10/05/31 平成22年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会議事録 平成22年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会      日時 平成22年5月31日(金) 18:00〜      場所 ホテルはあといん乃木坂 312号室 ○安全対策専門官 ただ今から、「第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等部会安全対策 調査会」を開催いたします。本日の調査会は公開で行いますが、カメラによる撮影は議 事に入るまでといたします。報道関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願 いいたします。傍聴者の方は傍聴に際しての留意事項、例えば、「静粛を旨とし、喧噪 にわたる行為をしないこと」「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」 などの厳守をお願いいたします。  本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中お集りいただきましてありがとう ございます。まず初めに参考人の先生方を御紹介いたします。  日本病院薬剤師会理事の遠藤先生。日本薬剤師会副会長の生出先生。東京大学大学院 医学系研究科助教・財団法人いしずえ理事長の佐藤先生。日本骨髄腫患者の会副代表の 上甲先生。日本医師会常任理事の高杉先生。大阪大学大学院薬学係研究科教授の那須先 生。群馬大学医学部保健学科長の村上先生でございます。  なお、本日は安全対策調査会の委員及び参考人の先生につきまして、全員御出席いた だいております。欠席の先生はいらっしゃいません。これ以後は議事に入りますので、 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは、以後の議事進行は松本先生にお願いします。 ○松本座長 まず事務局から審議に関する遵守事項について報告してください。 ○安全対策専門官 薬事分科会審議参加規程について御説明いたします。本日出席をさ れた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄付金・契約金等の受取状況を報 告いたします。  本日の議題1は、レナリドミド製剤、議題2は、サリドマイド製剤に係るものです。 したがいまして関連企業といたしまして、多発性骨髄腫の治療薬の製造販売業者である、 セルジーン株式会社、藤本製薬株式会社、ヤンセンファーマ株式会社の3社から、過去 3年度における寄付金等の受取りについて申告していただきました。なお、関係品目・ 関係企業につきましては、事前に各委員に資料をお送りして確認をいただいております。  各委員からの申し出の状況から今回の審議への不参加の委員はおりませんでした。ま た、参考人におきましては、村上先生がセルジーンから50万円未満の受取り、藤本製薬 株式会社及びヤンセンファーマ株式会社から50万円超〜500万円の受取りとの申告があ りました。那須先生が藤本製薬株式会社から、500万円以上の受取りとの申告がありま したが、那須先生は今回審議するサイドマイド製剤安全管理手順(TERMS)の第三者評価 のための受託研究で受領していること等から、今回の審議への参加に問題はないと考え られます。 ○松本座長 ただ今、事務局から説明がありました、審議の際の申し合わせ事項につい てはよろしいでしょうか。 (了承) ○松本座長 特にないようですので、関係品目・関係企業の妥当性を含めて御了解いた だいたものといたします。ありがとうございました。  次に、事務局から本日の資料の確認をお願いします。 ○安全対策専門官 確認の前に、本日は意見の聴取のため、セルジーン株式会社の高徳 さん、土屋さんに御出席をいただいております。  それでは、配付資料の確認をいたします。まず一番上に座席表。次に議事次第。委員 等名簿。配付資料一覧。その下に資料1-1「レブラミド 適正管理手順 ReMate(案)」や や厚い資料です。資料1-2「RevMate第三者評価委員会概要」の両面刷り1枚紙。資料 1-3「ハンディ端末概要」についてで、下の方に写真のある1枚紙。資料1-4「RevMate (レブラミド適正管理手順)の概要」と書いたパワーポイントのスライドの資料です。そ の下に資料2「RevMateについてのパブリックコメントで寄せられた意見集」。資料3 「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)の改訂案」。資料4「TERMS 第三者評価委員 会により実施された、患者・医療関係者アンケート結果概要」。資料5「薬剤(サレド カプセル)の家庭内管理および安全管理手順(TERMS)に関する調査(医薬品医療機器総合 機構実施) 調査結果抜粋」。資料6「サリドマイド処方日数の状況」。以上が資料です。  参考資料としまして、参考資料1「医薬品等の安全管理方策に関する審議について」 という1枚紙。参考資料2「要望書」。又、当日配付資料として、佐藤参考人から御提 出いただきました資料と、藤本製薬から提出されました資料です。各委員の先生方には 事前に資料を送付させていただいておりますが、若干の変更や本日追加で配付している 資料などもありますので、お手元の資料で御確認いただき、不足、乱丁等がありました ら事務局までお知らせください。 ○松本座長 それでは、議題1について審議をお願いしたいと思います。第1「レブラ ミド適正管理手順について」、レナリドミド製剤に関する安全管理の方法を定めたこの 手順について、先生方に御検討をお願いします。まず、事務局より資料説明お願いしま す。 ○安全対策専門官 資料1-1「レブラミド適正管理手順RevMate(案)」の御説明に先立ち まして、本調査会で本件を審議する根拠などについて、まず御説明をさせていただきま す。参考資料1「医薬品等の安全管理方策に関する審議について」、これは平成22年3 月19日の医薬品等安全対策部会の資料であり、1に、サリドマイド製剤の審議の際は、 医薬品等安全対策部会の審議を経て、TERMSが承認の際の承認条件として書かれたこと。 2として、TERMS及びそれに類する医薬品の安全管理方策の新規の作成及び変更は、医 薬品等安全対策部会への報告に先立ち、本安全対策調査会において、事前整理及び調査 審議等を行うこととする、とされているところです。この2の規定に基づき、本調査会 での御審議をお願いするものであります。  今般レナリドミド製剤は多発性骨髄腫等の治療薬として、薬事法に基づく承認申請が なされております。本日、この調査会の開催の直前に医薬品第2部会において承認の可 否に関する審議が行われたところであります。レナリドミド製剤については、動物実験 などの結果から、催奇形性を有する可能性が否定できないということから、サリドマイ ド製剤と同様に、承認に当たっては、その安全管理手順などを承認条件としてされてい るところであります。  なお、本剤については、アメリカ、ヨーロッパなど50ヶ国以上で発売されております が、いずれの国においても胎児への薬剤曝露の防止を目的とした、特別なプログラムの 実施が必須となっているところです。このような状況の中でレナリドミド製剤が承認・ 販売されるに当たって、日本の医療環境等の現状に即したプログラムとして、製造販売 会社セルジーン株式会社により、レナリドミド製剤の安全管理手順として、「RevMate レブラミド適正管理手順」の案が作成されました。その案が本日の資料の1-1です。こ のRevMateはレナリドミド製剤の胎児曝露の防止と、レナリミド製剤へのアクセスの確 保が両立されることを目指して作成されているというものです。それでは、この案の説 明をいたします。  資料の1-1、1-2、1-3がセルジーン株式会社より提示された「RevMate レブラミド適 正管理手順」の案です。なお現在この案につきましては5月17日からパブリックコメン トが行われております。  まず、概要を説明いたします。資料の1-4の1枚のスライドですが、一つ目のポイン トとして、レナリドミド製剤に係る関係者として緑色で示しております「患者」「処方 医師」「責任薬剤師」というのがあります。このうち処方医師、責任薬剤師において必 要な情報について、セルジーン株式会社が、予め図の青い矢印[1]情報提供の示される 矢印ですが、必要な情報の提供を行い、これを十分に理解していることを確認した上で、 図の[2]の矢印の部分で確認登録を行います。患者につきましては、図の矢印[3]、処方 医師から患者に向っているものですが、初回の処方時に処方医師から教育を受けたあと、 [6]の責任薬剤師から患者の登録で、責任薬剤師を介して登録を行います。又、患者か らセルジーンに向って引かれている赤い矢印のように、遵守状況については定期的に確 認を行うこととされております。このように登録された方のみがレナリドミド製剤を取 り扱うことができ、処方が可能という形になっております。なお、緑色の四角内の右上 の方に記載がありますが、「院内処方」と限定がされております。  二つ目のポイントは、処方の際に、処方適格性を確認するということがあります。処 方の際には図の[3]番で示されるように、処方医師から患者にカウンセリングと教育が 行われ、[4]の矢印で示すように、処方せんなどが発行されます。処方せんを受け取っ た患者はその下[5]の処方せんなどを責任薬剤師に持参します。そこで[7]として責任薬 剤師の上に記載されていますが、「処方適格性の確認」が行われます。「処方適格性の 確認」としましては、スライドの右下ですが、「処方要件確認書に基づきハンディ端末 で処方適否を確認し、患者の区分ごとに必要な注意喚起の指示をし、遵守状況確認票の 提出時期の連絡と未提出のアラートを示すなどが行われます。この「処方適格性の確認」 が終わったのちに、[8]責任薬剤師から患者に向って引かれていますが、この矢印で示 しますように、責任薬剤師から患者に医薬品を提供するという流れになっております。  三つのポイントとして、左下の「第三者評価委員会」について説明いたします。この 第三者評価委員会について、資料1-2により詳細な説明がありますので、併せて御覧い ただければと存じます。資料1-4のスライドのRevMateのシステムを管理するに当たって、 青色で示していますセルジーン株式会社内に、RevMateセンターとRevMate運営委員会が ございます。RevMateセンターがRevMateの実務的な手順等を実施し、セルジーン株式会 社が外部委員も加えて、RevMate運営委員会を開催しますが、この運営委員会ではRevMate の運用に関しての状況等の確認や、システム全体の評価などを行います。さらに社内だ けで完結させるのではなく、外部の有識者、第三者的な立場からの評価として、第三者 評価委員会を設置しております。ここではRevMate運営委員会からこの活動内容やRevMate の運用に係る情報の報告を受け、RevMate運用状況等を把握し、患者のRevMateに係る方 に対して、実態調査等を自ら独立して実施し、RevMateに係る情報を収集し、これらの 結果からRevMate運営委員会や行政当局に対して、RevMateに関する意見を提起するとい うものです。第三者評価委員会での審議事項や提言などは直接行政へとなされることに なっておりますので、セルジーン株式会社とは独立し、情報に関して透明性・公平性が 図られています。概要については以上となっておりますが、引き続きもう少し詳しい部 分について、資料1-1「レブラミド適正管理手順(案)」に沿って御説明いたします。  資料1-1の5ページ上の部分に「2.目的」がありますが、RevMateはレナリドミド製剤 の適正使用を図るため、流通及び薬剤配付に関する管理を適切に行うために策定され、 本剤の胎児への曝露を防止することを目的とするとされております。このページの中ほ どに、「患者の定義」というものがあります。RevMateでは患者をA、B、Cの三つの グループに分けており、Aが男性患者、女性患者についてはBとCの2グループに分け られています。45歳以上で1年以上月経がない、両側卵巣摘出手術を受けられている、 子宮摘出手術を受けられているのいずれかを満たす場合にはBグループ、それ以外の場 合にはCグループとなっています。  続いて6ページです。「4.RevMate運営委員会」について、「5.RevMate第三者評価委 員会」についての説明です。その下の「6.登録基準」ですが、RevMateに登録できる医 師、薬剤師、患者が満たすべき条件がここに記載されております。処方医師については セルジーン株式会社から情報提供を受け、十分な理解が確認されている、手順の遵守に 同意している日本血液学会認定血液専門医であるか、同一施設にて血液専門医に直接指 導を受けることができる、産婦人科医との連携が可能であるなどが条件となっています。  薬剤師につきましてはセルジーン株式会社から情報提供を受け、十分な理解が確認さ れている、手順の遵守に同意している、処方する医師と同一機関で調剤を行っているな どが条件となっています。患者の登録基準としまして、処方医師から情報提供を受け、 十分な理解が確認されている、手順の遵守に同意している、に加えて、Cグループの患 者については処方開始日において妊娠していないことを確実に確認するための妊娠検査 等が必要となっています。7ページの「7.申請・登録手順」ですが、医師、薬剤師とも 必要な説明を受け、理解の確認のうち、登録がなされるといったシステムになっていま す。  8ページの上から10行目の「7.3.患者の登録手順」ですが、患者の登録については、 責任薬剤師が行うこととなっております。9ページは一番下の「10.処方・調剤」につ いて、先ほど資料1-4に基づき、処方調剤に関する流れの概要を説明いたしましたが、 詳細についてはこの部分に記載がされていますので、適宜お読みいただければと思いま す。  少し飛びますが、資料14ページの中ほどに、「11.薬剤の管理」とあり、患者はRevMate キットの中に納めた状態で製剤を保管し、服用後の空のPTPシートと残薬についても診 察時に病院へ持参することとなっております。入院時には医師、薬剤師等の医療関係者 などが製剤の管理を行うこととなっています。医師が処方する際には残薬と服用後の空 のPTPシートの数を確認し、必要な数量を処方することとなっております。又、不要と なった製剤については返却・廃棄がなされることとなっており、このような手順を通じ て本剤の管理が行われます。  続いて、「12.妊娠防止の手順」ですが、胎児への曝露の防止として、妊娠防止のた めの手順が定められています。避妊する対象者としては、Aグループの男性患者とCグ ループの女性となっております。男性は治療開始時から服用4週間後まで、Cグループ の女性は治療開始時前4週間から服用の4週間後までの避妊の期間が定められています。  避妊の方法として、男性、女性ともに性交渉を控えることが最も確実な妊娠回避の方 法でありますが、それぞれ取るべき、あるいは推奨される避妊方法についての記載があ ります。このページの下に、「12.4.妊娠反応検査」とありまして、Cグループに属す る女性患者の場合には次のページの一番上に治療開始の4週間前で、これは性交渉がな いことが確認された場合は、反応検査は省略可能となっています。処方直前、処方後と 治療終了時、服用終了4週間後に妊娠反応検査を実施するということを記載しておりま す。「13.RevMateに関する遵守状況確認」ですが、患者に対して、遵守状況の定期的な 確認を行うことが記載されております。提出が必要な時期については先ほど申しました とおり、責任薬剤師や処方医師からの指導もありますが、長期間に亘り遵守状況が確認 できない場合には、処方の一時中止などがされる場合があると記載があります。  「13.2.実施の頻度」については、患者のグループごとの妊娠リスクに応じて、男性 は2ヶ月ごと、Bグループの女性は半年ごと、Cグループの女性は1ヶ月ごととなって おります。ハンディ端末により提出が必要な時期についての注意喚起がなされ、責任薬 剤師から患者に遵守確認票が渡されることとなっており、患者からRevMateセンターへ と郵送されます。  17ページの「14.禁止事項」ですが、ここではレナリドミド製剤による治療中の患者 の禁止事項とその期間についての記載をしております。最後に19ページの「19.情報の 提供」ですが、RevMateと関連情報については専用Webサイトで情報提供がなされるとい うことになっております。25ページ目以降にはそれぞれ必要な様式が検討されておりま すので、御参考として、適宜、御参照いただければと思います。  資料1-2につきまして先ほど簡単に説明いたしましたが、第三者評価委員会の活動に ついて、「レナリドミド製剤の胎児曝露の防止」と「患者のレナリドミド製剤へのアク セス確保の領域に関する確認及び提言を行うこと」がその目的とされております。セル ジーン株式会社とは独立して、第三者的な観点から直接的に規制当局へと意見や提言を 伝えることができるという点で透明性、公平性が図られているものです。  資料1-3は「ハンディ端末について」の簡単な説明が写真付きで示されておりますの で、実際のシステムでの使われ方の具体的なイメージをする上での御参考としていただ ければと思います。以上、資料1-1、1-2、1-3につきましては、現在パブリックコメン トとして公開されております。  続いて資料2について説明いたします。本資料につきまして、今月5月17日から、先 ほど説明いたしましたRevMateの案について、パブリックコメントを実施させていただ いております。先週の金曜日5月28日正午までの約2週間の間に、一般の方から寄せら れた御意見をまとめたものがこの資料です。この時点までに75件の意見が寄せられてお ります。このパブリックコメント自体は来月の中旬6月16日までの実施となっています ので、このあともしばらく御意見が寄せられることとなります。  いただきました御意見の中では、圧倒的に多くが患者さんからであり、治療や医薬品 へのアクセスへの切実な思いが寄せられております。大変多くの貴重な御意見をいだい ておりますが、ごくごく簡単に要約をさせていただきますと、1点目、レナリドミド製 剤を早く承認してほしい。2点目、レナリドミド製剤の管理手順について必要であるこ とは認識しているが、本当に必要な部分のみとしていただき、できる限り簡素化してほ しい。3点目、レナリドミド製剤の薬価を安くしてほしい。ということで、多くの方々 からそれぞれの御意見がありますので、この3点に集約させていただくのは大変恐縮で ございますが、それでも非常に簡単にまとめるとこの3点となるかと思います。大変多 くの患者さんがレナリドミド製剤の承認を待たれており、RevMateについては必要かつ 十分な最小限の管理としてほしいと考えていることが示されているものです。  このようにたくさん寄せられている御意見の中に1件だけではありますが、30ページ の意見番号46番で、医師から懸念される事項が寄せられております。「不要となったレ ナリドマイドの廃棄を責任薬剤師に一任していることに、廃棄されずに別の患者に投与 される可能性と、杜撰な管理となって第3者に渡ってしまう可能性を考慮して、若干の 懸念を抱く。ハンディ端末故障時に遅滞なくファックス送信できる環境が医療機関毎に 異なる可能性があり、環境確認の要があると考える」という御意見です。RevMate案に ついて御議論をいただく際にはリスクとベネフィットの両面からいただく必要がありま すので、このコメントをいただいた医師の感じている懸念の部分についても、少数の意 見ではありますが、御紹介させていただきました。  続いて参考資料2につきまして、5月27日に日本骨髄腫患者の会から提出されました 要望書です。前半の「多発性骨髄腫治療薬レナリドミドの早期承認、早期市販開始に関 する要望」という要望書の中に2段落目の「レナリドミドについては安全管理方策の検 討が進められているところであるが、『胎児への曝露防止』と『患者のレナリドミドへ のアクセスの確保』が両立させる安全管理方策が早期に完成されることを要望する」と の記載がありますので、簡単に御紹介いたしました。資料の説明は以上です。  セルジーン株式会社から提出されているRevMate案、パブリックコメント、要望書な どを御参考にしていただきまして、レナリドミド製剤の必要なすべての患者さんへのア クセスを確保する。そして胎児への曝露の防止を含めて、医療関係者、患者すべてが安 全に使用するためのシステムの確立、その両者のバランスが課題になっている点につい ても御考慮いただきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○松本座長 ありがとうございました。ただ今、事務局からの説明につきまして、御質 問、御意見等ございますか。  患者さんの立場から見て、このRevMateの導入されることによる患者さんの治療薬へ のアクセスとか負担等について、上申先生、いかがでしょうか。何か御意見ありますか。 ○上甲参考人 レナリドミドとサリドマイドは別の薬でありますし、使っている製薬会 社は違いますので、簡単に比べるべきものでないことは承知しておりますが、どうして も同じような安全管理方策がサリドマイドのほうにもありますので、ついつい私たちは 比較をしてしまいます。サリドマイドの安全管理手順で随分患者さんたちが苦労されて いるという声を私どもは聞いておりますので、それをたくさん考慮して盛り込んでいた だいてできているものだというふうに、大変ありがたく思っております。ただ、一つだ けほとんどサリドマイドの安全管理方策と変わってないと患者さんから私のところに電 話がかかってきた点がありますので、それだけお話をしておきたいのですが。患者さん の声でお話をするのが分かり易いと思いますので、資料2のパブリックコメントを御覧 ください。  13ページの意見番号24番です。一部を読んでみます。中段辺りですが、「また、私は 女性Cに該当しますが、それでも度重なる化学療法や2回の自家移植、全身照射を前処 置に含む臍帯血移植を行っているため、閉経状態にあります。子どもがほしくても産め ない女性に対して、妊娠検査を何度も求めるなんて残酷なことです。  ただでさえ、辛い思いをして治療しているのに、そのようなことで、また傷つけられ るのかと思うと、たとえ薬が必要な状況になっても、使いたいとは思いません」とあり ます。サリドマイドでも同様の声は聞こえてまいりました。これは、45歳以下の閉経し てない女性患者さんが区分されるカテゴリーCなのですが、RevMateにしてもサリドマ イドのほうにしても、これは女性患者Cの方だけにあることではなくて、男性患者にも あることです。  同じパブリックコメントの意見番号22、これは医師が書かれているのですが、「骨髄 腫の患者さんのほとんどは高齢であり、妊娠などの問題はあり得ません。毎回、性交渉 の有無を問うことは現実的ではありません」という意見が出ておりますが、骨髄腫の患 者さんは高齢者でありますので、この医師の意見はおそらくカテゴリーCの患者のこと よりも、むしろ男性患者のことを言われていると思います。どのことを言っているかと 言いましたら、資料1-1の様式20.であるとか、様式23.辺りのことを言われているの ですが、骨髄腫の特徴ある合併症として骨病変があります。BSが大変落ちている患者も 多いですし、高齢の患者も多い、そういう高齢の男性患者に向かって、処方ごとに性交 渉を控えているかだとか、どのように避妊をしているかと聞くことが大変現実的でない というのは、ずっとこのサリドマイドが出てから言われていることであります。女性患 者Cについては、さらにそれに毎回妊娠検査を必要とされています。そのようなことが、 現実的でない、非常に苦痛であるということは、PMDAの調査でも出てきております。催 奇形性のある薬ですから、このようなことは必要だということは十分認識しております が、何かどこか医師の裁量みたいなものが、自分の目の前でいる患者さんがBSが非常に 悪くて、性交渉ができないということは明らかでありますし、性交渉していない患者さ んに向かって、妊娠検査をするというのは、非常に不情理だと思います。RevMate、ス タンスをいろいろなところを見て非常に改良されているのですが、ここについては全く 変わっておらず、患者さんから、「ここは改良する余地がないということですか」とい う質問を受けて、私は答えに困っておりまして、今日、ここで今すぐ変えてほしいと思 っているわけではありません。RevMateをこうしてほしいとか、多分すぐこうしてほし いと思ってはおりませんが、こういうことについて考える余地が全くないのか、これか ら議論を深めていけば、医師の裁量であるとか、別の方法であるとかで、何か余地がな いのかどうか、そこだけRevMateについては委員の先生方にお伺いしたいと思っており ます。 ○松本座長 ありがとうございました。この点について、どなたかご意見ございません でしょうか。 ○佐藤委員 A・B・Cの区分なのですけれども、RevMate(案)の5ページに、ちょ っと私もはっきり記憶していないのですが、アメリカのSTEPSでは、たしかBの患者に 当たるところの条件に、医師の判断で妊娠の可能性がないか、そういう様々な病気など、 化学療法を受けているようなことも含めて、医師の判断によってBに分類するという1 項目があったように記憶しているのですけれども。この条件を満たさなくても、明らか にそういうふうに考えられる方が、医師の判断でBに分類するということが言えるなら ば、そういうふうにするような余地はあるのかなと思うのですが、ちょっとそこは、私 は産婦人科の専門ではありませんので、専門の先生方のご意見によるのかと思いますけ れども。何か、そういう余地はあるような気がいたします。 ○松本座長 ありがとうございました。もう少し医師の裁量権があってもいいような気 が確かにするのですけれども、村上先生、中身について何か御意見ございませんですか。 ○村上参考人 私も佐藤委員のご意見と同じでして、現場ではやはり75歳のお祖父ちゃ んにこのようなことを聞くとか、非常に不合理で、さらに精子を提供したかとか、全く あり得ないことを毎回聞くということがございますので、医師が信用できないかもしれ ませんけれども、ある程度医師が裁量で、もしこの方は性交渉とかそういうことの可能 性が非常に低いというならば、そういう質問項目を別に使っておいてもいいと思うので すけれども、そこでチェックしていただいて、大丈夫ならば、医師がちゃんと責任を持 って、この人はそういう性行為がないと保証できる場合の方にはチェックをすると。そ ういう形にすれば、かなり精神的な負担は少なくなると思います。僕も必ず言われます。 いつも、なんでこんなこと聞くんだって、お祖父さんにいつも言われていますので、や はりここは患者さんのためには非常に不愉快、あと、認知症の検査かと言われることも ございますので、非常に患者さんにとっては負担になっていると思いますので、ここは、 もしできれば、将来的には検討いただければと思ってます。 ○松本座長 今すぐどうだというのはなかなか難しいので、この点はやはりこれからの 検討課題ということで残しておいてよろしいでしょうか、上甲委員。 ○上甲参考人 はい。 ○松本座長 他に何かご意見ございませんでしょうか。 ○遠藤参考人 先ほど30ページの意見番号46で、事務局から説明があった廃棄の問題と 故障したときの問題なのですが、不要となったレナリドマイドの廃棄を責任薬剤師に一 任していることで、ちょっと不安があるということだったのですが、基本的に病院の薬 剤部では、医療麻薬は実際に処方して患者さんの所に行って、実際に患者さんが使わず に戻ってきたものは、いま調剤済み廃棄ということで、麻薬管理者(管理者というのは 薬剤師になるのですが)が責任をもって立合いの下で廃棄をしているというのを、継続 的にずっとやってまして、それによってそういう制度が実際にありますので、それで麻 薬がどこかへ流出したとか、紛失したとか、他人に渡したとかということは基本的には やっていませんので、多分そういうことであれば、責任薬剤師の責任でもって何かしら の担保を取る必要があるのかもしれませんが、そういうことできちっと現状でも医療麻 薬でもきちっとやれていますので、このRevMateの中でもそこは大丈夫だというふうに 思っています。我々、病院薬剤師としては、多分そこは任せていただきたいなと思って います。  それと、故障時のことは、確かにRevMateの中に故障したときにファックスをという ことで書いてありますし、現状に多分このRevMateをやるときはサリドマイドを実際に 使っているようなところが同じような施設で多分使うことになりますので、そこにいま TERMSの方はファックスでやっていますので、多分ファックスそのものは大丈夫だと思 うし、我々、このハンディ端末を実際に使ってみたのですが、非常に早くて、簡単で操 作性もすごくよくて、それは我々の所の薬剤師がやってみて、ファックスを何回もやる よりはかなりいということの評価があって、機械ですから、故障する場合があるのです けれども、その場合はファックスでも実際にサリドマイドなんかのファックスで対応で きるのではないかと思っています。 ○松本座長 回収に関しては、責任者に任してくれということなのですが、上甲委員、 いかがですか。これでよろしいですか。もし、客観的な何かをということを思っておら れますか。 ○上甲参考人 特に意見はありません。これで結構だと思います。 ○松本座長 ありがとうございました。(財)いしずえの立場からいきますと、佐藤先 生、RevMateによって一応レナリドミドの安全性が管理できるというふうに考えてよろ しいでしょうか、この度は。 ○佐藤参考人 できると言い切ってしまうことは立場上控えさせていただきますけれど も、概ねアメリカのSTEPSなどと比べても、基本的な要件は満たしていると考えており ます。ただ、細かいことなのですけれども、この中で明確に書かれていないことがあっ て、ちょっと気になっていることがあるのですけれども、よろしいでしょうか。  医師や薬剤師が診察のときに患者さんが、例えば薬を無くしてしまったとか、何かそ ういう直ちに処方を中止する必要はないのだけれども、少し注意したり、実際に何があ ったのかを確認するようなことが必要な場合が生じる可能性があるのですけれども、そ の場合にそれを何か中央のセンターの方に報告するというようなことがどのようになっ ているのか、あまりRevMateの中には書かれてないように思ったのですけれども。 ○松本座長 その辺は、セルジーンさんの方で答えられますか。 ○セルジーン(株)(高徳) システムの方で、処方要件確認で、調剤数と、例えば剤薬 が合わないとかというものはトラックできるようになっております。ただ、それ以外の イレギュラーなことをリアルタイムに把握するシステムには、いまのところなっており ません。 ○松本座長 意外と、なくなるというのは臨床上ありうることなので、数が合わないと いうのはあり得ると思うのですが、その辺、やはりはっきりさせておいた方がよろしい かと思うので、その辺を考慮していただければと思いますけど。 ○安全使用推進室長 資料1-1の13ページの一番下のポツの「なお書き」以下の所でご ざいます。「なお、記載不備等の確認事項がある場合、RevMateとセンターは、責任薬 剤師に対し、電話にて問い合わせを行う」というところがございますけれども、この辺 について何か少し直すとか修正ということは、あるのかなという感じはいたしますけれ ども、いかがでしょう。 ○松本座長 佐藤先生、どうですか。 ○佐藤参考人 それで、何か、そういうイレギュラーなことがあった場合に、それを報 告するための用紙、それは必ず必要ではなくて、そういうことがあった場合だけ、何か 送ればいいような書式を整えられたらどうかなと思うのですけれども。 ○セルジーン(株)(高徳) 検討させていただきます。 ○松本座長 確かに、薬剤の量が合わなかった場合、こういう薬の場合、犯罪者扱いみ たいになるのも、またその辺は行き過ぎになると思うので、その辺も含めて検討してい ただければと思います。他に御意見ございませんでしょうか。村上先生、医療施設とか 処方医の要件についてはいかがでしょうか。こんなものでよろしいでしょうか。 ○村上参考人 実を言いますと、TERMSの基準と比べてみますと、かなり緩くなってお りまして、6ページの「日本血液学会の認定血液専門医」ということでいい、あと、 「専門医の指導を受けている」ということでいいことで、さらに但し書きの所には、 「専門医と同等の知識と経験を有し処方医師として登録することが差し支えないと判断 された場合」と書いてありまして、1ランクから2ランクぐらいTERMSに比べると規定 が柔らかくなっていると僕は思うのですけれども、専門医は専門医で十分足りると思い ます。前のTERMSのように、研修施設というのが入ってきたりすると、非常に大変です ので、専門医は処方できるということでいいと思いますけれども、その下の但し書きの 所の「専門医と同等の知識と経験を有し」ということになりますと、緩くなるところも ある、緩過ぎるというところもありますので、これも前からもいろいろ議論があったと ころだと思いますけれども、できれば指導を受けることはなくても、「ある程度専門医 と連携が取れるような形」ということを少し入れておいた方がいいかなと感じておりま す。以上です。 ○松本座長 これは、運営委員会の運用の問題だと思うのですが、もう少し客観性があ るように規定できればと思うのですが、その辺は可能ですか。 ○セルジーン(株)(高徳) 私たちは、今、基準外の医師からの申請があった場合は、 その臨床経験とか血液専門医との同等性を審査する上でRevMate運営委員会に社外委員 といいまして、血液専門医の先生と産婦人科の専門医の先生が入って、審査会議を持ち まして、その審査会議をもって承認するというプロセスを考えております。その承認プ ロセスの委員に関しては、第三者評価委員会にも報告するということを予定しておりま す。それで、適格性の担保を図るということを計画しております。 ○松本座長 よろしいでしょうか。何かご意見ございませんでしょうか。 ○土屋委員 先ほどの数が合わないとかそういうことでございますが、実は我々、TERMS で事故があって、それから初めて錠数が足りないのが3件あるというようなことが、あ の事故があってから、初めてこのTERMSにおける不都合のところで出てきたのですね。 ということは、それまで全然情報が出てこなかったわけでございまして、今回定期報告 とかそういうようなことがされるようになっておりますが、先ほどの話ではないですけ れども、やはり、数が足りないとかそういうことはあり得ることであるけれども、数が 足りないということが分かっているということは、管理ができているから数が足りない ということが分かるのであって、管理ができていなかったら、数が足りないかどうかも 分からないということになりますので、そこら辺の話はやはり我々も注意しなくちゃい けないのだけれども、やはり何か事故があってから、突然、そういうのが実は何件もあ ったのだというような報告が公表されるというのは、やはりちょっとまずいのかなとい う気もいたしますので、そこら辺については少なくとも平成21年8月の時点では何も報 告がなくて、「厚労省に一件も不都合がない」と私は書いたのだけれども、本当にそう なのかということを確認したのでありますが、それから、後から事故が起きてから報告 が公表されたということがあるものですから、そこら辺の基準がどうなるのかというの は、やはりちょっと気を付けてたほうがいいのかなという気がします。 ○松本座長 ありがとうございました。他に御意見ありますか。 ○生出参考人 資料1-1の7ページの一番上の「6.2.責任薬剤師の登録基準」というと ころなのですが、最後の段落で、「なお、処方医師自らが調剤する場合においても、責 任薬剤師としての申請は必須とする」と書かれてあるのですが、どのように理解したら いいのか。きちんと責任薬剤師がいるのであれば、処方箋を院内で発行して、薬剤師が 調剤して服薬指導するという手順になっているのに、どうしてここは、「処方医師自ら が調剤する場合においても」というのが入っているのでしょうか。 ○松本座長 どうですか、セルジーンさん。 ○セルジーン(株)(土屋) 実際に、通常はかなり大きな施設でのみ処方されると考え ております。ただ、実際にクリニックのような所で、処方される可能性もないわけでは ないという情報をいただいておりましたので、今回、このような文言を入れさせていた だいております。 ○生出参考人 それでも、クリニックで薬剤師がいない状況を想定されて書かれている ということですか。 ○セルジーン(株)(土屋) いえ、薬局としてはきちっと調剤をやっている施設という ふうに考えております。 ○生出参考人 よく分からないな。とりあえず、院内処方箋ですよね。同一病院の中で、 医事科と薬事科、そういうふうな連携をして行っていくわけですから、どうも、この一 文があまり理解できないなと思いまして、質問しました。 ○松本座長 処方医師自らがこういう処方する所はありますかね。 ○セルジーン(株)(土屋) そうしますと、そのようなケースは、あまり考えなくて大 丈夫だというふうなことでよろしいでしょうか。 ○佐藤参考人 この文章の意味するところが非常に不明確なのですね。「処方医師自ら が調剤する場合」と書かれると、これは当然、院内に薬剤師がいない場合と理解される のですが、その後に「責任薬剤師」という言葉が出てくるので、読んでいて何を意味し ているのか全く分からないし、混乱するのです。ですから、まず、セルジーンさんが意 図されている状況は何かということをきちっと言っていただいて、それに沿った文章に 直さないと、これは解釈の仕様がないと思うのですが。 ○松本座長 使用される病院がどの程度想定されているのかはっきりさせられた方がい いと思うのですけれども。 ○セルジーン(株)(高徳) これはですね、僻地とか離島等で医師一人で骨髄腫の患者 さんを治療しているというケースを想定しまして、そういうところで薬剤師もいない、 小さな病院で薬が出ないというのは非常に不都合であるという意見をいただきましたの で、そこを何とか対応できるようにと思って書いた一文であります。 ○松本座長 あり得ることはあり得ますね。いかがなのですか。 ○生出参考人 この「責任薬剤師としての申請は必須とする」というのが、整合性が取 れなくなってくるのではないですか。 ○セルジーン(株)(高徳) 薬剤師ではないですが、薬剤師と同じ役割で、「ハンディ ターミナルを扱う医師がハンディターミナルを扱う」という意味です。 ○生出参考人 「処方医師自らが責任薬剤師としての申請をしなければならない」とい うのは、なんか、ちょっと文章が違うよね。 ○松本座長 医師の場合、そこまで必要ですかね、どうですかね。 ○セルジーン(株)(高徳) 端末を動かすのは、責任薬剤師のところでチェックをして 処方するということです。 ○松本座長 だけど、申請できるのですか、医師がやったとして、責任薬剤師という申 請自体が可能ですかね。名前だけ。薬剤師でない者が、薬剤師と名乗ることは、名のれ ないのではないかと思うのですけどね。 ○生出参考人 それは、まずいのではないですかね。 ○土屋委員 本人がダブルライセンスであるとか、そういう場合は確かにあり得るかも しれませんけれども、確かに調剤は薬剤師の専権事項とはいうものの、医師自らが自ら の処方箋に従ってやるということはあり得ますけど、この場合には「責任薬剤師として の登録をする」とか、そういうことを考えたときに、そのケースはちょっと考えられな いのではないかと思います。 ○安全対策課長 事務局ですけど、考えていることは責任薬剤師になってしまうという ことではなくて、責任薬剤師が果たすべき業務を、医師が兼ねてやるということを言わ んとしているのだと思いますので、そこは「なりすまし薬剤師」ではなくて、「責任薬 剤師の業務を医師が代行する」、「僻地、離島等の場合において」というようなことも、 明示的に書いておくということによって、限定的な話であるということが分かりやすく なるかなというふうには思うのですが、例えば、そういう文言修正をするということは いかがでございましょうか。 ○生出参考人 「限定」ということで、僻地だとか全く無医村というか、医師が一人し かいない状況ということのみに限定されれば、それは致し方ないかと思いますが、どう とでも読めるようになると、薬剤師の責任、仕事が全く目に見えてこなくなりますので、 その辺の書き方は配慮をお願いしたいと思います。 ○松本座長 そうですね。そういう点も限定しないと、拡大解釈が可能になってくる可 能性がありますので、この部分はまた検討して、いいように直していただければと思い ますけれども。ここでは、ちょっとはっきりとこうすればいいというサジェスチョンは ありますか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。いまの整理ですけれども、この資料1-1、 7ページの6.2.の一番最後のところですけれども、いまのなお書きの部分に、「なお、 僻地、離島等において、処方医師自らが調剤する場合においては、責任薬剤師の代行と して、医師の申請は必須とする」という形ではいかがでしょうか。 ○松本座長 私、それでいいと思うのですけどね。 ○安全使用推進室長 「代行」ということを明記するということかと思いますけれども。 それも、「僻地、離島等の」と、そういった限定された条件というものを頭に付けると いうことです。 ○松本座長 いかがですか。そちらの方、土屋先生、遠藤先生、生出先生、それでよろ しいですか。 ○土屋委員 「僻地、離島」だからといって、薬剤師がいないということを決めるのは、 またいかがなものかという気がいたしますので、そこまで言うのであれば、「僻地等々 で薬剤師がいない場合であって」とか、少なくともそれぐらいのことは明記しておかな いといけないし、その場合には絶対駄目とは言えないとは思いますが、やはりそこら辺 はかなり例外的であって、そのときの責任薬剤師のことの意味とか、そういったことを きちんと理解していることというのは、当然必要になると思いますね。そこら辺は、か なり限定的にやるということが必要だと思います。 ○上甲参考人 「僻地、離島」の定義がよく分かっていないのですけれども、僻地でな くても、骨髄腫の患者さんがいわゆるそういう小さな病院で診られているケースもあり ますので、「僻地、離島」としてしまったら、その定義が曖昧ですから、例えば東京都 内であったとしても、骨髄腫の患者さんをたった一人の医者のところでも診ているケー スもあります。骨の病変のために、あまり遠い病院に行けない患者さんもいらっしゃい ますので、そういう人が「僻地、離島」という言葉でもって、転院を迫られるというこ とにはなり得ませんでしょうか。 ○松本座長 処方医の条件が整っていれば、処方可能と考えていいわけですか、このあ れは。ということは、いまの僻地のどうのこうのという条件を付ける理由は、あまりな いですね。だから、形式上、責任薬剤師というものを置くような形にしなければいけな いというのはあるわけですね。そちらの方を求めているわけですね。だから、それを少 しどこかで解決すればいいわけですね。いずれにしても、僻地ではなくたって、もし医 師が処方できる条件さえ整えていれば、処方は可能ということになりますよね、これを 読めば。そういうふうに理解されているわけですね、上甲委員。 ○上甲参考人 そうです。 ○松本座長 その辺はいかがですか。事務局、何かありますか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。今の御意見も踏まえまして、こういう感じ でいかがでしょうか。先ほどの7ページの6.2.の「なお書き」のところに戻りますが、 「なお、患者のアクセスが制限されるような状況において、処方医師自らが調剤せざる を得ない場合においては、責任薬剤師の代行としての申請は必須とする」でいかがでし ょう。 ○松本座長 いかがですか、遠藤先生。 ○遠藤委員 患者さんのことを考えると、それでもやむを得ないと思うのですが、ただ、 RevMateそのものが結局医師の処方の量とか、そういうのは責任薬剤師がきちっと確認 をして、入力するような形になっていますので、基本的にはすべて医師一人だけでやる とすると、どんな所でもそうなってしまうと、RevMateのシステムそのものの安全性が 担保できないので、今のような事例は多分あると思うので、その辺は先ほどお話をした 運営委員会のほうで、薬剤師がいない所で、医師一人でそういうのが必要なのかどうか をきちんと見ていただくことが必要ではないか。それを拡大解釈して、薬剤師がいなく ても、医師一人で全部、端末を持ってやればいいのではないかという話になってしまう と、折角安全面を担保したシステムを作っても、それが有名無実になってしまいますの で、そこだけお願いできればと思います。 ○松本座長 佐藤先生、安全管理の面で、この点に関してはいかがですか。 ○佐藤参考人 それで結構かと思います。 ○松本座長 具体的にはどうしますか。 ○高杉参考人 日本医師会の高杉です。これを医療の地域連携という視点で捉えれば、 ここに書く込むよりも、専門医の処方を受けて。例えば離島で、あるいは僻地でやって いらっしゃる先生が処方する場合のケースでありますから、それを全部文言に書き込む よりも、そういうことをもっと盛り込んだことが入れば。だから、いわゆる医師の先生 が、いわゆる骨髄腫の専門家ではないわけですから、こういう処方が出た、薬がなくな ったというときに臨時に出せるようなシステムだけきちんとしておけば。あとの管理は 基幹病院にしていただきながら、地域の先生が手足として動くことは当然あるわけで、 それをこの中に文言を入れると非常に難しい。そういう但し書きが少し入れば、患者さ んにも便利で、しかしいい加減にならないというシステムを入れたらいいなと私は思い ます。  例えば循環器の病気でも、いろいろな病気が大きな病院で診断されて、あとをフォロ ーする場合があるのです。「半年に1回はそちらに行ってください。あとは診ましょう」 と。この薬を何日間出せるのか知りませんが、その辺での管理の仕方というのは、この 薬が特殊であるがゆえに、そこはきちんと盛り込まれたらいいのだろう、そのように思 います。 ○松本座長 専門医と連携を保って運用するということですが、そうすると、これはま た少しニュアンスが変わってきますね。 ○高杉参考人 それは本当に非常事態というか、特殊なケースですから、そんなにある ケースではない。しかし、例えば島に住んでいらっしゃって、半年に1回は行くけれど も、という場合にどうするかという個別ケースだろうと思います。 ○松本座長 稀なケースから例外が出てきますので、難しいとは思うのですが。 ○村上参考人 上甲さんのほうが詳しいかもしれませんが。確かにおっしゃるとおりだ と思いますが、一つ。3カ月とか6カ月に1回でも行けない方がいるのです。要するに 骨の病気でして、動けない方とか、動くと骨折してしまうとかという方が結構いらっし ゃるのです。サリドマイドを飲むような時期はかなり進行した方で、咳をしただけで肋 骨が折れるような方が多いので、通院が3カ月とか6カ月に1回でも厳しいということ が実際あるのではないでしょうか。そういう方の場合には、連携していても、行けない と処方できなくなってしまいまして、できれば先ほどのような基準があったほうが。山 の中に住んでいて、その近くの診療所の先生に診てもらって薬を出していただいたほう がいいという方が、私が診ている患者さんのある一部ではいます。 ○松本座長 いかがですか、高杉先生、そういう例もありますので。 ○高杉参考人 だから、そこのところをうまく盛り込んだようなことになれば。 ○松本座長 今の事務局が出した案で、差し当たりはいかがでしょうか。 ○安全使用推進室長 事務局です。今の御審議を踏まえて少し追加いたします。「なお、 患者のアクセスが制限される状況にあって、処方医師自らが調剤をせざるを得ない場合 においては」、ここを今の御意見で変えますが、「運営委員会の審議を経て、責任薬剤 師の代行としての申請は必須とする」ということでいかがでしょうか。 ○松本座長 先ほどの運営委員会の問題がありましたので、それと引っかけて、そちら のほうが。遠藤先生、土屋先生、生出先生、いかがですか。それでよろしいですか。 ○遠藤参考人 私はそれで結構だと思います。 ○大野委員 今のお話ですと、6ページの「処方医師の登録基準」も変えないといけな くなると思うのです。「日本血液学会認定血液専門医である、あるいは専門医としての 資格は有していないが同一施設にて専門医に直接指導を受けることができる」となって いますので、僻地のお医者さんは血液が専門の医師ということはあまりない。そういう ことになったら該当しないので、ここも修正しないといけません。 ○那須参考人 それについては、但し書きがありますので。 ○大野委員 ここのところは、「但し、専門医と同等の知識と経験を有し処方医師とし て登録することが差し支えないと判断された場合」ですから、これもほとんど専門医と 似たようなことですね。それで、そこまで期待していいのかということなのです。 ○村上参考人 先ほどの、ちょっと弱いといったこともあるのですが、ここで、「血液 の専門医と連携をとれる」という言葉を入れるといいと思うのです。今は地域連携の時 代ですから、相談しながら、連携しながら治療をしていくということでいかがでしょう か。 ○松本座長 先ほどの条件にそういう言葉を入れて、もう少し具体的にするという手は あるかと思いますが、いかがですか。可能ですか。 ○セルジーン(株)(高徳) 検討させていただきます。 ○松本座長 ほかに御意見はございませんか。 ○佐藤参考人 非常に細かいことで恐縮なのですが、RevMate案の様式20.〜21.が「は い」という所が太枠になっていまして、ここにチェックしてくださいと言わんばかりで す。形式ではありますが、「はい」だけを太枠にするのはいかがなものかと思うのです。 ○松本座長 本当ですね。これは適切に対応してください。 ○佐藤参考人 もう一つ。17ページの「15.セルジーンへの報告」という所で、「妊娠 反応検査結果が以下の場合」と書いてありまして、「血中」の話がここに突然出てくる のです。それまではずっと「尿検査をする」ということだけが書かれています。おそら くは、「尿検査で陽性の場合にもう一度血液を再検査して」ということかなと思うので すが、それがどこにも明記されていない。ここで突然「血中」という言葉が出てくるの で、もしそういうことであれば、どこか前のほうに、尿検査で陽性の場合は血液検査」 とか「こういうやり方で再検査をする」というような項目があったほうがいいのではな いかと思います。 ○松本座長 いかがですか。 ○セルジーン(株)(高徳) 適切に、明確に分かるように記載を整備いたします。 ○松本座長 ほかにございませんか。 ○上甲参考人 私も細かいことで恐縮なのですが、8ページの薬剤管理代行者の所に連 絡先を明記するようになっています。登録申請の所でも、薬剤管理代行者は電話番号を 書くようになっております。患者は連絡先が要らないわけで、薬剤管理代行者だけが要 るというのは。パブリックコメントの意見番号45にも同じ質問が来ているのですが、こ の電話番号は何でしょうか。 ○セルジーン(株)(高徳) これは、これまで意見交換をした上で、患者さん自身の消息 がセルジーン社で途絶えてしまったり、連絡がとれなくなってきた場合に、RevMateセ ンターより薬剤管理代行者に確認することを計画しております。その際に、名前だけで すと連絡がとりにくいことを想定して、電話番号をいただくことを記載させていただき ました。 ○上甲参考人 追跡はどういうケースで必要になるでしょうか。 ○セルジーン(株)(高徳) 例えば、患者様に御不幸があって、突然処方が途絶えて薬剤 が御自宅に残っているケース等々ですと、処方医から、あるいは薬剤師から連絡がとれ るケースはいいのですが、とれないケースはRevMateセンターより確認するということ を想定して計画しております。 ○松本座長 それは確かに、あり得ることはあり得ることなのです。 ○上甲参考人 分かりました。 ○松本座長 いろいろと御意見をいただきましたが、レナリドミド製剤につきましては、 本日午後4時からの医薬品第2部会で審議されて、承認して差し支えないとの結論にな っております。承認するに当たりましては、承認条件としてレナリドミドの安全管理方 策が付されておりますが、今日いろいろと議論していただいて、若干の修正を加えた形 であれば、この承認条件を満たして、妥当であると考えてよろしいでしょうか。 ○上甲参考人 RevMate自体は結構かと思うのですが、これを医療現場で運用を始める と、サリドマイドのときにもそうであったように、いろいろな不都合が出てくるかと思 うのですが、RevMateの中には、どのように改善をしていくのかというプロセスが全く 書かれておりません。資料3の21ページ、TERMSのほうには「改善」という項目があり まして、私たちにしてみれば、これがよりどころになっていますので、このようにして 改善されるのだ、ということが見えるようにしていただけると不都合も乗り切れます。  TERMSのほうを読んでみますと、「TERMS委員会及び第三者評価機関による評価の結果、 改善すべき点が認められた場合は、行政へ報告し、指示に従うものとする」とあります。 こういうものがあるのとないのとでは、苦しいところを乗り切れる感じが、患者や医療 現場としては違うのですが、改善についてはどうお考えでしょうか。 ○松本座長 そうですね、今後の見直し等に関して何かございますか。 ○セルジーン(株)(高徳) 上甲参考人から御指摘のとおり、現行の手順書にはそういう 項は起こしてないのですが、我々としては新たな項を追加する。例えばRevMateの改訂 の項としまして、「RevMate運営委員会あるいは第三者評価委員会の評価の結果、改善 すべき点が認められた場合は行政に報告し、指示に従いながら改訂を行う」等々の文言 を追加したいと考えております。 ○松本座長 佐藤先生、これでよろしいですか。 ○佐藤参考人 結構です。 ○松本座長 ほかに御異議ございませんか。 ○土屋委員 この薬剤は過去個人輸入されたことがあるのかどうか確認したいのですが。 ○安全対策課長 極めてわずかです。年間4百数十錠の実績があるというようなレベル で、数量的には非常に少ないと承知しておりますが、ゼロではありません。 ○土屋委員 パブリックコメントにもあるとおり、薬価制度との兼ね合いで薬価が高く 付いたりとか、いろいろなことがあります。個人輸入のほうになってしまうと、この話 がダブルスタンダードになってしまうものですから、なるべくきちんきちんと載せると いう方策をとることは必要だと思いますので確認したのです。 ○松本座長 よろしいでしょうか。それでは、次に進ませていただきます。議題2「サ リドマイド製剤安全管理手順(TERMS)について」、委員の先生方に御検討をお願いいた します。まず事務局より資料の説明をお願いします。 ○安全対策専門官 事務局より資料を説明させていただきます。資料3は藤本製薬(株) から提出されている「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)」の改訂案です。TERMSに ついては、2008年に医薬品等安全対策部会で審議された後、2008年10月16日のサリドマ イド製剤の承認時に初版が作成されました。そして前回の平成22年3月29日に開催され た安全対策調査会において、TERMSの一部改訂についての議論が行われました。その結 果、14日間の処方が最大12週間まで延長されました。また、入院時についての規定が新 たに加えられるといったTERMSの一部改訂があり、それが現在の第2版となっておりま す。  資料6は、藤本製薬より情報を提供していただいた「サリドマイドの処方日数の状況」 です。3月29日に開催された本安全対策調査会において、サリドマイドの処方日数が14 日間から12週間を超えない範囲まで延長され、4月から長期間の処方が可能となり、4 月1日から5月20日までの処方状況についてまとめたものです。  左から二つ目のカラム、「全国合計」の部分を御覧いただきますと、15〜28日までの 処方が50%を超える数値になっております。15日より長い部分に関しては新たに長期処 方が可能となったものですが、全体の約7割が長期の処方へとシフトしている状況がこ の資料から御覧いただけるかと思います。なお、藤本製薬の説明によりますと、処方期 間のデータは入院か外来かの判断ができない。入院患者の場合には比較的短期の処方と なるものが含まれている可能性があるため、外来の場合には長期処方の割合が多くなっ ていることも考えられると伺っております。  前回の調査会においては、14日間の処方が最大12週間まで、また入院時の取扱いにつ いての規定が新たに加えられるなどといったTERMSの一部改訂がございましたが、これ らの点以外のTERMSの規定の必要な整備についても引き続き検討を行っていくこととさ れていたため、今回の調査会においては、TERMSをより良いものに改善するための御審 議をお願いするものです。  もう一度資料3を御覧ください。今回藤本製薬より提出されたTERMSの改訂案につい ては、左側に変更前のもの、右側に変更後のものが示されております。藤本製薬により、 TERMS全体の運営状況に関する確認を行う委員会であるTERMS委員会での議論を踏まえて、 また、直接医療機関や医薬品の流通を担っている特約店から藤本製薬への改善の要望等 を踏まえて作成されたものが今回示された改訂案です。  改訂箇所の説明を簡単にさせていただきます。改訂箇所は、この資料の一番下のほう に記載されているような形で、吹き出しの中に簡単な説明がございます。  まず目次については、ページのずれの修正や項目の追加などによる番号のずれなどの 「記載整備」という形の修正がなされております。2ページは「特約店」の部分です。 こちらも記載の整備です。3ページの「4.1.医療機関」の部分ですが、藤本製薬から提 案されている改訂案において、2段落目で、「本剤承認時に個人輸入のサリドマイド製 剤で治療をしている」の部分が、「本剤承認時以降に個人輸入のサリドマイド製剤で治 療している」と、「以降」が追加された変更です。これは医療現場からの要望を第1回 のTERMS委員会で議論した結果に基づく改訂案です。この変更により、処方が可能な医 療機関が、サリドマイドが承認された以降でも個人輸入の経験があれば良くなるという ことで、少しではありますが、処方できる機関が広がるものです。  その下の三つ条件が記載されている部分は、「日本血液学会認定血液専門医」を追加 する記載の整備です。  その下の赤字で記載がある部分、「また、日本血液学会研修施設以外で個人輸入のサ リドマイド製剤での治療の実績がない施設にあたっては」以降の追加部分は、医療現場 からの要望について第8〜11回のTERMS委員会で議論した結果として、「日本血液学会 認定血液専門医又はTERMSに登録し使用経験のある医師が定期的に診療し、本剤を処方 する施設であるとTERMS委員会が評価し、藤本製薬株式会社が妥当であると確認した施 設」の場合には、日本血液学会研修施設以外で個人輸入のサリドマイド製剤での治療経 験がない場合でも処方が可能な場合がある、として処方できる医療機関を拡大するもの です。  5ページの表の真ん中のカラム、「5-[3]患者、薬剤管理者及びパートナー」の部分 の一番下、二つ○がある所に括弧書きで(女性患者Bを除く)」が追加されております。 これは医療現場から、自然閉経した女性や子宮又は両側卵巣を摘出した女性に対して、 「避妊方法解説書」や「緊急避妊方法解説書」は必要ないという指摘を受けて変更する ものです。  9ページの上から7行目、10ページの上から3行目も先ほどと同様の記載の整備、11 ページ、12ページにも同様の記載の整備がございます。  13ページには若干大きな変更がありますが、14ページに処方のフローチャートがあり ますので、13ページと14ページを併せて御覧いただくと分かりやすいかと思います。13 ページですが、藤本製薬が作成した改訂案においては、「患者は、診察日の前日までに 毎回、診察前調査票(別添様式21.〜23.)を用いて自己評価を実施し(7-[1])、藤本製薬 株式会社へファックスする(7-[2])。診療前調査票は処方医師及び責任薬剤師に見せず にファックスする。なお、前日までにファックスできなかった場合は、当日の診察前で もよい」という項目が削除されております。この部分は、14ページの一番左側に示され ているフローチャートの一番左側の部分に該当するものです。これは患者の自己評価の 部分からデータベースへの格納までの部分ですが、右側の改訂案のチャートでは、その 部分がすべて削除されております。ここについては、第11回のTERMS委員会において、 診察前調査票を削除しても、安全性の確保からは問題がないのではないかという議論が なされていて、それを踏まえて、「診察前調査票を削除する」という提案になったもの です。この診察前調査票の削除に伴い、手順の部分の番号について記載の整備がなされ ております。  18ページの「8.3.妊娠検査」の部分で、妊娠検査に使用する検査薬の感度が50IU/mL から25IU/mLへと変更されております。この変更については、第11回TERMS委員会におい て、昨今の医療事情を考慮すると、妊娠検査薬の感度は25IU/mLを利用することが標準 的となっており、それに合わせたものです。  このページの下にある「8.4.禁止事項」の中に「女性患者」の部分がありますが、女 性患者Bの禁止事項から「授乳」を削除するという変更が提案されております。これは 医療現場からの指摘を踏まえて、第6回TERMS委員会における議論に基づき提案されてお ります。内容としては、現実的にはあり得ない状況を生じていることについて削除した いということです。  19ページの「8.4.2.禁止項目の遵守状況確認」の部分も、女性患者Bの授乳に関する 確認を削除することに伴う変更です。24ページの「10.6.患者署名等の代筆」の部分は、 新規に記載を追加するということです。医療現場からの要望に基づいて、代筆に関する 記載を追加したいというものです。「10.7.主な様式」の部分は番号のずれの記載の整 備です。  25ページには、TERMSのシステムの中で使用する様式の一覧が記載されておりますが、 今回の改訂案の中で様式21.〜23.と様式31.が廃止されております。これはそれぞれ、 診断前調査票に関する規定の削除、女性患者Bの「禁止事項」から「授乳」を削除する こと等に伴う様式の廃止です。  また、「附則」として新たに追記がされております。この部分について追記されてい る趣旨としましては、医療現場からの要望に合った様式の軽微な改訂を迅速に行うため に、手順の根幹をなすような基本的な変更を伴わない書式の軽微な変更については、な るべく速やかに変更が可能になるようにという趣旨です。  次は「様式」です。「様式5.」は女性患者に対するTERMSの同意書ですが、この同意 書から「授乳」を削除するという変更がなされております。様式8.は簡単な記載の整備 です。  様式9.について、「藤本製薬控」と右上に記載されている部分を御覧いただきますと、 患者群A、すなわち男性患者がサリドマイド製剤による治療を受けるために守らなくて はならないことの質問の部分において、「パートナーも必ず事前に避妊の処置(ピルの 服用も含む)を受けなければならない」という項目が、「確実に妊娠を回避するため、 パートナーも避妊方法を実施することが望ましい」と変更されております。この部分に ついては、いわゆる引っかけ問題のようになっていたものを素直な記載に改めたもので す。  様式10.は、処方医師の「登録申請書」の変更です。これは処方できる医療機関が広 がったことに伴う様式の変更で、日本血液学会研究施設以外は、個人輸入経験がなけれ ば処方ができなかったものが、個人輸入経験がなくても、一定の条件を満たせば、処方 が可能となることに合わせての変更です。同じ変更は様式14.にもありますので、併せ て御確認ください。  様式13.は、特約店の要望を受けて「施設名」「所属」が「社名」「事業者名」に変 更されている軽微な変更がございます。同じ変更は様式17. 19. 20. などについてもな されております。  様式21.〜23.の部分ですが、今回の藤本製薬の提案においては、処方前に毎回ファッ クスを行っている「診察前調査票」の提出を不要とするという改訂案となっており、こ のことに伴う様式の削除です。記載の整備に伴う変更が以下の様式にもありますが、省 略させていただきます。  以上、サリドマイド製剤を製造販売し、TERMSを管理している藤本製薬から提出して いただいた改訂案について説明させていただきました。 ○安全使用推進室長 本日は議題2「サリドマイド製剤の安全管理手順(TERMS)」につ きまして、藤本製薬から長谷さん、北小路さん、森田さんに意見聴取人ということで御 参加をいただくこととしておりますので、御了承いただければと思います。 ○安全対策専門官 続いて資料4「患者及び医療関係者のアンケート結果」について説 明いたします。この調査は、本日御参加いただいている大阪大学の那須先生のところで 主宰され、藤本製薬から独立して第三者的な立場からTERMSの評価などをしている「TERMS 第三者評価委員会」により実施されたものです。本資料については、本年5月6日に開催 された第6回TERMS第三者評価委員会の資料に基づき、本調査会のために作成・提出して いただいたものです。  まず、通し番号の4ページです。下のスライドにはサリドマイド製剤の取扱いに関す る認識の状況などが記載されており、TERMSにおける情報の提供の実施状況についての 患者側からの認識の実態を見ることができる資料となっております。  8ページに、患者さんからのコメントについての記載がありますが、この記載の中で、 TERMSに関する意見として、「2週間分しか処方されないのを延ばしてほしい」「手続 きが煩雑、負担が大きい」「毎回同じことを聞かれて不快だ」という意見がございます。 このうち、「2週間分しか処方されない」という点については、前回の安全対策調査会 で、最大12週間まで処方が可能となったことにより改善がなされています。残りの「手 続きが煩雑、負担が大きい」「毎回同じことを聞かれて不快だ」という点は、今後改善 すべき事項として残されている部分です。  次のスライドに、病院や医師等に関することとしての記載がありますが、「薬を受け 取るまでに時間がかかる」「病院や処方医を増やしてほしい」「病院が遠くて大変だ」 というのが多数の意見です。また、9ページの下のスライドとして、「その他」の中に 「自宅にファックスがなくて面倒、前日ファックスの必要性」という意見がございます。  11ページは「TERMS(継続)集計結果」です。資料の構成は先ほどのものとほぼ同じに なっていますが、通し番号17ページの部分に患者さんからのコメントがございます。下 のスライドの部分ですが、「TERMS、手続き等に関して」「処方期間を延ばしてほしい」 「病院で薬を受け取るのに時間がかかる」「手続きが煩雑、負担が大きい、面倒」「処 方可能な病院が遠い」「前日のファックスを忘れそうになる」等、ファックスに関する ものが多数のコメントとして寄せられております。  通し番号19ページに「処方医師アンケート」がございます。左下の部分に「サリドカ プセル治療による影響」という記載があり、「外来が滞る、待ち時間の増加」「時間が かかり、業務に支障」「治療開始まで日数がかかる」「サリドマイド治療希望者の減少、 断念」「遠隔地の患者に処方が困難」「夕方以降、休日、正月等処方できず」「薬剤管 理者が決められず投薬できない」などがございます。  通し番号20ページには、「TERMSシステムで簡素化・適正化できる事」ということで、 処方医師の意見として、「ファックスのやり取りの簡略化、廃止、オンラインへの移行 など」「処方期間の延長」「妊娠不可能な高齢者などでの簡略化」「毎回の相互確認の 簡略化」などが挙げられております。  次のページには、「責任薬剤師アンケート」がございます。21ページの右下の部分に TERMSについての意見がありまして、「流れを簡素にしてほしい」「ファックスをやめ る・簡素化、オンライン化等」「夕方以降、休日などの処方にも対処できるようにして ほしい」「時間がかからないようにしてほしい」「医療従事者とTERMSセンターとの間 の連携が不十分」「途中でシステムの変更などがあると、患者や現場が混乱するのでや めてほしい」などの意見について記載があります。以上資料4「患者・医療関係者アン ケート」についての簡単な説明をさせていただきました。  続いて資料5です。これは医薬品医療機器総合機構が実施した「薬剤(サレドカプセ ル)の家庭内管理および安全管理手順(TERMS)に関する調査」です。これについては、医 薬品医療機器総合機構から説明していただきます。 ○医薬品医療機器総合機構薬剤疫学課長 資料5に基づきまして、医薬品医療機器総合 機構から説明させていただきます。資料5は調査結果のまとめです。4枚目以降のパワ ーポイントの資料が実際の調査結果で、「薬剤(サレドカプセル)の家庭内管理および薬 剤管理手順(TERMS)に関する調査」となっています。  3ページを御覧ください。前回は70歳未満の方を対象にした調査結果をこの調査会に 提出いたしましたが、今回は、4月に70歳以上の方を対象に調査結果をまとめましたの で、こちらに記載いたしました。  概要といたしましては、70歳未満の方と70歳以上の方は前回報告した内容とほとんど 変わらないという状況でした。大きく変わるところといたしましては、例えば10ページ にある「現在の日常生活の様子」が、70歳以上の方では少し体が不自由になっていると いうところ。あとは18ページにある「現在の通院頻度」について、70歳以上の方が、ほ かの病気との関係もあるかもしれませんが、少し頻度が多くなっているというところ。 22ページ、30歳代の方は多少過去のサリドマイドに関する薬剤についての認知度が少し 少なかったというところ。33ページ、薬剤管理者について、誰がなっているかというと ころが70歳未満と70歳以上で変わっていたことです。 調査結果のまとめに戻ります。 1枚目の裏側に、「TERMSに関する調査(調査結果のまとめ)」ということで出しました。 まず「1.調査集計結果から分かること」として、実際の結果から分かることについて、 こういうことが言えるのではないかということで載せております。「全体的事項」とし て、過去のサリドマイド薬剤に関する認識はしっかり持っておられたこと、サリドカプ セルについては適切に管理されていたというのが調査結果から分かります。あとは患者 背景や医療機関の関係、教育、処方前手続き、薬剤管理者の関係で長期処方やカプセル シートについて、調査結果からいろいろなことが分かりました。  これらの結果を基に委員会を開催し、「調査結果や臨床現場の経験を踏まえた委員会 からの意見」を、2.として記載してありますので、それを紹介させていただきます。(1) にあるように、「処方から調剤までの手続きの見直し:煩雑で重複した手続きの緩和」 ということで調査機関から、「診察前調査票」の見直しとして、調査票の内容や報告す る頻度は適切か見直すことが必要ではないかという意見がありました。あとは「遵守状 況等確認票A、Bの見直しということで、内容は適切か、見直す必要があるのではない か。「遵守状況等確認票Bでの確認内容は、「診察前調査票」の内容とほぼ同様である ため、不要としてもよいのではないか。例えば、薬剤部で行っている「遵守状況等確認 票B」による確認はすべて「遵守状況等確認票A」の中にまとめ、薬剤部では「A」の 確認票を用いて残薬の確認をするようにはならないのかというような意見がありました。 「[3]処方及び調剤までの流れの見直し」です。「処方前手続き」として、妊娠の可能 性のない患者に対して、毎回、非現実的な質問をするのは意味がないのではないか、患 者による遵守状況等確認票A、Bへのチェックの記入や自署を行うまでもないので、チ ェック欄や自署欄を不要とできないか、TERMS管理センターとのファックスによるやり とりは今まで通りの方法が本当に必要か、このようなことがございました。医師か薬剤 師かのどちらかが行えばよいのではないかというようなところもあったかと思います。 さらに、遵守状況等確認票A、Bを統合するようなこともあってよいのではないかとい うことでした。  あとは、薬剤の関係は薬剤部で確認する手順にしてもよいのではないか、女性患者C と男性患者から、「適切な避妊の実施」についての情報を患者から直接把握することは TERMSの仕組みとして重要な事項であるが、質問の表現については改善の余地があるの ではないか、また「適切な避妊の実施」以外の質問項目はもっと簡素化できるのではな いかということも出されました。  「[4]センターとの通信手段にファックス機を使用しているが、適切か」ということ で、通信手段を見直せないか検討したほうがよいのではないかという御意見もありまし た。  「(2)教育の見直し:長時間に亘って実施されている教育の内容、方法の整理」です。 「教育」については「重篤な副作用」などの説明が不十分なのではないか、教育用資材 の内容に一部重複が見られるので、その使い方を整理できないかという意見もありまし た。また、教育補助ビデオ(DVD)の視聴を確認するために通院回数が複数回になる状況 を改善できないか。また、患者の理解度に応じた教育内容にすることにより、効率的な 教育にできないかということが挙げられています。最後に、過去の事実を知らない人と 知っている人とでは教育における重点の置き方を変える必要があるかもしれない、この ような御意見をいただいております。  「(3)治療を受けられなくする、又は治療開始を遅らせる要件の見直し:治療機会の 確保」です。薬剤管理者については、どうしても見つからない場合の対策を検討しても よいのではないかということでした。  次のページで、薬剤管理者の取り扱いなどについては、今後承認される類似医薬品と の整合性を取っていく必要があるのではないか(同一施設の同じ診療科内で違う管理シ ステムが存在することによる医療事故(人の混乱による間違い)を招くおそれが想定され るため)、このようなことをやったほうがよいのではないかということです。  「施設基準」ですが、処方できる医療機関の要件を再検討できないか、TERMSにある 医療機関の施設要件は必要か、RevMateとの整合性をとってもよいのではないか、とい うことでした。  「(4)その他」として、長期処方についての意見もありました。「その他」では三つ 目のポツで、患者の服用中止の8週間後に「遵守状況確認票」を用いて実施される確認 について、確認予定日近くにファックス等で医師に知らせる手順にならないか、という ような意見を臨床現場から御意見をいただきました。簡単ですが、このように報告させ ていただきます。 ○安全対策専門官 以上の資料4、資料5が藤本製薬から独立した第三者的な立場から 実施された調査やアンケートなどにより明らかになったTERMSの改善点などについてで す。  再度、参考資料2を御覧ください。その後半に、「サリドマイド製剤安全管理手順 TERMSの見直しを要望する」という要望書がございます。次のページの一番上の部分に、 TERMSは「胎児への曝露防止」と「患者の薬剤へのアクセス確保」が兼ね備えられるも のであり、それがリスクマネージメントであるとの記載がなされております。  また、佐藤参考人から提出された当日配布資料、「催奇形性のある薬のリスク管理シ ステムでもっとも重要なこと」という中で、胎児への薬の曝露を防止するため、一元的 に管理をすべきこと。また患者さんがその薬を用いた治療を受ける権利を不必要に妨げ ることがないよう最大限の配慮をすることが必要である、という趣旨の資料が提出され ております。その後に当日配布資料2として、安全対策課から照会していた事項に関し て、藤本製薬(株)から回答をいただいた文書を配布してありますので、参考にしていた だければと思います。  以上、直接的に医療関係者や特約店等の流通関係者とのやりとりのある製薬企業・藤 本製薬の立場から、関係者からの要望を踏まえた改善案が作成され、資料3として今回 提出されております。それから、藤本製薬とは独立して、TERMS第三者評価委員会及び 医薬品医療機器総合機構により第三者的な立場から、患者や医療関係者からのアンケー トなどにより得られた資料4、資料5などの結果、患者の会から提出された「改善要望」 という二つの異なる方面からの改善に関する御意見を参考にしていただき、本調査会に おいて、TERMSを改善し、より良いものにするという観点から、今回提出していただい た改訂案について御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○松本座長 ありがとうございました。これはあまりにも多くの要望がありまして、短 い時間でこれだけのものを解決できるかどうか分かりませんが、差し当たり、先ほどの 事務局からの説明に関して、委員の先生から何か御質問、御意見がございますか。 ○五十嵐委員 資料3の様式9.の右側について質問します。左のほうでは、「パートナ ーも必ず事前に避妊の処置(ピルの服用を含む)を受けなければならない」というのを、 右側のように、「確実に妊娠を回避するため」、これがたぶん大事だと思うのですが、 「パートナーも避妊方法を実施することが望ましい」と変えた理由は何ですか。また、 この文章を変えた一番の目的はどこにあるのですか。 ○藤本製薬(株) 我々、教育のほうでは「推奨される」という文言で、もともとは必須 という形ではなかったのです。我々は「理解度確認票」という形でドクターや薬剤師に 対して小テストのようなことをさせていただくのですが、そのときに我々は、しなけれ ばならないと。先生方はそこのところはみんなチェックされるのですが、我々教育のほ うから言いますと、そこのところは先生が間違いという形で変えさせていただいたので すが、それが引っかけ問題のような形になって間違いが非常に多いものですから、理解 度確認テストの項目の文言を直させていただいたという形です。 ○五十嵐委員 今のはAの変更ですが、Cのほうは「避妊の処置(ピルの服用を含む)」 という文章が残っているのです。これとの整合性はいかがですか。つまり、Aのほうで は「避妊方法を実施する」とあり、Cのほうでは「避妊の処置(ピルの服用を含む)」と なっていますが、あえて表現を変える真意はどこにあるのですか、様式9.のAとCなの ですが。 ○藤本製薬(株) 入れておいたほうが分かりやすいということです。 ○五十嵐委員 要するに、同じことですね。だから、どうして文章をこのように変えた のかというのは私にはよく分からないのです。同じ意味があるならば、避妊方法を実施 するというのは。まず「避妊方法を実施する」という日本語も、ちょっとおかしいです ね、間違いではないのでしょうけれど。その意味は要するに、避妊をするための治療を 何かしなさいということですね。それがAでは「避妊の処置(ピルの服用を含む)」とい う言い方をしてあるのに、あえて「避妊方法を実施する」という文章に変えたのには何 か意味があるのかと。 ○藤本製薬(株) 特に大きな意味はありません。 ○五十嵐委員 「避妊の処置を受ける」というのも良いかどうか私は分かりませんが、 同じような文章にしたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 事務局です。たぶんこの表現の違いは、あまりこなれていないと言わ れれば、そういう点は多々あると思いますし、患者さんがもう少しすんなりくるように、 表現は工夫してもらいたいと私どもも思っているのですが、この患者さんは男性なので、 男性を介して、さらにそのパートナーというところで間接的になるという話があるので す。男性がピルを飲むわけではないので、その点で表現ぶりが異なってくるところはあ るかなと思います。患者群Cの場合は、ずばり女性なので、「ピルを飲んでください」 とストレートに言う格好になっている、その違いなのです。ただ、デリケートなところ ですので、分かりやすく、なおかつ、センシティブな話でもあるので、どういう表現が よろしいかというところは、みんな苦労しているところだとは思いますが、まだこなれ ていないということは、御指摘ごもっともです。 ○五十嵐委員 パートナーも避妊してくださいということですね。 ○安全対策課長 そうです。 ○松本座長 ほかに御意見はございますか。 ○村上参考人 今日資料を見させていただいて、当日配布資料2の藤本製薬(株)の回答 のポイントは非常にまとまっているのではないかと思うのです。薬剤管理者のこと、フ ァックスのこと、診察前調査票、あとは登録条件、要するに処方医師の要件等ですが、 この点に絞って御討議いただいたほうが効率的と言うと、大変失礼な話ですが、非常に いい。それから、RevMateでも出たような問題点が集約されていると思いますので、こ れはどうかなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○松本座長 事務局から論点を絞っていただけますか。 ○安全対策課長 このような紙を藤本製薬から出された経緯について簡単に説明したい と思います。資料4と資料5、第三者評価委員会とPMDAで行った実態調査、この二つか らTERMSに関する改正を望まれる点として指摘されていることは、基本的にどちらも同 じです。そこで、その要点をエッセンスにして、私ども事務局から藤本製薬に、この点 はいかが考えますかということで問いかけをして、それに対するお答えということで出 されてきたものを、本日の議論を効率的に行うためにも参考として出させていただきま した。  ただ、そのポイントとしてここに挙げたこと、特に配布資料2に事項だけ挙がってい る部分をきっちり議論としてまとめていただいたのは、特に資料5のPMDAの行った調査 結果の2ページの下のところ、「2.調査結果や臨床現場の経験を踏まえた委員会からの 意見」ということで先ほど機構の長谷川課長から紹介していただきましたが、この部分 に集約されている内容を、さらに要点としてお伺いをして、藤本製薬としてどう考える かということで、いただいたという格好になっているものです。  この委員会のメンバーについて御紹介していないのですが、委員会の座長は村上先生 にお務めいただいていますし、委員として上甲先生、佐藤先生に参加いただいています。 このあたりの事情に詳しい委員の方々が、この意見を取りまとめるについて参画されて いる経緯でまとまっているものです。その内容に対して事務局としては、その中で実行 可能性も含めてポイントを問い合わせをさせていただいたというところで、藤本製薬か らいただいているものが当日配布資料2という関係になっています。  その中で村上先生から御提案がありましたように、ここに挙げられている四つもしく は五つのポイントについて、特に御議論いただければと事務局として考えていますが、 1点だけ、今回の藤本製薬さんからの改訂の中で一つ大きなポイントとして紹介した、 「診察前の患者さんからのファックスによる確認」という部分を全部削除すると、御提 案になっている点は、第三者評価委員会あるいは実態調査の取りまとめの中でも、神経 障害等で手がしびれて字を書くのもままならない患者さんたちが、自分で処方の都度、 前日にファックスを自ら送ることの負担の重さということがあって、それを勘案してと いう部分でもあります。  その一方で、こうした形で患者さんから直接、遵守状況あるいは避妊の状況等につい て御報告をいただくことの重要性は、このTERMSのシステムの基本的な根幹を成す部分 と考えられます。ですから、その部分については診察前のファックスをなくすという藤 本製薬からの御提案をいただいていますが、ただ、その代わりに患者さんから直接、遵 守状況について一定期間ごとに御報告をいただく。それによってリマインドもするとい うことが大事ではないかと、事務局のほうでも考えているところです。そうした点につ いては、実際にどのような形であれば、患者さんから直接情報を得ることが適うのかに ついて、御議論いただければと思う次第です。  それに関して、本日、当日配布資料として佐藤先生からいただいた、「催奇形性のあ る薬のリスク管理システムでもっとも重要なこと」というふうにまとめていただいたの が、ちょうどそれに当たる重要な御指摘だと思いますので、これも御覧いただきながら 御議論いただければと思います。 ○松本座長 差し当たりファックスの回数を減らすということに関して、御意見を伺い たいと思います。この佐藤先生からの御指摘の点を踏まえてどのような形でいけばいい かに関して、御意見はございますか。ファックスでの連絡の回数に関してです。事務局 のほうで現在と比較して何か指し示すものがありますか。 ○安全対策課長 現在は、つい先日、「処方期間の延長」をお認めいただいたので、多 少緩和されているとは思いますが、それ以前は2週間ごとの処方の都度、その前日に患 者さんはファックスで、まず管理センターに送って、それをやった上で受診をされ、医 師が送信・受信、薬剤師が送信・受信、都合5回のファックスが毎回必須という形にな っています。この負担がかなり重いという御意見は、今日お目にかけた実態調査あるい はアンケート調査の資料で明らかになっています。その中で、どこをどういうふうに合 理化すれば、合理的に安全を損なわずに負担を軽減できるのかがポイントと考えていま すが、1点は、患者さんが毎回、処方の都度、確認票を送らなければいけない、それも ファックスでなければいけないとしている部分を、何とか変えられないかというのが1 点です。これが今回、藤本製薬さんから提案があった点です。但し、その部分について は患者さんからの直接の情報だという点で、それを失ってしまうことの問題点がありま すから、そこは別のアイデアとして、例えば一定期間ごとに状況を郵送等で管理センタ ーに寄せていただく方法もあると考えられます。  それと医師、薬剤師、それぞれでファックス送信していることの煩雑さについて、現 場からの御意見も多々いただいているところでしたので、それについては藤本製薬さん に、どのように考えますかとお問い合わせをして、その御回答としていただいたものが 当日配布資料2です。ここでは、それぞれのファックスでのやり取りでのいろいろなエ ラーがまだまだたくさんあり、現状、すぐさまそれを変えるのは、という趣旨の回答を いただいている状況です。ここについてはいろいろ御意見もあるかと思います。 ○松本座長 この点について、何か御意見がございますか。 ○佐藤参考人 当日配布資料を作らせていただいたのですが、意図を説明させていただ ければと思います。[A]の1で、避妊についての確認ですが、いま現状のTERMSはどう なっているかというと、処方の前に患者さんが避妊の有無についてチェックをしてファ ックスし、かつ受診のときに医師からもう一度質問を受けて、「あなたはちゃんと避妊 をしましたか」と聞かれて、更にチェックをして、またそこでファックスを送る。同じ ことを受診の度に自分でもチェックし、医師からも聞かれてチェックすることが行われ ているわけです。  おそらく、どちらかだけでいいのではないかということですが、どちらがよりよいか というと、アメリカのSTEPSなどの考え方を参考にすると、医師が診察室で患者さんに 対して面と向かって避妊の有無について聞くよりは、患者さんが自ら自分でチェックを して、医師とは独立に回答したほうがいいのではないかというのが、アメリカのSTEPS の考え方なわけです。ですから、むしろ患者さんから直接情報を得る調査票の中で、避 妊については聞くけれども、受診の度に、医師と一緒に患者さん自身の避妊の行動につ いて確認するところは、削除してもいいのではないかというのが、私なりの整理の趣旨 です。  ところが、2番ですけれども、妊娠検査に関しては医療機関で、ある一定の条件の下 でやらなければいけませんので、この妊娠検査の結果だけは医師から必ず得なければい けない情報です。これは月経周期などを考えると、4週間に一度という検査をお願いせ ざるを得ないと思います。ただ、RevMateのほうのところで上甲さんが言われたように、 絶対に妊娠があり得ないという患者さんに、毎回、妊娠検査をするのかということに関 しては、何かそこを明確に客観的な基準で区別できる余地がないかということは、今後、 チャレンジしなければいけない課題ではあると思いますが、大枠の考え方としては、妊 娠可能な女性についてはリアルタイムの確認が必要であるということ。それに対して避 妊をしたかどうかに関しては、必ずしも処方ごとにリアルタイムに聞く必要はないと考 えます。そこが違います。  3番の家庭での薬管理についても、これは患者さん自身が一番分かっていることです から、患者さんから直接情報を得るほうがいい。但し、残薬の数に関しては薬剤師が確 認して報告することが適切なのではないかと思います。ところが、今は3の「家庭での 薬の管理」についても、ほぼ全く同じ内容を患者さんは、処方前の調査で確認票でチェ ックしてファックスし、かつ薬剤師からも、もう一度同じことを聞かれてチェックしな ければいけない。それも患者さんから直接得る情報の内容として、家庭での管理をちゃ んとしているかに関する情報は患者さんから直接得て、残薬の数については薬剤師から 得る。お互いに同じことを両方から聞くことはしないように、質問票の内容を整理すれ ば、医療機関で患者さんが答えなければいけない質問項目は大幅に少なくなりますから、 「診療時間の短縮にもつながります。そのような整理をしていってはいかがかというの が、ここでの整理の趣旨です。 ○松本座長 患者さんの立場から上甲先生、何か御意見がございますか。特にファック スのやり取りに関して意見をいただければと思います。 ○上甲参考人 PMDAでしていただいた調査の中で、ファックスを持っていない方が相当 な割合でいらっしゃることも分かっていますから、患者さんからセンターに送る手段は ファックス以外のものも検討していただいたらありがたいと思います。処方から調剤ま での手続きの流れを、こうしていただいたらいいのではないかというのは、PMDAの先ほ ど御説明があった調査委員会でも検討しています。これも調査の結果に基づいて検討し ているのが資料5の2ページの「2.調査結果や臨床現場の経験を踏まえた委員会から の意見」での(1)の処方から調剤までの手続など見直し提案です。ここの[4]にファッ クス機の使用については検討したらいかがかということは書いています。  それ以外にも、いま佐藤先生が言われたように、医師と薬剤師がほとんど同じような ことを聞いている現状とか、様式の中身が適切であるかを[1]〜[3]で整理されています ので、このような整理が付きましたら、いまと同じ確認のレベル、安全性のレベルを落 とさずに、手順が簡略化されるのではないかと思っています。 ○松本座長 処方医の立場から見まして、村上先生、何かコメントはございますか。 ○村上参考人 私もお二人の意見と同様で、まず患者さんが送る処方前のファックスは 非常に負担が大きいですし、非効率的ですので、廃止していいと思います。ただ、先ほ どあったように、患者さんからの生の情報がダイレクトにセンターに行くようにしなけ ればいけませんので、それはある程度定期的に。それぞれ患者さんA、B、Cで違うか もしれません。例えばCの方は頻回にということもあるかもしれませんが、ある程度条 件を決めて、手紙でもいいから送っていただくような形にしたらいいのではないかと思 います。  あと医師と薬剤師が同じようなことを聞いて、同じことをファックスしてやっている のですが、それもどちらかに統一したほうが。患者さんにも同じことを聞かれるわけで すから負担ですし、そこは整理していただけると臨床の現場として、患者さんの負担も 医療従事者の負担も減ってよくなると思います。 ○松本座長 薬剤師の立場から、遠藤先生、いかがですか。 ○遠藤参考人 私も同様の意見で、自分たちでやっていると、そんなに数が多くない所 ですと、ドクターがファックスを出し忘れたとか、薬局に来て、やっぱりファックスを していないので、また患者さんが戻るとか、煩雑なものですから、どうしても時間がか かり、そこでまた患者さんが待たされてずいぶん遅くなる事例もそんなに多くはないで すが、あります。それと内容的にかなり似ていますので、先ほどのRevMateはある意味、 端末がありますけれど、薬剤部のところである程度確認できるようになっていますから、 できればそういうシステムにしていただいたほうが、病院としてしっかりそこは確認し て連絡するという形にすると、もうちょっと患者さんの待ち時間がもうちょっと短縮さ れるし、同じことを何回もそれぞれの所で聞かれないので、できればそういうふうにし ていただいたほうがいいのではないかと思っています。 ○松本座長 ほかに御意見はございませんか。 ○佐藤参考人 今のことに関連して、今は、TERMSでは院内処方が前提ですから、医師 がファックスをして返事が返って来ないと、薬剤部のほうで調剤ができないというのが 非常に非合理的というか、その間の待ち時間が非常に長いので、医師が確認票にチェッ クをしたら、そのまますぐに薬局に行って、薬局のほうでチェックをしたら、医師の確 認票と薬剤師の確認票の2枚を同時に薬剤部からファックスして、それでオーケーなら、 調剤を始めるというふうにしたほうが無駄はないのではないかと思います。いかがでし ょうか。 ○松本座長 サリドマイド製剤が承認され、発売されてからおよそ1年半が経過しまし た。安全管理方策の実施の中で、患者さんや医療機関に御負担を強いてしまっている現 状が明らかになり、改善が必要であるというのは、皆さん、お認めになるのではないか と思います。ということで今回の改訂案の内容については、本日の調査会でいろいろな 意見が出てまいりました。この辺を踏まえて、事務局から何か提案することがあります か。 ○安全対策課長 いろいろな御意見をいただき、もう少し確認させていただきたいと事 務局としては思っています。今、ファックスの回数に関係する議論をいただきました。 ほかに施設要件の話については経緯があって、かなり複雑な格好になり、規定としては、 どういう施設だったら処方ができるのか、初見ですぐにわかるかというと、なかなか難 しい書きぶりになっています。  それと、もともとこの施設の要件の記述の中で、個人輸入の経験がある、ないという のが場合分けの中に入っています。ただ、これが入った経緯は、サリドマイドが承認さ れる前の段階は、個人輸入で年間数十万錠輸入され使用されている実態がある中で、承 認される所に移行していくと。その中で日本血液学会の研修施設でない所でもお使いに なっていて、現に患者さんが治療されているケースがあり、そこに施設要件として研修 施設という縛りをかけると、どうしても使えなくなってしまう。いま使っている薬が使 えなくなるみたいなことが起こるのではまずいというので、個人輸入が実績としてある 所を、経過的な話として書いておく必要があるということで手当をしたという事情があ ります。  ただ、今やもう1年以上、現実に処方されて使われている実態の中では、基本的には 処方の権限がある所を使えるという意味合いで、考えればよろしいのではないか。個人 輸入ということをあからさまに掲げる必要は必ずしもないのではないかと思われる点と か、施設要件についての書きぶりは、もう少し整理ができるのではないかという点で、 一つ課題があるかなと思います。 この点については、村上先生に御意見をいただければと思います。 ○村上参考人 実を申しますと、いろいろ施設要件が厳しいために処方できない所が、 前回のこの会議でも申し上げましたが、あるのが実際です。血液学会の研修施設でやる ということが一つあるというのが一番大きくて、それ以外の場合は専門医であると。専 門医でない場合は専門医の指導を受けなければいけないという縛りがある。結局、例え ば北海道の地方の病院の患者さんは全く処方できない状況にあるとか。あと変な話です けど、東京とか大都会の先生でも、お忙しい方は専門医を持っていない方がいます。極 端な話、そういうこともあって、すべて研修施設でやるとか専門医であるとかガチガチ に縛ってしまうと、処方していただけない患者さんがいっぱい出てきてしまうことがあ りますので、研修施設の医師であるという条件はきつすぎるのではないかと思います。  あとは、大前提として専門医がちゃんと診るということは、一つあると思いますが、 どうしても先ほどお話が出たような僻地の病院もありますので、専門医と連携して診療 できる医師ならば処方できるようにしていただければと思います。これは、私が先ほど RevMateのときに申し上げましたが、このような形が一番現場としては適しているので はないかと考えています。 ○安全対策課長 その点、施設に関する件は、藤本製薬さんで開いているTERMS委員会 のほうで、実際に村上先生がおっしゃったケースが、いくつも個別の判断として扱われ てきて、その状況も私どものほうに御報告をいただいています。それを網羅的に表現す る、すっきりした書きぶりがもう少し工夫できないのかということで、検討が要るので はないかというのが事務局として考えているところです。実際に個別のケースとして100 施設ぐらい、TERMS委員会で判断されている状況は、私どものほうにも御報告をいただ いていますし、それが無理なくきちんと読み込めるように表現を整理するところが肝要 ではないかと考えています。施設についての話は今のような点が課題かと思いますが、 もう1点、薬剤管理者。 ○村上参考人 先ほどの「研修施設」というのを省けば、前の個人輸入の件などはある 程度クリアできるのではないかと思いますが、縛りがありすぎるから、「個人輸入の経 験がなければいけない」というのも入ってきてしまうので、そこをちょっと。すみませ ん、話の腰を折ってしまって。 ○安全対策課長 一応、認定血液専門医の指導を受けているパターンとか、そことの連 携をするようなケースとか、そうしたものが個々の判断の中で実際には行われて、でき るという判断が下されているものが含まれている状況にはありますが、そこをもう少し すっきり整理をしてということではないかと思います。そこはもう少し検討いただく必 要があると思います。 ○遠藤参考人 ある程度統一しておかないと、患者さんはTERMSからRevMateに移るとき に、は使えるけれど、逆にサリドマイドに移るときには使えないとか、そういうふうに なってしまうと、システムの細かいところは少し違っていてもやむを得ないですが、使 えるか使えないかのところは統一しておかないと、そこは一番大事な問題ではないです かね。 ○安全対策課長 そのとおりでございます。したがって施設要件については、ただ今御 指摘いただきましたような点を盛り込んだ形で、すっきりした表現に工夫させていただ くというところが課題かと思いますから、藤本製薬のほうにも、この点は御検討いただ きたいと考えています。  もう1点、薬剤管理者の件です。ここで浮かび上がっている問題点は、薬剤管理者を 立てることが必須であることが、場合によっては非常に重い負担になってしまうケース です。つまり、適切な薬剤管理者を見つけることができない患者さんがいらっしゃる。 見つけるまでにものすごく大変とか、あるいは見つけられない。もう1点は、その薬剤 管理者が見つけられたとしても、その方が処方を開始する前に患者さんと一緒に教育を 受けないといけないと、今はされています。このことが、例えば薬剤管理者として無理 無理、遠方にお住まいの親族の方にお願いしているケースもあるやに聞いています。そ うすると、例えば外国に住んている方の場合、そう簡単に来ていただけない。したがっ てその方が来るまで処方開始が延びてしまう。こういう事態が発生するようなこともあ るやに聞いています。このあたりの規定の仕方が非常にストリクトになっていて、その ために患者さんが処方を始めることをためらったり、あるいは遅れてしまうということ は、何とか改善しなければいけない点と我々も考えています。したがって、その点につ いて見直しを行うところが肝要な点と考えています。いかがでしょうか。 ○松本座長 その点に関しては、医師が認めた場合にするとか、そういうふうなことが 考えられる必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 それと、もう少し細かな話になってくるのですが、服用禁止期間につ いての規定が服用中止後8週間というされています。これは服用をやめてから2カ月後 までフォローしなければいけないという格好になっているのですが、実はこの部分の規 定はアメリカのSTEPS等を見ると4週間とされています。これは伺ってみると、オース トラリアで8週間になっているのでそれに合わせたという理由にされています。ただ、 日本においては先ほどもありましたけれども、レナリドマイドのシステムも動くように なる、アメリカのシステムも4週間になっている。こうした状況が次第に進んでくるに 従って、いつまでも8週間が本当に必要なのかという点について、少し課題があるので はないか。これも見直しをするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○松本座長 その辺もよろしいですか。4週間にするとか、そういう検討をしていただ ければと思いますけれども。 ○安全対策課長 それから、これが最後になりますが、今回の改訂案の中にも、「署名 の代筆」というのが提案されています。これは24ページの「10.6.患者署名等の代筆」 です。この代筆というのは、御本人が手がしびれる等で文字を書くのに何分もかかって しまう状況を想定して、藤本製薬さんに考えていただき、このような提案になっている ところではあるのですが、代筆となると誰でもいいことになってしまう。もし誰でもい い方がただ形式的に名前を書く格好で済むものであれば、そもそも署名は必要なのかと なってくる点はあるかと思います。もちろん、何でもかんでも全部要らないとするのが 適切かどうかというのは、議論の余地があるかと思いますので、治療方針といった、一 番最初の段階のところで納得していますよというところについて、署名をいただくこと は時には必要ではないかと思われる点もあります。ただ、一方で毎回、毎回の署名が本 当に必要なのかと考えると、そこは患者署名欄そのものを廃止することも含めて、見直 しをしてもよろしいのではないか。大部分は様式の中の見直しという部分ですが、ただ、 署名をなくすというのはそれなりに大きな話のように思いますので、一応、ここはお諮 りをしておきたいというところです。いかがでしょう。 ○松本座長 その辺、要るとか要らないに関しては検討してよろしいですね、あと問題 点としてはどうなのでしょうか。薬剤の回収の問題はよろしいですか。 ○安全対策課長 こちらのTERMSにおける薬剤の管理については、非常に厳格に回収の 手続きをとっておられる現状がありますので、むしろ今後の課題として、どこまで徹底 的にやるのかについては、実績を踏まえて御検討いただくことではないかと思います。 先ほども薬剤の回収、廃棄について、もう少し現実に即して検討してはという御議論が ありましたので、この点はお伝えをして検討いただければと思います。特に本日の調査 会において、その点においても検討せよという御意見であれば、その点も依頼をして検 討していただくことはできるのではないかと思います。現実に今やっていることですの で、すぐにというふうにはなかなかならないのかなと思われるところです。 ○松本座長 上甲参考人、何かありますか。 ○上甲参考人 製薬会社さんに1点お願いと、2点お尋ねがありますが、よろしいです か。お願いは、今日、参考資料2で私どもから厚生労働大臣あてに提出した要望書があ りますので、TERMSの見直しに関する要望については厚生労働大臣と審査管理課長、安 全対策課長あてになっていますが、これは藤本製薬にあてたものでもあります。よく読 んでいただきたい。今日出しましたので、まだお読みになっていないと思いますので読 んでいただきたい。もう一つ読んでいただきたいのは、資料2のパブリックコメントで す。これはRevMateに関するパブリックコメントでありながら、TERMSを何とかしてくだ さいというのがたくさん入っています。これも是非読んでいただきたい。お願いはこれ です。  あとお尋ねしたいのは、資料3にせよ当日配布資料2にせよ、拝見すると、第三者評 価委員会で出ているアンケート結果であるとか、PMDAの調査結果から考えると非常に乖 離していて、拠る術もないというか、ファックスをより良いものにしていって、かつ安 全性を落とさず患者が薬にアクセスするよう改良しようという御意思が、この資料では 感じられず大変がっかりしています。このパブリックコメントにたくさん寄せられてい る患者さんたちに、どのような説明ができるのだろうかと、私自身、参考人としてここ に座ってずっと考えています。  今、いくつか具体的に安全対策課長から検討点が挙げられましたが、TERMSが動き出 してまだ1年半足らずのところで、改訂するのは大変だということは私はよく分かって います。これを作る時どれだけ大変だったか、私はよく知っていますので分かっていま す。だから、すぐ明日改訂してくれとは思いませんが、要望書にも書いているように、 調査で客観的に出てきていますので、今日出された当日配布資料のようなことではなく、 改良するプロセスの入口に立っていただきたい。そのおつもりがあるのかどうかお聞か せいただきたいというのが1点です。  先ほどRevMateのところで言いましたが、TERMSの中には「改善」という項があります。 ここには、TERMS委員会や第三者評価委員会からの提言があれば、行政に報告し、行政 に従うとなっています。これは、このとおりだと思っていますし、このとおりであるな らばこのとおりにしていただきたい。かつ、当日配布資料に、TERMS委員会で検討した 内容がこれらであるとなっていますが、ということはTERMS委員会では、現状のTERMSは 改訂する必要がない、これでいいというお考えであるのか、そこもお聞かせください。 ○藤本製薬(株) 安全を確保しながら、そしてアクセスを良くする、これは同じ気持ち でございます。ただ、TERMSを作り上げるときも各団体、いろいろな方に集まっていた だいて作っていただいたという気持ちがありますので、まず私どもは安全性を十分確保 し、その様子を見ながら、改訂するものは改訂していきたいというスタンスでいます。 ですから施設にしても徐々に増やしてはいっていますので、全く改訂をしないというス タンスではないというのを御理解いただければと思います。 ○松本座長 先ほどの課長の指示事項は、書類となって出ますか。 ○安全使用推進室長 それでは、時間もだいぶ経ってしまいまして大変申し訳ありませ んが、今、こちらのほうで御議論いただいた論点をまとめた紙の案を机上にお配りしま す。こちらのほうで藤本製薬に対して指示をするという内容についての文書案を配りま すので、御確認をいただければと思います。これに対する修正や追加等がございました ら、この場で御意見をいただければと思います。 −事務局 指示事項(案)配付− ○松本座長 時間も遅くなりましたが、もし御意見がございましたらお願いします。大 体、この意見でよろしいですか。 ○佐藤参考人 「(1)診療前調査票の廃止」に関することですが、「ただし」の後、 「患者グループごとのリスクに応じ、定期的に患者の状況を確認する方法を導入するこ と」と書いてありますけれども、もう少し明確に書いたほうがいいのではないかと思い ます。「定期的に患者の状況を確認する」というのは、誰にというのがここには書かれ ていないのですが、「患者さんから直接情報を得ることによって」という文言が必要だ と思います。  それから、何の状況を確認するかということですが、患者さんから直接情報を得なけ ればいけないのは、避妊に関することと家庭での薬に関することなのです。その2点で す。そのことを明記していただきたいと思います。 ○松本座長 事務局、よろしいですか。ほかにございますか。 ○安全使用推進室長 先ほど議論いただいた中で、例えば(3)ですが、「処方可能な医 療機関及び処方可能な医師に係る要件について、施設や医師にとって理解しやすい要件 に整理し直すこと」という後ですが、現在、この「個人輸入の経験の有無による要件の 区別云々」ということを書いていますが、先ほどの村上参考人の御指摘もありますので、 「その際に」の後に、「研修施設であることや個人輸入の経験の有無による要件の区別 によらず」という形で、この研修施設であることの有無についても、一応、検討事項と してはいかがと思いますが、よろしいでしょうか。 ○松本座長 村上先生の先ほどの意見からいけば、そのほうがよろしいですかね。ほか にございませんか。 ○安全使用推進室長 もう1点です。現在、6項目で(1)から(6)までありますが、座 長からも御指摘がありましたけれども、(7)として、残薬の回収に関する指摘を入れで はどうかと思います。「残薬の回収についても現実的に実行可能な方法を検討すること」 という形の文言。 ○藤本製薬(株) 残薬というのは、不要薬という意味合いなのでしょうか。 ○安全使用推進室長 不要薬です。 ○松本座長 ほかに、御意見はございませんか。 ○土屋委員 指示項目以外のことですが。 ○松本座長 まず、この指示事項でいいかどうかで、言っていただきたいのですが、こ れは藤本製薬さんにお願いすることなので、よろしいですか。では、指示事項はこれで よろしいということなので、大変だとは思いますが指示事項のとおり、3カ月を目途に 指示事項に記載されている事項について、そちらのほうで検討して、また回答を出して いただければと思いますが、こちらに関してはそれでよろしいですか。  これ以外に関して、事務局としてはTERMSの実施状況を引き続き注視して、改善を要 する点については、また情報を集めていただきたいと思います。ほかに御意見はありま すか。 ○土屋委員 こういうことで今回、TERMSあるいはRevMateということが出てきたときに、 医療機関にしてみると、それぞれ個々の製薬企業が、それぞれのルールを決めていって しまうということは、1個のときはそれでよかったかもしれませんが、複数になったと きにはかなり共通性とか、先ほど遠藤参考人の話でございましたが、そういうことの標 準化という言い方がいいのかどうかわかりませんが、そういうことをもうちょっと進め るようにしておかないと、方向性がなかなか難しくなってしまいます。これから、使用 上、かなりいろいろなことをコントロールしなければいけないところで、そういう仕組 みをきちんとすることを考えなければいけない。お互いにそういうところで2個目が出 てきたり、別なものが出てきたときに、相手の状況とかを見ながら変えるべきところは 変えて、医療機関あるいは患者さんの負担を減らす。安全を担保しながらやる方法とし て、手段は違ってもいいけれども、守らなければいけないことはきちんと守ってやる姿 勢を、きちんととることが必要だろうと思います。 ○松本座長 ごもっともだと思います。ほかに御意見はございますか。 ○上甲参考人 3カ月を目処に御検討ということですが、当日配布資料2によると、 「手順を変更する場合はTERMS委員会の検討及び了承が必要」となっていますので、も しこの検討結果がなかなかこの意図どおりにいかないときには、TERMS委員会の了承が 得られなかったということであるならば、安全対策課長、参考人にTERMS委員の先生を お呼びするなどして意見を聞くことも、御検討いただけますでしょうか。第三者評価委 員会の医師の調査では、77%の医師が、診察、処方時において簡素化、適正化が可能で あると言っています。今回、それが全く盛り込まれていませんので、その辺の乖離を私 は伺いたいのです。だから是非、次回、そういうことでしたら御検討ください。お願い します。 ○松本座長 事務局、よろしくお願いします。ほかにございませんか。議題3は「その 他」ですが、事務局、何かありますか。 ○安全対策専門官 特にございません。 ○松本座長 本日、用意しました議題はこれですべてです。本日の会議をこれで終了し ます。長い時間、活発な御議論ありがとうございました。 照会先:医薬食品局安全対策課 電話番号:03−5253−1111