医療観察法の医療体制に関する懇談会(第5回)議事録(2022年2月4日)

日時

令和4年2月4日(金)13:30~15:30

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2
中央合同庁舎第5号館17階 共用第9会議室
 

出席者

伊豫構成員、柑本構成員、関口構成員、竹村構成員、中島構成員、野木構成員、長谷川構成員、原子構成員、平林構成員、南構成員、杠構成員

議事

議事録

○高橋医療観察法室長補佐 それでは、お待たせいたしました。ただいまから第5回「医療観察法の医療体制に関する懇談会」を開催します。
構成員の方々には、御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。
座長が選出されるまでの間、事務局にて議事の進行をさせていただきます。私は、カメラの都合で画面に入っておりませんが、医療観察法医療体制整備推進室の室長補佐の高橋と申します。本日はよろしくお願いいたします。
なお、本日の会議は公開ですが、カメラの頭撮りは構成員等の御紹介の終了までとさせていただいております。プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほどお願いいたします。
それでは、議事に入る前に配付資料の確認と構成員の方々の御紹介をさせていただきます。
本日の配付資料としては、座席表、出席者名簿、議事次第、開催要項、資料1としまして「医療観察法の現状と診療報酬改定等について」、資料2としまして「保護観察所における施行状況(法務省保護局)」になります。
以上でございますが、お手元にない資料はございませんでしょうか。
なお、本日の懇談会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されることになりますので、あらかじめ御了承ください。
続きまして、本日の御出席の方を御紹介させていただきます。お手元に出席者名簿を配付させていただいておりますので、お名前のみの御紹介とさせていただきます。あいうえお順になりますが、伊豫構成員、柑本構成員、関口構成員、竹村構成員、中島構成員、野木構成員、長谷川構成員、原子構成員、平林構成員、南構成員、杠構成員です。なお、南構成員につきましては、所用により途中退席される予定と伺っております。オブザーバーとして全国訪問看護事業協会、高砂様、関係省庁として法務省保護局から猪間企画官、江口専門官、刑事局から田中局付に御出席いただいております。事務局については、出席者名簿に記載のとおりです。
事務局を代表しまして障害保健福祉部長の田原より御挨拶申し上げます。

○田原障害保健福祉部長 本日は御参集いただきましてありがとうございます。障害保健福祉部長の田原でございます。
懇談会の皆様には、日頃より医療観察法に基づく対象者の適切な処遇をはじめといたしまして、精神障害者の保健医療福祉の向上に御尽力いただいておりますことをこの場を借りて感謝申し上げます。
また、指定入院医療機関、指定通院医療機関の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症が流行する中、感染防止対策を講じながら、対象者の社会復帰に向けて御尽力をいただき、重ねて感謝を申し上げます。
医療観察法が施行されまして16年が経過いたしますが、指定入院医療機関の病床数につきましては、現在827床が整備をされております。令和4年度には新たに北海道と福島で指定入院医療機関が開棟する予定でございます。
また、指定通院医療機関のほうにつきましては、現在589か所の医療機関が指定をされておりまして、整備数としましては、当初の目標数に達しているところでございます。
一方で、改めて関係機関のほうからいろいろと課題を指摘されているところでございます。
そのため、医療観察法の医療体制につきまして御評価をいただきまして、所要の対応を行いたいと考えております。本日は様々な立場から医療観察制度に関しまして忌憚のない御意見、御議論をお願いできれば幸いでございます。
リモートの参加者が多いという中で、不便な点がございますけれども、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○高橋医療観察法室長補佐 ありがとうございました。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
続きまして、懇談会を開催するに当たりまして、座長を選出させていただきます。前回の懇談会でも座長をお願いしておりました伊豫構成員に引き続き今回の懇談会についてもお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)

○高橋医療観察法室長補佐 それでは、伊豫構成員に座長をお願いしたいと思います。
それでは、伊豫座長から一言御挨拶をよろしくお願いいたします。

○伊豫座長 皆さん、こんにちは。千葉大の伊豫でございます。ただいま御指名いただきましたので、何とぞよろしくお願いいたします。
医療観察法の医療の今後の在り方をどういうふうに考えていくのか、あるいは具体的にどのように改善していくのか、皆様の御意見を伺いたいと思います。
円滑な議事進行に努めたいと思いますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
では、早速ですが、会議を始めたいと思います。
議題(1)の「医療観察法の現状について」、議題(2)の「医療観察法の診療報酬改定等について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
精神・障害保健課医療観察法医療体制整備推進室の室長をしております森と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですが、資料1「医療観察法の現状と診療報酬改定等について」の説明をさせていただきます。
まず、医療観察法の現状についてです。2ページ目を御覧ください。令和3年4月1日現在の医療観察法指定医療機関の指定数となっております。指定入院医療機関の指定数は33か所、827床で、変更はございません。指定通院医療機関の指定数は3,854か所、うち病院589か所、診療所87か所でございます。こちらも前年比で118か所が増加している状況です。
鑑定入院医療機関の推薦数は298か所。精神保健判定医や参与員の推薦数は1,019名、763名で、変更はございません。
3ページ目は全国の指定入院医療機関の整備状況をお示ししております。現在整備中のところは黄緑色でお示ししております。直近の予定としまして、令和4年4月に北海道大学病院、12月には福島県立ふくしま医療センターが開棟する予定で整備中となっております。また、京都府の洛南病院でも準備を進めているところでございます。
4ページ目は、 各都道府県別の指定通院医療機関の指定状況でございます。必要数というものは、人口100万当たり3か所、各都道府県で最低でも2か所の確保を目標として、機械的に集計した数字でございます。病院、診療所を含めまして、薬局、訪問看護ステーションは含んでおりません。愛知県については不足しているものの、それ以外の都道府県では必要数には達している状況でございます。
5ページ目は入院対象者の状況でございます。令和3年4月1日現在のステージ別、男女別についてお示ししております。急性期、男性95名、女性21名、合計116名。回復期、男性341名、女性100名、合計441名。社会復帰期、男性173名、女性51名、合計224名、合計男性609名、女性172名、総合で781名の対象者がおられる状況です。
疾病別で見ていただきますと、F2である統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害が最も多く、男性498名、女性140名、合計638名と、対象者の8割を占めている状況でございます。
6ページ目を御覧ください。令和3年末現在では在院者数は817名と増加傾向にございます。これらの在院者数の増加に関しましては、新型コロナ感染症の影響等により、退院に向けた地域調整などに支障が生じているためと認識しているところでございます。
7ページ目を御覧ください。退院者が減少していることによりまして、令和2年6月以降、入院対象者数は青で示した運用病床を若干上回りまして、黄色で示した予備病床を使用する状況が続いております。退院に向けた地域調整を促進するために通知などでお知らせをしてきておりますが、今後も引き続き退院促進を検討する必要があると認識しているところでございます。
8ページ目は、令和2年から現在まで新型コロナウイルスに係る対応として発出してきました事務連絡となっております。令和3年11月24日には「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が示されたことを受けまして、令和2年4月3日に発出しておりました「指定入院医療機関における新型コロナウイルス感染症に係る入院処遇の臨時的な取扱いについて」の事務連絡を廃止しまして、退院に向けた地域調整が促進されるよう改めて周知したところでございます。今後も新型コロナウイルス感染症の状況というものは変化していくと考えられますけれども、感染予防対策を行った上で、必要な外出・外泊等の促進を進めていただけるようお願いしたいと考えているところでございます。
9ページ目は令和4年度医療観察法関係予算の概要となっております。義務的経費としましては、入院等決定者医療費は令和3年度が173.9億円だったものが171.7億円と若干減算されております。それ以外のところでは、指定入院医療機関の施設・整備費負担金というものが8億円から5.2億円になっておりますが、こちらは北海道大学病院が令和4年4月に開棟することに伴いまして、建設工事がなくなったため、予算は減額されているものとなっております。
裁量的経費に関しましては、令和3年度と同額が計上されておりますので、引き続き取組は進めていきたいと考えているところでございます。
10ページ目を御覧いただきたいと思います。懇談会の構成員の皆様にヒアリングを行いまして、医療観察法の医療体制に対してどのように進めていくべきかというところで御意見を伺っております。こちらにつきまして、指定入院医療機関(入院処遇)について、及び指定通院医療機関(通院処遇)について、11ページ目には鑑定入院について、生活環境調整について、地域社会における処遇についてというところで御意見をいただいているところでございます。
まず、指定入院医療機関の入院処遇についてでございますが、身体合併症に係る医療観察法病棟職員の付添いに対するインセンティブをつけるのはどうかといった御意見。長期入院解消のために、診療報酬上の対応や、ケア会議、外泊・外出等の適切な対応の促進が必要ではないかといった御意見。指定入院医療機関で複雑事例等の転院を受け入れた場合に、インセンティブをつけるのはどうかという御意見。四国地域の指定入院医療機関の整備が必要ではないかという御意見をいただいております。
また、通院処遇におきましては、社会的逸脱行為が認められる場合、特に薬物依存症などの対応についてインセンティブをつけるのはどうかといった御意見。服薬指導や環境整備などで長時間対応する場合に加算するのはどうかという御意見。日常生活障害を改善する対応に、診療報酬上の評価をするのはどうかという御意見。訪問看護における通院対象者の交通費を公費負担するのはどうかという御意見をいただいているところでございます。
こちらにつきましては、後ほど診療報酬等の対応のところで対応方針について御提案させていただきたいと考えております。
11ページ、鑑定入院につきましては、鑑定入院の診療報酬改善が必要ではないかという御意見をいただいております。
生活環境調整におきましては、保護観察所の長が生活環境調整のため、あらゆる関係機関から情報が入手できたほうがよいのではないかという御意見。薬物依存症の患者が住んでいる地域(=薬物を入手した地域)ではなく、別の地域に社会復帰させたほうがよいのではないかという御意見。
地域社会における処遇について、通院処遇3年の期間満了を漫然と待たずに、適切なタイミングでの終了を促進する対策を進めるのはどうかという御意見。地域関係者と支援構築が不十分なまま処遇終了となる事例に対応するために、通院処遇における評価基準の整理をするのかどうかという御意見をいただいております。
これらの御意見に関しましては、法務省とも共有しながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、12ページ目「医療観察法の診療報酬改定等について」の御説明をさせていただきたいと思います。
13ページ目は、第1回「医療観察法の医療体制に関する懇談会資料」より抜粋しております。対象者の処遇改善につなげる、早期の退院へつなげる、指定通院医療機関開拓につなげるといったことを診療報酬改定における基本方針としてお示しをさせていただいておりました。
14ページ目から16ページ目にかけましてお示ししておりますけれども、これまでも急性期入院対象者入院医学管理料や回復期入院対象者入院医学管理料、社会復帰期入院対象者入院医学管理料におきまして、入院の期間に応じて徐々に減算をするということを行い退院促進を進めてまいったところでございます。また、通院対象者の医学管理料におきましても、前期、中期、後期という形で段階をつけるような形で徐々に診療報酬体系の整備を進めてまいりました。
18ページ目を御覧いただきたいのですが、ヒアリングでいただいた御意見の中で、長期入院となっている場合、一定期間を超えた場合の診療報酬の減算をしてはどうかという御意見。また、ガイドラインに基づき適切な治療を行っている場合の適切な診療報酬上の評価を行ってはどうかという御意見をいただいておりました。
こちらに関しまして、中ほどに「課題」としてお示ししておりますけれども、治療努力をしているために入院が長期化している可能性が否定できないということ。また、比較的早期に処遇終了申立てを行うことで入院期間が短縮している場合もあるという御意見をいただきました。
このような状況の中で、先ほどお示ししたような時期で段階的にさらなる減算するという対応を一律に行うには、十分な議論が行えていない、分析が足りていないというところで、引き続きデータの収集及び詳しい分析が必要と考えているところでございます。
また、ガイドラインに基づき診療を行っているところの上乗せの評価に関しましても、さらなる議論が必要で、こちらに関しましても十分なデータ収集が必要と考えているところでございます。
以上のところから、対応方針(案)としまして、1つ目の丸、当然ながら健康保険診療報酬の改定に伴う医療観察法報酬の影響につきましては改正を行いますけれども、令和4年度の医療観察法独自の診療報酬の改定としては行わないということを案として出させていただいております。
また、ヒアリングで御指摘いただきました身体合併症に係る医療観察法病棟の職員の付添いに対するインセンティブに関しまして、こちらも検討を進めておりましたが、現状すぐに対応することが難しく、引き続き議論を進めていきたいと考えておりまして、現状は令和4年度から心神喪失者等医療観察法指定入院医療機関運営費負担金の中で実費を支給する形で対応させていただければと考えているところでございます。
19ページ目は、現在中医協で議論の俎上に上がりました診療報酬改定の内容の一部でございますが、通院・在宅精神療法として指定医の要件が議論の俎上に上がったところでございます。こちらの影響は今後算定に影響するものと考えておりますので、こちらを医療観察法報酬のほうに含めてまいりたいと考えております。
20ページ目になります。こちらがヒアリング内容に関する医療観察法の報酬に関する御意見のうち、既に診療報酬として存在しているものの、算定実績が少ないものに関して御紹介をしたいと考えております。複雑事例等の転院受入れ時のインセンティブに関しましては、転院調整加算というものが既に存在しております。また、通院処遇における対応困難例に関してのインセンティブに関しましては、場合によっては急性増悪包括管理料というものが算定できるのではないかと考えております。また、長時間対応する場合の加算につきましても、医療観察長時間精神科訪問看護・指導加算というものが存在しております。これらの加算につきましては、実績として算定実績が少ないものと考えておりまして、これらを周知することによってこの取組が広く取り組まれて、さらによい医療を提供できるのではないかと考えているところでございますので、引き続き周知してまいりたいと考えております。
診療報酬としてではなく、今後の取組について御説明させていただければと思います。21ページ目「今後の取組について」として、「指定医療機関の整備について」及び「指定医療機関における医療について」とお示ししております。
1つ目「指定医療機関の整備について」でございますが、四国地域への指定入院医療機関の整備につきましては、全国の病床利用率、当該地域の人的・物的資源の状況を踏まえて引き続き検討したいと考えております。また、指定通院医療機関の地域偏在の解消につきましては、地方厚生局、保護観察所、都道府県と連携しつつ、こちらも引き続き検討していきたいと考えているところでございます。また、指定入院医療機関における医療につきましては、22ページ目にお示ししておりますが、重度精神疾患標準的治療法確立事業を現在行っているところでございますが、通常これをDB事業と呼ばせていただいております。こちらの中でデータの収集を行いまして、そこの中から退院促進などについて分析すべき課題を明確にして、状況把握を行い対応を検討したいと考えております。
22ページ目、別紙としてお示ししているところでございますが、現在医療観察法医療体制整備推進室では、重度精神疾患標準的治療法確立事業として、各指定入院医療機関からデータを収集しているところでございます。これまでデータの蓄積を続けてまいりましたけれども、様々な課題を解決するためにこのデータを活用すべく、令和3年12月に本事業の運営委員会の下に、医療改善を目的とした特別ワーキンググループ(以下、特別ワーキンググループとする。)を新たに設置いたしました。今後は特別ワーキンググループにて指定入院医療機関における治療や対象者の処遇等について状況把握を行いまして、分析すべき課題を明確にし、対応策を検討してまいりたいと考えております。
特別ワーキンググループを活用することで医療観察法の下でのよりよい医療を提供しまして、ひいては一般精神医療にも好事例などの還元ができるように努めてまいりたいと考えている次第でございます。
資料1の説明は以上となります。

○伊豫座長 御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明に対して御質問や御意見がございましたら、挙手をお願いいたします。画面上で振っていただいてもよろしいですし、反応のほうでしていただいてもよろしいのですけれども。
私のほうから1つ教えていただきたいのですが、6ページ目で年間入院者数の動向というのがありまして、その次に入院対象者の推移があるのですが、実際コロナで長期入院化してしまったり、退院が困難になっているというのは全国でそれなりに出ているかと思うのですが、その病院の傾向とか地域の傾向というのはあるのでしょうか。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
地域の傾向というものは若干あるかと考えております。促進をしていただけている施設というものも多くございまして、取組を積極的に進めていただいているところもございますし、地域柄というか、なかなか退院を進めることも難しい地域があるというのも把握はしております。それぞれの医療機関にはこちらからも働きかけを行いまして、より積極的に促進を進めていただくようにお願いはしているところでございますし、今後、全国にも問題提起をしてまいりたいと考えております。
ありがとうございます。

○伊豫座長 こういうときは例えば病院で退院のために準備を進めるのと裁判所で退院決定を出すので、例えばあまり準備ができていないのに退院決定が出てしまうということはあり得るのでしょうか。実際にそういうのが起きているという話はありますでしょうか。ないようであれば全然いいのですけれども。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
基本的には退院の申立てを受けまして、十分な議論の上で退院決定がされると理解しておりますので、拙速な対応が起こるとは認識しておりません。

○伊豫座長 ありがとうございます。
竹村構成員、お願いします。

○竹村構成員 竹村です。
付添人をやっていた経験からすると、退院に当たって拙速だというのに当たったことはないです。少なくとも東京ではそういう報告に当たったこともないです。ただ、再入院申立てがなされたケースにおいては、ちょっと早かったのではないかなと思うケースが散見はされました。結局、環境調整の関係で、できていると思ったのだけれども、実はあまり協力的でないところがあって、うまくいかないでつまずいたというケースがあったということだけ御報告させていただきます。

○伊豫座長 ありがとうございました。
そのほかに御意見、御質問、いかがでしょうか。原子構成員のほうからお願いします。

○原子構成員 3つあるのですけれども、1つは、参考までにもし分かれば教えていただきたいのが、4ページ目の指定通院医療機関の数なのですが、例えば東京都は訪問看護が91か所と出ているのですけれども、この中で医療観察24時間対応体制加算を取っているところが実際には何か所あるのかということを知りたいのが1つ。
もう一つが、これは僕のほうから出させていただいたのですが、20ページの医療観察の長時間の精神科訪問看護のところですが、通常の訪問看護でも長時間の訪問看護というのがあって、それはある程度対象者が決められているのです。厚生労働省のほうが指定している疾患とか、様々なものに関して行われているのですけれども、多分医療観察法もそれと横並びになっていて、なおかつ特別指示書が出ている方に関しての訪問看護が長時間で許されるという解釈なのかなと思ったのですが、これは結構使いづらくて、実は僕がこの課題に挙げたというのは、そういう特別指示書をもらわなければならないような状態が悪い方とか、そういった方の訪問でなくて、日常生活の中で特に多いのが、退院してきて間もない人の生活支援などをやる場合に90分で足りない場合があったりするので、もし通常の長時間訪問看護と同じ考え方だとかなり使い勝手が悪いというのが一つ。
もう一つは、これは僕が知らないだけかもしれないのですけれども、これは520点という点数で書かれているのですが、訪問看護だと点数、何点と書かれていると、医療機関の点数ではないかなと思ってしまうので、まずこれは見ないということになります。通常訪問看護だと5,200円とかそういう単位の書き方をしているので、こうやって書かれると、精神科訪問看護をやっている訪問看護ステーションの人たちは多分見落としてしまうのではないか、だから長時間訪問看護はできないのだというふうに思われることが多いのかなと思いました。
それで、通常の訪問看護の診療報酬だと、訪問看護の手引とかガイドブックがいっぱいあって、その中でいろいろ調べられるのですけれども、医療観察法に関してはそういう冊子、本みたいなものがないと、なかなか調べようがない。これは点数が取れるのかなとか、これは駄目なのかなというのを調べようがないということで、うちの事務の方はとても苦労しているというところがあるので、できればそういう冊子みたいなものがあると、ありがたいかなと思いました。
以上です。

○伊豫座長 ありがとうございます。
事務局、お願いします。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
1つ目の御意見、現時点で91か所の中で24時間対応できているところについて、すぐにお答えすることが難しいので、改めて御説明をさせていただければと思います。
2点目の長時間の加算につきまして、非常に分かりづらい、使い勝手が悪いという御意見、ありがとうございます。こちらに関してより分かりやすく周知ができるように我々としても対応させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○原子構成員 ありがとうございます。

○伊豫座長 では、よろしくお願いします。
では、続きまして、関口構成員、お願いいたします。

○関口構成員 関口と申します。よろしくお願いします。
御質問させてもらいたいのが、処遇困難のお話がございましたが、国として処遇困難者というのはどういう方を考えていらっしゃるのかということと、どのぐらいの人数が処遇困難者としていらっしゃるのかということをお聞きできればと思いました。
また、長期入院というお話がありましたが、実際長期入院で入院されている方がどのぐらいいらっしゃるのかなと。そういう方々の退院支援はどういうふうに取り組んでいるかというのが気になるところですが、その2点をお聞きしたい。
あと、伊豫先生がおっしゃいました地域偏在というか、地域ごとに退院、地域移行がどうなっているかということについては、恐らく地域の社会資源とのリンクがあるのではないかなと思うのですが、医療観察法は地元に帰ることが原則とされていますが、地域の指定入院医療機関とその地域にある社会資源とのバランスで地域移行ができないという実態もあるのではないかと想像するのですが、その辺についてお聞かせいただければありがたいです。

○伊豫座長 事務局のほう、いかがでしょうか。処遇困難の定義と、もし分かれば地域の社会資源と長期入院の関係ですね。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
処遇困難として明らかな定義というものを現状我々としてまだ持ち合わせていない状況でして、そういったところも含めて、どのような方に対してどのような対応を進めることで退院につながるのかというところをさらに深めていく必要があるのではないか、その問題意識を持ちまして今回特別ワーキンググループを立ち上げさせていただいた次第でございます。その点は我々としても非常に重要な点と考えておりますので、引き続き議論できればと考えております。
また、長期入院者数に関しまして、今回こちらでお示しはできておりませんけれども、ある一定の人数は存在しているところでございまして、今、その辺りの資料も公表できるように準備を進めていきたいと考えているところでございます。本日それをお示ししておりませんで、申し訳ございません。

○伊豫座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。

○関口構成員 全部御質問に答えていただいていないのですけれども、指定入院医療機関と地域資源とのバランスについての地域移行の状況がどうなのかということと、長期入院者の期間はどのぐらいか分からないということにしても、長期入院になっている理由が、処遇困難ということとそこはつながっているかどうかとか、その辺の分析がもしあるようであれば教えてもらいたいのですが。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
地域移行の観点、人的や物的なところの偏在に関しましては、現状、実際指定入院医療機関から退院処遇となった後の通院においても、指定通院医療機関が先ほどお示しした資料の中である程度確保されているとはなっていますけれども、かなりの遠距離で通院をされている方がいるという事実もございますので、そこはその地域に応じてさらに指定通院医療機関を増やしていかなければならないといったところ。さらに、先ほど四国に関しては指定入院医療機関の整備が必要ではないかという御意見をいただいておりました。ただ、全国的に平時においては入院病床数としてはある程度目標に達しているというところはございましたので、今後全国的に必要な病床数というものと、あとアクセスをする病院の設置というものを両方とも考えながら、必要なところに必要な病床数を配置していく、それで取り組んでいくということが必要と考えておりまして、そのことも議論ができればと考えております。
長期入院となっている原因としまして様々なものがあると認識しておりまして、ただ、それが今回診療報酬改定に直接つなげられなかった背景としましては、なぜ長期になっているのか、それが病院としての取組のものなのか、それとも対象者の方によるものなのかというところがまだ十分には精査できておりませんで、まさにその点も特別ワーキングの中で議論して抽出できれば考えているところでございます。

○関口構成員 ありがとうございます。

○伊豫座長 そのほかはいかがでしょうか。
今ないようであれば、私のほうから今の質問の続きですが、長期入院で対象者側の問題の場合と地域の社会資源の問題、そして病院自体の問題というのがあると思うのですが、病院での治療方針とかそういったものに関してピアレビューを行ってきていると思うのですけれども、そちらのほうはコロナで、影響などは分かるのでしょうか。なかなか進まないのかどうかです。というのは、入院の延長の書類を見ていると、お薬がもう何年も変わっていないような場合もあったりして、もうちょっと工夫したほうがいいのではないかというのを散見するのですが、そういった意味では、ピアレビューでより積極的な治療的取組をお互いに促進していただくのが大事かなと思っているのですが、いかがでしょうか。ピアレビューの状況などをもし御存じであれば教えてください。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
昨年度もピアレビューを行わせていただいております。その中で厚生労働省及び事務局のほうでこちらの病院とこちらの病院をどうマッチングさせるのがよいのではないかというところは議論をした上で、ピアレビューを行わせていただいております。ただ、そのピアレビューの結果というものが病院全体に伝わっていないのではないか、また、毎回同じような指摘を受けていることが繰り返されているのではないかといった御意見もございました。今後ピアレビューとして、ある医療施設においてはこの分野が得意である、こちらに関してはこの分野が不得意であるというところをマッチングさせるというところまでは、現状事務局として配慮させていただいているのですが、そこにさらに踏み込んだ対応が必要ではないかというところは御意見をいただいているところでございます。
その点に関しても引き続きよりよいピアレビューの在り方などについて、まさに今、特別ワーキンググループの中でも議論させていただいているところでございますので、またその内容を御提示できればと考えております。
ありがとうございます。

○伊豫座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。平林構成員、お願いします。

○平林構成員 長期入院に関してですが、現場からの報告としてお聞きになっていただければと思います。関口先生が御指摘されたように、困難事例と呼んではいないのですが、「複雑事例」と呼ばせていただいています。どういった方が複雑事例に相当するか、少し調査は進んでいて、入院した後に行動制限を長く受けている方、あるいは行動制限を繰り返している方がどうも長期入院に至っているらしいということは分かってきています。その長期入院の中で診断などを見てみますと、統合失調症に加えて、精神遅滞とか発達障害とかパーソナリティー障害などの併存症を持っていて、非常に衝動性の高い方だという点がはっきりしてきています。
その衝動性の高い人たちが必ずしも薬物療法が効かなくて、これが御指摘いただいていた病院の差とか地域の差になるのですけれども、あくまでも長期的に治療で何とかしよう、特に心理社会的な治療を試み続けますと長期入院化しますし、割と短期で処遇終了する方向に持っていきますと、行動上の、十分には解決していないのですが、通院に移行するという二分になる可能性があり得ると思われています。
厚生労働省のほうからも説明があったように、ピアレビューの中で、今後の研究の中でも処遇終了とか退院の許可の申立てになる過程で、例えばクロザピンは必ず使ってみるとか、認知行動療法に基づいた介入はこのようにすべきだとか、ある一定の示されたプロセスをしっかり踏まえた上で、処遇終了を申し立てていく必要があると思われます。今、処遇終了の基準はあまりしっかりと出ていなくて、そこもコンセンサスが得られる形で現場として提案できればと考えています。それによって複雑事例の概要が明らかになって、それに対して行う治療プロセスが一定のクリティカルパスみたいなイメージで示されて、それをしっかりやった上で、治療反応性が十分でなければ、処遇終了の退院の申立てをしていったらどうかと考えています。
以上です。

○伊豫座長 ありがとうございます。
ぜひそのプロセスをフローチャート化とかクリパスとかそういったもので、あと、その中に入っていないような状態像の見方というのもあると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
そのほかはいかがでしょうか。関口構成員、お願いします。

○関口構成員 たびたびすみません。
平林先生、ありがとうございます。治療反応性がもうなくなって、処遇終了になっていく、退院になっていくという方の中には、私も経験があるのですけれども、衝動性がうまくコントロールできない、治療ではどうにもならないということで、退院になっていく方で、社会に出ると社会的な問題を起こしていくという方がいらっしゃって、また医療観察に乗ってくるというこのサイクルを繰り返している方がいるのです。そういう方々の処遇というのは本当に難しいなと思うのですが、ここは司法に乗ったほうがいいのかとか、そこら辺の判断は大変難しいと思うのですが、一度医療観察法に乗ってしまうと、ずっと医療観察法でサイクルを繰り返していくのかとか、そういうことはどこがどういうふうに判断していったらいいのかなと。この方は自分では裁いてくれということをずっと訴えている方で、入院なんて納得いかないなどという話もされている方がいるのですけれども、ほかにもそういうサイクルを繰り返している方がいて、刑事責任の問題と治療の問題、そこら辺の判断というのはここで検討することではないかもしれませんが、今日刑事局の方にいらっしゃるということなので、少し意見として今、感じている課題を伝えさせていただきました。
以上です。

○伊豫座長 ありがとうございます。
せっかく法務省所管のことでもありますので、そういった対象行為以外のことであると、医療観察法と別のこととして裁判になったりするかもしれないのですけれども、もしコメントがありましたらいただけますでしょうか。猪間企画官。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 法務省保護局の精神保健観察企画官をしております猪間と申します。
医療観察の期間中に再他害行為があった場合、必ずしも医療観察のほうに乗るケースばかりではなくて、刑事処分を受けるという場合もケースとしてはございます。

○伊豫座長 ありがとうございます。
ですから、一度乗ったらということではなくて、その都度その都度判断していくという考えでよろしいわけですね。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) はい。

○伊豫座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。野木構成員、お願いします。

○野木構成員 日精協の野木です。
少し教えていただきたいと思います。私は今回初めて出席させてもらっているので、ちょっと分かりにくいところがたくさんあるのですが、医療観察法の入院に関しては、個人的にはもう少しめり張りをつけてもいいのかなと感じています。初めてで何とも言えないところだと思うのですけれども、私は監査等に行かせていただいて患者さんとお会いすることがあるわけですが、同じ場所に2年おきとか毎年行ったりとかいうときもあるのですけれども、意外に早く非常に落ち着いている方がおられる一方で、今回もそうだったのですが、2年前は非常に安定されていましたけれども、今回行ってみたら非常に悪くて、僕、ちょっとうかつだったのですが、2年前は割合安定されていたという印象があったので、入っておられたのですが、近寄って殴られるみたいなことを経験して、ああ、ここまで悪くなられているのだなというのを今回経験したのです。
僕は、こういうふうに点数が減算されていくということが何となく不可解で、重症の方はなかなか治りにくい人が一定数おられて、そこはかなりインテンシブに診ていかないといけないのだなと。いわゆる診療報酬上、こういうふうに点数が下がっていくという方式は何となく納得いかなかった側面があるのですけれども、指定入院医療機関の先生はその辺りはどう考えておられるのかなという気はしました。医療観察法での入院はなかなか治療が大変だなという印象は、今回も監査に行かせていただいてちょっと思った次第ですが、教えていただければありがたいです。

○伊豫座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。今、比較的長期になって、また精神症状が悪くなってしまうケースもあるのに対して、医学管理料が減算されてくるということについてどうかということなのですけれども。病棟でマネジメントしておられる先生方、いかがでしょうか。平林先生、よろしいでしょうか。

○平林構成員 長期入院化していくと徐々に減算されていくという点は、確かに御指摘のとおりだと思います。一方で、必ずしも性悪説というのはあり得ないと思うのですけれども、全部が性善説で、100%いつも努力しているという前提があれば、もちろん減算していかなくても結構なのではないかと思います。
でも、一方で、スタッフも人間なので、やや困難な状況、困難な対象者の方の治療に当たると、少し緊張感を持続できなくなって、年単位では持続できないときもあるように思います。適切な意味での緊張感を維持していただくという意味では、必ずしも減算が悪だけというわけではなくて、適切な面もあるのではないかと考えています。
○伊豫座長 ありがとうございました。
では、杠構成員のほうからお願いします。

○杠構成員 杠でございます。
私どもが抱えておりますけれども、この問題は一般精神医療も同じことが言えるのではないかと思います。長くなればなるほど診療報酬も下がりますので。そこで何が重要かというと、精神疾患の重症度を客観的に評価するようなものを導入することがここの問題をクリアする解決法の一つかなと思いました。どれだけ大変か、手がかかるかということを少し数値で示せるようになると、こういう問題が解決できるかなと感じているところです。
以上です。

○伊豫座長 ありがとうございます。
それと、処遇困難の部分とも関係はしてくるのでしょうか。評価基準や処遇困難のこれからつくろうというものです。その辺について厚労省、事務局のほうで何かお考え、御意見がありましたら伺いたいと思います。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
一律の減算での対応というよりは、まさに適切な医療を提供した場合に適切な報酬体系になるように組み替えることができないかと考えているところでございます。その議論を深めるために、繰り返しになりますが、胸を張ってお伝えできるように特別ワーキンググループの中で議論を進めていきたいと思っておりますので、その経過につきましては適宜御報告できるようにまとめを進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○伊豫座長 よろしくお願いいたします。
中島構成員、お願いします。

○中島構成員 今、適宜伝えてくださるということですけれども、年に1回しかやらないこの会では来年伝えるということですか。

○森医療観察法室長 できましたら、少なくとも来年の懇談会ではある程度の形がお示しできるようにしたいとは考えております。

○中島構成員 ちゃんと知らせるためには途中で、半年ぐらいで一度進み具合を教えていただかないと駄目ですね。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
まだ走り出した状況ですので、ある程度お見せできると判断できる状況になりましたら、ぜひとも開催させていただければと思っております。
ありがとうございます。

○中島構成員 これは月数によって点数が減算されていくということと同じなのですよ。だんだんだれてきます。だから、減算しているのでしょう。平林先生もおっしゃっていること、僕は賛成ですが、厚労省のほうも何にも報告がなかったらだれていくでしょう。それが駄目なのです。半年後も新型コロナが形を変えてまだ続いていたら、僕はあえて求めません。だけど、収まってきていたら、ちょっと報告してもらいたいですね。どんなふうに進んでいくのだろうか。
各病院、地域の熱意、パッションの在り方が現在の運用状況を変えていると思いますね。パッションと同時に、それを支える治療技術をどんどん開発していかないといけないのに、それが十分できていないのではないかと思います。
もう一つは、全体の枠組みは法務省の枠組みの中でできているわけです。その運用に関わるところだけ厚労省が任されていると。非常にやりにくい立場にあって、残念なわけです。この問題を混在させながらやらなければいけないという、本当にしんどい仕事だろうと思います。○伊豫座長 また進捗を適宜御報告いただければということなのですけれども。どうぞ。

○森医療観察法室長 法務省など関係機関とも随時共有はさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○伊豫座長 柑本構成員、お願いいたします。

○柑本構成員 ありがとうございます。柑本です。
伊豫先生、ヒアリングの主な御意見とか、そういうところの内容に入ってしまってお話ししてもよろしいのでしょうか。

○伊豫座長 結構です。

○柑本構成員 ありがとうございます。
私はヒアリングの要望の中で2点述べていたことがあったのですけれども、この御意見のところには反映されていないので、すみませんが、口頭で述べさせていただきたいと思います。
1点目は、鑑定入院中の行動制限や処遇改善請求についてです。これは法律ができて、5年後の見直しがあって、その中でも大体毎回これは必要だということを述べさせていただいてきたのですが、まだそのことが法律上、全く反映されていないような状況にあります。ここの部分というのは厚生労働省さんが担当されているところではないので、なかなか難しいとは思います。ただ、現在鑑定入院期間中の対象者の方たちの人権擁護というのは、本当に関係者の御努力によって保護されているにすぎないという状況にございます。
精神衛生法から保健法への改正作業というのは、まさにそういった患者さんの人権の擁護というところについて変換を図らなければいけないという観点に基づいて行われてきたはずです。従いまして、実務の良心に委ねるのではなくて、例えば行動制限であれば、できる範囲及び制限を行う際の要件について、法律上明記すべきではないかと考えております。これは処遇改善請求についても同様です。
もう一点、入院処遇に関してガイドラインというものを現在定めているわけですけれども、医療の内容はともかく、患者さんの人権擁護といった観点からは、法律ができた後、社会的にもいろいろな動きがございましたので、そういったことも踏まえながら、いま一度見直しをする必要があるのではないかと考えております。
この2点はあくまでも意見ですけれども、記録にとどめていただければ大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

○伊豫座長 2点目の入院処遇ガイドラインは、鑑定入院だけではなくて、医療観察法入院全体ということ。

○柑本構成員 そうです。もちろん、鑑定入院についてもそういったものを設けていただければ、それに越したことはありませんが、現状としては指定入院医療機関のガイドラインについての話です。

○伊豫座長 そうしますと、鑑定入院については法務省所管ということで、猪間企画官のほうからお話しいただければと思うのですけれども。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) すみません。鑑定入院に関しては刑事局のほうで対応ということなのですが。局付。

○田中刑事局局付(法務省) 法務省刑事局の田中です。
個別の措置の要否や医療費や内容等を検討する前提として、医療観察法の運用の実情や課題を踏まえた多角的な検討が必要になるかと思いますので、現時点において当局の考えを申し上げることは困難であるということを御理解いただければと考えております。

○伊豫座長 柑本構成員がおっしゃるように、以前からこういう話は出ていますので、何とぞよろしくお願いいたします。改めてまたお願いしたいと思います。
事務局のほうでもし入院処遇ガイドラインを国際的な動きに合わせて見直すかどうかとか、その辺のお考えがあれば伺いたいと思いますが。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
事務局としましても適宜ガイドラインの必要な修正などは行いたいと考えておりますので、その議論も含めて検討してまいりたいと思います。
ありがとうございます。

○伊豫座長 ぜひお願いします。
そのほかはいかがでしょうか。長谷川構成員、お願いします。

○長谷川構成員 1つは質問で、もう一つは意見ですけれども、入り口のところで時々散見するのですが、私たちの経験で、医療観察に相当するような事件を起こして、統合失調症で傷害とか事後強盗とか起こして、病状も関係しているという方でも医療観察の申立てがなされない場合があって、鑑定で心神喪失になっても、もう一度通院先としてうちにそのまま戻ってくる方がいらっしゃいます。それ相応の医療機関に既につながっているからという理由が述べられたこともあったのですけれども、そういうことが全国的に結構あることかなということ。
もう一つは早期退院についてですが、例えば外泊期間をもうちょっと長くして、措置入院の仮退院に近いような形で少し長期にするのはどうでしょうか。それには入院のスタッフが全部責任を負うのは大変なので、外来側、通院側のスタッフや社会資源を活用する方法があると思います。最初のうちは緊張しているので、生活障害の程度とか分かるのはもうちょっと長く外泊、あるいは仮退院のような形ではいかがでしょうか。思い切って。御検討いただければと思います。よろしくお願いします。

○伊豫座長 ありがとうございます。
最初の件については入り口のことということですが、どちらかというと「心神喪失」とついているのだけれども、医療観察法に乗らずにということでしょうか。

○長谷川構成員 はい。

○伊豫座長 それはまずいですよね。
その辺のことについて、どなたか分かるかしら。では、中島先生、お願いします。

○中島構成員 僕は、それは分かりませんけれども、要するに、使えるところがあるかないか。北海道にはなかったということがかなり大きく影響していて、検察庁の人たちもそのことを勘案してしまっているのではないかと思うのです。

○伊豫座長 分かりました。
どうしても地域性を勘案してということだと、通常だとちゃんと検察のほうで医療観察に上げてくれるというのが適切だと思います。
あと、早期退院等で少し長期の外泊というのが可能かどうかという点で、まだ指定入院中であるときに長期退院というので困難な部分もあるかもしれないのですけれども、その辺、何か検討とかお考えとかございますでしょうか。事務局のほうでお答えいただければ。

○森医療観察法室長 ありがたい御意見として検討の俎上に上げていきたいと思います。ありがとうございます。

○伊豫座長 では、よろしくお願いいたします。
そのほかはいかがでしょうか。竹村構成員。

○竹村構成員 竹村です。
入院経験者のお話の中で外泊訓練は、最初は2日でいい、次は5日、次は1週間という具合にやってもらったほうが復帰としてはしやすかったと思うということを述べられた方が何名かいらっしゃいましたので、御報告ということで。実務上もそうだったと。

○伊豫座長 またぜひ御検討いただければと思います。
ほかはいかがでしょうか。野木構成員、お願いします。

○野木構成員 ありがとうございます。
教えていただきたいのですけれども、先ほどの話というのは、非常に重度の人たちが入院されていて、繰り返している方もおられると。一方で、入院当初から比較的かなり安定しているという患者さんもおられるという気はいたしますが、こういう人たちが最短どれぐらいで退院できているのかというデータはあるのでしょうか。

○伊豫座長 いかがでしょうか。退院セッティングがかなり早く出たということだと思うのですけれども。

○森医療観察法室長 ありがとうございます。
今、事務局として把握しているというか、正確なデータではないですけれども、入院処遇から6か月程度で退院処遇となった方がおられるのは把握しております。

○伊豫座長 ありがとうございます。
そのほかはよろしいでしょうか。竹村構成員、お願いします。

○竹村構成員 竹村です。
私の経験例で1年ちょっとで退院されたという方もいらっしゃいました。

○伊豫座長 ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
最後に、処遇困難のところで先ほど平林構成員のほうから幾つか疾患が、統合失調症以外出たのですけれども、私たちのところは大学病院なのですが、平均在院日数では大体35日ぐらいなのですが、そういう中でも治療困難で2年程度入院される方が時々おられます。とにかく自宅退院させようということでやっているのですが、そうすると、多くが精神病症状を伴う双極性障害で、それのコントロールが非常に難しくて、統合失調症として治療していると、衝動性が全然コントロールできないのです。クロザピンを使っても駄目なのです。ですから、それで結局2年ぐらいかかってしまうのですが、何とかコントロールして、転院ではなくて自宅退院という形にしているのですけれども、その辺のところもぜひ処遇困難のところではお考えに入れていただけると助かると思います。
以上ですけれども、ないようでしたら、次に移りたいと思います。よろしいでしょうか。どうぞ。

○森医療観察法室長 今回事務局として提案させていただきました今回の方向性、対応方針(案)につきまして、構成員の皆様の御了承をいただけるかについて御確認いただけますと幸いです。

○伊豫座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。厚生労働省、事務局のほうから御提案というか、お話しいただきましたが、そういった方向でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)

○伊豫座長 ありがとうございます。
野木構成員、お願いします。

○野木構成員 何度もすみません。事務局の提案というのは、結局、10ページから11ページ、この2つと考えてよろしいのでしょうか。

○森医療観察法室長 18ページ目の赤でお示しした「対応方針(案)」という内容になります。

○伊豫座長 18ページの下のところですね。

○野木構成員 下のほうですね。

○伊豫座長 はい。

○野木構成員 分かりました。ありがとうございます。
これは最初のほうに出ていた、先ほど柑本先生もおっしゃいましたけれども、例えば鑑定入院のときの費用を上げるとか、そういうのは入っていないということですね。

○伊豫座長 そうですね。先ほどちょっと申し上げましたが、鑑定入院はどうしても法務省管轄になりますので、こちらとは違うと考えていただければと思います。

○野木構成員 ただ、いつも法務省管轄、法務省管轄と言われてもう10年以上たって、最初の金額が決まっても17年たっていて、私が日精協で言い始めてからもう5年ぐらいたっていて、法務省管轄、法務省管轄と言っていつまでたってもこれが進まないのです。だから、当時最高裁と話し合っているわけですが、日精協会長の山崎先生は、最高裁のほうで紹介してくれるなら、俺、いつでも行くぞと言ってくださっているのですけれども、そういうふうに動かないと。中島先生もおっしゃっていましたが、いつまでたっても動かないという気がするのです。やはり何かを動かしていかないと、いつまでたっても動かない。法務省管轄だということになったら、100年たっても動かないのではないかなという気がしますので、よろしくお願いいたします。

○伊豫座長 今回法務省からも御参加いただいていますので、何とぞよろしくお願いします。あと、厚生労働省からも省は違いますけれども、またそちらについての話も進めていただければと思います。
よろしいでしょうか。
では、一応対応方針(案)、御了承いただいたということで、次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、続きまして、議題(3)の「その他」に移ります。ここでは法務省から医療観察制度の施行状況を御説明いただきます。よろしくお願いいたします。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 改めまして、法務省保護局精神保健観察企画官の猪間と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうから、前回の懇談会の後の2年間で保護観察所において実施している取組などについて御説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料2「保護観察所における施行状況」という資料を御覧ください。
本日御説明いたしますのは、「新型コロナウイルス感染症の影響と対応について」と、「家族支援及びピアサポート事業の取組について」でございます。
保護観察所の社会復帰調整官は、皆様御承知のとおり、大きく分けて4つの職務を担っております。1つ目は審判前に行う対象者の生活環境の調査。2つ目は入院処遇中の対象者の退院後の居住予定地の医療や援助の確保等を行う生活環境の調整。3つ目は地域処遇中の対象者の生活状況などを見守り、必要な指導等を行う精神保健観察。4つ目としては関係機関の間の連携の確保を行うコーディネート業務ということになります。
これらの職務のいずれにおきましても新型コロナウイルスの影響を受けましたけれども、特に影響が大きかったのは生活環境の調整に関する業務でした。これは医療機関としてはやむを得ない判断だと思うのですが、指定入院医療機関さんのほうで社会復帰調整官を含む部外者の訪問とか、対象者の外泊・外出というものに制限をかけられてしまいまして、社会復帰調整官が本人と直接会って話をしたり、社会復帰準備のための外泊・外出訓練をしたりするということができなくなりました。また、受入先となるグループホームなどからも、外泊訓練を経てからでないと受け入れられないとか、今はコロナの心配があるから新しい人の受入れは止めているのだということを言われまして、なかなか生活環境調整が予定どおりに進まないという事態となってしまいました。
次のスライドは生活環境調整事件数の推移を表したグラフになります。赤い部分でお示ししているのは終結件数ということですが、つまり、入院処遇から地域処遇に移行した人の数というのが、令和2年は201件と低い水準になってしまいました。令和3年はコロナのほうにもちょっと慣れてきて、いろいろと対応が取られるようになったということもありまして、大分持ち直して226件となりましたが、青い部分でお示ししている開始件数、つまり、入院決定になる人の数もちょっと増えたということもありまして、年末の事件係属件数は、過去最高であった令和2年の793件よりもさらに増えて816件となってしまいました。
コロナのせいで、本来であれば地域処遇に移行できるはずの人の入院期間が延びてしまうということは、決して望ましいことではありませんので、私どもとしても何とかその影響を最小限に抑えようと考えまして、とにかく会議や面接ができなければ何も進んでいかないという仕事ですから、これらをリモートで行えるようにいろいろと整備を図ってまいりました。本年度の補正予算におきまして、ウェブ会議用のタブレット端末とかモバイルルータの購入経費なども認められました。また、医療機関さんのほうでもテレビ会議システムを導入してくださったところもありますし、また、一般のウェブ会議サービスを利用しての面接や会議を可としてくださっているところも多くて、そうした御配慮により問題は徐々に解消されつつあります。
あくまでも原則は対面による接触と考えておりますが、こうしたリモートによる面接や会議というものも、退院後の居住予定地と入院地が遠い場合などはとても便利ですので、コロナ終息後においても医療観察業務を弾力的に実施する手段の一つとして利用していく予定でございます。
この後は保護観察所において行われている取組の御紹介ということになります。まず、家族支援につきましては、以前から意欲的な社会復帰調整官が独自に取り組んでいたことなのですけれども、令和2年度から謝金などの予算をつけてバックアップすることになったというものです。対象者の社会復帰の促進を図る上で、家族等からの支援・協力を得るというのは重要なことですが、その一方で、対象行為の被害者の約4割から5割が家族等ということがありまして、医療観察対象者の家族は被害者でありながら支援者としての役割も期待されるという、非常に難しい立場に置かれているということが少なくありません。
また、対象行為を起こす前の家族の対応が対象行為につながったという場合もございます。そうしたことから、家族等に精神障害についてよく理解してもらい、対象者への適切な対応方法を身につけてもらうことが大切だということで、ネーミングは様々ですが、家族等を集めて専門家の話を聞いてもらったり、あるいは自助グループのような形で、家族同士で話をしてもらったりするような場をセッティングしております。
精神疾患を持つ人たちの家族会というものは地域でも行われているようですが、重大な他害行為を行った医療観察対象者の家族というのは、そういう一般的な患者の家族の中ではなかなか話をしにくいというところもあるようなので、こうした医療観察対象者の家族に限った集まりというのはなかなか好評のようです。
現状においては、試行的にやりたいですと手を挙げたところにやってもらっておりまして、令和2年度は全国50庁あるのですが、そのうちの14庁が手を挙げてくれたのですが、コロナのこともあって、7庁での実施にとどまりました。ただ、実施した庁では複数回行ったり、あるいは全国各地の保護観察所とオンラインでつないで合同の家族会を行ったりという庁もございました。令和3年度は15庁が手を挙げてくれておりまして、少しずつ広げていけるといいなと思っております。
最後に、ピアサポート事業についてです。ピアサポートというのは、同じ問題を抱える人たちが集まって、それぞれが自分の体験などを話して支え合っていくというもので、今、お話しした家族支援の中でも行っている場合があるのですが、ここでピアサポート事業と言っているのは対象者によるものです。指定入院医療機関の中で行われているプログラムの中にも対象者同士で集まって話をするというものもあるかと思うのですけれども、私どもが行っているのは、医療観察を終えた元対象者のうち適任と思われる方に医療観察ピアサポーターとして、今まさに医療観察の処遇を受けている対象者に対して体験談などを話してもらうという取組です。
資料には「精神保健観察対象者の社会復帰の意欲の喚起等」と書いておりますが、精神保健観察の対象者に限らず、昨年、ある庁では3か所の指定入院医療機関とオンラインでつないで、入院処遇中の対象者十数名を相手に、元対象者2名から自分の体験を話してもらって、質問などにも答えてもらうという取組を行っておりまして、大変好評だったと聞いております。
このピアサポート事業は、今年度から謝金などを支払う予算が取れたということになるのですが、これも家族支援と同様、やりたいですと手を挙げた庁で試行的に実施してもらっているという段階です。今年度はコロナの関係もあって、今のところ実施した旨の報告を受けているのは2庁のみとなっております。
以上、保護観察所の最近の取組について御紹介をさせていただきました。
医療観察制度は施行後16年を経過して、おおむね安定した運用状況となっておりますが、より充実した制度としていけるよう引き続き努力してまいりたいと思っておりますので、皆様にも御助言や御協力を賜れれば幸いでございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

○伊豫座長 御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明に対して御意見や御質問がありましたらいただければと思います。では、関口構成員、お願いします。

○関口構成員 御説明ありがとうございます。
ピアサポート事業については、一般の精神保健福祉のメニューとして今、非常に注目されているところですが、私もこのピアサポーターの養成には関わっているところがございまして、そのプロセスの中で自分の体験を話すことで非常にトラウマチックな体験をして、苦しくなって再発をしたという人もいるのです。自分の体験を話してほかの人の回復を願うということは非常に貴重なことだと思うのですが、当事者、ピアサポーターのケアをどうするかということも含めて、その方々のつらいところをきちんと分かりながらやっていくということは重要かなと思いました。
以上です。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) どうもありがとうございました。

○伊豫座長 では、そのような点についても御検討いただければと思います。
そのほかはいかがでしょうか。
僕のほうから質問なのですけれども、新型コロナウイルス感染症の影響というお話の中で、私の聞いているところでは、外泊でなくて、指定通院医療機関への練習で通院して、病院に戻ると2週間隔離という病院もあると聞いていて、では、自宅に戻ったらみんな2週間隔離しないといけないのかということなのですが、そういうお話というのは保護観察官の方々に入ってきたりはするのでしょうか。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) そういうケースがあるということは耳にしております。

○伊豫座長 感染予防対策を取っても、1回外に出ると2週間隔離されてしまうということになると、退院促進が難しいですね。分かりました。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○杠構成員 肥前の杠です。
先ほどテレビ会議システム導入のお話があったのですが、現時点で10か所しか保護観察所とつながっていないということは、ほかの施設というのはどういう形で会議をされているのでしょうか。方法を教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) その下に書いてあるウェブ会議サービスを利用していただいているところが多いようです。

○杠構成員 では、いずれにしてもテレビ会議といいますか、そういうオンラインのミーティングはされているということですね。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 全部で行っているかどうかというのはちょっと分からないのですが、多くのところではそういった形を取ってくださっていると伺っています。

○杠構成員 分かりました。保護観察所と専用のセキュリティーの高いつながりをしているところが1番で、民間のZoomとかなんとか、そういうものを使ったのが2番という分け方ですね。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) そうなります。

○杠構成員 了解しました。ありがとうございます。

○伊豫座長 そうましたら、柑本構成員、お願いします。

○柑本構成員 ありがとうございます。現状についての御説明、どうもありがとうございました。
1点お伺いしたいのは、実際にコロナ禍ということもありますけれども、それを度外視しても、精神保健観察、地域処遇を進めていく上で、特に現場でこういった困難があるとか、こういったところを改善してほしいとか、そういったことがあったら教えていただきたいのですけれども。どうぞよろしくお願いいたします。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 現場については、調整官の経験のある専門官のほうにお任せしたいと思います。

○柑本構成員 すみません。お願いします。

○江口精神保健観察企画官室専門官(法務省) 江口と申します。いつもお世話になっております。よろしくお願いします。
現場のほうでは、先ほど企画官のほうから説明がありまして、家族に被害者が多いという話をさせていただきました。もちろん、家族支援という関わり方と両方しているのですけれども、なかなか居住地確保という面で難しいという現状があります。
それから、障害福祉サービスのほうの受入れ体制というのも、私どもとしていかに理解していただいて受け入れていただくか、普及啓発ということにも力を入れておりまして、そういった面で少しずつではありますが障害福祉サービスでの受入れ、グループホーム等での受入れが進んできているという状況ではあります。
以上です。

○柑本構成員 ありがとうございます。
江口さんに1点お伺いしたいのですけれども、医療観察法の対象者の方々の地域支援とか地域処遇でないところで困った方たちの支援をされている方たちというのは、いろんなところに情報の提供を求めたりしても、昔に比べたら随分提供してくれるようにはなったけれども、まだまだハードルが高いということで、それぞれの問題を管轄している法律の中で、そういった求めを受けた側が協力をするよう努めなければならないとかいったようなことが規定に盛り込まれたり、もうちょっと協力を得たり、情報を得たりするのを容易にするような規定を法律の中に設けたりするようなことが多いのですが、地域処遇においてはそういったことで困っていることはないのでしょうか。

○江口精神保健観察企画官室専門官(法務省) ありがとうございます。
医療観察法の108条の中で関係機関は保護観察所の長の求めに応じるというような形で協力をしていただくという規定にはなっております。ただ、施行当初はかなり法に対する反対などもありまして、そこも我々関係機関が協力を求めてきて、そして大分改善されるようになってきているかなと思っています。
また、これは保護観察所から医療機関に対する照会についてですけれども、今、診断書を求めるという場合に、通常は手数料などが発生する医療機関があるのですが、医療観察法の中ではその手数料というものが今までありませんでした。ですので、今般、予算要求をさせていただきまして、全部ではないのですけれども、一部、例えば必要に応じてその手数料を支払えるという経費が認められております。
以上です。

○柑本構成員 ありがとうございます。

○伊豫座長 そのほかはいかがでしょうか。では、原子構成員、お願いします。

○原子構成員 参考までに教えてほしいのですが、この家族支援をやる、多分グループワークなのだと思うのですけれども、このグループを構成する職員、人たちというのは、どんな方たちでやられているのですか。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 基本は社会復帰調整官ということになります。

○原子構成員 では、社会復帰調整官と御家族の方だけのグループワークということでよろしいですか。

○猪間精神保健観察企画官(法務省) 適宜専門家の先生を呼ぶこともあるかと思いますし、そこはその都度判断をされることかなと思っています。

○原子構成員 ありがとうございます。

○伊豫座長 どうぞ。

○高砂全国訪問看護事業協会副会長 オブザーバーの全国訪問看護事業協会の高砂と申します。
原子構成員の御発表のところで、訪問看護ステーションの担い手たちにこの医療観察法の報酬の在り方などが十分に伝わっていないようなお話がございましたので、このような場にオブザーバーとして参加させていただいていますので、活用していただける資料などを準備していますので、原子構成員と相談しながら、事務局の方にも活用いただけるといいなと思っています。よろしくお願いします。

○伊豫座長 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
そのほかはいかがでしょうか。議事全体を通してでもよろしいですから、御意見、御質問がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。
では、御意見、御質問がございませんようなので、事務局のほうに進行をお返ししたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。

○高橋医療観察法室長補佐 本日は貴重な御意見、御指摘等多数いただき、ありがとうございました。
それでは、本日につきましてはこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 

照会先

厚生労働省

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課
医療観察法医療体制整備推進室
TEL:03-3595-2195