厚生労働省公共調達中央監視委員会の審議概要について

 

【問合せ先】

厚生労働省大臣官房会計課監査指導室

電話03−5253−1111(内7965)

第2回厚生労働省公共調達中央監視委員会第二分科会が、平成20年3月28日(金)に、厚生労働省専用第12会議室において開催されましたので、その審議概要についてお知らせします。

 

第2回 厚生労働省公共調達中央監視委員会第二分科会(議事概要)

開催日及び場所

平成20年3月28日(金) 厚生労働省専用第12会議室

委員(敬称略)

第二分科会長  浅岡 輝彦  あさひ法律事務所 弁護士

委 員     枝松 広朗  あおば公認会計士共同事務所 公認会計士

委 員     松永 賢次  学校法人専修大学ネットワーク情報学部准教授

審議対象期間

平成19年7月1日〜平成19年12月31日の間における調達案件

抽出案件

10件

(備考)

「報告案件」とは、各部局に設置された公共調達審査会において、不適切等と判断した案件について、報告を受けたものである。

 報告案件

 0件

 審議案件

10件

委員からの意見・質問に対する回答等

意見・質問

回   答

下記のとおり

下記のとおり

 

意見・質問

回   答

冒頭、事務局から、「厚生労働省公共調達中央監視委員会設置要綱」の一部改正について説明し、委員会を分科会方式にて行うことに伴って委員の増員を行い、原則として、第一分科会においては公共工事案件及びその余の案件のうちの地方支分部局の案件を、第二分科会においては情報システム関係案件及びその余の案件のうちの本省の案件を審議することで了承された。

また、47都道府県労働局及び社会保険庁における第三者委員会の活動状況の報告を行った。

【審議案件1】(一般競争入札・応札者1名・連名調達)

「労働局総務情報システム(雇用均等行政情報システム)における事業場台帳管理機能改修作業」

(労働基準局労災補償部)

 仕様書を見た限りでは、不思議といいますか、非常に特定の企業が持つソフトウェアだけを使わなければできないというわけでもないようですので、1者しか応札しないというのは、非常に不思議です。

11月2日に広告して1227日に開札ということで、特段短いということではないと思いますが、ほかに何か理由はありますか。

まず官報公告は50日以上ですので、クリアしていると思います。それから1者というのは、他のところでもできるということで一般競争にしたわけですが、現行ベンダーが今までのプログラムを扱っていますので改修作業に入るときに、下地を持っています。強くなるのは傾向としてはあると思います。それ以上のことは判断しかねます。

このシステムは他にもいろいろな部分があって、ある部分だけを改修しようということと考えてよろしいですか。

均等システムの中にある事業場台帳管理機能という機能があるのですが、その部分に対しての改修です。

一般的に考えると、ほかの会社も参入できるように切り出されているというのですか、そのことが問題であるという可能性はあり得るような気もするのですが、どのように考えていますか。

調達の原則は一般競争ですから、私どもとしては他のところでも調達できるものと考えて一般競争を行いました。逆に随契にする方が問題が生じる可能性があります。

そのときに、全体の中で一部をとってきたときに、そこの切り出し方によってはほとんど参入できないという可能性も出てくるでしょう。参入できるように切り出していると考えてよろしいでしょうか。

改修の対象としましては、結果的に事業場台帳管理機能に対する改修だけでありましたけれども、その他に、今回改修すべき事項が幾つかあった中でそこだけ切り出したというものではなく、改修事項がこの部分しかなかったというのが一つあります。それと、応札を希望する者に対しては、プログラム設計書ですとか必要な情報は閲覧等していただくことができるようになっていまして、その情報について特段切り出して限定的なものをお見せするということではありません。

通常関心があれば何か聞きにくるとは思うのですが、ほかに関心があったという会社はあったのでしょうか。

この入札案件に関して、お問い合わせですとか資料のお求めがあったところは複数ありました。

雇用勘定と労災勘定の2つに分けています。その切り分けはどうやっているのですか。

全く同額です。

ただ2分の1にしたということだけですか。

単に2分の1の経費負担でございます。

費用分担を2分の1ずつというお話をうかがいましたが、その理由を教えてください。

このシステムですが、全国にあります雇用均等室で業務のために利用するシステムになっております。この雇用均等室が行っている業務の中に労災勘定の観点から支出するべき事項と、雇用勘定の方から支出すべき事項との両方行っているということで半々ということで考えております。

この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件2】(企画競争・企画の選考等)

「テレワーク共同利用型システム試行導入事業」(労働基準局労災補償部)

2者応募したというのは、他の事業者もわかるのですか。

わからないです。

他社がどんな提案をして、その他社が選ばれ、当社がなぜ選ばれなかったかという理由は、当社にはわからないのですか。

そうです。それは私どもで設置しました選定委員会の方で客観的な点数化をしてやっています。その理由を細かく書く、あるいは採点表をつけて結果通知をしているわけではありませんので、そこのところはわからないと思います。

そうすると次の機会にどういうのが採用されて、なぜ当社が採用されなかったのかということを参考にできるシステムみたいなものはないですか。

ありません。

他社のノウハウが入っているものですから、それを見るということは、他社のノウハウも取れる話になりますので、できないと考えております。

日本テレワーク協会というのは企業ですか。

社団法人です。

こういう事業がいつもその会社に落ちてしまっているというのはないのでしょうか。

私どものやっているものに関しましては日本テレワーク協会さんがかなり多いです。ただ、それが全部かと言うと、ちょっと別の部署もやっていますので全部かどうかというのはわかりません。

テレワーク協会というのはテレワークを専門にやっていて、テレワークというのは働く形態なのでどうしても労働関係の法律にもかかわってきます。そういった専門知識を持っている人脈も抱えている必要があるのですが、まさにテレワーク協会はそういった人脈もあり、比較的テレワークのものは落札する能力が高いのではないかという気はします。

それは能力が高いからだということが言えるのかもしれないし、いやある種のコネクションで決めてしまっているということが起こるということもあり得るような気がするのです。

完全に客観的に点数化をした結果ですので、コネクションがどうのといったことでは一切ないです。

選定委員の方の選定方法によって、ある特定の会社がいつも選定される危険性はないのでしょうか。

今回採点した6人のうち2人は新たに異動してきた人間であり、勤労者生活部以外の人間も入れています。そんなに普段テレワーク協会とつき合いがあるわけではないのですが、そういうコネということで選定されたということはちょっと考えにくいです。また、企画書を両者のものを見た上で点数化していますので、そういったことはありません。

企画競争による随意契約にした理由というのはどこにありますか。一般競争入札でなく企画競争にした理由はどこにあるのでしょうか。

一般競争というのは、価格競争になるわけですが、企画競争については、予算の範囲内で企画のよりよい方を採用して、よりよい結果を得たいというときに企画競争をやっております。

最低限の仕様を満たした安かろう、悪かろうでは困るものについては企画競争を実施して、予算の範囲以内でよりよい結果を得るために何者かの企画を出していただいて、それでよりよい方を選定するということです。

価格についてはどういう提示の仕方をされますか。

 価格につきましては、いわゆる限度内ですから例えば1億円という予算があれば1億円の予算で、私どもの趣旨に沿ったどれだけのことができますかという形で限度額を示します。

限度額の提示をするわけですか。

提示価格の多寡は、例えば2者があって片方が9千5百万で、片方が9千万で、9千万の方に落ちるかというと、それは企画で勝負していますから、企画の評価の高い方は点数の高い方に落ちるということでございます。

この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件3】(随意契約理由の適否)

「平成20年介護事業経営実態調査事業(平成19年度事業分)」(老健局)

三菱総合研究所とB社の応募があり、企画書の内容を審査したところ三菱総合研究所の企画が適当であると認めたということですが、何か比較表みたいなものはあるのでしょうか。

実態調査に係る企画書等評価基準及び採点表がございます。先ほど、御説明させていただきました評価委員会の各委員にこの表を配りまして点数付けをしまして、点数の高かった方ということで、三菱総合研究所とさせていただきました。

価格はこの評価の中に入ってこないのですか。

 

企画競争という形で、見積もりなどもとっておりますが、評価の指標としての項目としては価格はとっておりません。

まず評価して、決めたところと価格についての折衝をすることになっていくのですか。

そうです。基本的に見積もり金額も最初に企画書と一緒にとっておりますが、最終的な詰めは決定した後に予算の範囲内ということになりますので、その内訳は折衝して決めることになります。

そうすると、制約は予算のみということですか。

はい。

企画競争理由書の中で、本当にほかに競争がないのかという疑問があります。この辺の競争を許さない理由をもう少し詳しく教えていただいてよろしいでしょうか。

介護報酬の設定というのは我々の納めている介護保険料にすべて直結してくるということで、かなり影響力の大きなものになります。そういうものがデータということになりますので、確実な成果が求められるという意味では、価格だけを求めて競争をするというわけにもいきません。やはり制度の内容をどこまで熟知されているかということが、我々としては一番求めていくということです。

仮に2年後、3年後同じようなシステムの改変が必要だといったときには、今の理由からだけですとまた同じように熟知されている三菱総研さんが落とされるだろうとどうしても思ってしまうのです。その辺はどのようなお考えでいらっしゃいますか。

この介護報酬の改定以外にも介護関係の調査というのは、いろいろな形で委託をしたり、研究の形で委託をしたりそういったものもあります。そういった形で関わりを持たれている研究所さんが増えて来ているのは事実です。まだ制度が平成12年からですが、日が浅いということもありますが、そういった介護に関する調査・研究をなされているシンクタンクが実際に増えつつあります。そういったところというのは基本的にノウハウを身に付けられていかれると思います。

 この企画競争方式を選択するのか、あるいは総合評価方式を選択するのかという区分けみたいなものは何か基準を設定されていますか。

この調査に関しては特に設定をしておりません。

これに限らず、総合評価でやれなくもないですね。

そうです。

民間の方から、新しい提案をさせてそれで採用するかどうかというコンペ、厳密な意味のコンペ方式ですとこれはよくわかるのですが、そうではなくてどっちかといいますと企画は既に官の方でされていて、どこを選ぶかというのをやはり企画競争ということでやっているので、それなら総合評価だっていいのではないかと。総合評価であれば価格の点も評価要素に入ってくると思うのです。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件4】(随意契約・落札率100%)

「公共職業安定所からのリアルによる照会対応に係るプログラム開発・改修業務」

(職業安定局雇用保険課)

予定価格調書と見積書というのは、内訳を含めてすべて同じですが順序というのはどうなっているのか、この場合は落札率100%ということになっていますが、順序はどういうことでしょうか。

実際的には、参考見積というものを業者から最初にとります。そうした中で、内容が適正であるかどうかを職員の中で見極めながら価格交渉を行います。

その後に、専門家であるCIO補佐官等との検証を受けながらその価格が適当かどうか、そういう形で価格を一応決めていきます。一応検証したものについては、要請価格として採用しまして、当然それについては見積についても同額となるという状況になっております。

参考見積をとる業者は、予定相手方からとるだけですか。

そうです。

ただ、もともとの優位性があれば、競争入札に付したとしてもその優位性によってここに落ちるのではないでしょうか。随契にする理由というのは、余りはっきりしないと思います。

仕様書をつくる中にあって、このシステムの構築にあたっては開発業者が独自に開発した技術を使っている部分があります。それをオープンにはなかなかしません。仕様書の中にそういう部分をうたえるかといいますとうたえないものですから、入札の仕様書が作り難いので、入札はなかなかかけにくいという事情があります。

現システムの著作権がユニシスにあるというのではないですね。

著作権につきましては共有になっております。成果物につきましては厚生労働省の部分になりますが、著作権の部分につきましては共有ということです。

国と業者の共有ということですか。

 

はい。ただOSの部分につきましては、当然日本ユニシスの所有という形になります。そこの部分についてもオープンにしてもらわないと、なかなか一般競争入札の方には持っていけないという状況もあります。

応札する業者がいるのであれば、やれるのではないですか。

はい。ですけれども、そのシステムの中身を全部わかっていないと、改修というのはできないものです。

公正な手続、競争の手続を踏まなくていいのか、最初から随契でやってしまおうというのがいいのかなということです。

従来のシステムというのはいわゆるレガシーシステムということで、これも今最適化でオープンシステムにするための構築を進めているところですけれども、現時点ではこのシステムについては、入札というのは無理があるという部分があるという状況で随意契約をやってきているわけです。最適化の中ではすべて入札という形でやりますが、現時点では難しいと考えております。

今後のシステムの改修業務につきまして、同じようにユニシスさんがおやりになることがずっと続いていってしまうのではないかという疑問があるのです。安くシステム開発ができるような会社さんが現れるとも限りません。そういった会社さんをどうやって見つけるのかと、効率化の観点からどうやって見つけるのか少しお話をお伺いしたいと思います。

雇用保険トータル・システムにつきましては、23年度までには最適化ということで、新しいオープンシステムになりますので、その後につきましては、改修等も含めて入札の調達という形になると思います。したがいまして、現行のシステムにつきましては、それまでの改修は日本ユニシスでやって行かざるを得ないのかなというふうには考えております。

それまではやむを得ず随契で行こうということですか。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件5】(一般競争入札・最高額契約・国庫債務・複数年契約)

「近畿ブロックハローワークコールセンターの設置・運営」(職業安定局雇用保険課)

開札調書の中で、入札価格が入札者ごとで、これだけの差が生じてしまうのは、どんなことが考えられるのか教えていただけますでしょうか。

仕様書にはある程度業務内容が詳細に記載しておりますし、また説明会を開催して参加していただいていますので、疑義、解釈等については応対していますが、それをどこまで考えるかというところではないかと推測されます。今言われたとおり私どもとしても極端な数字ではないかと思っております。

仕様書が、十分なものではなかったということはないでしょうか。

仕様書につきましては、そういったシステム系の担当が作成しております。契約行為につきましては私ども経理の方で適正な契約行為ということでやっておりますが、実際問い合わせ等ありませんでした。意見照会等があれば仕様書を訂正することもあるかと思います。

御指摘のように誤読がなければ5倍の差は、ちょっと考えられないです。

積算といいますか、積み上げのところを1個、1個精査すると例えばどこに誤解がありそうだというのはないのでしょうか。

例えばスーパーバイザーやオペレーターを配置していただいて、まずは研修をしていただいてある程度対応していただくということですが、極論ですがスーパーバイザーのレベル、オペレーターのレベルを過度にスペシャリスト的なものに考えた場合には人件費は確かに向上するでしょう。研修の仕方も若干変わってくると思います。ただ、そこをこの仕様書の中では、ある程度はきちっと知識を持ってやっていただくようになっていますが、それほど高い人件費という意味合いで見ていませんでした。

後はシステム構築、開発経費も入れておりますので、レベル的に内容がある程度高度なもので、より迅速化といったものとして考えられたかです。推量的にはそれぐらいです。

予算のところですが、単年度ではなく数年度にわたって予算が決められております。この辺の話を伺ってよろしいですか。

一つは業務として、こういった業務をどれぐらいの期間続けていくかということがございます。今は行政機関の職員が削減されていくわけですけれどもそういったことを考えますと、こういった民間委託といった部分につきましてはある程度継続していかなければいけないということで、業務的な継続年数、それから予算上の国庫債務負担行為の5年間の縛りといったもの、それから機械の使用年度。そういったものを勘案して若干、実際開始時期が少しおくれた部分がありますが、そういったもので予算設定及び今回の契約の期間設定をさせていただいています。

この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件6】(総合評価落札方式)

「労働保険適用促進月間に係る広報一式」(労働基準局労働保険徴収課)

総合評価落札方式で電通が最終的に契約ということになったのですね。経過みたいなものはありますか。

得点方法の仕方ですが、まずポスターの案等を選考委員会の方で選考させていただいて、結果としてあくまでも案に対して点数表がございますが点数がつけられている形になっています。電通さんについては1718の案番号による点数がつけられています。

案番号とは何ですか。

開札調書の、下の3のところにまず技術評価の点数と右の方に落札の結果がございます。結局のところ電通さんにつきましては、技術評価が○点でした。価格面では○点です。トータル○点という結果でございます。これに基づきましてトータル○点最高ということで、電通さんに決定したということでございます。

点数はどういう方がつけられたのですか。

点数のつけ方ですが、技術点につきましては選考委員会というものがございます。課内でいいますと、課長ほか4名の選考委員が選考をして、その結果として点数がつけられております。

この技術点と価格の割り振りというのはどこで決まるのですか。

会計課長から出ている研究開発、調査、広報の業務委託に関する入札に係る総合評価落札方式の通達というのがございます。この通達をもとに、技術点と価格点の点数割合を決めさせていただきました。

最大手の会社を選択されていらっしゃるのですが、大手ではないところにも少し門戸を開くようなことはしないのですか。

決して大手にということではありません。あくまでも企画書の中で、この広報につきましては実際にタレントさんですとか女優さんですとか、いろいろな方を起用したポスターを実際に案として出していただいております。後はデザイン的な面といったことで決めさせていただいております。採点の結果、結果としてそういうふうになってしまったということでございます。選考の際に案として出すのですが、その案には会社名等一切書いておりません。あくまでも案だけを参考にして点数をつけてさせていただいているのが実状でございます。

この技術点のところで、価格と同等に評価できる項目というのがあります。それがどういう判断基準なのか。

企画書を提出していただいて、ポスターの原案や新聞に掲載するデザイン、用語、表現といったものを見せていただいて、これを実際に採用した場合にどのような効果があるだろうかというようなことを着目して点数をつけました。

技術点のところで1の方、これは印象点でやるのだろうと思って、これはわかりやすいと思うのですが、2の技術点のところは先ほど委員が言われたように、大企業が有利に働きそうな感じがするのです。事業に対する波及効果とか、そういうことがあるものですから。そういうところで少し上げ底といいますか、そういうものが加算されてしまわないのかと若干懸念を持ちます。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件7】(随意契約理由の適否)

「水資源開発施設基本計画調査業務一式」(健康局)

このような調査を依頼する場合について、水資源機構ではなくて例えば民間会社に委託するとすればどういうところが挙げられますか。

実際に施設を管理している視点で検討をする必要があると考えておりますので、民間の業者さんですとかコンサルさんでこのような施設を管理しているところはございません。

そうすると、水資源機構以外は考えられないということでしょうか。

はい、そのように判断しております。

価格面についてはどういうふうに決まることになるのでしょうか。

一般的に公表されている物価資料とか、物価版等に必要な単価を積み上げて調査に必要な金額を算定してます。

1者しかないということは、そこに競争原理が一切働かないようにも感じられるのですが、その辺はいかがでしょうか。

一番の目的は、水道事業者にとって実際の事業運営に有効となる堰などの施設の耐震のマニュアルといった普段通水をしている施設の点検の手法といったものは、こちらの水道事業者にとって有効的に活用できる報告書がつくれるかどうかというのが一番重要だと感じております。そういう知識や経験などが、また施設を実際に管理している水資源機構に委託するのが妥当だと考えています。

全国の水資源の施設の設置管理運営はこの独法が独占しているのですか。

いえ、水資源機構は水資源開発促進法という法律がありまして、これが全国で7つ水系指定されているのですが、その7つの水系指定されている例えば利根川、荒川、淀川、筑後川とかありますが、そういう水系指定されているところでダムの建設管理ですとか堰の建設管理、水路の建設管理などをやっています。水道事業に関わるこういった大規模な水資源開発に携わっているところはここしかないと考えています。

全国の水系すべてをこの水資源が運営施設、管理設置を全部独占しているということですか。

いいえ違います。この7つの水系だけです。

この独法自体はどのくらいの組織ですか。

 1,500人ぐらいです。

下請けなどを使ったりはしないのですか。

 していません。機構の中で実際の管理をしているノウハウなどを生かしながら現地で実際の施設がございますので、図面などをもとに調査検討をして報告書をまとめています。

そうすると他の水系であれば、また別のところに頼むこともあり得るということになるのですか。

 水道事業が例えば利根川でしたら、複数の県にまたがる大河川から取水するということで、水利調整というのも非常に複雑な中でこの独立行政水資源機構というのは、利水者側と都道府県や河川管理者などの間に立って調整をされているという実態がありますので、実際に水道の水を止めて調査をしようという時には、こういった複数の利害関係や施設、都道府県関係の調整を実際に行っている水資源機構が調査をするのが一番妥当ですし、求めているものが得られるのではないかと考えています。

契約価格の妥当性を検証する手段というのはどういうものがあるのでしょうか。

 単価ですとかは一般的に公表されている資料を使っています。歩掛(ある作業を行う場合の単位数量または、ある一定の工事に要する作業手間ならびに作業日数を数値化したもののこと)などは、国の基準でもって使って算定していますのでそれが妥当と考えています。

価格交渉はなさるのでしょうか。

こちらの考えている金額をお示しして、向こうが妥当だと判断していただけるのなら、この額でいけるのではないかと思いますが、そこはお金の見方とかずれている部分がもしあるのであれば、業務内容を含めて説明をし直すことになると思います。

競争原理が働かないと結局そうなってしまうだろうと思うのです。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件8】(一般競争入札・低入札価格調査)

「病原体等管理システム業務処理プログラム等一式」(大臣官房会計課)

安すぎるというわけですが、納品が既に済んでいてある程度稼動しているからそういう点では問題ないということですか。

問題はないということを聞いております。

予定価格とかなり開きがある入札価格ですが、何か問題があるという御認識はありますでしょうか。

予定価格の方ですが、まず1からその病原体管理システムをつくるといった場合に幾らかかるかということで積算をしております。CIO補佐官には、仕様書と工程表とシステムを開発したり改修したりする場合には、見ていただいてます。その工程表をもとにして、大体幾らかかるかというのを予定価格にしています。

今回の入札価格、この開きから見て何か反省点等がございますか。

予定価格よりも大分低い額で応札をしてきているのですけれど、一つ思うことは、入札する前に入札説明会を開くのですが、情報収集をする場でもありますから、それで企業努力によって応札額が低くなったというのは一つ考えられると思います。他社との競合の部分で価格が多少安くなったのではないかというと思っています。

このアプリケーションの権利は、厚生労働省の方と東芝ソリューションの側とではどういう案分になっているのでしょうか。

本仕様書に基づき開発される業務処理に係るプログラムの著作権及び使用権は原則当省に帰属ものとする。ということで仕様書に明記をさせていただいています。

このシステムについての所有権はすべてうちにあるということで、東芝ソリューションの方と確認をしております。

しかし、16ページに書かれている内容のとおりとすると、もともとのプログラムは向こうに留保されているとしか解しようがない。

そもそも安くできるというのは、もともとある程度先方が持っていてそれを手直しすればできるのだということだとすると、法律的には先方の権利を否定することは難しいと思います。

感染症のシステムに関しても私ども、今回使用したツールというのは従来あったシステムの枠組みをそのまま利用したというよりは、東芝の商標でいいますとコモンスタイルというふうに言っているようですが、そういった基本的な機能をまず開発して、それを組み合わせて一つのプログラムを作成するということで、そこの基本的な機能の部分については既に開発済みであったものが、今回この病原体のシステムにうまく活用できたのでその部分については安くすることができました。ただし、それらを組み合わせてつくった一つの機能を有する病原体のシステムという全体の機能としては、著作権は私どもの方にあるということになります。

例えば、今回はもともと厚生労働省が持っているものを改変したということで、仮にそれがオーケーだとしたときに、やはり一般論からすれば今ソフトウェアの世界では、再利用という話がかなり出てきています。それによってコストを削減しましょうというのはどこの企業でもやられて一般的な話になってくると思うのです。それとやはり権利との関係というのは、やや相反することが出てくるかとは思いますので、そこをどう考えていくのか意識されていくべきことかなと思います。これはあくまでも一般論です。

感染症のものは厚労省が国が既に持っているとすると、それはこの予定価格の積算のところでも、本当はそれを考慮に入れてやらなければいけなかったはずなので、恐らく感染症のものをこちらにあるという前提ではこの予定価格は積算されていないと思うのです。だから御説明と今の釈明とは少し違うかなという感じがします。原則論はやはり既存のものを使えば、既存のプログラムの著作権は先方にあるので、またそれを改変しようとすれば、やはりそれは向こうのプログラムを使うことになるので、そこは違うのではないかと思います。今回は安く済んでも次はまた高くなるかもしれないというふうには感じます。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件9】(総合評価落札方式・応札者1名・高額契約)

「健康増進総合支援システム開発業務一式」(大臣官房会計課)

これは、1者しか応札しなかったというところで挙がっているとは思うのですが、見たところではもっといろいろな会社さんが応募しそうな気がするのですが、何か問題点があったということはどうですか。

一般的な資格は要件として定めさせていただいていますが、これといって官公庁の実績をとったり、ということはしておりません。意見招請には一応3者が来ていましたので、その辺は来てくれるのかと思ったのですが、その辺も来てもらえなかったということです。

期間が短すぎるとかは。

それはないです。政府調達案件になりますので、今回の場合は50日と幅広にとりました。さらに1億3千万を超えますと仕様書をつくった際に意見招請というものをやります。それがさらにまた20日とれますので、2カ月以上は少なくとも何らかの調達案件について公示されている形になりますので、期間は短いということはないと思います。

調達時期というのは納入するということですか。

そうです。1030日に入札を行って、年度末までに納品となりますけれども、5カ月ぐらいはございますので、それほど履行期間的にもきついものではないと思います。結果的に、1者しかなかったというのが現実です。

システムとしては、1からのシステム開発でしょうか。

はい。

これもCIOが関与された。

はい、工程表は仕様書と一緒に見ていただいています。

補足説明いたしますと、先ほど点数など少しお話をした件ですが、技術審査委員会の設置をしております。委員の構成は委員長から始まりまして1019日から設置するということで、内容的にはここでかなり揉んだ結果となって、点数もつけているということです。

総合評価でやるのに、1者しかないというのは余り適当ではないと思いますし、もう少し興味を持っていただかなければいけなかったのかという気はします。

先ほども御説明したとおり、競争参加資格要件を一般的なシステムの開発で最低限必要だと思われるもの、大体これで複数者来ている場合もございます。調達の手続開始しているのも、それほどいわゆる年度末のせっぱ詰まった時期でもございませんので、私どもは意図的にこういうふうにしたわけでもないので、先ほど言いました意見招請の段階では興味を示した業者がもう2者ぐらいありました。結果的にはほかの受注している兼ね合いもあって手を引いた可能性もあるかもしれないのですが、非常に額も大きいですから大掛かりなシステム開発だと思います。

金額が大きいかので、落札できないリスクを考えてしまうと、人が数カ月間割けないかもしれない、用意できないかもしれないので応札しないということも当然あるということですね。要するにほかに仕事が入ったならば、そちらをやってこちらみたいに入札しないとわからないようなものには、人は回しにくいということもあるのだろうと思われます。そこは微妙なところかとは思いますが。この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

 

【審議案件10】(随意契約見直し案件)

「医薬品安全性情報統合化システム通信回線一式(10月〜3月分)」(大臣官房会計課)

随意契約しなければいけない理由がよくわからなくて、やはり切り分けがどこにあるのかというのが厳密ではないので、本当にほかの会社ではセキュリティが保てないのかとか、ちょっとわからないです。やってみたら値段が高く出てくるから富士通が勝ってしまうということはあるとは思うのですが、随意契約でやる理由が納得がいかない。

要するにある要件を示して、この要件がクリアできないならだめですよと言ったときにほかの会社は応札しないかもしれないと思うのですが、最初から排除することはないのではないかと。むしろ細かいところは見ないと私も正確には判断できないですが、ほかの会社が参加できる可能性はあるのではないかという印象を持ちました。

随意契約理由書を見ていただくとわかるのですが、平成15年9月に行った一般競争入札で19年9月30日まで使用する前提で入札を実施しました。当初は競争入札でした。その後は19年9月30日まで前提で調達しましたので、16年については、随意契約で続いてきたと思われます。

それが独立行政法人に移行してしまったので、厚生労働省がアクセスするための回線を別に用意しなければならなくなりましたと。その部分についても、富士通でなければいけないということがよくわからない。通信上は一応安全にデータが流れるものであるという認識は持っているのですが、もうちょっとセキュリティ要件が細かいところがわからないと何とも言えないのですが、これだけの情報では疑念があるといいますか、もう少し可能性があるのではないかというように思うということです。

これは御調査いただいて、次回に報告をいただくことにしましょうか。今ここで解明することも難しいでしょうから。

それではそれでお願いいたします。

この件はよろしいでしょうか。ご苦労様でした。

わかりました。