10/04/26 平成22年4月26日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成22年4月26日(月)  16:00〜 厚生労働省共用第7会議室 2.出席委員(11名)五十音順    新 井 洋 由、 庵 原 俊 昭、 岡   慎 一、 竹 内 正 弘、    田 村 友 秀、 土 屋 友 房、 早 川 堯 夫、○堀 内 龍 也    前 崎 繁 文、 溝 口 昌 子、◎吉 田 茂 昭  (注)◎部会長 ○部会長代理    欠席委員(4名)   守 殿 貞 夫、 清 水 秀 行、 濱 口   功、 山 添   康    3.行政機関出席者    岸 田 修 一(大臣官房審議官)、 成 田 昌 稔(審査管理課長)、 内 海 英 雄(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 松 田   勉(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)、 平 山 佳 伸(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、 赤 川 治 郎(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、 他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催い たします。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。まず、部会 の委員の異動がありましたので御報告いたします。飯沼委員が当部会の委員を退任されて おります。  本日の委員の出席ですが、守殿委員、清水委員、濱口委員、山添委員より、欠席の御連 絡をいただいております。現在のところ、当部会の委員数15名のうち、11名の委員に御 出席いただいておりますので、定足数に達しますことを御報告します。  続きまして、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。内海医薬品医療機 器総合機構理事です。 ○審査センター長 この4月から、医薬品医療機器総合機構の理事並びに審査センター長 を拝名しております内海でございます。よろしくお願いいたします。 ○審査管理課長 安全第二部次長の依田でございます。 ○安全第二部次長 依田でございます。よろしくお願いします。 ○審査管理課長 それでは、吉田先生、以後の進行をお願いします。 ○吉田部会長 では、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と審議事 項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。 ○事務局 それでは報告いたします。4月1日より審査管理課に参りました目黒と申しま す。よろしくお願いいたします。  資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿 を配付しております。議事次第に記載されている資料1〜5をあらかじめお送りしており ます。このほか資料6「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料7「専門委 員リスト」、資料8「競合品目・競合リスト」を配付しております。  また、当日配付資料として、資料2-1-2「添付文書の差替え」、資料2-3-2「添付文書 の差替え」、資料2-4-2「添付文書の差替え」、資料2-5-2「添付文書の差替え」、資料 2-6-2「添付文書の差替え」。このほか、当日配付資料1「薬事分科会における医薬品の 『報告』の取扱等について(案)」を配付しております。  続きまして、資料8、本日の審議事項に関する「競合品目・競合企業リスト」について 御報告いたします。各品目の競合品目選定理由です。パシル、パズクロスの競合品目につ いては、一つ目は、既に承認されている同系統のニューキノロン系の薬剤、二つ目は、近 年開発中の同系統ニューキノロン系の注射剤、最後に本剤と同様に、重症・難治性感染症 の治療薬として位置付けられているカルバペネム系の中で、最も使用量が多く、適応症・ 適応菌種が類似している薬剤を競合品目として資料に掲げておりますとおり選定してお ります。以上です。 ○吉田部会長 今の事務局の説明に関して、特段の御意見はありますか。なければ本部会 の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の了解を得たものといた します。それでは、各委員からの申し出状況について御報告をお願いします。 ○事務局 各委員会からの申し出状況についてですが、議題1のパシル、パズクロスにつ いては、退出委員は岡委員、前崎委員、議決に参加しない委員は堀内委員です。以上です。 ○吉田部会長 本日は審議事項1議題、報告事項が4議題となっております。それでは議 題1の「医薬品パシル点滴静注液1000mg等の製造販売承認の可否等について」、始めた いと思います。岡委員、前崎委員におかれましては、議題1の審議の間、別室で御待機い ただくことになっております。よろしくお願いします。 ── 岡委員、前崎委員退室 ── ○吉田部会長 それでは、議題1につきまして、医薬品機構から概要の説明をお願いしま す。 ○機構 議題1、資料1「医療用医薬品パシル点滴静注液300mg、同500mg、パズクロス 300、同500の製造販売承認事項一部変更承認及びパシル点滴静注液1000mg、パズクロス 点滴静注液1000mgの製造販売承認について」、医薬品医療機器総合機構より御説明いた します。  パズフロキサシンメシル酸塩注射液(以下、本剤と言います)は、富山化学工業株式会社 で創製され、富山化学工業株式会社と田辺三菱製薬株式会社で共同開発された注射用フル オロキノロン系抗菌薬です。本剤は、幅広い抗菌活性を有しており、呼吸器科領域感染症、 泌尿器科領域感染症をはじめ各科領域の感染症に対する適応として、平成14年4月に承 認を取得、また、平成17年2月にはレジオネラ属の適応を追加で承認取得しております。  本剤は、注射用β-ラクタム系抗菌薬などで十分な効果が得られない場合、基礎疾患や ほかの合併症を併発している難治性の疾患、免疫不全患者などの重症患者などに使用され ることが多いとされておりますが、既承認の用法・用量[本剤1回300mg又は500mgを1 日2回(以下、BIDと言います)]では、重症・難治性感染症に含まれる敗血症の適応症 及び重症難治性肺炎の原因となり得る肺炎球菌の適応菌種の取得には至っておりません。  申請者は、重症・難治性感染症の用法・用量として本剤1000mgBID、また、重症・難治 性感染症のうち「敗血症」及び重症・難治性肺炎の原因となり得る肺炎球菌の効能・効果 の取得を目的とし、開発を行ったと説明しております。なお、日本化学療法学会より、本 剤を増量して使用できるようにしたいとの旨の要望書が平成17年7月27日付けで提出さ れております。海外では、平成22年1月現在、大韓民国で承認を取得しております。本 品目に関する専門協議に関し、本剤の専門委員としては、資料7にあるとおり、7名の委 員を指名し、御意見を賜りました。  機構における主な審査内容のうち、臨床評価について御説明いたします。  本剤1000mgBIDの有効性の評価については、審査報告書29ページから記載しておりま すように、提出された第III相試験2試験の評価に基づき、高用量敗血症試験における有効 率は100%(6/6例)であったことから、敗血症に対する有効性は確認できたと判断いた しました。  また、高用量肺炎試験全体での有効率は81.8%であり、うち肺炎球菌性肺炎の有効率 は76.9%、重症・難治性肺炎の有効率は81.3%でした。症例の取扱い基準の変更により 試験計画段階で設定していた期待有効率90%は得られなかったものの、検討会後の取扱 い基準というのは、当初設定した基準から、より厳格な基準への変更であったこと、また、 細菌学的効果の結果も踏まえると、重症・難治例を含め、肺炎に対する有効性は期待でき ると判断いたしました。  本剤1000mgBIDの安全性の評価については、審査報告書33ページから記載しておりま すように、提出された二つの第III相試験を中心に評価した結果、既承認用法・用量と比較 して、注射部位反応の有害事象発現率が増大し、中枢神経系障害、肝機能障害及び胃腸障 害等のリスクが増大する傾向が認められました。  したがいまして、本剤1000mgBIDを投与すべき症例は、他の抗菌薬の投与を考慮した上 で、必要な患者に限り、慎重に選択する必要があること、また、注射部位反応の発現率が 高いことから、添付文書にて注射部位反応についての注意喚起を行うとともに、製造販売 後には注射部位反応の発現状況や重症度を中心に情報収集を行う必要があると判断いた しました。  機構は、以上のような審査を行った結果、敗血症、肺炎球菌による肺炎、重症・難治性 の呼吸器感染症(肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染に限る)に対する本剤1000mgBIDの有効 性は示され、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と判断し、審査報 告書の3〜4ページの効能・効果、用法・用量にて承認して差し支えないと判断いたしま した。  なお、「パズクロス注300、同500、同1000」の販売名は、「医療事故を防止するため の医薬品の表示事項及び販売名の取り扱いについて」(平成12年9月19日付医薬発第935 号)の通知に基づき、今回の一部変更承認申請が承認された後に代替新規申請を行い速や かに「パズクロス点滴静注液300mg、同500mg、同1000mg」に名称変更する予定です。  また、この点について、清水委員より「医療現場が混乱することのないように」との旨 の御質問がありました。機構は、名称の相違による医療現場の混乱を避ける必要があるこ とから、現在、厚生労働省及び機構の関係部署により、高用量の規格1000mgが上市され る時点では300mg、同500mg製剤の名称の変更が済み、同一名称パズクロス点滴静注液 300mg、同500mg、同1000mgとして供給できるように対応を進めているところです。  さらに、清水委員より「1000mgBID投与時の安全性情報の提供の仕方について、ネガテ ィブな情報も含めて、どのように情報提供するのか」との旨の御質問をいただいておりま す。機構は御指摘のとおり、高用量を投与すべき症例を慎重に選択する必要があると考え ており、そのために効能上も既承認適応症すべてに高用量が使えるとするのではなく、臨 床試験において有効性が確認された適応症に限り、高用量の使用を認めることが適当であ るとの結論に至っております。  また、現場への適切な情報提供として、添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意 の項に、本剤の臨床試験においては、1日1000mg投与時と比較して、1日2000mg投与時 では注射部位反応など、副作用発現率が高い傾向が認められるため、1日2000mg投与は 必要な患者に限り、副作用の発現に注意して慎重に投与することとの旨の注意喚起を行う こと。また、重要な基本的注意の項では、本申請に係る臨床試験での副作用発現率のデー タを提示すること。副作用の項においても、1日1000mg投与時と1日2000mg投与時にお ける副作用発現率のデータを個別に示すことにより、高用量投与に伴う安全性リスクの増 加についても、具体的に把握できるよう提示するように申請者に指示しております。  本剤の再審査期間については、4年と設定することが適切であると判断しております。 また、1000mg製剤については、毒薬・劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来 製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しておりま す。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○吉田部会長 それでは、委員の先生方からの御質問、御意見をお願いしたいと思います。 いかがでしょうか。 ○堀内部会長代理 このような抗菌薬は、有効性の高いものは候補としてはたくさんある と思います。ただし、副作用や、毒性があるものがかなりあります。今回の場合、高用量 にすれば毒性がかなり出てくる可能性は十分考えられるところですので、それに対する配 慮は極めて重要だと思います。  今、御説明がありましたが、このものについても2000mgを1日2回に分けて投与する という、かなり高用量を投与することになりますので、そこが一番大きな問題になると思 います。  例えば、審査報告書の19ページの反復投与試験ですが、一番下に記載されている薬物 動態試験で、「1000mg反複投与群の全ての症例において有害事象が発現し、途中で中止 された」となっておりまして、かなり頻度の高い副作用が発現する可能性が高いと思いま す。これについては健康成人でもこのぐらい起こっており、すべての症例で副作用が起こ っているということですが、中止に至ったというのは何日ぐらい投与した際に起こってい るのかについて教えていただきたいと思います。 ○機構 今、投与時の発現日数については確認しておりますが、今回、先生に御指摘いた だきました健康成人の試験というのは、企業がまず1%の製剤濃度、今、既承認の製剤濃 度は0.5%ですが、薬液量が多くなるということから、濃度を上げた検討でまず高用量の 開発をいたしました。それがこの第I相試験です。この第I相試験で有害事象が全症例で 発現したことから、申請者は高濃度が原因で有害事象が発現したと考察し、第III相試験以 降の試験では、0.5%の濃度で開発を続けております。今回は0.5%の濃度で第III相試験 が行われたわけですが、それでもやはり注射部位反応の有害事象が既承認の用法・用量に 比べて高く、この点については引き続き注意が必要だと考えております。  注射部位反応の有害事象については、この試験ではないのですが、大体は投与1日目〜 3日目ぐらいまでにピークがあって、その後、発現件数は減ってはおります。ただし、複 数例に発現した症例や、4日以降も消失しなかった症例が20%以上認められていること から、非常に注意すべき事象だと考えております。 ○堀内部会長代理 どのぐらいで定常状態に到達するかというのは、途中で試験が中止さ れたので得られていないということですね。1%で行ってそういう結果になっているわけ ですね。 ○機構 はい、そうです。 ○堀内部会長代理 どうして0.5%ではこの実験をやらないのですか。やらなくてもよい のですか。体内動態については試験をやっていないわけですか。 ○機構 0.5%での検討というのは、次の審査報告書では20ページの高用量反複試験が 0.5%の濃度で、3番目の高用量高齢者試験も0.5%の濃度で実施しております。 ○堀内部会長代理 分かりました。そうすると、かなり早く副作用が出てくるわけですね。 もう一つ、特に敗血症等では腎機能が低下している患者が多いということですね。そうす ると、ますます血中濃度は高くなる可能性があると思いますが、その辺について添付文書 を見ますと、余り明確に書いていないですね。注射部位反応については書いてありますが、 それ以外の副作用で、特に腎機能が低下している患者に対して、かなり注意をすべきであ るというのは1ページの右の使用上の注意には1000mgのことについては書いてありませ ん。 ○機構 書いてあります。用法・用量に関連する使用上の注意の5.に、1日2000mgを投 与する場合、腎機能障害のある患者に対しての注意喚起と、6.に、そのときの腎機能障 害の患者の用量調整の目安ということで情報提供をしております。 ○堀内部会長代理 もう少し明確には書けないのでしょうか。かなりの頻度で副作用が出 てくる。例えば、重大な副作用というのは、ここで見ますと、頻度不明ということで記載 されているだけですね。 ○機構 あとは添付文書の2ページの「重要な基本的注意」の項で、(2)注射部位反応と して情報が書いてあります。 ○堀内部会長代理 注射部位反応は分かりますが、それ以外の副作用が起こりますよね。 ○機構 はい。 ○堀内部会長代理 それに対する注意喚起、特に1000mgを2回投与する場合の注意喚起 について、もう少しクリアには書けないのでしょうか。 ○機構 あとは2ページの4.の副作用の項に、1日投与量1000mg以下で実施した臨床試 験と、1日投与量2000mgで実施した臨床試験に分けて、有害事象の情報を各々提示して おります。 ○堀内部会長代理 先ほどの説明でも高用量の使用を認める場合、本当に必要な場合にの み認めるという話をされたと思いますが、それをもう少し明確に添付文書に書いた方がよ いのではないかということを申し上げているのですが。 ○機構 分かりました。御意見ありがとうございました。検討させていただきます。 ○吉田部会長 よろしいでしょうか。要するに、審査結果報告書の3ページには「他の抗 菌薬の投与を考慮した上で、必要な患者に限り慎重に投与されるべきであると考える」と なっているのですが、添付文書にはそういう文言がありません。その辺をもう少し考えた らよいのではということですね。ほかにございますか。 ○庵原委員 確認というか、お聞きしたいと思います。注射部位の反応ですが、これは 1000mgから2000mgに上がった瞬間に頻度が急に増えていますね。この増えた要因は一体 何ですか。濃度は変わりはないですね。点滴スピードの問題ですか。このファクターを何 と考えるかによって、どう対応しなさいということが言えるのですが、この因子をどう考 えて、そこが理解できないのですが、説明をお願いします。 ○機構 実はこちらもどういうファクターが原因かというところが分かっていれば、それ を防ぐ方策も考えられるのですが、今回1%から0.5%に濃度を下げた場合でも注射部位 反応がかなり発現しました。  投与速度についても、既存の製剤は100mLを30分〜1時間かけて投与するのですが、 今回、第III相試験でやった投与速度としては、200mLを1時間かけてということで、投与 速度は変わらない。それなのに既存の用法・用量のときの安全性情報よりも、注射部位反 応の事象が増えるということで、こちらも原因については明確なことは分からないので す。ですので、より厳格に投与対象を絞るだとか、安全性に注意して使っていただくとい う注意喚起を徹底したいと考えております。 ○吉田部会長 要するに、1Lで溶いたのと、500mLで溶いたのでは違うのですか。それ とも薬剤の濃度もそうですが、全体で2Lに融解したら、そういうことは起こらないのか とか、そういうことも分からないのですか。 ○機構 一応ある一定の量を投与したときに起こるのであろうというところまでは推察 されているのですが。 ○吉田部会長 トータルの投与量ということですね。 ○機構 トータルとしてです。 ○吉田部会長 ものすごく薄い濃度の点滴をやっているときでも、注射部位に何か起こる ということは普通はないです。血管炎はあるかもしれないけれども、注射部位そのものの 反応というのは余り考えられません。だから気持ちが悪いのですよ。しかも、グレード3 が11.2%もあるのです。これはちょっと普通の薬ではないかもれないという不安感を与 えますよね。その辺の説明が欲しいですね。 ○機構 この原因についても引き続き申請者に原因究明するように、こちらも指示してい きたいと思います。 ○吉田部会長 原因だけでなく、どうやったら減らせるかというのも併せて検討して欲し いと思います。濃度を変えたり、点滴の量を増やしたりとか、極めて希釈してやるとか、 何かトライアルがあってもいいような気がします。 ○機構 分かりました。そちらも含めて検討させていただきたいと思います。ありがとう ございました。 ○吉田部会長 竹内先生、何かありますか。 ○竹内委員 高用量の敗血症の臨床試験について伺いたいのですが、この臨床試験では敗 血症患者さんで血液培養は陽性でという縛りがあったにもかかわらず、27例が被験者と して入ってきて、最終的に私の理解では敗血症の患者で血液培養の陽性があった患者は6 名しかいなかったという理解でよろしいのですか。 ○機構 はい、そういう理解です。 ○竹内委員 そのぐらいの患者さんに対して、6名全員に効いたというお話だと思うので す。一つお伺いしたかったのは、そういう設定をしたにもかかわらず、6名という患者さ んの数が少なかったトライアルの質はどのようだったのかということが一点です。  審査報告書の30ページだと思いますが、血液培養の陰性の患者さんを含めた形で、後 で再解析したら、有効性は同じぐらいだったので敗血症で承認しましょうという理解でよ ろしいのですか。 ○機構 敗血症の定義というのが血液培養陽性が確認されたものという試験では定義し ておりまして、症例自体なかなか集まりにくい疾患ですので、ガイドライン等の記載も踏 まえますと5例以上集まれば評価は可能となっております。  ただし、今回は血液培養陽性で6例集まって、有効率が100%だったので問題はないの ですが、組み入れられた症例のうち、血液培養が陽性ではなく、陰性だったのですが、実 際の敗血症の病態に近い患者も含めて再集計をして、その結果22例いたのですが、そち らの結果とPPSで実施した6例の結果も大きく変わらなかったのでという補足的な検 討になります。  ○竹内委員 どのようにして使われるのですか。敗血症の患者という定義は。この薬の使 い方としては血液培養してから使ってくださいという形なのか。 ○機構 基本的には血液培養は並行しながらして、結果が出てから使われるというより は、エンピリックな形で使われるのではないかと思います。 ○吉田部会長 でも、効能・効果で今度新しく追加するのは敗血症でしょう。 ○機構 敗血症のみです。 ○吉田部会長 敗血症のみですよね。ということは敗血症の定義からしてきちんと菌が同 定されていなければなりませんね。しかも、これは効能・効果上の説明では肺炎球菌が追 加になっていて、肺炎球菌による敗血症なので感受性試験もやった上でということも言っ ているわけだから、定義はきちんと明確なのではないですか。敗血症らしいとか、菌は出 ていないが、症状が敗血症だというような患者さんは適応に入らないのでしょう。 ○機構 今回新たに追加になる適応症、適応菌種は肺炎球菌と敗血症なのですが、肺炎球 菌による敗血症というわけではなく、敗血症としては既存の適応菌種すべてが網羅される ような形になります。 ○吉田部会長 でも、いずれにしても敗血症だから、菌が血液から同定されなければ駄目 でしょう。それが6例しかいなかったということですよね。 ○機構 はい、そうです。菌も同定されたものが6例ということです。 ○溝口委員 注射部位の有害事象に戻ってしまうのですが、300mgと500mgが明らかに濃 度が違うので、有害事象を比較したいと思って34ページを見ましたら、上の方の表です が、「全身障害及び投与局所様態」と書いてあり、下を見ると、全身障害が一つもないの です。パーセントを比べたいと思ったのですが、全身障害は入っているのでしょうか。 ○機構 「全身障害及び投与局所様態」と書いてある所は大分類での表現で、全身障害は 今回は3%以上で切っておりますので、発現はいずれの群もありません。個々の注射部位 紅斑とか、硬結とかその下の方が基本的に発現した事象の各々になりますので、それで御 確認をいただきたいと思います。 ○溝口委員 上の方の数字だけですと、300mgと500mgが濃度が違うのにほとんど差がな いものですから。1000mgにしますと急に増していますが、この薬剤は血管透過性亢進す ると書かれていますが、注射をしたときに局所障害というのは1回目ですぐ起こってしま うものですか。それとも何回か繰り返すと起こるのでしょうか。 ○機構 1回でもありますし、複数回投与した症例で複数回認められるという場合もあり ます。 ○溝口委員 朝晩2回やりますよね。朝、すぐ起こるのですか。夜もやらないと起こらな いとか。 ○機構 朝一でも起きます。 ○溝口委員 濃度に関係しているのだったら、それこそ先ほどから御意見があるように、 薄めて点滴すれば済むのではないかと思うのですが、血管透過性がどのように、そういう ときに作用するか分かりませんが。  それから、こういう重症患者は健康な静脈の数が減ると、非常に治療上やりにくいと思 います。4日ぐらい症状が残ったのが20%と書いてありますが、結局は障害の起きた血 管は1週間とか10日経つと回復してまた使えるとか、そういうデータもあるのでしょう か。 ○機構 そちらのデータは持ち合わせておりませんが、違う部位から複数回投与がなされ た症例はあります。 ○溝口委員 もし、そういうデータがあると、どのぐらい使ったらよいかという参考にも なるのではないかと思います。血管が使えなくなりますと抗生物質以外にも、こういう重 症な患者はいろいろな薬剤投与に静脈が必要ですので、もし可能でしたら、そういうデー タも今後は集めていただきたいと思います。 ○機構 御意見を踏まえまして、検討させていただきたいと思います。ありがとうござい ました。 ○吉田部会長 今の追加の質問ですが、市販後はデータ収集をする約束になっているので したか。 ○機構 はい。製造販売後には注射部位反応が本剤の安全衛生上の一番の懸念だというこ とで、重点調査項目として注射部位反応の重症度や発現率について確認する予定です。ま た調査票でも、どの部位から投与したかというのが分かるような表なども作って、具体的 に投与部位との関係についても調査する予定です。 ○吉田部会長 何例を目処にするというようなきちんとした計画はあるのですか。 ○機構 300例で確認する予定です。 ○庵原委員 敗血症に戻るのですが、菌が6株採れていますね。その菌種の名前は分かり ますか。 ○機構 菌としてはイーコリが3例、肺炎球菌、PSSPが2例、エピデルミディスが1 例になります。 ○庵原委員 それはPSSPですね。 ○機構 PSSPです。 ○庵原委員 PISPとかPRSPに対する効果は分からないのですか。 ○機構 はい。 ○庵原委員 in vitroでは効果があるわけですね。 ○機構 in vitroでは検討されておりませんので不明確です。 ○堀内部会長代理 先ほどの承認条件ですが、それはどこに書いてありますか。審査報告 書には書いていないですね。 ○機構 今回、承認条件は付与してありません。 ○堀内部会長代理 先ほどの市販後データ収集は承認条件ではないのですか。 ○機構 はい、市販後に情報収集すべきという指示事項として申請者には提示しておりま す。 ○堀内部会長代理 それは添付文書でいうと、後ろに「レジオネラ菌について」というこ とになっていますが、このことですか。「レジオネラ肺炎を対象とした市販後調査を実施」 というようになっていますが。 ○機構 こちらの承認条件は、前回の承認申請時に付与されたもので、今回、新たな承認 条件は付与してはおりませんので。 ○堀内部会長代理 しないのですか。 ○機構 はい。そういう結論に至っております。 ○堀内部会長代理 先ほどいろいろな意見が出ていると思いますが、300例というのは、 単にそれをやるということだけの話ですか。 ○機構 はい。今、こちらが考えているのは調査の枠でしっかり情報収集して、情報提供 をするということになっております。 ○堀内部会長代理 それで担保できますか。 ○機構 そういう意味では、再審査期間を4年間付与しますので、再審査のときに、その データをきちんとするということで対応したいと思うのですが。 ○堀内部会長代理 再審査のときにやるということですか。4年間の間にやればいいと。 ○機構 早ければ早いほどよいのですが、実際にきちんとデータを集めていただくことを 考えています。 ○吉田部会長 それでよろしいですか。 ○堀内部会長代理 かなり副作用が多いものですし、いろいろな使い方がされると思いま すので、きちんとした情報を早めにとって注意喚起をするということが必要だろうと思い ます。したがって、4年間ということではなくて、最初から何症例かについてやるという ようにはできないのですか。 ○機構 市販後調査としては、まず2年間で情報収集をするのですが、例えば1年とか半 年とか早い段階で集まった情報を、できるだけ解析して情報提供できるような、調査の方 策についても別途検討させていただきたいと思います。 ○吉田部会長 先ほどの庵原先生の質問ですが、in vitroをやっていないというのはど ういう意味ですか。普通は培養したりしてやるのではないですか。 ○機構 肺炎球菌の話ですが、基本的には本剤に感性の肺炎球菌という適応菌種になって いますので、PSSPが感性であれば。 ○吉田部会長 入るし、そうでなければ入らない。ですから、in vitroのデータがある のではないですか、違うのですか。 ○機構 PSSPのデータはあるのですが、PRSPとPISPは、今回、非臨床でも検 討されておりません。 ○吉田部会長 分かりました。いずれにしても、最初に審査結果の報告にありました「他 の抗菌薬の投与を考慮した上で」ということを添付文書に反映していただいて、まず慎重 投与をしていただくということと、注射部位の問題に関しては、きちんと情報を収集する こと、それに500とか300のところとは大きな違いなので、どうしても疑問が残ります。 死に至るような重大な副作用ではないと言えば、そうなのですが、承認にあたっては、そ の辺を早急に明らかにしていただくという条件をつけることは、必要かと思います。何か ほかにこうした方がよいのではないかという御意見はありますか。 ○審査管理課長 今の部会長から御指摘いただきました内容について、添付文書なり、情 報提供の際にどうするかというのは、改めて確認させていただきたいと思います。  それから、承認条件の問題は、類薬もありますので確認させていただいて、もし承認条 件を付ける場合については、部会長に御相談した上でということで御了解いただければと 思いますが、いかかでしょうか。 ○吉田部会長 では、一任していただくということでよろしいでしょうか。ほかに御質疑 はございますか。 ○堀内部会長代理 3ページの最初のところに、「提出された資料から、本剤1000mg1 日2回投与(BID)」となっています。ここの表現は従来1000mgまでの投与だったので すが、表現の仕方としては紛らわしいのです。普通は2000mgを1日2回に分けて投与と か、その後の表現でもそうなっていると思いますが、処方箋の中で一番間違いやすいのは この表現なのです。これだと1000mgずつ1日2回投与という意味ですよね。ですから、 そこを統一して混乱が起こらないようにしていただきたいと思います。 ○機構 ありがとうございました。 ○吉田部会長 よろしいですか。ほかにございますか。特にないようでしたら、そろそろ 議決に入りたいと思います。先ほどの問題等々については、部会長に一任いただいてとい うことで対処したいと思っております。それでは、議決に入ります前に、堀内委員におか れましては利益相反に関する申出に基づきまして、議決の御参加を御遠慮いただきたいと 思います。  お伺いいたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。  ありがとうございました。御異議がないようですので、承認を可、として薬事分科会に 報告とさせていただきます。 ── 岡委員、前崎委員入室 ── ○吉田部会長 それでは、報告事項について説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、報告事項について説明いたします。報告事項議題1「医薬品献血ヴ ェノグロブリンIH5%静注2.5g/50mL、献血ベニロン-I静注用2500mg、献血グロベニ ン-I静注用2500mg、日赤ポリグロビンN5%静注2.5g/50mL、サングロポール点滴静注 用2.5g、並びに、ガンマガード静注用2.5gの製造販売承認事項一部変更承認申請につい て」、報告いたします。資料は2-1〜2-6になります。  これらの6製剤は、ヒト血漿由来の静注用人免疫グロブリン製剤であり、低又は無ガン マグロブリン血症を効能・効果の一つとして承認されております。今般、株式会社ベネシ ス、一般財団法人化学及血清療法研究所、日本製薬株式会社、日本赤十字社、CSL Behring AG、バクスター株式会社から、低又は無ガンマグロブリン血症の効能・効果における用法 ・用量を変更する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。  これらの6製剤は、製造方法は異なるものの、いずれも完全分子型の人免疫グロブリン 製剤であり、低又は無ガンマグロブリン血症におけるIgGの血中半減期が製剤間で大き く異ならないこと等を踏まえ、6製剤を一括して評価しております。  医薬品医療機器総合機構における審査の結果、申請用法・用量における有効性及び安全 性は医学薬学上公知であることから、これらの6製剤を承認して差し支えないと判断いた しました。なお、添付文書の副作用の項に、注釈を追加する変更がありましたので、当日 資料として配付しております。議題1については以上です。  続きまして、議題2「医療用医薬品の再審査結果について」、御報告いたします。資料 No.3です。資料3は、一般的名称は「オセルタミビルリン酸塩」、販売名は「タミフルカ プセル75他」の医薬品再審査確認等結果通知書です。  この品目について、市販後の使用成績調査、市販後臨床試験、特別調査の成績等に基づ いて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承 認拒否事由のいずれにも該当しないこと。すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事 項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。議題2についは以上 です。 ○吉田部会長 ガンマグロブリン製剤に関しては、基本的に欧米で広く使われているとい うこともあって、公知申請という形できているということと、オセルタミビルリン酸塩(タ ミフル)に関しては、いわゆる予防ということで一応承認されているのですが、A型・B 型インフルエンザの感染症にも効能・効果を追加したいということです。御質疑はござい ますか。 ○庵原委員 一点確認ですが、1歳未満の安全性・有効性はまだ未確立と読んでいいわけ ですか。二つ外国から報告があるのですが、いずれも有効性が認められるという報告だっ たと思いますが、それでもまだ安全性・有効性は未確立という表現でいくわけですか。 ○機構 すみません。今の御質問はどちらの議題でしょうか。 ○庵原委員 オセルタミビルの1歳未満の有効性・安全性に関してです。 ○機構 1歳未満の患児に対する治療実態に関しては調査を。報告書で言いますと、14 ページからが1歳未満の患児に対する治療実態調査の内容になっております。最終的に調 査で得られた結果については、情報提供をするということと、タミフルに関する安全対策 については、引き続きいろいろな形で実態上されておりますので、ここに書いております とおり、安全性等の情報については、引き続き収集していくという形で報告書に記載のと おりとなっております。 ○吉田部会長 ということは添付文書の効能・効果に関する使用上の注意の3が外れない のが変ではないかということなのでしょう、庵原先生。 ○庵原委員 そうです。13ページにレトロスペクティブのデータがあって、14ページに プロスペクティブのデータがあって、このデータを見ても、有効性・安全性がまだ外れな いというのは何か不足しているのですか。症例数が足りないということですか。それとも どういう意味で。この条件が外れないのかということです。 ○吉田部会長 添付文書の方には1歳未満の患児に対する安全性及び有効性は確立して いないというのが3.にあるのです。 ○機構 御指摘のとおり、引き続き検討が必要ということで、使用上の注意のこの表現に ついては、このままの形で情報提供はするということになっております。 ○庵原委員 そうしたら、最近、海外の文献で効果があるという論文が出かけているので すが、その論文が出た場合にはどう対応されるわけですか。 ○審査管理課長 添付文書上の1歳未満の患児に対する注意事項については、今までどお りですが、後ろの方の添付文書でいきますと3ページになりますが、「(5)**国内で実 施されたカプセル剤による第III相予防試験」。国内外のガイドライン等については情報提 供をさせていただくということで対応させていただき、この辺の表現については少し明確 なデータをもって、どうするかというのは決めさせていただくということになるのだと思 います。 ○庵原委員 問題は今の新型インフルエンザウイルスの第2波、第3波が出たときに、幸 いなことに第1波は主として小学生、中学生を中心に感染したわけで、今後低年齢層へ流 行が拡大したときのオセルタミビルの使い方の問題が出てくるわけです。そうしたときに まだこの文章が残っていると1才未満には使えないというのが日本の解釈だということ になります。少なくとも保険上は認めないという解釈になるのです。ただ、レトロスペク ティブなデータとか、プロスペクティブなデータを見ると、効果があると読めるのですが、 それでもまだ例数が少ないから未確立という形で、今後まだ対応していかなければいけな いのが現状ですか。そこの点をはっきりしていただければということなのです。ただ、こ の場で審議する問題ではないかもしれません。 ○機構 報告書にも記載しておりますとおり、先生からの御意見も踏まえまして、やはり 安全性等の情報については、今後の新型インフルエンザの今の対策で安全対策上の種々の 情報を収集するような通知等も出されております。ですから、そういった情報も踏まえて 引き続き検討して、使用上の注意の部分についてはどうするかというのを検討したいと考 えます。 ○吉田部会長 分かりました。では、当部会としてはウイルス感染症に関する効能・効果 の追加に関しては了解して、さらに1歳未満の乳幼児に関する適用についても、データを 逐次公開して、添付書類についてもそういう制限がないような形にデータがそろい次第、 変えていってほしいという要望を付けましょう。専門家の方たちで適応うんぬんに関わる 有効性の評価は最終的に決めていただくとして、部会としては早く乳幼児にも使える安全 性も見えてきているので、その辺の決着を急いでほしいということを言っておきましょ う。庵原先生、よろしいでしょうか。 ○庵原委員 はい。 ○吉田部会長 ほかにございますか。 ○溝口委員 議題1の免疫グロブリンですが、どの製品にもIgGサブクラス比が変わっ ても、感染症予防効果については一定の有用性が認められるとずっと書いてあって、添付 文書の重症感染症の市販後臨床試験で、これは大変な治験だと思いますが、682例を対象 として抗生物質が効かなかったときに、次に抗生物質と人免疫グロブリンを投与すると、 人免疫グロブリンを併用した方が効果があったというデータがあるようですが、どれも 682例と書いてあるのです。この製剤全部そんなに症例が偏らずにやってあるのでしょう か。要するに感染予防効果については差がないということが、これに書いてあるとおり、 実際の臨床試験でも実証されたかどうかを教えていただきたいのです。 ○機構 それを行った試験は、市販後臨床試験で、各添付文書の一番後ろの「主要文献」 の3番目になりますが、同じ文献から引用してきたものです。 ○溝口委員 全部同じ数字になっていますので、それは分かります。使われた免疫グロブ リンが、今日たくさん提出されていますよね。全部均等の割合で使われたかどうか、偏り がないかどうか。 ○機構 均等かどうか、これを当たっておりませんので分かりません。含まれていたので はないかと思います。 ○溝口委員 少なくても1例以上は入っている。 ○機構 確認しておきます。 ○溝口委員 サブクラスが違っても、感染予防効果については一定の有用性が認められて いるということが、いろいろな文献で証明されることが、どの報告書にも書いてあって、 添付文書に今の文献が応用されているのは分かるのですが、川崎病とか、自己免疫疾患と 違って、感染症に関しては多分そうだろうとは思うのですが、こんな貴重なデータがある なら、本当にそうかどうか偏りがないことを、もし確認できたら、有り難いと思ったので 伺ったのです。 ○機構 本件については、低並びに無ガンマグロブリン血症に対する申請でありまして、 御指摘の重症感染症の分についてはまだ確認していないのですが、今後確認させていただ きたいと思っております。 ○溝口委員 はい。重症感染症だけでもちろん結構です。 ○機構 はい、ありがとうございます。 ○吉田部会長 よろしいでしょうか。堀内先生から指摘されたのですが、タミフルのとこ ろの注意事項で、1歳未満の患児という中に、括弧して、「低出生体重児、新生児、乳児」 とありますが、こういう並べ方でよいのですか。  例えば、低出生体重児、新生児に対する安全性・有効性は確立していないと言ったら、 そうかもしれないと思うのです。1歳未満の患児というと、そんなのたくさんいるぞとい うことになりますし、乳児だってたくさんいます。なぜこういう絡みになったのだろう。 どなたか分かりますか。  ○堀内部会長代理 ドライシロップの方ですと、幼少児というので用量が書いてあって、 これも保険は通るわけです。例外規定は余り書いていないわけです。それだったら余り問 題はないと思いますが、例外規定はないととらえてよいのですね。75mgのカプセルの方 だけにそういう文章が入っております。 ○機構 剤形ですとか、表現については関係部署とも相談の上、適切に対応したいと思い ます。御指摘ありがとうございました。 ○吉田部会長 ですから、先ほどの庵原先生の1歳以下の話についてエビデンスがそろそ ろ出ているのではないかという話と、今のような文言の混乱みたいなものがあるので、整 理をするときに一緒に検討いただければと思います。よろしくお願いします。ほかにござ いますか。議題3をお願いします。 ○事務局 それでは、報告事項の議題3「希少疾病用医薬品の指定の解除について」、御 報告いたします。資料4です。本件については、2月の本部会で御報告させていただき、 御了承いただきました事項ではありますが、今般、正式に企業から開発中止届が提出され たことを踏まえて、改めて本品目の希少疾病用医薬品の指定の解除について、御報告する ものです。  本品目については、2月の本部会で御説明しましたとおり、抗II型志賀用毒素を産生す る大腸菌感染症による溶血性尿毒症症候群脳症又は溶血性貧血の阻止を予定される効能 ・効果として、平成15年11月に希少疾病用医薬品として指定され、帝人ファーマ株式会 社により開発が進められてまいりましたが、資料4の別紙に掲げますとおり、本剤の対象 となる溶血性尿毒症症候群について、海外での第II相臨床試験の結果、発症率が非常に低 く、有効性の確認ができず、この代替指標あるいは発症を予測するようなマーカーについ ても見出せなかったこと。二つ目は、米国のFDAにおいても、臨床試験でなく、非臨床 試験の成績に基づいて有効性を評価する申請区分の適用をFDAと協議したものの、その 適用について否定されたこと。三つ目は、海外での共同開発などを模索したものの、合意 に至った企業がなかったこと。これらのことから、本剤の有効性を確認できないなど、今 後の開発見込みが立たないとの理由によって、今般、帝人ファーマ株式会社より、希少疾 病用医薬品研究開発中止届が提出され、これを受け、希少疾病用医薬品の指定の解除を行 うものです。以上です。 ○吉田部会長 この件につきましては、2月の部会で案が示されて皆様の御了解をいただ いたと思いますので、今回は正式の中止届が出たという報告だということで御了承願いた いと思います。続きまして議題4についてお願いします。 ○事務局 資料5、報告事項の議題4「優先審査指定品目の審査結果について」、御報告 いたします。資料5に記載しておりますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□資料の2ページ以降に、優先審査の取扱いについて概要を示しておりますが、適 応疾病の重篤性及び医療上の有用性を総合的に評価して判断をすることとしております。  まず、適応疾病の重篤性については、生命に重大な影響を及ぼす疾患であると判断をし ております。本剤の医療上の有用性について、まず既存の治療法ですが、□□□□□が標 準的治療法として既に存在をすると判断をしております。□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□されて おり、このことと安全性あるいは患者さんの肉体的・精神的負担についても、既存の治療 法と比べて明らかに優れているとは言えないといったことも総合的に判断をして、本剤が 既存の治療法より有用性が明らかに優れているとは言えないと判断し、これにより優先審 査品目に指定しないということとしております。以上です。 ○吉田部会長 そういうことでファースト・トラックから外れるということですが、これ で困るという御意見はございますか。  特にないようですので、了承したということにしたいと思います。それでは、本日の議 題の4まで終わりました。その他、ございますでしょうか。 ○審査管理課長 当日配付資料ということで、1枚お配りしております。3月に開かれま した薬事分科会において報告いたしまして、御了解いただいた内容ですが、御報告いたし ます。  一つは、医薬品の第一部会、第二部会、新医薬品の審議を行っていただいておりますが、 その審議対象品目の見直しの件です。第一部会、第二部会の平成21年度の審議品目等の 実績はここで示したとおりでして、第一部会、第二部会について、対象疾患分野の見直し について検討させていただきたいと思っております。検討内容については、改めて先生方 に御相談させていただきたいと思っております。  二つ目ですが、希少疾病用医薬品についての取扱いです。薬事分科会への「報告」につ いては、答申後、部会で差し支えないと御検討、御意見をいただいて、答申をいただくこ とになっており、そういう品目についての報告については事後報告でよいということにな っておりますが、今までの例から言いますと、薬事分科会の開催時に報告させていただい た後に答申をいただいているという状況です。しかしながら、日本脳炎ワクチン等の取扱 いで事務手続について早く行うべきではないかという御意見をいただいた場合について は、分科会長の御了解をいただいて、分科会の報告は分科会の開催前に先生方に資料を送 付して御確認いただくという手続をとっておりました。  今般、未承認薬・適応外薬の検討を進めるに当たり、できるだけ希少疾病用医薬品につ いては事務的手続を速やかにするべきではないかというお話がありましたので、今後、希 少疾病用医薬品の審議の際に、特に部会から事務手続については早く行うべきではないか という御意見をいただいた場合については、同様の取扱いにしたいということで御報告さ せていただきまして、御了解をいただいたところです。希少疾病用医薬品の品目の審議の 際については、事務手続について、部会の御意見を伺いたいと思っているところです。以 上です。 ○吉田部会長 御質問はございますか。いずれにしても第二部会の審議品目は増える方向 であるということですね。希少疾病用医薬品についてもよろしいでしょうか。この件につ いては了解ということにしたいと思います。その他にございますでしょうか。特にないよ うです。それでは、本日はこれで終了したいのですが、次回の部会等々についてお願いし ます。 ○事務局 次回の部会は、5月31日(月)午後4時から開催させていただく予定ですので、 どうぞよろしくお願いいたします。 ○吉田部会長 それでは、本日はどうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 中山(内線 2746)