目は裁判所におけるこれまでの審判の処理件数の推移となってございます。こちらは参考に見ていただければと思います。
7ページ目は医療観察法の特徴と目的というところでお示しさせていただいてございますが、こちらに記載の内容を踏まえて、医療観察診療報酬というものを別に設定させていただいているという状況でございます。まさにこの目的に沿うような形で、本日も御議論を賜りますけれども、この制度を後押しするような形で報酬等を設定していくということをこれまでもしてきたところでございます。
8ページ目を御覧ください。令和6年度の医療観察診療報酬の改定ということがございました。主に入院・通院の管理料の評価の増点、それから通院の部分でございますけれども、心理支援加算の新設、そういったことが行われたところでございます。
9ページも同じく報酬改定の内容でございますが、こちらも訪問看護の内容につきまして拡充をさせていただいたというような経緯がございます。
10ページ目は入院処遇の概要でございますけれども、こちらのスライドに提供している内容ですとか目標期間、こういったものをお示しさせていただいているところでございます。
11ページから13ページにかけては入院医学管理料についてお示しさせていただいてございます。目標期間は先ほどお示しさせていただいておりますが、これを超えるものについては、一定の期間ごとに減算ということをさせていただいているものでございます。こちらは各ステージごとにそういった規定を設けさせていただいているものでございます。
14ページ目は、急性期・回復期・社会復帰期、各ステージ別での期間別の入院対象者数をお示しさせていただいてございます。各治療期におきまして目標となる期間以内での対象者が3割から5割弱という状況でございます。逆に言うと、半数以上についてはその目標期間をちょっと超えているという現状があるところでございます。
15ページ目は入所処遇の終了状況。つまり、施設ごとの1年間での退院の状況をお示しさせていただいているものになります。こちらは施設の規模ごとに色分けをしてございますけれども、施設ごとに退院の状況はばらつきがあるという現状でございます。
16ページ目は、指定入院医療機関における対象者からの対人暴力の状況をお示しさせていただいております。これはあくまでこちらで把握できている実人数についてのみお示ししておりますけれども、こちらの数字を見ますと、全体で約1割弱の件数が上がっているというような状況でございます。
17ページは通院処遇の概要でございます。提供する内容ですとか標準的な期間、こういったものをお示しさせていただいてございます。
18ページは、先ほどのガイドラインの内容を踏まえました通院医学管理料を設定しているということをお示ししてございます。
19ページ目は1年間における通院処遇の終了者の状況をお示ししておりまして、どれだけの期間通院処遇を受けられていたのかということを表上にお示ししてございます。それで見ますと、真ん中やや下の「3年期間満了」という方が約6割というところで、おおむねここに入っているという状況でございます。
20ページはクロザピンの登録施設の状況でございます。指定入院医療機関は100%が登録されておりますけれども、指定通院医療機関で見ますと、地域によって差はありますが、全国レベルでは約55%の施設で登録がされているという状況でございます。
21ページは指定入院医療機関でのクロザピンの処方率をお示ししているものでございます。あくまでこれは施設内での割合ですので、施設ごとに差はございますけれども、全国で見た場合は37%での処方率という状況になってございます。
22ページは、通院処遇中の急性増悪に対する評価を行っているものでございまして、急性増悪包括管理料というところでございます。残念ながら算定実績につきましては、これまで0件が続いているという状況でございます。
23ページは、構成員の皆様から事前に主な御意見をいただいてございますので、それを事務局において整理させていただいたものでございます。左側が入院、右側が通院の内容をお示ししております。左側の入院のほうを見ていただきますと、幾つか抜粋させていただきますと、各施設の機能等に合わせ、職員配置を含め機能分化をしてはどうかといった御意見ですとか、早期の地域移行の取組を評価してはどうかといった御意見、暴力被害の対応を検討するべきではないかといった御意見などがあったところでございます。
また、通院のほうを見てみますと、外来での多職種チームで対応を評価はしてはどうかといった御意見、早期に通院処遇を終了させるような取組を評価してはどうかといった御意見ですとか、通院処遇中の精神保健福祉法上の入院が行われた際に、集中的な介入を行うことを適切に評価してはどうかといった御意見、緊急時の単独での訪問看護というのが、身体的安全性のリスクがあるといった御意見のほか、全体として会議をオンライン開催でできるということを明確にしてはどうかといった御意見などがあったところでございます。
24ページ以降につきましては、中医協で行われておりました医科のほうの令和8年度診療報酬改定の状況でございます。
24ページは物価高対応というところで、物価対応料というものを新たに新設するということ。
25ページは賃上げの関係でございます。従前ベースアップ評価料というものがあったわけでございますけれども、この評価の内容を拡充するというもの。
26ページにつきましては、左側が慢性身体合併症管理加算の新設というもの。右側が外来のほうになりますけれども、心理支援加算の対象疾患を拡充するというもの。
27ページ、左側につきましては、認知行動療法の対象職種、実施できる職種に公認心理師を新たに追加してはどうかといった内容のもの。右側のほうが、地域で質の高い精神科訪問看護を提供しているような事業所への評価の新設を行ってはどうか。こういった見直しが行われているようなところでございます。
28ページは、現状・課題と論点をお示しさせていただいてございます。上の点線枠で囲んでいるものにつきましては、先ほど来御説明している内容を簡単にお示ししているものでございます。矢印の下、実線囲みに論点をお示しさせていただいてございます。入院におきまして、各治療段階の目標期間を超えているような対象者が半数以上いることなどを踏まえまして、指定入院医療機関の機能分化など入院対象者のさらなる社会復帰の取組を促進するとともに、通院処遇における環境整備を進めることとしてはどうかといった内容でございます。
説明は以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○塩崎医療観察室専門官 進行に当たりまして、資料を先に御説明させていただきました。進行に御理解を賜りましてありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、議事を進行するに当たりまして座長を選出させていただきます。前回の懇談会でも座長をお願いしておりました伊豫構成員に引き続き今回の懇談会についてもお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(構成員首肯、拍手)
○塩崎医療観察室専門官 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、伊豫構成員に座長をお願いしたいと思います。
それでは、伊豫座長から一言御挨拶をよろしくお願いいたします。
○伊豫座長 ちょっと入室が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。ただいま御指名いただきました伊豫でございます。
医療観察法、精神医療の先を行くというか、モデル的な医療を提供するという体制で進んできております。そういう中でまだ様々な問題はあると思うのですけれども、今後の医療観察法の医療をどのようにしていくのか、在り方についてどう考えていくのかということについて皆様の御意見を伺えればという会がこの会だと思っております。ただいま医療観察法の現状と診療報酬改定等について事務局から御説明をいただきました。皆様方から忌憚のない御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。柑本構成員、お願いします。
○柑本構成員 柑本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。事務局の皆様、貴重な資料の配付、そして御説明、どうもありがとうございました。
私が述べさせていただいている意見は一覧の中に掲載されている部分もあったのですが、掲載分以外についても発言させていただきたく、挙手いたしました。幾つかございますが、まず1点目です。対人暴力の状況を説明してくださいましたけれども、想像していたよりもちょっと多いなという気がいたしまして、本当に病棟の職員の皆様の日々の御努力に頭の下がる思いでおります。スタッフの方々の安全と健康が損なわれますと、結果として対象者の治療環境や権利擁護の質にも重大な影響を及ぼすと考えられます。この数値を前に、厚生労働省としては、暴力被害に対して人員配置ですとか加算措置、それから専門的研修とかスタッフ向けのトラウマケアなど心理的な支援体制等、どのような対策を講じようとされているのか、御意見を伺えればと思います。それが1点でございます。
2点目ですけれども、先ほど期間別の入院対象者数の表を提示してくださいました。また、現状・課題と論点のところでも挙げられていますが、対象者の一部には非常に処遇困難で退院が難しく、入院が長期化している人たちがいらっしゃるというふうに考えることができます。この点につきまして、現在は全国一律の病棟規格で運営されていますけれども、対象者の特性に応じて病棟の機能を分化させていく等、何か対策を考えていらっしゃるのかどうかという点についても御意見を伺えればと思います。それが2点目でございます。
3点目です。精神保健福祉法におきましては、入院者の権利擁護を強化する観点から入院者訪問支援事業を導入しておりますが、医療観察法におきましては、この点をどのように考えられているのかということをお伺いしたいです。
4点目です。現在各種ガイドラインについて見直しに着手されているということを伺っております。具体的にどのような論点について、どのような方向性で見直されようとしているのかということにつきまして、共有していただける範囲で結構ですので教えていただければと思います。特に、指定入院医療機関運営ガイドラインにおいて倫理会議が規定されておりますけれども、例えば倫理会議の議題の中には、身体への侵襲を伴う非同意治療の是非であるとか、自由の制限を伴う隔離・拘束などの検討というものも含まれていますので、例えば精神医療審査会のように法律に関し学識経験を有する者などが関与する余地の有無といった点についても御意見を伺えればと思います。
以上4点になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊豫座長 事務局からいかがでしょうか。御回答いただければと思うのですが。
○佐藤医療観察室長 事務局でございます。御質問ありがとうございました。
1点目、暴力事案への対応というところでございます。これは後ほどの質問にもかかってきますが、まさに今、様々課題があるものにつきましては、本日この懇談会で皆様の御意見を賜りながら、事務局においてどういった対応をし得るのかといったことを整理していきたいと考えてございますので、まずは本日、皆様からの御意見をしっかり受け止めたいなと考えているところでございます。
その上で、暴力事案につきましては、先ほど件数を挙げさせていただいておりますけれども、当然ほかの対象者と比べたときに、特別な体制とか管理などをなさっているのだろうなというふうに現場のほうからはいろいろとお話を伺う機会もございます。そういう意味で言いますと、手間暇というのが別にかかっていることを何らかしっかりと支援したほうがいいのではないか、そういった発想になってくるのかなと思いますけれども、具体のことをこちらで御用意しているものがあるわけではありませんが、まさにそういったことも念頭に、本日の御意見も踏まえながらしっかり対応を考えていきたいと思っているところでございます。
また、2点目の処遇困難例をはじめ、今後病棟機能を分化させていくというところでございます。これもまた同じように、本日の御意見を賜りながらではございますが、まさに人員を含めて、各病棟に求められる機能に応じて、どういった職種をどれだけ応援するのがよいのか。当然医師、看護師だけでなく、様々。今、医科のほうでは精神保健福祉士さん、公認心理師さん、作業療法士さんなど、多職種が連携して地域移行ないし社会復帰に向けた対応をしていこうというような評価がなされておりますけれども、そういった文脈というのも当然あろうかと思います。いずれにいたしましても、本日御意見を賜りながらそういったところについても考えていきたいなと考えているところでございます。
3点目の入院者訪問支援事業。精神保健福祉法では、今、外部から人が入ってというようなところがあろうかと思います。今、この医療観察法というのが裁判の中で入院処遇と決まってという中で、通常の精神科医療とはそもそも異なるラインで入ってきているというところがあるので、一律同じ対応ができるかというのは、すぐにお答えするのが難しいところではございます。他方で、そういった視点も頭に置きながら、どういったことが今後考えられるのかというのを、まさに本日の御意見も賜りながら考えていきたいと思っている次第でございます。
4点目の入所処遇のガイドライン。これは逐次必要な見直しはしていくものだろうと思います。その時代に合わせてやっていくものなのだろうと思いますけれども、今時点どうこうというのを申し上げるのはなかなか難しいですが、いずれにいたしましても、本日の御意見とか、あとは厚生労働科学研究をはじめ、様々現場での知見というのをためていただいているようなところかと思いますので、最新の医学をしっかり盛り込めるようなものに随時していく必要があるのだろうなと思っているところではございます。
その上で、今、お話にあった倫理委員会の中に必要な方、特に法学の方も必要ではないかという御意見、これについては研究班のほうにも当然伝えたいと思っておりますけれども、必要な対応が取られるようにしっかり事務局としてもサポートしていきたいと考えております。
以上でございます。
○柑本構成員 どうもありがとうございました。
大丈夫です。
○伊豫座長 今、事務局のほうから、皆様方の意見を伺いながらまとめていきたいというか、そういう形だったのですけれども、柑本先生から4点出していただいたので、最初の対人暴力に関してどうかということで、現実的に現場でどういった状況なのかというのをまずお聞きできれば、また我々のほうでもいろいろ御参考にできるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。平林構成員のほうから御意見をいただければと思いますけれども。
○平林構成員 発言の機会をいただきましてありがとうございます。
ここ数年ですけれども、柑本構成員の御助言もいただいて、検察庁の方たちと病棟内の暴力については情報交換を進めさせていただいていました。具体的に申し上げますと、暴力自体が精神症状に影響されて、責任能力を問えない暴力もあるのですが、責任能力のある暴力もあります。そういった場合には司法的な対応も必要ではないかと検事の方たちと意見交換したことがあります。
各地方検察庁でもそれを情報共有していただき、その地域の指定入院医療機関から、地方検察庁との連携を進めています。
実際に暴力の中でも、精神病症状によらない暴力が反復されて、職員のメンタルヘルス面に無視できないダメージを与えることもあります。
もうひとつ柑本先生から御指導、御助言いただいて、手探りの状態ではありますが、病棟内の暴力が起こったときに、司法化あるいは医療化を含め、どのような処遇が適切かカンファレンスを開き、検察官、検察、指定入院医療機関の間で検討して、最もよい処遇を考える、処分前カンファレンスの導入の試みが始まったところです。
具体的な今の動きについては以上のとおりです。
○伊豫座長 ありがとうございます。
ただいま現状について。野木構成員、お願いいたします。
○野木構成員 日精協の野木でございます。機会をいただきましてありがとうございます。
ちょっと話はずれるのですけれども、日精協のデータだけで言うと会員の精神科病院から390ぐらいの回答があった中で、年間の暴力行為が約1万1000件という報告になっているのです。患者さんによる身体的暴力行為の数です。日精協全体としては、病院数が多分これの3倍。回答率から考えると3倍ありますので、職員や他の患者さんが暴力を受けたことがあるというのは、日精協のデータ的には3万件以上あるのではないかなと思っています。逆に私は医療観察法の中の暴力行為というのは比較的少ないというふうに受けているのですが、これはどういう理由なのかが不明です。要するに、スタッフが多いから、なかなか患者さんがしにくいというところもあるのかなという印象は受けていますが、日精協だけで見ると、結構数があるのでこのデータからすると、医療観察法病棟では上手にされていて少ないのだなという印象を受けたというのが正直なところです。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
私ほうから。こういう暴力というのは、今の平林構成員の話からだと、必ずしも幻覚・妄想によるものではないということで、パーソナリティーということで、パーソナリティーの場合、どうしても感情障害のようなものが入ってきて、そちらのコントロールができないことも。我々、現場だと、どちらかというと統合失調症だと思っていたら、実は精神病症状を伴う双極で、躁病の治療をしなければ全然改善しないということもよくあると思うのですけれども、そういった視点での検討などをされたことはあるのでしょうか。先生方のところは本当に進歩的にやっているのですが、医療観察法病棟全体でそういったものは治療としてあるのかどうか、その辺をもし御存じであれば教えていただきたいのですけれども。
次の処遇困難とも関連するのですが、今、日精協の話が出ましたけれども、日精協だと、全体、すごい病院の数でミーティング、会とか行われて、意見交換が行われる一方で、医療観察法病棟は、非常に優れた先生方とはいえ、数としては少ないので、意見交換とかそういった会のようなものをより頻繁にやって話し合えばいいのかなと思うのですけれども、現実的にはそのようなことはいかがでしょうか。すみません。平林先生ばかり聞いてしまうのですが、ピアレビューも行われているとは聞いているのですけれども、少しその辺も聞かせていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○平林構成員 ありがとうございます。
村杉先生や来住先生も追加で御発言いただけたらと思います。
先ほどの野木先生の御質問の話ですが、これは以前から指摘されているとおりだと思います。鑑定医療機関での急性期治療後で、多くの対象者は幻覚や妄想がある程度コントロールされています。それでも暴力を振るう人は現実的な葛藤の中で、スタッフとの葛藤から暴力を起こしたりすることが多いと思います。
また、おっしゃるとおり、スタッフによるケア密度の高さは影響していると思います。対象者からの要求、不満があった場合、精神科一般病棟よりも適宜対応しやすいと思います。これも暴力を減らす要因となっていると思います。
入院に関しては、精神保健指定医の入院の告知がなされますが、むしろ裁判所の丁寧な説明や審判書があり、入院処遇に対しての納得感が違うのではないかなと思います。
治療面で気づくのは、クロザピンが衝動性や攻撃性を低下させるのですが、平均で37%の患者さんがクロザピンを飲んでいて、そういう意味では、暴力とか減っている原因になっているかもしれないと思います。
病棟建物の面積も精神科一般病棟よりも広く、アメニティも高いと思います。
指定入院医療機関ではCVPPP、包括的暴力防止プログラムの教育研修を全員が受けているので、ひとつの要因となっています。これらの要因が重なって医療観察法病棟のほうが少ないのではないかと思います。
ご指摘のとおり、感情障害は影響していると思っています。明確に失調感情障害や感情障害の診断がついていない方でも、診断閾値までは達していないけど活動性が亢進している時期と低下している時期があって、活動性が亢進しているときに怒りから暴力にいたりやすいと感じています。
自分からは以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
平林先生ばかりお願いしてしまっているのですけれども、来住先生、いかがでしょうか。どうしても現場の話を伺えればと思うので、お願いいたします。
○来住構成員 ありがとうございます。
暴力というテーマに関して言うと、平林先生がおっしゃるとおりです。特に追加はございません。併せて、ピアレビューということに追加して、ブロック単位で、例えば中国ブロックとか甲信越ブロックとか指定入院医療機関ブロック会議が開催されています。そこで患者さんの治療を協議したり、時には紹介し合うことがあります。ピアレビューの体制は以前よりは進んでいるように思います。
さて別の話題になりますが伊豫委員、柑本構成員がおっしゃったことへの追加発言をお許しください。
1つ目は、20年たってきていろんなことがルーチン化したり、マンネリ化している部分があること。機能分化を考えるにしても、仕組みづくりも大事なのですが、現行においてもまず早く治る人は早く退院していくとか、標準的な治療群は標準的にきちんと回復させていくことが必要。どうしても医療観察法医療では特別に困難な人に目が行ってしまう傾向がある。その点は大事なのですけれども、一方で困難でない標準群をきちんと標準的期間で地域移行させることが肝要。適切な入院期間も意識しながらやっていくような仕組みがそろそろ要るように思います。
もう一つは、治療と支援の継続性が課題と思いますステージ変更もそうなのですが、入院から通院、医療観察法から一般の通院、それぞれに階段があり落差が大きい。この落差を小さくしていくということが必要。例えば通院処遇では、先ほどの御報告では6割が3年間満期終了となっている。これはきちんとやっているとも言えるし、漫然と3年やっているとも言える。例えばこれが2年で終了できれば、終了のときに裁判所が入って決定書が出て対象者に一般医療での治療継続の必要性など見通しが裁判所から示される。一般医療への移行が自然終了でなく、計画的に節目をいれて次につなげる方がよいのでなかと思います。で、満期終了よりは1か月でも1年でも早い終了で次につなぐ。こんな工夫が要るのかなと思っています。
柑本委員がおっしゃった部分で言いますと、病院内に会議は既に十分あるので、法律家に参加いただけるのであれば、会議参加よりはプレーヤーとして参加して欲しいと思います。そういう意味では、暴力に関して警察が法的決裁は別にしてきちんと入ってくれるとか、そういう形の動きが今、進んでいく。そういう動きを柑本委員がつくってくださっているのはとても感謝しています。
併せて、倫理委員会に学識経験者、法律家が入るのもありですけれども、むしろ成年後見とか、居所の準備、生活の場所を整えることなどを、基本的人権の問題として法律家に伴走してもらえると力強いです。法律家が本人の権利擁護の立場から生活整備のためにプレーヤーとして入っていただけるような仕組みができる。、居所の問題や本人と家族の意見相違についてコミットいただけると、次の生活になだらかに移っていけると思っていまして、その辺りをお願いしたいと思っているところです。
長くなりました。すみません。以上でございます。
○伊豫座長 ありがとうございます。
せっかくでございますので、村杉構成員、いかがでしょうか。
○村杉構成員 御指名ありがとうございます。
平林先生、来住先生のお話に付け加える部分であるとするならば、今の暴力というところでお話しさせていただきますと、そういう暴力リスクが高くて、特に統失症由来ではない、重複するほかの障害であったり、心理的要因によって起きる暴力がある事例に関して、長期かつ頻回な行動制限になって、結果的にそれが長期入院に至っている。そういう事例が各施設にちょっと蓄積しているという状況があるのだと思います。今、来住先生がおっしゃっていただいたようなブロック会議など、困難事例を複数の施設で検討したり、コンサルテーションを受けるようなシステムがあるのですけれども、一度暴力被害を受けた施設は、そこの対象者と対立構造というか、かなり治療が行き詰まる感じがあるので、最近はさらに加えて非常に難しい事例を転院で受けるという形を積極的に行うような流れが出始めていると思います。ダメージを受けた施設が1回それで息を吹き返したり、新たに受けた施設が、元の施設ではかなり否定的にしか見られなかったものが、少し見立て手直しという形でもう一回治療の枠組みを構造化できたりということで、治療が進展するという状況がございます。
ですので、今回の見直しという点に入るかどうか分からないのですが、転院をつかさどるような事務局機能というのも中立的な立場のどこかに設定できればいいなというのは個人的な思いです。
すみません。ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
○伊豫座長 ありがとうございます。
野木構成員、いかがでしょうか。
○野木構成員 ありがとうございます。
日精協からという形で発言させていただきたいと思います。来住構成員がおっしゃったとおり、私もそこは大賛成だと思っていて、医療観察法、長くやってくると、私も個人的には判定医をさせていただいていて、何となく外来治療ではなく、すぐ入院に流れてしまうというか、鑑定入院期間が2か月間ぐらいで、それですぐ退院させていいのかと言うと、なかなか難しくて、基本的に入院に流れてしまっているというのが今のこの法律の問題点かなというところが見えてきました。
昔は、地方でないと入院できないということになると、精神保健福祉法で地元の病院に入院するという事例が結構あったのですけれども、今はそれが許されないということになっているため、遠くに行ってしまうということになるので、早期の退院がしづらくなっているという感じがして、鑑定期間を2か月とし、もう少し入院すれば退院できそうだという場合、以前コロナのときにあったようにで、鑑定入院機関にもう少し長くいていただいて、社会復帰の方向性を見出せる、居住先を見つけるという方法があってもいいのではないかなというのが1点です。
ただ、難治例に関しましては、本当に頭が下がる思いで、指定入院機関が一生懸命見てくださっているというのは本当に分かっているので、ここは我々民間病院では見られないところというのはたくさんあると思っているのですけれども、どうしてもオートマチックにそのまま入院に流れているというのが1つ問題点ではないかなと思います。
ついでにここで言わせて頂くと、退院も同じなのですが、先ほど言いましたように、例えば大阪にいて、沖縄の病院に入院したら、社会復帰期で退院してきたときに、1回入院させてくれというパターンが結構多いのです。グループホームに入ったらそのまま退院になることが多いのですが、居宅で家に帰る場合は、取りあえず1回精神保健福祉法で入院させてくれというパターンが多いので、これも社会復帰期に、ある程度早い時期に民間病院に移して、いわゆる地元の精神科病院で社会復帰期の一部を担う形も1つありかなという気もしています。そういう意見もあってもいいのではないかなと思っています。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
今、医療としては、1つの医療観察法病棟で閉塞化しているというよりは、ピアレビューやブロック単位でのディスカッションもかなりなされてきているということ。それから、警察にも介入をお願いしたり、今後法律家など、来住先生が言うところのプレーヤーも増やしていっていただくということと同時に、これも来住先生が最初におっしゃられた漫然として入院が長期化してしまっているということもあるかもしれません。
一方で、病棟の機能という意味では、先ほど柑本先生のほうから処遇困難例の長期化ということですが、一方で、いわゆる安全度が低い地元密着の病棟も。例えばイギリスなどではローセキュアなどもあるので、そういった形も長期化して、そのことによってある程度不満などが出てきて暴力的になってしまう。昔、よくアルコール依存症の方々であったことだと思うのですけれども、そういった形でより地元に密着させた、退院を目の前にさせるというようなことも1つの手かということなどが出てきたと思います。
今回でこれだけで済んでいるわけではないので、不十分かと思いますけれども少しまとめさせていただきましたが、このことに対して、ほかにいかがでしょうか。お願いします。
○関口構成員 関口と申します。
処遇困難の方の病院の中での大変さというのは本当に想像がつくのですが、倫理委員会の委員もやっておりまして、何年か前に、もう5年間ぐらい入院されている方がいまして、これはもう病院の問題ではない、地域の問題だということで、退院を受けてくれという話があったのです。地域のほうでもかなり難渋したのですが、その方は発達障害がベースの方で、就労を提供したら、今、物すごく安定しておりまして、医療観察法の枠というよりは、よくなるというよりは、本人のモチベーションをどう持っていくかというところが、内省とか、疾病の理解とか、そこにいつも集中していると、本人というのはいつもそこで葛藤しなければいけないというようなことで、そこが苦しいのだろうなと思うので、そこは違う、オルタナティブな世界をつくっていくということも大事かなと思うところです。
○伊豫座長 ありがとうございました。
来住構成員、お願いします。
○来住構成員 先ほどの関口構成員に意見に全く賛同いたします。結局のところ、病気が重くても病気が、中等症でも、対象者が目の前にいる人を信頼できるようになるかどうかというところが、治療や生活の安定、回復のためには何よりも大切です。このことが基礎にあって、もちろん内省とか様々なことも進んでいくものです。そういう意味で言うと、本人に次の見通しがないと回復できないともいうことができ、社会と早くつながっていくほうが回復する場合も多いです。
一方で本当に様々こんがらがって、複合課題もあり、指定入院医療機関が覚悟して、長くてもしっかり見ていかないといけないケースももちろんございます。しかし、野木構成員がおっしゃったように、遠方から帰ってくるときに、突然よろしくではうまくいかないので、そこの地元の人との関係をつなぐ、この落差をつなぐという意味では、期間を定めた医療保護入院とか、定着のための地元資源の活用というのは有効と思います。回復に向けて、疾病に重心を置くときと、人への信頼とか地域につながるときに重心を置くときがあって、後者が必要な場合には、入院と通院というところの落差をなだらかにする工夫というのが必要になっているように思います。
○伊豫座長 ありがとうございます。
関口構成員、お願いします。
○関口構成員 ありがとうございます。
この制度の中ではないのですけれども、措置入院であれば、仮退院とかそういう制度があって、矯正施設についても仮釈放とかあるけれども、医療観察法制度は、入院をずっとしながら、次に通院と。バッファがないというか、どういうふうにバッファをつくっていくということも考えていってもいいのかなと。通院処遇から一般処遇に入るときも、そこのトリートメントギャップがたくさんあって、どういうふうにつないでいくのかというところをもう少し検討してもいいのかなという気がします。
○伊豫座長 ありがとうございます。
先ほど野木構成員からも、日精協の病院の中から考えると、暴力事案というのは比較的少ないのではないかということで、そういった部分もコントロールはされていらっしゃるということだと思うのですが、一方で、少数ですが、そういう症例が出てきて、転院したほうがよかった例とか、または退院してその地域で本人に合ったような環境に設定するのがよいというような、いわゆるパーソナライズ、個別化した対応が本当に必要な事例も出てくるということだと思うのですが、そういったものを進めていくのに何があればいいかということだと思うのです。
先ほど来住先生でしたか、事務的な形でのサポートもとちょっとおっしゃっていたと思うのですが、その辺も一言いただけますでしょうか。違いましたか。転院促進とか何か。来住先生でなくてもいいのですけれども。
○来住構成員 村杉先生のご発言でした。
○伊豫座長 ごめんなさい。村杉先生、お願いします。
○村杉構成員 現在だと、ブロック会議という中で、ちょっと難しい事例がいると言って、では、一旦事例を受けようかということを指定入院医療機関同士で話したりするのですけれども、そこの転院の調整とか、あとは受ける受けないというところでの感情的な部分とか、ある程度目的を持って受けて、ここまで達成したら戻すというところを担保するためにも、第三者の視点が入ったほうがスムーズに行くなというのもよく感じていて、そういう意味でも、そういう事務局機能があればいいなと。そういう意図でした。
○伊豫座長 ありがとうございました。
その辺のところも今後の検討課題かなというふうに思います。
来住先生、お願いします。
○来住構成員 すみません。何度も発言の機会、ありがとうございます。
転院をすると、データ上は入院が長引くことは分かっているのです。どうしても見立て直して、組み立て直して整え直すので。しかし、転院というのは転機をつくるというのも確かでして、大抵転院を要する方はは重症であり、信頼関係の構築もその施設ではうまくいかない状況であることが多い。転院を転機に、これらについて再構築するということととなり、転院以外には方略がないこともあります。転院治療には一定の評価があるとよいのではないかと思います。
○伊豫座長 おっしゃられるように、転院した場合、症状とか病気についての再評価も入るの
で、どうしても長期化してしまうのですけれども、一方で、それをやらないと、まただらだらと同じような状況が続いてしまう、暴力リスクも高いままということになるので、勇気を出してそういった医療観察法病院間で少し連携を取ったり、またはそれを調整する機能があるとよいかということでしょうか。
ありがとうございます。
そういう形でまた進めていくとして、せっかく柑本先生に言っていただいたので、今度は処遇困難とかも含めて病棟機能分化、病院機能をどういうふうにしていくかということについて、また御意見をいただければと思います。先ほど申し上げたように、イギリスなどだとローセキュアで、これが簡単な医療というわけではなくて、より地域に密着した形のものもつくっていくということになっているような話で、先ほどの暴力の話でも、個人個人で地域に根差していくようなプロセスがあると、対象者もより前向きになれるという話だったと思うのですが、病棟機能の分化とか役割分担について、皆さん、御意見はどうでしょうか。医療の方だけでなくてもいいので。野木構成員、お願いいたします。
○野木構成員 何度もありがとうございます。野木のほうから一言。
私もこういう立場にいますので、医療観察法、入院医療等の監査に行かせていただいていて思うことは、座長が言われたとおり、ローセキュリティ、日本はミドルセキュリティになるのですけれども、いわゆるハイセキュリティと言ったらおかしいですが、重度かつ難治性の方は結構おられると思うのです。そういう方を指定入院医療機関でずっと見ておられる、どんどん点数が下がっていくというのは非常にシビアかなと思っていて、なかなか退院がしづらいという人たちもおられるのではないかなと。なるべく退院はさせる方向で動くのでしょうけれども、監査等に行かせてもらうと、これは治療がなかなか難しいよねという方もおられると思うので、そういう人たちの処遇というのはちょっと違うレベルの感覚で考えたらいいように外から見ていて思うのですが、実際村杉構成員や来住構成員、平林構成員も含めて、どう思われるのかというところをお聞きしたいと思いました。
○伊豫座長 ありがとうございます。
私のほうからではどちらかというとローセキュアな話で、野木構成員のほうからはハイセキュアというようなこと。そういう病棟の役割、分担を変えるのも必要なのではないかということですけれども、これについて、現場の先生や法律家の先生も含めて何か御意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。では、こちらからまた現場という形でお話を聞いてしまうのですけれども。村杉先生、お願いします。
○村杉構成員 すみません。手を挙げさせていただきました。
今日の厚労省からの説明の最後のスライド、今後の方向性というところでの指定入院医療機関の機能分化と指定通院医療機関の環境整備といった見直しが必要ではないかと。具体的内容についてはまだ詰められていないと思うのですが、その方向性については非常に賛成です。先ほどからあるハイセキュア、ローセキュアという意味もありますし、医療観察法が施行されて20年たって、指定入院医療機関が均てん化に向けて努力はしつつも、その施設の置かれている状況によってはなかなか均てん化が難しい。結構機能のばらつきがあったり、最近でいけば労働人口の減少も伴うと思うのですけれども、指定された人員確保が難しいという状況もあるので、ここで機能分化なり人員配置のことを検討していくのは妥当な期間なのかと思います。
一方で、特に国立病院機構の精神科中心病院は、医療観察法病棟を根幹としてやっている部分がございまして、病院運営全体というのを考えたときに、急激な人員配置の変更や点数の変更というものが直接的なダメージにもなるかなというのはあります。先ほど野木先生のほうからもありましたけれども、非常に難しい事例を抱えていくと、だんだん点数が減っていくということも含めてということになるので、その辺り、今後機能分化とか人員配置を考えるときに、ダメージが少ない形でいろいろ御配慮いただければありがたいなというのが1点。
もう一つは、人員が確保できないから、それを救うための人員配置の検討というのもあるかもしれないのですが、一方で、本当にその医療をやっていく上での最低の人数はどれぐらいなのかというところに関しては、慎重に評価したほうがいいかなと思います。
すみません。まとまらないですけれども、ちょっと語らせていただきました。
○伊豫座長 ありがとうございます。
来住構成員、お願いします。
○来住構成員 皆さんが発言されるとおりだなと思いながら聞いています。機能分化するときに大事なのは、難しい人をどこかに集めるよりは、標準的な群を早く終わらせたり、社会復帰が必要となってくる群を地域に渡して、生活圏域の病院と連携を強めたり、社会復帰を強めていくところをまずおこなうことが必要と思います。一般の精神医療でも医療観察法の精神医療でも多職種、コメディカルの存在が非常に役に立つ。また病院スタッフだけでなく、外部機関、地域支援者に入院中から支援に入ってもらうことが役に立つということが分かっていますので、そこをやりやすくしていくということが要るように思います。
あとは、本当に難しい人をどうするか、特定の病院を困難患者群にすると、治療はたちどころに動かなくなると思います。複合課題・重症事例は一時的にはマンツーマン治療のように高密度が必要となるともいえます。この群は、時には人員等比較的しっかりしているところが転院で受けて、整えたらまた戻すという形で紹介して逆紹介することが必要。複合課題、重症事例が一定以上の比率となる病院では、事故等が起きるようになると推定されます。 まとめますと、ハイセキュリティの部分を強化するより、そこはみんなで分け合い、転院とか様々な工夫で、あるいはそこには一定の評価なども受けながら頑張ることにして、標準群とか社会復帰移行群をどんなふうに分け、かつそこの人員配置をどうしていくのかという議論が適切なのではないかと考えます。
○伊豫座長 ありがとうございます。
分けるというよりは、今、現実的に早く、その内部でうまく割り振りしていくということになると思うのですけれども、重度で慢性になって、大変な方々を一生懸命見れば見るほど診療報酬が安くなるというのも問題だと思うのです。一方で、では、どう評価するのか。本当に難しい、本当に重度だと誰がどう決めるのだという評価方法もあると思うのです。だけど、そこら辺は、変な言い方だけど、診療報酬だけ考えると、どんどん回していったほうがいいわけなのですが、それでも長くなってしまうということなので、それだけ大変なので、その辺をもう少し重点的にいい医療が提供できるような、診療報酬面でも体制は必要なのかなということもあるかなと思います。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。今、対人暴力とか処遇困難、病棟機能の役割分担などもお話ししましたが、そのほか、全体的、ガイドラインとかそういうものを含めてお話を伺えればと思います。
私のほうから、訪問とか精神医療審査会のような役割としては、医療観察法部会が対象者からの処遇改善の届けがあって、それで実際に訪問して対象者、医療者からのお話を聞いたりということでそれなりの判定はしていると思うのですが、一方で、ピアレビューでほかの施設の方々が入っていって、第三者の目を入れるというのもされていると思うのです。ですから、その辺のところ、かなり進んではいると思うのですが、これについて追加で何か御意見とか御質問はありますでしょうか。竹村構成員、お願いいたします。
○竹村構成員 発言の機会、どうもありがとうございます。
治療困難者の関係で現場でどう対応されているのかなというので、治療を全く拒否する方がいると思うのですが、そういう方の対応は基本どういうぐあいにされていますか。そういう方は本当に長期化すると思うので、現場の動きのようなものを知らせていただければと思います。
○伊豫座長 医療観察法病棟の先生方、いかがでしょうか。実際の医療では、言い方が悪いですけれども、多少行動制限をかけてでも早く適切な薬物療法などを提供できたほうがより早くよくなるということで、少し人数をかけてお薬を服薬していただくとか、場合によっては隔離・拘束も必要になってしまうということになると思います。できるだけ早くそれを終わらせるためにも、よくするためにはそれが必要だという判断ですよね。
一方で、医療観察法病棟はできるだけそういうことを避けると。どうしてもしなければいけないときには、倫理会議で第三者、法律家も含めた意見を聞いて、また判断して、それで対象者に説明して実施していくということになると思うのですけれども、こういった流れが大ざっぱだと思うのですが、いかがでしょうか。平林構成員でも来住構成員でも村杉構成員でも。
○平林構成員 ありがとうございます。
非常に重要な点を御質問いただきましてありがとうございます。個人的な印象として、先ほどの長期入院のケースを考えたときにも、話が出ているように、もともと重複障害を持っていて、知的障害、発達障害など、治療の必要性を理解するのが難しい方たちが多かったように思います。
そういった方の治療歴を見てくると、措置入院を繰り返していて、マンパワーが少ないこともあり、どうしても措置入院のときに丁寧に説明して行動制限したり、強制的な投薬をしたりというプロセスがやや手薄になっている面があると思います。
入院自体も、裁判所の決定ではなく、精神保健指定医の診察で決めていますので、納得感が低いと感じています。つまり、自分がなぜ強制的な治療を受けているか、理解ができないまま、医療そのものが外傷体験になって、入院治療を拒否している方もいらっしゃいます。これは長期的な視点で見ると、医療観察法では倫理会議の承認を得ますが、強制的介入をあまりし過ぎてしまうと、外傷体験、過去の体験と同様の体験を繰り返して、入院処遇終了後、通院が途切れてしまうのではないかと考えられます。相当な期間を使ってでも対象者と病気のことを話したり、対象者によっては1~2か月、長いと3か月ぐらいかけて治療の必要性を説明したりします。
一方で、例をあげれば、「薬は毒が入っているから飲みません」というような病的体験だけで、医療に対して基本的な不信感はあまりないような人の場合は、積極的に倫理会議を通して、入院したら、1~2週間で積極的に強制的な治療をしていると思います。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
個人差はとありますけれども、薬物療法等で改善しそうな場合には、かなりそういったアプローチもするけれども、一方で、むしろ心理社会的なアプローチのほうが重要な場合にはそういう形の対応で、竹村構成員がおっしゃるように少し長引いてしまうこともあるということだと思います。ただ、それを伺っていると、非常にいい医療をやっているのだなと改めて思います。
そのほか、いかがでしょうか。
厚生労働省のほうから現状と課題と論点のほうでいただいているものとして通院ですが、通院に関して何か御意見とかありますでしょうか。すごく手厚い指定入院医療から通院になる。通院でも毎回多職種で関与していく。それが終了、どう見極めるか。そして終了した後、どういうフォローが必要になるかということになるかと思うのですけれども、特に通院中に精神保健福祉法上の再入院となったときに、かなり集中的な介入が不可欠になることもあるということですが、その辺について、現場レベルでお話をいただければと思うのですけれども。こちらのほうに関しては、日精協の病院でもかなり受けていただいていると思うのですが、例えば野木先生のところはいかがでしょうか。
○野木構成員 ありがとうございます。
通院に関しましては、やはり大変だというのが正直なところです。カンファレンス等もすごい長く時間が取られるということで、ここは何とかしてほしい、もう少し評価していただいてもいいのではないかなというところは毎回日精協会員病院から上がってくるところです。
それから、危機介入のときにどうするのかという形で、どう入院してもらうのか、それは精神保健福祉法でいいのか、医療観察法に戻すのか。その辺りも踏まえてもう少し検討が要るところだと思っています。だから、精神保健福祉法で入院するのであれば、スタッフ等も多い人数のところでしか見られないという形になってくるので、その辺の御配慮がいただければありがたいです。通院に関してはまだまだ未成熟なところもあって、いろんな問題点があるのではないかなと思っています。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
実際通院に関しても、今、お話がありましたように、どうしても時間がかかってしまったり、PSWの方々の負担も物すごく大きくなってしまうというのも現実だと思うのです。そうすると、1つの病院、診療所で受け入れられる対象者の数は物すごく限られてきてしまう。スタッフをかける割に診療報酬が少なくて、実は現実的ではないという場面も出てきてしまうので、その辺は御配慮をもっと欲しいということだと。私も実はそう思っていますけれども。
平林構成員、お願いいたします。
○平林構成員 野木先生がおっしゃるとおりだと思っています。当院には15人程の人が通院されていますが、多職種チーム医療を行っています。看護師による生活障害に対する指導、作業療法士の生活上の作業遂行能力の評価と支援、ソーシャルワーカーも一緒に入っていて、しばしばいろんな制度を利用したり、経済的なことで相談を受けたり、必ず診察とセットで多職種による合同面接を行っています。精神保健福祉法の入院頻度は減少しています。本人の満足感も高いように思います。通院に関しての多職種チーム医療の実現が必要です。
もう一つは、入院の機能分化を話されていましたが、自分は通院の機能分化も必要だと考えています。例えば無理心中の場合、心理療法を中心にサポートすれば、診療所など利便性の高いところが適切だったり、一方で、入退院を繰り返してくるような重複障害を持っている方は、入院病棟や、スーパー救急病棟を持っている施設が通院医療機関として適切だと思います。このように通院の機能分化が必要なのではないかなと考えています
○伊豫座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
通院は最初すごく大変で、そのうち平林構成員がおっしゃるようにだんだん分かれてきて、この方はこういう形で行けそうだ、この方は非常に濃厚なものが必要で、入院も判断していかないといけないというふうな現状だと思うのです。ですから、それもどんどん多様性が分かってきたことによって、さらにいろいろ分化していくことによって効率化できるのかなというふうに改めて思います。
いかがでしょうか。この件について御意見などいただければ。来住構成員、お願いいたします。
○来住構成員 平林構成員がおっしゃったように、多職種の通院医療ということはとても大事です。併せて考えますと、地域の医療というのは、医療観察法が特別かというと、違うというふうに本質的には思うのです。一般精神医療で多職種チーム医療が外来で行われるようになれば、大きな問題が解決して、指定入院から指定通院への移行も、通院処遇から一般精神医療への移行も早まるというふうに思います。この場は一般精神医療の議論をする場ではないかもしれませんが、そちらも含めて多職種でやる通院医療ということが標準装備されていくような方向を目標に、最初の一歩をどうするのかという議論がよいのではないかと思いました。
そういう意味では、指定通院中の、安定した生活を維持する予防的な多職種医療がベストなのですが、うまくいかず病状や生活が不安定になったときには人的資源の投入を厚くすることも必要となる。現行制度上は急性増悪管理料を活用することが可能となっていますが、当院病院も含めてほとんど使えていない状況があると思います。ここをどう整備するとよいのかなということも課題と思います。
また通院中に悪化したときにも、仮に精神保健福祉法の入院が短期間必要になったときにも、入院中に外部機関から、例えば相談支援とか訪問看護とか、支援が継続されることがまた地域に戻っていくために大切なので、その連続性みたいなところを何か1つ、2つ今期解決していけばいいのかなというふうにも思ったりします。
○伊豫座長 ありがとうございます。
今、お話があった急性増悪期の加算はあまり使われていないと聞いたのですけれども、その辺の周知とか知識の共有はどうなのでしょうか。もし御存じの方がいらっしゃったらと思うのですけれども。野木構成員、お願いします。
○野木構成員 ありがとうございます。
確かに周知されていなくて、実際問題、今、使っている場合はほとんどないと思うのです。ただ、厚労省とこの間お話しした中では、もうちょっと周知していって、日精協等の会員病院などでも使える部分は使っていきたいなという話になっているので、今後ちょっと増えていくのではないかなと思っています。いい方向に進めばいいなと思っています。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
次に、もう一つ厚生労働省のほうから議題として御提案いただいているのは、各ステージで目標期間を超えている入院対象者が半数以上いるということに関しての御対応。もともとそこから機能分化とか、そういうふうな長期化する理由として対人暴力や処遇困難があるのだろうということなのですけれども、その辺は議論してきたのですが、私、審判とかやっていて、例えば1年、2年薬が全然変わっていなくて、それで延長と言われると、もうちょっとやってくださいよと、なかなか言いづらいのですが、言いたくなることがよくあるのですけれども、そういった問題はどうなのかなと思うのですが。この法律による入院は医療者だけではないのですが、どうしても医療が中心になってしまうので、先ほどから我々ばかり話し合って申し訳ないのですけれども、ブロック会議とかピアレビューというのはもっと頻繁に頑張ってやっていただけないかなと思うのですが、いかがでしょうか。村杉先生とか、どうですか。見ていてそういったことはあまりないでしょうか。
○村杉構成員 ありがとうございます。
ゆえの機能分化という話も出てきているのかなと思うのですけれども、施設ごとの治療文化などに大きなギャップがあるのは間違いないのかなと思っていて、ピアレビューとかブロック会議にそういう施設も参加しているわけで、外部からそういう意見も出てはいくけれども、変わらない状況というのがあるのだと思うのです。ゆえの今日のようなお話になっていくのかなと思っています。ちょっとお答えになっていないですけれども、逆に言うと、そういう変わらない、変わろうとしない施設はだんだん生き残っていくのが難しくなるような、だんだん厳しい状況にもなっていくのではないかなと、内省も含めてそういうふうに思っています。
○伊豫座長 ありがとうございます。
しつこいですけれども、ブロック会議とかピアレビューを本当に活発化させていただいていていいなと思うのですが、それでもなかなか動きづらい施設があるのは事実だと思いますので、また皆さん、内部で頑張っていただくと同時に、アイデアは何かありますでしょうか。例えば私は前、精神科の教授として、関連病院があって、そういうところへ伺って難治例のディスカッションとかしょっちゅうしていたのですけれども、ブロック会議だと、どうしてもそれぞれが平等な立場でしながらやるということになって、なかなか指摘もしづらいのかなと思ってしまうのです。その辺を活性化する方法があれば、また御提案などいただければと思うのですけれども。特にお答えいただかなくてもいいのですが、そういった感想があります。平林先生、お願いします。
○平林構成員 伊豫先生から御指摘いただいて、お言葉を返すようで大変恐縮ですが、裁判所の合議体が設置され、裁判官に加えて精神保健参与員と精神保健審判員、この2職種が加わったことの意義は非常に大きいと思います。もし裁判官だけで審判するなら、薬物療法の適切さを判断することはできないと思います。そこに精神科医が入っているからこそ、薬物療法の問題点を指摘できるのだと思います。また、環境調整の適切さも、参与員がいるからこそ指摘できます。この2職種がその専門性を基に積極的に評価して、強力な権限を持っている合議体が第三者の立場から指導していくことが必要なのではないかなと感じています。それは例えば研修会とか、あるいは法律家の先生からももっと積極的に指導、発言するよう教育していただきたいと考えています。
○伊豫座長 分かりました。
いろんなところがあると思います。千葉県などでも判定医を集めて裁判所が医療観察法の研究会をやったりしておりますので、そういう機会においてもより積極的にちゃんと我々が発言していかないといけないということですよね。そこは判定医と参与員と皆さんすることが多いと思いますが。ありがとうございます。
柑本構成員、お願いします。
○柑本構成員 ありがとうございます。柑本です。
今の平林構成員の御意見、本当にそのとおりだと思います。1点、平林構成員にお伺いしたいのですが、現行法上、参与員は合議体の構成員という位置づけにはなっておりませんが、そのことによって参与員の方たちが発言しにくいとか、発言を控えられてしまうとか、そういった実情というのはあるのでしょうか。例えばこれが合議体の構成員になったら、ちょっと状況が違ってくるのではないかとか、そういったところの先生の御感想を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
○伊豫座長 平林構成員、お願いします。
○平林構成員 裁判官の方たちの非常に謙虚な合議体の運営を見ていますと、東京地裁に関しては丁寧に参与員のほうから意見を聞き取って、それを反映するような形でやっていて、精神保健審判員と参与員はほぼ同じぐらいの扱いになっていると思います。医学的なところは精神科医のほうへ、環境調整に関しては参与員から必ず意見を求めていると思います。ご指摘のとおり、3人とも必須の構成員にしてもらってもいいのかなと思います。あくまでも個人的な意見です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
千葉も裁判官の方々がいろいろ気を遣ってくれていて、参与員の方々にもいろいろ発言してもらうということと同時に、社会復帰調整官の方々の調査に関してもいろいろと情報提供してくれたり、調べてくれたりしていることに対しては、敬意を持って接していると思います。
そのほか、皆様方からいかがでしょうか。関口構成員、お願いいたします。
○関口構成員 ありがとうございます。
今のお話で、入り口、出口は裁判所の裁判官が参与員に意見を求めてくれるのですけれども、更新のときには参与員はほぼ参加していないのです。伊豫先生がおっしゃるように、この方のこれからのことを考えるときに、今、こんなことができないだろうかという提案については、更新のときには全く参与員は発言できる機会がないものですから、そこは何とか改善してもらえればありがたいなというのがあります。
○伊豫座長 なるほど。そこのところが平林構成員がおっしゃったように、3人とも審判のときも更新のときも関与したほうがより適切な判断ができていくだろうということですよね。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
全体を通してほかに御意見等があれば伺いたいと思うのですけれども。野木構成員、お願いいたします。
○野木構成員 何度もすみません。
これも毎回この場でお願いしているのですけれども、いわゆる鑑定のときの入院料です。厚労省は関係ないからと言われるし、法務省へ行っても、関係ないから、これは最高裁が決めているからと言われて、毎回放置されていて、20年間入院料が放置されているのです。ると、当院でも鑑定入院する際には救急病棟の個室に入ってもらっているのですが、今回診療報酬が変わりますが、そのことによって鑑定入院料よりも通常の診療報酬による入院料の方が高くなっているというイメージがあります。逆転するような感じになってくると、何で大変な患者さんを入院させるのだと言ったらおかしいですけれども、スタッフも含めて不満が多く、病院側もそこまでして入院してもらう必要があるのかということがあります。本当に医療観察法による入院より一般の診療報酬による入院の方が高くなってしまったら、取る病院が減っていくだろうなと個人的には思っています。大変な鑑定入院の入院料が20年間全く上がっていないというのは、さすがに、ぼちぼち最高裁、法務省に考えてもらわないと、正直大変なことになると思います。以前は、鑑定入院は大変だったけど、それなりにお金も頂き、診療報酬もあったという印象です。今は大変な思いをしてお金も少ないと、次からやめようかという話になってしまわないかと非常に心配しております。
すみません。最後ですけれども。
○伊豫座長 ありがとうございます。
鑑定入院に関しては、厚生労働省は直接関与していないということになります。そうなってくると、先ほどの裁判所主催の研修会などで判定医が一斉に主張し始めるとか、裁判官を通して進めていただくという方針も一つなのかなと思ってしまったのですけれども、いかがでしょうか。
○野木構成員 大阪でも裁判所で医療観察法の研修を行っており、裁判官や法曹関係者並びに医師を含めた医療関係者の集まりが毎年あります。ここでも鑑定入院料の引き上げを結構言っていますけれども、裁判官も、困ったなあ、これは最高裁が決めますからねえという顔をして全然話が進まないというのが正直なところで、これは全国レベルで最高裁に言わないと、全く動かないような気がしますね。大阪の裁判所はやはり最高裁には言いにくいというところがあるのでしょうかね。遠慮があるのかもしれません。言い過ぎたかもしれません。
○伊豫座長 ありがとうございます。
法律家の方々の世界。竹村構成員、お願いいたします。
○竹村構成員 最高裁にはとても言いづらいと思います。最高裁自体が、報酬を上げるという形になるのであれば、予算取りをしなければいけないのです。その予算がうまく取れないというのが実情のようです。
その関係で言うと、付添人の報酬も極めて安いです。ただ、これが被疑者国選弁護でもらう弁護費用に比べればまだ高いというので、文句が言いづらいというのはあります。
あと、抗告審や再抗告審になりますと、私どもなどは全国に飛ぶわけです。この構成員の中に何度かお会いした院長先生もいるのですけれども、そのときも旅費が全部出るかどうかといったときも、裁判所の裁量になったりするのです。文句を言って旅費等を全部出させたら報酬が減っていたと。総額では結構もらっているみたいなことをやられて、頭に来たので、そのときの理由を聞いてみたら、要は、意見書を書くに当たって、資料を全部使っているわけではないので、使った部分に応じたみたいな感じになっていますというオフレコ話を聞かされたことがあるのです。
我々としては、付添人活動するに当たっては、記録は全部謄写させていただいて、検討して、すごく短い期間なのですが、その間に意見書を作成し、本人の確認を取った上で提出するということをやるのですけれども、その辺の評価はほとんどしてもらえていないのです。それを20年間言っているのにほとんど上がっていないです。
これも多分裁判所自体に予算の枠があってということだと思うのです。昔の普通の国選弁護でも同じような議論があったのですけれども、その辺はせっかくつくった制度なので、医療観察法の意義をしっかり最高裁のほうで理解していただいて、予算取りをしていただければ解消するのかなというところが感想的な意見です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
厚生労働省としてはなかなかお答えづらい。管轄外になってしまうのですけれども、皆さんで協力して訴えていかないとなかなか。それでも改善してもらえるかどうか分からないですが、鑑定入院は、ある意味指定入院よりも前に入院させて診療していくので、リスクが高いと言えばすごく高いのです。その辺の理解をいただいていく必要があるのですが、今、竹村構成員のお話のように、なかなか難しい部分もあると思うのですが、今日はこの辺にしておかざるを得ないのかなと思います。
そのほか、いかがでしょうか。せっかくの機会ですので、皆様方のほうから御意見とかいただければと思うのですけれども。関口構成員、お願いいたします。
○関口構成員 前半からのお話の流れになるのですが、指定通院医療機関に来る前に、指定入院医療機関から一般科精神科病院のほうに1回転移して地域移行ができるということはいいのではないかと。そこをやってくれる病院をどうやって確保するかということになると思うのですが、そこは例えば都道府県別に登録制にするとか、手挙げをしてもらわないと、個別に社会復帰調整官が交渉するのも大変でしょうから、その仕組みづくりをぜひしていただきたいなということがあります。うちとしてはぜひ協力していきたいと思っております。
以上でございます。
○伊豫座長 ありがとうございます。
中嶋構成員、お願いいたします。
○中嶋構成員 本日は貴重な機会に参加させていただきましてありがとうございました。
私は地域で訪問看護をやっているので、医療という大きな枠組みの中で、訪問看護は小さなところではあるのですが、先ほども話題になっていたように、私はどちらかというと通院、地域での支援という形になるのですけれども、先ほど来住先生からお話があったように、地域で見ていると、重層なすごくしっかりとした入院治療を受けてきた人が地域に出てくると、そこはすごくバランスが悪いという感じで、混乱される方が多いかなというふうに思います。
先ほどもちょっと話題になりました、地域に出てから医療保護入院になるということを果たしてどれくらいの方が理解できているのかなというところも地域から見ていると思うところであります。ですので、先ほど来出ているように、できるだけなだらかな、御本人に即したような制度をぜひ通院のほうでもつくっていただきたい、お願いしたいなと思っております。ありがとうございました。
○伊豫座長 ある意味落差が大き過ぎるということでしょうかね。その辺のところをどうやってワンクッション置いていくか。そのことが対象者がリハビリというか、社会にまた復帰していくプロセスの中でも重要なものになるだろうということだと思います。そこで医療保護入院なりでワンクッション置くというのも手ではあると思うのですけれども、ただ、医療保護入院だと、ある意味強制入院の形に入るので、それだったら医療観察法の指定入院を続けるべきなのではないかという議論も出てきてしまうかなと思います。
竹村構成員、御発言ありますでしょうか。
○竹村構成員 簡単に。実は中嶋構成員がほとんど意見を言ってくださったので。通院処遇の場合に、制度的に弁護士が付添人としてつくような形を取っておけば、生活の援助とかいろいろできますので、非常にいいのだろうなと思います。
その関連で言うと、割と対象者の方に後見人をつけるという話が出てくるのですけれども、実は後見人をつけてしまうと、なかなか解消されない、解任されないという実情があるので、そこは慎重に判断して制度を使っていただければと思います。ただ、今度成年後見について法改正がある方向で話が進んでいますので、もう少し柔軟な対応ができるかと思うのですけれども、実は成年後見がつくことによって、対象者の財産は全部押さえられてしまうという変な形になってしまって、うまく行動ができなくなる。その反発があるという相談を受けたりしてしまうので、その辺は制度的にうまく使っていただければと思います。
以上です。
○伊豫座長 ありがとうございます。
村杉構成員、お願いいたします。
○村杉構成員 何度もすみません。
入院から通院へのギャップというところで、今、各構成員の先生方のお話、非常に合意できるところです。指定通院医療機関の色々な大変さの中で、特に最初受けるときの御本人に関する情報収集とか、それを多機関と連携していくところの、特にソーシャルワーカーの大変さというのが大きいのかなというのが研究結果とかでも出てきているのかなと思うので、そこに関しての診療報酬上の加点などがあるといいのかなと思います。そういう加点が多職種チーム医療につながったり、あとは特に難しい事例こそ入院中から何度も情報収集するための機会を、ある程度診療報酬上の担保もある中でできると非常にいいのかなと思いますので、意見を述べさせていただきました。
○伊豫座長 ありがとうございます。
今、正直言って精神保健福祉士の方々の役割が物すごく重要になってきていて、引く手あまたで、人が足りるのかなという心配もあるのですけれども、一方で、そういったニーズが非常に高いのだというのを御理解いただいていくというのも重要なのかなと思います。
そのほか、いかがでしょうか。柑本構成員、お願いいたします。
○柑本構成員 たびたびすみません。柑本です。
今、村杉構成員から情報収集において精神保健福祉士の方が非常に頑張っておられるというお話がありました。確かに各処遇段階で情報がきちんとその病院の手に渡っているとか、処遇機関に渡っているということは非常に大事だと思います。現在、決定が出た後、決定書等がきちんと指定入・通院医療機関に送られていて、それが検討できるような状況になっているのか。それが入手出来ていない場合には、要求したら、きちんとしたプロセスを経て厚生労働省・法務省が出してくださるのかとか、そういったところを御存じの方がいらしたら教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
○伊豫座長 いかがでしょうか。
私が医療観察法の入院を引き受けていたときには、情報が集まるのが遅くて、結局、治療開始判断も診断判断も遅れてしまうことが結構多かったのですけれども、実際指定入院医療機関などではいかがでしょうか。どなたか。来住先生とか、いかがでしょうか。
○来住構成員 決定書は御本人の下に届くということで、たしか医療機関のほうにも合わせて届くということだと思います。ただ、関係機関のところには届かないということになりますから、そこをどう共有するかというところは、社会復帰調整官なり指定入院医療機関の役割になるということだと思います。なので、ケア会議の中でそこはうまく共有していくしかないのかなと思います。
○伊豫座長 ありがとうございます。
柑本構成員、よろしいでしょうか。
○柑本構成員 指定通院医療機関を引き受けていらっしゃる先生にもできれば教えていただきたいのですけれども。
○伊豫座長 そうすると、野木先生ですか。
○野木構成員 あまりそれを意識したことはないですけれども、確かに遅いのは遅いという感じはしますが、ただ、あまりそこまで意識したことはないですけれども、今後それは見ておきます。ありがとうございます。
○柑本構成員 ありがとうございます。
○来住構成員 岡山県精神科医療センターですが、指定通院対象者は、今、9人ぐらい来られています。決定書を受け取るプロセスは同じです。
○伊豫座長 ありがとうございます。
少し遅れはあるにしても、現実進めていく上においては、今のところ大きな問題にはなっていないということだと思います。
よろしいでしょうか。
○柑本構成員 はい。
○伊豫座長 そのほか、いかがでしょうか。
もしないようでしたら、事務局のほうにお返ししたいと思います。
皆さん、どうもありがとうございました。
○佐藤医療観察室長 事務局でございます。
本日は皆様から貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。
1点、先ほど伊豫座長のほうからもかなり御配慮いただいて、厚生労働省でないからというところでありましたが、先ほど鑑定入院の話とか、裁判所マターにはなりますが、いろいろと御意見を賜りました。もちろん、我々からこうしますということを申し上げることはできないというのが正直なところです。今、鑑定の入院料自体につきましては、心神喪失等の方の法律、いわゆる医観法に規定される審判の手続等に関する規則、裁判所のほうの規則の中で定められておりまして、入院料、裁判所が適当と定める額をお支払いするという形で条文上規定されていたかと承知してございます。その中で、まさに裁判所がどこを適正というふうに判断されるかというのはもちろんあるのですけれども、昨今の賃上げ・物価対応、先ほど医科の診療報酬改定であったような現状等をいろいろとお示しさせていただきましたが、今、裁判所のほうからしてみれば、医療がどういった状況かというのは分かりづらい部分が当然あろうかと思いますので、その部分については厚生労働省から必要な情報提供。今回御意見があったことを含めて、最高裁のほうと連絡を取るということを含めて対応はしていきたいと思ってございます。その中で、今日御意見いただいた中にも厚労省だけでは取り組めない話もあるので、関係省庁と適宜連絡を取り合ってというところではございますが、そういったことを含めて対応を考えていきたいなと思ってございます。
その際に、実態として最高裁からは、厚労省から言われたら、はいと言うわけにいかず、基礎資料的なものを含めてさらにということを言われる可能性は当然ございますので、その場合にはまた皆様に御協力を賜ることがあるかとは思いますけれども、そういった形で前に少しでも進めていければと思ってございます。
私からは以上でございます。
○塩崎医療観察室専門官 事務局でございます。
本日は貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。本日いただきました御意見を踏まえまして様々検討を進めさせていただきたいと思っております。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
照会先
厚生労働省
医療観察法医療体制整備推進室
TEL:03-3595-2195