10/03/30 第5回労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会議事録        第5回労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会                  日時  平成22年3月30日(火)                      17:00〜                  場所  合同庁舎5号館仮設棟(2階)第3会議室 ○計画課長補佐 ただいまから、「第5回労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会」 を開催します。  本日は年度末の大変ご多忙中のところお集まりいただきありがとうございます。  本日の議題は、これまでの議論を踏まえ、報告書の取りまとめに向けたご検討をしていた だく予定になっております。  それでは、以降の議事進行につきましては、平野座長にお願いしたいと思います。どうぞ よろしくお願いします。 ○平野座長 今日は年度末でお忙しいところお集りいただきましてありがとうございます。 この前の会議が多分10月だったと思います。10月以来事務局でいろいろ検討いただき、よ うやくその案が出てきたところです。  まず、議事に先立ち、配付資料の確認をしたいと思います。よろしくお願いします。 ○計画課長補佐 それでは、配付資料につきまして確認させていただきます。一番上が検討 会の「議事次第」です。2枚目が「資料一覧」です。資料としては、見直し検討会報告書(案) を付けております。また、参考資料としまして、前回までの資料をつづりましたファイルを お手元に置かせていただいていますので、適宜、ご参照していただければと思っております。 資料についての説明は以上です。 ○平野座長 ありがとうございます。皆さん、資料はお揃いでしょうか。  それでは、本日の議題である「報告書(案)の検討」に入ります。最初に、事務局におい て作成いただいた資料1にあります「報告書(案)」について事務局からご説明いただいた あと、取りまとめに向けて議論を行いたいと思います。事務局からご説明いただきたいと思 います。 ○計画課長補佐 それでは、資料に沿ってご説明させていただきます。まず、資料1の「労 働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会報告書(案)」をご覧いただきたいと思います。 2頁に目次を付けております。第1部で「はじめに」、第2部では「制度の概要」、第3部で は「実施状況」、第4部では「検討事項」、これまでいただいておりますご意見をまとめたも のを入れております。第5部では「見直しの方向性」という構成にしております。  内容に入ります。3頁の「第1部 はじめに」です。前回開催させていただきましたとき に中間的な議論の取りまとめで示させていただきましたが、先ほど座長のほうから話があり ましたように、前回は10月で半年ほど間が空いておりますので、おさらい的にもう一度全 体のご説明をさせていただきたいと思います。  「はじめに」のところでは、前回の中間的な取りまとめと大きく変えているところはあり ません。ざっとご説明させていただきますと、安全衛生法令に基づく免許試験、労働安全・ 衛生コンサルタント試験、作業環境測定士試験については、昭和40年代以降、国の試験制 度としまして整備をされ実施してきたところ、受験者数は年々増加しまして、20年度にお いては19万人を超えているところです。これらの試験については、労働安全衛生法第75 条第2項等に基づき、厚生労働大臣が指定する者に試験の実施の事務を行わせることができ るとされておりまして、現在、この3つの試験全ての試験の実施の事務を指定試験機関に実 施させているところです。  その現状については、年間受験者数が6万人を超えている試験、衛生管理者の試験がある 一方で、100人を下回るなど、受験者数が減少しているような試験もありまして、現在の状 況を踏まえて、今後の取扱いについて再検討が求められているものが見られること。また、 試験の実施体制について、真に受験者の利便に沿ったものとなっているかについてチェック が必要となっていること。また、試験の手数料について、受益者負担や収支均衡のあり方と いった観点から適切に設定されるよう、その設定の考え方について再整理する必要があるこ とといったことから、試験制度全般の点検及び受験者の視点に立った試験実施のあり方等の 改善の方向性の検討のため、学識経験者からなる「見直し検討会」を5回にわたり開催し、 議論を行い、本報告書を取りまとめたということで、「はじめに」としてまとめております。  次の頁は、「参集者名簿」で、ご参集の皆様方の名簿を付けております。5頁では、「検討 会開催状況」で、第1回から第5回までの検討会の開催状況を書かせていただいております。  6頁以降から、「第2部 制度の概要」をご説明しているところです。第2部についても、 中間的な議論の取りまとめでお示ししたものから大きく変えている部分はございません。た だ、データについては19年度の数字を使っているものがありましたが、ここは最新の数字 として、20年度の数字に替えさせていただきました。これについても全体をざっとご説明 させていただきたいと思います。  第2部の「1 労働安全衛生法に係る免許について」です。労働安全衛生法第12条の規定 によりまして、事業者は、都道府県労働局長の免許を受けた者等のうちから衛生管理者を選 任しなければならないことをされております。また、同法第14条の規定によりまして、事 業者は、労働災害を防止するための管理を必要とする特定の作業については、同様に局長の 免許を受けた者等のうちから作業主任者を選任しなければならないとされております。  さらに、同法第61条第1項の規定によりまして、クレーンの運転等の特定の危険な業務 については、事業者は、労働局長の当該業務に係る免許を受けた者等でなければ、当該業務 に就かせてはならないという就業制限の規定があります。  これらの免許については、労働安全衛生法第72条第1項の規定によりまして、免許試験 に合格した者等に対し、免許証を交付して行うこととされておりまして、また、同法第75 条第1項の規定によりまして、この免許試験は、原則は労働局長が行うとされているところ でございます。なお、免許試験については、労働安全衛生規則第69条によりまして、次の 表に示しておりますとおり、試験は18種類に区分されており、免許の種類及び関係業務等 の内容については、それぞれ同表の中欄及び右欄のとおりでございます。  7頁の下からです、「2 コンサルタント試験について」です。8頁をご覧ください。労働 安全衛生法第81条第1項及び第2項の規定により、労働安全コンサルタント及び労働衛生 コンサルタントについては、労働者の安全又は衛生の水準の向上を図るため事業場の指導等 を業として行うこととされているところです。このコンサルタントは、同法第84条第1項 の規定によりまして、コンサルタント試験に合格した者がコンサルタント名簿に登録を受け てなることができるとされており、コンサルタント試験については、原則は厚生労働大臣が 行うこととされているところです。  次に「3 作業環境測定士について」です。労働安全衛生法第65条の規定によりまして、 有害な業務を行う屋内作業場等については、事業者は作業環境測定を行って、その結果を記 録しておかなければならないとされているところです。また、作業環境測定法第3条の規定 によりまして、事業者は特定の作業場について作業環境測定を行うときには、作業環境測定 士に実施させなければならないこととされております。  この作業環境測定士は、作業環境測定法第5条の規定によりまして、作業環境測定士試験 に合格し、かつ、一定の講習を修了した等の者がなることができるとされており、資格を有 する者が作業環境測定士となるには、作業環境測定士名簿に所定事項の登録を受けなければ ならないこととされています。また、作業環境測定士試験についても、原則は厚生労働大臣 が行うこととされているところです。  次に「4 試験の実施」です。この3種類の試験の実施に関する事務については、それぞ れの法律の規定によりまして、厚生労働大臣が指定する者に、その事務の全部又は一部を行 わせることができるとされており、現在は、(財)安全衛生技術試験協会を指定試験機関と して指定しておりまして、この3種類の試験の実施に関する事務の全部を行わせているとこ ろです。  次に「5 試験の手数料」です。試験を受けようとする者が納付をしなければならないこ ととされている手数料については、その額は政令で規定しているところです。また、手数料 の納付については、法律の規定に基づきまして、指定試験機関に納付をすることになってお ります。手数料の額は、免許については、学科試験は一律7,000円、実技試験はそれぞれ異 なっておりまして、特別ボイラー溶接士試験の実技試験は21,800円、普通ボイラー溶接士 試験の実技試験は18,900円、揚貨装置運転士免許試験等については、実技試験は11,100 円となっております。労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントの試験の手数料は 24,700円になっております。作業環境測定士試験については、第一種の試験が13,900円、 第二種が11,800円です。  10頁以降は「試験制度の実施状況」でして、ここも中間的な議論の取りまとめから大き く変えているところはございません。全体のご説明をさせていただきます。「1 受験申請者 数全体の推移」です。労働安全衛生法に基づく免許試験の受験申請者数は、これまで概ね 16万人程度で推移しておりましたが、近年増加傾向でして、図3-1にありますように、19 年度及び20年度におきましては、19万人を超えているところです。  次に10頁下の「2 安全衛生技術試験センターの概要及び出張試験」についてです。この 免許試験の実施に当たっては、指定試験機関であります(財)安全衛生技術試験協会が、全 国に7か所あります安全衛生技術センターにおいて試験を行っているところです。この安全 衛生技術センターは国の施設、指定試験機関に対して無償で使用することを認めているもの で、各センターの概要については別添2として付けております。受験申請者の利便性の向上 のため、このセンターで実施する試験のほか、別途出張試験としまして、民間の施設を借り 上げ、センターのない都道府県においても試験を行っております。労働安全衛生法に基づき ます免許試験に係る平成20年度におけるセンターでの試験実施回数と受験申請者数並びに 出張試験での試験実施回数と受験申請者数については、その下の表3-1のとおりです。  11頁に移りたいと思います。「3 免許試験ごとの受験申請者数及び試験回数の推移」です。 免許試験ごとの受験申請者数及び試験回数の推移については、その下の表の3-2のとおりで す。免許試験の種類によっては、受験申請者数及び受験回数に大きな差がありまして、最も 多い第一種衛生管理者免許試験においては、6万人を超える受験申請者数に対し、219回の 免許試験を実施しており、最も少ない高圧室内作業主任者免許試験においては、64人の受 験申請者に対し、6回の免許試験を実施しているのみです。また、受験申請者数について、 全体としては増加傾向ですが、発破技士免許試験等一部の試験については減少傾向にあるも のも見受けられるところです。以下11頁の下から12、13頁がそれぞれの受験申請者数と 免許試験の実施回数です。  次に14頁に移ります。「第4部 検討事項及びそれに対する主な意見」ということでまと めました。まず、今回この検討会におきまして、議論いただきました論点をまとめました。 「1 論点」としまして、本検討会においては、以下の論点について議論を行いました。「(1) 適正かつ合理的な試験制度のあり方」ということで、受験資格の見直し、技術の進歩等に応 じた免許試験の区分の見直し、試験方法についてという論点についてご議論をいただきまし た。「(2) 受験者の利便等の視点に立った免許試験の実施」ということで、安全衛生技術セン ターの老巧化への対応を含めた試験会場の確保について、適切な試験手数料のあり方、試験 の実施について、ご議論をいただきました。また、「3 その他」では、その他試験に関する 点についてご議論をいただきました。こういった論点について、それぞれの主な意見をまと めましたのが2以下です。  2の「(1) 適正かつ合理的試験制度のあり方」のうち、「[1] 受験資格の見直し」について です。この受験資格について、現状をアにまとめております。免許試験の受験資格として、 免許試験の区分ごとに、学歴、実務経験、訓練、その他の免許や資格試験の合格等を定めて いるところです。具体的には別添1として添付しております。  これについて、「イ 見直し方向等」でいただいた意見をまとめたものです。受験資格に実 務経験を求めているものもありますが、免許試験の区分によりましては、実務経験を得る機 会が少ないもの、あるいは必ずしも実務経験を要しないものもあると考えられるといったよ うな意見もいただきまして、実務経験は受験時ではなく、免許交付時までに必要な実務経験 があればよいという意見もいただきました。一方で、そういった場合には、免許試験合格か ら免許交付まで一定の期間を区切る必要があり、その期間をどれくらいに設定するのが適切 かという問題もあるという意見もいただきました。ここまでは中間的な議論の取りまとめの 中でも書かせていただきました。  このため、受験資格については、安全衛生確保の観点から、さらに検討が必要ではないか。 例えば、特に危険性の高い作業に係る資格については、事前の実務経験ではなく、事後の研 修等により必要な技能を付与するスキームの導入及びそれによる受験資格の要件緩和等を 検討できないか。また、衛生管理者のような、現場を巡視し作業者の管理を行うような者に ついては、現場経験のない者に資格を与えるのは適切ではなく、受験資格に実務経験を設け る必要があるのではないか、といったような意見もありまして、これについて、どの受験資 格ということではなく、18種類ある免許試験の受験資格全般について、専門的な検討が必 要ではないかとのことでまとめさせていただきました。  「(2) 技術の進歩等に応じた免許試験の区分の見直し」です。この現状は、労働安全衛生 法令に基づく免許試験は、現在掲げている18区分となっております。これについての「イ 見直しの方向等」では、免許試験の区分については、受験者数の少ないものについては廃止 や統合をしてはどうかという意見がある一方で、受験者が少なくても、資格に係る作業が現 在も行われている、又は行われようとしているのであるから、当該作業における安全衛生の 確保の観点から、廃止や統合はしないほうがよいのではないかといったような意見もあり、 見直しには専門的な観点から慎重な検討が必要ではないかというまとめをさせていただい ております。  前回、ここについては、受験者が少なくても受験する人がいる以上、廃止や統合はしない ほうがよいのではないかと簡単な形でまとめておりましたが、前回の第4回検討会の中でこ この趣旨としまして、そういった危険な作業が現在もある、または行われようとしているの で、廃止や統合はしないほうがよいのではないかと、理由のところに書いたほうがよいので はないかという意見もいただきましたので、そのように修正させていただいております。  「(3) 試験方法について」の現状です。免許試験については、学科試験のみ又は学科試験 及び実技試験により実施しているところです。また、労働安全・衛生コンサルタント試験に ついて、筆記試験と口述試験によりまして実施をしているところです。さらに、作業環境測 定士試験については、筆記試験により実施をしているところです。  「イ 見直しの方向等」では、労働安全・衛生コンサルタント試験については、後ほど出 てきますが、大幅な支出超過となっておりますので、経費のかかる口述試験を見直すなど試 験方法を工夫することにより、支出を抑制することも考えられます。しかしながら、労働安 全・衛生コンサルタントは、事業場の安全衛生についての診断と指導を行う者であることか ら、コミュニケーション資質、指導力、説得力などが必要であり、これらを見極めるために は、ある程度費用がかかったとしても、引き続き口述試験を行うことが必要なのではないか と。なお、口述試験については、現行は試験官3名で行っておりますので、これを2名にす れば人件費の削減が見込まれるので、試験官の負担を勘案しつつ検討してはどうかというご 意見を入れさせていただいております。  前回の議論の中で、やはり口述試験についてはある程度コストがかかっても、口述試験を やっていく必要があるのではないかという意見がありましたので、「ある程度費用がかかっ たとしても」という点を追加させていただいております。ただ、そうは言っても、なんらか のコストの削減ということで、試験官を3名から2名にして人件費の削減をしてはどうかと いう意見については、追加で入れさせていただいております。  次に15頁で、「(2) 受験者の利便性等の視点に立った免許試験の実施」です。[1]では、安 全衛生技術センターの老朽化への対応を含めた試験会場の確保について。この現状としては、 免許試験の実施に当っては、指定試験機関であります(財)安全衛生技術試験協会が全国7 か所にあります安全衛生技術センターにおいて試験を行っているほか、主要都市におきまし て出張による試験も行っているところです。  試験センターは、確実に試験が行われるようにということで国が計画的に設置をしてまい りまして、協会のほうに貸与したもので、北海道、東北、関東、中部、関西、中国四国、九 州にあります。それぞれの所在地、施設の概要は後ろに別添2として添付しておりますとお りです。これらの試験センターについては、受験者の利便性等の視点から、以下のような課 題があるとのことで3点挙げさせていただきました。  まず、試験センターは都市部から離れた場所に立地しており、交通の便も悪く、受験者か らの苦情等も出されている状況です。また、各試験センターについては、設置後30年以上 経過しており、近い将来、大規模な修繕が必要になると見込まれる状況です。さらに、学科 試験については、現在、全体の3割を利便性の高い都市部の民間施設を借り上げて実施をし ているところです。  こういった現状を踏まえまして、「イ 見直しの方向等」ですが、受験者の利便性への配慮、 施設の老朽化への対応を踏まえますと、現在のセンターから、より利便性の高い民間施設等 での試験の実施への移行を検討すべきではないか。具体的には、学科試験については既に3 割を出張試験で実施をしていることから、これを拡大して、都市部の利便性等の高い民間施 設の借り上げを検討してはどうかと。また、実技試験については、民間の実技教習機関の施 設の借り上げを検討してはどうかと記載させていただきました。  ここまでは前回の中間的な議論の取りまとめでもお示ししておりますが、前回議論の中で、 では試験センターをどうしていくのかという記載がないのではないかといったような指摘 をいただきましたので、次のように記載しております。  「また、引き続き現在の試験センターにおいて実施する場合においても、試験センターの 施設の老朽化等への対応が必要となることから、これまでどおり国が協会に貸与し、施設の 修繕等については協会が行うことができるようにする、あるいは現在保留している引当預金 を活用し、利便性の高い試験センターについては協会が買い取り、施設の修繕等についても 協会が行う、といった案についてはそれぞれメリット・デメリット等で検討して、何らかの 改善していくことが必要ではないか」という記載を追加しております。  次に「(2) 適切な試験手数料のあり方」についてです。現状ですが、現在の試験手数料は、 免許関係については先ほどご説明しましたとおり、学科は一律7,000円。実技は特別ボイラ ー溶接士が21,800円、普通ボイラー溶接士が18,900円、揚貨装置運転士・クレーン関係 運転士が11,100円となっております。労働安全・衛生コンサルタント試験は24,700円。 作業環境測定士試験は、第一種は13,900円、第二種が11,800円となっているところです。 この手数料収入全体の額は、平成20年度で見ますと、免許試験は約17億円、労働安全・ 衛生コンサルタント試験は約3,800万円、作業環境測定士試験も約3,800万円となっており ます。  一方で、支出全体の額については、免許試験が約12億円、労働安全・衛生コンサルタン ト試験が1億6,000万円、作業環境測定士試験が約8,800万円となっておりまして、労働安 全・衛生コンサルタント試験、作業環境測定士試験については、それぞれ単独で収支を見ま すと、大幅な赤字となっております。また、免許試験については、黒字となっておりますこ とから、平成21年度からは学科試験手数料を8,300円から7,000円へと見直しを行ったと ころです。  こういった現状を踏まえまして、「イ 見直しの方向等」では、免許の学科試験の手数料に ついては、受験者数が6万人から2桁のものまでありますが、受験者数の多寡にかかわらず 一律の金額となっている状況です。応募者数に応じまして手数料を見直すということも考え られますが、受験者数が少ない免許試験の手数料は高額となり、安全衛生確保を図るために 危険有害業務に義務付けられた免許取得の障害となることが考えられます。学科試験の手数 料については現行のとおり一律とするのがよいのではないかという意見をいただきました ので、それを記載させていただいております。その上で、受験者数が少ないものについては、 試験の回数を見直すことによりコスト削減を図ってはどうかと記載させていただいており ます。  労働安全・衛生コンサルタント試験については、収支が赤字となっていること、また、就 業制限による免許の取得と異なり、個人の資質向上(キャリアアップ)の要素が強いという ことから、他の国家試験の手数料も勘案しつつ、試験手数料を値上げしてもよいのではない かという記載にさせていただいております。  また、手数料の設定に当たりましては、議論の前提としまして、試験の実施に要するコス トが適正なものとなっていることが重要です。今後、試験を実施している協会の運営コスト 自体が適正であることをきちんと確認していくために、経費等について詳細な公開等を行わ せることが必要ではないかという記載をさせていただいております。そういったコストが適 正であるかをきちんと確認した上で、手数料設定については、ルールを設定していくことが 必要ではないかということを記載させていただいております。  「(3)試験実施について」です。現状では、先ほどもご説明しましたように、免許試験に ついては、受験者数によって、年間の試験の回数が6回から219回のものまであります。 また、試験の受験申請は郵送又はセンターでの窓口受理により行っています。こうした現状 を踏まえまして、「イ 見直しの方向等」は休日の試験回数、出張試験の増を望む声もありま すので、利用者の要望も踏まえつつ、どの地域でも合理的な頻度で受験機会が得られるよう、 試験の実施地域や回数等を設定していく必要があるのではないか、また、さらなる利便性の 向上のため、その導入に要する費用と、それにより利用者が受けられる利益を勘案し、可能 であれば電子申請の導入を検討する必要があるのではないかと記載しております。  そのほかに、試験の実施について、利用者の要望を反映させるような仕組みを検討しては どうかを記載させていただいております。「(3) その他」では、労働安全・衛生コンサルタ ントの資格保有者の活用について検討すべきではないかということを挙げさせていただい ております。  19頁の第5部ですが、ここは中間的議論の取りまとめには出てこなかったところです。 第4部でいただいた論点についてのご意見を踏まえまして、今後どうしていくかという方向 性です。この検討会におきまして、詳細な、それぞれ18種類ある免許について、どうして いくかというところまで結論を得ることはなかなか難しいと思っておりますが、今後大きな 方向として、どうしていくかというところまでまとめたのが第5部です。  「1 適正かつ合理的試験制度のあり方について」です。「(1) 受験資格の見直しについて」、 受験資格については、第4部の「見直しの方向等」ということで、18種類ある免許試験そ れぞれの区分に応じまして、全般的に専門的な検討を行う必要があるのではないかといった ような方向を踏まえ、各試験の区分ごとに、それぞれの受験資格の内容を改めて検討いたし まして、必要な見直しを行うということでまとめております。  「(2) 免許試験の区分の見直しについて」です。ここについては、第4部でもご説明しま したように、さまざまなご意見が出されたところです。現時点において特段の見直しの必要 性については提起をされなかったものと考えていますので、現時点では見直しの必要がない と考えていますが、そうは言っても、引き続き見直さないとのことではなく、状況の変化に 応じた必要な見直しの検討を引き続き行っていくべきではないかというまとめにさせてい ただきます。  「(3) 試験方法の見直しについて」です。労働安全・衛生コンサルタント試験における口 述試験は引き続き実施すべきという意見が出されたほか、現時点におきまして、特段の見直 しの必要性は提起されていなかったと考えております。現時点では見直しの必要はないとい うことであっても、引き続き、状況の変化に応じた必要な見直しの検討は行っていくべきで あるとのまとめにしております。  「2 免許試験の実施方法について」です。「(1) 試験会場の確保について」とのことで、 学科試験に関しましては、都市部の利便性等の高い民間施設の借り上げ、出張試験による実 施を増やすことについて、試験を実施している協会について検討するように要請を行ってい くというまとめにしております。また、老朽化が進んでおりますセンターについては、受験 者の利便性、快適性等を考慮し、施設の管理や修繕等についてどうしていくかと、いくつか の案についてメリット・デメリットを検討した上で改善を行っていくというまとめにしてお ります。  「(2) 受験手数料について」です。試験の実施に要するコストが適正になっているか、試 験を実施している協会の運営コスト自体が適正なものとなっているかを確認するために、協 会に対しましては、運営に係る費用の適切な支出について要請をするとともに、それぞれの 試験のコストが明確になるような報告を求め国がきちんと確認を行っていくというまとめ にしております。その上で、試験手数料の見直しに係るルールを設定し、試験手数料につい ての見直しを定期的に行っていくというまとめにしております。「(3) 試験実施について」 です。出張試験に関して、利用者の要望を踏まえた試験実施地域及び回数の設定等について、 協会において検討するように要請を行っていくというまとめにしております。  「3 その他」で、全体でこの検討会におきまして提示をいただいたご意見については、 必要性を緩和しつつ、個別に検討を行っていくという最後のまとめにしております。  後ろは先ほどそれぞれの中で引用しておりました別添資料1、2、3ということで添付し ております。報告書(案)についてのご説明は以上です。よろしくお願いいたします。 ○平野座長 どうもありがとうございました。  それでは、前回に引き続きまして、これまでのご説明について、ご意見等がありましたら お願いします。 ○漆原委員 簡潔にまとめていただきまして、どうもありがとうございます。1点質問があ るのですが、例えば、コンサルタントについては「コンサルタント協会」という団体もあり ますし、そこの意見というか、ヒアリングは必要ないのかなと漠然と思っています。例えば、 3名の試験官を2名にするといったことについて、事に依っては意見があるのかなと思って はいるのですが、そこはどうでしょうか。 ○計画課長補佐 今回の報告書の取りまとめとしましても、それぞれの試験の専門的な部分 についてまでは、この検討会だけでは、検討が難しいと思っています。今後、この報告書を まとめていただいた後には、必要な部分はそれぞれの専門的なところでさらに検討をして、 それでは具体的にどうするかというようなところは検討していきたいと思っていますので、 そういった中で必要があれば、コンサルタントの方々の集まりの法人のご意見を聞くことも 考えられるのではないかと思っています。 ○平野座長 もちろんコンサルタント協会があれば、それに属している人たちの意見も尊重 するということは、やぶさかではないと思います。やはり、コンサルタントを必要とする職 場の人たちの代表にも出ていただかないと、たぶん適正な試験の方法等々は決まらないと思 います。ですから、それは今日の本当の大きな骨子といえると思います。ここまで検討した ら、その後は専門家の集団にもう少し議論をしてもらおうということですので、その専門家 の集団ですが、利益を得る人たちだけの検討でいいかというと、そこには少し問題があるよ うな気がします。ですから、この報告書を取りまとめるときに、それはどこかに書き入れて おく必要があると思います。ほかには何かありますか。 ○渡邉委員 以前、合格率にかなり差があるという話が出ていたと思うのですが、それはこ の資料でいうと、19頁の一番下の「その他」の中に入っているということでよろしいので しょうか。 ○計画課長補佐 合格率については、以前、お示しさせていただいたところで、かなり高い ものから3割ぐらいのものもあるといったような状況です。そういったところについてもご 意見をいただきましたので、その他のところで必要性を勘案しながら、必要に応じて個別に 検討を行っていくようにはしたいと考えています。 ○渡邉委員 なぜその合格率になっているかという分析をしていただくと、非常にいいのか なと思います。それで、その分析結果が適切であれば、差が出ても全く問題はないですし、 少しその辺りをやっていただくといいのかなと思います。 ○竹内委員 表現的なものなど、必ずしも重要ではないコメントになってしまうかもしれま せんが、15頁の「(3) 試験方法について」、労働安全・衛生コンサルタント試験について「イ 見直しの方向等」が書かれていまして、2段落目の真ん中辺りに「コミュニケーション資質、 指導力、説得力などが必要であり、これらを見極めるためには、ある程度費用はかかったと しても、引き続き口述試験を行うことが必要なのではないか」というところなのです。  ここは私の理解ですが、「事業場の安全衛生」に資する必要があるということであれば、 引き続き口述試験を行うことが必要で、費用がかかることはある意味、当たり前というか、 表現として、安全衛生に資するものであれば、引き続き口述試験を行うことが必要だという ようなニュアンスのほうがよろしいのかなという気がしました。  もう1点ですが、17頁なのですが、「適切な試験手数料のあり方」が続いていまして、「イ 見直しの方向等」があります。最後から2つ目の段落ですが、「また、手数料の設定に当た っては、議論の前提として試験の実施に要するコストが適正なものとなっていることが重要 である。今後、試験を実施している協会の運営コスト自体が適正であることを確認するため、 経費等について詳細な公開等を行わせることが必要ではないか」ということで、「詳細な公 開等」という取りまとめの仕方をされています。19頁の「(2) 受験手数料について」を見 ますと、こちらの表現ですと、「協会に対し、運営に係る費用の適切な支出について要請す るとともに、それぞれの試験のコストが明確となるような報告を求め国が確認を行う」と。 ですから、どちらかというと、ポイントは適切な報告と、それに基づく国の側の事後チェッ クというところにあって、必ずしも公開性というところではないのかなという気がしました。  もう1つ、これは本当に細かい点です。17頁の「(3)試験実施について」の「イ 見直し の方向等」の2段落目で、「また、さらなる利便性の向上のため、それに要する費用とそれ によって利用者が受けられる利益を勘案し」ということで、「利益」という表現が取られて いるのですが、どうも「利益」という文言が民間の経済活動を想起させてしまいますので、 「便益」というような意味合いのほうがよろしいのではないでしょうか。細かい点で恐縮で す。 ○計画課長補佐 ありがとうございます。 ○平野座長 本日の取りまとめは、皆さんからいただいた意見をほぼそのままに少し纂訳し て掲載をさせていただいていますので、相互に矛盾する部分もあると思います。特に今日は そういう部分についてご指摘をいただくと、公表をするときに具合がいいのではないかと思 います。是非そういう視点でもご覧いただいて、それからどうしてもというときにはもっと 前に遡って、あのときはこうだったのではないかというご発言をいただいてもいいと思いま す。これは字句や脱字などは、そのうち、きちんとしていただきたいと思います。 ○計画課長補佐 はい、整えさせていただきたいと思っています。 ○平野座長 ほかにいかがでしょうか。もう1つ重要なことは、これを皆さんに検討いただ くと、その結果が出ていくということです。そういうときには先生方のお名前も載りますの で、是非こういうところは注意していただきたいというようなことを承っておきますと、こ ちらでやりやすいのですが。  もう1つ、皆さんにご注意を喚起しておきたいことは、これはきっかけであることです。 この次に、専門家集団のご検討をいただいて最終的に個々の免許制度を直していきたいとい うことで、「見直しの方向等」でまとめていただいていますので、そこが重要であるとご認 識いただきたいと思います。 ○漆原委員 大変素朴な質問で、もっと前に言えばよかったのかもしれないのですが、19 頁の「2 免許試験の実施方法について」の「(3) 試験実施について」です。最後が「協会に おいて検討するよう要請を行う」というような表記になっているのですが、これはこちらと してどうこうではなくて、協会が全部決めることなので、こちらでは、こうしてくださいと いう要請をするのみであって、実際のものは協会が決めることでしょうか。 ○計画課長補佐 指定試験機関において、毎年度実施計画を立てることになっています。そ の中で回数をどれぐらいにするか、地域はどういったところで試験を実施するかを決めて、 計画を出してもらうことになっています。その計画を作る中で、こういった要望を踏まえた 回数の設定なり地域の設定をしてください、というようなことを行政から要請をしまして、 当然、その計画のチェックは国で行うことになっています。まずはそういった要請をして事 業計画の中にきちんと反映をさせてもらうということで、こういった「要請を行う」といっ た表現にさせていただいています。 ○平野座長 よろしいでしょうか。 ○漆原委員 いや、17頁にはそのような「要請を行う」という表記はなかったのですが、 急に19頁になって「要請」という話が出てきたものですから。 ○平野座長 これが出てきた背景は、いわゆる試験の実施機関が全国に7つあると。そうい う機関を中心に実施しているのだけれども、出張試験をやってもらうと便利ではないかとい うことで、この文書が出てきたわけです。出張試験の利便性を強調すれば、何といっても、 協会で出張試験を増やしてくださいというような要請になっていきますし、そうでない場合 は協会のほうで、これではいかがでしょうかというものが出てきて、専門家集団のようなも ので、じゃあ、何回にしようかとか、どこでやってくださいということが出てくるというよ うな感じですね。ですから、文書で書くと非常に固くなるのですが、実際にはそこまで皆さ んの声が得られているとは私は認識していないのですよね。  ですから、協会という、いままで試験実施に歴史的にかかわってきた機関があって、その 人たちの経験などを十分将来生かすことが必要だろうと思います。だからといって、この検 討委員会を開いた以上は、必ずしもそこのやり方そのものを引き継ぐわけではないと、ご理 解いただければありがたいと思います。  今日は開会する時間が少し遅かったものですから、私は、皆さんの意見がなければパッと 終わってしまうという認識でいます。ですから、通常ですと、大体2時間ぐらい時間を取っ て、その間のいつ発言をいただいてもいいのですが、何かこういうところということがあり ましたら、なるべく早くご発言していただいたほうが、座長としてはありがたいと思います。 ○渡邉委員 8頁の「3 作業環境測定士について」というところがあるのですが、これは何 でここにあるのかがよくわからないのですが。これは何か特別な資格で、項目を挙げて書く ようなものなのか、その辺りがわからなかったものですから。 ○計画課長補佐 ここは1〜3までが1セットで、6頁の「1 労働安全衛生法に係る免許に ついて」の関係の「免許」というものについてご説明をしています。7頁の一番下に表題が きて、「2 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントについて」ということで、 コンサルタント試験に係る資格のものをご説明させていただいています。3つ目の試験にか かるものとして、「作業環境測定士について」を8頁の3でご説明をさせていただいていま す。3種類の試験がありますので、その試験それぞれに対応する資格の内容を、1、2、3と 書かせていただいたところです。 ○渡邉委員 「作業環境測定士について」はあまり議論がなされていなかったものですから、 議論されたものをここに書いているのかなと思っていました。わかりました。 ○平野座長 よろしいでしょうか。それでは、少し話題を限って皆さんからご意見をいただ きたいと思います。中間報告を出させていただきました。そのあとをどのようにまとめるか で大分苦労されたと思うのですが、結局この委員会を1つのステップとして、次の小委員会 といいますか、グレードダウンしたサークルをつくっていろいろやる、そこに落ち着くとし て、そのときに、この委員会でやった成果をどのように生かすかということで、「見直しの 方向性」を出していただきました。そのステップについて、皆さんから何かご意見があれば いただきたいと思います。  その次に、もう1つ皆さんにご意見をいただきたいのは、「見直しの方向性」について、 ご関係のところを読んでいただいて、これはおかしいのではないかということがありました ら、ご指摘いただきたいと思います。よろしいでしょうか。ステップについては、大体そう いう方向で事務局にやっていただいていますので、私としては、ご異存なければ、それでや らせていただきます。 (了承) ○平野座長 どうもありがとうございます。それでは、「見直しの方向性」について読んで いただいて、私の感じではこれは少し違うのではないかということがありましたらお願いし ます。それと、字句の修正や前後で少し矛盾しているところなど、細かいことについては私 のほうで読ませていただいて、あとで事務局にアドバイスを差し上げたいと思います。その 部分はいかがでしょうか。もしよろしかったら、そうさせていただきます。  肝心のいまの「見直しの方向性」は、皆さんにご同意いただかないといけませんので、お 読みいただきたいと思います。「あるいは」とか「また」というところは、意見を並立して、 場合によったら、専門家集団で検討していただくときにどちらを取るか聞いていただくと、 そういう理解でよろしいのですね。 ○計画課長補佐 そうですね。また改めて、検討会方式でやるのか、事務方で検証しつつ専 門家の方々のご意見を聞くような形で検討を進めていくか、そこのやり方はいろいろあるか なとは思っています。 ○平野座長 それでは、新しいご意見があまりありませんようですので、今日の検討と議題 はそろそろ切り上げたいと思います。今日いろいろといただいたご意見については、最終的 に修正をしまして、報告書(案)に記載させていただきたいと思います。どうしてもここだ けは変えておいてくださいと、先ほど先生がご指摘になった「利益」なども少し考えさせて いただいて、語句を変えさせていただきます。ほかに何かありましたら、やらせていただき ますので、よろしくお願いします。  それでは、あまり強いご意見がないようですので、この報告書(案)の大筋は皆さんにご 了承いただいたということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (了承) ○平野座長 どうもありがとうございます。それでは、これから先どういう手順で何をやる かについて、中條さんからご説明をいただきまして、今日の会議を終了させていただきたい と思います。 ○計画課長補佐 この報告書(案)につきましては、本日いただきましたご意見を反映させ ていただく形で修正をして、近々公表をさせていただければと思っています。また、細かい 字句の修正等、それから平仄が合っていないところもありますので、その辺りは座長ともご 相談をさせていただきながら修正をしていきたいと思っていますので、よろしくお願いしま す。 ○平野座長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。会議を開いたわりには 短い時間で終わってしまうので、皆さんも心残りかもしれませんが、最後に事務局からお願 いします。 ○安全衛生部長 昨年6月の第1回のこの検討会の開催以来、今回が5回目になるわけです が、大変お忙しい中労働安全衛生法関係免許試験の制度のあり方等について取りまとめをい ただきまして、厚く御礼を申し上げます。この検討会の検討結果を受けまして、ご提言いた だいた点につきまして、さらに専門的な検討を行うなど行政として対応すべきところは対応 しまして、また関係の団体等に対する指導等を適切に行って、適切な労働安全衛生法関係試 験制度の確立に万全を期していきたいと考えていますので、引き続きご指導をいただければ と考えています。どうもありがとうございました。 ○平野座長 それでは、少し早いのですが、以上をもちまして、本日の検討会を終了させて いただきたいと思います。ご協力ありがとうございました。 照会先 労働基準局安全衛生部計画課企画係 TEL 03-5253-1111 (内線5478)