10/03/04 第3回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会議事録 独立行政法人評価委員会 高度専門医療研究部会(第3回) 開催日時: 平成22年3月4日(木) 10:00〜12:25 開催場所: 専用第21会議室 出席者: 猿田部会長代理、内山委員、祖父江委員、花井委員、本田委員、三好委員、和田委員 ○猿田部会長代理  定刻になりましたので、ただいまより「独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会」第3回の会 議を始めさせていただきます。私は、前回の第2回の会議はほかの会と重なってしまいましたので欠席 させていただきました。本日は、永井部会長がどうしてもほかの会議と重なっているということでご 欠席ですので、私が代わりを務めさせていただきます。本日の出席状況ですが、夏目委員がご欠席で す。配付資料については大丈夫ですね。 ○政策評価官室長補佐  その場で、もしないようでしたらおっしゃっていただければと思います。 ○猿田部会長代理  委員の先生方におかれましては、第1回、第2回と中期計画/中期目標をいろいろ議論していただき まして、その2回分のまとめに関しては最終的に永井先生がもう少しまとめて、また皆様にお諮りする ということです。本日は、それを少し進めた形の第3回ということで、業務方法のこと、これからのお 金の問題、特に長期借入金をどうしたらいいかということに関するものです。早速議事に従い、1番目 に、国立高度専門医療研究センターの業務方法書(案)について説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  独立行政法人の業務方法書についてご説明いたします。業務方法書は、法人の具体的な業務の方法 の要領を記載した書類となっております。法人が作成し、厚生労働大臣の認可が必要となっておりま す。その認可に当たっては、独立行政法人通則法第28条第3項の規定に基づいて、この評価委員会の 意見を聞くこととされております。 ○猿田部会長代理  それでは、この業務方法書(案)について、所管課より説明をお願いいたします。 ○医政局政策医療課長補佐  それでは、国立高度専門医療研究センターの業務方法書(案)についてご説明いたします。資料1 「国立高度専門医療研究センターの業務方法書(案)」のいちばん最後に、業務方法書(案)の各セ ンターが横並びで付いている資料がありますので、こちらのほうでご説明させていただきます。  各センター横並びになっておりますが、基本的な構成は各センターとも同じ状況です。目次のとこ ろを見ますと第1章「総則」、第2章「業務の方法に関する事項」、第3章「業務の委託に関する基 準」、第4章「契約に関する基本的事項」という構成になっております。各センターで違いがあるとこ ろは、その都度ご説明させていただきます。  第1章「総則」の目的のところですが、業務方法書は先ほど説明があったとおり、通則法第28条第 1項の規定に基づいて、各センターの業務の方法について基本的事項を定め、その業務の適正かつ効率 的な運営に資することを目的としたものになっております。業務の執行については、センターの業務 は、通則法の高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律(NC法)、その他関係法 令のほかにこの業務方法書に定めるところにより行うことになっております。運営の基本方針が第3条 に書かれていて、厚生労働大臣から指示された中期目標に基づいて、業務の適正かつ効率的な運営に 努めるというのが基本方針として位置づけられています。  業務の方法に関する事項は、センターの行う業務という形で、ここが各センターで多少書き方が変 わってきます。基本的にはNC法第13〜18条の規定なり、それぞれのセンターの業務規程が書かれてい る部分の条文に基づいて次の業務を行うという形になっております。国立がん研究センターであれば がん、国立循環器病研究センターであれば循環器の医療に関する調査研究、国立精神・神経医療研究 センターにおいては精神・神経疾患、国立国際医療研究センターについては感染症等です。国立国際 医療研究センターは、その疾患に加えて、看護師の養成の部分も加えられています。国立成育医療研 究センターについては、成育についての疾患等。国立長寿医療研究センターについては、加齢に伴っ て生ずる心身の変化等に関する調査研究等の業務を行う形になっております。基本的には、NC法の規 程に基づいた業務ということで整理しております。  そこの第2項は、それらの業務に係る部分ですが、業務の遂行に支障のない範囲で、その建物の一部、 設備等をセンターに勤務しない医師、歯科医師その他の医療関係者の診療や研究に従事するために利 用させることができるという規定が置いてあります。ここは、共同研究等を行う上で、センターの職 員以外の人にも建物等の利用をさせるという規定を盛り込んでいます。  第5条の緊急時の厚生労働大臣の要求として、業務のうち必要な、厚生労働大臣が求めるときには、 正当な理由がない限り、その求めに応じて、当該業務を実施することができるという規定があります。  業務の委託に関する基準です。センターが自主的に業務を行っていくのが基本ですが、ほかに委託 して実施することが効率的であると認められる業務については、その一部を委託することができると いう規定になっております。委託に当たって、委託先の選定にあっては、受託の実績や財務内容等を 勘案し、委託費の縮減にも十分配慮した上で選定するということ。3点目は、委託をしようとするとき にはきちんと契約を結ぶ、という委託に関する基準を定めています。  第4章「契約に関する基本的な事項」です。調達契約に関する基本的事項として、売買等の契約に関 しては、競争入札を実施するなど、品質の向上、経費の縮減に十分配慮した方法による。併せて、契 約過程の透明化・効率化の向上。不正行為を防止するための必要な措置を構ずる。第8条で契約の特例 を定めております。マラケシュで作成された政府調達に関する協定というのがあります。具体的に申 し上げますと、調達手続に関する国際的ルールで、WTOの枠組みの中で運用されている政府調達に関す る協定という形になります。この協定を実施するために、センターの締結する契約のうち、協定の適 用を受けるもの、一定の基準額以上の商品の購入や役務の契約については、その取扱いについては別 に定め、特例として契約をしていきます。  最後に会計規程の委任です。この業務方法書に定めるもののほかの契約の方法、その他センターが 契約に関して必要な事項として、通則法第49条の規定、これは会計規程を定めておりますが、会計規 程を定めておくことになります。簡単ではありますが、業務方法書(案)についての説明は以上です。 ○猿田部会長代理  総括的な説明がありましたが、ここまでのところでご意見、ご質問がありましたらお願いいたしま す。 ○三好委員  会計については会計監査という定めがありますが、業務監査については特別の定めがあるのですか。 民間では大体会計監査と業務監査はペアになってやることになっています。 ○医政局政策医療課長補佐  会計規程の中で、当然契約も含め、内部監査も含めてやります。その内部監査の中の1つに業務監査 的なものも含まれる形になっております。併せて監事という職の方もおりますので、その中で評価を していきます。 ○猿田部会長代理  特殊なフォームがあるということではないのですか。 ○医政局政策医療課長補佐  会計規程の中の下部の規程に、そういう規定の類を用意してあります。 ○猿田部会長代理  6センターに関しての特別なものはないですね。 ○医政局政策医療課長補佐  業務規程のところで、各センターの業務が、がんセンターならがんに関するものであるとか、そう いうところだけになります。 ○猿田部会長代理  委員の先生方には各担当のところがありますが、私の場合にはがんセンターということで、がんの ことに関してになります。 ○祖父江委員  いま中期目標/中期計画を少し……。そうすると、それに連動してセンターの業務の内容が多少ず れてくる可能性もあります。これまでで、こういう文言で収めてしまいますか。 ○医政局政策医療課長補佐  ここの業務規程は、NC法の業務規定をそのまま記載しているような形を採っておりますので、中期 目標/中期計画もその枠の中になっているような形になっていますので、大きく変わることはないと 思っています。 ○祖父江委員  この文言自体を変えることはないのですか。 ○医政局政策医療課長  業務方法書は、法律の文言をそのまま引っ張っておりますので、中期目標の書き方によって変わる ことはないです。 ○祖父江委員  この前議論した内容とちょっと、非常に一般的な書き方をしているという感じがしました。これを 見ただけでは、中期目標/中期計画がなかなかイメージできない書き方になっています。 ○猿田部会長代理  そうなのです。 ○和田委員  私も第9条で、会計規程のイメージということで、「この章に定めるもののほか、契約の方法その他 のセンターが行う契約に関して必要な事項は、通則法第49条の規定による規定で定める」ということ で、業務方法書からこの会計規程とのつながりなのですが、会計規程は整備がされているのでしょう か。 ○医政局政策医療課長補佐  実務的には、会計規程のほうは整備しております。会計規程そのものは通則法第49条で、業務開始 の際に規程を定めて主務大臣に届け、併せて公表という形になっております。要は4月1日に会計規程 をきちんと理事長名で定めた上で公表することになっております。 ○和田委員  その会計規程というのは、別に改めて業務方法書では会計という大事な事項について、全部会計規 程のほうに引用をしてしまったと。その会計規程を審議することはしないでもよろしいのですか。 ○医政局政策医療課長補佐  業務方法書に引用されるということで、部会のご理解をいただいた形で会計規程を別に定めます。 ○花井委員  非常に形式的かつ実務的な文章のように思います。基本的に業務方法書において、第4条で行う業務 については、NC法第13条以降の各条文をそのまま写しているということですね。書きぶりの問題かも しれませんが、国立国際医療研究センターに関しては、業務方法書のほうでは「感染症等に係る医 療」と書いてあって、もともとのNC法では「感染症その他の疾患に係る医療に関し調査を」云々と書 いてあります。なんとなく力感としては業務方法書のほうでは感染症が主だよと読めなくもないので すが、そういう作為は特になく、「その他等」でまとめたという理解でよろしいのですか。 ○医政局政策医療課長補佐  はい、そうです。 ○花井委員  普通で考えると、これを読み下すと「感染症等」となると感染症が主で、それに関連するというイ メージに思います。ところがNC法では「その他の疾患」と明確に書いてあるから、ほかの病気もやる のねということが明確な気がするのです。 ○医政局政策医療課長  これは、法律どおり書いたほうがいいのではないですか。 ○医政局政策医療課長補佐  はい、わかりました。 ○花井委員  何か意図があるかどうかだけ。 ○医政局政策医療課長  意図はありません。法律の規定に沿って書き直したいと思います。 ○医政局政策医療課長補佐  修正させていただきます。 ○猿田部会長代理  あまり大きな問題はないということであれば、この形だとほかに意見はないですね。よろしければ、 これでお認めいただいたことにいたします。これは、厚生労働大臣のほうに戻すのですね。 ○医政局政策医療課長  はい。 ○猿田部会長代理  そういうことで、ここのところはお認めいただいたということで、ほとんど訂正なしということで 厚生労働大臣のほうにお伝えさせていただきます。もし後で問題がありましたら、私のほうにご一任 いただければ、本部と連絡を取らせていただいて報告をさせていただきます。次に、議題2の「国立高 度専門医療研究センターの長期借入金計画(案)及び償還計画(案)」について説明をお願いいたし ます。 ○政策評価官室長補佐  参考資料2「長期借入金等関係法令」を付けさせていただきました。独立行政法人は、独立行政法人 通則法により、個別法に別段の定めがある場合を除くほか、長期借入金及び債券発行することができ ないとされております。ここの高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律の第二 十一条で、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又はこのセンターの名を冠する債券を発 行することができるとなっております。この際、第2項で長期借入金又は償還に充てるための債券を発 行することができる。その場合には厚生労働大臣の認可を受けなければならないということになって おります。第3項でも、認可をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省独立行政法人評価委員会 の意見を聴かなければならない。  第二十三条に償還計画があります。この場合も長期借入金及び債券の償還計画を立てて、大臣の認 可を受ける。その大臣の認可を受けるときには、あらかじめこの部会の意見を聴かなければならない ことになっております。  このまま法文どおり実施した場合には、機構が借入金をするたびに皆様にお集まりいただいて審議 にかけなければならないことになります。それは現実的ではないだろうということで、他の法人又は 部会でも同じような取扱いをさせていただいているのですが、資料2-1の下段に四角で3つ囲んであり ます。(1)は法人の年度が開始する前、あるいは年度が始まった直後、1年間通じた「長期借入金計画」 又は「債券発行計画」について、あらかじめ、この部会に提示してご審議いただき、ご了承をいただ く。「償還計画」についても併せてご審議いただく。それで了承をいただいた後に、年度が始まりま したらその長期借入及び債券発行が個々に行われますので、その際に実際に行う場合には、部会長に おいて、金額が部会が了承した計画の範囲内であるかを確認していただいて了解を得ることをもって、 この部会の意見をいただいたという取扱いとしたいと思います。ご了解をいただいて、実際に行った 長期借入等の実施した部分については直近の部会で報告するという流れです。  最初にご了解いただいた長期借入金計画を超える場合が生じる可能性もあるわけですが、その場合 には改めて皆様にお集まりいただき、この部会でご審議いただくという流れにさせていただきたいと 思います。それをこの場でご了承いただければと思います。 ○猿田部会長代理  いまお話がありましたように、当期の長期借入金及び債券の償還計画について、毎事業年度厚生労 働大臣が認可をしようというときには、あらかじめ私どもの評価委員会の意見を聴かなければならな いとされているということ。実際に高度専門医療研究部会における、長期借入金及び債券発行に係る 意見の取扱い(案)として、いま説明のありましたように、(1)(2)(3)をするということを、この評価委 員会として了承していただけるかということです。ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 大体このとおりかと思います。特にご意見がないようでしたら、これをこの部会としてお認めいただ いたということにさせていただきます。それでは、実際の内容の説明をお願いいたします。 ○医政局政策医療課長  具体的な長期借入金計画と償還計画(案)についてご説明いたします。資料2-2は、国立がん研究セ ンターの長期借入金計画(案)です。国立がん研究センターについての、ここに掲げられている目的 を達成するために、各センターの更新築等の整備に係る必要な資金について、財投融資資金からの借 入れを行うという計画になっております。平成22年度の計画額になりますが、前回の中期計画の中で お示しした予算であるとか収支計画の中から、平成22年度の長期借入金の計画になっております。具 体的には財投融資資金として医療機器整備で19億円程度、施設整備で9億円程度の借入れを計画して おります。医療機器整備については、医療機器整備の方針であるとか、新たに増設をするという整備 になっております。施設整備については、冷却設備の更新、建物の改修という計画になっております。  借入条件については、借入金の支途で医療機器整備については、償還期間は6年。借入利率は、借入 日における財投融資資金の借入金利によるということで計画を立てております。施設設備については 償還期間は25年、そのうち据置期間を5年置いています。借入利率は医療機器整備と同様に、借入日 の財投融資資金借入金利によるものとしております。参考までに、2月24日現在の金利を記載してお ります。  2頁は、国立循環器病研究センターの長期借入金計画(案)です。循環器の目的を達成するために、 センターの更新築に必要な資金について、財投融資資金からの借入れを置く。循環器病センターにつ いても、平成22年度の計画は、医療機器の更新整備として約3億円を計画しています。借入条件につ いては有期という形で、先ほどの件と同じになっております。  3頁は、国立国際医療研究センターの長期借入金計画(案)です。がんセンターと同様に、センター の更新築等の整備に係る必要な資金として、財投融資からの借入れを行う。平成22年度の計画につい ては、施設整備で7億円を予定しております。  資料2-3は償還計画(案)です。平成22年度の償還計画として予定しているものになります。国立 がん研究センターについては、平成21年度末の借入金残高が約171億円程度で、先ほどの長期借入金 計画が28億円、平成22年度の元金の償還額は16億円程度、平成22年度末の借入金残高として183億 円程度となっております。それを踏まえて平成22年度の償還額は参考でこのような形になります。最 終的には平成47年度に借入金が償還される形の計画になっております。  2頁は、国立循環器病研究センターの償還計画(案)です。平成22年度の償還計画になりますが、 平成21年度末の借入金残高が21億円程度。平成22年度に新たに借り入れる分として先ほどの3億円。 平成22年度の元金の償還額として1億7,000万円程度。平成22年度末の借入金残高としては23億円 程度という計画になっております。同じように、平成22年度以降の償還額は、平成22年度をベースに して考えるとこういう形の借入・償還額になっていきます。  3頁は、国立精神・神経医療研究センターの償還計画(案)です。平成22年度の償還計画としては、 平成21年度末の借入金残高で31億円。平成22年度は借入れをしませんので、平成22年度の元金償還 額として5,200万円程度。平成22年度末借入金残高として31億円となります。  4頁は、国立国際医療研究センターの償還計画(案)です。平成21年度末の借入金残高が186億円 程度、平成22年度に新たに借り入れる分として7億円。平成22年度の元金償還額として3億円程度。 平成22年度末借入金残高として189億円という計画になっております。  5頁は、国立成育医療研究センターの償還計画(案)です。平成21年度末の借入金残高は102億円 程度。平成22年度の元金償還額として6億円程度。平成22年度末の借入金残高として96億円という 計画になっております。  6頁は、国立長寿医療研究センターの償還計画(案)です。平成21年度末の借入金残高として9億 円。平成22年度の元金償還額は7,800万円。平成22年度末の借入金残高として8億5,000万円程度と いう計画です。  長期借入金計画(案)と、償還計画(案)については以上です。この計画をご了承いただいた上で、 各センターの年度計画に適切に反映していこうと考えております。 ○猿田部会長代理  いまお話がありましたように、資料2-2のほうで長期借入金計画(案)ということで、平成22年度 に関しては国立がん研究センターでは医療機器と施設の設備の両方。国立循環器病研究センターでは 医療機器だけ。国立国際医療研究センターは施設だけ。この程度で済むのでしょうか、済まない所も あるのでしょうか。ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○三好委員  長期借入金計画というのは、平成22年度の計画ですよね。私は3回目の評価委員会なのですが、中 期計画があって、年度計画はここでは出てこないのでしたか。 ○猿田部会長代理  はい。 ○三好委員  例えば医療機器で18億円ですか、これの借入れをするのに、ここで承認する内容は、償還計画が付 いているのですけれども、何をもってこれをいいですねと言えるのかちょっと言いにくい気がするの です。それが1点です。  たぶん年度計画があって、これだけのものに使うから、これだけ借り入れるねと。それはいいです ね。償還計画も問題ないですねと言うと判断できるのですけれども、そこがないのが1つです。償還計 画のほうも、これは平成23年度の計画だけ入れてあって、その後は入っていないです。がんセンター でいうと、平成47年にはゼロになると。これをもって健全ですねとはなんとなく言いにくい気がする のです。たぶん、これは毎年何らかの整備費が出てくるような気がするのです。だから、これは何を もって判断するのかということをちょっと疑問に思いました。 ○猿田部会長代理  要するに具体的なところが出ていないから、なかなか難しいという三好先生のご意見です。 ○医政局政策医療課長補佐  1点目ですが、全体的な計画としては、中期計画の中で投資に関する計画が定められて、それをベー スに収支予算であるとか予算が定められていきます。その中の平成22年度の長期借入金計画となり、 償還計画ということで、平成22年度だけの承認をいただく形になっております。確かに全体的にこの 部分はわかりにくい部分ではあるのですけれども、これをベースにそれぞれの年度計画を立てていく ことを考えています。 ○猿田部会長代理  要するに、評価するほうとしてはここがわからないということです。 ○三好委員  何をもって、ここに1,884と書いてあるけれども、これが良いのか悪いのか、健全なのかどうなのか。 ○和田委員  私もその点が、お出しいただいた資料だけでは良いか悪いかという判断は難しいです。そうかとい って、これが決まらないと年度計画もかなり先になってからできることになるので、年度計画もでき ないということです。中期目標/中期計画というのが前回審議されておりますので、その中期目標/ 中期計画の範囲内で、各センターがこれだけの借入れと償還計画をしたのかどうか、そこだけ教えて ください。 ○医政局政策医療課長補佐  前回の中期計画で定められた整備投資に関する部分の中の、それぞれ平成22年度版を予定している 形になっております。前回の資料の中にあるような、整備に関する部分の一部分になっています。 ○祖父江委員  平成22年度は3センターが3億円とか、18億円とか、9億円を借ります。いまのご質問と同じなの ですけれども、その中身が中期目標/中期計画の中でどう位置づけられて、これは何に使うのかとい うことがわかるような資料を一緒に付けて出していただけると、ここで議論がはずむと思うのです。 がんセンターだと18億円を機器に使いますが、少なくともこの中身ぐらいは出していただいて、それ がどういう中期計画を実現するために必要なのかというものを付けていただきたい。おそらく、これ は毎年年々歳々出てくるでしょう。そこのところは資料がないといけないと思うのです。 ○医政局政策医療課長補佐  個別の機器の整備の内容は具体的にあります。個別の金額が入っている形になると、入札の手続の 関係で、簡単に言うと予定価格の目安が見えてしまうという点もありまして、今回は資料を付けてお りません。 ○祖父江委員  金額の部分を外して、これはこういう必要があるからと。 ○猿田部会長代理  要するに委員の先生方からすると、細かいところというよりも、大雑把にしても大体こういうこと の機器に対してというのがあったほうがよろしいですね。 ○祖父江委員  あったほうがいいです。 ○猿田部会長代理  あまりにも漠然としていますので。 ○祖父江委員  ほとんど意味がない。 ○医政局政策医療課長  我々も何をご審議していただいたらいいかと。いま用意させていただきます。それまでの間、やや 余談になるかもしれませんが、本日いろいろご指摘いただいていますように、資料ではなかなか十分 なご説明ができておりません。これは制度的な問題なのかもしれませんけれども、中期目標/中期計 画ということで、5年間の姿をお出ししてご審議いただきます。前回、中期計画も5年間の収支計画と か、損益などを出しているわけです。借入金に関しては、本日お出ししていますのは平成22年度だけ の借入金をお出ししているわけです。そこが資料的には5年間の話をしておきながら、平成22年度だ け、それでは平成23年度は借りないのかという話が当然あるのだと思います。  これは、長期借入金が財政融資資金なものですから、こちらは単年度会計主義が適用されます。毎 年毎年私どもは財政融資資金に要求し、認められた金額が毎年決まるとうことです。そういうことで 単年度の数字しかお示しできていないのです。  センターによっては、具体的に名前を出すのが適当かどうかわかりませんが、近々建替整備が必要 なセンターもありますので、本来はそういう計画までお出しすれば中期の議論ができると思います。 まだ中身も固まっておりませんし、財政融資資金上一体いくら借りられるのかというのも決まってい ないということで、借入金の話になるとなかなか長期の話ができないという、やや我々としても苦し い説明になってしまうという事情をご理解いただきたいと思います。  さはさりながら、本日のような資料をお出しして審議をしていただくというのは、ご指摘を受けて 中期目標/中期計画の中に書き込もうと思っています。必要な投資をしなければならないのはもちろ んですが、きちんと償還できるのかというのを見て投資をすべきだという話です。返済計画を見なが ら、この程度の整備であれば過大になっていないというのを一応ご判断いただくということではない か。ただ、今回は機器中心ですので、そういう意味ではびっくりするような金額にはなっておりませ ん。私どもとしても本日お示ししたものが、過大な長期借入に当たるとか、これは厳しく精査しない と危ないのではないかというレベルの借入金にはなっていないのだと思います。これを建て替えする ということになると桁が少し変わりますので、そうなると将来収支も見ながらご審議いただく必要が 出てくるのかと思います。  ただ、金額的に国立がん研究センターは18億円というけれども、どのような機器に使うのかという ことは本日の資料ではご指摘のとおり不足していますので、いまご用意させていただきます。資料が 来るまでの時間、例えばどんなものが入っているかというと、がんセンターでは放射線治療システム と64列CTが入っています。各センターには、単なる収支改善が求められているだけではなくて、ナシ ョナルセンターとしての機能の強化が求められています。それは、がんの領域でいうと、外科治療か ら化学療法、放射線治療というように流れていますので、そういう治療の変化も踏まえ、ふさわしい 機能の強化を図っていくべきだということで、各センターと話をしておりますので、それを踏まえた 機器整備になっているのではないかと私どもは考えております。 ○猿田部会長代理  私たちの評価から言うと、実際に各センターで本当にこの機器が足りないのかどうか。本当にそれ があるかというところは実際に見ていないと言えないのです。ポンと出てきて、まだ良いのにこれを 買い替えるのかとか、本当のことを言うとそうなるのです。私は国立病院の全体のあれをいままで見 てきても同じことなのです。145の病院は一体どうなっているのか。現場へ行って見てくれば必要だと いうことはわかります。その辺りの評価は非常に難しいと思っています。ですから、国立病院のほう も、後になってあまり変えなくても済んでしまったとか、いろいろなことが起こっているのだと思う のです。  先生方にはこの間から中期目標/中期計画をやってきていただいて、漠然とこういうことをやるの だということはわかりましたけれども、そのそれぞれに対してどういう対応をしていくかという細か いところまでは実際にはわからないのです。5年計画で大雑把にこういうことをやる、こういうことを やるということで、たぶん評価している先生方にとってはその辺りのところが曖昧ではないかと感じ るのだと思います。そういうことで、これについて説明をしていただけますか。 ○医政局政策医療課長補佐  具体的な内容を説明させていただきます。国立がん研究センターについては医療機器整備で、中央 病院で放射線治療システムから始まり、超音波診断装置まで。これは既存の施設の更新整備という形 になります。その中の多目的気管内視鏡装置については新たに増設することになっております。です から、ここの部分は機能強化の一環として考えられると思います。  同じく東病院については、基本的には増設になりますので、東病院における機能の強化の一環とし て、既存の設備に加えて新しく設備を増設していくことになっています。  施設整備については、中央病院で冷却設備更新になりますので、いまの冷却設備の更新、消化管X 線撮影装置の改修、東病院については老朽配管の更新整備となっております。  国立循環器病研究センターについては、医療機器としてγカメラ、胸部撮影装置、心疾患撮影装置 ということで、すべて更新整備という形で機能を維持することにしております。当然新しい機械にな りますので、新しい機械に応じた単なる更新ではなくて、強化という部分につながります。  国立国際医療研究センターについては、国府台病院で、外来管理治療等の更新築整備を考えていま す。 ○猿田部会長代理  これも大雑把ですが、こういう形で国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立国際 医療研究センターでこういうことをやろうということです。具体的にはこれからの詰めとか、契約そ の他があると思います。金額は出せませんけれども、こういう状況がいまの3つのセンターに関しては ということです。ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○花井委員  おそらくこの委員会のミッションとしては、機械は本当に古いのかというところまでやるべきなの かもしれません。それを課せられると、とても責任を持ったディシジョンメイクはできないので無理 だという話になると思うのです。私の理解では、中期計画が5年間あって、年度ごとに事業計画案、収 支決算案をここにお示しいただけると思うのです。それの中期計画に基づいて仕事がちゃんとできて いるかという面と、それからお金をちゃんと使っているかというのを、単年度で今後評価をしていく と思うので、そこで見るということかと一応理解します。  今回の形式なのですけれども、長期借入金に関しては、政令で最長限が決まっているのです。「償 還期間が政令で定める期間のものに限って」と書いてあります。この政令というのはここにあるので すか。もちろんそうなっていると思うのですけれども、形式的には政令で定める範囲にこれがなって いる、ということになるのを形式的に確認しておく必要があるかと思います。  その形式的な確認とともに、いま内訳を見せていただいたのですが、実質的なことについては、こ の資料でこれが本当に適切かどうかという判断はもちろんこの資料ではできないのですけれども、独 立行政法人がその仕事、ミッションをちゃんと執行するというところをきっちり見るということで、 お金の使い道も今後判断していくという理解で了承できるのかと思いました。 ○医政局政策医療課長補佐  いま花井委員がおっしゃられたのは、参考資料2にある、NC法第22条第2項の関係ですか。政令で 定めるという、その政令のことですか。 ○花井委員  そうです。 ○医政局政策医療課長補佐  長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため。 ○花井委員  いや、償還期間が政令で定まっているはずなのですが、その期間はどのぐらいなのですか。それに 収まっているのでしょうか。 ○医政局政策医療課長補佐  予定は、業務運営並びに財務及び会計に関するナショナルセンター版の財務会計政令を作ることに なっております。まだ政令にはなっておりません。  政令自体については、現在最後の詰めを関係省庁としておりますので、この場において確定的に申 し上げることは手続論としてできかねる状況ではあります。ただ、当然のことながら政令については この範囲内というのを決めることですので、期間については、政令の範囲内で定めることと。 ○花井委員  ここの条文からいくと、政令で定める範囲内にかかるものの意見を聴いて大臣が認めると書いてあ るので、その政令が後からできるというのは予定した条文になっていないのです。私どもの責任とし ては、政令の範囲であるということ。これが範囲になる政令が定められるということを言っていただ かないと、なんというか責任逃れではないけれども、ここの部会のミッションからすると、形式的に はまずいのではないかと思います。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  各省と政令を協議している途中でありますので、フィックスした話としては言えませんけれども、 国立病院機構と同じように、財投の償還の話になりますので、建物については最長25年、機械につい ては最長10年という期間で各省協議に入っているということで、情報提供という意味でいまお話をさ せていただきました。申し訳ありませんでした。 ○花井委員  わかりました。 ○和田委員  いま施設整備のほうは最長が25年、医療機器整備のほうは最長10年ということで、今回は6年と 25年でどうかという計画なのですが、6年というのは概ねいまの時代の施設設備を更新していかなけれ ば追い着かないだろうということでよろしいわけですね。私も、その辺はなんとなくわかるのですが、 ただ、この25年としたのは、本当に25年これを使用する目的かどうか。もし、もっと早くに、例えば 老朽配管が東病院で出てきているということは、25年も経たないうちにまた取り換えるのではないか、 あるいはその前の分の配管の借入金はどうだったのだろうか。  どういうことかというと、物がなくなってしまったのに借入金だけ残っていくというのは、本来そ の物を使っている期間で回収しなければいけないということなので、この辺は建物の付属設備という ことですから、建物が存続すればよろしいかと思うのです。そこのところを施設設備、あるいは今後 医療機器整備についても、使用する予定の期間が短い物については借入金を長くすると、支払いの先 を超えることになりますので、十分にご注意いただきたいと思います。 ○猿田部会長代理  確かに機器が古くなって、新しい物に買い換えなければいけないということも起こります。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  和田先生のおっしゃるとおりでして、昨日も猿田部会長に開いていただいた国立病院のほうでも、 もともと国の機関の間に、財務省とやっている財投の制度自体が、機械にあっては据置き1年の償還9 年ということですから、今回設定している最長10年というのは、そういう意味をカバーするという意 味の10年です。建物については、据置き5年の償還20年ということでありまして、結局これは企業会 計を組んだときの、和田先生がおっしゃった減価償却からすれば、建物は鉄筋コンクリートというこ とで39年ですので、39分の1でやります。据置きの5年を斟酌して取ったとしても、償還20年という ことは倍速で償還はやっていて、減価償却のスピードの倍を行っているということの不合理というか、 合致しない点が発生します。  機械についても、大体医療機器の耐用年数は6年で設定させていただいておりますから、1億円の機 械を買っても6分の1で減価償却が毎年かかりますけれども、据置きを外して償還を9年でやるという ことは、減価償却と償還のあれが合わないのです。国立病院のところでも、それを1年2年やってきて 気がつきまして、いま財務省と財投の貸し借りの制度的に、機械は6年で償還しますという形の借り方 にしましょうというように変えています。  ただ、建物の長期は民間の方が聞けば怒るかもわかりませんが、5年据置き20年をこの財投金利で 使わせていただけるというのは、ある意味パブリックな施設ですからやらせていただけているのだろ うと思います。一般財源ではありませんから、病院で稼いできちんと返しますけれども、国内ではい まいちばん有利な長期貸付です。今回の東病院については、老朽配管ですから本体の話ではなくて、 付随する工作物の修理ということです。これを短期の6年で借りるわけにもいきませんので、合わない のはわかっていながら9億円ほど、いちばん有利な財投でお貸しいただいて、そこは返したいといとい うことです。合わないのはわかっていますけれども、それは選択肢としては長期のほうを貸していた だくという流れです。  それと、これも老婆心ながら先ほど花井先生もおっしゃったように、国立病院のほうの部会では、 いま145も病院があります。和田先生にもいつもご苦労いただいているのですが、全国に145の国立病 院がありまして、それを1法人でやっているものですから、これの5年間の整備とか、長期借入金にな ると、個々の病院以上に、145の病院の5年間を読まないといけないのです。ですから、ある意味その 5年間に起こり得るであろうというのを想定して枠の話でやらせていただいていますから、事前の評価 委員会で中期目標/中期計画の段階で、そこを委員の先生方に検証するというのは不可能な話なので す。ですから、何を承認するのだという意味でしたら、先ほど花井先生がおっしゃったように、入口 は話を聞くだけでもいいのです。こういうことで約束したよねと。ですから出口のところの評価です。 決算の部分は評価委員の先生方が、各法人がきちんと言ったとおりやったか、やり方が適切であった か。決算的におかしくないかということを検証していただいて点数が付きますから、その点数で理事 長以下、職員の業績も決まってきます。はたまたおかしな運営があれば、大臣に報告していただいて、 その業務を見直せとか、法人としてこうしろというご意見が通るというようなものです。それが評価 委員会かと思っており、まさしく先ほど花井先生がおっしゃったとおりの観点です。この段階でチェ ックしていただかざるを得ない状況で申し訳ないです。 ○猿田部会長代理  そういう状況なのだそうです。国立病院でやっていてもなかなかわからなかったのですが、いま室 長が言ったとおりです。国立病院のほうは、この4年間やってうまくいきました。矢崎先生のお力もあ って業績を上げられたということだと思います。これから、この6つのナショナルセンターに関しては、 それぞれの特徴があります。ただ、これに関しては、それぞれ一つひとつのセンターが独立していま すから、その点でいまの国立病院みたいに145のバラバラの状況とは少し違うので、ある意味では見や すいです。  ただ逆に言えば、本当に現場に行ってある程度見ることも、評価としては可能だと思います。実際 に145の病院があっても、私が行ったのは6つぐらいです。状況は見ていますけれども、そういう形な のです。各担当の先生方がいらっしゃいますから、そういう意味では細かくやろうと思えばそういう ことも起こり得ると思います。 ○祖父江委員  全体の評価として、何を評価して、ここで何をやるのかという話が出たのですけれども、いまいち ばん基本のミッションは中期目標に合う中期計画を立てて、それにきちんと合致したミッションが行 われているかをここで評価する。そのときに単年度予算で出てくるこれが、どう位置づけられるのか というのは、いまの資料ではよくわからないと、これはしようがないということですか。アウトカム 評価にむしろ重点があると考えていいのですか。これを見ると、設備の更新とか、古くなった物を替 えると、いわゆる目の前的な扱い方が結構あります。そうすると、中期計画との関連というのはちょ っと見えないわけです。我々の評価としては、中期計画に基づいてきちんとミッションが行われたか どうかを評価するというのが第1の柱だと、それは出口評価になるだろうということでいいですか。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  そうならざるを得ないのです。独法であっても、政府調達が先ほどの業務報告書でも申し上げたと おりかかりますので、全く委員の先生に対してご無礼な資料になっているというのを承知で、先ほど の機械のリストも、我々がシミュレーションしてお出しした額を算出した予定価格的な、工事にしろ 機械にしろですが、それは持っています。  評価委員会自体もオープンという形になれば、これは役所の制度の組合せの悪さというか、それ自 体が予定価格を公表しているみたいな形になってしまいます。委員の先生を信頼していないのかとい うことではなくて、オープンになってしまえば、逆の意味の契約的なものが、民間的な物の買い方が できませんから、オープンにしてしまったら駄目ということになっています。入口で制度が重なり合 うところを、いくら交通整理しても、それは整理の仕方の限界が来ていますので、そういう意味では アウトカムで計るしかないというところです。  部会長がおっしゃったみたいに、国立病院の145を限られた委員ですべて点検するというのは不可能 ですけれども、例えばナショナルセンターは1法人ずつになっていますので、そういう意味ではあるど こかのタイミングでご視察いただいて、まあまあ言っているとおりどんな状況なのかというのは可能 なのかもしれません。 ○猿田部会長代理  たまたま今度の場合には、機器を買うこととか建物だけでしょう。実際に先生方といままで議論し た中期目標/中期計画が、例えば世界のトップがやるような研究ができているだろうか、あるいは患 者に対しての対応がしっかりできているだろうかというところがいちばん重要なのですね。そういう ものを全体として評価しなければいけないということで、本日のところは建物と機器のことだけです から、実際に入っていない所があります。そういうことなので、全体的に評価しなければいけないと いうことです。 ○三好委員  前回中期計画の説明の言葉があって、5年間の投資額があって、そこでの連携は全然なかったけれど も、例えばここのセンターは世界をリードするというようなことが入っていると、投資の配分をどの ようにやっていくかというのは非常に大きな問題かなという気がします。日常的に老朽化のためにそ ればかりやっていると駄目だろうし非常に難しいところなのです。結果的に5年間の投資額は出ていま したよと、少なくともこういうところは重点的にやるとか、そういうことが中期計画の段階で出てい れば、最初のアウトプットだってできるのだけれども、出てきたときに金額だけ収まりましたと。出 来上がると、それは更新と老朽化対策で終わっていたとなったら、それは評価の段階で、ここの方は どう付けられるかというと、そこでやればいいと言えばそれまでなのですけれどもという印象をちょ っと持ってしまいます。 ○祖父江委員  これは、単年度予算で物事が進んでいる部分と、5年のタームで何をミッションとして目指すかとい うことがちょっと乖離しているのです。そこのところの評価が非常に難しくなっているのです。本当 は、5年ぐらいのタームで、そのミッションを実現するために何を買いたいかとか、どう設備投資して いきたいかという話が出てくると評価できるのです。いまおっしゃるように、目の前的使い方がどん どん出てくる可能性が高いのではないかという感じがします。 ○本田委員  私もきっちり言えないかもしれないのですけれども、先生方がおっしゃっていることはまさにそう かなと思います。ここに出てきているものは、目の前の医療機器とか、この前まで皆さんで議論して いたことは、例えば日本人のエビデンスをちゃんと出していくためにとか、そういう議論で、まさに そういうことが必要だねと言っていたのに、それに対して必要な機器なのか人件費なのかわからない けれども、何かしら予算というのは必要になってくると思うのです。そういうことが一切わからない。  それでは、先ほどのような方針でいまは機器を置いたということにした場合に、評価する際にもど ういう資料が出てくるのかもよくわからないです。先ほどから6法人なので実際に視察に行けるみたい なお話をされていますけれども、それがきっちり担保されているのかどうかということも私は知らな かったのです。実際にここの医療機器自体も、こんなにあるのになぜこれが必要なのかというのを、 視察に行ってちゃんと話が聞けることをいま担保していただけるのかということ。実際の5年間のミッ ションということに対して、一体何をしようとしているのか。1年目は無理かもしれませんが、中間ぐ らいのところでちゃんと見せていただいて、説明も現場で受けることができるのかということも確認 したいと思います。 ○和田委員  関連してですが、いま財政投融資の内訳としてお出しいただいたということは、借入金はこれを購 入するのを、ここに支出するのを目的にこれだけの借入れをしてもよろしいかという計画を出された わけですね。施設設備に対する投資というのは、これとは別に自前で購入するものもあるのではない かと思うのです。つまり、借りて買う設備だけではなくて、自前のものもあるのではないか。  ここでやるのは、設備投資額のうち、どれだけを自前でやって、どれだけを借入れによって、そし て借入金の返済がどのように将来的にスムーズに行くのか。それを私は会計ですから、5年間の中期目 標期間の中でちゃんとバランスが取れているのかどうか。それから、ご専門の先生方はその設備投資 が、ミッションなどに対して十分適切であるか、あるいは無駄な物を買おうとしていないかという視 点だと思うのです。そこのところをきちんと分けて説明していただいたほうがよろしいかと思います。  この借入金というのは、借入計画になっているのですが、とりあえず今回の借入限度額を決めてい るということでよろしいのですよね。実績が出てくると、もしかすると借りないで済んだとか、もっ と少なくて済むというようなことはあり得るわけですね。もし、この計画を超えるときにはもう一度 この委員会を開きますということですね。 ○医政局政策医療課長  いま、まさに先生ご指摘のとおりでして、財投計画自体も一応枠の設定ということになりますので、 その範囲で借り入れることができる。本日ご審議をしてお認めをお願いしているのも、この枠でよろ しいかということです。ご案内のとおり、独立行政法人制度は、国よりも柔軟に理事長に運営を委ね るということですので、これからの収支計画を月次で見ながら、理事長判断として、手元資金で問題 がなければ、将来の金利負担は発生いたしませんので、そういう判断も当然あり得るということだと 思います。国立病院機構においても、過去において借入計画どおり借入をしたということではないと 承知しております。  それから、個々の機器の必要性については、本日は借入にかかるものだけいま資料を配らせていた だきましたが、ほかの自前で整備する機器も当然あります。どういう機器を調達するかは、基本的に はミッションに即して各理事長に判断していただくということで、この場で一点一点の機器を審査す るという趣旨ではないのではないか。それを、最終的にきちんとそのミッションが達成できるかどう か、パフォーマンスアウトカムとしてご評価をいただきます。プロセスについては、先ほどの業務方 法書にもありましたし、中期目標/中期計画の中にありますが、きちんと競争的な契約・調達をする ようにと。一定金額以上の場合は国際入札をするようにというプロセスを、本日も業務方法書でご審 議いただき、それに沿って適正なプロセスでやるということを、この委員会ではご指示をいただくと いうことではないか。  それに沿ってやったかどうか、本当に適正な価格でやれたかどうかというのは、実績をご審議いた だくときに、例えば全体の調達額がどれぐらい下がったのか上がったのかを、数字及び定性的なご報 告ができるというのが一応の整理かと思います。何か付け加えることはありますか。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  課長の説明のとおりだと思います。昨日も、猿田部会長と和田先生には国病のほうの会議をここで やっていただきました。本日ご欠席の夏目先生から「おい大丈夫か」というのは、国立病院機構のほ うは、もう2年間近く財投の枠も300何十億円とか、200何十億円というのを入れているのですが、2 カ年続けてキャンセルして1円も借りていないのです。エントリーだけしておいて、内部資金で回った と。財務省理財局との関係は大丈夫なのかみたいなご質問をいただきました。  まさしくいまの説明どおり、枠の話のご承認という形ですので、果たしてそのとおり各センターが 借りるかどうかというのも、運営次第では先ほど和田先生がおっしゃったみたいに、自己資金で買っ てしまうと。当たり前の話で、自己資金は金利がかかりませんし、償還云々の話もありませんのでと いうことになるのだろうと思います。  本田先生ご指摘の視察等については、先ほど私は具体を言いすぎたのかもわからないのですが、我 々の立場でどうのこうのと言える話ではありません。評価委員会として、どういうふうに評価とか日 々の運営を検証していただくかという手法として、現地というのも、今回国立病院の部会とは違って6 センター、8病院ですし、担当が決まっているということであれば可能かなということです。ちょっと 余計なことを言ってしまって大変申し訳ありませんでした。 ○猿田部会長代理  これは、永井部会長と相談しなければいけませんけれども、実際にどこまで評価をきっちりやるの か。きっちりやろうと思えば、やはりそういうところまでやらなければいけなくなるかもしれません。 大体の感覚はわかりましたでしょうか。 ○三好委員  枠を超えない程度でやればいいのですね。 ○猿田部会長代理  そういうことです。実際のところは、各センターの運営状況を細かく見ないと言えないです。 ○三好委員  それとはちょっと外れるかもしれないのですけれども、今度、独立行政法人化で企業会計化システ ムを導入すると。年なのか半期なのか現実決算をやられると。大雑把でいいのですけれども、バラン スシートと、PLとBSがあると、ここの数字を見ても、その中のどの程度か終わった後の判断はしやす いのですが、そういうのは可能なのですか。どうなのでしょう、外に出す資料なので。 ○医政局政策医療課長補佐  中期計画の中にも書いてありますが、企業会計をやっていくということと、月次決算と年度決算を きちんとやっていく形になります。あとは具体的にどうやって公表するかというのは、成立後になり ますけれども、監事なり監査法人と相談しながらPLなどの公表という形になっていくと考えておりま す。 ○祖父江委員  余談になるかもしれません。この前も若干議論が出ましたが、国立大学法人は、国のほうで多少償 還の一部は補てんしていただいたということがあります。効率化係数として、年額2%、あるいは1% 掛けられたということがあります。あれが逆に意識改革につながったということもあるのですけれど も、必死でやったということがあります。  この場合はそういうことは課さずに、この償還計画のとおりにやってもらうだけという計画です。 そういうものは、まだ一切考えていないのですか。この前、効率化係数の話が出たものですから。あ れは非常に重かったのですけれども、逆に我々にとっては、どういうふうに病院を持っていったらい いかとか、いわゆる旧来の国立大学的なものを変えていくのに非常に大きな原動力にはなったのです。 これをナショナルセンターとして変えていくには、若干の痛さというか、そういうものがあってもい いかという感じも受けます。それは、お考えになっていないのですか、これは確認です。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  現在、財務省の担当部局とは、出発以降の効率化係数についてのあり方とか、運営費交付金の算定 ルールについてを、役所対役所のレベルでは協議している最中だというのは事実です。  それと先般のご議論ですけれども、国立大学の法人の場合のあり方で承知しているところでは、国 立病院のほうは全部借金を持っていて、運営費交付金に入っていなくて、あるいは全体の中で償還し ていって、いまは7,400万円からスタートして5,500万円ぐらいまで戻しました。  今回ナショナルセンターも説明のつかない部分、先ほど和田先生がおっしゃった、1つは医療機器は 6年で減価償却にしますし、償還自体も先ほど言った9+1年の10年で償還しなければいけないという ルールになっているにもかかわらず、国立病院特別会計時代に、国立がん研究センターとか国立循環 器病研究センターではものすごく高い機械を、ものすごくたくさん、毎年毎年やらざるを得ないとい うことで、建物のほうの枠である5年据置き20年の枠で大型機械を予算上買わざるを得ない整備をし たということが事実あります。平成8年ぐらいまでそういう状態でやらざるを得ないということがあり ました。機械としては既にそのセンターに存在しないのだけれども、借金だけが残っているというの が、負の遺産としてかぶってしまったら大変なことになるのだろうということが大きな1つです。  土地・建物は時価評価ですから、今回不動産鑑定士に医療機器等も含めて評価していただいて、財 産の価値が例えば100億円で、借金がまだ150億円かぶっているということになれば見合いませんので、 そこの見合わない50億円については国に置いておきたいというのが2つ目です。  それから、本来研究所というのは益を生みませんので、財投で整備するというよりも、一般会計か らの整備費をいただいて建物を建てるのが筋なのです。これも、一般財源での整備費というのは財政 がなくて、5年据置き20年の財投のお金で研究所を整備してしまったというところもあります。そう いうところというのは、今回法人として船出するときに、研究所の建物自体は減価償却せず、また次 のときには一般財源が前提になりますという整理になるものですから、そういう説明のつかないとこ ろの財投の借金が、ナショナルセンターの場合はあまりにも全体の残額に対して占める割合が多すぎ たというので、今回国に置いていく分と、本来法人として持って出る分と棲分けしました。  何が言いたいかというと、一般会計の繰入れで今年まで運営しておりますけれども、大学のときと 同じようにその応分、いまは丼勘定でたらずまいの収支差補てんが一般会計の繰入れですけれども、 結局3分の1ぐらいを持って出て、3分の2ぐらいを置いていった形になりますので、それに見合って いる償還の来期の元金、利息まで入れていいかどうかは微妙なところがありますけれども、それ見合 いというのは運営費交付金で貰うパイ自体が少ししぼんでいるのが事実であります。まったく諸手を 挙げてビックプレゼントをいただいたというものでもないです。ただ、大学とか国立病院の船出から すれば、そういう意味では財政的に有利です。 ○祖父江委員  印象がだいぶ違いますね。それがこの前の議論ですか。 ○医政局政策医療課国立病院機構管理室長  はい。ただ、そこは我々も一生懸命緩まないように、要するにある意味のパブリックな部分で使命 を達するために、一般財源をいただいてでも頑張っていく部分と、病院セグメントで自ら汗をかいて 改革しないといけないところを弁えて、一生懸命やっていくように心がけますし、評価委員の先生方 にはそういうところは厳しい目でご評価いただければありがたいと思います。 ○医政局政策医療課長  交付金削減のことでご指摘がありましたが、いま宇口が申し上げましたように、そもそも概算要求 の段階からだいぶ削られております。それは、いまの債務の軽減の部分があると、それに相当する負 担減の部分はロジカルではないのですが、かなり交付金を切り込まれたのも事実です。  いま財務省と協議をしているわけですが、収支差補てんではないので、積上方式で今回交付金を計 算いたしましたので、研究所の部分、臨床研究の部分、病院部分ということでいったときに、それぞ れの必要性に応じて積算をしておりますので、効率化に馴染むものと馴染まないものがあります。部 門によっては効率化係数で毎年1%削減がかかるとなかなか厳しいところがあるのではないかという議 論をやっております。そこで全体にかけるのか、部分的にかけるのかという議論をいまやっておりま す。  例えば、がんセンターでは病院部門のために入れる交付金というのは、ほとんど査定のところでな くなっています。むしろ一般運営管理費、研究部分、臨床研究部分、人材育成ということで立ってい ますので、それに効率化係数を掛けることが、病院経営の効率化インセンティブに必ずしもつながら ないのではないかという議論をいまやっている最中だということでご理解いただければと思います。 ○祖父江委員  それでも効率化係数はかかる。いまはない物についても。 ○内山委員  いま、いろいろ話が出ましたけれども、国立大学法人で病院を持っている所が42ありますけれども、 旧帝、旧六、新設とそれぞれお互いに比較対象できる。それから42の病院を通じて、あるいはそれ以 上の国立大学を通じて、いわゆる平らにして比較できるところもある。それで評価というのは結構成 り立っているところがあると思うのです。そういう意味で、ナショナルセンターの場合はそれぞれが あまりにも専門分化しすぎていますので、どことも比較のしようがない。いまのお話も、スタートか らして国立大学法人とはちょっと違って、若干恵まれた状態にある。そんな中で、常に私はアウトカ ムの評価が気になるのですけれども、そういう意味でなおさら中期計画がすごく大事になってくるの ではないか。ナショナルセンターがよくやったかどうかというのは比較のしようがないのです。そう いうことで中期計画はしっかりやっていただきたいと思います。  先ほどの議論の繰り返しになりますけれども、そのためにはいろいろな計画にしても、中期計画を 実現するためというのがしっかり出てこないと、最終的な評価というのは、会計もちゃんとうまくい きましたね、スタート前に比べてそこそこやっていますね、だけどちょっともの足りないのではない かと。比較対象するものがないということで、比較対象というのが評価するときには難しいのではな いか。そんなことを気にしながら議論に参加しています。 ○猿田部会長代理  先生がおっしゃったように中期計画のところで、エビデンスのつく大規模臨床研究所をいくつやっ たらいいか。本当に世界をリードするだけの研究、それはジャーナルとかそういうところで評価はで きるかもしれないし、いろいろなものが出てきます。そういうのをどうやって評価していくかという のは非常に大切なことだと思うのですが、やってみないとわからないでしょう。国立病院機構があん なにうまくいくとは思わなかったのです。皆さんの努力だと思うのです。それで見てくると着実に効 果を上げたので、果たしてナショナルセンターが恵まれているのかどうかわかりませんけれども、や ってみないとわからないです。 ○内山委員  国立病院のほうは詳しくはわかりませんが、スクラップアンドビルドがあるぞという意識は皆さん 前提にあるのです。 ○猿田部会長代理  1年目のところでいろいろなことがわかってきて、評価のやり方を変えていかなければいけないと思 います。本日議論していただいたように、皆さん方は具体的なことを知りたかったということかと思 います。 ○祖父江委員  私は国立病院の話はよく知らないところもあるし、いろいろ教えていただいているところもありま す。ミッションがしっかりあって、それに向かってみんなが動いたということではないかという気が しているのです。そういう点からいっても中期目標/中期計画がしっかりできていて、それに向かっ てどう動くかという視点がいつも軸になると思うのです。そこを是非評価したいとは思っています。 ○猿田部会長代理  中期目標/中期計画を6つのセンターを横並びでやりましたが、そういうところも温度差があるので す。 ○祖父江委員  どこが合っているか、どこが合っていないかという独自性を出していってもらったほうがいい場合 もあります。 ○猿田部会長代理  そうなのです。これは感じています。でも、これから夏に向かっていろいろやっていただくという ことで。本日は、最初のほうの業務方法書に関してはそんな議論で認めていただいて、あとは長期借 入金のこととか償還の問題は枠として考えるということと、細かいところは先ほど国立がん研究セン ターの場合を出していただきましたけれども、ほかの所も、もう少し具体的に借入とかは出せると。 事務局から何かありますか。 ○政策評価官室長補佐  今後の予定についてご連絡させていただきます。皆様には3日間予備日ということで日程を確保させ ていただいております。3月12日は開催しないこととさせていただきます。3月19日と24日も確保し ていただいておりますが、ここは中期目標/中期計画は部会長一任とさせていただいていて、後々内 外の調整等があります。その調整の結果、いま一任してもらっている範囲を大きく外れた場合も想定 されますので、その場合にはどちらかで開催させていただく可能性もありますので、いましばらくそ の辺の日程は確保しておいていただきたいと思います。わかればなるべく早くお知らせしたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。  それから先ほどお話がありました、センターの視察のほうは部会長と事務局と調整させていただい て、今年度中か来年度になるのかいつになるかわかりませんけれども、検討させていただきたいと思 います。 ○猿田部会長代理  ほかにご意見がないようでしたら、これで終わらせていただきます。どうもご協力ありがとうござ いました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)