10/03/02 第44回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録 第44回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会 議事録 1 日 時 平成22年3月2日(火)10:00〜11:15 2 場 所 経済産業省別館1014号会議室(10階) 3 出席者 [委 員] 市川委員、市瀬委員、臼杵委員、勝委員、小林委員、 鈴木委員、高橋(均)委員、高橋(寛)委員、布山委員、林委員、松本委員、 宮本委員、室川委員、山川委員       [事務局] 八田勤労者生活部長、畑中勤労者生活課長、            瀧原勤労者生活課調査官、鈴井勤労者生活課長補佐       [参考人] 勤労者退職金共済機構 清川総務部長、                       小林業務運営部長、                       伊澤建設業事業部長        4 議 題 (1) 中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済 法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号 ロ(1)の支給率を定める件について(諮問) (2) 一般の中小企業退職金共済事業及び特定業種退職金共済事業における退 職金の確実な支給に向けた取組について(報告) 5 議事内容 ○勝部会長 ただいまから、第44回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業 退職金共済部会を始めたいと思います。本日は西村委員が御欠席ということです。 本日の議題ですが、資料を見ていただきますと、2つあります。1番目が「中小 企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改 正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の支 給率を定める件について(諮問)」でございます。2番目の議題は「一般の中小 企業退職金共済事業及び特定業種退職金共済事業における退職金の確実な支給に 向けた取組について(報告)」でございます。  では資料1にございます「中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令 第2条第1項第3号ロ(1)の支給率を定める件について(諮問)」に入りたい と思います。この件につきまして、4頁に本日は厚生労働大臣から、労働政策審 議会あてに諮問がなされております。また、前回いろいろ議論していただきまし たが、前回の議論をふまえて、取りまとめ案を作成していただきましたので、併 せて事務局から説明をお願いいたします。 ○畑中勤労者生活課長 おはようございます。私のほうから、説明させていただ きます。まず、資料1-1をご覧いただきたいと思います。いま部会長から話の ありました諮問の案でございます。資料1-1の4頁ですが、具体的には長妻大 臣から労働政策審議会会長諏訪先生あてに意見を求めるという形になっておりま す。求める意見の内容でございますが、下記のとおりということで、平成22年 度に係る中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済 法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号 ロ(1)の支給率、これは付加退職金の支給率のことですが、これを0とするこ と。これについてのご意見をお求めするという諮問になっております。 この諮問について厚生労働省としましては、いま申し上げましたように付加退 職金の支給率を0とするということをご提案しておりますが、その考え方につい て、前回のご議論をふまえまして、まとめたものが資料1-2です。内容は6頁、 7頁、にわたって書いております。まず6頁、議論の出発点といたしまして、「 平成17年の意見書について」で言及しております。この意見書では、基本的に 生ずる利益の2分の1を付加退職金に充てることを基本にしております。又、1 80億円を優先して解消すると。この2つがポイントになっております。この平 成17年度の意見書については、議論を重ねて取りまとめられたものであり、今 後も尊重することが重要であると。この前提の基に議論を展開しております。  2点目に現在の「累積欠損金の現状」について、述べております。前回もご案 内いたしましたとおり、「○」の1つ目、現在サブプライムローン問題だとか、 あるいはリーマンショックの影響を受けまして、平成20年度末時点で、累積欠 損金3,493億円に昇っております。「○」の2つ目、私どもの累積欠損金解 消計画では、毎年度の累積欠損金解消目標額を定めておりますが、現段階でこの 目標額を1,929億円も下回る状況になっております。3点目に、「累積欠損 金の解消の考え方の前提」を整理しております。「○」の1つ目の「・」、まず 累積欠損金の解消年限についてですが、短期的な金融動向に応じて、解消年限を いたずらに延長するということは、適当ではないのではないかということを述べ ております。  7頁、「・」の1つ目、ただ、そうは言っても、累積欠損金の解消を急ぐあま り、過度に高いリスクを取るということもこの制度の運用上、望ましくないので はないかということを述べております。結論的には短期的な金融動向に応じて、 現行の累積欠損金解消計画を改定することは適当ではないのではないかというこ とを述べております。ただ、現在の株価のいろいろな変動、ここ1、2年の変動 といったものが本当に短期的な金融動向と言い切れるのかどうか、この点につい ては前回もいろいろご議論があったところであると承知しております。  その辺りは、もう少し様子を見て、仮にこの短期的な金融動向ではないという ようなことが判明した段階では、やはり計画についても見直しとか、そういうこ とも考えなければいけない時期も出てくるのかなというふうな考え方をベースに しております。それから、4点目、「今年度の累積欠損金の解消について」の考 え方を整理しております。現在1,929億円下回っている現状において、平成 17年の意見書どおり、利益を処理した場合には当然のことながら、一部付加退 職金に回りまして、その分累積欠損金の解消が先送りされるということになりま す。特にペーパーには書いてありませんが、私どもの制度につきまして、やはり 信頼を担保するということが非常に大事なことでありますので、累積欠損金が積 み上がっている、大幅に目標を上回っている状況の中で、そこを先送りするとい うのは、いかがなものかということです。  その点について、述べましたのが「○」の2つ目です。やはり制度の安定性、 信頼性を考えるということであれば、累積欠損金の解消計画の目標残高を大幅に いま欠損金が上回っているというような状況においては、解消を優先的に考える べきではないかということを「○」の2つ目で書いております。3点目、したが って、今年度生じる利益については、全額を累積欠損金の解消に充てるとするの が適当ではないかと。前回もお話しましたとおり、今年度の利益の見込みですが、 326億円ということでありますので、その全額を解消に充てるというのが適当 ではないかというふうに考えております。  ただ、前回も労働側委員の方からも、強くご指摘がありましたように意見書の 原則というものは、非常に大事な議論を積み重ねられて得られた合意ですので、 この原則については今後も尊重していくということが重要であると。今回の、今 年度の利益処理というのは、今年度の特別な状況、累積欠損金の解消額が目標額 を大きく下回っているという、今年度の特別な状況をふまえての処理であるとい うことを明記したところであります。以上のような考え方で付加退職金を0とし たいというのが事務局のご提案です。 ○勝部会長 ありがとうございました。いまご説明がありましたように前回の議 論を反映した取りまとめ案を作成していただいたわけですが、ただいまの説明に つきまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。 ○高橋(寛)委員 制度の確認をお願いします。付加退職金の付加の方法でござ います。例えば、平成22年度は利益が付加退に充てられるとしたならば、平成 22年度に支給される退職金のみに利益が充てられるということではなくて、加 入から43カ月以降の現在加入者全員にあまねく積立額に支給率を乗じた額が上 積みされるということでよろしいのでしょうか。 ○勝部会長 いまの点について、事務局からお願いいたします。 ○畑中勤労者生活課長 はい。 ○高橋(寛)委員 労側としては前回も発言をさせていただきました。短期的な いまの異常事態の中で、いわゆる異常データをもって、判断材料として結論を導 き出すのではなくて、これまで重ねられてきた議論をふまえ、平成17年の意見 書を尊重していただきたいという考えでございます。以上です。 ○勝部会長 ほかにご意見、ご質問等はございますでしょうか。 ○鈴木委員 今回こういう形にならざるを得ないのかという感じがするのですが、 中小企業退職金共済というのは、やはりより充実するために魅力あるものが必要 ではないかと思います。そういったものでは、運用利回りプラス利益が出たとき には付加退職金という形でプラスしていくんだと。それが多く、加入者を促進す るというか、そういった部分もあって、この共済制度をより大きくして、より加 入者が喜びえるというか、退職金を多くもらえるという部分のことだと思うので すね。そういった面では、機構の皆さんも大変運用についてはご苦労をされて、 頑張っていらっしゃると思いますが、ローリスクの中で、より頑張った運用です か、そういったものを是非今後もやって、いまの収益が出るような形をお願いし たいと思います。以上です。 ○勝部会長 ありがとうございます。いま運用利回りへの要望ということだと思 うのですが、ほかにお願いいたします。 ○市川委員 8頁の棒グラフ、前回もお示しがありましたが、これを見ましても、 平成20年度末の状況は、累積欠損金がドンと増えていると。こういう状況はお そらく平成17年の意見書を作成する際には、全く想定をしていなかったと思い ます。リーマンショック以降の、この経済の落込みは全く想定外のことではなか ったかと思うわけであります。今後どうなるかということについては、前回もご 議論が出ましたが、誰にも正直いってわからない。今年後半に持ち直してくると いうご意見もございますが、しかし、これから二番底がくるかもしれないという ご意見もあるということでございまして、今後の見通しははっきりしないという 状況でございますので、今年度については平成17年度意見書を尊重はしつつも、 例外的に付加退職金を0にするという大臣の諮問内容でございますが、そうせざ るをえないのかという気がいたしております。  本当にこの経済の落込みの状況が一時的なものに終わるのかどうか、ここはも う少し様子を見る必要があると思っておりますので、1年経って、またこの審議 会の場で、そのときの経済の状況をふまえて、平成17年の意見書の形に戻して いくのか、あるいはもう少し様子を見るのか、あるいは平成17年の意見書のや り方を根本的から改めるのか、その辺は1年経ったところで、もう一度議論をす るというのが適当ではないかと思います。本年度については、付加退職金を0に するというのは先ほどの8頁のグラフを見ても、そうせざるを得ないのではない かと思います。以上です。 ○勝部会長 ありがとうございます。それでは、ほかに。 ○松本委員 私もいまご意見がありましたように、平成17年度意見書を作られ た頃に、いまの状況を想像ができなかった部分ではないかと思います。制度とい うのは信頼があって、永続的に、より発展的に継続されなければいけないという ことから考えますと、やはり短期的な金融動向で解消年度を先送りするという形 は少し難しい、厳しいのではないかと思います。ですから、一応の目安としては 解消年度の目標を下回っている場合には、基本的には解消のほうに充てるという ふうに考えて、逆に上回っている場合にどうするかというのも考えることも必要 なのではないかと思います。  そのときには、ある程度付加退職金の部分を厚くするということも考えてもい いのではないかという気もいたします。ただ、今年に関しては、全額解消のほう でやむをえないのかなというふうに思っております。 ○勝部会長 ありがとうございます。ほかにご質問、あるいはご意見はございま すか。 ○高橋(寛)委員 今回の議論は、付加退職金と累積欠損金のことについて、ウ エイトが置かれた議論になっていると思っています。いまお話がありましたよう に、確定されない中でのことが多くて、例えば、運用利回り、いま現在は326 億円の利益が出そうだという話も、それも見込みでありまして、利益が確定する 前の判断でございます。先ほど鈴木委員が言いましたように、この制度の目的と いうのは、中小企業労働者の福祉の増進と企業の振興なわけでございまして、で すから、短期的な判断材料でいまここで結論を出すのではなくて、平成17年度 の意見書を尊重していただきたいということでございます。以上です。 ○勝部会長 ありがとうございます。労働側は福祉の増進というのは、非常に重 要だというご意見で、付加退職金のほうにウエイトを置くべきであると、という ことだと思いますが、ほかに何かご意見はございますか。 ○山川委員 質問といえば、質問になるのですが、変化が一時的であるか、ある いは平成17年当時の前提を、あるいは予想を超えるものであるかというのが1 つの問題になっているわけですが、もう1つ先ほど事務局がおっしゃった、制度 の外部からの見られ方ということとの関係でお伺いしたいのです。変化を見ると いうのと、もう1つ絶対値を見るという視点もありうるかと思います。そこで欠 損金の残高が3,493億円、平成16年度末が2,283億円だということで、 絶対値レベルで考えると、どうなるかという問題もありうるかと思うのです。  そういう観点から、私は平成17年3月の報告ができた経緯があまりよく関っ ていなかったので知らないのですが、どのようなことで、そもそもこのような累 積欠損金の残高に着目して解消計画が急務となったか、その辺りをごく簡単でい いのですが、教えていただければと思います。 ○勝部会長 事務局からその辺の背景をお願いします。 ○畑中勤労者生活課長 議論の詳細は、おそらく2,000億円ぐらいの累積欠 損金があると。本来であれば、利益が出たらば、その2分の1の額について、き ちっと付加退職金という形で還元するのが本来の考え方だったのだろうと思いま す。ただ、一方で累積欠損金がある以上は付加退職金を出していくというのは、 やはりいかがなものかという強い意見もあったのかなと思います。その辺りで、 調和をどこで図るのかという観点で、累積欠損金の解消というのは、制度の信頼 性という意味で大事なことなので、180億円は優先的に解消するということを 決められたのかなと思います。推測でございますが、そのような経緯だったかな と思います。 ○山川委員 そうすると、仮定の話で、なかなかわからないのですが、平成16 年当時に、例えば3,400億円という数字が出ていたら、議論の様相も変わっ たかもしれないというようなことになりそうでしょうか。 ○畑中勤労者生活課長 おそらく3,493億円という形になると、解消年限が 非常に、かなり長くなってしまう状況があって、現在の累積欠損金解消の年限が 平成29年ということでありますので、もし解消年限がそのぐらいの前提にする となると、かつ運用について、あまり高いリスクは取れないとなると、おそらく 利益の配分の仕方を変えていくなり、優先的に解消に充てる180億円の額をも うちょっと高く設定するとか、そういうことにならざるをえなかったかなと思い ます。 ○山川委員 ありがとうございました。 ○勝部会長 累積欠損金がかなり、全残高の10%程度に近づいていったという ことで、やはり制度の安定性ということが重視されたという理解でよろしいでし ょうか。 ○畑中勤労者生活課長 はい。 ○勝部会長 ほかに何かご質問、ご意見はございますか。 ○臼杵委員 前回もちょっと申し上げましたが、この3,500億円近い累積欠 損金というのは、やはりかなり大きな金額であると思います。確かに、平成17 年の意見書は相当に議論を重ねて、私はそのときはこちらには参加していなかっ たわけですが、議論を重ねられたのだと思いますし、付加退職金と累積欠損金解 消との割り振りというか、そういうものについて、非常に重要な意味を持ってい るのかなとは思います。ただ、いま申し上げました、相当な大きな金額であると いうことが1つで、先ほども市川委員からもお話が出ましたが、短期的かどうか ということについても、まだちょっとわからないという状況の中で、なかなかこ れを付加退職金のほうにルールどおりに回すのがいいのかどうかというのが、や や疑問かなと思います。  結局のところ、累積欠損金を早く解消すれば、こちらの6頁にもありますよう に将来の、いまの1%という利回りをある程度上げられるということで考えるな らば、ある意味で、いまの加入者と将来の加入者の間でどのように利益を分ける かという話かなと思います。これは別に経営者がいるわけじゃなくて、経営者の ほうに、あるいは株主のほうに利益がいく話ではなくて、そういう観点からする と、取りあえず、いまは1%を保証しているというところで、将来の付加退職金 ないしは利回り引上げという財源をできるだけ早く作るという観点から、今年度 は付加退職金についてはこういう形でやむをえないのかなと思います。ただ、将 来的には、先ほど鈴木委員からもお話がありましたように運用のほうについて、 更なる努力も必要でしょうし、それから今回の平成17年合意をできるだけ早く 復活できるような形で運用の努力も必要でしょう。  それから、逆に来年以降、短期的かどうかということに関しては、きっちり様 子を見て、場合によっては累積欠損金解消計画について、もう一度付加退職金ル ールも含めて、話し合う必要があるのかなとそういうふうに思います。 ○勝部会長 ありがとうございます。そのほかに何かご意見、ご質問等はありま すでしょうか。 ○山川委員 私も先ほど申しましたこと、合意はいまの臼杵委員と同様でありま して、果たして、これが短期的な変動かどうかを見極める必要がまだあるという ことでありまして、あとは先ほど申しましたようにちょっと絶対値の大きさにも 着目したら、やはり今年度は様子を見て、また改めて検討する。しかし、重要な ことは一旦合意したということ自体の重みは非常に重要だと思いますので、その 点は尊重するということで、いかがかと思います。 ○勝部会長 山川委員からも平成17年度の合意を尊重することは非常に重要で あるというご意見が出ましたが、何かほかにございますか。 ○高橋(寛)委員 山川委員のいまの言葉を確認させてください。見送るという のは、どういうことでしょうか。 ○山川委員 とりあえず今年度については、案のような取扱いにすると、という ことになります。 ○高橋(寛)委員 はい。 ○勝部会長 よろしいですか。意見は出尽したということでよろしいですか。あ るいは、まだこれが言い足りないということがもしあれば、ご意見をいただきた いのですが。よろしいでしょうか。いろいろ、前回も議論させていただきまして、 本日もいろいろな意見が出たところですが、この辺りで結論を作りたいと考えて おります。答申を作らなくてはならないわけですが、答申につきましては、この 資料にありますように、0とするというものですが、厚生労働省案は「妥当と認 める」と、いまの議論をまとめると、そういったニュアンスが多いと思いますが、 それとしつつも、労働者側からいろいろなご意見をいただきまして、特に労働者 の福祉の増進というのは、非常に大きな部分でもあるというとを考慮いたしまし て、平成17年意見書の原則は今後も尊重することが重要であるということを盛 り込むことで、答申をまとめたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。事務局に文言 を整理していただきまして、皆様にお示したいと思いますので、その間5分ほど、 議事を中断したいと思います。10時半に再開したいと思いますので、よろしく お願いいたします。 (議事中断) ○勝部会長 それでは会議を再開したいと思います。答申文案を事務局から配布 してください。 (答申文案配布) ○勝部会長 それでは事務局に答申文案を朗読してもらいます。 ○鈴井勤労者生活課長補佐 読み上げます。  「『中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法 の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ (1)の支給率』について。平成22年3月2日付け厚生労働省発基勤0302第 1号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の 結果、下記のとおり結論を得たので報告する。記。厚生労働省案は、妥当と認め る。ただし、平成17年3月11日付けの『中小企業退職金共済制度の運営改善 に関する意見書』は、今後も尊重することが重要である。」以上です。 ○勝部会長 ありがとうございました。以上の文案により厚生労働大臣あて答申 をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○勝部会長 ありがとうございます。異議なしと認めます。これをもって当部会 における答申といたします。なお、労働政策審議会令第7条第9項により、部会 の議決をもって分科会の議決とすることができ、同令第6条第9項により、分科 会の議決をもって審議会の議決とすることができるため、本答申を審議会の答申 といたします。  それでは、平成22年度の付加退職金の支給率についての答申を、審議会長に 代わって提出したいと思います。厚生労働大臣の代理として八田勤労者生活部長 にお渡ししたいと思います。 (答申受渡し) ○八田勤労者生活部長 一言お礼を申し上げます。平成22年度の付加退職金の 支給率についての答申をとりまとめいただきまして感謝申し上げます。この答申 をもとに事務局におきましては、この年度内に所要の告示を出すべくきちっと対 応してまいります。今後とも、この制度の適切な運用に努めてまいりますので、 引き続きご理解ご指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○勝部会長 それでは議題2に移りたいと思います。「一般の中小企業退職金共 済事業及び特定業種退職金共済事業における退職金の確実な支給に向けた取組に ついて(報告)」。これについて事務局から説明をお願いいたします。 ○小林業務運営部長 それでは、「一般の中小企業退職金共済事業における退職 金の未請求者に対する取組」の報告をさせていただきます。36頁をお開きくだ さい。  退職金の確実な支給に向けた取組として以下の取組を実施しております。1「 継続して実施している取組」の1点目は未請求者に対する請求勧奨です。退職後 3カ月を経過しても未請求のままである者のいる対象事業所に対して、事業主か ら未請求者へ請求手続を行うよう要請する通知を行っております。また、それで も未請求者がいる事業所に対して、住所等の情報を提供するよう、それにより入 手した情報に基づき機構が直接、未請求者に請求手続を行うよう要請しておりま す。この住所提供依頼の取組の平成20年度の実績は、対象としては平成15年 度から平成18年度に脱退したもの、平成13年度に脱退したものの未請求者の ままである者がいる事業所、及び200万円以上の未請求者がいる事業所を対象 としております。住所提供を依頼した事業所は2万5,294事業所、対象は7 万2,582人、そのうち、平成21年12月末までに提供された住所情報に基 づいて請求手続を促した未請求者は2万85人、平成21年12月末までに請求 書の受付を確認した人数は1万2,347人となっております。平成21年度実 績については12月までですが、対象は平成19年度に脱退したもの、平成12 年度以前に脱退したもの、これについては都市部のみです、及び平成20年度に 脱退したものの未請求者のままである者がいる事業所を対象としております。  37頁。その住所提供を依頼した事業所は2万7,375事業所、対象は5万 7,089人、そのうち、提供された住所情報に基づいて請求手続を促した未請 求者は1万4,001人、請求書の受付を確認した人数は7,258人となって おります。2点目は、平成19年度10月よりフリーコールを設置しております。 平成21年度、12月までの実績は、電話等照会件数は602件、回答必要件数 は543件、そのうち請求権があったものは63件となっております。3点目と しては、平成20年度から未請求者についての注意喚起文を、ホームページ及び 送付書類等に掲載し周知を図っております。4点目は加入周知として、加入通知 書を平成20年4月から送付しております。それの平成21年度12月までの実 績は、新規・追加加入被共済者31万7,583人となっております。  5点目は調査です。平成20年度の「退職金実態調査」につきまして、調査結 果で、特に未請求関係の課題として、43頁の参考の調査結果の概要をお開きく ださい。項番6の、退職金の請求書の交付義務について伺った回答です。従業員 の退職時に「退職金請求書」を従業員に渡すこととされているが、「必ず渡して いる」という企業が73.1%で、回答企業の全体から、まだ退職者が出ていない 企業と無回答の企業を除いた場合、90%の企業が退職金請求書を必ず渡してい ると回答しております。また、退職金請求書を「知っているが、渡さない場合が ある」企業が441社、全体から見ると7.5%となっており、それはどのような 場合かという質問に対して、懲戒解雇や勤続年数に満たないなど、社内規則との 不一致から請求書を交付しない実態があることなどが明らかとなっております。 これは退職金未請求の大きな要因の1つと考えております。38頁にお戻りくだ さい。平成21年度の「退職金実態調査」としましては、中退共制度への加入経 路について平成20年度加入企業、約8,000所について調査を実施しており ます。その結果、5,200所から回答があり、平成22年2月末に集計してお ります。  次に、「平成21年度実施の新たな取組」の1点目は、制度への加入周知を目 的として「加入状況のお知らせ」を被共済者へ配布するよう、事業所に平成21 年5月までに依頼しております。2点目として、ホームページに加入事業所を検 索できるシステムを構築し、加入事業所名を掲載しております。  次に「今後の取組」ですが、退職時の被共済者の住所の把握については、業務 ・システム最適化計画の進捗状況等を踏まえつつ、平成23年度末までの実施を 検討することとしております。以上が未請求者に対する取組です。  続きまして39頁の参考資料をお開きください。未請求に対する取組結果です。 まず、「脱退から2年経過後の未請求状況」です。退職金未請求縮減の取組は平 成19年秋から開始しておりまして、第2期中期計画において脱退から2年経過 後の未請求率を、最終的に1%にすることを目的としております。その目標につ きましては、新たな未請求時効を発生させない取組によって、請求率を取組前の 3.01%から、平成21年12月末現在で1.83%に減少させることができて おります。未請求時処理状況につきましては、新たな未請求時効者を発生させな い取組によって、退職金受給権者のうち時効完成となった件数が取組開始前の3 %程度から、平成20年度末で2.02%に減少しております。次は時効処理後の 支給ですが、未請求時効完成者を対象とした取組によって、時効完成者への平成 20年度の支給は4,864件、約17億円となっており、平成19年度の84 5件、約5億円に比べて大幅な増加となっております。また、平成21年12月 末現在で6,109件、約10億円となっており、取組の成果が現れていると思 っております。中退本部からは以上です。 ○伊澤建設業事業部長 引き続きまして資料の50頁をお開きください。「特定 業種退職金共済事業における共済手帳の長期未更新者に対する取組」をご説明し ます。特定業種ということで建退共、清退共、林退共の3つについてまとめてご 説明します。基本的には各事業において同様の取組をしております。  まず、継続して実施している取組です。  1番目は長期未更新者調査ということですが、3事業とも実施しております。 長期間(過去3年間)共済手帳の更新手続がなされていない被共済者について、 直近の更新申請、つまり平成20年度調査で申し上げますと、平成16年度に最 終更新を行って、そのあと、平成17年度から平成19年度までの3カ年、更新 がなかった被共済者について事業主を通じて現況調査を実施しております。調査 の中身としては、現在も調査対象事業所で就労しているかどうか。就労していな い場合には被共済者の住所を調査対象事業所に聞いております。この調査の結果 に基づいて、当該事業所をすでに退職している被共済者については、退職金請求 等を要請します。また、現在も引き続き当該事業所で就労している被共済者につ いては、事業主に対して、証紙の貼付満了時等には速やかに更新申請を行うよう 要請をしております。  平成20年度の実績は、建退共につきましては調査件数、すなわち被共済者数 が3万4,387件、そのうち手帳更新件数が3,930件、退職金請求件数が 2,184件でした。清退共につきましては調査件数が3,821件、そのうち 手帳更新件数が34件、これは平成21年12月末現在です。退職金請求件数が 1,364件です。林退共につきましては調査件数が5,697件、そのうち手 帳更新件数が499件、退職金請求件数が2,414件となっています。平成2 1年度の実績については現在調査を実施しているところですが、建退共について は調査件数が3万3,690件。清退共につきましては調査件数が40件、その うち平成21年12月末現在で、手帳更新件数が3件、退職金請求件数が20件。 林退共につきましては調査件数が245件、そのうち手帳更新件数が52件、退 職金請求件数が64件、となっております。  2番目は加入通知の実施です。具体的内容としましては、長期未更新が発生し ないように新規加入時に、共済手帳申込書によって被共済者の住所を把握し、加 入したことを被共済者に通知する文書を送付するものです。その平成20年度の 実績は、建退共は13万7,041件、清退共は164件、林退共は1,032 件となっております。平成21年度実績、これは平成21年12月末現在ですが、 建退共は10万7,667件、清退共は107件、林退共は2,218件となっ ております。  3番目は被共済者に対する注意喚起等ですが、長期未更新者等に対して確実に 退職金を支給するため、退職金請求手続・共済手帳の更新手続等に関する問合せ の呼びかけなどの取組を強化して実施しております。その平成20年度の実績と しましてはホームページへの掲載、専門紙への広告の掲載、関係団体の広報誌へ の掲載、被共済者向けポスターの備付・配布、共済契約者向けチラシの備付・配 布を、3事業共通で実施しております。  4番目は被共済者の住所のデータベース化で、具体的内容としましては、新規 加入時に共済手帳申込書によって入手した被共済者住所情報をデータベース化、 長期未更新者調査で判明した被共済者住所情報をデータベース化しております。 また、未回答の共済契約者に対する電話による情報提供によって入手した被共済 者住所情報をデータベース化しております。  5番目に共済手帳へ住所欄を追加しております。これは、共済手帳に住所欄を 設けて被共済者が記載するもので、このことによって被共済者が事業所を退職し たときなどに、共済手帳を本人に渡すことがより確実になることが期待されるわ けです。  6番目は共済手帳重複チェックの実施で、これは建退共が実施しているもので す。これは退職金の支払い漏れを防止するために、被共済者重複チェックシステ ムによって、退職金受給者が他に共済手帳を保有していないかどうかのチェック を実施するものです。もし被共済者がほかに共済手帳を持っているということで したら、追加して退職金を支給するものです。  7番目は全共済契約者に対する要請文書ですが、これは清退共と林退共が実施 しているものです。その中身としましては、証紙の貼付満了時等における速やか な共済手帳の更新申請、被共済者の退職時における退職金請求の意思の確認等を 要請しているものです。  8番目は、これまで長期未更新者調査の対象とならなかった被共済者に対する 長期未更新者調査ということで、平成20年度と平成21年度に実施をしている ものです。これは建退共が行っているものですが、調査件数は共済手帳の最終更 新が平成7年度までのもので、5万2,092件の被共済者について現在調査を 実施中です。  次に大きな2番目として「平成21年度実施の新たな取組」。これは清退共が 実施している被共済者の住所のデータベース化です。清退共は設立当初から、住 所欄がある加入時の共済手帳申込書を基に、被共済者の住所を整備して順次デー タベース化を図っております。また、最終手帳更新契約者が不明のために、長期 未更新者調査ができずにいた被共済者について、いま申し上げたデータベースに よって順次退職金請求等を要請しております。これは調査件数、すなわち被共済 者数が2,119件、そのうち手帳更新件数が12件、退職金請求件数が534 件となっております。  次に大きな3番目。「今後の取組」としては、共済手帳更新時における被共済 者の住所のデータベース化です。先ほどご説明したのは新規加入時の住所のデー タベース化で、今後は手帳更新時においても被共済者の住所を把握してデータベ ース化をしていきたいと考えております。こちらは新規加入時の4倍ほど情報量 がありますので、時期的には、業務・システム最適化計画の進捗状況を踏まえつ つ、平成23年度を目途に実施する予定です。以上です。 ○勝部会長 ありがとうございました。中退共、特退共それぞれからご説明があ りましたが、ただいまの説明について何かご意見、ご質問等ありますでしょうか。 ○鈴木委員 中期計画に基づいてやっていらっしゃると思うのです。39頁、脱 退から2年経過後の未請求状況で、平成21年12月に1.8%という未請求率に なっているのですが、中期計画の中で、平成24年度までに1%程度という目標 を立てていますよね。この状況でいけばその辺のところはクリアされる状況ですか。 ○小林業務運営部長 それに向けて努力して、いま未請求対策を立てております。 ○鈴木委員 鋭意頑張って努力していただきたいなと思います。 ○勝部会長 ほかに何かありますでしょうか。被共済者のデータベース化という のは、それぞれ、特退共、中退共のほうは、やはりこれも、システム最適化計画 の進捗状況を踏まえつつ、これから。 ○小林業務運営部長 いま最適化で、9月末で終わるということで、それから検 討することを考えています。 ○勝部会長 今年の9月。 ○小林業務運営部長 はい、今年です。データベース化を。 ○勝部会長 なるほど。ほかに何か。 ○臼杵委員 2つありまして1つは、中退共のほうで、先ほどご説明があった4 3頁の退職金請求書の交付をしない場合。就業規則等、あるいは懲戒解雇等での 理由から、請求書を交付しないということですが、その場合、退職金の請求権と いうのはどうなるのでしょうか。もし、従業員にそういう権利がまだあるのであ れば、これは何らかの形で請求を促すことを考えないといけないのかなあと思う のです。それが1点目です。  2点目は特退共のほうです。中退共のほうからは先ほど、未請求率が下がって いるというご報告がありましたが実際にこういうことをやって、特退共のほうで 未更新、未請求がどのくらい解消しているか。この50頁あたりを見ると建退共 のほうはなかなか、やはり大変なのかなあという感じもするのですが、そういう のを確認するようなデータというのはあるのでしょうか。 ○勝部会長 まず1番目の部分で中退共のほうから。43頁の部分ですが、これ について、小林運営部長、何かありますか。 ○小林業務運営部長 先ほどの1番目の請求権の問題ですが、あくまでも従業員 のみとなっております。 ○臼杵委員 そうするとこれは、どういうふうに対応が可能なのですか、こうい う場合。 ○清川総務部長 少し補足させていただきます。当然、請求できるのは従業員と いうことですが、事業主からそういった退職金請求書を渡されなくても、従業員 からの請求が私どもにあればお渡しできるような形になっております。そのため にはまず従業員の方に、こういった制度に加入しているということを知ってもら っておくことがいちばん重要なのではないかと思っております。そのために私ど ものほうでは今回新たに加入状況の通知書というのを。これは従来は事業主の方 だけにお渡ししておりまして、中にはそれをコピーして従業員の方に渡してくだ さっている方もいたわけですが、そうではなくてそれぞれの従業員の方に、自分 が何年間加入しているというようなことがわかるような加入状況書、通知書を、 ミシン目をつけて、そこを破ってお一人ひとりにお渡しするようにということで、 従業員の方に、自分が加入しているということを知ってもらうような取組を今年 度から始めました。それによって、仮に事業主の方が退職金請求書を従業員の方 に渡さなくても、従業員の方が例えば事業主の方に請求していただく、それでも 難しい場合には私どもに直接お話をしていただくということで、こういった方々 について、当然退職金を受ける権利があるわけですので、その権利が実現できる ようにしたいということでそういう取組を行っております。 ○臼杵委員 それはすごくいいと思うのですが、実際にそれが、ミシン目を切っ てちゃんと従業員に渡っているかどうかの確認と、例えば、あなたはクビだよ、 退職金はないよと言われたときに、中退に請求できるんだと考える人というのは、 あまりいないかなという気がしないこともないので、その辺のところを今後実態 把握なり、お伺いいただければと思います。 ○伊澤建設業事業部長 建退共の長期未更新者調査は平成9年度から毎年実施し ておりますが、調査対象件数自体は年度ごとに増えたり減ったりということでき ております。ただ、この調査を受けまして、手帳の更新をしていただいている件 数、あるいは退職金の請求をしていただいている件数は、大きく見ると増えてき ているという状況です。建退共の制度というのはご承知のとおり、期間雇用され る従業員を対象とした制度でして、事業主が従業員に対して、就労日数に応じて 掛金を納める仕組となっております。先ほどご説明しましたように、3カ年手帳 の更新手続を行わなかった者を長期未更新者ということにしておりますが、この 中には例えば出稼ぎ労働者のように、年間3カ月働くなど、断続的に建設業に就 労している方、あるいは、いまは建設業に従事していないけれど、将来再び建設 業で働こうという就労意思のある方、また、いまは建設業に従事していなくて、 かつ、将来建設業で働くか否か明確な意思を有していないという方もいらっしゃ います。こういった方は退職金の支給事由には該当しない方で、ただ長期にわた り手帳が未更新となるということですので、長期未更新者調査の対象者となって いる方であるからといって、必ずしも未請求者とは判断できないわけですが、引 き続き長期未更新者調査とあわせて、先ほど申し上げました加入通知とか、被共 済者の住所のデータベース化などの手段を着実に実施していきたい。そのことに よって、退職金の確実な支給に努めていきたいと考えております。 ○勝部会長 ありがとうございました。ほかに何かご意見。 ○宮本委員 先ほどの一般中退、43頁の調査の結果を見ると、懲戒解雇の場合 とか、就業規則で定められている云々とあります。まず、機構の方々は大変努力 されていることに敬意を表した上で、出口の問題ではなくてやはり入口の問題で、 例えば就業規則に反する場合に中退共から支払われる退職金はどこに帰属するの か。入口論で、入るときにもう少し説明をされたほうが、こちら側とすれば未請 求というように数字は上がります。事業主側とすれば、未請求ではないと認識し ているということなのでしょうね。やはりその入口のときからちゃんと説明をす れば少し解消されるのではないかと思うのですが。 ○小林業務運営部長 やはり新規加入の申込あるいは相談を受けるときには、懲 戒解雇の扱いや、基本的な勤続年数要件、要は退職金規程ですね、その関係で相 談を受けることはあります。そこでは必ず、私どものいまの制度でお答えをし、 確認を取った上で加入していただいておりますので、頭のほうではちゃんと説明 しております。 ○宮本委員 それでも調査で、こういう数字が。 ○小林業務運営部長 はい。 ○勝部会長 ほかに何か。 ○山川委員 やはりこのアンケート調査の40頁で、加入を知らせていない理由 の中に、就業規則等に明記してあるのでというのがあるのですが、ご承知のとお り就業規則というのは周知さえすればよくて、現実にその内容を知らなくても、 労働基準法上は問題がないということなので、必ずしも知っていることにはなら ないわけです。ですから、できれば就業規則で、どこかに掲示したということで はなくて、より具体的な説明なり、周知というか、現実に知らせるような方法も 工夫していただければなと、感想としては思いました。 ○清川総務部長 それもありまして、先ほどの取組の37頁に書いておりますよ うに加入通知の送付、周知の徹底ということで平成20年4月から、新規及び追 加加入の被共済者に対して加入通知書というのを配布して、それを事業所に、各 加入者にお渡しいただくように依頼して、そのあたりの取組にも努力していると ころです。 ○小林委員 調査のところで。非常に努力なさっていて、先ほどの、平成24年 までに1%ぐらいという目標を達成するために今後とも、データベース化も含め てどういうことが必要なのかということだと思うのですが、例えば42頁の5と か、次の頁の6の所で、無回答というのが100社ぐらいあるというのがちょっ と気になるところです。42頁の4の退職金試算票の提示についてというのも、 要望があれば見せているということだと思うのですが、やはり給付というのを確 実に高めていくためには、事業者側の努力も必要でしょうし、従業員のほうにも そういう自分の福祉の部分が、どのぐらいあるのかということを知っていただく ことも必要だろうと思うのです。ですから両方の意識というか、その他の効用と いうのが必要ではないかということで、この無回答とか、5番の所の届出義務に ついても、知らなかったので提出しないことがあったというのも、これも100 社弱あるということだと思いますので、その辺で、おおむね提出されているとか、 おおむねというのは努力の結果だと思うのですが、まだ漏れているところを、い かに努力していくかと言いますか、そこを重点的に対策していくかということが やはり必要ではないか。例えば4番の退職金試算票の提示というのは、その人が どのくらい掛けているのかということで、このくらい掛けていればどのくらいの 金額が出ますよという、汎用性のあるリストみたいなものを提示することでも、 従業員のほうは、自分が退職金を、いま時点でいくらもらえるのかということは わかるわけですよね、何かそういう仕組みというか、そういうことも必要なのか なと思いました。  ちょっと単純な質問ですが39頁の、未請求時効処理というのと時効処理後支 給というのは、これは、平成16年度に未請求の時効処理をしたのがこの件数で、 3番の時効処理後支給というのは、平成16年度の時効処理分についてこれぐら いだと、そういう読み方でよろしいのですか。 ○小林業務運営部長 この表の見方は、2番の未請求時効処理、これは決算で時 効処理にあがったものです。3番の時効処理後の支給は時効になったもの、平成 16年度のみではなくて、いままで時効になったものの支給件数です。 ○清川総務部長 最初のご指摘に対してですが、私どもは、事業主にいろいろな 形で周知をお願いしていかなければいけないと思っておりまして。ただ、この制 度は事業主が任意に加入する制度であるということもあり、なかなか難しい面も あるわけですが、私どもは毎年1回、共済者の方に対して「中退共だより」とい うのも送付させていただいておりますので、そういったものなども活用しながら この制度について、できる限り事業主の方にご理解いただき、また、従業員の方 に、必要なものについて周知していただくようにお願いするというようなことに、 今後とも努めていきたいと思っております。 ○臼杵委員 これは余計なことかもしれないのですが、いまのお話を伺って、事 業主を通してというと、どうしても事業主の負担になるので、できれば直接共済 契約者とつながりがあるように、例えばいまの時代ですから、携帯に送るとか電 子メールに送るとか、そういうようなことも今後ご検討いただければと思います。 ○清川総務部長 被共済者も相当の人数になってきますので、それらの方々をす べて私どもが把握してコンタクトをとるというのも難しい面があろうかと思いま すが、例えば加入通知書を各個人に配布するようにするとか、毎年1回従業員の 方に、自分がどれぐらい加入しているのかという加入期間を通知するとかそうい ったこと、あるいは、もし中退共に入っているということがわかっていただけれ ば、ホームページ等で各種情報の発信に努めておりますので、そういったことも 含めて今後努力していきたいと思っております。 ○臼杵委員 どうしても紙だと大変なので。私の所にもよくいろいろなメールが くるものですからつい申し上げましたが、今後ご検討いただければと思います。 ○勝部会長 例えば被共済者にナンバーを提示していって、ホームページでそれ を入れれば自分の情報がわかるとか、そういったこともたぶん。 ○小林業務運営部長 一般的な試算はできます。 ○勝部会長 ホームページ上で試算はできるのですか。 ○小林業務運営部長 はい、個人番号を入れてとかそういうことではなくて、一 般的な試算ですね。 ○勝部会長 ほかに何かご意見等ございますか。よろしいでしょうか。特にない ようであれば本日はこれで終了したいと思います。ご協力いただいて予定より随 分早く終了になりました。本日の議事録の署名委員は鈴木委員と松本委員にお願 いしたいと思います。本日はこれにて散会にしたいと思います。どうもありがと うございました。  照会先:厚生労働省 労働基準局 勤労者生活部 勤労者生活課 企画係 (内線5376)