10/03/17 第5回「健やか親子21」の評価等に関する検討会議事録 第5回「健やか親子21」の評価等に関する検討会 議事録 日時:2010年3月17日(水) 10:30〜12:00 場所:中央合同庁舎7号館 (金融庁) 903会議室 出席者:   柳澤座長、今村委員、衞藤委員、岡本委員、奥山委員、桑原委員、齊藤委員   迫 委員、田中委員、三上委員、森田委員、山縣委員、渡辺委員  厚生労働省   伊岐雇用均等・児童家庭局長、香取審議官、宮嵜母子保健課長、朝川少子化対策室長   杉上虐待防止対策室長代理、森岡課長補佐、今村課長補佐   馬場指導課医療確保対策専門官、岡山生活習慣病対策室長補佐 議事:  1. 開会  2. 議題    (1)「健やか親子21」第2回中間評価中間評価報告書(案)について    (2) その他  3. 閉会 配布資料:    「健やか親子21」第2回中間評価報告書(案) 議事: ○事務局  それでは定刻となりましたので、ただ今から第5回「健やか親子21」の評価等に関する検討会 を開催いたします。本日はご多忙中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。  事前に、井上委員、高山委員、山極委員から欠席とのご連絡をいただいております。また、渡 辺委員からは20分程度遅れるとのご連絡をいただいております。事務局ですが、局長は所用によ り遅れて到着の予定です。  それでは、柳澤座長に議事進行をお願いしたいと思います。 ○柳澤座長  本日は、年度末の大変お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は 最終回でもあり、また時間も限られておりますので、円滑な議事進行ができますよう、委員の皆 さまのご協力をお願いしたいと思います。  議事に入ります前に、事務局より資料の確認をお願いいたします。 ○事務局  本日の資料の確認をお願いいたします。最初に議事次第の1枚紙、それから座席表の1枚紙、 開催要綱の2枚紙がありまして、配布資料として「『健やか親子21』第2回中間評価報告書(案)」 がございます。委員のお手元には、前回の報告書(案)からの変更がわかるように見え消しで書いて あります報告書(案)も配布させていただいております。  以上、資料に不足等がある場合は、事務局までお知らせ下さい。 ○柳澤座長  よろしいでしょうか。それでは早速、議事に入ります。本日は、第2回中間評価報告書(案)につ いて、最終の審議をお願いいたします。今までの検討会での議論を踏まえて、山縣班の協力をい ただきながら、事務局で、追加・修正をしていただいたところです。大きな変更については、既 に修正が済んでおりますので、本日は、これらを確認して、さらに加えるべき点があれば、ご意 見をいただきたいと存じます。  それでは、修正点を中心に報告書案の説明を事務局よりお願いいたします。 ○事務局  それでは、配布資料に基づきまして、説明させていただきます。第4回検討会での委員からの ご意見と3月1日に57団体が参加して推進協議会総会が開催されまして、そちらでいただいたご 意見等を加えまして、事務局で報告書を修正させていただきました。  内容について、ご説明いたします。6ページまでは修正はございません。7ページからでありま すが、第2回中間評価の結果について述べているところです。一番下に丸を加えております。こ こは8ページにわたってグラフがありますが、策定時と第1回と今回ということで改善の度合い を示すグラフを前回は付けておりましたが、策定時からの指標の入替等がございまして、分母が 一致していないというご意見がございましたので、第1回中間評価時から今回の調査の改善状況 ということで、そちらのみを記載させていただきました。  次のページにまいります。各指標の分析の課題1のところでございます。9ページの(2)「人工 妊娠中絶及び性感染症について」のところの記述でございますが、二つ目の丸のところで、「十代 の人工妊娠中絶実施率」「十代の性感染症罹患率」の減少の背景について、性教育の効果が本当に あるのかどうかということで疑問を呈するご意見が3月1日の協議会総会の方でございましたの で、背景としては必ずしも正確な分析はされていないけれども、性交頻度の減少、経口避妊薬の 承認の影響が指摘されているという記載にとどめております。  それから、四つ目の丸にまいります。ここにつきましても協議会総会で、地域において教育・ 保健・医療との連携が必要ということでありましたので、地域において連携するという記述を加 えております。  10ページにまいりまして、(3)「十代の喫煙及び飲酒について」の二つ目のところでございます が、前回の検討会で禁煙外来についても記載してはどうかというご意見がございましたので、禁 煙外来への紹介という記述を加えております。  それから(4)の「思春期やせ症」のところでございますが、前回の検討会で思春期やせについて もきちんと課題1で記載しておくべきではないかというご意見がございましたので、特に(4)の一 つ目の丸のところは課題4の食育のところの記載をこちらへ持ってきたことと、二つ目の丸のと ころは新たに追加させていただきました。  次に、10ページの課題2の(1)妊娠・出産に関する安全性のところの記載で、11ページの上か ら四つ目の丸に記載がありますが、医療機関での産科医の処遇改善など、それから地域偏在につ いても記載してはどうかという委員からのご意見が前回ございましたので、付け加えさせていた だいております。  それから12〜13ページのところの記載についてですけれども、課題3の(1)「小児保健医療水 準について」の三つ目の丸ですが、「かかりつけの小児科医を持つ親の割合」の理由として、それ までに小児科を受診するような疾患に罹患したことがないという理由は本当かというご意見が前 回ございまして、その理由としての記載ではなく、持つ割合の目標を達成するために、そのよう な疾患に罹患したことがないなど、それまでかかりつけの小児科医を持つ機会がなかった親は、 健康診査や予防接種等の機会を通じてかかりつけの小児科医を持つことが望まれるという記載に しております。  それから、14ページの(3)「子どもの事故について」の四つ目の丸のところです。前回の検討会 におきまして、委員から事故の際の障害の低減が重要ではないかということと、小児救急体制の 整備についても記載しておくべきではないかというご意見がございましたので、事故防止と事故 の際の障害軽減、あとは障害が生じた際に速やかに対応できる救急医療体制の整備ということを 加えております。  次に、16ページの(2)「育児及び乳幼児健診について」の一つ目の丸のところの下から2行目で すが、父親が育児により参加しやすい環境づくりとか、二つ目の丸でNPOとの連携などの記載を、 前回の検討会での委員のご意見を踏まえまして記載を加えております。また、保育士の利用です。 乳幼児を保護し、育てる専門的知識や技術を持つ保育士の活用ということで、保育士についても 事前に記載してはどうかというご意見が委員からございましたので、その旨を加えております。  また、16ページの下のところで(3)子どもの心の診療医のところでございますが、関係学会で小 児科医の研修が始まっておりまして、その成果が上がっているということですので、「関係機関や 団体の研修等の取組が始まり」という文言を一つ目の丸のところに付け加えています。また、二 つ目の丸には、「小児科医の確保については成果が上がっているが」ということで、一定の成果が 上がっているという記載ぶりに変更しております。指標の評価のところの主な変更点は以上でご ざいます。  23ページからの「今後の取組について」というところで大きな変更点がございます。23ページ をご覧ください。IVの今後の取組についての1「指標等の見直しについて」のところですけれど も、新たな指標等についてということで、課題3にありました虫歯の指標を課題4に移動すると いう記載がありましたが、前回の検討会で課題4に入れるときに重症虫歯の本数をなくす方向で の指標にしてほしいとの委員のご意見がございまして、井上委員ともご相談しながら、適当な指 標があるかどうか事務局で確認を進めてまいりましたが、適当な統計が見当たらないということ で、課題4に重症虫歯の本数についての指標を加えることは断念しております。  それから、同じ23ページの一番下の丸のところですが、小児の在宅医療支援に関する行政・関 係機関の指標について、これまでは「慢性疾患児の在宅医療の支援体制が整備されている市町村 の割合」でしたが、もう少しデータが取りやすいように詳しく記載してはどうかということで、 患児に看護サービスを提供する訪問看護ステーションやショートステイを実施している自治体の 割合でしたが、3月1日の協議会総会でレスパイトケアサービスを入れてはどうかというご意見 がありましたので、そのようにレスパイトケアサービスを加えた形での新たな指標を提案してお ります。  それから24ページの「今後充実すべき具体的な取組方策の例」ということで、幾つか、前回の 委員のご指摘や協議会総会でのご指摘を踏まえて修正しております。主なところは表3、課題1 の「思春期の保護対策の強化と健康教育の推進」のところの地方公共団体のところの記載で、学 校保健推進体制の充実の三つ目のポツで養護教諭に続いて「栄養教諭」を加えております。また、 25ページで国の心の問題等への対策マニュアルの作成のところへ例示として「思春期やせ症」と いう言葉を加えさせていただいております。  それから、26ページの表4、課題2の「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への 支援」の国の取組として「女性医師や看護職員の離職防止や復職支援」ということで、前回の検 討会での委員のご意見を踏まえまして文言を加えております。  また、27ページのところでは、上から3行目のバースプランに続いて「バースレビュー」とい う言葉についても入れておりますし、「分娩を取り扱う専門職の新生児救急蘇生法の受講の推進」 ということも協議会総会で入れてほしいというご意見がありましたので、これも加えております。  課題4の「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」の具体的な取組方策の例とい たしましては、30ページの地方公共団体の取組の一番下の取組ですが、前回、委員から地域と食 育推進というキーワードを生かして文言を追加してほしいということでありましたので、「地域の 特性を活かした食育推進基本計画の作成」という言葉を入れております。また、専門団体の取組 のところで、歯科医師と栄養士との連携を進めているということでしたので、「咀嚼機能の発達に 向けた歯科医師、栄養士等の連携による食育の推進」という言葉を入れております。  それ以外の修正点として、先ほどの小児の慢性疾患に係る指標ですが、もう少し具体化しては どうかということでレスパイトケアサービスを加えておりますので、32ページの3-22の指標の 記載についても「訪問看護ステーションや患児を一時的に預かるレスパイトケアサービスを整備 している自治体の割合」ということで修正をしております。  それから、35ページの今後5年間の重点取組についての4)「子どもの虐待の防止対策の更なる 強化」の二つ目の丸で、前回、渡辺委員より地域での子育て支援についても明記した方がよいの ではないかということでしたので、養育支援訪問事業や乳児家庭全戸訪問事業と併せて「地域の NPO等の子育て支援サービスを充実すること等により、市町村における虐待を防止するための体 制整備を進める必要がある」という記載を加えております。  また、その下の丸で子どもの虐待による死亡についての記載のところで、産後うつ等の影響に 加えて「経済的な要因が指摘されており」ということで、経済的なものについても記載しており ます。  それから、3の「今後の推進方策について」ということで、36ページの4)「協議会の取組の方 向性」で、例えば「健やか親子21」推進協議会で課題ごとに組織しております幹事会のあり方と して、例えば第1課題と第2課題の幹事会が協同で会議を開催して、それぞれの問題点を共有し てはどうかというご意見が3月1日の総会で出ましたので、36ページの一番下の行に「また、四 つの課題はライフサイクルを通じて循環しており、4課題を通じて取り組むことにより、効果が 期待できる内容があると考えられることから、例えば、課題毎に組織している幹事会を協同で開 催することも必要である」という記載を加えております。  また、37ページの「おわりに」ですけれども、このような案を事務局で作成いたしました。以 上でございます。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。ここで局長からご挨拶をいただくということで、よろしいの でしょうか。ぜひ、お願いいたします。 ○伊岐雇用均等・児童家庭局長  遅参いたしまして申し訳ございません。雇用均等・児童家庭局長の伊岐でございます。  本日をもちまして「健やか親子21」の評価等に関する検討会も5回目と伺っております。昨年 3月に第1回を開催していただきまして、これまで4回にわたり、大変お忙しい各方面の先生方 にお時間をつくっていただいてご参集いただき、きめ細かい多角的なご審議をいただいたものと 承知いたしております。本日で一応の取りまとめということでございまして、この間、本当にそ れぞれの専門分野の先生方には一方ならぬご尽力を賜りありがとうございました。特に柳澤座長 におかれましては、いろいろな取りまとめのお役目をお引き受けいただきましたことを御礼申し 上げます。  まだ少しご審議をいただくことになりますが、私はこれから国会へ出かけますので、先走った お礼を申し上げさせていただきたいと思います。本日の審議でまとめていただく報告書の内容を 参考にして、関係者の皆さまとも手を携えて「健やか親子21」を一層推進し、子どもと子育てを 応援する社会の実現に向けて、厚生労働省としても全力を挙げて取り組んでいく所存でございま す。  この「健やか親子21」は、もともと大きな国民運動という形で始まっているわけでございます が、先般も関係団体の集まりがございまして、この運動の重要性は、ますます高まってきており まして、この重要性を否定される方はどなたもいらっしゃらないのではないかと思うわけでござ います。逆にいえば注目度もますます増してまいりました。子ども・子育てビジョンも1月29日 に閣議決定されましたので、そういうことも含めて、国会でもいろいろな指標についてのご質問 をいただくようにもなっているところでございます。そういう意味では、指標の改善状況につい ても今回のまとめをしていただいたことは、私どもも大変心強く思っている次第でございます。  本当に先走った御礼のご挨拶で誠に恐縮でございますが、今後ともこの「健やか親子21」を見 守っていただき、またご指導・ご支援をいただきますようお願いいたしまして、私のご挨拶とさ せていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。局長から、新政権で国民運動「健やか親子21」がますます重 要性を増しているという、非常に心強いお言葉を賜りました。ありがとうございました。  先ほど、事務局から第2回中間評価の報告書(案)について、前回の検討会でのご意見・ご提案、 そしてまた3月1日に行われた「健やか親子21」推進協議会総会で出たさまざまな意見などを取 り入れて、かなり加筆・修正をいただいた部分についてご説明をいただいたところですが、これ から、項目ごとに区切りながら検討したいと思います。  まずは最初の表紙をめくっていただいたところですが、「目次」とIの「はじめに」というとこ ろについて、ご質問・ご意見がございますか。この辺のところは、前回の検討会から特に修正さ れたところはありません。1〜3ページまで。よろしいでしょうか。よろしければ、先へ進んでい きたいと思います。  それでは続きまして、5ページのII「第2回中間評価の方法について」、これは5ページから6 ページにわたって1「指標の評価方法について」、そして2「新たな指標と新たな目標値の設定に ついて」、3として「『健やか親子21』関係者の取組について」と項目が立っていますが、これに ついても前回の検討会で出されたものと、特に修正はされていません。よろしいでしょうか。  それでは、先に進んでいくことにいたします。次は7ページIII「第2回中間評価の結果につい て」、ここは項目ごとに分けてご意見を伺っていきたいと思います。まず1の「指標の評価」とい うところで、7ページの一番下の辺りに前回と比べて修正された部分があります。特にこのグラ フが、前回の検討会で出されたご意見に基づいて第1回の中間評価と今回の評価との間の変化を 示すグラフに改められたという説明がありましたが、いかがでしょうか。その結果として、保健 水準の指標については「良くなっている」が16項目(80%)、それから、住民自らの行動の指標に ついては「良くなっている」が、これも80%。行政・関係団体等の取組の指標については「良く なっている」が19項目、65.5%。このようなグラフが示されております。よろしいでしょうか。 このようなグラフに修正されたと。どうぞ。 ○三上委員  今のところですけれど、上二つには80%という数字が入っているのですけれども、次の65%が 入っていないのですが、これは入れなくてもよろしいですか。そろえた方がよいのではないかと 思いまして。 ○柳澤座長  グラフの方には数字が入っていますけれど、文書にはない。どうでしょうか。 ○事務局  ご指摘のように修正をさせていただきます。ありがとうございました。 ○柳澤座長  7ページの最後の行も、行政・関係団体の取組の指標29項目中「良くなっている」が19項目 (65.5%)とする。それでよろしいですね。どうもありがとうございました。  それでは、その次は第8ページの2「各指標の分析」というところです。ここの部分はかなり 長さがあって、課題1についてが8ページ、それから9ページにかけて。課題2については10ペ ージから11ページでしょうか。課題3については、12〜14ページ。課題4については15ページ からと、そのようになっております。見ていっていただいて、修正されているのは9ページの先 ほど説明いただいたところです。前回の検討会、それから推進協議会総会での意見を受けて修正 されております。どうぞ。 ○岡本委員  その9ページの上から二つの丸のところで、協議会総会でご意見があって修正されたと伺って おりますけれども、性教育の成果というのは、なかなかどのような形で証明するのかというのは 難しいですけれども、助産師が各学校等に行っている数は10年前の10倍ぐらいに達しているの です。その数は把握しています。そのようなことで、「性教育」という言葉がもし入れにくいので あれば、経口避妊薬の承認の影響「等」という言葉を入れていただけるとありがたいと思ってい ます。 ○柳澤座長  今、岡本委員からいただいた意見については、どうでしょうか、事務局。 ○事務局  性交頻度の減少や経口避妊薬の承認の影響のみではないと思いますので、「等」ということを付 け加えさせていただいて修正したいと思います。 ○柳澤座長  よろしゅうございますか。齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  各指標の分析の全体のところで、前回は申し訳ございませんが都合で参加できなかったもので すから、そのときの議論と少しずれているかもしれません。 ○柳澤座長  この部分ではないのですか。 ○齊藤委員  この各指標の分析の複数のところにかかわっています。2か所だけですが。まず、課題1の最 初に「子どもの自殺について」ということを挙げていただいたことは、心の診療をしている分野 の医師にとっては非常に重要なことでありがたいと思っています。この最後の丸のところで、「思 春期のうつ病等の精神疾患の早期発見や専門的に対応できる人材の確保が求められる」としてく れたことも、本当に我々の日ごろ考えていること、そのままです。  一つは、例えばこのようなことがあるわけです。児童精神科に、地域の中学校2年生の女子が、 死にたいと言って家庭で暴れはじめたということで、夜、緊急に受診しました。表面的にはうつ 病です。我々の地域でしたので入院させることができました。これはたぶん、これからうつ病な のか統合失調症なのかという長年にわたる治療をしながらの判別が続くと思います。このような 体制がきちんと地域にあるかどうかということは、子どもの命を守る上で本当に大事なところで ありまして、そのことが一つここで強調されたということを感謝する次第ですが、この指標が、 女子が増えているということを強調しているのに、女子のことが全く触れられていないのが少し 気になるのです。やはり従来は、女子は思春期では「死にたいと言うけれども死なない」という のが通説だったわけです。そのような傾向があったわけです。男子は「言わないけれど実際に死 ぬ」、これが若者の自殺の特徴だったのですが、女子の自殺がだんだん言うだけではなくて増えて きた。これは、おそらく女子の思春期の心の育ちが十分に守られていない何かがあると思うので、 この検討をすべきだと思います。あるいは、そのための女子の育ちが守られていない可能性を検 討する体制というのは今後必要ではないかと。この点を一つ、もし今から付け加えることができ るならということがあります。  それから、もう1点です。そういうところで、思春期のうつ病等の精神疾患の早期発見や専門 的対応とおっしゃっているこの結論において、16ページの(3)で、子どもの心の診療医について述 べた文ですが、もともと、指標が小児科医の数にあったためにこのようになったことは理解でき ますけれども、この子どもの心の診療医についての記載の二つの丸の中に、精神科医療について 全く触れられていないのは少し気になるのです。あえて言葉は出さなくてもよいのですが、最後 の丸のところで、「親子の心の問題に対応できる技術を持った小児科医と専門医療機関との紹介体 制の確立」という、この専門医療機関とは思春期精神科医療を担う機関のことと理解して良いか どうか。これだけを確かめておきたいのです。精神科医としては、非常にそこは大切なところだ と考えております。 ○柳澤座長  ありがとうございました。ただ今の齊藤委員のご意見に対して、どうでしょうか。事務局から 何かございますか。 ○事務局  まず、前段の8ページのところですけれども、齊藤委員の意に沿っているかどうかわかりませ んが、8ページの一番下、例えば、「子どもの自殺を防ぐために、引き続き」の後に、自殺が十代 で増えていることや女子の方が伸びが大きいなど、そのような要因分析というように。要因分析 という言葉の前に、具体的に入れるようなことでよろしいですか。  それから、後段の方は17ページの3行目です。専門医療機関に入っているのはもちろんですけ れども、精神科の部分もずっとこれまでも、子どもの心の診療医の関係で両方でやってきている ので、3行目のところは「小児科や精神科医と専門医療機関」という書き方の方がはっきりする のではないかと思いますけれども、そのようなことでよろしいでしょうか。 ○柳澤座長  齊藤委員、よろしいでしょうか。 ○齊藤委員  結構です。よくわかりました。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。めくっていただいて、9ページ、10ページ。その辺も修正が 加えられておりますが、どなたかご意見ございませんでしょうか。どうぞ、迫委員。 ○迫委員  10ページのところで、思春期やせ症について記載を移動していただいたことを大変ありがたく 思っております。学校保健から、そのような思春期にかかわるところできちんとした対策が打ち 出されるためには、ここにきちんと書き込こまれることが大変重要だと思っておりまして、その ようなことでご意見を申し上げまして、このように書き込んでいただいたということに感謝申し 上げます。  もう1点、少し触れさせていただくと、小児肥満の関係が少し埋没してしまった感じが。逆に 一つ、思春期やせが表に出たために、小児肥満の対策の部分が埋没してしまったような気がして おり、この辺を別立てにした方が良いのかどうか、少し今悩んでいるところでございます。 ○柳澤座長  今の迫委員からのご意見に対しては、どうでしょうか。  肥満に関しては、スタートの時点から増えていることが、確か第1回の中間評価で指摘されて いましたか。 ○事務局  小児肥満については指標に入っていまして、課題1の指標として、児童・生徒における肥満児 の割合ということで、第1回の中間評価から入っております。そのときは肥満児の割合が10.4% だったのですけれども、今回の直近値で9.6%ということで、目標の減少傾向にはわずかながらで すけれども沿っているということで、特に事務局としては報告書には記載しなかったというのが 理由であります。 ○迫委員  その辺はわかるのですが、9.6%というこの数字で、これで善しという感じも、また。もう少し 下がってもよいところまでは対策として明らかにしておいた方が良いのではないかという気はし ております。ここの中でも最初の丸の中で両方とも書き込んでいただいていますので、このまま でも結構ですが、もし可能であれば丸を一つ、小児肥満だけを分離していただいて「改善傾向で あるが引き続き重要である」という書きぶりが可能かどうかというところでご検討いただければ と思います。 ○柳澤座長  10ページの(4)の最初の丸で「肥満対策と同様に」という触れ方はされていますけれど、それに ついて事務局で検討させていただきます。どうもありがとうございました。 ○今村委員  小児科の先生に少し教えていただきたいのですけれども、この思春期やせ症というのは、神経 性食欲不振症と同じものと考えてよろしいのかということです。私どもは、ずっと昔ですけれど も、神経性食欲不振症というこの病名は食思不振症という言い方をして、食欲不振症という書き ぶりではなかったと思いますけれども、今はこのような病名ということで理解してよろしいので すか。 ○柳澤座長  小児科医に対するご質問ですけれど、私自身は思春期やせ症という、病気としての病名と神経 性食欲不振症とは同義であると解釈しています。確かにanorexia nervosaに対して、神経性食思 不振症という言葉が以前はもちろん使われていましたけれど、一番確実に確認するのは医師国家 試験のガイドラインですが、それで確認する必要はあると思いますが、神経性食欲不振症に変わ っている可能性はあります。あと、他の一般的な小児科の教科書でも、これは確認させていただ ければと思います。あと、ここに出てくる、もう一つの不健康やせ。これは、必ずしも病名とは いえないと思います。どうぞ。 ○齊藤委員  精神科医がその辺の定義をやっておりますので、一言だけ。食欲・食思、これは両方とも最近 では使われているようです。ただし、DSNやICDの日本語での訳は、確かまだ食思不振症にな っているのではないかと思います。それから、拒食症というのは基本的には俗語だと思います。 ところが、この神経やせ症・拒食症というのは、過食症の方が病理を明確に言っているのですね。 このanorexia nervosaの子どもたちは食欲があっても少しも不思議ではないのです。そういうこ とからすると、拒食症も捨て難いなと思っているところですが、これは俗語です。思春期やせ症 は、anorexia nervosaのこと、そのものだと思います。 ○柳澤座長  よろしゅうございますか。その辺の言葉に関しては、ICDの疾病分類、あれもまた変わります けれど、医師国家試験のガイドラインや一般的な教科書など、その辺を確認していただきたいと 思います。  先に進んで、12ページ、13ページ、その辺のところもずっと見ていっていただきたいと思いま す。14ページ、15ページ、16ページ、ここにまた修正がかなりたくさん加わっています。 ○桑原委員  後から申し上げて申し訳ないのですが、13ページの一番上の丸の文章が「休日・夜間の小児救 急医療機関を知っている親の割合の目標である100%の達成が困難な背景として」と、書いてあ りますね。そして、小児救急電話相談所(#8000)の利用やインターネットで医療機関を検索してす ぐ受診等ができること。これは、困難な背景と読めるのですが、ここは文章がおかしいのではな いですか。 ○柳澤座長  13ページの2番目の丸ですね。2番目というか、こちらの丸。「休日・夜間の小児救急医療機関 を知っている親の割合」、そこについて。 ○桑原委員  そうです。最後の「休日・夜間の小児救急医療機関が近くにない地域があること」、これは背景 としてはよいかもしれません。小児救急電話相談(#8000)が、100%達成に困難な背景としてある わけではない。 ○柳澤座長  今、桑原委員がおっしゃっていることは、休日・夜間の小児救急医療機関を知っている親の割 合の目標である100%の達成が困難な背景として、小児救急電話相談所(#8000)の利用、それから インターネットで医療機関を探索してすぐ受診することができることや、休日・夜間の小児救急 医療機関が近くにない地域があること。これは、近くにない地域ということでよろしいわけです か。その上の論理が少し矛盾していると、そのような意見ですね。 ○桑原委員  はい。気持ちはわかりますけれど。 ○柳澤座長  小児救急電話相談(#8000)の利用が十分ではない、インターネットで医療機関を探索してすぐに 受診することがまだ必ずしもできていない、そのようなことですね。 ○桑原委員  はい。それが原因だということです。 ○柳澤座長  そのような意味ではないかと。 ○事務局  すみません。ここは、少し文書がよくできていないかもしれません。分析のところの思いは、 小児救急電話相談所(#8000)やインターネットですぐに検索ができるから小児の救急医療機関は 知らなくてもよいという人がいるという、そのような意味です。少し文章は確かにこなれていな いのですけれども、背景要因としてこのようなことがあるのではないかということです。 ○柳澤座長  事務局のご説明を伺えば、そのようなこともわかりますけれども、しかし桑原委員が取られた 取り方もできると思いますので、ここは少し工夫していただければと思います。よろしいでしょ うか。 ○奥山委員  地域の方から見ていますと、まだまだ行政側の広報活動が足りていないような気もしておりま す。やはり、わかる人はわかっていらっしゃるかもしれないのですが、地元の救急体制というこ とを知っていなくてはいけないと思いますので、地元自治体の広報活動が必要だと思っておりま す。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。どうぞ。 ○岡本委員  少し戻るのですが、11ページの丸の三つ目の医師と助産師の確保対策に関連したところです。 医師につきましては、医療機関内の産科医の処遇改善ということが織り込まれておりますけれど も、ぜひ助産師につきましても、医療機関における助産師の処遇改善を入れていただけたらと思 っています。助産師業務に従事する助産師の確保の後のところで入れていただけたらありがたい と思います。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。その件も、また事務局で検討、何かありますか。 ○事務局  事実を確認させていただいて。できればそのような資料をいただいて確認ができれば、加える ようにはしたいと思います。 ○柳澤座長  今、ご意見を伺っているところは18ページまでですが、よろしいでしょうか。どうぞ。 ○衞藤委員  内容というよりも表現の問題ですけれども、16ページの二つ目の丸の青く変更したところの下 から3行目に「NPO等」とあります。日本では「NPO法人」という、法人が付いている表現で はないかと思います。それ以降もたくさん出てくるのですが、それはどうか教えていただければ と思います。 ○奥山委員  NPO法人です。この場合の「NPO等」には、法人格を持たないボランタリーな団体も含まれ るのではないかと思います。こちらについては、NPOや市民活動団体と表現する場合もあり、支 援組織をどのように入れるかということも含めて、用語については私もどのようにしようかと迷 っておりました。もう少し整理をして、どの範囲まで入れるかということを確認した方がよろし いかと思います。 ○柳澤座長  その点についていかがでしょうか、事務局。 ○事務局  確認しますけれど、ただNPOというのは他の政府の中のいろいろな書き物などでも、法人を付 けないで使われていると思います。またご指摘がありました「等」と書く前にボランティアなど、 そのようなものを入れるかどうかというのは検討させていただければと思います。 ○森田委員  質問ですけれども、10ページの頭の十代の喫煙率のところで、子どものための卒煙外来の紹介 等が求められているところが入っているのですけれども、この中ではあまり答弁はされていない のですが、非常に大事なところではあると思います。子どものための卒煙外来の実態というか、 これがあらためて出てきたところで、そのような受け皿がある中で紹介を積極的にしていくとい うことで出てきているのか、それともこのような子どものための、例えば小児科やそのようなこ とも含めたところでの卒煙外来の普及ということを求めていきたいのか、その辺を教えていただ ければと思います。 ○柳澤座長  どうでしょうか。今おっしゃった点では、私は両方だと思います。 ○事務局  事務局としても、禁煙治療外来が、ざっとですけれども全国で数か所しかない状況ですので、 まず普及が必要だと思います。普及が必要との文書になるように検討はさせていただきます。 ○柳澤座長  よろしいでしょうか。さまざまなご意見をいただきましたが、これらについて事務局でも、こ れから文書などを検討していただきたいと思います。時間が非常に限られておりますので、先に 進みたいと思います。  18ページ、第2回中間評価の結果についての3として「健やか親子21」関係者の目標達成に向 けた取組状況の評価について22ページまでありますが、この部分については修正されているとこ ろはあまりなくて、22ページの最後のところに1行加筆されているということで、この部分はい かがでしょうか。  もしよろしければ、続いてIVの「今後の取組について」。これも、範囲が広くて所々に青字で修 正がされております。 ○今村委員  1、2、3、4、どれでもよいのですか。課題2の26ページのところで、国の取組ということが あり、そこに助産師の養成ということがございます。これについて、非常に助産師不足というの は産科医療機関にとって深刻な問題です。実際には、幾つかの医師会において助産師の養成を今 やり始めたところなのです。ただ、これには、非常にやはり資金といいますか、養成するための お金が掛かるということで、実際には会員の持ち出し、そのようなことで養成機関をつくってい るという状況があるのです。もともとは、これこそが国と書いてあるように国がやらなければい けないことですので、国自らが助産師養成が不十分であるということであれば、民間がやってい るそのようなものに、やはり会員の持ち出しというところまではさせないで資金的な面倒を見る ということはやっていただくと。要するに補助金の問題ですね。  それからもう一つ、女性医師の離職防止、復職支援というものがございます。これも厚生労働 省からの委託事業として、日本医師会が女性医師バンクというものをやっております。大体、就 業実績は3年間で200人ぐらいの復職といいますか、そういうものがあるのですけれども、これ を国がこのようにしてやるということは重要です。そして、効率的な運用ということで多分委託 しているのだろうと思います。これが、今度の事業仕分けで、一律予算2割カットということが 出てきたのです。事業仕分けというのは非常に難しいのでしょうけれども、国がこのようなこと を謳いながら一方では事業仕分けで有無を言わせず2割カットというような姿勢というのは、や はりどこか少しおかしいのではないかと思いますので、厚生労働省の担当課におかれましては、 そのようなこともおっしゃっていただければと思います。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。この件に関して、何か他にご意見がございますでしょうか。 どうぞ、岡本委員。 ○岡本委員  今、今村委員がおっしゃいました医師会等がつくってくださっている助産師の教育機関は、今 の国の補助金だけでは本当にやっていけない実情を私も見聞きしていますので、今後、積極的に 推進していただきたいと思います。 ○柳澤座長  おっしゃっていることは非常に重要だと認識しますが、この「健やか親子21」 の中間評価にど のように取り入れるかに関して、もし何かご意見があれば。 ○事務局  ご要望があったということで、担当の部局に伝えさせていただきます。 ○柳澤座長  他に、ございますでしょうか。どうぞ。 ○桑原委員  28ページですが、課題3の国の取組の中で、「予防接種に関する普及啓発・パンフレット等の 作成」とありますが、今ようやく国でも将来の日本の国の予防接種体制についてのあり方を検討 する委員会が出来始めていまして、今、作成中だそうですが、現在、定期予防接種の場合は、地 方自治体が無料の接種券を出して、それを母子手帳の中に入れて、そして子どもたちはその切符 を持って医療機関に行って予防接種をしてもらっているのが事実ですが、その中で地方自治体が 発行する接種券は、その地方自治体でだけしか有効ではないということがありまして、川向こう の医療機関には、こちらの町の医療機関や町の住民が行っても接種券を利用できないところもあ るわけです。これがもっと大きくなると、県境の向こう側のかかりつけの小児科医の先生にも接 種券が使えないということもありまして、今私たち日本小児科医会では広域予防接種体制の整備 を取り上げて調査を行っていますが、平成21年3月の時点の調査で県内だけで広域予防接種体制 ができているのが28都道府県しかないわけです。あとは県内でも自治体によって予防接種券が使 えない場所がたくさんあるのです。それはなぜかというと、接種券が住んでいる地方自治体で発 行されているという問題ですから、これが国のどこに行っても、例えば里帰りした実家のところ でも予防接種ができるような体制にするには、国が呼びかけて全国統一の予防接種券を作らなけ ればいけないと思いますので、この辺を何か書き込んでいただければと思っています。よろしく お願いします。 ○柳澤座長  予防接種に関して自治体ごとのという状況があるわけですが、全国的に予防接種の券が使える ような体制にしてほしい。国としての制度の問題ですが、どうでしょうか。事務局から何かあり ますか。 ○事務局  ここの具体的な取り組み方策の例ということで、具体的なそれぞれの立場からそれぞれが取り 組めるような施策を例示しているところで、このようなご要望があったことについては、健康局 が担当ですので、そちらにお伝えしますが、今後、国の制度としてのメリットデメリットについ て十分に検討が必要で、具体的な施策の例として書くのは難しいと感じています。 ○衞藤委員  文言の問題ですが、26ページの表の下から2行目です。専門団体の育児期の母親の健康づくり のための情報提供ということで、「健康診断の受診等」ということがありますが、健康診断という ものは法律でいうと、学校保健安全法や労働安全衛生法が出てきて、母子保健法では健康診査と いう言葉ですが、ここは健診を受けるという意味合いですので、適当な文言に変えていただいた らどうかと思います。 ○柳澤座長  これも、どうでしょうか。乳幼児の場合には確かに正式な呼び方は健康診査です。妊産婦につ いても、ということですか。これも言葉の問題です。 ○事務局  これは一般的な健康診断という書き方ですが、もしそのようなことでいろいろ問題にされるの であれば、「健診」と略して書いても全然問題はないと思いますので、事務局で整理させていただ きます。 ○柳澤座長  ここで言っているのは母親の健康診断、健康診査です。言葉遣いが問題であればただ「健診」 とする。現在「今後の取組について」ということで、今後充実すべき具体的な取組方策の例とし て挙げられていることについて、いろいろご意見をいただいています。 ○齊藤委員  言わずもがなで少し迷っているのですが、実は25ページの課題1に対する国の取組というとこ ろで、「国立成育医療センターにおける児童思春期精神科の充実」という項目が、国立成育医療セ ンターに充実していただくのはとてもありがたいのですが、ただ、そのように規定されてしまう と、国の独立行政法人化する医療研究センターの幾つかが児童精神科に取り組んでいますので、 国立成育医療センターだけがというのはとても気になるのです。今後の我々の別のセンターの活 動について何か規定されるようで、書かなければいけないのであれば、あえて反対はしません。  といいますのは、これは率直に申し上げて国立成育医療センターにおける心の医療は、間違い なく小児科モデルの医療です。精神病床でやっていません。他のセンターでは一部ですが、精神 病床としてやっている精神科モデルの子どもの心の医療があります。これら2つのモデルはどち らも国のモデルとして両立していかないと、子どもの心の診療医が拡大していかないことは明ら かですので、このように書かれてしまうと少しつらいという気持ちが他ののセンターの方にはあ ります。余計なことかもしれませんが、すみません。 ○柳澤座長  ありがとうございました。今、齊藤委員がおっしゃったことは、座長の個人的な意見としても 非常にもっともであると思います。ここに国立成育医療センターが特に取り上げられているのは、 この「健やか親子21」がスタートしたのは、国立成育医療センターが開院する前で、そこでの取 組というのは、ここだけではなくて幾つか出てきます。そのようなことがそのまま取組として記 載として残っているという状況で、まだ国の取組の例としてこういうものがそのまま記載してお いた方が良いかどうかは議論のあるところだと思います。そこは座長ではありますが、個人的な 見解として申し上げました。どうぞ。 ○渡辺委員  1点だけですが、この課題2の辺りをずっと先ほどから目を通しているのですが、27ページ辺 りになってくると、産後うつのことであったり、心のケア、メンタルヘルスという言葉が出てき ますが、私は児童福祉をやっていますが、一つは現場とのかかわりの中でいうと、母親たちのメ ンタルヘルス上の問題ということと関連して、今はDVの問題が非常に大きくなってきていると 思います。要はここで言うメンタルヘルスというのは、産後うつだけではなくて、配偶者間の暴 力によって、かなり母親が厳しい状況に置かれていて、それがもちろん子どもにも影響を与える ことがたくさん起こってきていますので、実際に母子生活支援施設の入所者の半分はDVによる 理由で入っているということもあって、ぜひ、ここのどこかにDVという課題への対応。そこで の母子保健の役割というか児童福祉との連携も含めて、そういったことはこれからも現場の中で 大きな課題になってくると思いますので、何らかの形でお含みいただければと思います。 ○柳澤座長  今、渡辺委員から母子保健の課題としてのDVということを取り上げられるべきではないかと いうご意見をいただきましたが、それについては何かありますか。よろしいでしょうか。 ○事務局  DVと妊娠・出産に関する安全性・快適性の確保との関連があるのかどうか精査させていただい て、書けるかどうかを検討させていただきたいと思います。 ○渡辺委員  保健師がかかわりを持つ中で、初めはメンタルヘルスや子どもの虐待の問題から入ったけれど も、その背景にDVが見えてくるということが起こってきていると思いますので、そのような点 で他職種との連携の必要性などの含みで、どこでもよいのですが関連するところに入れていただ けたらと思っています。 ○柳澤座長  他にございますでしょうか。ずっとページをめくっていただきますと、33ページの一番下のと ころに「今後5年間の重点取組について」とありますが、これは最後の部分ですが、今後の取組に ついての2として「今後5年間の重点取組について」に進みたいと思います。この部分については どうでしょうか。 ○岡本委員  34ページの2)の産婦人科医師、助産師、新生児科医師等の人材の確保のところですが、先ほど のところは産科医と助産師だけのところだったので、助産師の処遇改善ということを言わせてい ただいたのですが、ここのところも周産期の懇談会でもかなり話題になりましたが、もちろん産 科医も助産師も足りないのですが、新生児科医やそれを担っているNICUの看護師など周産期を 担う医療の人材を確保するには、処遇改善が課題であるということを、最後でも構わないので、 「また、産科医療、周産期医療を担う人材の処遇改善も課題である」ということを付け加えてい ただけたらと思います。 ○柳澤座長  他に、ございますでしょうか。桑原委員。 ○桑原委員  32ページですが、行政・関係団体等の取組の指標というところの3-19、この真ん中の数値に比 べて目標値が下がっているのですが、これはよろしいのですか。直近値だからよいのか。55%と いうのは。 ○柳澤座長  32ページの3-19事故防止対策を実施している市町村の割合。ここですね。 ○桑原委員  そうです。3-19です。数値が55%。2014年が50%。 ○事務局  ここにつきましては、市町村と政令市と合わせた形で55%ということを考えていまして、政令 市から見ると下がっているように見えてしまいます。ここは誤解を招くところですので、割合の 数値について自治体全部を母数にしていることを明記したいと思います。 ○柳澤座長  真ん中の欄の直近値は市町村と政令市を分けてある。2014年の目標については、それをまとめ た数値としてあるので、政令市から見ると少し下がっているように見える。 ○桑原委員  わかりました。 ○柳澤座長  この点を誤解のないようにするためにはどうすればよいかを考えて。  山縣委員はよろしいでしょうか。ずっといって「今後の推進方策について」というのが35ペー ジの後半のところに出てきますが、これについてはいかがでしょうか。その部分では協議会の取 組の方向性というところに加筆・修正が行われるということが先ほど説明されたところです。  大体これで「おわりに」というところはまだ残っていますが、第2回の中間評価の報告書の全体 にわたって、部分部分を区切っていきながら、いろいろなご意見をいただいたところです。この 報告書案については以上のとおりで、今日いただいた意見をどのように取り上げるか。その辺に ついては事務局でも検討していただきたいと思いますが、全体を通じてさらにお気付きの点など がありますでしょうか。田中委員。 ○田中委員  委員の田中です。多分発言していないのは私だけだと思いますので発言させていただきますが、 ちょうど私は課題2のところを担当しておりますので、今村委員や岡本委員から話が出ましたが、 「産科医の処遇改善」とよく書いていますが、恐らく一般的に見ると産婦人科の医師の給料を増 やせということなのかと、話を聞きますと単純に皆さんよく取るのです。決してそういうことで はなくて、処遇改善は自分の病院でやっているのはできるだけ雑用を減らす。分娩があればいろ いろと書かなければいけない。都に毎月の件数を報告をしなければいけない。そのようなことを やっていただく医療事務。それを産婦人科に特化した医療事務要員をかなり他の部署よりも増や すとか、そのようなことで実際に医師・助産師が本当にやらなければいけないことに集中させる。 それで大分医局員は楽になったと言っていますので、もし具体策をといわれた場合は、給料を増 やすというのは非常に小児科や麻酔科と絡みますから、できない。そのような労力の軽減策。こ れも実際に自治体はやっているのですが、それを強く打ち出していただくと病院の執行部として は公認しなさいと病院に今度は言いやすいというところがあるので、もし具体策をといわれたら そのようなことを。先ほど予防接種の件もありましたが、これはまた別で公費負担ということで、 国としては妊婦健診もありますので、一番近い診療所は行政が違うから駄目だというのは、妊婦 自身も公平感がなくなりますので、これは国の政策としてできるだけ考えていただければと思い ます。以上です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。田中委員から医療従事者の処遇改善ということに関して大変 重要な指摘があったと思います。他に、全体を通じて特にまだ今日ご発言をいただいていない委 員の方。あるいはもう一言というご意見のある方には、ご発言いただきたいと思います。いかが でしょうか。山縣委員から、今の中間評価の報告書全体を皆さんにご議論いただいたのをお聞き になった上で、全体的なコメントはありますでしょうか。 ○山縣委員  では簡単に。今回は7割以上が前回の中間評価よりも指標は良くなっていたということで、前 回の中間評価のときも同じくらい良くなっていたということで、いわゆる母子保健の水準、少な くともここに挙げている指標については、皆さまの努力で、また市民の努力で改善しているとい うことですが、一方で虐待の問題や母子保健にかかわる困難事例数といったようなものは現場と しては増えていて、そこにかかる労力はかなり増えている。よって地域の中、医療機関などで母 子保健にかかわる人たちは、かなり疲弊しているということも現状にあって、そのように数値で 現状を見ることと同時に、現場にあるいろいろな問題点をどのように解決していくか、またそれ をどうやって共有していくかということは、中間評価をやっていて非常に大きな課題として上が ってきました。なるべく私どもは研究として、そういった現場の実態を客観的な数値なり表現を 使って表せるようなことを開発していかなければいけないということも新たに思った次第です。  それに加えて、こういった日常的に必要な、母子保健活動に必要な情報が、健康診断や日常の 業務の中で日々得られているものですので、それをリアルタイムに活用できる仕組みを構築する。 この中にも書き込まれていますが、それを早急に実現していくようにできればと思いました。以 上です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。他に、全体を通じて何かご意見・ご質問がありましたら。ご 質問というよりもご意見がありましたら、ぜひ承りたいと思います。よろしゅうございますか。 大変活溌なご意見をそれぞれの委員の方からいただきました。ありがとうございました。  それでは本日いただいたご意見については、ひとまず座長預かりということにさせていただき まして、今後、事務局とも相談しながらさらに修正を行い、委員の先生には再度ご確認をいただ い後に決定、公表とさせていただきたいと思います。そのような扱いをすることについて、ご了 解・ご了承をいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり) ○柳澤座長  どうもありがとうございました。  また、今回評価ができなかった項目については、そういうものもあるわけですが、データ等が 取りまとまったときなどに評価していただくように事務局にお願いをしておきたいと思います。  それでは、私が進行役を務めさせていただいた分に関しては以上で終わりにさせていただいて、 事務局にお返しいたします。 ○事務局  柳澤座長をはじめ委員の先生方におかれましては、1年間にわたり本当にありがとうございま した。ご指示のありました評価につきましては、調査の結果が公表された段階でも、対応を検討 させていただきたいと思います。  最後に、香取大臣官房審議官より、ご挨拶申し上げます。 ○香取審議官  審議官の香取でございます。「健やか親子21」の評価等に関する検討会の閉会に当たりまして、 一言ご挨拶申し上げます。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうござい ました。貴重なご意見をいただきました。感謝いたします。あいにく本日は参議院の予算委員会 の審議、それからこの内閣の最大の施策の柱になっております子ども手当法案の審議がちょうど 今かかっていまして、局長も私も通して出席することができませんで、入れ替わりのような形で 中座いたしまして、大変失礼いたしました。お詫びを申し上げます。  この検討会は、ご案内のように昨年3月から5回にわたって検討させていただきました。私ど もの内部でも、少子化に係るさまざまな計画の目標と並ぶ大きな課題ということで、ずっと議論 してきたものですが、本日このような形で概ね中間評価報告の取りまとめの形がつくられたとい うことで、この間ご尽力いただきました柳澤座長をはじめ委員の皆さま方には深く感謝をしたい と思っております。  新政権でも今後は少子化対策、子ども子育て対策という言葉をこの内閣は使っていますが、大 変大きなテーマになって、これからも施策に取り組んでいくことになります。先に少子化対策基 本法ができています。それから次世代育成対策推進法もできていますし、新しい子ども子育ての 制度づくりという作業も、内閣府を中心に政府全体で始まっているところです。そういった中で、 計画期間の延長の問題でありますとか指標の見直し、あるいは平成26年度に向けて今後取り組む べき課題等の中身を明確に示していただいたということで大変感謝をしております。私ども厚生 労働省としましても今回のご指摘を踏まえまして、大変財政状況も厳しくて、先ほど補助金など のご指摘もありましたけれども、最大限これからも努力をしていきたいと考えていまして、子ど もあるいは子どもの育ちを支援していけるような社会をつくっていくことに、できるだけ努力を していきたいと思っております。委員の皆さま方には今後とも引き続きご指導を賜りますよう、 あらためてお願い申し上げまして、事務局側を代表しましてお礼の挨拶とさせていただきます。 どうもありがとうございました。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。 ○事務局  それでは、これをもちまして、第5回「健やか親子21」の評価等に関する検討会を閉会いたし ます。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省 雇用均等・児童家庭局  母子保健課 山口 内線 7940