10/03/25 第7回個人請負型就業者に関する研究会議事録 第7回個人請負型就業者に関する研究会 開催日時:平成22年3月25日(木)10:00〜12:00 開催場所 経済産業省別館1038号会議室 出席者:佐藤博樹座長、原ひろみ委員 議題 :(1)委託調査研究の結果     (2)報告書(案) ○佐藤座長 時間がまいりましたので、始めさせていただきます。今日は2つ あります。1つは委託調査、これまで一部だけ出していただきましたけれども、 面接調査が終わったということですので、そのご報告と、報告書の案について ご意見を伺うということです。それではまず、委託調査からお願いします。 ○土屋氏(株式会社インテージ部長代理主任研究員) 面接調査につきまして、 お手元の資料1-1に従ってご報告させていただきます。最終的に今回は、事業 所編として6社の会社様からのご協力と、個人の従事者編として22名の方から のヒアリング調査を完了いたしました。事業所に関しましては、対象は、先般 までご報告しておりましたアンケート調査の回答企業様のうち、ヒアリングに 協力してもよいと書いて担当者の方のご連絡先を記入していただいた企業様に、 お電話をして面接の協力依頼を行っております。その際は、さまざまの業種か ら聞けるようにと配慮しながら電話で依頼を行いました。また、アンケートの 回答企業以外でも、協力を得られるという会社さんに対しても調査を行ってお ります。対象になった業種は、情報通信・サービス業、訪問販売、小荷物宅配 業、対個人サービス業、これはテニスのインストラクターをやっているところ です。それから、同じく対個人サービス業としてエステ等というところの会社 になっております。  個人に関しましては、上記の事業所でヒアリングをさせていただいたところ に、そこの事業所が委託をしている個人の方を紹介していただいてヒアリング をさせていただいたケース。それから、特定非営利活動法人のインディペンデ ント・コントラクター協会の協力により、協会会員からもヒアリングを行って おります。なお、こちらの協会に関しましては、かなり専門性の高い方が多い ということもありまして、今回の調査結果に関しては1点その辺の留意が必要 であると考えております。なお、この協会からご紹介いただいた対象者は、全 体で17名となっております。  では早速、調査結果に移らせていただきます。2頁をご覧ください。まず、事 業所編ですが、全体をまとめますと、運送業ですとか販売業においては、社員 は業務の割振りですとか事業所の運営といったところまでで、基本的な売上を もたらすのはすべて業務委託契約従事者といった業態になっています。同様に、 マッサージ・エステですとか、インストラクター等においても、主たる売上は 業務委託契約従事者が担っているという状況になります。  こちらを雇用者とせず業務委託契約の形式をとっているのは、歩合制という 仕組みが本人のモチベーションを喚起するのに有効であると同時に、報酬や自 由度といった条件が、本人の思考やライフスタイルにマッチしているという認 識を、事業所のほうは持っていらっしゃいます。また、講師、小荷物宅配、マ ッサージといった事業所としては、顧客からのオーダーが入ったときにのみ支 払いが発生するため、人件費のロスがない原価構造が可能となると考えられま す。  一方で、IT系の事業所にとっては、開発に際して必要な技術を調達する手段 として業務委託契約従事者を活用しており、また、社員に不足する分の補充と して、社員と同等かそれ以上を求めているという傾向にありました。ただし、 ここで不足するのは技術だけではなくて、工数そのものということも考えられ ます。そのため、業務委託契約従事者への報酬は社員よりも高額になるため、 当人が敢えて、会社のほうから社員登用可というものを持ち掛けるにもかかわ らず、拒否するケースがあるという風にお話にはありました。  どちらの事業所とも、接客等で顧客からトラブルにならないようということ で、採用の際には「人柄」をかなり重視する傾向にあり、IT系は特に「紹介」 で人を探すという傾向が強いようです。広く一般に募集することはないという ようなお話でした。  今回ヒアリングを行ったいずれの事業所も、業務委託契約従事者の方がいら っしゃらないと事業が成り立たないという中で、重要性を認識して、辞められ ないように、継続的に活用できるようにというところを配慮しているようであ りました。  続きまして、業務委託契約従事者編、個人のほうのヒアリング結果です。こ ちらはかなり人数もありましたので、テーマを分けてご報告いたします。  まず(1)で、こういった働き方を選んでいる理由というところです。多く聞か れた意見は、自分の判断で自由に働く時間をコントロールできるということを 上げている方が多かったです。中には、子育てや介護といった家族的責任を果 たすために雇用者として働くことが無理だった、ということをおっしゃってい る方もいらっしゃいました。また一方で、会社に居続けることでやりたくない 仕事をやるのを嫌だということで、自分のやりたい仕事に集中できるから、ま た、自分で仕事を請けるか請けないかということを判断できるからこういった 働き方を選んでいる、という意見もあります。  また、業務委託契約従事者として働くこと自体が目的ではなく、起業するこ とが夢で、会社を大きくするまでのプロセスとしてたまたまいま個人で仕事を しているというケースも見られました。こちらは協会から紹介いただいた会員 さんから出ている意見です。従業員は自分1人であっても、会社組織を作って 自らの判断で仕事をしているという、そういった自負もあり、決して自分は「労 働者」ではないというように考える傾向が強いです。  次に(2)、「仕事の得方」というところです。総じて、コンサルタント系や情報 通信系の仕事については、知人からの「紹介」ですとか、過去のクライアント からの「リピート」で仕事を得ているというケースが多かったです。飛び込み で営業をするようなことというのは費用対効果も薄く、また、売れていないと いうことを自分から宣伝するようなもので、逆効果だというような意見もあり ました。こういったコンサルタントなどは技術や力量が測りにくい、それから 「人柄」や「信用」が採用になるというのが、そこが重要な鍵となるために、 信頼の置ける人を介して受託するというのが基本になるというというお話でし た。その他としては、ブログや出版といったものも営業ツールとして自ら活用 しているというお話もありました。  一方で、小荷物の運送業や販売職という、特殊な経験や高度なスキルがなく とも就くことが可能な職種に関しては、求人誌などで掲載されている条件を見 て、その自由度の高さに魅力を感じて自ら応募したりですとか、知人から紹介 されて口コミで参入するといったケースが多く見られました。  次に(3)の「契約」についてです。多くは包括な基本契約を結ぶが、後は個別 のプロジェクトごとに発注書を取り交わすなどをしていました。コンサルタン ト的な仕事においては、業務内容について、お互いに契約の時点では抽象的な 表現に留めておいて、詳細に具体的なところまで記載されるというケースは少 ないようです。また、報酬の基準が、週に何日会社に出て対応しますよといっ た時間(日数)等になっているケースが多いです。場合によっては、1カ月まる まる拘束するといくらといった契約というのも見られました。  それから、(4)の「トラブルについて」です。今回インタビューを行った対象 者の方のほとんどが、契約上や業務上でのトラブルはないと答えていらっしゃ います。ただ、中に数件ですが、クライアントが倒産したことによって未払い が起こっているというケース、また、全額ではなくても半額しか支払われなか ったとか、そういったケースがありました。また、ご本人はトラブルとしては 認識していませんが、営業系の職種において、一般の求人誌から応募して契約 するまで歩合制であることを知らなかった、といったケースも中には見られま した。  コンサル系の職種においては、当初の業務範疇を越える依頼があっても、そ れをご本人はトラブルとは捉えずに、柔軟に対応するからこそ自分のような者 がメリットとして会社が使っているのだ、というように認識されているようで す。  続いて、(5)「労働者性」について。自分が労働者に当たるのかどうかといっ たことを、そもそも考えたことがない、意識したことがないという発言がほと んどでした。コンサル系の仕事の場合は、業務の特性や情報セキュリティの関 係上どうしてもクライアントの社内に出向いて行って、そこでしか仕事ができ ないというケースがあります。出社する曜日や机まで決まっている。でもそれ は労働者として拘束されているというよりも、会社から便宜を図ってもらって いるという認識であったり、クライアントに拘束される時間、提供する時間と いうのを明確にする手段であるという形で、出社しているイコール労働者だと いう感覚は皆さんのほうにはなかったように思われます。  システムの開発や運用においては、社員と同様に行っているケースが見られ て、共に客先勤務を行ったり、技術や専門性をプロジェクト単位で契約して提 供しているという認識で、社員と同等やそれ以上をしていても、自分は労働者 だという認識はないということでした。  最後に(6)「その他」として、近年、コンプライアンス上の理由で個人に委託 を出すということを控えている企業が増えてきていて、事実上1人で業務を請 け負ってはいるものの、形態だけ会社組織にして欲しいということを要求され て、会社にしましたというケースが散見されます。将来的に継続して仕事の依 頼があるのかという不安を常に抱えつつ、怪我や病気などで働けなくなった場 合の備えは、多くは個人の私的な保険でやっているのみというケースがあった ということ。それから、先ほどもありましたけれども、取引先の倒産によって 債権を回収できなかったといったケースも見られています。  そういった中ではありますが、多くの業務委託契約従事者の皆さんは、正社 員としての経験を活かし、自由な働き方として、積極的にこれからも業務委託 契約従事者として働き続けていきたいと考えていらっしゃるようでありました。 以上になります。 ○佐藤座長 はい。全体まとめてご報告いただきましたけれども、いかがです か。最初にご説明がありましたように、特に個人のほうは、自立性が高い、自 営業者といえるような人が多いということで。1つだけ、個人のほうを見た場合、 複数の取引先とやっている人が多いのか、いま1カ所でも、期間を1年とか見 れば複数変わっていくのかという。割合、取引先が特定の1社という人はあま り多くないという感じですか。 ○土屋氏 いえ、1社専従の方も結構いらっしゃいます。 ○佐藤座長 1社の方もいる ○土屋氏 例えば、1社は週に3日拘束されていて、あと2、3社、1日とかと いうケースもあります。 ○佐藤座長 複数やっていると。 ○土屋氏 完全に100%という方も何人かありました。 ○佐藤座長 それによる違いみたいなものは、あまりインタビューではでなか ったかな。 ○土屋氏 そうですね。 ○佐藤座長 1社専属に近い人と、そうではない人みたいな。 ○安達氏(株式会社インテージマネージャー) 私、インテージの安達と申し ますが、インタビューを担当した者ですので、答えさせていただきます。1社専 業というのは、IC協会さん以外の方々は大体100%。 ○佐藤座長 1つの会社に。 ○安達氏 そうですね。IC協会様経由のご紹介の方々は、複数されていらっし ゃる方もそれなりにいらっしゃいました。というのは、先ほど土屋が説明しま したように、業務が常に入ってくるかどうかという不安感が常にございまして。 それほど大きな意識ではないんですけれども、やはり皆さんお持ちで。そのた めに、並行的になるべく仕事を進めて、1社が例えば潰れても残りが残れば、例 えば3社の業務を並行的に受託しておけば6割は残るわけですから、その間に また1社を見付けてみたいな。大体3社ぐらいで並行的に走らせるというよう なご意見が多かったと思います。 ○佐藤座長 そういう意味では、1社に依存せずに仕事があるような形で自分で 事業をしているということですね。1人だけれども、取引先は複数でと。 ○安達氏 ただ、キャパは越えないようにとコントロールしています。 ○佐藤座長 そういう意味では、そのことも自立性の高さがその背景にあるの でしょうね。ちょっと、そのことを書いておいていただいていいかなと、まと めのところでと思ったのです。 ○安達氏 はい、承知いたしました。 ○佐藤座長 あと、こちらのほう、今日ご報告いただけなかったのですけれど も、マッサージのところを見ると、65頁。これ、ちょっと分からないのですけ れども、この人はいま正社員なのですね。 ○安達氏 いえ、これから正社員になるとのことでした。 ○佐藤座長 なるのですか、これから。 ○安達氏 そうです。 ○佐藤座長 いまは店長を業務委託でやっているのですか。 ○安達氏 左様でございます。 ○佐藤座長 いまはね。分かりました。今後、正社員ですね。 ○土屋氏 はい。 ○安達氏 そうですね。すぐですけれども。 ○佐藤座長 いま聞いている話は、店長として業務委託でやっているというこ とですね。ではこれでいいわけですね。 ○安達氏 はい。 ○佐藤座長 マネージメントの話であったら、事業所編のほうでとも思いまし たが。そうか、本人なのか、分かりました。 ○土屋氏 本人もマッサージもやるし。 ○佐藤座長 それで、自分は店長として、その下にまたいるのですか、業務委 託の人は。 ○安達氏 おります。 ○土屋氏 業務委託もあれば。 ○佐藤座長 雇用の人もいるのですか。 ○安達氏 雇用の人はおりません。 ○土屋氏 インストラクターのインターン生を教育し、その人たちを使ってお 店を回すと。 ○安達氏 その方は、いわゆるインストラクターとして、新人で新しく契約さ れた方への指導と、店長と、実際自分でも施術をされていらっしゃるという方 です。 ○佐藤座長 やや、個人といっても、上の事業所と中間的な感じですね。 ○土屋氏 かなりそういう手腕が買われて、是非正社員になって欲しいという 話をもらって、分かりましたということのようです。 ○佐藤座長 細かいレポートはまだよくは読んでいないのですけれども、様子 は分かりました。 ○原委員 質問になるのですけれども。多分こうした個人企業で働いている人 の中で、高いスキルで比較的会社と交渉力を強く持ってやっている人と、比較 的スキルが低い人たちと、多分2種類の方たちがいらっしゃると思うのです。 そういう人たち、スキルの高い低いによって、例えば2頁目の(2)以降ですけれ ども、こうした働き方を選んでいる理由とか、仕事の得方とか、トラブルの発 生とかについて、何か違いがあるのかなという感じがしていて。  ここはこう混ざってすべてが書かれているのですけれども、何かそういう違 い、もともと持っているスキルの違いによって発生してくる問題とか、仕事の 得方とかがあると思うので、そういうのも区別して書いたほうが読みやすいの かなと。多分、抱えている問題とかメリットもそうだと思うのですけども、違 いがあるのかなと思って。何もかも一緒くたに記述されていると、ちょっと読 みづらいなというふうに思いました。だから、そうした工夫の余地があるのか どうかというのを1点お伺いしたいのと。  あと2つ。1つは、アンケート調査から得られない情報をこのインタビュー調 査から得られるというメリットがあると思うのですけれども、こういう事業所 の方とか実際に業務委託契約従事者として働いている人たちが、こういう働き 方に対してどういう将来展望を持っているのかということが、もしヒアリング 調査で聞き取ったということがあれば、是非参考までに教えていただきたいと 思います。今後どうなっていくのかということが全く統計からも見えてこない ので、現場の方たちがどういうふうに考えていらっしゃるかということが分か れば、参考になるかなと思っています。  4頁目の(6)ですね。いちばん最後の段落で、「そのような中ではあるが、多く の業務委託契約従事者の皆さんは正社員としての経験を活かし」という、ここ が意味が分からないのですけれども。業務委託契約従事者の皆さんが正社員と しての経験を活かし、これは何を意味しているのでしょうか。以上です。 ○土屋氏 最後のところからお答えしますと、正社員としての経験を活かしと いうのは、正社員を十数年やってきて、ほぼそれと同じ仕事を、中には働いて いた会社の下請けとして、同じプロジェクトを引き続きやるとか、正社員時代 の人脈からの紹介で仕事を請けてやるといったケースがかなり多かった。 ○原委員 ここでのこの従事者の人たちは、正社員だった方が非常に多かった ということなのでしょうか。 ○土屋氏 そうですね。特にIC協会さんから紹介された専門性の高い方々は、 ほぼいずれかの会社で正社員で働いていて、そこの人脈から紹介された仕事を 請けてやっているというケースが多かったです。 ○原委員 想像としては、そうした専門性の高い方たちに対しての記述なんだ ろうなというのは分かるのですけれども、どの部分がそういう人たちについて なのか、どの部分がそういう人たちではないのかということが分からないので、 誤解を招くかなと思うのですね。なので、グループ分けして書かれるとか、こ こも、そういう方たちについてはというような記述がないと、誤解が発生する かなというのが、1番目のポイントにつながるところです。 ○佐藤座長 大きく2種類、割合自立性が高い人と、1社専属でやっている人が いるが、まとめて書かれてしまっているところを、少し分かるように書いたほ うがいいということですね。さっきのキャリアのことも、働き方を選んだ理由 のところで、理由だけでなくどういうキャリアの人かというのを、この理由の ところに書いたほうがいい。そうすると、正社員というのが後ろになって突然 出てきても、(1)のところに、どういうキャリアを辿っていまの仕事に就いたと いうことも少し書いておいていただくと、後ろを読めば分かるのですけれども。 もうちょっと膨らましてもらったほうがいいかもしれない。 ○土屋氏 わかりました。全体として整理する中に、報告もいたしましたよう に、今回22件のヒアリングの中で17件が比較的専門性の高い方々が対象にな っていますので、バランス的に、そうでない方は少し記述量が少なくなってし まうかと思いますけれども、どちらかが分かりやすいように工夫させていただ きたいと思います。 ○佐藤座長 あるいは、22あるから、後ろに1と2と3とか入れる手はあるの だけれども。この特徴を書いたときに、ここに。そうすると、何と何と何がそ ういうことだという、そういう類型で書いていけば、よく分かるかもしれない。 こうベタッと書いてしまうとあれなので、何でもサンプリングにやっているわ けではないので、こういうタイプがあるということが分かればいいと思うので。 だから、キャリアとしては1〜3というタイプがあったとかですね。1はこれと これとこれとか、というふうに書いていただいてもいいかもしれない。 ○原委員 もう1つ、将来展望でどんなふうに考えていらっしゃるということ を、もし調査されていたら是非。 ○佐藤座長 後ろだと、みんなこのまま続けたい、できれば起業したいという お話になってくるのですか。 ○安達氏 将来展望につきましては、言葉は悪いですけれども、皆さんあまり 考えていません。 ○原委員 事業所側も個人の方も。 ○安達氏 特に、事業所側と言いますか、100%依存性の高い方々も、ほとんど、 このままどうしますかとお聞きしたときに、当分はこの仕事を続けるけども、 最終的には別のことを考えなきゃいけないかなとか、それとも体の続く限りで すね。結構、依存度の高い人たちというのは、体が資本みたいなところがござ いますので、そういうのを心配しつつ、体力の続く限り、その仕事に満足され ていますので、続けていきたいということでございます。  IC系の人たちにつきましては、あまりその、会社を起こしているのですけれ ども、それほど大きくはしたくないという感じがしました。ただ、先ほど土屋 が説明しましたように、コンプライアンスの話で、なかなか大手企業さんが個 人事業主との契約をだんだん敬遠しつつあるということがございますので、人 に勧められたりとか、大手さんと契約するときに勧められて会社を設立してい るというようなことで、それほど大きくしようという意識はございません。  やはり、身の丈に合った、自分がなぜいま自由な個人事業主をやっているか という理由が、あまり何でもかんでも仕事を請けて事業をどんどん大きくして 人を雇っていくのではなくて、会社の中にいたら1つの歯車として終わってし まうと、そういうのを避けるために、自分が会社時代に培ったノウハウですと か、その後いろいろな仕事を請けて培ったノウハウをクライアントさんに提供 していきたいと、そういう意識が強かったものですから。将来展望といいます と、そんなに大きくしてどうこうというよりは、いまのままやっていければい いかなと。  中には、もし大きくするのであれば、別会社作っちゃいますと、いま自分が 作っているこの会社というのは、あくまで自分が活動するフィールドのために 必要な会社であるから、もし業務が広くなってきて自分の手に負えないようで あれば、別の会社を作りますというような方もいらっしゃいましたが、基本的 には、あまり大きくしていかないで質を確保していきたいという方が多くござ いました。 ○原委員 この6つの業種についてヒアリング調査をされたということですけ れども、6つの業種について、業界全体での今後の活用が増えていくか増えてい かないかとか、そういったお話は調査の中で出てきたのでしょうか。6つの業種 を調査されたと書かれているのですけれども、6つですよね、5つですか。この 業界全体で今後活用が進むとか、むしろ進まないとか、そういった全体的な話 というのは、調査の中で出てきたのでしょうか。 ○土屋氏 情報通信のところに関しては、厳しくなるというような言い方でし たね。 ○原委員 ほかの4つはどんな感じですか。 ○安達氏 皆さん経費の削減をするために、例えばどんどん増やしていくとか、 正社員と委託契約従事者の割合を逆転させるというような話ではなくて、あく まで、その活用度が高いということでやっていかれますので、業務の繁閑に応 じて委託契約従事者の数も変えていくと。ですから、闇雲に増やすとか、闇雲 に減らすという考え方は皆さんお持ちではございません。あくまで、元請けと いいますか、事業主側の受注する仕事に応じて委託契約従事者の人数も変えて いくというお話です。 ○原委員 ありがとうございます。 ○佐藤座長 ほかに何かありますか。 ○酒光労働政策担当参事官 ヒアリングの個票のほうは、いまお話されたIC協 会さんから紹介されて会った方と、直接、事業者等から紹介してくれた方がい ますが、これは、前半がどちらかだとか、そういう整理がされているものでは ないのですか。 ○土屋氏 現状は混在しているんですが、いま、ちょっと分かりにくいという 話もありましたので、後ほど少し順番を変えてですね、分かりやすいようにし たいと思います。 ○酒光労働政策担当参事官 比較的満足してやられているところの方も多いと いうことなのですけれども、そこの部分というのは、何か、例えば行政面とか で考えたほうがいいような話は、何か聞かれましたでしょうか。それとも、こ のまま、好きにやらせてもらえばいいという感じだったのですか。 ○土屋氏 自由度の高い働き方をしている方に関しては、あまり自分が保護さ れるとか、守られるとか、そういう立場になるという認識がないので、あまり 行政にいろいろやって欲しくないというような意見も中には見られました。一 方の、比較的1社に完全に依存している働き方のほうに関しては、特にそうい った話は聞かれなかったかなと思うのですけれども。 ○酒光労働政策担当参事官 もう少し詳しく教えていただけますか。 ○土屋氏 ヒアリングの中で、後半で、自分が何か困ったときにどこに相談に 行きますかとか、行政に要望はということを、必ず皆さんに聞いたのですが、 何かあれば、弁護士とか税理士とかそういう専門家のほうに相談に行くので、 ハローワークとか労基署とかそういうところに行くイメージはないというお話 もありましたし。そういったところが、我々のような自由な働き方のことをキ ャッチアップできていないんじゃないか、というようなご意見は見られました。 ○安達氏 皆さんかなり満足されていますので、例えば、質問の中で、何か業 務上のトラブルがあったときにというような質問をさせていただいても、なか なかピンとこないようで。非常にその、労使といいますか、労使というと語弊 があるんですけれども、かなり良好な関係なものですから、なかなかトラブっ たときにとかいうのは出てこなかったというのは事実で、現状はそんな感じで ございます。 ○酒光労働政策担当参事官 今回、協会さんからのご紹介ということで、そう いうことでのバイアスみたいなものは考えられるのでしょうか。それは特に考 えられないのですか。 ○土屋氏 それは考えられなかったですね。 ○佐藤座長 自立度が高い人が多いからという。 ○酒光労働政策担当参事官 もともとそういう母集団だということなのですか ね。 ○佐藤座長 そういうことなのだろうね。実際上、そういう人たちもいるのも 間違いないわけで。これが全部だというと誤解を招くというだけの話で。 ○原委員 うろ覚えなのですけれども、同行させていただいた宅配のところで、 確か保険に関して行政に対して要望があったような気がしたのですけれども、 そういうのはなかったですか。結構、保険、個人の方が一人親方の保険に加入 されていて、会社のほうについても、そうした制度について言及されていたよ うな記憶があるのですが。 ○安達氏 会社の方は、入るように言っていました。 ○原委員 指導はしているぐらいでしたか。 ○安達氏 そうですね。それまでは知らなかったのだけれども、会社で面接を 入社のときに受けているときにそういう話を聞いて、ということだったと記憶 しておりますが。 ○原委員 働いている方からのヒアリングでは、保険に入るということが働き 続けるについてすごく大事だということがあったと思うのですけれども、ほか の21名の方については、特にそういう話は、働く上でのセーフティネットとし て何かがすごく重要な役割を果たしているとか、そういうことはなかったです か。 ○土屋氏 それで言うと、営業・販売系で、自転車等でいろいろ飲料品とかを 販売しているというケースのところに関しては、会社として共済会みたいなと ころに本人の掛け金なしで入っているので、何かあったときにはそこから補填 するという話はありました。あと、IC系の働き方に関しては、IC協会さん自体 の仕組みとして、協会の会費が保険の支払いにもなっていて、万が一何かあっ たときのサポートはそこから得られるという話ではあったのですけど、あくま でも、そこは引っ張る特定の協会さんの仕組みの話だったので、今回その件は 全体のまとめのほうには記述はいたしませんでしたが。 ○佐藤座長 そうしたら、これは多分、まとめのほうは時間ギリギリだったと 思うので。個人のほうを見ると、それぞれヒアリング項目は大体決めて聞いた わけですよね。ですから、大体揃っていると思うので、このまとめのほうもプ ロフィールというふうにして、そういうふうにまとめていってもらったほうが、 こちらに即して。 ○安達氏 質問ごとにみたいな感じで。 ○佐藤座長 契約は少し、契約と契約上を巡るトラブルとかまとめていいと思 うのですけれども、報酬とそういうふうに。それで横にずっと眺めてみて、報 酬については1〜3の類型があってとか。数は今回あまり意味はないのですよね、 数自体は。ただ、類型が1〜3あって、1は(1)〜(3)とか入れてもらっていいと思 う。数が多い少ないはあまり意味がないので、どういう類型があるかというよ うな書き方でいいと思うのですよね。みんな満足しているというのは、あまり 意味がない。満足しているのを取っているので、多分。ですから、どういう類 型があるかという形で書いていただくほうがいいかな。報酬はこういうやり方 があってとか、それぞれ意見があればそれを、というような整理の仕方のほう がいいかなと思います。 ○原委員 もう1点なんですけれども。(2)で(1)〜(6)で項目別に業務委託契約従 事者についてまとめてくださっているのですけれども、私はやはり、働く上で のセーフティネットをどういうものを使っているかということは、とても大事 だと思うのですね。IC協会の特殊な事例だということで、今回は全体のまとめ には書かなかったというお話ですけれども、せっかくなので、協会としてこう いう保険を用意しているとか、バイク便の方とかで一人親方の保険に入ってい るとか、そうしたものをまとめのところで紹介しておいたほうが参考になると 思うのですよね。なので、この(1)〜(6)の項目立てにもう1つ何かそうした保険 にかかわるところとか、安心して働けるような仕組みをどういうふうに使って いるかというものを立ち上げていただけないですか。 ○佐藤座長 項目で聞いているので、そうしたことも当然起きてくるから。一 応、ヒアリングの項目に即してまとめていただくほうが。多分、まとめるのは そんなに難しくないと思うので。 ○安達氏 承知しました。では、質問ごとに。 ○佐藤座長 それで、ABCと、例えば報酬の仕方、そのときに例示的に、Aと してこんなものというふうに、具体的に書いていただくような形で整理してい ただければいいと思うので。多い少ないはあまりやらなくてもいいのかもしれ ない。多いとか少ないとかいう議論は、そのこと自体は。 ○安達氏 そうですね、これ、あくまで例でございますので。 ○佐藤座長 ですから、どういうタイプがあるということで。課題としてもこ ういうのが上げられたということが分かれば。 ○原委員 好事例は、やっぱり、こういう例があるというのがあったほうがい いと思うのですよね。 ○佐藤座長 もちろん。ですから、そういうふうに書いていただければ。数が 少なくても、あれば、それはそれとして取り上げるように。いいですか。事業 所のほうも、そういうふうに横に見ていただくことができれば。 ○安達氏 はい、承知しました。 ○佐藤座長 それで、さっきの取引先の話なんかも出てくると思うので。仕事 の内容のところで言うと、1社なのかそうじゃないのかとか。 ○安達氏 はい。 ○佐藤座長 いいですか。それでは、どうもご苦労様でした。ちょっと作業が 残りますが、まとめのところを足していただければと思います。  それでは、今日の本題ということで、「報告書(案)」について、前回の議論、 あるいは今日ご欠席の委員の方にもご意見を伺って、修正していただいたもの が出ていますので。前回と違うところを、バーッとやりながら、特に変わった ところというような形でご説明いただいて、ご意見を伺うというようにしたい と思います。ではよろしくお願いします。 ○桐石企画第二係長 それでは、資料2についてご説明いたします。前回の研 究会でご議論いただきました事項に加えまして、本日ご欠席の佐野委員、奥田 委員から意見を賜りまして、反映をさせていただいています。また、欠席の佐 藤厚委員からもこの案で意見がない旨、連絡を受けているところです。  それでは最初から、内容的に修正されている部分につきまして、順に説明を させていただきます。まず、4頁をご覧ください。前回、各種報告提言の簡単な まとめを記述するようにとのことでしたので、Iの1の柱書きに簡単なまとめ を記載させていただいております。この中身につきましては、各種報告書から の抜粋という形になっています。次に7頁のところで、個人請負型就業者の数 の推計方法について、前回、方法について記述するようにというご指摘があり ましたので、注の3と4で記述しております。 ○桐石企画第二係長 その次に14頁の(3)の「募集・契約」のところで、前回、 自営としてはインストラクターとエステティシャンについて重点的に取り上げ させていただいていたところなのですが、幅広く職種を1例ずつということな ので、営業、講師、エステティシャン、キッチンスタッフ、専門技術系、デザ イナー、車持込みドライバー、プログラマー、SEにつきまして、実際の求人情 報から例を記載させていただいています。  その次に19頁で、前回、「労働者性の高低と働き方」ということについて、 インテージさんが作っている報告書の中身を利用しながら分析を記述するよう にとのことでしたので、基本的にそのインテージさんの作った、席上に配付さ せていただいている事業所アンケート調査の82〜88頁の記述を利用して記入 しております。また、7つの項目で点数を付けて、労働者性の高い低いを判定し たわけですが、この項目と労働基準法上の労働者性が、完全に対応するわけで はないことを尚書きで記述しています。また、表を記述させていただいており まして、20頁のいちばん上の表で、労働基準法上の労働者性の判断基準と今回 のアンケートの問いとの対応関係を表にまとめてあります。  次に24頁の1の「求人情報の明確化について」で(1)を加えています。求人情 報のガイドラインに記載すべき例示のところなのですが、「雇用労働と判断され るような業務を、業務委託・請負で募集してはいけないこと」という例示を追 加しています。また、同じ内容なのですが、25頁の2「活用企業が守るべきガ イドラインについて」のところでも(1)として同じ内容であります「雇用労働と 判断されるような業務を、業務委託・請負で募集してはいけないこと」という 記述を加えました。  次に26頁の5です。前回では就業者にトラブルが起きた際に、どこの窓口に 相談したらいいか分からないといったことがないように、窓口を紹介しなけれ ばいけないという書きぶりをさせてもらっていたのですが、労働者だけではな くて、活用する企業、あるいは求人情報会社が迷ったときにも相談するような 窓口が必要である、ということを記載させていただきました。  最後に26頁の6「その他意見」で、労働者と非労働者の中間層の議論につき まして、前回の研究会の指摘を受けまして、既存の議論を紹介させていただい ています。また27頁の最後の段落では、「従来の労働者性の判断基準では労働 者と判断されないような者で、労働者として保護すべき者が仮にいるのであれ ば、労働者性の判断基準について検討が必要ではないかという意見があった」 ということも紹介させていただきました。また、前回の研究会の議論を受けま して、例えば一社専属であるかどうかということを基準にして、中間的な層を 保護する場合の概念図を、下に記載させていただきました。  以上で研究会の報告書で変更のあった点の説明を終わらせていただきます。 ○佐藤座長 いろいろあるのですけど、いちばん大きいのは19〜20頁のところ は、7つの質問で労働者性が高い層と低い層を分けると言ってあるのですが、7 つがどこから来たのかがわかるようにしておいたほうがいいということで、20 頁の従来の労働基準法上の労働者としての判断基準に則して設問を選んでいる と。  もう1つ大事なのは19頁の下のところで、これは今回の調査でも一応4点以 上というふうに取っているわけですけれども、ただ、例えば5点以上を取り上 げても、即その人たちが労働者として判断されるかというと、それはそれで。7 点でもなのかな、総合的に判断するということになっていますから、そういう 意味で、すべてが7点以上であったとしても労働者と言えるかどうかは、これ だけではわからない。ただ、可能性が高くなるということなので、そういう形 で分析してるということを少し書かせていただいています。  26〜27頁で、2つ最後のところに出てまして、1つは従来の、つまり契約上 の業務委託であっても、労働者として判断される者としては労働者保護に当た るというのが先ほどの基準ですよね。それで、労働法で保護と。ただ、そうい う意味でその基準は変えないのだけれども、現状の基準で個人請負就業者とし て判断されるけれども、例えば一社専属でも、その人については何らかの、従 来の労働者としての保護じゃないけれど、何らかの別の何か保護みたいなもの が必要じゃないかというのが1つの提案です。もう1つは「また」以降のとこ ろは、この境界とは別に何か別の基準で、いくつかに分けるようなことがある かどうかというようなものが書かれています。以上ですが、いかがでしょうか。  ちょっと気になったのは24頁と26頁ですが、「雇用労働と判断されるような 業務」という言い方がいいのかと思ったのは、業務が雇用労働として判断され る。この趣旨は、これは。 ○酒光労働政策担当参事官 仕事のやり方ということですよね。 ○佐藤座長 そうですよね。だからちょっとどうかなと思ったんですけど。雇 用労働と判断されるような。そうか、仕事で分けているわけじゃないですよね。 ○酒光労働政策担当参事官 はい、そうですね。書き方ですね。 ○佐藤座長 活用の仕方の業務を行うのかな。雇用労働と判断されるような活 用の仕方の業務なのかな。多分、業務自体ではないですよね。趣旨はどうなの かな。ちょっと気になるなと思ったので。 ○酒光労働政策担当参事官 わかりました。ちょっと工夫をしてみます。 ○佐藤座長 これだと何かこう、雇用の業務と何か個人請負に出せる業務があ るように思われてしまう。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。この26頁の労働者性の判断基準にな りますので、これで労働者性の判断基準に照らしても労働者性が極めてあるも のについては、最初から業務委託経由で募集しないでくださいということを書 きたかったわけですよね。 ○佐藤座長 そういうことですよね。だから、その辺を工夫してください。 ○酒光労働政策担当参事官 はい。 ○佐藤座長 趣旨はそうだと思うのです。これだと業務で判断するみたいにな ってしまうので。 ○酒光労働政策担当参事官 例えば、このエステ業務は全部、雇用労働だとか、 そういうわけではないということですね。 ○佐藤座長 そうですよね。ですから、やはり管理の仕方なのかな。その人に 来ていただいて、どうその人をマネージメントするかみたいな話ですよね。た だ、報酬の決め方とかいろいろあるから。何て言っていいのかな、ちょっと、 明らかにだから時給で払って指揮命令をして、全部やっているようなものまで ということですよね。 ○酒光労働政策担当参事官 ええ、そうです。 ○佐藤座長 じゃあ、そういうふうに変えていただくようにしてください。か なり何度も議論していただいたのでかなりリファインされてきた形だと思うの ですが。 ○原委員 20頁目で、アンケート調査の結果の説明の仕方なのですけれども、 例えば(2)以降は労働者性が低いという事業所のほうが割合が高いところについ て、抜き出されていますよね。それぞれの別に配布されている事業所アンケー ト調査の集計結果の、例えば83頁目以降のグラフで○が付いている、括られて いる部分について記述されていると思うのです。多分それよりも、例えば労働 者性を高く活用している事業所のうち、事業所がどういう属性を持っているか を記述したほうがいいと思うのです。例えば(2)だったら、その労働者性が高い 事業所のうちどの業種で多いのか、トップ3ぐらいを記述するような形で。逆 転してるところを書くことはそんなに意味がないように思っていて、どこが特 徴があるのか、トップ3ぐらいのところを記述したほうがいいと思います。 ○桐石企画第二係長 わかりました、高いほうに焦点を当ててですね。 ○原委員 そうですね。だから(2)とかは多分、労働者性が高く活用している事 業所は、情報・通信サービス業、対個人サービス業、卸・小売業、飲食店とい った業種で多いとか、といった情報が多分ここではあったほうがいいのだと思 います。以下についても同じです。 ○桐石企画第二係長 わかりました。そのように修正いたします。 ○佐藤座長 「労働者性(高)」を特に活用している業種、言い方が少し変かも しれないですね。 ○原委員 ええ、何かちょっといい表現は。 ○佐藤座長 業務委託契約なんだけどな、なんですね。 ○原委員 そうですね。 ○佐藤座長 実態としては労働性が高いような活用なんですね。だからまあ、 いいですか。 ○原委員 労働者性が高い労働が多いところ。 ○佐藤座長 まあ、わかるかな。まあ、いいかな。 ○原委員 労働者性が高いような形で。 ○佐藤座長 わかります。説明してきてるからわかりますが、省略して言って るような感じですよね。これは事業所の話なんですよね。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○佐藤座長 事業所は業務委託で活用しているのだけれど、我々の基準から見 れば、実は労働者性が高いような活用の仕方。そういう事業所の特性、その事 業所を何と呼ぶかなんですけれど。わかりました。趣旨はよくわかります。 ○酒光労働政策担当参事官 こなれていない感じがします。 ○佐藤座長 ここだけですよね、出てくるのは。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○佐藤座長 結構、ここは大事な点ではありますので。 ○酒光労働政策担当参事官 (5)全体が「労働者性の高低と働き方」と書いてあ るので、もうちょっとシンプルに書いてもいいのかとは思います。 ○佐藤座長 あるいは、以下では、その業務委託契約で活用しているが、我々 の基準で見ると労働者性は高いような、そういうふうに活用している事業所を 労働者性が高い事業所というと言ってしまうと。ほかにありませんか。 ○原委員 細かい表現なんですけど、17頁の下から2行目で、「就業者にできる だけ裁量を与え、労働者性が強くならないような工夫をしている企業が存在す る」。何か法を抜けるような形で工夫をしているようなと読み取れたので、労働 者性が強くないような活用をしている企業とか、そういった何かちょっと表現 を変えたほうがいいと思いました。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○佐藤座長 そうね。 ○酒光労働政策担当参事官 わかりました。 ○佐藤座長 やや何か、無理やりそうしているような感じがありますね。表現 としては、確かにね。 ○原委員 それぐらいですかね。 ○佐藤座長 1つは、いまのところの17頁の表現ぶりと、先ほどの労働者性が 高い、まあ、趣旨はわかるんですけれども、ややちょっとこなれてないかもし れないと。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○佐藤座長 あと、24、25の雇用労働と判断されるような業務というのは、活 用の仕方とか、活用の仕方をする場合にとか。 ○酒光労働政策担当参事官 あるいは、働き方というのは。 ○佐藤座長 働き方でもいいかもしれません。 ○酒光労働政策担当参事官 雇用労働と判断されるような働き方の業務をとか。 ○佐藤座長 働き方の業務をでいいですね。 ○酒光労働政策担当参事官 それはどういうことかというのは、26頁にありま すと。 ○佐藤座長 27頁の下線はないんですよね。何かこれ、残っているだけですよ ね。 ○桐石企画第二係長 下線は上のところですね。これに関連して載せた下のと ころの線ですね。 ○佐藤座長 このアンダーラインは残るわけですね、ここだけ。 ○桐石企画第二係長 そうです。 ○佐藤座長 どういう理由でですか。 ○桐石企画第二係長 これは「下線部の概念図」で、この概念図がどこに対応 しているかを明らかにするために線を引っ張っているだけで、強調というもの ではないんです。 ○佐藤座長 ではないんですね。 ○桐石企画第二係長 やり方はもうちょっと目立たないように。 ○佐藤座長 ちょっと何か。 ○原委員 それを取って。 ○安達氏 文章に下図参照とか。 ○佐藤座長 そうしたらいいですね。下線部の概念図だったら、図の番号入れ たらいいのではないですか。 ○桐石企画第二係長 そうですね。 ○佐藤座長 そうか、図の番号はないんですね、19頁の。 ○桐石企画第二係長 図の番号入れたほうがよいでしょうか。 ○佐藤座長 図の番号を入れたらどうですか。 ○桐石企画第二係長 わかりました。 ○佐藤座長 表とか。そうすればここも図、概念図とか何かそのようにしてし まえば、図2とか、そういうものにしたらいいですよ。そうすればアンダーラ インは要らなくて、図2参照とか入れれば。図は2個かな。表が1個かな。じ ゃあ、そうしましょう。図1、図2、表1というような形にして、ちょっとタイ トル付けて。この後ろに、調査、資料編みたいな形でくっ付けて。 ○桐石企画第二係長 そうです。要綱、あとは開催の日程で、そして最後に調 査委託研究報告書を添付させていただいて。 ○佐藤座長 ほかに何かありますか。では今日出た内容的なことは、多分そん なに問題ないと思いますので、表現ぶりのところを修正していただいて、一応、 確定ということにさせていただければと思います。あとはちょっとインテージ さんに、すみません、まとめたところだけ少しやっていただくという形で資料 編を完成をするというふうにしていただいて、報告書として取りまとめるとい うふうにさせていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。では今後の取 り扱いについて、ご説明いただきたいと思います。 ○酒光労働政策担当参事官 いま佐藤先生がおっしゃった方向でいいと思いま すけれども、もし何か、特に面接調査は今日見たものが多いと思いますので、 これを踏まえて、こういう記事を追加してもいいんじゃないかということもあ るかも知れませんので、その辺、ありましたら言っていただければ、1週間ぐら いでしたら大丈夫です。こちらの本文のほうですね。 ○佐藤座長 特にそうですね。これは一応ご了解を得ているわけですよね。 ○酒光労働政策担当参事官 はい。 ○佐藤座長 ヒアリングのほう、これはもうチェックは終わってますか。 ○土屋氏 個人の方に関しては、こちらの責任校了でということで了承いただ いています。 ○佐藤座長 いいというご了解を得ているわけですね。 ○土屋氏 ただし、ホームページ等には公開をしないという前提にはさせてい ただいているのです。 ○佐藤座長 そうすると、資料編は報告書としてまとめるけれど、一般的には 公開しないということですね。 ○土屋氏 そうです、まとめた部分のところ、今日、報告した資料1-1の部分 のところは公開可能です。 ○佐藤座長 なるほど、わかりました。確かにあんまり個人の特定ができちゃ ったりするとね。 ○土屋氏 個別名はIC協会以外は伏せる形では作ってはあるのですけれども。 ○佐藤座長 可能性はありますからね。ではそういう取り扱いで、個人のどう こうというのは、さっき言ったまとめのところは、そういう意味では少し厚め に書いてもらうほうがいいかもしれませんね。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○土屋氏 そうですね。それで、本編に対応番号を入れる形になると、番号だ けが公開されるとちょっとおかしくなるので、番号はないほうがいいのかなと 思っています。 ○佐藤座長 では番号は載せなくてもいいので、ただ、できるだけこう括弧で 引用するような形で実態がわかるような形でまとめていただいたほうが、せっ かく協力していただいていたので、そのほうがいいと思います。では、少しそ こを厚めにしておいてもらったほうがいいと思います。最後にちょっとご挨拶 をしてください。 ○中野政策統括官 それでは一言ご挨拶申し上げます。本研究会、昨年の8月 に第1回を開催して以来、これまで半年間にわたってご議論いただきまして、 大変、実りのある研究会になったものと考えております。ありがとうございま した。本研究会では、個人請負型事業所を活用する企業向ガイドライン作成、 求人情報の明確化、労働者性判断基準の明確化等についてご指摘をいただいた ところであります。報告書につきましては、先ほど来のご議論にもありますよ うに、本日のご議論を含めて、座長ご指導の下、修正を加えまして近日中に取 りまとめ、公表させていただきたいと考えております。  我々、厚生労働省といたしましては、本報告書を今後の適切な施策対応に活 かしていきたいと考えておりますので、先生方には引き続き幅広い観点からご 指導、ご意見を賜れればと存じております。改めまして長期間にわたるご議論 をいただいたことに感謝申し上げまして、御礼とさせていただきます。どうも ありがとうございました。 ○佐藤座長 じゃあ、ちょっとまだ作業が残りますけれども、よろしくお願い します。できるだけいいものにして、まとめればと思います。 ○酒光労働政策担当参事官 そうですね。 ○佐藤座長 どうもありがとうございました。 (照会先)政策統括官付労働政策担当参事官室企画第2係(内線7992)