10/03/02 平成21年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会議事録 平成21年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会 1.日時及び場所  平成22年3月2日(火)14:00〜16:00 航空会館701+702会議室 2.出席委員(4名)五十音順   ○大平 勝美、岡田 義昭、佐川 公矯、◎高橋 孝喜、花井 十伍   (注)◎委員長、○委員長代理   他 参考人    水澤左衛子     日本赤十字社(5名)    欠席委員(2名)五十音順    山口 照英 3.行政機関出席者    亀井 美登里(血液対策課長)    光岡 俊成(血液対策企画官) 他 4.備考    本部会は、公開で開催された。 ○難波江血液対策課課長補佐 ただ今から、平成21年度第4回血液事業部会運営委員会を開催します。 本日は公開で行うこととなっていますので、よろしくお願いします。本日は山口委員から、御欠席と の御連絡をいただいています。また、本日は参考人として、国立感染症研究所主任研究官の水澤左衛 子先生にお越しいただいています。後ほど、HBV genotype NATコントロールサーベイ結果報告につい て、御報告いただきます。  また、採血事業者等、血液事業の担い手として、日本赤十字社血液事業本部の経営会議委員の田所 憲治さん、同副本部長の日野学さん、献血推進課長の菅原拓男さん、安全管理課長の百瀬俊也さん、 参事の五十嵐滋さんにお越しいただいております。どうぞよろしくお願いします。なお、カメラの前 撮りはここまでとさせていただきます。  議事に入る前に、本日の運営委員会においては、個別品目の承認の可否や個別品目の安全対策措置 の要否の審議はありませんが、血液事業の運営において、日本赤十字社が調達する技術の提供企業と の利益相反を確認しておく観点から、「平成20年3月24日薬事・食品衛生審議会薬事分科会申し合わ せ、審議参加に関する遵守事項」に基づいて、利益相反の確認を行いましたところ、審議及び議決へ の参加については、退室委員及び議決に参加しない委員は、ともになしとなっています。それでは、 高橋委員長、以降の進行をお願いします。 ○高橋委員長 初めに資料の確認をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 1枚目は議事次第です。座席表、委員名簿がありまして、資料1が 「前回議事要旨」、資料2が「感染症定期報告について」、資料3-1は「供血者からの遡及調査の進捗 状況について」、資料3-2は「血液製剤に関する報告事項について」、資料3-3は「献血件数及びHI V抗体・核酸増幅検査陽性件数について」、資料4-1が平成21年5月18日の通知、資料4-2が「献血 後に新型インフルエンザと診断されたウイルス検査の結果について」です。資料5が「HBV genotype NATコントロールサーベイの結果報告書」です。資料6は三つありまして、資料6-1、資料6-2、資料 6-3となっています。資料7が「英国滞在歴に関する献血制限の見直しの実施状況」、資料8-1「フィ ブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」、資料8-2「C型肝炎訴訟の和解について」、資 料8-3が「血液凝固因子製剤の納入先医療機関の調査について」です。資料6-3の引用文献一式につい て、大変量が多いため、今回は委員にのみ配付しています。後ほどホームページにアップしますので、 お持ちでない方はそちらを御覧いただければと思います。資料の確認は以上です。 ○高橋委員長 議事要旨の確認ですが、資料1の議事要旨について御意見があれば、事務局まで御連 絡いただきたいと思います。  続いて議題2「感染症定期報告について」です。すでに委員の先生方には報告書が郵送されていて、 委員会で検討を要するものは事前に事務局に連絡するとされています。まず、事務局から資料の説明 をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 資料2「感染症定期報告について」です。簡単に御説明します。今回 は新規の論文の報告が34本ありました。資料2の5ページの一覧に基づいて御説明します。  まず肝炎関係は6本あります。文献番号の1で、これはEurosurveillanceのペーパーですが、A型 肝炎のもので、2008年9月から翌年3月にかけて、スペインのバルセロナでA型肝炎に感染した150 症例が報告されました。うちMSM集団における感染が多く、その集団でのアウトブレイクの可能性 を示唆しており、感染リスクの高いコミュニティーへのより効果的なワクチン接種プログラムの必要 性を強調したものとなっています。  続きまして2番です。これはB型、C型肝炎について、Transfusionに載ったペーパーです。カナダ では入れ墨、耳もしくは体へのピアスに対する供血延期の期間を以前は12カ月だったものを、2005年 8月からは6カ月に短縮しまして、その後の影響について報告したものです。結論としては、最近の 入れ墨やピアスはHCV、HBVのリスク因子ではなかった。延期期間の短縮により、供血延期の件 数は入れ墨で20%、ピアスで32%減少した。供血期間の短縮後、検出できるほどの安全性に対する影響 は少なく、血液供給においては期待効果以下ではあるが有効であった。  三つ目はB型肝炎で、これはHepatologyに載ったペーパーです。B型の再燃についてのペーパーで す。B型肝炎の再燃とは、非活動型もしくは治癒した患者に急激な増幅で起こることがある。最も説 明されている例として、B型肝炎の再燃はリンパ腫または白血病のがん、がん化学治療を受けている 非活動性またはほとんど活動していないHBs抗原キャリアに起きているというものです。  4つ目です。これはB型肝炎で、日本からの報告です。HBs抗原に陽性を示した供血者と、HB V感染のgenotypeを比較したもので、これは論文の表を見ていただくのがいいかと思います。別添の 論文一式の43ページのTABLE1で、供血者と患者におけるHBVのgenotypeの分布を見ているもので す。供血者においてはgenotype Bが多く、患者ではgenotype Cが多いというデータです。次の44ペ ージのFig.の2ですが、これは年齢別にgenotypeを見ているものです。若いほどCが多く、中高年層 でBが多いとなっています。genotypeのAについては、日本人の男性ドナーに観察されたという結果 になっています。  6ページの文献番号5番です。これも日本からの報告で、E型肝炎でgenotype3は不顕性とされてい ますが、重篤な肝炎を発症した国内8症例について、報告があったというもので、系統樹解析の結果、 ほかのgenotype3とは区別されて、JIO株と名付けられた固有のクラスターに分類されたというもの です。  文献番号6ですが、これも日本の報告です。これはHEVの献血者での調査結果です。北海道での 2005年から2008年にかけての供血者で、約100万名の方について20プールで、HEV NAT検査をしたと ころ、NAT陽性者は140名であって、献血時の抗体保有率は3割以下、感染初期の献血が多かったと いうことです。陽性者のHEV genotypeの9割以上が3型で、4型も認められました。陽性者の約7 割は献血前に動物内臓肉の喫食歴があり、陽性者の半数には、その後ALTの上昇が見られたという ものです。ここまでが肝炎関連です。御質問、御意見はございますでしょうか。 ○岡田委員 5番の文献のE型肝炎ですが、通常genotype3は不顕性感染が多いということで、今回は 不顕性感染が多いのですが、何名かは重篤な肝炎になるということで、ホスト側の因子もあるのかと 思いましたけれども、今回の報告文にあったように、ウイルス側のヘリカーゼの特定の遺伝子を持っ ているものは重篤化するということで、こういう特定の遺伝子を持つようなウイルスの分布を調べる ことによって、ある程度予防が可能なのかなと感じました。  genotype4に関しても、劇症肝炎等の重症になるものも分かっていまして、それもたしかヘリカーゼ に特有の配列があったと思いますので、そういうことで、特に重症化するようなものをモニターをし ていって、人が感染しないように予防するということが、今後可能になるかもしれません。 ○難波江血液対策課課長補佐 続きまして文献7です。これはヘルペスの8の感染についての報告で す。米国で輸血を介したヘルペスHHV-8の感染調査を行ったというものです。結論は、輸血群と非輸血 群におけるHHV-8seronversion率は統計学的な差はなく、かつ過去の集団の特徴は現在の輸血を介した 伝播が稀であることを示しているというものです。  文献8です。HIVについて、フランスのレファレンス研究所で多様性を調査したところ、カメル ーンからパリに移住した方から採れました血清資料RBF168を分析したところ、HIVの感染源とし てチンパンジーに加えて、ゴリラからの感染が示唆されたという結果になっています。  文献9で、Pediatricsに載ったペーパーです。9歳、15歳、39カ月の子ども3例に、HIV感染と 診断されましたが、全例とも、HIV感染者である養育者が食べ物を噛んで与えており、2例では噛 み与えた大人に口腔内出血があったという結果です。  文献番号10です。これは日本の報告です。名古屋医療センターにおいて、4例にHIV-2の感染が疑 われたという報告です。  11番です。HTLVですが、厚生労働省の研究班で119万人を対象にHTLV-1の調査を実施したとこ ろ、献血血で3,787人の感染が確認され、国内感染者は約108万人と推計されたものです。これは20 年前に同様の調査を行ったときの120万人と比べて、大きな変化はなかったけれども、以前は地域の割 合が高かった九州が減少し、大都市圏で増加したが、これは背景に移動があるのではないかというこ とです。ここまでで、御意見、御質問はございますでしょうか。  続きまして、12番です。Q熱の報告です。オランダで2007年から2008年のアウトブレイク後、 2009年4月からQ熱が急増して、345例の報告があったというものです。これはヤギ農場が集中してい まして、流産の増加している農場が発生源と疑われているというものです。  8ページです。文献番号13番で、アメリカ・トリパノソーマ症、シャーガス病で、FDAが業界向 けのガイダンス案を発表していまして、ドナースクリーニングを行うことを推奨するという案になっ ています。この中を読みますと、アメリカでは1990年代に行われたスタディーでは、トリパノソーマ の抗体陽性率が、5,400〜2万5,000分の1と言われていたものですが、最近ではもう少し増えていて、 特に一部の南米、中南米出身者の多いロスなどでは、2,000分の1ぐらいではないかと言われているも のです。  文献番号14番です。これは前回ご報告しましたもので、南アで新しい旧世界アレナウイルスが分類 されて、Lujo virusと命名されたというものです。  15番はProMEDの報告ですが、ブラジルで過去3カ月に657例のオロポーチ熱に感染した事例があっ たという発表です。これは蚊に刺されて発症するもので、症状はデング熱、マラリアに似ているもの です。  文献番号16番です。これは日本からの報告です。2007年に新興感染症のコウモリオルソレオウイル ス、別名マラッカウイルスというものが日本で報告されたというもので、この方はバリから帰国した 方です。  17番です。これは細菌感染で、2002年から2003年に高知県で日本紅斑熱が疑われた18名の保存血 を解析したところ、2名からヒトアナプラズマが確認され、これは日本における初めての確認であっ たというものです。  18番も日本からの報告です。日本赤十字社が2008年に収集した輸血関連感染症の報告で、149例の 解析のうち、HBVで4例、HEVで2例、細菌で2例で、献血者検体から病原体を検出し、いずれ も輸血と感染症の因果関係が高いと評価されたと。また、輸血後B型肝炎を発症した1例は、劇症に よって死亡されたというものです。ここまでで御意見、御質問はございませんでしょうか。  それでは続きまして、10ページ以降です。今般のH1N1新型インフルエンザに関する報告で、19 番はニューイングランドジャーナルに載りました、アメリカでの初期の症例や疫学情報をまとめたペ ーパーです。  20番はメディア情報ですが、オーストラリアの研究グループが、重症となった妊婦ではIgG2の レベルが低値だったと。この3名のうち2名にイムノグロブリン投与したところ回復したという報告 でした。  21番はMMWRに載りました神経症状に関する報告です。  22番も新型インフルエンザ(H1N1)で、カナダの食品検査庁が獣医、養豚業者に出したアドバイ スです。  23番は、日本の5月から6月のH1N1に関する疫学的な特徴をまとめたものが、 Eurosurveillanceに載ったものです。  24番はProMEDに載りましたもので、新型インフルエンザ関連で、タミフル耐性の報告です。  25番は、WHOのパンデミックフェーズを6に上げたというものです。  26番は、日本の農水省が養豚農場のブタからウイルスが分離されたという報告をしたものです。こ こまででいかがでしょうか。  それでは12ページです。文献番号27番、これはCDCの報告で、アジアでチキングニヤのブレイク があるということに注意喚起したものです。  28番はTransfusionに載ったペーパーです。アメリカにおいてパルボウイルスB19のgenotype3が 供血者で初めて検出されたというものです。  29番はFDAのガイダンスで、1年前に案として出されたものが正式にガイダンスとなったもので す。パルボに対して、すべての血漿由来製剤に対して、製造用プール血漿中のHPV B19DNAの濃度が 104IU/mLを超えないように、工程内検査としてNATを実施すべきである。血漿由来製剤の製造に投 入する血漿ユニットのスクリーニングには、ミニプールサンプリングにて、パルボのNAT検査を実 施する。三つ目の○として、血漿由来製剤の製造に投入する血漿ユニットに、製造用プールのパルボ が104を超えるような高値を示すものを見つけた場合はユニットを使用しないというものです。  30番はマレーシアからの報告で、Plasmodiun Knowlesi、二日熱マラリアと呼ばれている、5番目の マラリアの報告です。ここまで何かありますか。 ○岡田委員 28番、29番のパルボですが、パルボウイルスは現在三つの遺伝子型に分けられるように なりました。かつては、通常B19と言われていたものがgenotype1です。genotype2とgenotype3は 何かというと、最初の報告が、変異型のパルボと呼ばれていたのですが、その後の疫学的な調査で、 genotype3というのは、サハラ砂漠の周辺に流行しているgenotypeだということが分かりました。で すから、28番のアメリカにおいてgenotype3が見つかったというのは、アフリカで感染もしくは旅行 者か何かで、アメリカ本土に持ち込まれた可能性があると思います。genotype2は、かつては genotype1とgenotype2が同じぐらいの割合で流行していたと思われていたのですが、どういうわけか genotype1の方が優位になっていまして、いまはほとんど見つかりません。そういうことで、 genotype1が主流になっています。  パルボというのは血清学的には一つと考えられていますので、抗体が陽性の方は、違うパルボがよ ほど高濃度で入ってこない限りは予防できるのではないかと思います。  どうして急にパルボが問題になったかというと、スクリーニングの試薬で、genotype2とgenotype3 が検出できないような試薬が市販されていることが分かりました。そのようなことがあって、パルボ に注目が集まったわけです。いまはどのタイプも市販されているものは検出できるように改良されま した。WHOの標準品も、genotype1からgenotype3まで揃っていますので、血漿分画メーカーで、現 在行われているパルボの試験で感度評価をしようと思うときに、WHOのパネルを利用しますと、感 度が評価できるという体制が揃っています。 ○大平委員 いまのパルボの問題ですが、日本でも日赤できちんと検査をされていると伺っています が、ときどきいろいろな医療関係者から、血液製剤はパルボの問題があるということを、いまもとき どき言われる方がいらっしゃるので、そこは日赤の製品として、また分画製剤全体も、いま大丈夫と いう認識でよろしいのでしょうか。 ○田所(日本赤十字社) 現在、血清学的な検査をしております。抗原検査を行っていまして、核酸増 幅検査(NAT)の検出レベルでいうと、106、107のものはほぼ検出できる状況にあります。ですから、 プールをすると結果的には104以下になるだろうということですが、一応分画原料のレベルとしては、 そこまではほぼ担保できているということです。  もちろん10の何乗か以下のものというのは含まれている可能性はあるわけですが、輸血の感染例と いうのは、この間ずっとやっている中で、ヘモビジランスを行っている1993年以降で確認されたのは 4例ぐらいだったと思います。 ○難波江血液対策課課長補佐 続きまして14ページです。vCJDのペーパーです。31番です。これ は前回に参考人としてお越しいただきました山田先生からも御報告がありましたが、今年5月にBM Jに載りました、英国で摘出された扁桃腺63,000検体について調べたところ、いずれからも陽性を示 す検体はなかったというものです。  32番は、前々回の運営委員会で、山口先生と岡田先生から御報告のありました、血友病患者の脾臓 の中に異常プリオン蛋白質が発見されたというものの、保健省の報告書です。  33番は、EMAが、現在あるvCJDに関する見解書が2004年6月のものなので、これをアップデ ートをしたいという見解書を出したというものです。  34番は、米国のFDAが用意したvCJDに関する意見書で、先ほどの英国の血友病患者の脾臓で の検出の報告を受けて、改めてリスク管理戦略を評価したと。その結果、米国で承認されている第VIII 因子製剤からのvCJD感染のリスクは極めて低いと考えられるが断言はできない、というこれまで の評価であるというものです。  次のページの35番です。これは異常プリオン蛋白の除去について、伝染リスクの観点から安全性を 向上させるために、SD処理した血漿分画製剤OctaplasLGの製造過程に新たな技術を導入して、除去 効果を調べたと。結論としては、新しい異常プリオン蛋白除去ゲルは、OctaplasLGからvCJDの病 原因子を除去できる非常に高い性能を示したというものです。 ○高橋委員長 全体を通じて何か御意見はございますか。事務局、今までの御意見を十分に念頭に置 いて、さらに感染症定期報告の収集などをお願いします。  続いて、議題3「血液製剤に関する報告事項について」です。遡及調査の進捗状況や副作用感染症 報告の状況、これまで報告された事例のその後の対応状況等について、報告をいただきます。事務局 から御説明をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 資料3-1です。「供血者からの遡及調査の進捗状況について」です。4 ページです。これは平成21年4月1日から、平成21年12月31日までの供血者から始まる遡及調査実 施状況でのデータです。調査の対象とした献血件数は1,389件です。うち個別NATが陽性となったの が108件でした。いずれもHBVでした、医療機関へ供給されたものは119ありますが、うち107本を 使用されていまして、陽転事例が1件ありました。この1件について、6ページにラインリストとし てお示ししています。消化器疾患の女性で、もともと献血された方は、2009年7月14日に献血されま して、その時点ではHBV関連検査は陰性でした。その後、次回の献血で、10月14日にいらっしゃっ た際に、HBc抗体が陽性ということでしたので、個別NATを10月の分と7月の分を改めてしまし て、7月の分について、DNAが陽性であったというものです。  医療機関に報告しまして、投与された方は7月に投与を受けていますが、この患者さんの検査をし ましたところ、HBV-DNAが陽性だったというものです。  ただし、いちばん右側に書いていますが、この患者検体と献血者の保管検体のHBVの塩基配列の 相同性を比較したところ、32カ所で相違が見られたといった事例です。 ○高橋委員長 この件に関して、御意見、御質問、あるいは日本赤十字社の方から御追加があればお 願いします。特にないようですので、続いて資料3-2についての説明をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 資料3-2です。これは医療機関から報告があったというもので、今回新 規症例として、15ページと19ページのものが報告されています。まず15ページです。昨年11月に報 告があったもので、循環器疾患の男性の方で、昨年2月に新鮮凍結血漿38単位、血小板50単位、赤血 球を39単位輸血された方です。輸血直後のHB関連の検査はすべて陰性でした。6カ月後に検査をし たところ、HBs抗原陰性、肝酵素も正常値であったと。11月になりまして、意識障害で救急搬送さ れまして、肝炎を呈されていて、同月劇症肝炎で亡くなったという方です。  患者の検体のHBVの解析結果は、ジェノタイプCで、サブタイプadrで、変異株であったとい うものです。保管検体について調べましたところ、2月、8月は陰性で、11月にDNAが検出されて いるものです。  血液製剤については、この方は45人の供血者から採血された血液が使用されたわけですが、45人の うち42人の方が再採血、献血に来場いただきまして、うち40名はすべて陰性で、2名の方はHBs抗 体のみ陽性で、献血についても1名は同様で、もう1名の方は献血した際にもHBs抗体とHBc抗 体が陽性であったという方です。また、45人の方の保管検体を調べたところ、個別NATはすべて陰 性であったという症例です。  続いて19ページです。C型肝炎が疑われた事例です。70歳の男性で、消化器腫瘍の方です。昨年11 月に赤血球2単位1本の輸血を受けております。12月22日に肝酵素の上昇が見られまして、HCV-RNA が17日に確認されたというものです。  血液製剤の状況ですが、保管検体はNATが陰性で、この方1名だけだったのですが、再採血で来 所されて検査した結果、HCV関連は陰性だったという例です。 ○高橋委員長 いかがでしょうか。 ○花井委員 15ページの事例ですが、これによると、まだドナーの方が3名来られていないというこ とで、因果関係について分からないようなのですが、担当医は「因果関係はない」というコメントは 付けています。輸血直後に検査して、s抗原も、c抗体はすべて陰性であったのに、因果関係がない というコメントが付いているのは、何か理由があるのでしょうか。それは日赤で何か把握されている でしょうか。もちろん3名の方が来られれば、そこは確定するのかもしれませんが、そこが不自然な ので、何か情報があったら教えていただきたいと思います。 ○百瀬(日本赤十字社) 輸血後については、11月16日の時点でB型肝炎の各マーカーを調査しまして、 その時点で発現日ということになっております。8月時点での輸血後のものについては、NATのみ しか調べられていないということでして、45名の供血者の方については、死亡例ということで呼出し を掛けて、今のところ3名はいらっしゃっていませんけれども、文書等で呼出しを何度かトライして います。 ○花井委員 8月から11月までの間に、何かばく露する状況があったと判断されたのですか。 ○百瀬(日本赤十字社) ただ、その原因としては、私どもが得られている情報からはそれ以上のこと を類推するのは難しいと思います。残りの3名の方が来られれば評価できると思いますが。 ○田所(日本赤十字社) 推測ではありますが、2月に輸血をされていて、8月には陰性だと。通常は 3カ月もあれば陽性になるはずのところが、6か月でも陽性にはなっていない状況だということが、 その根拠かなとは思います。 ○岡田委員 本文中には、11月16日の検査でHBc抗体が陽性と書いてあるのですが、この輸血後の データには、HBc抗体は陰性になっていて、どちらが正しいのでしょうか。 ○百瀬(日本赤十字社) 下に書いてあるコア抗体陰性というのは、日赤で検査した結果です。 ○岡田委員 EIAか何かのものですか。 ○百瀬(日本赤十字社) EIAです。 ○岡田委員 この患者さんは、輸血と関連があれば非常に長い潜伏期で発症しているということなの ですが、そこでHBc抗体が陰性だとすると、かなり急激に増えて発症しているのではないかという 気がするのです。  それで、文献的にe抗原に産生しないようなコア領域に、ミューテーションが入っているようなも のは、in vitroの実験だと、非常にレプリケーションが早いということが報告されているのです。そ れを考えると、8月5日のB型のDNAが陰性ということを考えると、輸血よりも違う原因の方が考 えられるのかなと思うのです。  それで、このHBc抗体が陰性となると、ある程度時間が経てば、おそらくHBc抗体も陽性にな っているのが陰性だから、かなりHBc抗体が陽性になる前に劇症になってしまって、このような状 態になってしまったのではないかと思います。あくまでも推定ですけれども、そのようなことが考え られると思います。 ○高橋委員長 非常に微妙な症例ですので、さらに追及していただければと思います。 ○岡田委員 もう一つありまして、19ページのC型肝炎の例なのですが、これは輸血が原因だとする と、実際に肝酵素の上昇は輸血後16日目に見られているということで、ちょっと発症が早すぎると考 えます。  それで逆に考えて、12月12日に発症したとすると、いつ頃感染しているのかなと考えると、11月 26日のHCV NATが、引っ掛かってきてもいいようなことが考えられるのですが、これが陰性というこ とで、実際このNATは、ある程度の感度があれば陽性となるようなことではないかと思いますが、 これが不思議なのですが、輸血の経過からすれば、いくら何でも16日後にCが発症して、そのままと いうか、かなり重篤になって、死亡ということですので、早いということです。それだと、輸血のド ナーさんが陰性ということで、輸血とは因果関係がないことはたしかだろうと思うのですが、違う原 因だと考えられます。  そうすると、11月26日の検査というのは、本当に信じてもいいのかなという気もするのですが、そ の辺のことは日赤の方には入っていないのでしょうか。 ○百瀬(日本赤十字社) 先生のおっしゃるように、この事例についてはNATが陽性に出てくるのは、 肝機能値の上昇を考えると早いかなと思います。この事例については、患者さんの検体が得られなか ったので、医療機関での検査結果ということになっていまして、NAT陰性を確認した直後に陽転し たのかもしれませんが、献血者の調査の結果、献血者は否定的に考えられるので、輸血以外の要因が あるのではないかと。  ただ、医療機関から得られた副作用記録には、輸血をする約3週間前に、上部消化管内視鏡検査な どもやっていることは記録に書かれています。 ○難波江血液対策課課長補佐 20ページのラインリストです。昨年11月26日から、今年の2月15日 までの報告をまとめたものです。2番がB型肝炎事例の報告ですが、輸血前後に感染症検査で陽転し た事例は12例です。(2)として、血液製剤の提供を受けた保管検体個別NAT陽性事例は「5例」と ありますが、3例の間違いです。輸血後に死亡したとの報告を受けた事例は、先ほどの1例です。  C型肝炎ですが、輸血前後で抗体検査が陽転したのは4例です。保管検体のNATの陽性は0例、 輸血後に死亡された方は先ほどの方の1例です。HIVは0例でした。  その他の感染事例として、肝障害は0、細菌感染は保管検体の無菌試験陽性事例は0、輸血後に死 亡の報告を受けた事例は「1」となっていますが、「0」の間違いです。  先ほどのB型肝炎ですが、21ページです。劇症死亡を起こしていない事例ですが、供血者陽性事例 で、先ほど個別NATの陽性は3とありましたが、いちばん上の事例です。これは個別NATは陰性 だったのですが、献血者の次回献血で、スクリーニングでNAT陽性だったという方です。いちばん 右に書いてありますが、塩基配列の相同性を比較したところ、2カ所において相違が見られたが、そ れ以外の塩基配列は一致したというものです。その下は陽性事例ではありませんので、場所が間違っ ていました。  上から三つ目の例です。保管検体は陽性でしたが、献血者について再来され、いずれもHBV関連 は陰性だったという事例です。いちばん下の例は、保管検体は陽性で、現在再検査の依頼をしている ところです。  次のページのいちばん上です。この方も保管検体は陽性でしたが、再来献血において、HBV関連 の検査はいずれも陰性であったというものです。24ページのいちばん下は細菌感染の事例です。この 方は投与後80分で症状を呈し、投与を中止したという例で、投与中止の製剤を細菌培養したところ、 Streptococcus agalactiaeが同定されました。同一採血番号の血漿は無菌検査を実施したところ、適 合していたということです。保管検体は陰性でした。菌株について検査したところ、同一の菌株であ ることが確認されたという事例です。ここまでで御意見はございますでしょうか。 ○大平委員 これまで断定の付かないケースが残っている感じを受けます。ドナーの方の再来が確保 できないところは、文書で要請して、それを善意で応じるというところがあるので、なかなか難しい のかもしれないのですが、確定できることが、ドナーの方たちに来ていただければ確定結果というの で出て、献血からの血液の安全性が信頼性としては高まるのではないかと思うのですが、そこはこれ からどのような方法があるのかは難しい課題かもしれませんが、海外においての比較なども調べてい ただいて、なるべく未確定のものが残っていくことのないように方法を考えていただきたいと思いま す。 ○百瀬(日本赤十字社) 先ほども申し上げましたように、呼出しについては文書等で努力はしている のですが、年間に500万人の方の献血がありますが、実献血者数は300万人余りということで、年間 1.6回程度の回数です。血小板の献血者の方にはもっと数多く御協力いただいている方はたくさんいら っしゃるわけですが、平均すると年間1.6回ぐらいですので、もう少し頻回に献血に来てくだされば、 逆に呼出しをしなくても、次の献血で遡及調査等で確認のできる状況になろうかと思います。呼出し については、また努力してまいりたいと思います。 ○大平委員 そういった点で、来られている方が複数回ドナーとか、かなり献血に来られている方が 中に入っているのかどうか、まだ来られていない方というのは、単発で来られている方が多いのか、 その辺をもう少し知りたいと思いました。もしリピーターのような形で来てくださる方については、 何らかのアクセスの方法などを考えていただけたらと思います。 ○百瀬(日本赤十字社) 承知しました。 ○高橋委員長 この問題については、以前に私も意見を申し上げて、献血のときにこのような可能性 について、あらかじめある程度は御説明しておいてと。大平委員のお話ですが、私としては、前に比 べると多い割合で来てくださっているなという印象があります。それはうまく工夫してやっていただ いてるのですね。 ○百瀬(日本赤十字社) 今回の事例にありましたB型肝炎についても、呼出しでかなりの多くの方に 御協力いただいている状況です。 ○高橋委員長 もう一つは、病院での保管検体の確保が十分でないのも浮き彫りになったような感じ がしますので、それももう少し周知する必要があるかもしれません。そのほかにいかがですか。 ○岡田委員 21ページのいちばん上の供血者が陰性で、次の献血のときにNAT陽性になったところ で、感染が分かった事例なのですが、この方は該当する献血と陽性になった献血の間が8カ月あるの ですが、このB型肝炎のシークエンスの解析が行われていますが、何か特殊なシークエンスを持つよ うな、変異が入っているようなものなのか、通常のワイルドタイプなのかという解析は行われたので しょうか。  要するに、個別のNATは陰性だったけれども、バッグの中に感染させるだけのウイルスが入って いたために、レシピエントが感染したのだと思うのです。最初に劇症肝炎で亡くなられた症例も輸血 が原因と考えると、すごく長期間後に発症したと疑われるわけですが、この症例においても、NAT の陰性から陽性まで、いつから陽性になったのかは分かりませんが、8カ月という期間が開いている ので、通常であれば肝機能なり、陽性になったりと、何か違う症状が出たりするのですが、この人の ように、全然本人は気づかずに、通常のワイルドタイプのBと違うのかなという。 ○百瀬(日本赤十字社) 資料によりますと、コアプロモータ、プレコア領域の塩基配列につきまして、 献血者と患者さんの両方の株で1塩基の挿入変異が見られたという結果になっています。そのほかに、 1塩基の相違があったということです。 ○田所(日本赤十字社) おそらくは、個別NATウインドウの時期で、その後は測定されていなかっ たので、あとで陽性が判明してきたということで、特別にウイルスの異常を考える必要があるのかど うかまでは、その時点では考えが及ばなかったのですが。 ○岡田委員 この方というのは、該当するさらに前に献血歴はあるのでしょうか。以前にもありまし たが、非常にlow titerウイルスをずっと持ち続けている方、しかもHBc抗体が陽性にならない方も あったと思うのですが。 ○百瀬(日本赤十字社) 当該輸血の前の献血になりますと、約3年ぐらい前になってしまいます。も ちろんNATは陰性でした。この患者さんに輸血された時点でのコア抗体は、基準は適合ですが、反 応としては陽性になっています。 ○難波江血液対策課課長補佐 同じ資料3-2の30ページです。試行的HEV、E型肝炎の20プールN ATの実施状況についての報告です。下の段で、平成18年3月から平成21年12月までの数値で、献 血者数103万4,015名、HEV-RNAの陽性が123名、陽性率が8,407分の1で、平成17年からカウントす ると8,186分の1となっています。資料3-2は以上です。 ○高橋委員長 特に御意見、御質問があればと思いますが、よろしいでしょうか。込み入った解析を 要する例が増えている感じですが。 ○日野(日本赤十字社) 資料3-1に戻っていただきたいのですが、今回遡及調査で、1件患者さんが陽 性になった症例がありました。資料3-1の6ページの症例について報告させていただいているわけです が、この症例については、輸血から4カ月程度の期間で、シークエンスの比較でやったのですが、塩 基配列が32カ所相違しているということがありましたので、現在のところ日赤の評価からすれば、因 果関係はないだろうと考えています。 ○高橋委員長 それでは資料3-3について御説明をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 はい。資料3-3「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」で す。いちばん最初のページのいちばん下は2009年の速報値で、献血件数520万、陽性件数が102例、 10万件当たりが1.929と3年振りに2を割った数値となっています。  3ページ、都道府県別の値となっています。平成21年、黄色で示した所ですが、大阪において、平 成20年が26件だったのですが、平成21年は13件と、半減しております。一方で、東北地方では、岩 手が10年間ほど1例もなかったのですが平成21年は3例、宮城もしばらくなかったのですが2例、茨 城が5例、埼玉が8例など、地方のほうで少し増えてきているというデータになっております。  いちばん最後の6ページ目が男女の違いで示したものです。真ん中が全体で、10万件当り1.997で すが、男性が2.733、と前年を下回っている。一方で、女性が0.467と、前年を上回っているという値 になっております。資料3-3は以上でございます。 ○高橋委員長 この点について、いかがでしょうか。 ○大平委員 大阪が半減しているというところでは、この献血のキャンペーンで、今、結構一生懸命 やられているということを聞いていまして、たぶん、その中での検査目的の問題も触れられているの と、献血の大切さみたいな啓蒙がキャンペーンとして少し行き渡っているせいなのかなとは思ってい るのですが、実際、厚労省または日赤のほうでどういった感触があるのか、もし分かりましたら教え ていただきたい。  あと、埼玉とか茨城とか、そういう所でかなり増えているという背景というのは、是非、疾病対策 課などと連携をとっていただいて、情報をつかんで対処していただきたいと思います。 ○難波江血液対策課課長補佐 大阪で半減した要因というのは、その理由を明確に炙り出すというこ とはなかなか難しいのですが、昨年来、検査目的の献血を御遠慮願うキャンペーンをやっておりまし て、また、大阪のほうでも保健所などでの検査の充実をお願いしているところです。それで、減った のですが、一方で、保健所などの検査が増えたかというとそうではなくて、むしろ、昨年は保健所で の検査が全体として減っているという結果になっていますので、検査目的で来られた方が保健所に行 って検査をされたかというと、中を分析してみないと分かりませんが、全体を見る限りにおいて必ず しもそうとは言えない。一方で、HIVについては、検査を経てAIDSを発症されて分かる方が増 えているという状況にありますので、我々が考えていたような検査に行っていただくというところま ではまだ結び付いていないのかなと思っております。 ○花井委員 今、事務局からもコメントがあったのですが、検査の件数自体は15〜16%減っているので すね。陽転件数も保健所等では減っている。それにもかかわらず、献血のほうでは減っていると。こ れをどう評価するかというのは難しいところなのですが、一つは、広く一般に対する検査の啓蒙と、 ターゲットを絞った検査の啓蒙というところが関係しているのではないか。関係当局、こことは違う のですが、検査全体が減っている。つまり、ある特定の集団における陽性者の予防というのはもちろ ん大事なのですが、HIVというのは広く広がっているという実情があって、検査全体が下がってい るという事実は非常に問題なわけです。その検査のキャパシティの問題からターゲットを絞るという のは、現場としてはそういうことがあるにせよ、本来は自由に検査にアクセスできる体制を充実する という観点からすれば、これは健康局になると思うのですが、保健所の検査体制はまだ脆弱であると いうふうに言えると思います。だから、そこはキャンペーンのあり様とか、その辺を十分に細やかに 解析していただいて、またこちらの血液事業部会にも御報告いただけたらと思います。  大阪のほうは、むしろ、その逆で、ポイントを絞った検査体制というものに対して力が入っている かというと、どうもそろそろ力が抜けてきているという状況は現場では見ていますので、もしこれで 来年度の状況を見てまた上がるということになれば、これは責任を問われることになりかねないよう な状況であるということを、強くそちらの当局の方に私は警告をしたい。それはそこの自治体に対し ても警告をしたい。大阪の行政当局が私たちが頑張ってよかったというふうに考えるとすれば、それ は大きな誤りであるということを言っておきたいと思います。 ○高橋委員長 問題はこの血液事業部会だけのことではなくて、サーベイランス委員会などとも連動 して、それで全体でHIV対策が進むように、片一方でこうされると反対側にきちっと行かないで先 行してしまうということでは問題の解決にはならないということだと思います。今までの御意見はそ れぞれ参考にして、事務局、日赤にさらに引き続いて安全性に関する情報を収集していただければと 思います。  それでは、議題4「日本赤十字社からの報告事項について」の審議を始めたいと思います。まず、 事務局から資料4-1「新型インフルエンザの国内発生に係る血液製剤の安全性確保について」を御説明 いただいた後、日本赤十字社から資料4-2「献血後に新型インフルエンザ(A/H1N1)と診断(疑いを含む) された献血者血液のウイルス検査の結果について」のご報告をお願いします。 ○難波江血液対策課課長補佐 資料4-1でございます。これは前回の運営委員会でも御示しさせていた だきました5月18日の通知です。新型インフルエンザの国内発生を受けまして、献血を行った方が献 血後7日以内に新型インフルエンザ患者または疑いのある患者となった場合にはその血液は使わない、 医療機関に供給されていた場合は回収する、ということを求めた通知となっております。4-1は以上で ございます。 ○百瀬(日本赤十字社) 資料4-2を御覧ください。献血後に新型インフルエンザ(A/H1N1)と診断(疑い を含む)とされた献血者血液のウイルス検査の結果について、御報告いたします。これにつきましては、 前回12月の運営委員会におきまして、献血後7日以内に新型インフルエンザまたはその疑いの診断を 受けた献血者からの申告情報により、確保または回収した血液製剤、つまり新型インフルエンザの潜 伏期間と思われる献血者血液の血中にウイルスが存在するか否か、96名分について調査結果を中間報 告として報告させていただきました。これは、その後につきまして今年1月3日までに献血後情報を 入手した分についての579名分の最終結果をまとめましたので御報告させていただきます。  方法につきましては、前回と同様、ここに記載しているような方法で2種類の遺伝子について検出 を試みました。結果につきまして、最後に下線で引いてありますが、579名の献血者の血漿製剤565検 体、赤血球製剤413検体、いずれも全て陰性でした。ウイルス遺伝子は検出されなかったということで す。この中には、対象にあるように、医療機関から回収された赤血球製剤が59本、血小板製剤が1本 含まれております。  この579名のバックグラウンドについて、裏面にグラフで示しております。上のグラフは年齢群別に 示した男女の件数です。前回御報告しましたのは11月の今の感染のピークになりかかっていたその前 の段階での96検体です。今回の579検体は11月末から12月にかけてのピークの部分がかなり含まれ ておりまして、御覧のように、16歳から19歳の年齢群が最も多く、164名でした。20歳代も合わせま して30歳未満が約6割を占めているという状況です。  それから、献血から診断日までの日数につきましては、当日診断を受けた事例、つまり、献血をし た後に発熱などがあり診断を受けたという事例も10例含まれていますが、献血日から診断日までの間 隔は3日が最も多く、7日以内ということですので、7日までのこのような傾向を示しております。 以上のことから、前回同様、潜伏期間と思われる献血者では新型インフルエンザ(A/H1N1)2009のウイ ルス血症は認められませんでした。 ○高橋委員長 先生方からご意見ありますか。今回の新型インフルエンザについては警戒を強めてい ろいろやっていただいたのですが、潜伏期間中の方が献血をされて、その方の血液がウイルス血症を 呈していてリスクがあるというようなことはないと判断してよろしいのではないかと思います。予防 的措置として、献血後にこのように新型インフルエンザと判明した患者さんであればその献血血液を 回収するなどの措置を行ってきたわけですが、今後は必要ないとしてよろしいでしょうか。御異議が ないようですので、事務局において今回の新結果を踏まえてしかるべき対応をお願いします。  それでは、日本赤十字社からの報告事項もまだありますが、先に議題5の「その他」の資料5「HBV genotype NATコントロールサーベイ結果報告書」について参考人の水澤先生から御報告・御説明をお 願いいたします。 ○水澤参考人 血液製剤の安全性向上のために、B型肝炎の核酸増幅試験などの感染症検査が実施さ れていますが、実情を把握することを目的としてコントロールサーベイを実施いたしましたので報告 します。資料5の要旨の所を御覧いただきたいのですが、血漿分画製剤製造販売業者等においては、 原料プール血漿についてB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス及びヒト免疫不全ウイルスの三つのウ イルスの核酸増幅試験を実施しております。その感度の目標値を4課長通知に基づいて100IU/mLとし ています。  一方、民間の衛生検査所においては、遡及調査のガイドラインに基づきまして、輸血を受けた方の 献血後検査としてHBV-NAT核酸増幅試験を実施しています。これらの試験は、試験を実施している施設 がそれぞれ精度管理を行っているところでありますが、共通の検体を用いて実情を把握するというこ とを目的としまして、すでに各ウイルスの感度パネルを用いて第1回及び第2回のコントロールサー ベイを実施して、そしてそれぞれの施設が実施している試験が適切に精度管理されているということ は報告いたしました。  ところで、B型肝炎には全世界でA-Hの八つの遺伝子型があることが知られていて、その分布は地 域ごとに異なっています。日本で見られる主なgenotypeはBとCでありますが、最近では若年層の献 血において、欧米で主流のgenotypeAが増加傾向にありまして、稀にgenotypeDも検出されています。 そこで、現に実施しているHBV-NATによって、日本で見られるこれらのgenotypeA-Dの四つのものの HBV DNAを、genotypeにかかわらずにきちんと検出できているかということを確認することを目的に第 3回のコントロールサーベイを実施しました。  本サーベイではgenotypeのA-Dそれぞれについて、濃度が100IU/mLと300IU/mLからなるHBVの genotypeパネルを検体として作成して、そして対象施設に送付しました。結論としては、対象施設で あるすべての施設のすべての測定において、日本で見られるA-Dの四つのgenotypeのHBV DNAを genotypeにかかわりなく検出でき、あるいは定量できるということが確認されました。  具体的には、表2Aを御覧いただきたいのですが、これは血漿分画製剤販売業者等における原料血 漿プールの検査として実施しているHBV-NAT法による測定の結果をまとめたものです。表のいちばん上 の行が測定法を表していますが、COBASのAmpliScreen、TaqScreenのMPXと2種類のIn-houseで、 合計4種類の方法でその下になりますが、国内外7施設で測定を行いました。  次の行は飛ばしまして、いちばん右側が合計の数字なのですが、21/21と書いてあるのは、7施設で 3回ずつ合計で21回測定したのですが、21回検出できましたということを意味しておりまして、 genotypeのAから下のDの所まですべて検出できていまして、いちばん下の所の陰性コントロールは 陰性であるというふうに判定できました。  次は表3Aを御覧いただきたいのですが、これは献血血液のスクリーニング検査として実施してい るHBV-NAT法による検査の結果のまとめで、先ほどと同様に、いちばん上の行は用いた試験法ですが、 TaqScreenのMPXとTaqScreenのHBVの2種類の方法がありますが、MPXというのはB型HBV、 HCV、HIV、いずれが陽性であっても陽性だという判定が出る、そういう試験法であります。 TaqScreenのHBVのほうは、MPXで陽性と出たときにこれがB型肝炎の陽性であるかどうかという のを判定するための試験法であります。このスクリーニング検査は4施設がありまして、それぞれが この二つの方法で測定を行いましたが、先ほどと同様に、A-Dまですべてのgenotypeについて、いち ばん右側になりますが、24回測定して24回すべて検出できまして、いちばん下の所の陰性コントロー ルはすべてが陰性というふうに判定できました。  最後に、図1というグラフがありますが、これは民間の衛生検査所において、輸血後検査として実 施しているHBV-NAT法による測定結果をまとめたものです。例として、グラフのいちばん左側の所のA というのは、genotypeAでP1-075という検体を用いて測定した結果ですが、色の違いは測定した施設 の相違なのですが、施設が違っても一つの検体はほとんど同じ測定値を得られています。それはすべ ての検体についてそういうふうに見ることができます。中央の所のNCが陰性コントロールで、これ はどこの検査所でも陰性というふうに判定できました。  以上のような結果でしたので、2ページ目のいちばん最後の所になりますが、結論としましては、 NATのガイドライン並びに遡及調査のガイドラインに基づいて実施しているHBV-NATによって、日本 で見られるA-Dの四つの遺伝子型のB型肝炎ウイルスDNAを、遺伝子型による相違なく検出あるい は定量できているということが確認できました。このコントロールサーベイは、その下の所に書いて ある厚労科学研究補助金を得た研究班によって実施したものでございます。以上です。 ○高橋委員長 非常に分かりやすいスッキリした結果ですが、御意見は何かありますか。ないようで すので、水澤先生、どうもありがとうございました。十分な精度で各社行われているということなの で、今後とも各社とも引き続きNATをしっかりした対応をとってやっていただきたい。またこういうサ ーベイをときどき行うことが必要ではないかなと思います。  それでは、続きまして議題4に戻りまして、日本赤十字社からの報告事項ですが、血小板製剤への 病原体低減化技術の導入について審議いたします。この議題については、前回の運営委員会で審議さ れ、非臨床試験において、一定程度の不活化効果が期待できることが示されたものの、血小板への影 響等の懸念があることから、海外での臨床試験や市販後調査に関する情報を十分収集し、精査した上 で、安全性及び日本の血液事業への適合性等の観点からも、第一選択とされたリボフラビン法第一世 代について、臨床試験の実施に向け準備を進めていただくという結論が得られたところであります。 また、動物実験実施の可能性等について、いくつか宿題も出されております。さらには、昨年12月24 日に開催されました血液事業部会において、本件に関する運営委員会での審議結果の報告の際に資料 の内容等についていくつか御意見が出され、改めて血液事業部会に対して報告するということになっ ております。そういう背景ですが、資料6-1から資料6-3について、事務局、日本赤十字社より御説明 をお願いいたします。 ○難波江血液対策課課長補佐 資料6-1につきまして事務局より御説明させていただきます。前回の運 営委員会におきまして、海外の状況について十分に調査・情報収集するという宿題が出されたところ ですが、これまで日本赤十字社において、赤十字のネットワークであるとか、メーカーからであると か、パブリケーションされた情報とか、そういったものが収集されてきたところですが、厚生労働省 としましても、各国の在外公館を通じまして、対政府に対してどういう状況かということを調査させ ていただきました。その結果を資料6-1にまとめましたので御報告させていただきます。  1枚目ですが、イギリスにつきまして聞き取りを行ったところ、ちょうど今年の1月27日にイギリ スの諮問委員会が開催されたと。その結果を参照されたいという返事が返ってきました。その結果の 概要をいただいたのですが、それをここに英語と日本語訳、こちらでつくった仮訳を添付させていた だいています。血小板ワーキンググループが現時点でのエビデンス、特に安全性と有効性についてデ ータがある一つの不活化技術について検討した結果が報告された。潜在的副次的利点と輸血感染症の アンダーリポーティングの可能性を考慮した上でも、血小板不活化技術は高価な手法となる。最近ア ブストラクトとして報告された治験結果は、不活化処理済み血小板製剤を投与された患者で出血のリ スクが高まることを示唆している。また、不活化処理済み製剤血小板製剤を投与された患者では、血 小板数の増加が劣ることが示された。これは、このような懸念を示さなかった過去の研究と対照をな す。患者の安全性、ドナーのばく露の増加及び不活化処理済み血小板製剤の有効性に係る不確実性を 踏まえると、諮問委員会として、この技術は現時点では使用されるべきではないと結論付けられた。 今後の状況は事務局により注視されるというものとなっております。  続きまして、1枚めくっていただいてドイツです。ドイツにつきまして聞き取りを行ったところ、 不活化技術の許可はあるが現時点では使用されていない。許可を持つ血液センターは、血小板不活化 製剤の製造を許されている。しかしながら、高いコストが販売の障害となっている。現在、疫学的観 点から不活化製剤を用いる差し迫った理由はないという回答をいただきました。個別の技術につきま して、アモトサレン法については2008年に市販後調査で500バッグを6州中2州で使用したというも のです。リボフラビンは使用されていないというものでした。  フランスですが、これは前回に赤十字社から御報告いただいたものとほぼ変わりがないのですが、 アルザス県で試験的に導入されている。また、海外県の3県でも、チキングニア及びデング熱対策と して導入されているという回答をいただきました。アモトサレン法は市販後調査をしながら使用中で、 2007年に市販後調査として1万8,732バッグ、年間国内使用量の7.6%に相当の分を使用している。リ ボフラビン法につきましては2005年から2007年に、臨床試験273例、391バッグを使用したというも のです。  オランダにつきましては、現時点で血小板不活化技術は導入されていない。Hovonのための Interceptの臨床研究(いわゆるHovon82Study)を実施した。この臨床研究の目的は不活化技術を使用す べきかどうかであったが、得られた研究結果では、同技術を使用するための十分な理由が見つからな かった。結果については論文にまとめて、現在学術誌に投稿中ということです。個別の技術について は、アモトサレン法についてはウェブサイトとTransfusionに出されたアブストラクトを参照するよう にというふうに言われました。リボフラビン法については、2010年末に臨床試験を開始予定というと ころです。  ベルギーですが、これも以前に赤十字社から報告をいただいたものとほぼ変わりがありませんで、 2009年7月14日に、すべての血小板製剤について、1年以内に不活化技術を導入することを規定した 王室令が発行された。Superior Health Councilの助言に基づき、2009年11月に、血液センターに不 活化処理済み血小板製剤の有効期限を最大5日とし、成人の最低濃度を3×10の11乗とするレターを 送付した。過去に血小板数の上昇が見られない、また、出血が持続したという報告があったが、多く は5日以上経った血小板を輸血したので、有効期限を5日としたらそのような報告がなくなったとい うものです。アモトサレン法については導入している。供給率としては47%、6万4,030であった。6 センター中5センターで実施している。リボフラビン法については導入していない。CEマークを取 得しているが、臨床での使用実績はほとんどなく、in vitroでの評価は実施されており、現在、さら なる臨床研究の結果を待っているところであるというものです。  イタリアは費用対効果を分析中ということで、アモトサレン法については、いくつかの血液センタ ーでルーチンで使われていて、2009年に6,000ドーズ使いました。リボフラビン法についてはデータ がまだ得られていないというものです。  スペインですが、不活化技術の運用についてはわずかな経験しか有しておらず、輸血の安全のため の科学委員会による点検と評価の下に置かれているというところです。アモトサレン法については、 ルーチンで使用しているセンターとバリデーションを実施しているセンターが存在し、ルーチンで10%、 バリデーションで9%供給している。リボフラビン法については回答がありませんでした。  ポーランドは、リボフラビン法について一つの血液センターで導入済みで、これまでは問題に遭遇 していない。アモトサレン法については三つの血液センターでバリデーション中ということでした。 リボフラビン法はワルシャワで使われていて、これまでに1,200バッグを使用している。  スイスですが、低減化技術の導入については検討中であり、プロジェクトは進行中であるが、より 詳細に言えば、まだ利用できないということである。スイスメディックは、将来、すべての血小板製 剤に対して、細菌感染を減らす方法(例えば低減化技術)が導入されることを期待している。アモトサ レン法は承認を受けて、リボフラビン法は臨床試験を実施予定ということでした。  カナダは、カナダ保健省に対し、血液センターから不活化技術について申請がなされていない。現 在、不活化技術の導入を行うか否か、また、行う場合どの程度行うかについて検討の計画の初期段階 であるというところです。  オーストラリアは、現時点では、病原体不活化/低減化技術よりも、検査と献血制限による血小板製 剤の安全性を確保している。この戦略は、輸血感染症のリスクを非常に効果的に減少させることが判 明しているが、原則として、未知の病原体と比較して既知の病原体に効果があるものである。将来、 不活化技術導入を検討する場合、輸血による感染リスクの低減効果と製造時の費用に与える影響を慎 重に比較する必要があるというものです。以上でございます。 ○五十嵐(日本赤十字社) 前回頂戴いたしました指摘事項に対する回答ということで、資料6-2を御覧 ください。1番目として、「動物試験による有効性の評価について」ということですが、これにつき ましてはミラソル法、アモトサレン法ともに、処理可能な最低血小板数が規定されていまして、実験 動物からそれだけの血小板を採取することが難しいこと、また、ヒトの血小板を動物に輸血して有効 性を正確に評価するための実験系が確立していないことから、動物試験の実施は困難と考えておりま す。なお、海外において有効性の有無を動物試験により確認した例はありますが、有効性の差異等、 詳細な評価については臨床試験を実施しているという状況です。国内で低減化処理血小板製剤の臨床 試験を実施する際は、当該製剤の海外における臨床成績を評価した上で実施したいと考えております。  2番目としまして、「白血球不活化の確認について」ですが、白血球不活化の実験につきましては マイトジェン(細胞分裂誘起物質)としての作用の強いPHAや抗CD3抗体を使用して実験を行い、 陰性との結果を得ております。今後、ご指摘のとおり、混合リンパ球培養法による白血球不活化の確 認試験等を実施していきたいと考えております。指摘事項については以上でございます。  続きまして、資料6-3を御覧ください。資料6-3につきましては、前回報告させていただいた資料に、 前回の本委員会あるいは血液事業部会で頂戴した意見、さらにこれまでの経緯等を追加した資料にな っております。また、参考文献等も添付しておりますし、前回以降これまでに入手した情報に基づい て当該箇所を修正いたしました。本日は時間の関係もありますので、修正箇所を中心に説明をさせて いただければと思います。  資料6-3の1ページ目ですが、青い字あるいは薄い字が最初に占めていると思いますが、1ページ目 の冒頭にはこれまでの経緯を追加しております。文章につきましては、その以降も修正した箇所であ る青い字がありますが、そのほとんどがデータの追加あるいはそれに伴う修正の部分になりますので、 文章についてはご覧いただければと思います。  続きまして7ページを御覧いただければと思います。7ページ以降、例えば表1・表2などは表全 体が青くなっていますが、これにつきましては、これまでに日本赤十字社あるいは各メーカーから報 告されたデータを再掲しております。それが表1・表2・表3・表5など、全部で10ぐらいの表を、 事業部会での御意見に従って追加させていただいたということになります。  いくつか修正した点があります。13ページの表10を御覧ください。上から2番目の乳酸濃度の所、 p-セレクチンの未照射の部分に転記ミスがありましたので値を修正しております。これは申し訳ござ いませんでした。今回修正をさせていただきます。  続きまして、表12をご覧ください。ただいま血液対策課からも説明がありましたが、我々も独自に 入手した情報あるいは血対課からいただいた情報を基に表12を修正しております。まず、CEマーキ ングにつきましては、EU諸国全体をまとめてこういう表示にいたしました。アモトサレン法はClass I、リボフラビン法はClass IIbとなっております。そのクラスの違いというのは、我々が調べた限り においては医療機器のリスクの差であろうと思われます。Class IIIにつきましては、「人体の生体機 能を侵害しかねないため、危険性が特に大。心臓・循環系・神経系に直接使用の製品。通常、臨床試 験が実施される」。Class IIbにつきましては、「人体の全組織に影響を与える中程度の危険性、30日 以上の長期にわたって使用。当該製品の危険度により臨床試験が必要となる」。これはJETROの資料か ら抜粋したものですが、こういうクラス評価に基づいてIIbあるいはIIIという決定がなされたのだろう と思っております。  このClassというのはI、IIa、IIb、IIIと4段階あります。これは日本の1から4の4段階とほぼ同 等の分類だろうと考えております。通常、ここに書きましたように、ClassIIIになると臨床試験が必 要となるわけですが、ClassIIbの場合も、危険度により臨床試験が必要となっております。リボフラ ビン法の場合も、審査時に臨床試験の結果を報告していますし、その認可を得た後も市販後調査等の 結果も報告しているということを聞いております。  各国の状況に移ります。青い所がたくさんありますが、厚労省からいただいた情報以外の情報につ いて説明させていただきます。まず、英国のリボフラビン法ですが、in vitro試験については実施を したということで、臨床試験は、今後やるかやらないかを決定したいということでした。ドイツにつ きましては、先ほど、現在使用していないという話がありましたが、ドイツ赤十字に問い合わせたと ころ、コストが高いと。それについて医療費の支払いを快く医療機関が納得していただけないという ことが一つ。それと、オランダのHOVON試験でも明らかになった問題が未解決であるということから、 現在使用していないということでした。リボフラビン法につきましては、ISBTの名古屋のランチ ョンセミナーにおいて、ケルン大学等で臨床試験が実施されるということになっております。  フランスにつきましては、リボフラビン法は、先ほど血対課から説明があったとおりですが、資料 としては途中経過ではありますが、48患者に293回輸血したというISBTでの報告を添付してあり ます。オランダのリボフラビン法は、2010年3月に試験を開始したいということがオランダの治験デ ータベースに登録されておりました。  イタリア、スペイン、ポルトガル、ポーランドについてのリボフラビン法ですが、ここでは市販後 調査が実施されております。添付した資料は学会の報告ですが、イタリア、スペイン等で処理製剤が 110回使われている。それに加えて、メーカーから聞いた話によると、欧州7カ国で、現在のところ輸 血が246回実施されたということを聞いております。  次のページは、表12の続きですが、EU以外の国で米国ですが、前回の報告でFDAの諮問委員会 でアモトサレン法についての新たな第三相試験の実施について議論されるということをお話しました が、その結果についてaaBBに資料が出ていまして、メーカーのほうは1,000症例ということを提案 したのですが、諮問委員会としては3,000例程度をやりなさいと。これは肺障害等が増加していないと いうことを確認するための試験になりますが、3,000例を実施するということになっております。ただ、 実際問題として、3,000例をやるのはなかなか困難ですので、今、FDAとメーカーで実施可能な方法 について議論をしているということを聞いております。青く書いてあります。あとの国は、厚労省の 情報を書かせていただきました。  続きまして、19ページの表15です。表15の採血部門のいちばん下のカラム、「更新等が必要な採 血装置の台数」という所で、「更新等」という文字を入れさせていただいたのと、アモトサレン法の 台数を変更しましたので、そこに対して「注」を書かせていただきました。まず、「更新等」が必要 という理由ですが、リボフラビン法とアモトサレン法で1,631台更新が必要ということになっています が、1,631台中1,112台はプログラム変更により血小板の置換採血に対応できるということではありま すが、当該機器の日本仕様とヨーロッパ仕様とは多少異なっておりまして、日本仕様の当該機器用の プログラムというのはまだ開発されていない。また、置換採血に対応した採血キットとPASが日本 国内では市販されていないということです。  もう一つ、当初、アモトサレン法は1,860台と記載しましたが、よく状況を確認したところ、229台 については日本国内では市販されていないPASを使用すれば置換採血が可能ということでしたので、 修正をさせていただきました。これにつきましては、平成20年7月の合同委員会におきましては正し く報告させていただいたのですが、前回の数が多少違っていたということで修正をさせていただきま す。  本文並びに表については以上ですが、その本文の説明を加えるために別紙1〜3というものを追加 させていただきました。別紙1につきましては、リボフラビン法のmutagenicityに関する論文になっ ております。血液事業部会で指摘があった文献なのですが、これにつきましてはリボフラビン法の分 解物であるルミフラビンに代謝酵素が関与するとmutagenicityを発現するという論文ですが、ルミフ ラビンというのはアルカリ性のペーハーの高い領域でしかできないということでありまして、リボフ ラビン法の処理条件では生成しないということです。  別紙2につきましては、アモトサレン法による10単位製剤の調製法についてということで、日本国 内では出荷本数の8割強が10単位製剤となっていますので、この10単位製剤が適正に製造できないと いうことは、日本ではなかなか使うことができないと考えております。以前よりCerus社及びBioOne 社に対しましては10単位製剤への対応を要請しておりまして、平成21年11月12日にCerus社よりそ の対応方法が示されました。  ただ、示された対応方法としましては、採血時のボリュームをCerusのインターセプト、アモトサレ ン法の規格に合わせていただきたいということでありまして、現状200mLのところを240〜280mLまで 採血をして、それで製剤を調整してくださいというお話でしたので、それでは今まで以上にロスが大 きくなる可能性、あるいは今までとは違って血小板濃度の低い製剤をつくらなければいけない可能性 ということになってしまいますので、我々としてはこの方法は受け入れることができないと考えてお ります。  最後の別紙3につきましては、CEマーキングについて先ほど説明したことを少々詳しく述べさせ ていただきました。変更につきましては以上です。 ○高橋委員長 だいぶ細かい点まで書き加えられたということですが、委員の先生方、御意見はいか がでしょうか。あまり強調されなかったのですが、資料6-3の「はじめに」の2段落目の所にあるよう に、従来の安全対策である問診の強化、スクリーニングの充実等々に比べて、だいぶ違った感染性因 子低減化技術のリスク評価をしなければいけないということが基本だろうと思います。  この話がないと話が始まらないと思うのですが、諸外国の事情がだいぶはっきりしてきまして、イ ギリスでは低減化技術を導入しないという決定ですし、ドイツでは現在も使用されていない。オラン ダのアモトサレンの臨床試験結果の論文が投稿中ということ、あるいはスペイン、イタリア、ポーラ ンド等での使用状況などが新たに報告されております。日本赤十字社におかれまして、臨床試験の実 施に向けて、残されたin vitroでの課題の対応、準備、あるいは海外での臨床試験や市販後調査の情 報の収集を継続して行っていただきたいと思います。  特に、これからかなり動きがありそうな海外情報について、フランスでの臨床試験の結果、イタリ ア等での市販後調査の結果に加えてドイツ、オランダ、スイスなどでも臨床試験が開始される予定と いうことですので、これらの情報をしっかり集めていただきたいと思います。ただし、リボフラビン 法にとらわれることなく、新しい技術も含めて幅広くそういう情報を今後とも集めていただきたい。  そしてまた、今後新しい知見などが得られた場合には、運営委員会に改めて御報告いただくことに したいと思います。また、本日お示しいただきました内容で、改めて血液事業部会に事務局、日本赤 十字社より報告いただくと思いますが、それでよろしいでしょうか。 ○大平委員 だいぶ丁寧に文献整理されていて、たぶん、血液事業部会で、試験成績を整理するよう にという宿題だったと思っています。その整理について、今回きちっとできているのではないかと思 うのですが、内容として、海外の事情としてはよく調べていただいて、特に各国の国の見解とされて 出されているというところが、私たちもきちっと評価していかないといけないところだろうと思いま す。  あと、イギリスなどでも、費用対効果とか、米国などもそうかもしれませんが、検査の方法として、 こういう新しい検査、不活化の技術の導入というのは大変これから注目していかなければいけないと ころだと思うのです。ただ、血液製剤全体として、薬価に跳ね返るような問題も一つ大きな問題とし てあると思うのです。  ですから、そういった点では、技術を導入する際に、かなり重複した検査とか、そういうものが入 っていくとなると、素人考えですけれども、無駄なところも出てくるのではないかと思うので、そこ を整理しながら、また新しい技術導入とすると、機器の整備とか、ランニングコストも日赤のほうで 試算して出していただいていますが、それが本当にそのとおりいくのかどうかも含めて、これから新 しい技術の導入と、また、技術開発をして、それを今後の将来のために確保していく問題としては大 切な問題としてあるので、安全性の向上と、逆に、コストの問題も少しいろいろ考えながら図ってい かないと、新しい技術にスッと飛びついていくというのも、何か問題が起きている場合はそれは導入 しなくてはいけない問題だと思うのですが、そこは、是非、私個人としては慎重にしていっていただ きたいと思いました。 ○佐川委員 私も似たような印象を持って報告を聞いておりました。厚労省、血液センターをはじめ、 主としてヨーロッパ、アメリカの現状を非常によく調べていただいて、私も非常に整理ができたと思 っております。これで見る限りにおいて、病原体低減化の技術は一部の国で行われているのだけれど も、それもその国で低減化の技術がすべての血液製剤に応用されているわけではなくて、まだ一部の 製剤に使われているということです。ただし、今、私はあくまで製剤の効果、安全性の問題だけにつ いて申し上げているのですが、それが今の段階ではまだ十分なデータが出そろっていないのだなとい う印象です。あるいは、病原体低減化技術で作った製剤の安全性及び効果がまだ十分評価に価するだ けのデータが出ていない。逆に、ネガティブな評価をしている国としては、出血のリスクが高まった とか、そういうことで試験を中止したというのもありますし、それを否定、ひっくり返すだけのデー タが低減化技術を実施している国にはまだ得られていないという印象を持ちました。  もう一つの観点としては、今、大平委員が言われたように、コスト・エフェクティブネスの問題が あります。ただし、この問題は、日本としては低減化技術の安全性の担保とか効果がしっかりと実証 されてから議論すべきではないかと思います。私が今教えていただいたデータからは、評価するには ちょっと難しい、まだ発展途上の状況ではないか、という印象を持ったわけです。  特に、イギリスはこういう科学的評価をするのが非常に得意な国です。いろいろなペーパーに報告 された研究を寄せ集めて、その中から適正に評価していくという姿勢が定着している国ですが、そこ ですらまだポジティブな評価が出ていないというのが現状ではないかという印象を持ちました。 ○花井委員 今、佐川先生がおっしゃっていただいたことですべて言い尽くされたと思うのですが、 今のような色でこの部会として評価しているとすると、それが私の同じ意見だということですが、そ うなると、「はじめに」の文章で2段落目の「さらに、安全対策コストの著しい増加も発生するため、 患者さんに負担が発生してしまうことは否定できない」という表現ぶりが、それまでは「患者さん」 という言葉は使っていなくて、安全性と効果、製剤のパフォーマンスが下がったりしないというとこ ろを評価して、例えば、これがすべての未知のウイルスや未知の病原体感染を防げる技術であれば、 それは高くても即刻導入するわけですね。そういう効果の面でもそれほど未完成なのに別のリスクも ある、さらにコストもあるよねという、現状はこういう話だと思うのです。  そうすると、何か、コスト負担のところだけに「患者さんの負担が発生していることは否定できな い」という文章は、書き方としては少し変だと思うので、今の佐川先生がおっしゃられたような意見 の理屈でここをスッキリとした文章にしていただいたほうがいいかなと。 ○高橋委員長 具体的には「患者さんに負担が発生してしまう」という部分を取ってしまって、「著 しい増加も発生することは否定できない」と。そういう事実だけを書けばいいのではないかと。 ○花井委員 そうですね。ここで初めて患者さんを出すのはちょっと。 ○五十嵐(日本赤十字社) 意図するところとしては、低減化使用による品質の低下からコストの上昇 まで含めて、患者さんの負担が発生してしまうという意図で書かせていただいたのですが。 ○花井委員 私も最初に読んで、新たな有害事象も受けているのかなと読もうと思ったのですが、そ う読むと、逆にそこは整理して、例えば患者さんの経済的な問題と安全性に対する問題と両方で患者 に負担をかけるという書きぶりにしないと。 ○高橋委員長 患者さんにとって良い方法かどうかというのがスタートしているので、わざわざ患者 さんだけの負担云々とかは書かなくてもよろしいのではないかと私は思います。それで、先ほど私が 申し上げたのですが、従来の安全対策との違い。薬品を添加して紫外線などを照射することによって、 品質の低下の懸念と新たな有害事象の発生の懸念があると。そういう根本のところの違いを踏まえて 慎重にやらなくてはいけないということが根本ではないかと思います。 ○難波江血液対策課課長補佐 本日ご欠席の山口委員からもコメントをいただいておりますので読み 上げさせていただきます。「前回の運営委員会においては安全性の観点及び日本の血液事業へのドラ スティックな変化を及ぼさないという観点から、リボフラビン法を第一選択とすることを指示しまし た。今後、リボフラビン法を適用したときの血小板の活性化等の影響について慎重に検討していただ きたいと考えております。また、その際はほかの不活化法との比較も有用であると考えられますので、 海外情報のフォローアップを継続していただくとともに、今後、海外での臨床試験の結果等を含め、 しっかりと調べていただきたい」という意見をいただいております。 ○高橋委員長 また、先ほど大平委員が言われたことですが、かなり先の話でして、私自身は、実際 には準備を進めると。ただ、実施をする際には、段階的にやらなければいけないとか、どういう条件 下でやるとか、パンデミックが起きたときにどういうふうにするかとか、そういう部分はまだ具体的 な日程に上っていません。ただ、いよいよ必要になったときに速やかに実行できるように準備を進め る。その際にもこういう点をよく考慮してやっていただく。そういう趣旨でまとめていただきたいの ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○岡田委員 各国、一応評価をしているけれども、実際それを全土に拡大するとか、そういうところ には非常に慎重になっているのが現状だと思うのです。しかし、よく見ると、各国とも臨床試験まで 実施している、もしくは予定ということですので、それなりに各国は一応小規模で使ってみて、どう いう問題点があるかどうかということをその国ごとできちんと把握しているのです。そういう面では、 リボフラビン法を日本赤十字社が選んで、我々もそれに対して特に反対はしなかったということです ので、リボフラビンを実際に臨床でトライアルするためにどういうところをクリアすればいいのかと いうことを明確にして、実際にこれを使うことがあるかどうか分かりませんが、必要が応じたときに 速やかにそれが導入できるような準備はする必要があるのではないかと思います。 ○高橋委員長 それでは、今のような形で進めていただきたいし、本日の内容で改めて血液事業部会 に事務局及び日本赤十字社より御報告いただきたいと思います。  それでは、次に議題4-3ですが、資料7「海外滞在歴に関する献血制限の見直しの実施状況につい て」の御説明を日赤からお願いします。 ○菅原(日本赤十字社) 資料No.7で、英国滞在歴に関する制限の緩和に伴う献血状況について報告を させていただきます。最初のページですが、今般、「採血時の欧州等滞在歴による献血制限の見直し について」は、昨年の12月11日付で厚生労働省より通知が発出されておりまして、1980年から1996 年の間の英国滞在歴による献血制限につきまして、それまでの「1日以上の滞在歴を有する者」を 「1カ月以上の英国滞在歴を有する者」という形に制限が緩和されたところです。  これを受けまして、日本赤十字社では、本年の1月27日採血分からこの緩和された制限による献血 受入れを開始いたしまして、今回、その献血受付対象者数の推移について集計されましたので、その 概要を報告させていただきます。なお、この調査実施期間につきましては、本年1月27日開始日から 2月21日までの26日間、一部、九州・沖縄につきましては、2月14日までの19日間という形での集 計とさせていただいております。  その結果ですが、1番目に、全国の献血受付対象者数につきましてはその次のページのグラフ1で お示ししているとおり、3,759人の受付対象者がありました。この条件で平成20年の献血受付者数約 614万人をベースに、年間の対象者数を試算すると約5.1万人になるものと推定されております。この グラフ1でお示ししましたとおり、1月27日からの日別の受付対象者数の推移としましては、若干ば らつきがありますが、おおむね平均140から150人程度の受付をいただいております。また、その累積 の推移をこの折れ線グラフで示しておりますが、ほぼ一定の人数に御協力いただいているということ で、傾きがほぼ直線的な推移を示しているという状況です。  2番目に、この献血受付対象者数の滞在期間別の分布を次のページのグラフ2でお示ししておりま す。1週間以内に滞在されていた方が全体の約80%、2週間以内の滞在までだと93%ということでして、 ほぼ大部分が2週間以内の滞在歴であったという状況です。これらの結果を踏まえまして、この献血 制限の緩和の実施については、献血者の確保の増加に有効であると判断され、今後も引き続きまして、 国と連携しながら積極的な広報活動を継続的に行っていきたいと考えております。  最後に、参考として、日赤における広報展開の絵が出ておりますが、一つは新聞広告です。これに つきましては、すでに本年1月27日付で、全国紙も含めまして43紙、合わせて4,076万部に対して の周知を行っております。併せて、ポスター約1万部近くを作製して配布し、掲示をしております。 それから、現在行っている全国統一キャンペーン、これは「LOVE in Action」というキャンペーンを 展開中ですが、この中においても、随時、この制限緩和についての告知等を行っている状況です。こ の広報につきましては、非常に重要であると考えておりまして、今後も継続的に行っていく必要があ るという中で、この3月の段階でもう一度広く国民に再度周知をしていきたいと考えております。以 上でございます。 ○高橋委員長 御意見はありますか。 ○岡田委員 以前にも出たことがあると思うのですが、こういう広報をするときに、HIVのキャン ペーンとか、政府の広告機構か何かがありますよね。ああいうものは日本赤十字社は利用できないの でしょうか。 ○難波江血液対策課課長補佐 政府の政府広報を活用させていただきます。それは政府としてやらせ ていただきます。 ○高橋委員長 そのほかにいかがでしょうか。細かく拝見すると、「輸血用血液製剤の安全性や安定 供給等に及ぼす影響について検討された結果」ということで、後段をあまり強調しないほうがいいの ではないかと思います。結果として、そういう影響も検討したわけですし、こういうふうに変えるほ うがさらに良いということだったのですが、主には安全性を検討して変えて構わないという趣旨だっ たと思います。こういう緩和措置とか、そういうものを周知するのは大変な作業で、前のものが違っ ていたのかとか、そういうようなことを気にされる方もいらっしゃると思うのですが、あの時点では 正しかったけれども今回改めて情報を整理してこういうふうになった、ということをうまくお伝えい ただければと思います。日赤には、これは非常に大事なことですので、対応をよろしくお願いします。  それでは、最後に、「フィブリノゲン製剤等にかかわる報告事項」について事務局から御説明をお 願いします。 ○光岡血液対策企画官 資料8-1から資料8-3です。資料8-1は、フィブリノゲン製剤の納入先の医療 機関の追加調査の結果でありまして、この資料につきましては、すでに平成19年11月7日付の追加調 査の結果を2週間置きに更新しているということで、1月15日に公表したものは平成22年の1月1日 までに回収した医療機関からの回答を取りまとめた状況です。この結果につきましては、その後、数 等の変更がありませんので、直近等の数字が載っている1月15日のプレスリリース版を今回運営委員 会に御報告させていただくというものです。  資料8-2については、C型肝炎訴訟の和解についてでありまして、高松地方裁判所において、和解が 成立したことをお知らせするものです。  資料8-3ですが、これは血液凝固因子製剤の納入先医療機関の調査でありまして、これも今年の1月 12日までに回収した医療機関の回答を取りまとめた状況を御報告するものです。これについてもその 後の調査結果から変わっていないということですので、直近の1月15日に公表した内容について運営 委員会に御報告させていただくというものです。以上でございます。 ○高橋委員長 何か御意見、御質問はありますか。そのほかに、全体を通じて何かありますか。特に なければ、本日の議題は以上でございます。次回の日程等については、また後日、事務局から御連絡 申し上げます。本日は御多忙のところ、どうもありがとうございました。 連絡先: 医薬食品局血液対策課 小川(内線2916)